JP3004219U

JP3004219U - 立体駐車場用パレット

Info

Publication number: JP3004219U
Application number: JP1994006401U
Authority: JP
Inventors: 登志雄高橋
Original assignee: 株式会社富士テクニカ
Priority date: 1994-05-13
Filing date: 1994-05-13
Publication date: 1994-11-08
Anticipated expiration: 2000-05-13

Abstract

(57)【要約】【目的】タイヤに対する摩擦抵抗が大きく、製品の精
度が高く、量産に適合し、乗り込み台を取り外して修理
することができるようにする。【構成】２本の溝部２ｄが平行に形成されたパレット
本体１の一端部に、各溝部２ｄ内へタイヤを案内する乗
り込み台２１を配設した立体駐車場用パレットにおい
て、各溝部２ｄおよび乗り込み台２１に半球状をした滑
り止め用の突起２ｐ，２１ｐをプレス成形で設けるとと
もに、乗り込み台２１に車両の進行方向と略直交する方
向で、突起２１ｐと略同じ高さの滑り止め用の突条２１
ｒをプレス成形で設け、乗り込み台２１を着脱可能に配
設する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、立体駐車場の一部を構成し、車両を載置して駐車、保管する立体駐車場用パレットに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

近年、自動車の普及に伴って駐車スペースが不足するようになり、平面的な駐車から空間的に駐車する立体駐車場の需要が増加している。この立体駐車場として様々な構造のものが提案されているが、どのような構造であっても、車両を載せて運搬、保管するための立体駐車場用パレットが必要である。そして、立体駐車場用パレットは、強度および重量を考慮して、金属板で構成されている。

【０００３】なお、車両を運搬、保管するためには車両を立体駐車場用パレットに載せなければならないが、立体駐車場用パレットのタイヤが接触する部分、すなわち溝部に、タイヤに対する大きな摩擦抵抗がないと、タイヤは、車両が発進または停止の度にスリップしてしまう。また、溝部が平滑であると、特に、降雨時はタイヤが濡れているので、タイヤに対する摩擦抵抗が低減してタイヤはスリップし易くなるため、極めて危険な状態になる。さらに、車両が出入りする際のタイヤの通過位置はほぼ一定しているので、その部分が窪んで水が溜まると、タイヤに対する摩擦抵抗が小さくなるので、タイヤがますますスリップし易い状態となる。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

従来の立体駐車場用パレットは、上述した不都合を解消するため、縞鋼板で構成されている。この縞鋼板は、表面に凹凸を有しているので、タイヤに対する摩擦抵抗が増大するが、プレス加工するのが困難である。すなわち、プレス成形によって精度の高い成形品を得るためには、プレス機械および金型に高い精度が要求されるが、縞鋼板をプレス成形すると、縞鋼板に設けた凹凸のために金型の摩耗が激しく、精度の高い成形品が得られなくなる。

【０００５】したがって、精度の低いプレス機械と粗雑な金型とで成形するか、またはプレス加工に頼らず、切断加工および溶接加工によって立体駐車場用パレットを製作しているのが現状である。しかし、いずれの方法によっても、精度の高い加工は望めない。

【０００６】また、平滑な金属板を使用してプレス成形し、タイヤの通過する溝部に鉄製の小片を溶接加工で固定することによってタイヤに対する摩擦抵抗を確保する場合は、精度の高いプレス成形品が得られるにもかかわらず、小片の溶接に手間がかかるため、量産には不向きである。

【０００７】この考案は、上記したような不都合を解消するためになされたもので、タイヤに対する摩擦抵抗が大きく、製品の精度が高く、量産に適合し、乗り込み台を取り外して修理することのできる立体駐車場用パレットを提供するものである。

【０００８】

【課題を解決するための手段】

この考案は、２本の溝部が平行に形成されたパレット本体の一端部に、各溝部内へタイヤを案内する乗り込み台を配設した立体駐車場用パレットにおいて、各溝部および乗り込み台に半球状をした滑り止め用の突起をプレス成形で設けたものである。そして、各溝部の突起を乗り込み台の突起よりも大きくしたり、乗り込み台に車両の進行方向と略直交する方向の滑り止め用の突条をプレス成形で設けたり、乗り込み台の突起および突条を略同じ高さにしたり、乗り込み台を着脱可能に配設するのが望ましい。

【０００９】

【作用】

この考案における立体駐車場用パレットは、各溝部および乗り込み台に設けた突起、乗り込み台に設けた突条によってタイヤに対する大きな摩擦抵抗を得ることができる。そして、乗り込み台はパレット本体から取り外せる。

【００１０】

【実施例】

以下、この考案の実施例を図に基づいて説明する。図１はこの考案の一実施例である立体駐車場用パレットの斜視図、図２は図１の立体駐車場用パレットの一部を省略した拡大平面図、図３は図１の立体駐車場用パレットの拡大右側面図、図４（ａ），（ｂ）は突起の断面図、図５は乗り込み台の取付状態を示す説明図、図６はストッパーの取付状態を示す説明図である。なお、図６は図２のＡ−Ａ線による拡大断面図である。

【００１１】これらの図において、１はパレット本体を示し、タイヤが載る溝部２ｄを有するように平滑な金属板を所定形状にプレス成形した２つのサイドプレート２と、平滑な金属板を所定形状にプレス成形し、２つのサイドプレート２の間に位置して分離部を形成するとともに、２つの溝部２ｄが平行するように、２つのサイドプレート２に固着されたセンタープレート３と、平滑な金属板を所定形状にプレス成形し、各プレート２，３の前部分に固着された前プレート４Ｆと、平滑な金属板を所定形状にプレス成形し、各プレート２，３の後ろ部分に固着された後ろプレート４Ｂと、平滑な金属板を所定形状にプレス成形し、車両の進行方向と直交するように各プレート２，３の裏側に差し渡して固着された複数の第１補強パネル５Ａと、平滑な金属板を所定形状にプレス成形し、車両の進行方向と直交するように各溝部２ｄの裏側に差し渡して固着された複数の第２補強パネル５Ｂとで構成されている。そして、各溝部２ｄの表面には、車両の進行方向と平行する突条２ｒと、図４（ａ）に示すように、半球状の滑り止め用の突起２ｐとがプレス成形で設けられている。

【００１２】１１はタイヤが衝合するストッパーを示し、図６に示すように、溝部２ｄの一端部、すなわち後ろプレート４Ｂ側に複数、例えば各６個のボルト１２およびナット１３、１２個のスプリングワッシャー１４で着脱可能に固着され、山形部分が実線の位置、二点鎖線の位置Ｐ₁ 、Ｐ₂ またはＰ₃ となるように固着態様を変化させることにより、車種に応じたストッパー位置とすることができる。

【００１３】２１は乗り込み台を示し、平滑な金属板を所定形状にプレス成形して形成され、タイヤが接触する表面には、図４（ｂ）に示すように、半球状で高さ方向がわずかに長く、溝部２ｄの突起２ｐよりも小さい滑り止め用の突起２１ｐと、図１に示すように、車両の進行方向と略直交する山形状で、突起２１ｐと略同じ高さをした滑り止め用の突条２１ｒとがプレス成形で設けられている。そして、各乗り込み台２１は、図５に示すように、前プレート４Ｆに複数、例えば各４個のボルト２２およびナット２３、８個のスプリングワッシャー２４で着脱可能に固着されている。

【００１４】上述したように構成したこの考案の一実施例である立体駐車場用パレットによれば、駐車、保管するために車両を立体駐車場用パレットに載せる場合、乗り込み台２１に突起２１ｐおよび突条２１ｒが設けられ、溝部２ｄに突起２ｐが設けられているので、乗り込み台２１および溝部２ｄのタイヤに対する摩擦抵抗が大きくなるため、タイヤをスリップさせることなく、車両を立体駐車場用パレットに載せることができる。

【００１５】そして、車両を立体駐車場用パレットから降ろす場合も、タイヤをスリップさせることなく、車両を立体駐車場用パレットから降ろすことができる。さらに、突起２１ｐおよび突条２１ｒの高さを同じ高さとしたので、タイヤが一様に突起２１ｐおよび突条２１ｒと接触し、より大きな摩擦抵抗を得ることができる。また、溝部２ｄの突起２ｐを大きくしたので、駐車、保管時のタイヤに対する摩擦抵抗が大きくなり、安定した状態で駐車、保管することができる。

【００１６】そして、平滑な金属板をプレス成形することによって製造できるので、製品の精度が高く、量産に適合したものとなる。さらに、乗り込み台２１を着脱可能に配設したので、使用によって乗り込み台２１が窪んだ場合、乗り込み台２１をパレット本体１から取り外して修理することができる。

【００１７】なお、上記した実施例では、突条２１ｒの形状を山形状とした例で説明したが、車両の進行方向と略直交する突条であれば、他の形状の突条であっても、同様な効果を得ることができる。そして、乗り込み台２１に突起２１ｐおよび突条２１ｒを設けた例で説明したが、乗り込み台２１に突起２１ｐのみを設けた場合であっても、タイヤに対する摩擦抵抗は少し小さくなるものの、同様な効果を得ることができる。

【００１８】さらに、乗り込み台２１を着脱可能に配設した例で説明したが、着脱できないように固着してもよいことは言うまでもない。また、サイドプレート２とセンタープレート３とを別体構成とした例で説明したが、一枚の平滑な金属板をプレス成形して一体構成としてもよいことは言うまでもない。

【００１９】

【考案の効果】

以上のように、この考案によれば、パレット本体の溝部および乗り込み台に滑り止め用の突起を設けたので、溝部および乗り込み台のタイヤに対する摩擦抵抗が大きくなるため、タイヤをスリップさせることなく、車両を立体駐車場用パレットに乗降させることができる。そして、溝部の突起を大きくしたので、駐車、保管時のタイヤに対する摩擦抵抗が大きくなり、安定した状態で駐車、保管することができる。

【００２０】さらに、平滑な金属板をプレス成形することによって製造できるので、製品の精度が高く、量産に適合したものとなる。また、乗り込み台に突条を設けたので、乗り込み台のタイヤに対する摩擦抵抗をより大きくすることができる。そして、突起および突条の高さを略同じ高さとしたので、タイヤが一様に突起および突条と接触し、より大きな摩擦抵抗を得ることができる。さらに、乗り込み台を着脱可能に配設したので、使用によって乗り込み台が窪んだ場合、乗り込み台をパレット本体から取り外して修理することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案の一実施例である立体駐車場用パレッ
トの斜視図である。

【図２】図１の立体駐車場用パレットの一部を省略した
拡大平面図である。

【図３】図１の立体駐車場用パレットの拡大右側面図で
ある。

【図４】（ａ），（ｂ）は突起の断面図である。

【図５】乗り込み台の取付状態を示す説明図である。

【図６】ストッパーの取付状態を示す説明図である。

【符号の説明】

１パレット本体２ｄ溝部２ｐ突起２１乗り込み台２１ｐ突起２１ｒ突条２２ボルト２３ナット

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】２本の溝部が平行に形成されたパレット
本体の一端部に、前記各溝部内へタイヤを案内する乗り
込み台を配設した立体駐車場用パレットにおいて、前記各溝部および前記乗り込み台に半球状をした滑り止
め用の突起をプレス成形で設けた、ことを特徴とする立体駐車場用パレット。
【請求項２】請求項１に記載の立体駐車場用パレット
において、前記各溝部の突起が前記乗り込み台の突起よりも大き
い、ことを特徴とする立体駐車場用パレット。
【請求項３】請求項１または請求項２に記載の立体駐
車場用パレットにおいて、前記乗り込み台に車両の進行方向と略直交する方向の滑
り止め用の突条をプレス成形で設けた、ことを特徴とする立体駐車場用パレット。
【請求項４】請求項３に記載の立体駐車場用パレット
において、前記乗り込み台の突起および突条は略同じ高さである、ことを特徴とする立体駐車場用パレット。
【請求項５】請求項１から請求項４のいずれかに記載
の立体駐車場用パレットにおいて、前記乗り込み台は着脱可能に配設されている、ことを特徴とする立体駐車場用パレット。