JP4122070B2 - パチンコ機 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
この発明は、所定の条件が成立することにより遊技者に不利な第1状態から遊技者に有利な第2状態に変換可能なパチンコ機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
周知のように、所定条件が成立することにより遊技者に不利な第1状態から遊技者に有利な第2状態に変換可能な変動入賞装置を備えるパチンコ機は種々提案されている。この種のパチンコ機は、一般に可動片によって遊技部と区画可能な入賞領域を有する変動入賞装置に特別の入賞になる継続入賞口と普通の入賞になる一般入賞口とを設け、打球が遊技部に設けた特定入賞口へ入球した場合に、可動片を所定の態様で回動させて入賞領域へ打球が流入することを許容すると共に、入賞領域へ流入した球が更に継続入賞口に入球した場合に、遊技者に有利な特別遊技へ移行するように構成してある。そして、この特別遊技は可動片を所定の回数開閉するか、または入賞領域へ所定の個数流入することを1サイクルとし、継続入賞口への更なる入球により許容される範囲内でサイクルの更新が可能なように設定してある。しかしながら、この種のゲームは単純で遊技者に飽きられている。
そこで、例えば、特開平4−5980号公報では、入賞領域内に継続入賞口の入賞率に変化を与える入賞率変動装置を設けている。
また、特開昭61−222472号公報では、継続入賞口の上方に障害要素を設けると共に、上記障害要素を排除する障害要素排除手段が設けてある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記した従来の入賞率変動装置を設けたパチンコ機は構成が複雑になる。また、入賞率変動装置の作動によって継続入賞口の入賞率が高くなっても、特別遊技が終了すると、継続入賞口の入賞率が元の状態に戻ってしまい、特別遊技が継続して発生する期待感がない。
そこで、本発明は上記に鑑み提案されたもので、簡単な構成により遊技性が高いと共に出玉管理が容易なパチンコ機を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1に係る発明は、取付基板の表面に可動片を備え、該可動片に電気的駆動源を連絡して打球を受け入れない第1状態と打球を受け入れる第2状態とに変換する変動入賞装置を備えるパチンコ機であって、特定入賞口の流路に特定入賞検出器を臨ませるとともに、継続入賞口の流路に継続入賞検出器を臨ませ、前記特定入賞検出器からの信号により変動入賞装置を第2状態に変換するとともに、この第2状態において継続入賞口に入った打球による継続入賞検出器からの信号を電気的制御手段に供給し、電気的制御手段は、前記変動入賞装置内の球の流下方向に影響を与えて遊技者に有利にゲームが進行可能なように作動部材を作動させるための権利フラグを発生、消滅させるとともに当該権利フラグの有無を判別する権利フラグ手段を設け、権利フラグがない場合は、継続入賞検出器が球を検出したときに権利フラグを発生させるとともに所定の大当り処理を実行し、権利フラグがある場合は、継続入賞検出器が球を検出すると作動部材の電気的駆動源を制御することにより、前記変動入賞装置内の作動部材を遊技者に有利な状態に作動させるとともに、継続入賞検出器の検出結果に基づき所定の大当り処理を実行し、かつこの検出結果の継続回数に対応して、前記権利フラグを保持あるいは消滅するようにしたことを特徴とするパチンコ機である。
【0005】
【作用】
継続入賞口への入賞に基づいて、制御手段において権利フラグを発生及び消滅させ、この権利フラグの有無によって大当り処理を変化させて特別遊技の遊技態様を可変する。
【0006】
【実施例】
以下、本発明を図面の実施例について説明すると、図はパチンコ機1の正面図で、パチンコ機1の概略は、外枠2の一側に前枠3をヒンジにより開閉可能に蝶着すると共に、上記前枠3に開設した窓部に金枠4を設け、窓部の上方部分には遊技盤5を後方から臨ませ、窓部の下方部分には球を貯留する上皿6を有する上皿セット7を設け、また前枠3の下方部分には発射杆(図示せず)を駆動して球を遊技盤5の表面のガイドレール8で囲まれる遊技部9内へ打ち込むためのグリップ10と上皿6から溢れた球を貯留する下皿11等が配設された下皿セット12を設けてなる。
【0007】
上記遊技盤表面のガイドレール8で囲まれた遊技部9には変動入賞装置13と、特定入賞口になる複数の始動口14と、アウト口15等を配設し、上記変動入賞装置13の側方位置には肩入賞口16を配設し、斜め下方位置には袖チューリップ式役物17を配設する。また、適宜位置にランプ風車18aや一般風車18bを配設し、更に図示していない多数の障害釘を配設する。一方、ガイドレール8の外側には、賞球表示灯19や完了表示灯20を始めとする各種表示灯21を設け、更に前枠3の上縁部分には外部表示灯22を設ける。
【0008】
そして、遊技者が発射した球が変動入賞装置13や袖チューリップ式役物17等に入賞したときには、賞球排出装置(図示せず)によって所定数の賞球が上皿6へ排出され、いずれにも入賞しなかった球はアウト口15に回収されるように構成されている。
【0009】
変動入賞装置13は、前面が開口する入賞室23を形成すると共に、パチンコ機1の遊技盤5に取付けるためのフランジ状の取付基板24を一体に成形した本体ベース25を有している。上記入賞室23の開口上縁には鎧部26を突設して、遊技部9を流下する球が上方から入賞室23へ流入することを阻止する。また、入賞室23の開口側縁には入賞室23と遊技部9とが連通可能な開放部を残して側壁部27を突設し、球が開放部以外の箇所から入賞室23へ流入することを阻止する。更に、入賞室23の開口下縁には球受枠28を突設して球が下方から入賞室23へ飛入することを阻止する。尚、上記鎧部26には天入賞口29を設けると共に、前面に上飾板30を添設する。また、側壁部27及び球受枠28の前面には下飾板31を添設する。
【0010】
上記球受枠28には仕切板28aを立設して、中央に位置する継続入賞口32と左右に位置する一般入賞口33とを形成する。上記継続入賞口32と一般入賞口33は上向きに開口すると共に、流入した球を遊技盤5の後方へ排出可能なように底部が傾斜している。
【0011】
また、上記入賞室23の開口側縁の開放部には回動可能な一対の可動片34を臨ませる。この可動片34は背面側に回動軸35を有し、この回動軸35は本体ベース25の取付基板24を回動可能に貫通し、回動軸35の後端にはクランク部材36を嵌着する。そして、このクランク部材36は偏心位置にクランクピン36aを有し、該クランクピン36aを連結プレート37に開設した長孔37aに遊嵌する。上記連結プレート37は本体ベース25の背面側に設けた中板部材38から突出するガイドピン38aを縦方向のガイド孔37b内に遊嵌させて上下方向に可動可能である。また、この連結プレート37には、駆動源としてソレノイド取付板39に止着した駆動ソレノイド40のプランジャ40aを連結する。
【0012】
上記可動片34は、通常の状態では起立して開放部を閉塞し、鎧部26、側壁部27、球受枠28と協動して遊技部9を流下する球の入賞室23への流入を阻止している。このとき、可動片34の先端部34aの内面は鎧部26の側部26aに当接している。しかし、上記駆動ソレノイド40を励磁すると、プランジャ40aが吸引されて連結プレート37が上昇することにより、クランク部材36を介して可動片34が外方向に回動する。可動片34が回動すると、入賞室23の開口側縁の開放部が開放されるので、入賞室23と遊技部9とが連通して遊技部9を流下する球が入賞室23内へ流入可能となる。このとき、可動片34の基端側のストッパー片34bが側壁部27の上端部の外側に当接している。
【0013】
上記入賞室23には後向きに緩く傾斜する棚板41を設ける。この棚板41は、上記可動片34の回動軸35とほぼ同じ高さに位置し、開放部を通して連通する上方の第1入賞室23aと、継続入賞口32及び一般入賞口33とが臨む下方の第2入賞室23bとに入賞室23を区画する。
【0014】
上記第1入賞室23aには球の流出口42を設ける。この流出口42は第1入賞室23aの最も奥まった位置に開口し、上記流出口42に向けて収束するように球寄せ板43が立設してある。
【0015】
上記流出口42には、第1入賞室23aと第2入賞室23bとを連通させる第1通路44及び第2通路45を連絡する。即ち、上記第1通路44と第2通路45とは上方部分が共通部分となって合流し、この共通部分が第1入賞室23aの流出口42に連絡している。そして、下方部分に分離板46を介在させることにより、第1通路44と第2通路45とが変動入賞装置13の前後方向に併存するようにする。尚、図示の実施例によれば、奥側に第1通路44が位置する共に、手前に第2通路45が位置している。
【0016】
第1通路44の下端は正面を向いて入賞室23の後壁部に開口し、この開口端は第2入賞室23bに開口する第1流入口47となる。一方、第2通路45は下方部分で山型の分流板48により二股に分岐し、両分流の開口端は上記第1流入口47の左右に第2流入口49として開口する。
【0017】
第2入賞室23bの底板50は前下がりの傾斜を有し、下縁が前記した継続入賞口32及び一般入賞口33に臨む。この第2入賞室23bにおいて、底板50のほぼ中央位置、換言すると第1流入口47と継続入賞口32とを結ぶ経路上に、継続入賞口32へ向けて転動する球の流下方向に影響を与えて、遊技者に有利にゲームが進行可能になる回転体51を作動部材として設ける。この回転体51は、図示の実施例によればタワーを模したデザインであって、球が脚部51aの間を通過可能なように球経路52が一方向に形成してある。上記回転体51は歯車部53aを有する台板53上に立脚し、上端部を棚板41の下面に設けた受部41aに回転可能に枢支されている。また、台板53の歯車部53aを、モータ54の出力軸54aに連結したギヤ55に噛合させて、モータ54の回転を回転体51に伝達する。更に、上記ギヤ55の下面には磁石56を埋め込む共に、この磁石56の磁力に感応する磁気センサ57で構成した位置決め手段を臨ませて、回転体51が所定の位置で停止するように設定する。即ち、第1流入口47から第2入賞室23bへ流入した球が継続入賞口32へ向けて転動することを妨げないように、図示の実施例では脚部51aの間の球経路52を前後方向に向けた位置に停止するように設定する。
【0018】
一方、上記第1通路44と第2通路45の共通部分には、球の通路を選択する切換手段を臨ませる。この切換手段は、共通部分を横切るように設けた支軸58に軸着した切換レバー59と、動力源としての切換ソレノイド60とを有している。上記切換レバー59と切換ソレノイド60とは、切換ソレノイド60のプランジャ60aにリンク部材61の一端を枢着し、該リンク部材61の他端と切換レバー59とを、第1通路44の側壁部44aに開設した弓型長孔44bに遊嵌したリンクピン62により連絡する。
【0019】
また、上記切換レバー59には突片59aを設けると共に障害ボス59bを設ける。この突片59aは、切換ソレノイド60を消磁した状態では、図4に破線で示すように、第2通路45の上方に臨んで流出口42から共通部分に流入した球の第2通路45への流入を阻止すると共に、球を第1通路44に誘導する。一方、切換ソレノイド60を励磁すると、プランジャ60aが吸引されてリンク部材61及びリンクピン62を介して切換レバー59が支軸58を中心にしてプランジャ60aのストロークに見合う分だけ切換レバー59が回動し、図4及び図7に実線で示すように、障害ボス59bが第1通路44の開口部の上方に位置する。この状態では、第1入賞室23aの流出口42から共通部分へ流入する球は、障害ボス59bにより第1通路44への流入を阻止され、障害ボス59bに衝突した球は第2通路45に流入する。このとき、突片59aは流出口42の上方に後退しているので、球が第2通路45を通って第2流入口49へ転出することを妨げない。従って、切換ソレノイド60を励磁した状態では第1入賞室23aへ流入した球は第2通路45を経由して第2流入口49から第2入賞室23bへ流入する。
【0020】
更に、第2流入口49には球を第2通路45内に保留可能な保留手段を臨ませる。この保留手段は、図示の実施例によれば、爪片62を有するストッパレバー63を、本体ベース25に延設した腕片部64において枢軸63aにより揺動可能に枢着し、該ストッパレバー63と作動源としてのストッパソレノイド65のプランジャ65aとを連結杆66を介して連結することにより構成している。尚、爪片62は第2入賞室23bの底板50に開設した通孔50aを通して第2流入口49の前面部分に臨む。
【0021】
上記保留手段を作動させると、即ちストッパソレノイド65を励磁すると、ストッパレバー63が枢軸63aを支点にして上向きに回動し、爪片62が底板50に開設した通孔50aから突出して第2流入口49の前面を閉塞する。そして、第2通路45の実質的な全長を例えば球9個分の長さとほぼ同じになるように設定すると、第2通路45内に9個の球を保留可能となる。また、第2通路45から溢れる10個目の球が第1通路44に流入するように、分離板46の上縁を流出口42の下縁よりも下方に位置させている。更に、山型の分流板48の頂上が分離板46の上縁よりも下方に位置しているので、第2通路45の片側にのみ球が保留されることがなく、両側の第2通路45に球が溜るまで、第1通路44に球が溢れ出ない。従って、設定した数の球を確実に保留することができる。
【0022】
次に、上記のような変動入賞装置13を用いたパチンコ遊技の一例を説明する。尚、変動入賞装置13は、通常の状態では可動片34を起立させて開放部を閉鎖し、遊技部9を流下する球が入賞室23へ飛入しないように設定されている。また、入賞室23内に設けた回転体51はモータ54の断続的な駆動により球経路52を前後方向に向けた位置で一旦停止するように間欠的に回転している。更に、切換レバー59は、図4に破線で示すように、流出口42から流出する球が第1通路44を経由して第2入賞室23bへ流入するように、突片59aを第2通路45の入口部分に位置させると共に、障害ボス59bを球の流入の邪魔にならないように第1通路44の入口部分の上方に位置させて停止している。一方、保留手段を構成するストッパレバー63の爪片62は、第2入賞室23bの底板50に設けた通孔50a内に嵌入していて底板50上を転動する球の障害とはならない。
【0023】
そこで、遊技者がハンドル10を操作して発射した球が中央の第1始動口14aに流入すると、図示していない電気的制御手段により、例えば駆動ソレノイド40を0.7秒間2回励磁して可動片34を作動させ、開放部を開放して遊技部9と第1入賞室23aとを連通させる。開放部が開放した状態のときに、可動片34の上面に誘導されて第1入賞室23aに取り込まれた球は、球寄せ板43や棚板41によって流出口42から、共通部分に流入する。このとき、切換レバー59は球を第1通路44に誘導する位置にあるので、この球は第1通路44を経由して第2入賞室23bへ流入し、底板50上を傾斜前端に向かって転動する。しかし、第2入賞室23bには回転体51が設けてあるので、第2入賞室23bに流入した球は、回転体51の回転タイミングによって、脚部51aの間に形成した球経路52を通って継続入賞口32へ流入するか、回転体51に弾かれて回転体51の脇を通って一般入賞口33へ流入するか、ランダムに振り分けられる。尚、左右の第2始動口14bに球が流入した場合には可動片34が0.7秒間1回開放する。
【0024】
そして、運良く継続入賞口32に流入した場合には、後述する大当り処理を実行して遊技者に特別な利益を与える特別遊技に移行する。特別遊技は、例えば30秒間に可動片34を18回開閉させ、開閉の途中でも入賞室23へ10個の球が流入した場合には開閉を停止することを1サイクルとし、可動片34の開閉中に継続入賞口32へ再び球が流入した場合には、継続入賞検出器として臨ませた継続スイッチ67がこの球を検出して検出信号を電気的制御手段に送出し、電気的制御手段がサイクルの更新を行なって可動片34を更に30秒間開閉する。そして、上記サイクルの更新は最高16回まで更新可能に設定してある。尚、現在何サイクル目を実行中かは、本体ベース25の基板部に発光ダイオードを設けて形成した継続表示灯68により可視表示してある。また、入賞室23に何個の球が流入したかは、継続入賞口32及び一般入賞口33の下方に設けた10カウントスイッチ(図示せず)が発する検出信号を電気的制御手段がカウントし、本体ベース25の基板部に発光ダイオードを設けて形成した10カウント表示灯69により可視表示している。
【0025】
ところで、本発明に係る変動入賞装置13においては、特別遊技の1サイクルが開始すると、切換レバー59は切換ソレノイド60の励磁により回動して図7に実線で示すように障害ボス59bが第1通路44の上方に位置して流出口42から共通部分に転入する球を第2通路45に誘導する。また、特別遊技の1サイクルが開始すると、ストッパソレノイド65が励磁されてストッパレバー63も上方へ回動して爪片62を第2流入口49に臨ませて、第2通路45を経由する球を保留可能とする。更に、特別遊技の1サイクルが開始すると、回転体51は脚部51aの間の球経路52を前後方向に向けて、第1流入口47と継続入賞口32とが障害なく揃う位置で停止する。
【0026】
従って、特別遊技の1サイクルが開始すると、可動片34により第1入賞室23aへ取り込まれる球は、流出口42から第2通路45へ転入し、第2通路45において保留手段により保留される。このとき、第2通路45には9個の球を保留可能に設定してあるので、10個目の球は第2通路45から溢れ出て、第1通路44へ転入し、第1流入口47から第2入賞室23bへ流入する。そして、第1流入口47と継続入賞口32とは、障害物なしに直線状に揃っているので、第1流入口47から回転体51の脚部51aに設けた球経路52を通って、継続入賞口32へ入球する。従って、確実に特別遊技のサイクルを更新することができる。しかも、サイクルの更新を入賞室23に流入可能な最後の球で行なうので、特別遊技のメリットを最大限に活用できる。そして、次のサイクルが開始する前に保留手段のストッパソレノイド65を消磁してストッパレバー63を下向きに回動させて爪片62を底板50の下側へ後退させ、保留していた球を全て放球してから次のサイクルに移行する。
【0027】
尚、本実施例では、10個目の球を継続入賞口32へ入賞させているが、障害ボス59bの設定位置を変化させれば、第1通路44と第2通路45への球の振り分けが、第1入賞室23aへの球の流入状態に影響するので、偶然性が増すようにすることもできる。また、可動片34の回動回数や入賞室23への入賞球数、あるいはサイクルの更新回数などは適宜に設定できる。
【0028】
図9は電気的制御手段の一例を示すブロック図であって、ROMにはパチンコ機1の制御用プログラムが格納されており、電源投入時、これを読み出して起動する。MPUは各種センサからの検出信号を入力回路を介して読み込み、変動入賞装置13等の制御を行なっている。例えば、近接センサ等で構成される始動スイッチ(特定入賞検出器)により始動口14(特定入賞口)の入賞が検出され、始動球検出回路から検出信号が送出され、入力回路を介してMPUに読み込まれると、MPUから一回開き、または2回開きの制御信号が出力され、出力回路、ソレノイド回路を介して可動片34の駆動ソレノイド40を付勢する。
【0029】
上記可動片34の開閉中に、継続スイッチ67(継続入賞検出器)により継続入賞が検出されると、継続入賞球検出回路から継続入賞検出信号が発せられて、入力回路を介してMPUに読み込まれ、同様に駆動ソレノイド40が付勢されて、可動片34を最大18回開閉駆動される大当り処理を行なう。このときの入賞室23へ入球した打球の数は、10カウントスイッチにより検出され、10カウント球検出回路からの信号が入力回路を介してMPUに読み込まれ、出力回路及びLED回路を介して10カウント表示灯69(LED)に表示される。10個の入賞球が検出されると、18回の開閉終了以前であっても、開閉動作は終了する。
【0030】
この間に、再度継続入賞が検出されると、可動片34の開閉制御が更新され、このときの継続回数が継続表示灯68によって可視表示される。尚、ランプ、スピーカは、夫々ランプ回路、サウンドジェネレータにより、継続入賞が検出された場合等に駆動され、視覚的に、または音響的に興趣を盛り上げる。
【0031】
また、パワーオンリセット回路は、電源投入時にリセットパルスをMPUに与えてリセットするものである。クロック発生回路及びパルス分周回路は、夫々各種制御信号のタイミングをとるためのクロック信号、特定の処理を優先させるためのMPUへの割り込みパルスを発生させるためのものである。アドレスデコード回路は、MPUからのアドレスデータをデコードして夫々入出力回路またはRAM、ROMへアクセスするためのチップセレクト信号を送出するためのものである。
【0032】
次に、上記のような電気的制御手段の作用を図10のフローチャートを参照して遊技に即して説明する。先ず、パチンコ機1の電源を投入してスタートする。ステップ(以下、Sと略す。)1では、回転体51を作動させる。即ち、回転体51を間歇回転させて、球が中央の球経路52を通過可能な状態で所定時間(例えば0.2秒)停止させ、再び回転を繰り返す動作を開始する。また、S1では、ストッパレバー63及び切換レバー59の作動を解除する。従って、切換レバー59は、図4に破線で示すように、流出口42から流出する球が第1通路44を経由して第2入賞室23bへ流入するように、突片59aが第2通路45の入口部分に位置し、障害ボス59bが球の流入の邪魔にならないように第1通路44の入口部分の上方に位置して停止する。一方、保留手段を構成するストッパレバー63の爪片62が、第2入賞室23bの底板50に設けた通孔内に嵌入していて底板50上を転動する球の障害とはならない。この状態では、入賞室23に流入する打球が中央部分を通って流下し、継続入賞口32に入賞し易い。
【0033】
S2では、可動片34を2回開閉させる第2始動スイッチ(SW2)がオンされたか否かを判別し、S3では可動片34を1回開閉させる第1始動スイッチ(SW1)がオンされたか否かを判別する。何れの始動スイッチもオンでなければS2に戻り、始動口14の入球待ちの状態となる。第2始動スイッチがオンならばS4へ進み、可動片34の2回開き処理、継続入賞口32への入球数をカウントする継続カウンタのクリア、変動入賞装置13への入球数をカウントする10カウントカウンタのクリアを行なう。一方、第1始動スイッチがオンならばS5へ進み、可動片34の1回開き処理、継続入賞口32への入球数をカウントする継続カウンタのクリア、変動入賞装置13への入球数をカウントする10カウントカウンタのクリアを行なう。
【0034】
S6では、継続入賞口32に入球して継続スイッチ67(図10ではVSWと略記する)がオンか否か(継続入賞が有るか否か)を判別し、オンでなければS2へ戻る。継続入賞口32への入球が検出されると、S7へ進んで後述の権利フラグの有無を判別する。
【0035】
権利フラグがなければ、S8へ進んで大当り処理を行なう。この大当り処理は、所定の表示灯を点灯或は点滅させると共に、所定の効果音(音声A)を放声させる。この大当りの状態で、更に継続スイッチ67がオンか否かを判別し、オンならばS10へ進み、オンでなければS11へ進む。S11では、10カウントカウンタの値が「10」になったか否かを判別し、S12では可動片34が18回開閉されたか否かを判別し、どちらも「NO」ならばS9へ戻って同様の処理を繰り返し、何れか一方が「YES」になれば、S13で大当り処理を終了してS2へ戻る。
【0036】
S10では権利フラグを発生させて、S14へ進む。尚、この権利フラグが発生した状態では、後述するように、遊技者に極めて有利にゲームが進行可能である。
【0037】
S14では、可動片34の1回開き処理または2回開き処理をクリアすると共に、可動片34の18回開き処理をクリアし、継続カウンタを「+1」する。そして、このとき音声Cを放声して遊技者に報知する。尚、継続カウンタの値が「2」以上のときは、音声Dを放声して区別する。次のS15では、回転体51の作動を停止し、ストップレバーを作動させ、切換レバー59を作動させる。即ち、回転体51を球が中央部分を通過可能な位置で停止させ、ストッパレバー63の爪片62を突出させると共に、切換レバー59の障害ボス59bで第1通路44を塞いで第2通路45に球を流入させ、第2通路45内に球を保留可能にする。
【0038】
S7において権利フラグが有った場合に進むS16では、S15と同様に、回転体51の作動を停止し、ストッパレバー63を作動させ、切換レバー59を作動させる。
【0039】
S17では大当り処理を実行し、S18へ進む。尚、このとき音声Bを放声する。S18では、継続スイッチ67がオンか否かを判別し、オンならばS21へ進み、オンでなければS19へ進む。S19では10カウントカウンタの値が「10」になったか否かを判別し、S20では可動片34が18回開閉されたか否かを判別し、どちらも「NO」ならばS18へ戻って同様の処理を繰り返し、何れか一方が「YES」になれば、S24へ進む。
【0040】
S21では、ストッパレバー63の作動を解除して、保留した球を放球し、S22では、継続入賞口32へ入賞する継続入賞が既に15回あったか否かを判別し、既に15回あったならばS23で継続入賞無効処理を実行して継続入賞口32の継続スイッチ67を無効にしてS18へ戻る。一方、継続入賞が15回に達していなければ、S14からの前記した処理を繰り返す。
【0041】
10カウントカウンタの値が「10」になるか、可動片34が18回開閉したときに進むS24では、回転体51の作動を再開し、ストッパレバー63の作動を解除し、切換レバー59の作動を解除する。
【0042】
次のS25では、継続入賞か否かを判別し、継続入賞ならばS26で継続入賞の回数を判別し、15回に達していないときは、S14からの処理を繰り返す。一方、S25で継続入賞でないと判別された場合には、S27で大当り処理を終了し、S28で継続カウンタの値を判別し、「1」の場合には、S29で権利フラグを消滅させた後、S2へ戻る。また、S28で継続カウンタの値が「1」以外のときは、直接S2へ戻る。即ち、2回目の大当り処理において継続スイッチ67がオンしなかった場合には、権利フラグが消滅する。
【0043】
一方、前記したS25で継続入賞と判別され得たときは、S26で継続入賞の回数を判別して15回に達していなければ、S14からの処理を繰り返す。また、継続入賞が既に15回に達したときは、S30で継続入賞無効処理を実行し、S31で大当りを終了して、S2へ戻る。
【0044】
上記のような実施例によれば、初回の大当り処理のときに、権利フラグが発生すると、以後のゲームにおいて、遊技者に極めて有利に展開する。また、この実施例では、継続カウンタが1のときに継続入賞がないと権利フラグが消滅する。従って、遊技者に有利になるが、極めて有利な状態と、それほどではない状態とを創出することができ、遊技者に入賞への期待感を高めることができると共に、遊技店の出玉管理が容易になる。
【0045】
尚、上記実施例では、継続カウンタの値が「1」のときに継続入賞がない場合にS29において権利フラグを消滅させたが、例えばS28において継続カウンタの値「8か」に設定すれば、8回目に運悪く終了した場合に、権利フラグを消滅させることもできるし、「3以下か」に設定すれば、一回目ないし3回目までに終了すれば、権利フラグが消滅する。
【0046】
上記のように、権利フラグの有無によって入賞室23内の作動部材を、この実施例においては、回転体51と切換レバー59とストッパレバー63とを、遊技者に有利な状態に、或は遊技者に不利な状態に変換すると共に、大当り終了後は、継続回数に対応して、権利フラグを記憶或は消滅させているので、遊技性を向上させることができる。
【0047】
また、中当りの低継続を多く発生させることができるので、遊技者は高継続への期待感が常にあると共に、高継続ゲームに移行する場合は、大当りが出易くなるので、遊技者は大きな利益を得ることができるし、遊技店は出玉管理が容易になり、両者共に満足するパチンコ機を提供できる。更に、遊技店は、予定数の賞球排出が完了して所謂打止めとなって遊技を停止した台を、再び遊技者に開放する際に、権利フラグを保持した高継続ゲームのまま開放してもよいし、リセットして権利フラグを消滅させてから開放してもよい。従って、遊技店は遊技者に対するサービスに変化を与えることができ、遊技者は高継続ゲームの可能な台に巡り合う期待感がある。
【0048】
尚、実施例では、球通路に9個の球を貯留し、10個目の球を継続入賞口32へ入賞し易くしてあるが、これに限ることなく、例えば継続入賞口32のすぐ上に1個の球を保留可能なストッパ部材を設け、更に上流側に回転部材を設けたものでもよい。また、作動部材は、継続入賞口32に対する入賞を可変できるものであれば、障害部材を制御するもの、或は補球・放球機構を制御するものなどであってもよい。
【0049】
更に、図10のフローチャートにおいて、例えばS14とS15との間に、継続カウンタの値を判別するステップを設け、継続カウンタの値が例えば「8」以上、即ち継続入賞口32に8個以上の球が入賞したら、回転体51を作動状態として継続入賞を難しくすることもできる。
【0050】
このようにすれば、特別遊技のサイクルが8回継続した後は、継続入賞口の入賞率が下がり継続が困難になる。従って、出玉を制限することができ、中当りの低継続とすることができる。
【0051】
以上本発明を図面の実施例について説明したが、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した構成を変更しない限り適宜に実施できる。例えば、権利フラグの発生、消滅時期は適宜に設定できる。また、ランプを音声と共に併用するなど、異なる表示態様で報知すれば遊技状態が遊技者に理解し易くなる。
【0052】
【発明の効果】
以上要するに本発明は、取付基板の表面に可動片を備え、該可動片に電気的駆動源を連絡して打球を受け入れない第1状態と打球を受け入れる第2状態とに変換する変動入賞装置を備えるパチンコ機であって、特定入賞口の流路に特定入賞検出器を臨ませるとともに、継続入賞口の流路に継続入賞検出器を臨ませ、前記特定入賞検出器からの信号により変動入賞装置を第2状態に変換するとともに、この第2状態において継続入賞口に入った打球による継続入賞検出器からの信号を電気的制御手段に供給し、電気的制御手段は、前記変動入賞装置内の球の流下方向に影響を与えて遊技者に有利にゲームが進行可能なように作動部材を作動させるための権利フラグを発生、消滅させるとともに当該権利フラグの有無を判別する権利フラグ手段を設け、権利フラグがない場合は、継続入賞検出器が球を検出したときに権利フラグを発生させるとともに所定の大当り処理を実行し、権利フラグがある場合は、継続入賞検出器が球を検出すると作動部材の電気的駆動源を制御することにより、前記変動入賞装置内の作動部材を遊技者に有利な状態に作動させるとともに、継続入賞検出器の検出結果に基づき所定の大当り処理を実行し、かつこの検出結果の継続回数に対応して、前記権利フラグを保持あるいは消滅するようにしたので、継続入賞口への入賞或るいは入賞回数に基づいて権利フラグを発生・消滅させることができ、権利フラグの有無によって、大当りの終了後も、引き続いて高い確率で特別遊技を継続できたり、通常の確率で特別遊技に移行できたり、多様な遊技態様が可能になりゲーム性が向上する。また、中当りの低継続を多く発生させることができるので、遊技者は高継続への期待感が常にあると共に、高継続ゲームに移行する場合は、大当たりが出易くなるので、遊技者は大きな利益を得ることができるし、遊技店は出玉管理が容易になり、両者共に満足するパチンコ機を提供できる。更に、継続入賞口への入賞である継続入賞検出器の検出信号に基づいて制御するので、構成が極めて簡単になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】パチンコ機の正面図である。
【図2】変動入賞装置の正面図である。
【図3】変動入賞装置の背面図である。
【図4】変動入賞装置の縦断面図である。
【図5】変動入賞装置の横断面図である。
【図6】変動入賞装置のモータを取り外した状態の一部底面図である。
【図7】図5のA−A線断面図である。
【図8】図5のB−B線断面図である。
【図9】制御手段のブロック図である。
【図10】制御手段のフローチャートである。
【符号の説明】
1 パチンコ機
13 変動入賞装置
14 特定入賞口としての始動口
32 継続入賞口
33 一般入賞口
51 作動部材としての回転体
59 作動部材としての切換レバー
63 作動部材としてのストッパレバー
Claims (1)
- 取付基板の表面に可動片を備え、該可動片に電気的駆動源を連絡して打球を受け入れない第1状態と打球を受け入れる第2状態とに変換する変動入賞装置を備えるパチンコ機であって、
特定入賞口の流路に特定入賞検出器を臨ませるとともに、継続入賞口の流路に継続入賞検出器を臨ませ、
前記特定入賞検出器からの信号により変動入賞装置を第2状態に変換するとともに、この第2状態において継続入賞口に入った打球による継続入賞検出器からの信号を電気的制御手段に供給し、
電気的制御手段は、前記変動入賞装置内の球の流下方向に影響を与えて遊技者に有利にゲームが進行可能なように作動部材を作動させるための権利フラグを発生、消滅させるとともに当該権利フラグの有無を判別する権利フラグ手段を設け、
権利フラグがない場合は、継続入賞検出器が球を検出したときに権利フラグを発生させるとともに所定の大当り処理を実行し、
権利フラグがある場合は、継続入賞検出器が球を検出すると作動部材の電気的駆動源を制御することにより、前記変動入賞装置内の作動部材を遊技者に有利な状態に作動させるとともに、継続入賞検出器の検出結果に基づき所定の大当り処理を実行し、かつこの検出結果の継続回数に対応して、前記権利フラグを保持あるいは消滅するようにしたことを特徴とするパチンコ機。
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