JP4121573B2 - 鉄道車両用スコッチ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、鉄道車両の修理時等に車輪をレール上に拘束するための鉄道車両用スコッチに関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、鉄道車両は、図8に示すように、レール1を転動する車輪2を有しており、この車輪2は、レール1を転動する転動面3を有した車輪本体4と、車輪本体4の外周縁に設けられ転動面3よりも半径方向に突出しレール1の側部1aによって軸方向の移動が規制されるフランジ5とを有して構成されている。例えば、半径RがR=430mmの車輪2においては、フランジ5の突出幅DはD=26mmに設定されている。
【0003】
従来、このような鉄道車両用スコッチSとしては、図8及び図9に示すように、全体が木材で形成され、レール1に載置される載置面11と、一端10a側から立ち上がり車輪2の転動面3に対峙する傾斜面12とを備えたブロック状に形成されている。このブロック本体10の載置面11と上面13との高さHは、車両を止める耐荷重を得るために、一般に、車輪2のフランジ5の突出幅Dよりも大きい、例えば、H=50〜80mm程度に形成されている。14は本体10に設けられる棒状の把手である。
そして、このスコッチSを使用するときには、一端10aを車輪2の転動面3とレール1との間にくさび状に差し込むようにして載置面11をレール1に載置し車輪2の転動面3を傾斜面12に対峙させる。あるいは、予め、所定位置にスコッチSをレール1上に載置しておき、車両を移動させて車輪2の転動面3を傾斜面12に対峙させるようにする。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、このような従来の鉄道車両用スコッチSにあっては、木材で形成されているので、耐候性が悪く、ひびが入って割れたり腐ったりして耐久性に劣るという問題があった。また、木材で形成されているので、製品間で強度にバラツキがあり、レール1に勾配があるところで使用するとき等に、製品によっては押えが不十分になってしまう虞があるという問題があった。
【0005】
これを解決するために、従来においては、ブロック本体を鉄等の金属で形成したものも普及している。
しかしながら、この従来の金属製のスコッチSにあっては、加工が面倒で価格が高い。重くて持ちにくく、作業性が悪い。金属製なので、例えばATS装置等に磁気的,電気的な悪影響を与えることがある等の問題があった。
また、スコッチSの使用が終ったときには、これを取外すが、この取外すことを失念することがあり、この場合に車両が動くと、車輪2が傾斜面12を乗り上げて反対側へ移動することがあり、万一このような事態が生じた場合には、本体10の載置面11と上面13との高さHが車輪2のフランジ5の突出幅Dよりも大きいので、図7に示すように、フランジ5がレール1の側部1aによって規制されなくなり、そのため、脱線し易くなる虞がある。
【0006】
尚、一般に上記の木製のスコッチSでは、車輪2が乗り上げた場合には、強度が弱いことから圧潰してしまうが、製品間で強度にバラツキがあることから、圧潰して本体10の載置面11と上面13との高さHが車輪2のフランジ5の突出幅Dよりも小さくなる場合には、上記の脱線の虞は少なくなるが、圧潰しても本体10の載置面11と上面13との高さHが車輪2のフランジ5の突出幅Dよりも大きいと、金属製のスコッチSと同様に脱線し易くなる虞が生じてしまう。
また、金属製スコッチSにおいて、本体10の載置面11と上面13との高さHを、予め、車輪2のフランジ5の突出幅Dよりも小さく形成しておくことも考えられるが、この場合には、高さが小さい分、車両を止める耐荷重が低くなるので好ましくない。
【0007】
本発明は上記の問題点に鑑みて為されたもので、耐候性を向上させひびが入って割れたり腐ったりしにくくして耐久性を向上させ、製品間の強度のバラツキを防止して車両を止める耐荷重を確実に得ることができるようにし、しかも、加工を容易にしてコストダウンを図り、軽量化して持ち易くし作業性を向上させ、磁気的,電気的な悪影響を与えることがないようにし、更に、車輪が乗り上げた際、脱線しにくくする等各種性能の向上を図った鉄道車両用スコッチを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
このような目的を達成するため、本発明の鉄道車両用スコッチは、レールを転動する転動面を有した車輪本体及び該車輪本体の外周縁に設けられ上記転動面よりも半径方向に突出しレールの側部によって軸方向の移動が規制されるフランジを有した車輪を上記レール上に拘束するための鉄道車両用スコッチにおいて、レールに載置される載置面を有した基台部と、該基台部に設けられ該基台部の一端側から立ち上がり上記車輪の転動面に対峙する傾斜面を有した支持部とを備えて全体をプラスチックで形成し、上記車輪が上記支持部の傾斜面を乗り上げた際に上記支持部が圧潰するように上記基台部と支持部との間に空洞部を設けた構成としている。
【0009】
そして、必要に応じ、上記支持部の非圧潰時における上記基台部の載置面と支持部の上面との高さを、上記車輪のフランジの突出幅よりも大きく形成し、上記支持部の圧潰時における上記基台部の載置面と支持部の上面との高さを、上記車輪のフランジの突出幅よりも小さくなるように形成している。
そしてまた、必要に応じ、上記空洞部を構成する基台部側の壁部に上記圧潰した支持部の一部が没入する凹所を形成した構成としている。
【0010】
また、必要に応じ、上記基台部に上記レールの側部に対峙する押え板を垂設した構成としている。
更に、必要に応じ、上記基台部の載置面に鋸歯状の凹凸を形成した構成としている。
更にまた、必要に応じ、上記基台部の一端に車輪下部に差し込み可能な薄肉の舌片を設けた構成としている。
また、必要に応じ、上記支持部の傾斜面の反対側に上記基台部の他端側から立ち上がる別の傾斜面を設けた構成としている。
そしてまた、必要に応じ、上記支持部の傾斜面に鋸歯状の凹凸を形成した構成としている。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面に基づいて、本発明の実施の形態に係る鉄道車両用スコッチについて詳細に説明する。尚、上記と同様のものには同一の符号を付して説明する。
図1乃至図3に示すように、実施の形態に係る鉄道車両用スコッチSは、鉄道車両の車輪2をレール1上に拘束するためのものである。鉄道車両の車輪2は、レール1を転動する転動面3を有した車輪本体4と、車輪本体4の内側の外周縁に設けられ転動面3よりも半径方向に突出しレール1の側部1aによって軸方向の移動が規制されるフランジ5とを有している。例えば、半径RがR=430mmの車輪2においては、フランジ5の突出幅DはD=26mmに設定されている。
【0012】
実施の形態に係る鉄道車両用スコッチSは、全体がナイロン等のプラスチックでブロック状に一体成形されている。このスコッチSは、レール1の幅と略同程度の幅を有しレール1に載置される載置面21を有した基台部20と、基台部20に設けられ基台部20の一端20a側から立ち上がり上記車輪2の転動面3に対峙する傾斜面22を有した支持部23とを備えて形成されている。また、支持部23の傾斜面22の反対側には、基台部20の他端20b側から立ち上がる別の傾斜面24が形成されている。支持部23の上面25は僅かな長さの上記載置面21と平行な平面に形成されている。
即ち、スコッチSは全体が略三角柱状に形成され、その内1つの外側面を上記の載置面21とし、他の2つの外側面を傾斜面22,24とし、端面を載置面21に対して垂直に立ち上がる左右側面26,26としている。
【0013】
また、基台部20と支持部23との間には、車輪2が支持部23の傾斜面22を乗り上げた際に該支持部23が圧潰するように、空洞部30が設けられている。この空洞部30は、上記全体を構成する略三角柱と略相似形の略三角柱状に形成され、空洞部30を形成する支持部23の壁部の厚さTは、均一な厚さに形成されている。
更に、支持部23の非圧潰時における基台部20の載置面21と支持部23の上面25との高さHaは、車輪2のフランジ5の突出幅Dよりも大きく形成され、支持部23の圧潰時における基台部20の載置面21と支持部23の上面25との高さHbは、車輪2のフランジ5の突出幅Dよりも小さくなるように形成されている。
更にまた、空洞部30を構成する基台部20側の壁部に、圧潰した支持部23の一部が没入する凹所31が形成されている。この凹所31は、空洞部30の一端に形成されている。
【0014】
基台部20の両側には、レール1の両側部1aに対峙してレール1を挟む一対の押え板32が垂設されている。
また、基台部20の一端20aには、車輪2の下部に差し込み可能な薄肉の舌片33が設けられている。
更にまた、基台部20の載置面21には、鋸歯状の凹凸34が形成されている。支持部23の両傾斜面22,24の立ち上がり部にも、鋸歯状の凹凸35,36が形成されている。
37は基台部20に設けられ把手38が着脱可能に嵌合させられる取付穴である。
【0015】
従って、本発明の実施の形態に係る鉄道車両用スコッチSを作成するときは、プラスチックを用いて例えば型成形する。この場合、木材や金属に比較して加工が容易になり、大量生産できることから、大幅にコストダウンが図られる。
また、このスコッチSはプラスチック製なので、軽量であり、そのため、持ち易く作業性が向上させられるとともに、耐候性に優れ、ひびが入って割れたり腐ったりしにくいことから、耐久性が向上させられる。
【0016】
そして、このスコッチSを使用するときには、図1に示すように、基台部20の取付穴37に把手38を装着し、この把手38を持って、舌片33を車輪2の転動面3とレール1との間にくさび状に差し込むようにして基台部20の載置面21をレール1に載置する。あるいは、予め、スコッチSをレール1の所定位置に載置しておき、車両を移動させて車輪2の転動面3を傾斜面22に対峙させるようにする。尚、把手38は、使用の都度取付け,取外ししても良いし、取付けたままにしておいても良い。
【0017】
この状態においては、車輪2は支持部23の傾斜面22に当接して押えられるので、拘束される。この場合、図3に示すように、支持部23の高さHaが車輪2のフランジ5の突出幅Dよりも大きく形成されているので、高さがある程度高くなっており、その分、耐荷重が確実に確保され、車輪2が確実に押えられる。また、車輪2がある程度傾斜面22側に押圧されると、舌片33が車輪2の下に入り込むので、スコッチSが押えられることになり、この点でも車輪2の押えが確実になる。
【0018】
更に、基台部20の載置面21には鋸歯状の凹凸34が形成されているので、滑る事態が防止され、車輪2が確実に押えられる。
更にまた、基台部20の両側には、レール1の両側部1aに対峙してレール1を挟む一対の押え板32が垂設されているので、スコッチSが左右に転落しにくくなり、それだけ、車輪2が確実に押えられる。
また、プラスチックで形成されているので、例えばATS装置等に磁気的,電気的な悪影響を与えることがほとんどなくなる。
【0019】
この状態で、例えば、スコッチSの使用が終ったときには、これを取外すが、この取外すことを失念することがあり、この場合に車両が動くと、図3及び図4に示すように、車輪2が傾斜面22を乗り上げて反対側へ移動する。
この場合、空洞部30が設けられているので、支持部23が圧潰していく(図4(a)〜(g))。そのため、スコッチSの高さが低くなるので、それだけ、車輪2がスコッチSから外れにくくなり、脱線する事態が抑止される。
特に、図3に示すように、支持部23の圧潰時には、基台部20の載置面21と支持部23の上面25との高さHbが車輪2のフランジ5の突出幅Dよりも小さくなるので、車輪2のフランジ5の下端5aがレール1の上面位より上に位置してしまうことがなく、そのため、フランジ5がレール1の側部1aによって軸方向の移動が規制されることが維持されることから、確実に脱線する事態が抑止される。
【0020】
また、この場合、空洞部30を構成する基台部20側の壁部に圧潰した支持部23の一部が没入する凹所31が形成されているので、圧潰した支持部23のはみ出し部分がこの凹所31に逃げることができ、そのため、確実に圧潰させて高さを低くすることができる。
更に、スコッチSはプラスチック製なので、製品間で強度にバラツキが生じにくく、そのため、圧潰によりフランジ5の突出幅Dよりも確実に小さくさせることができる。
【0021】
また、この場合、図4(a)〜(c)に示すように、車輪2は、先に舌片33に乗り上げるので、舌片33が車輪2に押えられた状態で車輪2が支持部23に乗り上げることから、この乗り上げによって、スコッチSが弾かれて飛散する事態が防止される。
更に、傾斜面22に鋸歯状の凹凸35が形成されているので、車輪2の転動面3と傾斜面22との摩擦抵抗が大きくなり、滑りにくいことから、この点でも、スコッチSが弾かれて飛散する事態が防止される。
更にまた、支持部23の傾斜面22の反対側にも別の傾斜面24が形成されているので、図4(f)〜(h)に示すように、乗り上げた車輪2が徐々に反対側のレール1面に接地していくことから、傾斜がないものに比較して、スコッチSが弾かれて飛散する事態が確実に防止される。
【0022】
尚、車輪2が乗り上げられた支持部23は、圧潰するが、樹脂で形成されているので、図4(h)に示すように、弾性力により元の形状に復帰し易く、再利用が可能になる。しかしながら、乗り上げ回数が多くなったりして、復帰ができなくなったような場合には、廃棄する等して使用しないほうが望ましい。
【0023】
図5及び図6には、他の実施の形態に係る鉄道車両用スコッチSを示している。この鉄道車両用スコッチSは、上記と略同様に形成されるが、一部分上記と異なって形成されている。
それは、先ず、基台部20に載置面21側から複数の穴40が形成されている。これにより、プラスチックの使用量が減らされて、コストダウンが図られる。また、成形時の、収縮による歪が吸収され、捻れや曲げが防止される。
また、支持部23の傾斜面22と反対側の別の傾斜面24とが同形状に形成され、この傾斜面22,24及び支持部23の上面25全域に亘って鋸歯状の凹凸41が形成されている。更に、圧潰した支持部23が没入する凹所42が空洞部30の両端部に形成され、その長さも上記の凹所31よりも長くて大きくなっている。そのため、左右方向を間違って設置した場合でも、別の傾斜面24で車輪2を押えることができるとともに、凹凸41による滑りが確実に防止される。
【0024】
更にまた、基台部20の両側に設けられる一対の押え板32が着脱可能になっている。即ち、押え板32にフック状の係合部43を形成し、基台部20に係合部43が係合する係合凹部44を形成している。45は押え板32に形成された位置決めのための突起、46は基台部20に形成され突起45が嵌入する嵌合穴である。
これにより、例えば、レール1に隣接してコンクリート製の所謂ピット線があるような場合等、押え板32がレール1に取付けることができないような場合に、押え板32を取外すことができ、そのため、スコッチSの設置の自由度が増加させられる。
【0025】
【実施例】
次に、実施例に係るスコッチSについて説明する。実施例に係るスコッチSは、プラスチックとして、ナイロン6(1013B)を使用した。車輪2のフランジ5の突出幅Dを26mmとして、図2に示すように、基台部20の載置面21と支持部23の上面25との高さを、支持部23の非圧潰時には、Ha=50mmとし、支持部23の圧潰時には、Hb=24mmとした。
実験では、3,700Kgfの車輪荷重で、Hb=24mmを確保した状態で支持部23が圧潰した。
ところで、スコッチを空洞部のない構造で、その高さを、予め、車輪2のフランジ5の突出幅Dよりも小さく形成しておくことも考えられるが、この場合には、高さが小さい分、車両を止める耐荷重が低くなるので好ましくない。実施例では、高さが単に24mmのものに比較して、500Kgf以上の耐荷重の増加を得ることができる。
【0026】
尚、上記実施の形態及び実施例において、スコッチSは、一体成形したが、必ずしもこれに限定されるものではなく、例えば、図7に示すように、支持部23及び基台部20の上側であって空洞部30を有した上側部分50を別体とし、上側部分50に係合凸部52を形成し、支持部23及び基台部20の下側である下側部分51に係合凸部52が係合する係合凹部53を形成し、この係合凸部52及び係合凹部53により上側部分50を着脱可能にしても良く、この場合には、支持部23が圧潰したならば上側部分50を交換でき、利用効率が高められる。また、プラスチックの種類も上述したものに限定されるものではなく、例えば、FRP樹脂、ナイロン66、硬質ゴム等を用いる等、適宜変更して差し支えない。
更に、傾斜面22の傾斜角度,空洞部30の大きさやプラスチックの硬度等は、車輪2の条件等で適宜に定めて良いことは勿論である。
【0027】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の鉄道車両用スコッチによれば、全体をプラスチックで形成したので、従来の木材や金属に比較して加工が容易になり、大量生産できることから、大幅にコストダウンを図ることができる。
また、プラスチック製なので、軽量であり、そのため、持ち易いことから取り扱いが容易になり、それだけ、作業性を向上させることができるとともに、耐候性に優れ、ひびが入って割れたり腐ったりしにくいことから、耐久性を大幅に向上させることができる。更に、プラスチック製であることから、例えばATS装置等に磁気的,電気的な悪影響を与える事態を防止できる。
【0028】
そして、車輪が支持部の傾斜面を乗り上げた際に支持部が圧潰するように基台部と支持部との間に空洞部を設けたので、例えば、スコッチの使用が終ったときにスコッチの取外しを失念する等して、車両が動いて車輪が傾斜面を乗り上げて反対側へ移動しても、支持部が圧潰し、スコッチの高さが低くなることから、それだけ、車輪がスコッチから外れにくくなり、脱線する事態を抑止することができる。
特に、プラスチック製なので、製品間で強度にバラツキが生じにくく、そのため、圧潰により、確実に高さを低くさせることができる。
【0029】
また、支持部の非圧潰時における基台部の載置面と支持部の上面との高さを、車輪のフランジの突出幅よりも大きく形成し、支持部の圧潰時における基台部の載置面と支持部の上面との高さを、車輪のフランジの突出幅よりも小さくなるように形成した場合には、非圧潰時には、高さがフランジの突出幅よりも大きく形成されている分、背が高くなるので、耐荷重を確実に確保することができ、車輪を確実に押えることができるとともに、支持部の圧潰時には、車輪のフランジの下端がレールの上面位の上方に位置してしまうことがなく、そのため、フランジがレールの側部によって軸方向の移動が規制されることを維持できることから、確実に脱線する事態を抑止することができる。
【0030】
更に、空洞部を構成する基台部側の壁部に圧潰した支持部の一部が没入する凹所を形成した場合には、圧潰した支持部のはみ出し部分をこの凹所に逃がすことができ、そのため、確実に圧潰させて高さを低くすることができる。
更にまた、基台部に垂設されレールの側部に対峙する押え板を設けた場合には、スコッチが左右に転落しにくくなり、それだけ、車輪を確実に押えることができる。
また、基台部の載置面に鋸歯状の凹凸を形成した場合には、車輪に押されても滑る事態を防止することができ、それだけ、車輪を確実に押えることができる。
【0031】
そしてまた、基台部の一端に車輪下部に差し込み可能な薄肉の舌片を設けた場合には、車輪が押されると、舌片が車輪の下に入り込むので、スコッチが押えられることになり、この点でも車輪の押えを確実にすることができる。また、車輪が支持部を乗り上げていく際には、先に舌片に乗り上げるので、舌片が車輪に押えられた状態で車輪が支持部に乗り上げることから、この乗り上げによって、スコッチが弾かれて飛散する事態を防止することができる。
【0032】
更にまた、支持部の傾斜面の反対側に基台部の他端側から立ち上がる別の傾斜面を設けた場合には、乗り上げた車輪が徐々に反対側のレール面に接地していくことから、傾斜がなく段差が大きいものに比較して、スコッチが弾かれて飛散する事態を防止することができる。
また、支持部の傾斜面に鋸歯状の凹凸を形成した場合には、車輪の転動面と傾斜面との摩擦抵抗が大きくなり、滑りにくいことから、スコッチが弾かれて飛散する事態を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る鉄道車両用スコッチを使用状態とともに示す斜視図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る鉄道車両用スコッチを示す図であり、(a)は側面図、(b)は正面図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る鉄道車両用スコッチの作用を示す断面図である。
【図4】本発明の実施の形態に係る鉄道車両用スコッチの作用を示す行程図である。
【図5】本発明の他の実施の形態に係る鉄道車両用スコッチを示す分解斜視図である。
【図6】本発明の他の実施の形態に係る鉄道車両用スコッチを示す側面図である。
【図7】本発明の別の実施の形態に係る鉄道車両用スコッチを示す分解側面図である。
【図8】従来の鉄道車両用スコッチの一例を使用状態とともに示す斜視図である。
【図9】従来の鉄道車両用スコッチの作用を示す図である。
【符号の説明】
S 鉄道車両用スコッチ
1 レール
1a 側部
2 車輪
3 転動面
4 車輪本体
5 フランジ
D フランジの突出幅
20 基台部
20a 一端
20b 他端
21 載置面
22 傾斜面
23 支持部
24 別の傾斜面
25 上面
26 側面
30 空洞部
31 凹所
Ha 非圧潰時における高さ
Hb 圧潰時における高さ
32 押え板
33 舌片
34,35,36 鋸歯状の凹凸
37 取付穴
38 把手
40 穴
41 鋸歯状の凹凸
42 凹所
43 係合部
44 係合凹部
45 突起
46 嵌合穴

Claims (8)

  1. レールを転動する転動面を有した車輪本体及び該車輪本体の外周縁に設けられ上記転動面よりも半径方向に突出しレールの側部によって軸方向の移動が規制されるフランジを有した車輪を上記レール上に拘束するための鉄道車両用スコッチにおいて、
    レールに載置される載置面を有した基台部と、該基台部に設けられ該基台部の一端側から立ち上がり上記車輪の転動面に対峙する傾斜面を有した支持部とを備えて全体をプラスチックで形成し、上記車輪が上記支持部の傾斜面を乗り上げた際に上記支持部が圧潰するように上記基台部と支持部との間に空洞部を設け、
    上記支持部の非圧潰時における上記基台部の載置面と支持部の上面との高さを、上記車輪のフランジの突出幅よりも大きく形成し、上記支持部の圧潰時における上記基台部の載置面と支持部の上面との高さを、上記車輪のフランジの突出幅よりも小さくなるように形成したことを特徴とする鉄道車両用スコッチ。
  2. 上記空洞部を構成する基台部側の壁部に上記圧潰した支持部の一部が没入する凹所を形成したことを特徴とする請求項1記載の鉄道車両用スコッチ。
  3. レールを転動する転動面を有した車輪本体及び該車輪本体の外周縁に設けられ上記転動面よりも半径方向に突出しレールの側部によって軸方向の移動が規制されるフランジを有した車輪を上記レール上に拘束するための鉄道車両用スコッチにおいて、
    レールに載置される載置面を有した基台部と、該基台部に設けられ該基台部の一端側から立ち上がり上記車輪の転動面に対峙する傾斜面を有した支持部とを備えて全体をプラスチックで形成し、上記車輪が上記支持部の傾斜面を乗り上げた際に上記支持部が圧潰するように上記基台部と支持部との間に空洞部を設け、
    上記空洞部を構成する基台部側の壁部に上記圧潰した支持部の一部が没入する凹所を形成したことを特徴とする鉄道車両用スコッチ。
  4. 上記基台部に上記レールの側部に対峙する押え板を垂設したことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の鉄道車両用スコッチ。
  5. 上記基台部の載置面に鋸歯状の凹凸を形成したことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の鉄道車両用スコッチ。
  6. 上記基台部の一端に車輪下部側に差し込み可能な薄肉の舌片を設けたことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の鉄道車両用スコッチ。
  7. 上記支持部の傾斜面の反対側に上記基台部の他端側から立ち上がる別の傾斜面を設けたことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の鉄道車両用スコッチ。
  8. 上記支持部の傾斜面に鋸歯状の凹凸を形成したことを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の鉄道車両用スコッチ。
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