JP4122266B2 - 光記録装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、光ディスクに信号を記録する光記録装置に関し、特に、回転速度一定で信号の記録を行う場合に好適な光記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、インターネットをはじめとする情報関連技術の発達等に伴い、画像情報等の多くの情報を記憶する記憶媒体として小型で大容量の光ディスクが盛んに利用されている。一方で、こうした光ディスクに情報を記録する装置の進歩もめざましく、光ディスクの大容量化に伴い、消費電流や発熱量の少ない回転速度一定方式(以下、CAV方式という。)を用いた光ディスク記録装置が知られている。
【0003】
ところが、CAVを用いた記録方式においては、光ディスクの内周と外周とで、線速度が約2.4倍異なるため、光ディスクへの信号の記録に同じ記録波形を用いたのでは、十分な記録品質を維持できない。そのため、光ディスクの内周から外周に至るまでの間に、記録波形を適切な記録波形に切り替えて記録動作を行うことが一般的である。この場合に、記録動作を中断せずに記録波形を適切な記録波形に切り替えるためには、切り替え回数に対応した最適な記録波形を記憶したメモリを複数準備して、一方の記録波形で記録動作を行っている間に、もう一方のメモリにもうひとつの記録波形に関する情報を書き込み、光ディスクの所望の位置で(あるいは線速度に応じて)これらのメモリを切り替えることが必要であった(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
【特許文献1】
特開2003−30834号公報(第2−4頁、第1図)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来のこうした方法では、本来の記録波形に関する情報の設定に必要な記憶容量に対して、その2倍以上のメモリを必要とするため、メモリのチップ面積の増大を招き、装置全体のコストアップを招くといった問題があった。また、今後、記録速度の更なる高速化に対応し、かつ、十分な記録品質を維持するためには、記録波形の発生装置をできるだけレーザダイオードの近傍に配置することが望ましいが、レーザダイオードが配置される光ピックアップ部における実装面積には一定の制限が存在するため、光記録装置の回路規模を可能な限り削減する必要もある。
【0006】
そこで、本発明は、上述の問題点に鑑みてなされたものであって、簡易な構成により、メモリ容量の削減およびコストダウンを実現できる波形発生装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するため、本発明は、以下の手段を提案している。
請求項1に係る発明は、光ディスクに信号を記録するための記録波形に関する設定情報を記憶する記憶手段と、該記憶手段の設定情報に基づいて記録波形のパルス幅を調整する複数のパルス幅調整手段と、前記記憶手段がアドレスごとに区分けされたバンクにより形成され、該バンクと前記パルス幅調整手段との接続を切り替える切り替え手段と、前記複数のパルス幅調整手段から出力されたパルス信号に基づいて記録波形を生成する記録波形生成手段とを有し、前記バンク内の情報を書き換えることにより、前記切り替え手段が1つのバンクへの接続を2以上のパルス幅調整手段に切り替えることを特徴とする光記録装置を提案している。
【0008】
この発明によれば、切り替え手段が1つのバンクへの接続を2以上のパルス幅調整手段に切り替えるため、少ない記憶容量で、光ディスクの記録位置に応じた適切な記録波形を設定することができる。
【0009】
請求項2に係る発明は、請求項1に記載された光記録装置について、前記切り替え手段が、所望の設定情報を記憶するバンクを所定のパルス幅調整手段に接続するときに、少なくともバンクを2回切り替えることを特徴とする光記録を提案している。
【0010】
この発明によれば、切り替え手段が、所望の設定情報を記憶するバンクを所定のパルス幅調整手段に接続するときに、少なくともバンクを2回切り替える。したがって、バンクの切り替え回数を増やすことにより、これに比例して記憶容量を削減することができる。
【0011】
請求項3に係る発明は、請求項2に記載された光記録装置について、前記切り替え手段が、バンクを2回切り替えて所望の設定情報を記憶するバンクを所定のパルス幅調整手段に接続するときに、1回目の切り替え時に、記録されるマーク長に対する前端部および後端部に関する所望の情報を設定し、2回目の切り替え時に、記録されるマークの直前または直後のスペース長に対する前端位置および後端位置に関する所望の情報を設定することを特徴とするを提案している。
【0012】
この発明によれば、切り替え手段の切り替えパターンを1回目の切り替え時に、記録されるマーク長に対する前端部および後端部に関する所望の情報を設定し、2回目の切り替え時に、記録されるマークの直前または直後のスペース長に対する前端部および後端部に関する所望の情報を設定することにより、記録品質の低下を防止しつつ、記憶容量を削減することができる。
【0013】
請求項4に係る発明は、請求項2に記載された光記録装置について、前記切り替え手段が、バンクを2回切り替えて所望の設定情報を記憶するバンクを所定のパルス幅調整手段に接続するときに、1回目の切り替え時に、記録されるマーク長に対する記録マークの前端位置と記録されるマークの直前のスペース長に対する記録マークの前端位置に関する所望の情報を設定し、2回目の切り替え時に、記録されるマーク長に対する記録マークの後端位置と記録されるマークの直後のスペース長による記録マークに対する後端位置に関する所望の情報を設定することを特徴とする光記録装置を提案している。
【0014】
この発明によれば、切り替え手段の切り替えパターンを、1回目の切り替え時に、記録されるマーク長による記録マークの前端部と記録されるマークの直前のスペース長による記録されるマークの前端部に関する所望の情報を設定し、2回目の切り替え時に、記録されるマーク長による記録マークの後端部と記録されるマークの直後のスペース長による記録マークに対する後端部に関する所望の情報を設定することにより、記録品質の低下を防止しつつ、記憶容量を削減することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態に係る光記録装置について図1から図5を参照して詳細に説明する。
本実施形態にかかる光記録装置は、図1に示すように、光ディスク1と、光ピックアップ2と、APC(APC:Auto Power Control)3と、RFアンプ4と、サーボ回路5と、信号処理回路6と、CPU(CPU:Central Processing Unit)7と、ドライバー8と、記録波形発生部9とを備えている。
【0016】
光ディスク1は、半導体レーザにより情報の記録、再生、消去を行える記録媒体であり、例えば、CD−R、CD−RW、DVD−R、DVD−RW等がある。光ピックアップ2は、図示しないレーザダイオード等のレーザ光源や、コリメータレンズ、フォーカスアクチュエータあるいはトラッキングアクチュエータとによって駆動される対物レンズ、偏光ビームスプリッタ、シリンドリカルレンズ等の光学部品、及びA,B,C,Dの4つの領域に分割され、光を電気信号に変換する4分割あるいは2分割のフォトディテクタ(PD)あるいは記録再生時のレーザ出力をモニタするフロントモニタダイオード等を備えている。APC3は、光ピックアップ2内のフロントモニタダイオードからの電流をモニタして、半導体レーザの出射パワーを所望の値に制御するための制御ブロックである。
【0017】
RFアンプ4は、光ディスク1からの反射光を検出し、検出した反射光より反射光量を演算して、4分割PDの各領域への反射光量の総和を示すRF信号を生成するとともに、光ピックアップ2の照射レーザの焦点ずれを検出した信号であるフォーカスエラー信号(FE)を非点収差法によって生成し、さらに光ピックアップ2の照射レーザのトラックずれを検出した信号であるトラッキングエラー信号(TE)をプッシュプル法によって生成する。サーボ回路5は、RFアンプ4において生成されたFE及びTEに基づいて、フォーカス駆動信号(FODRV)、トラッキング駆動信号(TRDRV)を生成する。
【0018】
信号処理回路6は、再生時のRF信号から生成したEFM信号を入力し、データの処理を行う一方、図示しないPLL回路を備え、スピンドルモータの回転を制御する。CPU7は、ROM(ROM:Read Only Memory)等に格納された制御プログラムに基づいて、装置全体の制御を行う。また、本実施形態においては、光ディスクの記録位置を検出し、これに応じてバンクを切り替える制御を行う。ドライバー8は、RFアンプ4において生成されたフォーカス駆動信号(FODRV)、トラッキング駆動信号(TRDRV)、あるいは、信号処理回路6において生成されたスピンドル制御信号を入力し、これを所望の大きさに増幅した後、フォーカスアクチュエータ、トラッキングアクチュエータあるいはスピンドルモータ等に供給する。記録波形発生部9は、CPU7からの切り替え信号に応じて、所望のバンクを記録パルス幅を調整するブロックに供給し、記録パルスを発生させる。発生した記録パルスは、図示しないLDドライバーに供給され、発生した記録パルスに応じて光ディスクに信号を記録する。なお、構成の詳細については、後述する。
【0019】
記録波形発生部9は、図2に示すように、メモリ21と、切り替えスイッチ22a、22bと、スタティックパラメータ調整部23と、ダイナミックパラメータ調整部24と、記録データ発生部25と、マーク長、スペース長検出部26と、記録パルス発生部27とから構成されている。
【0020】
メモリ21は、複数のバンクから構成された、SRAM等の書き換え可能な記憶装置であり、記録波形に関する設定情報(補正値)が記憶されている。なお、本実施形態において、メモリ21は3つのバンクから構成されている。切り替えスイッチ22a、22bは、CPU7から出力される切り替え信号に基づいて、各バンクとスタティックパラメータ調整部23あるいはダイナミックパラメータ調整部24とを接続する切り替え素子である。
【0021】
スタティックパラメータ調整部23は、マーク長、スペース長検出部26から検出されたマーク長を切り替えスイッチを介して所定のバンクから得られるスタティックパラメータに関する補正値に基づいて補正する。なお、スタティックパラメータとは、記録されるマーク長のみによって決定される記録波形に関するパラメータである。ダイナミックパラメータ調整部24は、マーク長、スペース長検出部26から検出されたマーク長あるいはスペース長を切り替えスイッチを介して所定のバンクから得られるダイナミックパラメータに関する補正値に基づいて補正する。なお、ダイナミックパラメータとは、記録されるマーク長およびその前後のスペース長によって決定される記録波形に関するパラメータである。
【0022】
記録データ発生部25は、光ディスク1に記録すべき信号に応じた記録データを発生する。マーク長、スペース長検出部26は、記録データ発生部25から発生された記録データに基づいて、対応する所定のマーク長あるいはスペース長を検出し、その情報をスタティックパラメータ調整部23およびダイナミックパラメータ調整部24に出力する。記録パルス発生部27は、記録データ発生部25から入力した記録データをスタティックパラメータ調整部23およびダイナミックパラメータ調整部24から入力した双方の調整値を合算した調整値で補正して記録パルスを生成し、これをLDドライバーに供給する。
【0023】
次に、図3から図5を用いて、本実施形態における記録波形発生部内のバンクの切り替え方法について説明する。
一般に、光ディスクに記録されたマークの前端および後端位置と記録レーザの照射開始および終了位置とは、一致しないことが知られている(図4参照)。これは、光ディスクの記録層の温度上昇がレーザ照射による加熱だけでなく、加熱により生ずる熱の伝播に依存するためであり、この熱の伝播は、あるマークを形成する際のレーザ照射時間、すなわち、記録するマーク長により変化する。
【0024】
同様に、記録されたマークの前端および後端位置は、前後のスペース長によっても変化する。これは、隣接するマークからの熱の伝播がその距離、すなわち、前後のスペース長によっても変化するためである。なお、直前のスペース長はマーク前端位置に与える影響が大きく、直後のスペース長はマーク後端位置に与える影響が大きい。このように、記録するマーク長による熱の影響と前後のスペース長による熱の影響は、熱の発生源が異なることから、両者の熱による影響が加算されて現れるとみなすことができる。
【0025】
そこで、光ディスクの記録品質を向上させるためには、これらの熱の影響を考慮して、記録されたマークの前端位置と後端位置とを常に理想的な位置とするべく、記録波形の前端と後端の位置を設定または補正する必要がある(これをライトストラテジという)。前述の如く、記録するマーク長による熱の影響と前後のスペース長による熱の影響は独立しており、両者の熱の影響が加算されて作用しているとみなせるため、ライトストラテジについても、この両者の補正値を独立して設定し、その加算値を最終的な補正値とすることができる。
【0026】
具体的には、まず、記録マーク長ごとに記録波形に対する前端位置補正量と後端位置補正量とを個別に設定する。また、これとは別に、直前スペース長ごとの前端位置補正量と直後スペース長ごとの後端位置補正量とを個別に設定する。したがって、CD−RやCD−RWの場合には、マーク長、スペース長ともに3Tから11Tまでの9種類が存在するため、設定する補正量の数としては最大36個になる。次に、記録するマーク長と前後のスペース長との組み合わせごとに前端位置補正量の和と後端位置補正量の和を演算して、実際の記録波形を形成することになる。
【0027】
ところが、上記の熱による影響は記録する光ディスクの種類や記録速度により変化する。したがって、CAV方式の記録のように、記録中に記録速度が刻々と変化する場合には、記録速度の変化に応じて、記録動作中にライトストラテジを変更する必要がある。一般に、記録中にライトストラテジを変更する場合には、記録するマーク長による補正量と前後のスペース長による補正量とを同時に変更することが好ましいが、メモリ容量等の問題により一度にこの両者を変更することができない場合もある。
【0028】
このような場合には、複数回にわけて補正量を設定することになるが、記録品質を維持するためには、独立している補正値を一度に変更することが望ましい。具体的には、記録マーク長による前端位置補正量と後端位置補正量とを1回目に設定し、2回目に直前のスペース長による前端位置補正量と直後のスペース長による後端位置補正量とを同時に設定する。
【0029】
上記の補正方法を図2、図3および図5を用いて具体的に説明する。
従来の記録波形発生部は、図5に示すような構成になっており、メモリには4つのバンクが設けられている。それぞれのバンクには、光ディスク1の記録位置に応じて、スタティックパラメータ調整部23およびダイナミックパラメータ調整部24に供給すべき設定情報が2種類別個に格納されている。したがって、光ディスク1に内周から情報を記録する場合に、記録位置が所定の位置に達した時に、CPU7から出力される切り替え信号によって切り替えスイッチを操作することにより、記録位置に応じた設定情報を1回の操作で設定することができるものの、大きなメモリ容量を必要としていた。
【0030】
本実施形態における記録波形発生部は、図2に示すように、従来の構成に対して、メモリが3つのバンクで構成されている。これにより、従来例と比べて、単純にメモリ容量が25%削減できる。バンク内に格納される設定情報は、例えば、バンクの切り替えを光ディスク1の内周、中周、外周で行うとすると、図3のようになる。ここで、図3中、M(0)は、光ディスク1の内周においてスタティックパラメータ調整部23に供給する設定情報を、M(1)、M(2)は、同様に、光ディスク1の中周、外周においてスタティックパラメータ調整部23に供給する設定情報を示している。また、SMS(0)、SMS(1)、SMS(2)は、光ディスク1の内周、中周、外周においてダイナミックパラメータ調整部24に供給する設定情報を示している。
【0031】
実際のバンク切り替え動作について説明すると、まず、光ディスク1の内周において記録動作を行うときには、図3に示すように、バンク1には、M(0)が、バンク2には、SMS(0)が、バンク3には、M(1)が格納されており、切り替えスイッチ22a、22bを介して、スタティックパラメータ調整部23には、バンク1が、ダイナミックパラメータ調整部24には、バンク2が接続されている。
【0032】
記録動作が進んで、光ディスク1の記録位置が中周付近の所定位置に到達すると、CPU7から出力される切り替え信号1によりスタティックパラメータ調整部23がバンク3に接続され、この間、スタティックパラメータ調整部23との接続を切り離されたバンク1について、格納されているデータをM(0)からSMS(1)に書き換える動作が行われる。バンク1の書き換え動作が完了すると、CPU7は、切り替え信号2を出力してダイナミックパラメータ調整部24をバンク1に接続する。このとき、ダイナミックパラメータ調整部24との接続を切り離されたバンク2については、格納されているデータをSMS(0)からM(2)に書き換える動作が行われる。
【0033】
記録動作がさらに進んで、光ディスク1の記録位置が外周付近の所定位置に到達すると、CPU7から出力される切り替え信号1によりスタティックパラメータ調整部23がバンク2に接続され、この間、スタティックパラメータ調整部23との接続を切り離されたバンク3について、格納されているデータをM(1)からSMS(2)に書き換える動作が行われる。バンク3の書き換え動作が完了すると、CPU7は、切り替え信号2を出力してダイナミックパラメータ調整部24をバンク3に接続する。このとき、ダイナミックパラメータ調整部24との接続を切り離されたバンク1については、格納されているデータをSMS(1)からM(3)に書き換える動作が行われる。
【0034】
このように設定を行えば、記録波形の設定変更には2回の設定が必要となり、最初の設定が終了した時点では、記録マーク長による前端位置補正量と後端位置補正量とがその記録速度に応じた適切な設定値に更新されるため、記録マーク長の熱による影響は正しく補正されることになる。
ただし、直前スペース長による前端位置補正量や直後スペース長による後端位置補正量はいまだに更新されていないため、最後の設定が完了するまでは、前後のスペース長による熱の影響は正確には補正されていないことになるが、最初の設定と最後の設定とが短時間で行われるため、記録品質の劣化を生ずるようなことにはならない。
【0035】
また、上記の例では、同一回に設定する設定情報の内容が重要であり、設定の順序を特に限定するものではない。したがって、上記例とは異なり、直前のスペース長による前端位置補正量と直後のスペース長による後端位置補正量とを最初に設定し、最後に記録マーク長による前端位置補正量と後端位置補正量とを同時に設定するようにしてもよい。
【0036】
さらに、別の実施例として、最初の設定で、記録マーク長による前端位置補正量と直前のスペース長による前端位置補正量を設定し、最後の設定で、記録マーク長による後端位置補正量と直後のスペース長による後端位置補正量とを設定してもよい。この場合、最初の設定が終了した時点では、前端位置補正量がその記録速度に応じた最適な設定に変更されることになり、後端位置補正量は未だ最適な値にはなっていないが、最初の設定と最後の設定とが短時間で行われるため、記録品質の劣化を生ずるようなことにはならない。
【0037】
また、この場合も同一回に設定する内容が重要であり、上記の順番を入れ替えて、最初で記録マーク長による後端位置補正量と直後のスペース長による後端位置補正量とを設定し、最後の設定で、記録マーク長による前端位置補正量と直前のスペース長による前端位置補正量を設定してもよい。
【0038】
なお、最初に記録マーク長による後端位置補正と直前のスペース長による前端位置補正を行い、最後に記録マーク長による前端位置補正と直後のスペース長による後端位置補正を行う場合には、最初の設定終了時点では記録マーク長による補正量も前後のスペース長による補正量も不完全な状態であり、たとえこの状態での記録時間がわずかであっても、記録品質に与える影響は無視できないために好ましい方法とはいえない。
【0039】
以上、図面を参照して本発明実施の形態について詳述してきたが、具体的な構成はこれらの実施の形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。例えば、本実施形態においては、記録動作中にバンク内のデータを書き換える手法について説明したが、これに限らず、光ピックアップをポーズ状態にして、記録動作を一時中断し、この間にバンクデータの書き換え動作を行うようにしてもよい。
【0040】
また、本実施形態においては、メモリを複数のバンクに分割した構成を例示したが、これに限らず、複数のメモリを用意して同様の機能を果たさせてもよい。さらに、設定情報の記憶装置として、メモリを例示したが、これに限らず、複数のレジスタを用いてもよい。
【0041】
【発明の効果】
以上のように、この発明によれば、少ないメモリを切り替えて用いることにより、簡易な構成でメモリ容量の削減およびコストダウンを実現できるという効果がある。また、メモリ内の情報の書き換えやメモリの切り替えを記録動作中に行うため、記録動作中にライトストラテジを変更することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本実施形態に係る光記録装置の構成図である。
【図2】 本実施形態に係る記録波形発生部の構成図である
【図3】 バンクデータの書き換えおよび各バンクとスタティックパラメータ調整部あるいはダイナミックパラメータ調整部の接続の遷移を示す図である。
【図4】 記録波形と記録データとの関係を示す図である。
【図5】 従来例における記録波形発生部の構成図である。
【符号の説明】
1・・・光ディスク、2・・・光ピックアップ、3・・・APC、4・・・RFアンプ、5・・・サーボ回路、6・・・信号処理回路、7・・・CPU、8・・・ドライバー、9・・・記録波形発生部、21・・・メモリ、22a、22b・・・切り替えスイッチ、23・・・スタティックパラメータ調整部、24・・・ダイナミックパラメータ調整部、25・・・記録データ発生部、26・・・Mark長、Space長検出部、27・・・記録パルス発生部、
Claims (4)
- アドレスごとに区分けされたバンクにより形成され、光ディスクに信号を記録するための記録波形に関する設定情報をそれぞれのバンクに記憶する記憶手段と、
それぞれ、前記バンクのうちのいずれかに接続され、接続されたバンクに記憶されている設定情報に基づいて記録波形のパルス幅を調整する複数のパルス幅調整手段と、
前記バンクと前記パルス幅調整手段との接続を切り替える切り替え手段と、
前記複数のパルス幅調整手段から出力されたパルス信号に基づいて記録波形を生成する記録波形生成手段とを有し、
前記バンクのうち、前記パルス幅調整手段に接続されていないバンクへ前記切り替え手段が他のバンクに接続されているパルス幅調整手段の接続を切り替え、その切り替えによって接続を切り離された前記他のバンク内の情報を書き換えて、前記他のバンクへ前記切り替え手段が他のパルス幅調整手段の接続を切り替えることを特徴とする光記録装置。 - 前記切り替え手段が、前記他のバンクに接続されていたパルス幅調整手段の接続の切り替えと前記他のパルス幅調整手段の接続の切り替えにより、バンクを2回切り替えて所望の設定情報を記憶するバンクを所定のパルス幅調整手段に接続することを特徴とする請求項1に記載された光記録装置。
- 前記切り替え手段が、バンクを2回切り替えて所望の設定情報を記憶するバンクを所定のパルス幅調整手段に接続するときに、1回目の切り替え時に、記録されるマーク長に対する前端部および後端部に関する所望の情報を設定し、2回目の切り替え時に、記録されるマークの直前または直後のスペース長に対する前端位置および後端位置に関する所望の情報を設定することを特徴とする請求項2に記載された光記録装置。
- 前記切り替え手段が、バンクを2回切り替えて所望の設定情報を記憶するバンクを所定のパルス幅調整手段に接続するときに、1回目の切り替え時に、記録されるマーク長に対する記録マークの前端位置と記録されるマークの直前のスペース長に対する記録マークの前端位置に関する所望の情報を設定し、2回目の切り替え時に、記録されるマーク長に対する記録マークの後端位置と記録されるマークの直後のスペース長による記録マークに対する後端位置に関する所望の情報を設定することを特徴とする請求項2に記載された光記録装置。
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