JP4122568B2 - 多層配線板の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、多層配線板の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、印刷配線板の高密度化が進み、配線層を複数備えた多層印刷配線板の比重が高まっている。従来、多層印刷配線板の製造には、あらかじめ配線が形成された積層板の複数枚をプリプレグのような熱硬化性の絶縁シートを介してプレス成形するという手段が採用されてきたが、積層プレスでは、層間の位置あわせや積層板の収縮等には細心の注意が必要であり、多大な時間を要するために高価なものとなりやすかった。これに対して、第一の配線層の上に絶縁層を形成し、その上に第二の配線層を形成していく、いわゆる積み上げ(ビルドアップ)方式の多層配線板の製造方法が提案されている。このような印刷配線板の層間の電気的接続には、従来から一般に行われているスルーホールによる接続の他に新たに非貫通型の接続法が採用されている。例えば感光性絶縁材料組成物を積層しフォトリソ工程により接続穴を形成するフォトビア法や絶縁材料にエキシマレーザや炭酸ガスレーザで直接接続穴を形成するレーザビア法が提案されている。フォトビア法は開発当初、市販の液状レジストを使用して製造されていたが、最近ではフォトビア法専用に設計開発された材料も使用されるようになった。これらには専用のフォトリソシステムが必要である。一方、レーザビア法は使用する材料の幅が広く、これまで絶縁材料として用いられてきた樹脂をそのまま使用できるのが特徴である。
これらの非貫通型の層間接続では接続を必要とする部分にだけ接続穴を配置させるため、配線の自由度が高まり、多層印刷配線板の層数の低減、高密度化に大きく寄与する。
一方、ポリアミドイミド樹脂は、優れた電気的特性、耐熱性、機械的性質、耐磨耗性を有していることから、主として電線被覆材料(耐熱性エナメル線)に使用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
積み上げ方式の多層配線板においてもさらなる配線の微細化が進み、絶縁層と導体層の間の密着性がより高いものが求められている。またCSPをはじめとする半導体と配線板の境界領域での使用から絶縁樹脂自身にもより高い耐熱性、耐PCT性が要求されるようになった。
本発明は、積み上げ方式の多層配線板の微細化、絶縁層と導体層の間の密着性に優れ、高い耐熱性、耐PCT性を有する層間絶縁材料を提供することを課題とした。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、導体間の密着性に優れ、耐熱性、耐PCT性に優れた層間絶縁材料を検討した結果、シロキサン変性ポリアミドイミドを主剤とする材料を見いだし、これを加工したBステージシートを用いて層間接続を行うことにより上記課題が解決されることが分かり本発明に至った。本発明は、(a)第一の回路基板上に絶縁性接着シート及び銅箔を積層する工程、(b)第一の回路基板上の回路と接続穴を形成する位置の銅箔上に接続穴と同じ大きさの穴を形成する工程、(c)銅箔をマスクとして絶縁性接着シートに接続穴を形成する工程、(d)接続穴内部を導体でめっきして第一の回路と銅箔を電気的に接続する工程、(e)フォトリソ工程により第一の回路基板上の回路と接続穴を介して電気的に接続された第二の回路を形成する工程を有する多層配線板の製造方法において、絶縁性接着シートがシロキサン変性ポリアミドイミド樹脂100重量部と熱硬化性樹脂成分1〜150重量部を含み、シロキサン変性ポリアミドイミド樹脂が芳香族環を3個以上有するジアミン及びシロキサンジアミンの混合物と無水トリメリット酸を反応させて得られる一般式(1式)及び一般式(2式)で示されるジイミドジカルボン酸を含む混合物と一般式(3式)で示される芳香族ジイソシアネートを反応させて得られるシロキサン変性ポリアミドイミド樹脂であり熱硬化性樹脂成分が2個以上のグリシジル基を持つエポキシ樹脂であることを特徴とする多層配線板の製造方法である。
【0005】
【化4】
【0006】
【化5】
【0007】
【化6】
【0008】
そして、本発明は、熱硬化性樹脂成分が、2個以上のグリシジル基を持つエポキシ樹脂とその硬化促進剤または硬化促進剤と硬化剤を含有することが好ましく、シロキサン変性ポリアミドイミド樹脂が、(a)芳香族環を3個以上有するジアミン及び(b)シロキサンジアミンの混合物(a/b=99.9/0.1〜0/100(モル比))と無水トリメリット酸とを(a+b)の合計モルと無水トリメリット酸のモル比が(a+b)の合計モル/無水トリメリット酸=1/2.05〜1/2.20で反応させて得られる一般式(1式)及び一般式(2式)で示されるジイミドジカルボン酸を含む混合物と一般式(3式)で示される芳香族ジイソシアネートとを(a+b)の合計モルと芳香族ジイソシアネートのモル比が(a+b)の合計モル/芳香族ジイソシアネート=1/1.05〜1/1.50で反応させて得られるシロキサン変性ポリアミドイミドであると好ましい多層配線板の製造方法である。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の多層配線板の製造方法は、以下の工程を有する製造方法により得られる。
(a)第一の回路基板上に絶縁性接着シート及び銅箔を積層一体化する工程、(b)第一の回路基板上の回路と接続穴を形成する位置の銅箔上に接続穴と同じ大きさの穴を形成する工程、(c)銅箔をマスクとして絶縁性接着シートに接続穴を形成する工程、(d)接続穴内部を導体でめっきして第一の回路と銅箔を電気的に接続する工程(e)フォトリソ工程により第一の回路基板上の回路と接続穴を介して電気的に接続された第二の回路を形成する工程。ここで使用する絶縁性接着シートはシロキサン変性ポリアミドイミド樹脂100重量部と熱硬化性樹脂成分1〜150重量部を含み、さらにシロキサン変性ポリアミドイミド樹脂は芳香族環を3個以上有するジアミン及びシロキサンジアミンの混合物と無水トリメリット酸を反応させて得られる一般式(1式)及び一般式(2式)で示されるジイミドジカルボン酸を含む混合物と一般式(3式)で示される芳香族ジイソシアネートを反応させて得られるシロキサン変性ポリアミドイミド樹脂であり熱硬化性樹脂成分は2個以上のグリシジル基を持つエポキシ樹脂であることを特徴とする。
【0010】
また、熱硬化性樹脂成分が、2個以上のグリシジル基を持つエポキシ樹脂とその硬化促進剤または硬化促進剤と硬化剤を含有してもよい。
シロキサン変性ポリアミドイミド樹脂は、芳香族環を3個以上有する(a)ジアミン及び(b)シロキサンジアミンの混合物(a/b=99.9/0.1〜0/100(モル比))と無水トリメリット酸とを(a+b)の合計モルと無水トリメリット酸のモル比が1/2.05〜1/2.20で反応させて得られる一般式(1式)及び一般式(2式)で示されるジイミドジカルボン酸を含む混合物と一般式(3式)で示される芳香族ジイソシアネートとを(a+b)の合計モルと芳香族ジイソシアネートのモル比が1/1.05〜1/1.50で反応させて得られるシロキサン変性ポリアミドイミドが好ましい。
【0011】
本発明で用いる芳香族環を3個以上有するジアミンとしては、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン(以下、BAPPと略す)、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]メタン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]エーテル、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ケトン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン等が例示でき、単独でまたはこれらを組み合わせて用いることができる。BAPPは、ポリアミドイミドの特性のバランスとコスト的に他のジアミンより特に好ましい。
【0012】
本発明で用いるシロキサンジアミンとしては一般式(4式)で表されるものが用いられる。
【0013】
【化7】
【0014】
このようなシロキサンジアミンとしては(5式)で示すものが挙げられ、これらの中でもジメチルシロキサン系両末端アミンであるアミノ変性反応性シリコーンオイルX−22−161AS(アミン当量450)、X−22−161A(アミン当量840)、X−22−161B(アミン当量1500)、以上信越化学工業株式会社製商品名、BY16−853(アミン当量650)、BY16−853B(アミン当量2200)以上東レ・ダウコーニングシリコーン株式会社製商品名などが市販品として挙げられる。
【0015】
【化8】
【0016】
本発明で用いる芳香族ジイソシアネートとして、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(以下MDIと略す)、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、ナフタレン−1,5−ジイソシアネート、2,4−トリレンダイマー等が例示できる。これらは単独でまたは組み合わせて用いることができる。
【0017】
熱硬化性樹脂成分には、2個以上のグリシジル基を持つエポキシ樹脂とその硬化促進剤、もしくは、2個以上のグリシジル基を持つエポキシ樹脂とその硬化促進剤及び硬化剤を用いることが好ましい。またグリシジル基は多いほどよく、3個以上であればさらに好ましい。グリシジル基の数により、配合量が異なり、グリシジル基が多いほど配合量が少なくてもよい。また、エポキシ樹脂の硬化剤を併用すればさらに好ましい。
【0018】
エポキシ樹脂としてはビスフェノールA等の多価フェノール又は1,4−ブタンジオール等の多価アルコールとエピクロルヒドリンを反応させて得られるポリグリシジルエーテル、フタル酸、ヘキサヒドロフタル酸等の多塩基酸とエピクロルヒドリンを反応させて得られるポリグリシジルエステル、アミン、アミド又は複素環式窒素塩基を有する化合物のN−グリシジル誘導体、脂環式エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、オルトクレゾールノボラック型エポキシ樹脂などが例示される。
【0019】
エポキシ樹脂の硬化剤または硬化促進剤は、エポキシ樹脂と反応するもの、または、硬化を促進させるものであればどのようなものでもよく、例えば、アミン類、イミダゾール類、多官能フェノール類、酸無水物類等が使用できる。
アミン類としては、ジシアンジアミド、ジアミノジフェニルメタン、グアニル尿素等が使用でき、多官能フェノール類としては、ヒドロキノン、レゾルシノール、ビスフェノールA及びこれらのハロゲン化合物、さらにホルムアルデヒドとの縮合物であるノボラック型フェノール樹脂、レゾール型フェノール樹脂などが使用でき、酸無水物類としては、無水フタル酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、メチルハイミック酸等が使用できる。
【0020】
硬化促進剤としては、イミダゾール類としてアルキル基置換イミダゾール、ベンゾイミダゾール等が使用できる。
これらの硬化剤または硬化促進剤の必要な量は、アミン類の場合は、アミンの活性水素の当量と、エポキシ樹脂のエポキシ当量がほぼ等しくなる量が好ましい。次に、硬化促進剤であるイミダゾールの場合は、単純に活性水素との当量比とならず、経験的にエポキシ樹脂100重量部に対して、0.1〜10重量部必要となる。多官能フェノール類や酸無水物類の場合、エポキシ樹脂1当量に対して、0.6〜1.2当量必要である。
これらの硬化剤または硬化促進剤の量は、少なければ未硬化のエポキシ樹脂が残り、Tgが低くなり、多すぎると、未反応の硬化剤及び硬化促進剤が残り、絶縁性が低下する。
この他に、多層配線板に使用する際に、必要に応じてスルーホール内壁等のめっき密着性を上げること及びアディティブ法で配線板を製造するために、無電解めっき用触媒を加えることもできる。
【0021】
本発明で使用する絶縁性接着シートは、上記の組成物を有機溶媒中で混合して得られる耐熱性樹脂組成物を用いて作製できる。このような有機溶媒としては、溶解性が得られるものであれば制限なく、例えば、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチル−2−ピロリドン、γ−ブチロラクトン、スルホラン、シクロヘキサノン等が使用できる。
【0022】
本発明の絶縁性接着シートを得るための耐熱性樹脂組成物は、シロキサン変性ポリアミドイミド樹脂100重量部と熱硬化性樹脂成分1〜150重量部とからなる樹脂組成物であって、ワニス溶剤の揮発速度が速く、厚膜でも残存溶剤分5重量%以下にすることが可能であり、基材との密着性の良好なフィルムまたはシートを得ることができる。
この耐熱性樹脂組成物を、離型PETフィルムやステンレス板等の基材に塗布して乾燥し基材から単離する事で本発明で使用する絶縁性接着シートとすることができる。絶縁性接着シートの厚みは第一の回路の導体回路の厚み等で要求値が変わるが、回路上での電気的絶縁性が保たれ、第二の回路を作製するのに十分な平坦性を得られる厚みがよい。例えば第一の回路の厚みが18μmであれば絶縁性接着シートとしては30μm以上、第一の回路の厚みが30μmであれば絶縁性接着シートとしては50μm以上が一般に必要といわれる。
絶縁性接着シートの乾燥には耐熱性樹脂組成物の硬化を起こさない条件で作製されればよくシロキサン変性ポリアミドイミドを含むワニスは乾燥性に優れるので優位である。
第一の回路と絶縁性接着シート及び銅箔の積層にはプレスが使用される。プレスは温度130〜250℃、圧力1kg/cm2〜50kg/cm2で行うことができる。
【0023】
銅箔は特に制限はないが銅箔と絶縁性接着シートの間で密着性を出すために、銅箔の表面を電気的あるいは化学的に粗化したものが好ましい。例えば銅箔の表面を電気的に粗化したTSC銅箔やSLP銅箔、CZ処理と呼ばれる化学的に粗化した銅箔などを使用することができる。また第二の回路を微細化するために銅/ニッケル薄層からなる2層箔や銅/ニッケル/銅からなる3層箔を使用することも可能である。
積層された銅箔に接続したい穴部分に接続穴と同じ大きさ形状の穴をエッチングによりあける。この工程は通常のフォトリソ工程をそのまま使用することができる。
つぎにこの穴のあいた銅箔層をマスクとして絶縁性接着剤層に接続穴を形成する。接続穴の形成は例えば炭酸ガスレーザにより行うことができる。この穴あけの後、接続穴部分にめっきを施し、第一の回路層と積層した銅箔を電気的に接続する。めっきは無電解めっきでもよいし、無電解めっきの薄層を形成した後に、電気めっきにより厚付けを行う方法でも良い。
最後に積層した銅箔にフォトリソ法により回路を形成することで、第一の回路と第二の回路を接続穴により電気的に接続した多層配線板を得ることができる。
【0024】
【実施例】
以下、実施例により具体的に説明するが、本発明はこれに制限されるものでない。
(シロキサン変性ポリアミドイミドの合成)
環流冷却器を連結したコック付き25mlの水分定量受器、温度計、撹拌器を備えた1リットルのセパラブルフラスコに芳香族環を3個以上有するジアミンとしてBAPP(2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン)65.7g(0.16mol)、シロキサンジアミンとして反応性シリコンオイルX−22−161AS(信越化学工業株式会社製商品名、アミン当量416)33.3g(0.04mol)、TMA(無水トリメリット酸)80.7g(0.42mol)を、非プロトン性極性溶媒としてNMP(N−メチル−2−ピロリドン)560gを仕込み、80℃で30分間撹拌した。そして水と共沸可能な芳香族炭化水素としてトルエン100mlを投入してから温度を上げ約160℃で2時間環流させた。水分定量受器に水が約7.2ml以上たまっていること、水の流出が見られなくなっていることを確認し、水分定量受器にたまっている流出液を除去しながら、約190℃まで温度を上げて、トルエンを除去した。その後、溶液を室温に戻し、芳香族ジイソシアネートとしてMDI(4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート)60.1g(0.24mol)を投入し、190℃で2時間反応させた。反応終了後、シロキサン含有ポリアミドイミドのNMP溶液を得た。
【0025】
(耐熱性樹脂ワニスの調整)
シロキサン変性ポリアミドイミド樹脂100gとエポキシ樹脂としてESCN195(住友化学工業株式会社製商品名)15g、2−エチル−4−メチルイミダゾール1.5gを配合し、樹脂が均一になるまで約1時間撹拌した後、脱泡のため24時間、室温で静置し耐熱性樹脂組成物とした。
【0026】
(絶縁性接着シートの作製)
耐熱性樹脂組成物を、PETフィルム上に乾燥後の膜厚が50μmとなるように塗布し、120℃、40分乾燥させた。PETフィルムから剥がしBステージ状の絶縁性接着シートを得た。
【0027】
(積層プレス)
第一の回路を含む基板としてガラス布基材エポキシ樹脂両面銅張り積層板であるMCL E−67(日立化成工業株式会社製商品名)を用いて、櫛型電極を作製した第一の回路基板(ライン/スペース=200/200μm、銅箔厚み18μm)を得た。この第一の回路基板上に上記で得られた絶縁性接着シート及び銅箔(古河サーキットフォィル株式会社製商品名、TSC−18)を重ね温度170℃、製品圧力10kg/cm2で1時間プレスを行い積層一体化した。
【0028】
(接続穴形成)
銅箔面上にドライフィルムをラミネートし100μmの穴パターンを作製した。次に塩化第二銅エッチング液で銅箔をエッチングし、ドライフィルムを剥離した。
得られた穴付銅箔をマスクとして炭酸ガスレーザ(住友重機械工業株式会社製)により絶縁性接着層の穴部分の樹脂を除去した。
【0029】
(めっき/パターニング)
過マンガン酸系デスミア工程を行った後、CUST201めっき液(日立化成工業株式会社製商品名)により約2μm厚のめっきを行った。その後、硫酸銅電気めっきで銅箔厚みが30μmになるまで厚付けめっきを行った。
銅箔面上にドライフィルムをラミネートしライン/スペース=100/100μmのラインパターンを第一の櫛型回路と直交するように作製した。次に塩化第二銅エッチング液で銅箔をエッチングし、ドライフィルムを剥離し、多層配線板を得た。
【0030】
(比較例)
環流冷却器を連結したコック付き25mlの水分定量受器、温度計、撹拌器を備えた1リットルのセパラブルフラスコに芳香族環を3個以上有するジアミンとして(2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン)82.1g(0.20mol)、TMA(無水トリメリット酸)80.7g(0.42mol)、非プロトン性極性溶媒としてNMP(N−メチル−2−ピロリドン)560gを仕込み、80℃で30分間撹拌した。そして水と共沸可能な芳香族炭化水素としてトルエン100mlを投入してから温度を上げ約160℃で2時間環流させた。水分定量受器に水が約7.2ml以上たまっていること、水の流出が見られなくなっていることを確認し、水分定量受器にたまっている流出液を除去しながら、約190℃まで温度を上げて、トルエンを除去した。その後、溶液を室温に戻し、芳香族ジイソシアネートとしてMDI(4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート)60.0g(0.24mol)を投入し、190℃で2時間反応させた。反応終了後、芳香族ポリアミドイミド樹脂のNMP溶液を得た。
【0031】
この芳香族ポリアミドイミド樹脂のNMP溶液を用いて上記と同様に多層配線板を作製し、比較例とした。
【0032】
(評価)
得られた多層配線板の銅箔/絶縁接着剤層間のピール強度を測定した結果、実施例、比較例共に1.8kN/mであった。260℃でのはんだ耐熱性において、実施例は、180秒以上、フクレや剥がれ等が見られず問題なかったが、比較例では、180秒以内にフクレが見られた。Bステージの絶縁性接着フィルムの加熱処理前後(180℃、1時間)のフィルムの重量変化からBステージでのフィルム中の残存揮発分を測定した結果、実施例は、2.1重量%であったのに対し、比較例では13.0重量%の残存揮発分が見られた。
接続穴を顕微鏡で観察したところ、接続穴には残渣もなく良好であった。また第一の回路の凹凸による表面段差が少なく第一の回路と直交する第二の回路を問題を生じることなく作製できた。
絶縁性接着シートを単独で硬化させて測定した硬化物のTgはいずれも200℃以上と高い値を示した。銅箔に対する接着力も高い値を示した。
【0033】
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明によって、耐熱性、銅箔密着性に優れた耐熱性絶縁接着シートを使用した多層配線板を提供することができる。本発明により得られる多層配線板は、表面平滑性が高く、銅箔密着性に優れることから微細配線を要求される配線板用途に最適である。
Claims (3)
- (a)第一の回路基板上に絶縁性接着シート及び銅箔を積層する工程、(b)第一の回路基板上の回路と接続穴を形成する位置の銅箔上に接続穴と同じ大きさの穴を形成する工程、(c)銅箔をマスクとして絶縁性接着シートに接続穴を形成する工程、(d)接続穴内部を導体でめっきして第一の回路と銅箔を電気的に接続する工程、(e)フォトリソ工程により第一の回路基板上の回路と接続穴を介して電気的に接続された第二の回路を形成する工程を有する多層配線板の製造方法において、絶縁性接着シートがシロキサン変性ポリアミドイミド樹脂100重量部と熱硬化性樹脂成分1〜150重量部を含み、シロキサン変性ポリアミドイミド樹脂が芳香族環を3個以上有するジアミン及びシロキサンジアミンの混合物と無水トリメリット酸を反応させて得られる一般式(1式)及び一般式(2式)で示されるジイミドジカルボン酸を含む混合物と一般式(3式)で示される芳香族ジイソシアネートを反応させて得られるシロキサン変性ポリアミドイミド樹脂であり熱硬化性樹脂成分が2個以上のグリシジル基を持つエポキシ樹脂であることを特徴とする多層配線板の製造方法。
- 熱硬化性樹脂成分が、2個以上のグリシジル基を持つエポキシ樹脂とその硬化促進剤または硬化促進剤と硬化剤を含有することを特徴とする請求項1に記載の多層配線板の製造方法。
- シロキサン変性ポリアミドイミド樹脂が、(a)芳香族環を3個以上有するジアミン及び(b)シロキサンジアミンの混合物(a/b=99.9/0.1〜0/100(モル比))と無水トリメリット酸とを(a+b)の合計モルと無水トリメリット酸のモル比が(a+b)の合計モル/無水トリメリット酸=1/2.05〜1/2.20で反応させて得られる一般式(1式)及び一般式(2式)で示されるジイミドジカルボン酸を含む混合物と一般式(3式)で示される芳香族ジイソシアネートとを(a+b)の合計モルと芳香族ジイソシアネートのモル比が(a+b)の合計モル/芳香族ジイソシアネート=1/1.05〜1/1.50で反応させて得られるシロキサン変性ポリアミドイミドであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の多層配線板の製造方法。
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