JP4121202B2 - 戸車 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、車輪を高さ調整自在および傾動自在に支持した戸車に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
テラスの引違い戸においては、閉鎖された引違い障子の施錠時に、その引違い障子を屋内側に引き寄せ、躯体に固定された戸枠に引違い障子の障子枠を密着させて戸枠と障子枠間の気密を保つようにしたエアタイト形のものが知られている。
【0003】
上記のようなエアタイト形の引違い戸においては、車輪を傾動自在に支持した戸車によって引違い障子を移動自在に支持し、その引違い障子が屋内側へ引き寄せられたとき、戸車の車輪を傾動させ、その傾動によって引違い障子の屋内側への移動を可能としている。
【0004】
ここで、車輪を傾動自在に支持した戸車として図6および図7に示したものが従来から知られている。この戸車は、障子枠の下框に取付けられる固定枠40と、その固定枠40内に設けられた第1可動枠41と、この第1可動枠41内に設けられた第2可動枠42とを有し、第1可動枠41と固定枠40の前部間および後部間にかけ渡した2本のスプリング43によって第1可動枠41を垂直状態に保持している。
【0005】
また、第1可動枠41の端板41aに調節ねじ44を回転自在に取付け、その調節ねじ44を第2可動枠42の端板42aに設けられたねじ孔45にねじ係合している。
【0006】
さらに、第1可動枠41の側板41bに上下方向の縦長孔46を形成し、第2可動枠42の側板42bには傾斜孔47を設け、この傾斜孔47と縦長孔46の交差部に溝付き車輪48に設けられた車軸49の両端部を挿入し、前記調節ねじ44の回転による第2可動枠42の水平方向への移動により車輪48の高さ調整を行うようにしている。
【0007】
上記の構成から成る戸車は、その戸車に支持された障子が屋内側に引き寄せられたとき、図(II)に示すように、第1可動枠41および第2可動枠42の相方を傾動させて障子の屋内方向への移動を可能とし、その障子の引き寄せ時にスプリング43を伸長させ、このスプリング43の弾力によって第1可動枠41と第2可動枠42とを起立状態に戻るようにしている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記戸車においては、固定枠40、第1可動枠41、第2可動枠42、スプリング43および車輪48から成る部品点数の多い構成であるため、製造コストが高く、また、組立てにも手間がかかり、改善すべき点が残されている。
【0009】
この発明の課題は、部品点数の少ない簡単な構成の戸車を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、この発明においては、障子の下框に取付けられる固定枠内に可動枠を組込んで上下方向に揺動自在に支持し、上記固定枠には押圧によって可動枠を下方向に揺動させる調節ねじをねじ係合し、上記可動枠に設けられた一対の側板の揺動側端部に上下方向に長い軸挿入孔を設け、この軸挿入孔に挿入された車軸を中心として車輪を回転自在に支持し、前記固定枠には、上記車軸の傾動により外方向に押圧されて弾性変形し、その復元弾性によって車軸の両端面を押圧する弾性片を設けた構成を採用している。
【0011】
上記のように、可動枠の側板に形成された長孔によって車輪を支持する車軸を挿通し、その車軸の両端に弾性片を対向させたことによって、車輪を傾動自在に支持することができ、戸車に支持された障子の屋内方向への移動を可能とすることができる。
【0012】
また、上記のように構成された戸車において、調整ねじをねじ込むと、その調整ねじの押圧によって可動枠が下方向に揺動し、車輪の高さを調整することができる。
【0013】
ここで、固定枠と可動枠との間に、可動枠の揺動量を制限する制限機構を設けておくと、固定枠と可動枠とを組立て状態に保持しておくことができるため、障子に対する戸車の取付けの容易化を図ることができる。
【0014】
前記制限機構として、固定枠の一対の側板に可動枠の揺動中心を中心する円弧状の長孔を形成し、可動枠には上記長孔に嵌合する突起を設けた構成から成るものを採用することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、発明の実施の形態を図1乃至図5に基づいて説明する。
【0016】
図1乃至図4に示すように、この発明に係る戸車は、障子の下框Aに取付けられる固定枠1と、その固定枠1内に組込まれた可動枠10と、その可動枠10によって支持される溝付きの車輪20とを有する。
【0017】
固定枠1は、天板2の両側から下向きに一対の側板3を設け、その側板3の後端間に端板4を形成しており、各側板3の下部前後には外側方に突出する係合突出片5が設けられている。また、各側板3の下部には、側板下縁において開口する傾斜状の軸挿入孔6が形成されている。
【0018】
上記固定枠1は、下框Aの下方から、その下框Aに形成された溝a内に挿入することにより取付けられる。その取付け状態において、係合突片5が溝aの両側面と係合し、その係合によって固定枠1は抜け止めされる。
【0019】
ここで、係合突片5を下端に向けて外方に傾斜させておくことにより、溝aに対して固定枠1を容易に挿入することができる。
【0020】
可動枠10は、端板11の両側に一対の側板12を設けた構成とされている。一対の側板12のそれぞれ後端部には突軸13が設けられている。
【0021】
可動枠10は、固定枠1の側板3に形成された前記軸挿入孔6に突軸13が挿入されるようにして固定枠1内に組込まれる。その組込み状態において、可動枠10は突軸13を中心にして上下方向に揺動し得るようになっている。
【0022】
可動枠10に設けられた上記側板12は、長さ方向の中央部に形成された傾斜板部12aによって先端部間の間隔が後端部間の間隔より小さくなり、その側板12の先端部に上下方向に長い軸挿入孔14が設けられている。軸挿入孔14には車軸21が挿入され、この車軸21によって前記車軸20が回転自在に支持されている。
【0023】
図2に示すように、固定枠1の端板4にはねじ孔7が形成されている。ねじ孔7には調節ねじ8がねじ係合され、その調節ねじ8の先端は可動枠10の端板11に当接している。このため、調節ねじ8を回動して軸方向に移動させることにより、可動枠10の端板11が調節ねじ8で押され、可動枠10が突軸13を中心にして下方向に揺動する。
【0024】
上記可動枠10は、固定枠1との間に設けた制限機構30によって揺動量が制限される。制限機構30は、固定枠1の側板3に突軸13を中心とする円弧状の長孔31を形成し、可動枠10の側板12にはその長孔31に挿入される突起32を設けた構成とされ、可動枠10は上記突起32が長孔31の両端に当接する範囲内において揺動し得るようになっている。
【0025】
図1に示すように、固定枠1の側板3には、その側板下縁で開口するL形の切り込み9aの形成によって弾性片9が設けられている。弾性片9の先端部は車軸21の両端面と対向し、上記車軸21に傾きが生じると、その車軸21で押されて外方向に弾性変形し、その復元弾性によって車軸21の両端面を押圧するようになっている。
【0026】
実施の形態で示す戸車は上記の構造から成り、この戸車は、図3に示すように、障子の下框Aに形成された溝a内に固定枠1を取付け、溝付き車輪20を戸枠の下枠Bに形成されたレールb上に載置して障子を移動自在に支持する。
【0027】
上記障子の高さ調節に際しては、調節ねじ8を回動して可動枠10の端板11を押圧し、レールbとの接触に下方向への揺動が防止された車輪20の車軸21を中心に可動枠10の突軸13を上方に揺動させて障子の下框を持ち上げる。
【0028】
上記障子のエアタイトに際しては、その障子を屋内側に引き寄せる。上記障子の引き寄せにより、図5に示すように、車輪20はレールbとの接触位置を中心にして傾動する。
【0029】
このとき、可動枠10の一対の側板12の先端部が車輪20の側面に接触していると、上記車輪20の傾動により可動枠10の一対の側板12が押圧されて側板12に捩じりが生じると共に、車輪20を支持する車軸21の傾動により、その車軸21の両端で弾性片9が押圧されて外方向に弾性変形する。
【0030】
なお、車輪20の側面と可動枠10の側板12との間に間隙がある場合、車輪20はその間隙内で傾動して側板12には捩じりが発生しない。
【0031】
上記のように、障子を屋内側に引き寄せると、車輪20が傾動して弾性片9が外方向に弾性変形するため、障子の引き寄せを解除すると、弾性片9の復元弾性により車軸21が内方向に押圧されて水平状態に戻され、車輪20は図3の状態に戻される。
【0032】
【発明の効果】
以上のように、この発明においては、可動枠の側板の先端部に上下方向に長い軸挿入孔を形成し、その軸挿入孔に挿入された車軸によって車輪を支持したことによって車輪を傾動自在の支持とすることができ、戸車に支持された障子の屋内方向への移動を可能とし、上記障子の屋内側の引き寄せによってエアタイトすることができる。
【0033】
また、障子の引き寄せを解除すると、可動枠に設けた弾性片が車軸の両端を押圧して車輪を純粋の転がり移動する状態に戻すため、エアタイトを自動的に解除することができる。
【0034】
さらに、固定枠内に可動枠を設け、その可動枠の側板によって車輪の車軸を支持する部品点数の少ない構成であるため、組立てが容易であり、製造コストの低減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る戸車の実施の形態を示す正面図
【図2】同上の縦断正面図
【図3】同上の縦断側面図
【図4】同上の分解斜視図
【図5】同上の車輪の傾動状態を示す縦断側面図
【図6】従来の戸車を示す縦断正面図
【図7】(I)は図6のVII−VII線に沿った断面図、(II)は車輪の傾動状態を示す縦断側面図
【符号の説明】
1 固定枠
3 側板
8 調節ねじ
9 弾性片
10 可動枠
12 側板
14 軸挿入孔
20 車輪
21 車軸
30 制限機構
31 長孔
32 突起

Claims (3)

  1. 障子の下框に取付けられる固定枠内に可動枠を組込んで上下方向に揺動自在に支持し、上記固定枠には押圧によって可動枠を下方向に揺動させる調節ねじをねじ係合し、上記可動枠に設けられた一対の側板の揺動側端部に上下方向に長い軸挿入孔を設け、この軸挿入孔に挿入された車軸を中心として車輪を回転自在に支持し、前記固定枠には、上記車軸の傾動により外方向に押圧されて弾性変形し、その復元弾性によって車軸の両端面を押圧する弾性片を設けた戸車。
  2. 前記固定枠と可動枠との間に、その可動枠の揺動量を制限する制限手段を設けた請求項1に記載の戸車。
  3. 前記制限手段が、固定枠の一対の側板に可動枠の揺動中心を中心する円弧状の長孔を形成し、可動枠には上記長孔に嵌合する突起を設けた構成から成る請求項2に記載の戸車。
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