JP4121912B2 - 電着塗装装置および電着塗装方法 - Google Patents

電着塗装装置および電着塗装方法 Download PDF

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Description

本発明は、例えば自動車部品等の被塗装物を電着塗装する電着塗装装置および電着塗装方法に関するものである。
近年、自動車用アクスル装置等では、部品点数の削減や製品コストの低減等を図るべく、軸受の構成要素をアクスル装置の構成要素と一体化したいわゆる第3世代や第3.5世代のハブユニット軸受が提案されている(例えば、下記の特許文献1参照。)。
一般に、このような自動車部品(ハブ)等においては、油性あるいは水性の塗料を用いた塗装により防錆されるが、ホイールが当接するフランジ面やアクスルナット(ワッシャ)等が当接する内端面等に塗料が付着した場合、ホイールナットやアクスルナットの緩みが生じるおそれがある。そのため、パイロット筒部の塗装は、マスキングテープ等を用いて塗装部位以外を遮蔽した状態で、ディッピングや吹き付け等による塗装が行なわれている。
すなわち、自動車部品(ハブ)等の被塗装物には塗装しない部位があり、その被塗装物を塗装する際には、塗装しない部位をマスキングして塗装している。しかし、吹き付け等により塗装ムラや液ダレが生じたり、マスキングテープを剥がす際に、マスキングテープと塗装部位との境目で塗装(塗膜)が一緒に剥がれたりしやすいという問題がある。このような塗装ムラや剥がれが生じると、外観品質を低下させるだけでなく、耐食性を大幅に低下させることになってしまう。
そこで、自動車車体の水平部における塗膜の均一性、平滑性および鮮映性等の塗膜品質の良好な塗膜を形成し得る自動車車体の電着塗装装置が提案されている(例えば、下記の特許文献2参照。)。
一般に、電着塗装は、塗装工程の自動化が容易であり、塗料の被塗物への付き回り性が良く、均一な膜厚の塗膜が得られ、さらには水系塗料であるために環境に対する負荷が少なく、安全性が高い等の利点を有するので、従来から工業用塗装ライン等で広く用いられている。かかる電着塗装としては、電着塗料としてアニオン電着塗料を用いた上で導電材料からなる被塗物を陽極として電着を行う陽極電着塗装と、電着塗料としてカチオン電着塗料を用いた上で導電材料からなる被塗物を陰極として電着を行う陰極電着塗装とが行われている。
特開2000−142009号公報 特開2002−194594号公報
しかしながら、上記のような電着塗装装置は、自動車車体を、電着槽の長手方向の一端から入槽させ、電着槽内で長手方向に進行させ、電着槽の長手方向の他端から出槽させ、これを連続的に順次行う。そして、電着槽に入槽されて電着塗料中に浸漬された自動車車体が一方の電極となり、かつ、電着槽内で自動車車体とは離間して配置された複数の電極部材が他方の電極となるように、自動車車体および電極部材間に直流電圧を印加して、電着塗料を自動車車体の表面に電着させるようになっている。
すなわち、上記のような電着塗装装置は、被塗装物である自動車車体を電着槽に入槽させて、その表面に電着塗料を電着させるようになっているため、被塗装物に塗装を必要としない部位があっても、被塗装物の全面が電着塗装されてしまう。このため、上述のように、ホイールが当接するフランジ面やアクスルナット(ワッシャ)が当接する自動車部品等の被塗装物の内端面等に塗料が付着した場合、これらの摩擦により塗装が剥がれ、ホイールナットやアクスルナットの緩みが生じるおそれがある。
これらのような事情から、上記装置で塗装しない部位を有する被塗装物には、電着塗装を施すことができず、依然としてマスキングを施しての吹き付けやディッピングが行われていたのが実情である。
本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、被塗装物の任意の部分に電着塗装を施すことができる電着塗装装置および電着塗装方法の提供を目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の電着塗装装置は、被塗装物を電着塗装する電着塗装装置であって、電着塗装液を収容する電着槽と、上記電着槽に上記電着塗装液を所定流量で導入して上記電着塗装液を上記電着槽の上部開口縁から盛り上がらせる導入手段と、上記電着槽の上部開口縁から盛り上がった電着塗装液に上記被塗装物の表面が接触するように上記被塗装物を支持する支持手段と、上記被塗装物の表面を上記電着塗装液に接触させた状態で、当該接触位置が変わるように上記被塗装物を動かす駆動手段と、上記電着塗装液に接触させた被塗装物と上記電着槽の電着塗装液との間に電圧を印加することにより、該被塗装物の表面に上記電着塗装液中の塗料を電着させる通電手段とを備え、上記電着槽の上部開口縁は、その内側の高さより外側の高さが低いことを要旨とする。
また、本発明の電着塗装方法は、被塗装物を電着塗装する電着塗装方法であって、電着塗装液を収容する電着槽に上記電着塗装液を所定流量で導入して上記電着塗装液を上記電着槽の上部開口縁から盛り上がらせ、上記電着槽の上部開口縁から盛り上がった電着塗装液に上記被塗装物の表面が接触するように上記被塗装物を支持し、上記被塗装物の表面を上記電着塗装液に接触させた状態で、当該接触位置が変わるように上記被塗装物を動かし、上記電着塗装液に接触させた被塗装物と上記電着槽の電着塗装液との間に電圧を印加することにより、該被塗装物の表面に上記電着塗装液中の塗料を電着させ、上記電着槽の上部開口縁をその内側の高さより外側の高さを低く設定することを要旨とする。
すなわち、本発明では、上記導入手段は、上記電着槽に上記電着塗装液を所定流量で導入して上記電着塗装液を上記電着槽の上部開口縁から盛り上がらせる。上記支持手段は、上記電着槽の上部開口縁から盛り上がった電着塗装液に上記被塗装物の表面が接触するように上記被塗装物を支持する。上記駆動手段は、上記被塗装物の表面を上記電着塗装液に接触させた状態で、当該接触位置が変わるように上記被塗装物を動かす。この状態で、上記通電手段は、上記電着塗装液に接触させた被塗装物と上記電着槽の電着塗装液との間に電圧を印加することにより、該被塗装物の表面に上記電着塗装液中の塗料を電着させる。
したがって、本発明の電着塗装装置では、上記電着槽の上部開口縁から盛り上がった電着塗装液に被塗装物を接触させることで、被塗装物のうち電着塗装液に接触した部位のみに電着塗装を施すことができる。すなわち、使用者等は、被塗装物のうち電着塗装を施したい部位を上記電着槽の上部開口縁から盛り上がった電着塗装液に接触させることで、その部位のみを電着塗装(部分塗装)することができる。また、上記電着槽の上部開口縁から盛り上がった電着塗装液に接触させるため、上記電着槽に収容する電着塗装液の液量が少なくて済み、電着塗装液や設備費用、電力量等のコストを削減することができる。
また、上記被塗装物は、駆動手段によって上記被塗装物の表面を上記電着塗装液に接触した状態で、当該接触位置が変わるように動かすため、例えば小さい電着槽でも塗装範囲を広げることができ、同じ電着塗装装置で多様な被塗装物(例えば、電着塗装を施したい部位が異なる塗装物)に電着塗装を施すことができるため、コストメリットが大きい。また、上記電着槽の上部開口縁は、その内側の高さより外側の高さが低いため、電着塗装液が上部開口縁の内側上を通過して溢れるときには電着塗装液と接触し、電着塗装液が上部開口縁の外側を通るときには、上記電着塗装液と接触しないようにすることができ、いわゆる液切れの良い状態で部分塗装することができる。したがって、被塗装物のうち塗装部位と塗装しない部位との境界が、波打ったように施されるようなことを防止することができる。これにより、上記境界をはっきりさせることができ、被塗装物の表面に見た目のよい塗膜を形成することができる。
また、本発明の電着塗装方法では、上記電着槽の上部開口縁から盛り上がった電着塗装液に被塗装物を接触させることで、被塗装物のうち電着塗装液に接触した部位のみに電着塗装を施すことができる。すなわち、使用者等は、被塗装物のうち電着塗装を施したい部位を上記電着槽の上部開口縁から盛り上がった電着塗装液に接触させることで、その部位のみを電着塗装(部分塗装)することができる。また、上記電着槽の上部開口縁から盛り上がった電着塗装液に接触させるため、上記電着槽に収容する電着塗装液の液量が少なくて済み、電着塗装液や設備費用、電力量等のコストを削減することができる。
また、上記被塗装物は、上記被塗装物の表面を上記電着塗装液に接触した状態で、当該接触位置が変わるように動くため、例えば小さい電着槽でも塗装範囲を広げることができ、同じ電着塗装装置で多様な被塗装物(例えば、電着塗装を施したい部位が異なる塗装物)に電着塗装を施すことができるため、コストメリットが大きい。また、上記電着槽の上部開口縁をその内側の高さより外側の高さを低く設定したため、電着塗装液が上部開口縁の内側上を通過して溢れるときには電着塗装液と接触し、電着塗装液が上部開口縁の外側を通るときには、上記電着塗装液と接触しないようにすることができ、いわゆる液切れの良い状態で部分塗装することができる。したがって、被塗装物のうち塗装部位と塗装しない部位との境界が、波打ったように施されるようなことを防止することができる。これにより、上記境界をはっきりさせることができ、被塗装物の表面に見た目のよい塗膜を形成することができる。
本発明において、上記支持手段は、上記被塗装物を上記電着槽の外部で支持する場合には、上記電着槽を縮小化することができ、さらにコストメリットを大きくすることができる。また、電着槽の上部開口縁と被塗装物の端との距離が大きくなるように、電着槽を縮小化することで、さらに小さい範囲で部分塗装を施すことができるうえ、コストメリットも一層大きくなる。
本発明において、上記電着槽には、上記導入手段から上記電着塗装液が導入される導入口の近傍に、導入された電着塗装液が上記被塗装物と上記電着塗装液との接触面に向かって直接流れるのを防止する直接流防止部材が設けられている場合には、電着塗装液が上記被塗装物と上記電着塗装液との接触面に向かって直接流れることによって、その水流により接触面の液面が盛り上がり接触面の位置によって接触面の高さや液流がふぞろいになることを防止することができる。これにより、塗装ムラが生じることを防止することができる。
本発明において、上記導入手段から導入される電着塗装液の流量を調節する流量調節手段を設けた場合には、上記電着槽の上部開口縁から盛り上がる電着塗装液の盛り上がり度合いを調節することができる。これにより、被塗装物の大きさや形状に応じて適度な電着塗装を施すことができる。例えば、表面の凹凸が多いものは盛り上がりを大きくして塗装し、表面の滑らかなものは盛り上がりを小さくして塗装することができる。また、電着塗装液の流量を調節することもできるため、接触時間を調節することができる。例えば、上記導入手段から導入される電着塗装液の流量を多くすることで、塗粒の量が多くなり接触時間を短くし、流量を少なくすることで、塗粒の量が少なくなり接触時間を長くすることができる。これにより、電着塗装を安定させ、電着塗装の仕上がり品質を一層向上させることができる。
本発明において、上記被塗装物が略円柱状の外形形状を有する被塗装物であり、上記支持手段は、該円柱状の被塗装物を円周方向に回転可能に支持するものであり、上記駆動手段は、上記被塗装物を回転駆動するものである場合には、上記円柱状の被塗装物の中央部を被覆するように電着塗装を施すことができる。したがって、上記円柱状の被塗装物(例えば、後述の自動車用シャフト)の長手方向の両端にスプラインが形成されている場合、そのスプラインに電着塗装を施さず、スプラインより内側の部分のみに電着塗装を施すことができる。これにより、スプラインと嵌め合わさる部品との間に電着塗装が施されないため、これらの摩擦により電着塗装が剥がれて緩みが生じるということを防止することができる。
本発明において、上記支持部材は、上記被塗装物の長手方向に移動可能に設けられている場合には、被塗装物の長さに応じて支持することができる。これにより、同じ電着塗装装置で多様な長さの被塗装物に電着塗装を施すことができる。
つぎに、本発明を実施するための最良の形態を説明する。以下の説明は、被塗装物としての自動車用シャフトへの効果的な電着塗装を実現した例を示す。
図1は、本発明の第1の実施例の電着塗装装置の外観を示す。
上記電着塗装装置は、被塗装物である自動車用シャフト3を電着塗装する略長方形状の電着塗装装置1である。この電着塗装装置1の筐体5には、プラスの電荷を有するカチオン塗料粒子(塗粒)を含む電着塗装液7(図2,図3,図4参照)を収容する電着槽9と、その電着槽9を収容するオーバーフロー槽11が設けられている。
上記筐体5の長手方向の内側面の上部には、後述の支持部材19aを筐体5の長手方向に移動させて所望の位置で固定するためのレール15が固着されている。筐体5の内側面には、電着槽9の上部開口縁17から液面が盛り上がった電着塗装液7に自動車用シャフト3の表面が接触するように自動車用シャフト3を支持する支持手段である支持部材19a,19bが自動車用シャフト3の長手方向の両端を支持している。支持部材19aは、図示において、自動車用シャフト3の左側の端を支持し、支持部材19bは、自動車用シャフト3の右側の端を支持している。支持部材19aは、後述の電源51(図2参照)のプラス側電極と電気的に接続され、軸受20によって回転可能に支持されている。軸受20は、自動車用シャフト3の長手方向に移動できるようにレール15に設けられている。支持部材19bは、筐体5の外側面に位置する第1滑車21と一体化し、回転可能に設けられている。
上記筐体5の外側面には、モータ軸22aを有し、該モータ軸22aを回転駆動する駆動手段であるモータ22が設けられている。このモータ軸22aには、モータ22の回転駆動により回転する第2滑車23が固着されている。この第2滑車23と第1滑車21には、モータ22の回転駆動により回転する第2滑車23の回転力を第1滑車21に伝達するためのベルト24が巻かれている。したがって、モータ22の回転駆動により自動車用シャフト3が軸心を中心として円周方向に回転するようになっている。なお、モータ22の駆動力(回転速度や回転力等)は適宜に設定される。また、モータ22の駆動を制御する駆動制御手段としてのモータ制御装置を設けてもよい。これにより、被塗装物の種類によって適切な電着塗装を施すことができる。
上記筐体5の長手方向の外側面の下部には、電着槽9に電着塗装液7を導入するための導入管25が接続されている。導入管25は、導入手段である電着塗装液導入装置26(図2参照)と接続されている。電着塗装液導入装置26は、未使用の電着塗装液7を貯留し、その電着塗装液7を必要に応じて導入管25から電着槽9に導入する。電着槽9の下底の中央部には、導入管25から導入される電着塗装液7を電着槽9内に導入するための導入口27が設けられている。電着塗装液導入装置26によって電着塗装液7を所定流量で電着槽9内に導入することにより、電着槽9の上部開口縁17から電着塗装液7が溢れて表面張力により液面が盛り上がるようになっている。すなわち、電着塗装液導入装置26は、電着槽9に電着塗装液7を所定流量で導入して電着塗装液7を電着槽9の上部開口縁17から盛り上がらせる。
上記導入口27の近傍には、電着塗装液7に通電するための電極29が電着槽9の底部に設けられている。導入口27の上方には、導入された電着塗装液7が自動車用シャフト3と電着塗装液7との接触面に向かって直接流れるのを防止する直接流防止部材31が設けられている。
上記オーバーフロー槽11は、電着塗装液導入装置26による電着塗装液7の導入により電着槽9から溢れ出る電着塗装液7を受けるようになっている。また、オーバーフロー槽11は排出管41と接続されている。排出管41は、筐体5の側面を貫通して後述の限外濾過装置61(図2参照)と連通している。オーバーフロー槽11内に溜まった電着塗装液7は、排出管41を通って限外濾過装置61に送られるようになっている。このように、オーバーフロー槽11を設けることで電着塗装液7の回収を容易に行なうことができるとともに、電着塗装液(その使用量を含む)を容易に管理(把握)することができる。
詳細は後述するが、本実施例の電着塗装装置1は、上記オーバーフロー槽11の電着塗装液7(具体的には塗粒)を電着槽9に供給するようになっている。これにより、電着塗装液7を再利用することができ、コストの削減や環境への負担を軽減することができる。
つぎに、図2を参照して、電着塗装装置1について詳しく説明する。
上記のように、本発明の電着塗装装置1は、電着塗装液7を収容する電着槽9と、電着槽9に電着塗装液7を所定流量で導入して電着塗装液7を電着槽9の上部開口縁17から盛り上がらせる導入手段(電着塗装液導入装置26と、導入管25と、導入口27)と、電着槽9の上部開口縁17から盛り上がった電着塗装液7に自動車用シャフト3の表面が接触するように自動車用シャフト3を支持する支持部材19a,19bと、自動車用シャフト3の表面を電着塗装液7に接触させた状態で、当該接触位置が変わるように自動車用シャフト3を動かす駆動手段(モータ22と、第1滑車21と、第2滑車23と、ベルト24)と、電着塗装液7に接触させた自動車用シャフト3と電着槽9の電着塗装液7との間に電圧を印加することにより、その自動車用シャフト3の表面に電着塗装液7中の塗料を電着させる通電手段(自動車用シャフト3と電気的に接続された電源51と、その電源51と電気的に接続され、電着塗装液7に通電するための電極29)とを備える。
すなわち、本発明の電着塗装装置1では、上記導入手段である電着塗装液導入装置26等は、電着槽9に電着塗装液7を所定流量で導入して電着塗装液7を電着槽9の上部開口縁17から盛り上がらせる。上記支持手段である支持部材19a,19bは、電着槽9の上部開口縁17から盛り上がった電着塗装液7に自動車用シャフト3の表面が接触するように自動車用シャフト3を支持する。上記駆動手段であるモータ22等は、自動車用シャフト3の表面を電着塗装液7に接触させた状態で、当該接触位置が変わるように自動車用シャフト3を動かせる。上記通電手段である電源51等は、電着塗装液7に接触させた自動車用シャフト3と電着槽9の電着塗装液7との間に電圧を印加することにより、その自動車用シャフト3の表面に電着塗装液7中の塗料を電着させる。
したがって、電着槽9の上部開口縁17から盛り上がった電着塗装液7に自動車用シャフト3を接触させることで、自動車用シャフト3のうち電着塗装液7に接触した部位のみに電着塗装を施すことができる。すなわち、使用者等は、自動車用シャフト3のうち電着塗装を施したい部位を電着槽9の上部開口縁17から盛り上がった電着塗装液7に接触させることで、その部位のみを電着塗装(部分塗装)することができる。また、上記電着槽9の上部開口縁17から盛り上がった電着塗装液7に接触させるため、電着槽9に収容する電着塗装液7の液量が少なくて済み、電着塗装液7や設備費用、電力量等のコストを削減することができる。
また、自動車用シャフト3は、モータ22等によって自動車用シャフト3の表面を電着塗装液7に接触した状態で、当該接触位置が変わるように回転するため、例えば小さい電着槽でも塗装範囲を広げることができ、同じ電着塗装装置1で多様な被塗装物(例えば、電着塗装を施したい部位が異なる塗装物)に電着塗装を施すことができるため、コストメリットが大きい。
また、上記支持部材19aは、自動車用シャフト3の長手方向(図示の矢印の方向)に移動可能に設けられているため、自動車用シャフト3の取り付け取り外しが容易になるとともに、異なる長さの自動車用シャフト3に対応して支持することができる。これにより、同じ電着塗装装置で多様な長さの自動車用シャフト3に電着塗装を施すことができる。このとき、電着塗装をする領域の大きさ(長さ)を変更する場合には、異なる大きさの電着槽9に交換することで対応できる。すなわち、電着槽9はオーバーフロー槽11に対して着脱可能となっており、異なる大きさのものと交換しうるようになっている。なお、図示の支持部材19aは、自動車用シャフト3を支持する前の位置にある。ここで、図示の支持部材19aは、図示の右方向に移動し、自動車用シャフト3を支持すると、図3に示すように自動車用シャフト3を支持する。
また、上記電着塗装液導入装置26には、電着塗装液導入装置26から導入される電着塗装液7の流量を調節する流量調節手段である第1流量調節装置(いわゆるマスフローコントローラ)49が設けられている。したがって、電着槽9の上部開口縁17から盛り上がる電着塗装液7の盛り上がり度合いを調節することができる。これにより、自動車用シャフト3等の被塗装物の大きさや形状に応じて適度な電着塗装を施すことができる。例えば、表面の凹凸が多いものは盛り上がりを大きくして塗装し、表面の滑らかなものは盛り上がりを小さくして塗装することができる。また、電着塗装液7の流量を調節することで、接触時間を調節することができる。例えば、電着塗装液導入装置26から導入される電着塗装液7の流量を多くすることで、塗粒の量が多くなり接触時間を短くし、流量を少なくすることで、塗粒の量が少なくなり接触時間を長くすることができる。これにより、電着塗装を安定させ、電着塗装の仕上がり品質を一層向上させることができる。
上記電着槽9内には、電着槽9の電着塗装液7に含まれる塗粒の濃度を計測する濃度計測手段である濃度計測装置53が設けられている。したがって、塗粒の濃度を管理(計測)することができる。例えば、塗粒の濃度が低い場合には塗粒の継ぎ足しを行なうことができ、自動車用シャフト3に連続して電着する場合において、それぞれの自動車用シャフト3の表面に電着した塗膜の品質、電着塗装を施す時間、電源51の電圧等を一定に保つことができる。これにより、自動車用シャフト3に安定した電着塗装を施すことができる。濃度計測装置53は、後述の電源制御回路55と、後述の第2流量調節装置71に電気的に接続されている。
上記自動車用シャフト3は電源51のマイナス側と接続され、マイナス側電極として機能し、電着槽9に収容された電着塗装液7内の電極29は電源51のプラス側と接続され、プラス側電極として機能するようになっている。電源51には、電源51を制御する電源制御手段である電源制御回路55が設けられている。電源制御回路55は、濃度計測装置53と接続され、濃度計測装置53によって計測された塗粒の濃度に基いて電源51を制御する。例えば、塗粒の濃度が低い場合には、電着塗装液7に接触させた自動車用シャフト3と電着槽9の電着塗装液7との間に印加する電圧を上げるように電源51を制御し、塗粒の濃度が高い場合には、印加する電圧を下げるように電源51を制御することができる。したがって、自動車用シャフト3に連続して電着する場合にそれぞれの電着塗装を施す時間等を一定に保つことができる。これにより、自動車用シャフト3に安定した電着塗装を施すことができる。
上記電着塗装装置1には、オーバーフロー槽11の電着塗装液7を塗粒液と濾過液とに分離する限外濾過装置(半透膜装置)61が設けられている。限外濾過装置61は、分離した塗粒液を電着槽9に供給するようになっている。詳細には、限外濾過装置61は、半透膜を有し、オーバーフロー槽11からの電着塗装液7が半透膜を透過しない塗粒液(濃縮液)と透過する濾過液(透過液)とに分離する。限外濾過装置61によって分離された塗粒液は、第1ポンプ63によって吸引されて後述の第2流量調節装置71に送られ電着槽9に供給される。このように、限外濾過装置61によって分離された塗粒液は、電着槽9に供給されるようになっているため、塗粒液の無駄がなく、経済的である。さらに、使用済みの電着塗装液7がリサイクルされるため、環境への負担をなくすことができる。
上記第2流量調節装置71は、濃度計測装置53によって計測された塗粒の濃度に基いて限外濾過装置61によって分離された塗粒液の供給量を調節して該塗粒液を電着槽9に供給するようになっている。例えば、塗粒の濃度が低い場合には、塗粒液の流量を多くし、塗粒の濃度が高い場合には、塗粒液の流量を少なくすることができる。したがって、自動車用シャフト3に連続して電着する場合にそれぞれの電着塗装を施す時間を一定に保つことができる。これにより、自動車用シャフト3に安定した電着塗装を施すことができる。
一方、上記限外濾過装置61によって分離された濾過液は、第2ポンプ73によって吸引され、後述の水洗槽77の上方に設けられたシャワー77aから噴射されるようになっている。電着塗装装置1で電着塗装された自動車用シャフト3は、このシャワー77aの噴射方向に移され、シャワー77aから噴射される濾過液によって所定時間洗浄されるようになっている。上記水洗槽77は、上記シャワー77aから噴射された濾過液とシャワー77aを浴びた自動車用シャフト3から滴る濾過液を収容する。
上記シャワー77aから噴射される濾過液で自動車用シャフト3を洗浄することにより、自動車用シャフト3の表面に塗膜として形成されなかった塗粒を洗い流すことができる。このように、限外濾過装置61によって分離された濾過液は、洗浄に使用されるようになっているため、濾過液の無駄がなく、経済的である。また、使用済みの電着塗装液7がリサイクルされるため、環境への負担をなくすことができる。
上記水洗槽77に溜まったシャワー77aから噴射された濾過液とシャワー77aを浴びた自動車用シャフト3から滴る濾過液は、上記水洗槽77から溢れ出て後述の回収槽79に貯留される。上記回収槽79は、水洗槽77から溢れ出た塗粒を含む濾過液を受けるようになっている。回収槽79に貯留された塗粒を含む濾過液は、第3ポンプ81によって吸引され、再び限外濾過装置61に送られる。
すなわち、上記電着塗装装置1には、電着塗装した自動車用シャフト3を限外濾過装置61によって分離された濾過液で洗浄する洗浄手段(水洗槽77、シャワー77a)が設けられている。これにより、自動車用シャフト3の表面に見た目のよい滑らかな塗膜を形成することができる。
つぎに、図3、図4を参照して、電着塗装について説明する。
図示のように、支持部材19a,19bは、自動車用シャフト3を電着槽9の外部(電着槽9の上部開口縁17よりも外側の領域)で支持している。すなわち、支持部材19a,19bによる自動車用シャフト3の支持部は、電着槽9の開口よりも外側であり、この例では長手方向の外側であり、この支持部から駆動力が加わるようになっている。このため、電着槽9を縮小化することができ、コストメリットを大きくすることができる。また、電着槽9の上部開口縁17と自動車用シャフト3のそれぞれの端との距離が大きくなるように、電着槽9を縮小化することで、さらに小さい範囲で部分塗装を施すことができるうえ、コストメリットも一層大きくなる。
上記電着槽9の上部開口縁17の高さは略一定になっている。したがって、電着槽9の上部開口縁17から溢れ出る電着塗装液7の流量がどの縁でも同じになり、電着塗装液7を表面張力により電着槽9の上部開口縁17から大きく盛り上げることができる。これにより、被塗装物のうちの塗装したい範囲に電着塗装を容易に施すことができる。
また、上記電着槽9の上部開口縁17は、その内側の高さより外側の高さが低くなるように形成されている。このようにすることにより、電着塗装液7が上部開口縁17の内側上を通過して溢れるときには電着塗装液7と接触し、電着塗装液7が上部開口縁17の外側を通るときには、電着塗装液7と接触しないようにすることができる。したがって、自動車用シャフト3のうち塗装部位と塗装しない部位との境界が、波打ったように施されるようなことを防止することができる。これにより、上記境界をはっきりさせることができ、自動車用シャフト3の表面に見た目のよい塗膜を形成することができる。
具体的には、上記電着槽9の上部開口縁17には、電着槽9の内側面の上端から外側面の上端にかけて下り傾斜した傾斜部が形成されている。これにより、溢れ出る電着塗装液7が傾斜部に沿って滑らかにオーバーフロー槽11に案内されるため、電着塗装液7が飛び散ることを防止することができる。なお、図示の例では、電着槽9の上部開口縁17を傾斜面としたが、これに限定するものではなく、例えば、上部開口縁17を内側が高く外側が低い段差を設けてもよい。このような場合も同様の作用効果を奏する。
図示のように、上記直接流防止部材31はこの例では板状であり、電着槽9の内部に、導入口27の上方に位置するように横向きに取り付けられている。この上記直接流防止部材31は、導入された電着塗装液7は、直接流防止部材31に当たって横方向に流れたのち上部開口縁17から溢れ、自動車用シャフト3と電着塗装液7との接触面に向かって直接流れるのが防止される。このようにすることで、電着塗装液7が自動車用シャフト3と電着塗装液7との接触面に向かって直接流れたときの水流により接触面の液面が盛り上がり、接触面の位置によって接触面の高さや液流がふぞろいになることを防止することができる。これにより、塗装ムラが生じることを防止することができる。
本実施例の電着塗装装置1は、自動車用シャフト3が略円柱状の外形形状を有する被塗装物であり、支持部材19a,19bは、該円柱状の自動車用シャフト3を円周方向(例えば、図4の矢印で示す方向)に回転可能に支持するものであり、上記モータ22等は、自動車用シャフト3を軸心を中心に回転駆動するものである。そして、自動車用シャフト3は、その外周面の円周方向の所定幅が電着塗装液7に接触して回転する。このため、図4の二点鎖線で示すように、上記円柱状の自動車用シャフト3の電着塗装液7と接触する部分を全周にわたって被覆するように電着塗装を施すことができる。したがって、上記円柱状の自動車用シャフト3の両端部のスプラインには電着塗装を施さず、両端部より内側の部分のみに電着塗装を施すことができる。これにより、スプラインと嵌め合わさる部品との間に電着塗装が施されないため、これらの摩擦により電着塗装が剥がれて緩みが生じるということを防止することができる。
上記の構成により、電着塗装装置1では、電着塗装液7を収容する電着槽9に電着塗装液7を所定流量で導入して電着塗装液7を電着槽9の上部開口縁17から盛り上がらせ、電着槽9の上部開口縁17から盛り上がった電着塗装液7に自動車用シャフト3の表面が接触するように自動車用シャフト3を支持し、自動車用シャフト3の表面を電着塗装液7に接触させた状態で、当該接触位置が変わるように自動車用シャフト3を動かし、電着塗装液7に接触させた自動車用シャフト3と電着槽9の電着塗装液7との間に電圧を印加することにより、その自動車用シャフト3の表面に電着塗装液7中の塗料を電着させるようになっている。
上記のように、電着槽9の上部開口縁17から盛り上がった電着塗装液7に自動車用シャフト3を接触させることで、自動車用シャフト3のうち電着塗装液7に接触した部位のみに電着塗装を施すことができる。すなわち、使用者等は、自動車用シャフト3のうち電着塗装を施したい部位を電着槽9の上部開口縁17から盛り上がった電着塗装液7に接触させることで、その部位のみを電着塗装(部分塗装)することができる。また、電着槽9の上部開口縁17から盛り上がった電着塗装液7に接触させるため、電着槽9に収容する電着塗装液7の液量が少なくて済み、電着塗装液7や設備費用、電力量等のコストを削減することができる。
つぎに、図5を参照して、本発明の第2の実施例について説明する。
本実施例では、第1の実施例に示す被塗装物とは異なる被塗装物に電着塗装を施す場合について説明する。それ以外は、上記第1の実施例と同様であり、同様の部分には同じ符号を付している。また、上記第1の実施例と同様の作用効果を奏する。なお、図示において電着塗装装置1の一部を省略している。
図5に示すように、本実施例の被塗装物は、中央部にフランジ状の突部が設けられた被塗装物(以下「ワーク」と称する)101である。ワーク101の塗装範囲103は、図5の陰影で示す範囲である。すなわち、ワーク101のうち上記電着槽9の上部開口縁17から盛り上がった電着塗装液7と接触する部分と、電着塗装液7に浸された部分に電着塗装を施すことができる。
つぎに、図6を参照して、本発明の第3の実施例について説明する。
本実施例では、第1の実施例に示す被塗装物とは異なる被塗装物に電着塗装を施す場合について説明する。本実施例では、板状の被塗装物(以下「板状体」と称する)111に部分塗装を施すようになっている。そして、前述の駆動手段として、上記板状体111を水平方向(図で矢印で示したX、Y方向)に動かす駆動装置115と、その駆動装置115と接続され、駆動装置115の動力を後述の挟持部材119に伝える動力伝達部材117とが設けられている。さらに、前述の支持手段として、板状体111を挟持して支持する挟持部材119が設けられている。挟持部材119は、動力伝達部材117と接続され、駆動装置115の駆動により板状体111を挟持したまま動かされるようになっている。それ以外は、上記第1の実施例と同様であり、同様の部分には同じ符号を付している。また、上記第1の実施例と同様の作用効果を奏する。なお、図示において電着塗装装置1の一部を省略している。
図6に示すように、本実施例では、上記板状体111のうち上記電着槽9の上部開口縁17から盛り上がった電着塗装液7と接触する部分に電着塗装を施すことができる。例えば、電着塗装を施したい部分を上記電着槽9の上部開口縁17から盛り上がった電着塗装液7と接触するように駆動装置115を駆動することで、上記板状体111のうち電着塗装液7と接触する任意の領域(部分)に電着塗装を施すことができる。なお、駆動装置115の駆動力(板状体111の移動方向や移動速度等)は適宜に設定される。また、駆動装置115の駆動を制御する駆動制御手段としての駆動装置制御装置を設けてもよい。これにより、被塗装物の種類によって適切な電着塗装を施すことができる。
つぎに、図7を参照して、本発明の第4の実施例について説明する。
本実施例では、第1の実施例に示す被塗装物とは異なる被塗装物に電着塗装を施す場合について説明する。本実施例では、帯状の被塗装物(以下「長尺品」と称する)131に電着塗装を施すようになっている。なお、長尺品131としは、帯状の帯状材に限られず、ひも状の線材であってもよい。
また、本実施例では、前述の駆動手段として、モータ軸135aを有し、該モータ軸135aを回転駆動する巻取モータ135が設けられている。また、前述の支持手段として、モータ軸135aに固着された巻取プーリ137aと、回転軸139に固着された送出プーリ137bとが設けられている。
上記巻取プーリ137aは、巻取モータ135の駆動により円周方向(図示の矢印の方向)に回転して送出プーリ137bに巻かれた長尺品131を巻き取る。プーリ137bには、これから電着塗装を施す未塗装の長尺品131が巻かれている。プーリ137bは、巻取モータ135の駆動により巻取プーリ137aが回転し、巻かれた長尺品131が引っ張り出されることで、円周方向に回転してその長尺品131を送り出す。さらに、図示しないヒータとブロワーで構成され、電着塗装された長尺品131を乾燥させる乾燥装置141が設けられている。それ以外は、上記第1の実施例と同様であり、同様の部分には同じ符号を付している。また、上記第1の実施例と同様の作用効果を奏する。なお、図示において電着塗装装置1の一部を省略している。
図7に示すように、本実施例では、送出プーリ137bに巻かれた長尺品131は、巻取モータ135の駆動により巻取プーリ137aに巻き取られ、その間に電着槽9の上部開口縁17から盛り上がった電着塗装液7と接触し、電着塗装が施されるようになっている。電着塗装が施されると、このシャワー77aの噴射方向に位置し、シャワー77aから噴射される濾過液によって所定時間洗浄されるようになっている。上記水洗槽77は、上記シャワー77aから噴射された濾過液とシャワー77aを浴びた長尺品131から滴る濾過液を収容する。
上記長尺品131は、所定時間洗浄されると、乾燥装置141により所定温度(例えば、150℃)の熱風が所定時間吹き付けられて、乾燥するようになっている。乾燥装置141により乾燥した長尺品131は、塗膜が硬化し、巻取プーリ137aに巻き取られるようになっている。なお、巻取モータ135の駆動力(回転速度や回転力等)は適宜される。また、巻取モータ135の駆動を制御する駆動制御手段としての巻取モータ制御装置を設けてもよい。これにより、被塗装物の種類によって適切な電着塗装を施すことができる。なお、この例において、電着槽9を長尺品131の進行方向に2つ並べて設け、2つの電着槽9の間で長尺品131を反転させることにより、裏表の両面を連続して電着塗装することもできる。
電着槽に電着塗装液を所定流量で導入して電着塗装液を電着槽の上部開口縁から盛り上がらせ、電着槽の上部開口縁から盛り上がった電着塗装液に被塗装物の表面が接触するように被塗装物を支持することで、被塗装物の任意の部分に電着塗装を施す用途に適用できる。
本発明の第1の実施例の電着塗装装置を示す斜視図である。 電着塗装装置と電着塗装液の循環状態と電気回路等の概略構成を示す図である。 電着塗装装置を示す断面図である。 電着塗装装置を示す断面図である。 第2の実施例の電着塗装装置を示す断面図である。 第3の実施例の電着塗装装置を示す図である。 第4の実施例の電着塗装装置を示す図である。
符号の説明
1 電着塗装装置
3 自動車用シャフト
5 筐体
7 電着塗装液
9 電着槽
11 オーバーフロー槽
15 レール
17 上部開口縁
19a 支持部材
19b 支持部材
20 軸受
21 第1滑車
22 モータ
22a モータ軸
23 第2滑車
24 ベルト
25 導入管
26 電着塗装液導入装置
27 導入口
29 電極
31 直接流防止部材
41 排出管
49 第1流量調節装置
51 電源
53 濃度計測装置
55 電源制御回路
61 限外濾過装置
63 第1ポンプ
71 第2流量調節装置
73 第2ポンプ
77 水洗槽
77a シャワー
79 回収槽
81 第3ポンプ
101 ワーク
103 塗装範囲
111 板状体
115 駆動装置
117 動力伝達部材
119 挟持部材
131 長尺品
135 巻取モータ
135a モータ軸
137a 巻取プーリ
137b 送出プーリ
139 回転軸
141 乾燥装置

Claims (7)

  1. 被塗装物を電着塗装する電着塗装装置であって、
    電着塗装液を収容する電着槽と、
    上記電着槽に上記電着塗装液を所定流量で導入して上記電着塗装液を上記電着槽の上部開口縁から盛り上がらせる導入手段と、
    上記電着槽の上部開口縁から盛り上がった電着塗装液に上記被塗装物の表面が接触するように上記被塗装物を支持する支持手段と、
    上記被塗装物の表面を上記電着塗装液に接触させた状態で、当該接触位置が変わるように上記被塗装物を動かす駆動手段と、
    上記電着塗装液に接触させた被塗装物と上記電着槽の電着塗装液との間に電圧を印加することにより、該被塗装物の表面に上記電着塗装液中の塗料を電着させる通電手段とを備え
    上記電着槽の上部開口縁は、その内側の高さより外側の高さが低いことを特徴とする電着塗装装置。
  2. 上記支持手段は、上記被塗装物を上記電着槽の外部で支持する請求項1記載の電着塗装装置。
  3. 上記電着槽には、上記導入手段から上記電着塗装液が導入される導入口の近傍に、導入された電着塗装液が上記被塗装物と上記電着塗装液との接触面に向かって直接流れるのを防止する直接流防止部材が設けられている請求項1または2記載の電着塗装装置。
  4. 上記導入手段から導入される電着塗装液の流量を調節する流量調節手段を設けた請求項1〜のいずれか一項に記載の電着塗装装置。
  5. 上記被塗装物が略円柱状の外形形状を有する被塗装物であり、上記支持手段は、該円柱状の被塗装物を円周方向に回転可能に支持するものであり、上記駆動手段は、上記被塗装物を回転駆動するものである請求項1〜のいずれか一項に記載の電着塗装装置。
  6. 上記支持部材は、上記被塗装物の長手方向に移動可能に設けられている請求項記載の電着塗装装置。
  7. 被塗装物を電着塗装する電着塗装方法であって、
    電着塗装液を収容する電着槽に上記電着塗装液を所定流量で導入して上記電着塗装液を上記電着槽の上部開口縁から盛り上がらせ、
    上記電着槽の上部開口縁から盛り上がった電着塗装液に上記被塗装物の表面が接触するように上記被塗装物を支持し、
    上記被塗装物の表面を上記電着塗装液に接触させた状態で、当該接触位置が変わるように上記被塗装物を動かし、
    上記電着塗装液に接触させた被塗装物と上記電着槽の電着塗装液との間に電圧を印加することにより、該被塗装物の表面に上記電着塗装液中の塗料を電着させ
    上記電着槽の上部開口縁をその内側の高さより外側の高さを低く設定することを特徴とする電着塗装方法。
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