JP4120678B2 - 先行車選択装置及び先行車選択方法 - Google Patents

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Description

本発明は、自車に対して先行車を検出する装置及びその方法に関し、特に、検出した前方車を先行車として選択する方法及びその装置に関する。
道路の曲率を推定し、検出した車両の中から自車線上の先行車を選択する先行車選択に関する技術が特開2001−319299号公報に開示されている。この技術は、自車が直進路を走行し自車前方がカーブ路になっている場合に自車前方のカーブ路の曲率を算出する。その算出したカーブ路の曲率に基づいて先行車を選択する。カーブ路内にて物標を認識した際のカーブ路の曲率を算出するため、物体横位置の時間経過に伴う履歴から物体横位置の変化率を算出し、その算出した物体横位置の変化率に基づいて自車前方の道路の曲率を算出する。そして、算出した道路の曲率と物体の相対位置とに基づいて、物体が自車と同一車線上にいる確率を求め、先行車の選択を行う。又は、道路の両端にそれぞれ存在すると想定される停止物体を基にした道路曲率が得られている場合には、それらの道路曲率と移動物体を基にして得た道路曲率の大小関係に基づいて、移動物体が自車と同一車線上にいる可能性を判定して、先行車を選択する。
従来の技術は、自車の向きの変化を考慮していないので自車と物標との相対位置の変化からカーブ路の曲率を算出するため、自車がカーブ路を走行している時は、カーブ路の曲率が正しく算出できないという問題がある。自車が直進路を走行している時も、道路曲率を自車の位置から前方車の位置まで一定として計算するため、算出した道路曲率と実際の道路曲率が異なり、先行車の選択が正しく行えない場合もある。
また、先行車が自車と同一車線上にいるか否かを確率で行うため、前方車又は自車が車線変更を行う場合、先行車が有りから無し又は無しから有りに切り換わるタイミングが安定しないという問題がある。
さらに、レーダの検出範囲内に常に静止物が有るとは限らないので、静止物が無い場所では先行車の選択結果の信頼性が低下するという課題がある。
上記課題を解決するために、本発明では、自車の進路の推定と先行車との進路の推定とを行い、推定した自車位置と先行車位置との距離の差が所定値以下であれば、先行車として選択することにある。さらに、選択された結果に基づいて、自車の走行制御に用いることにある。
第1図は、先行車選択機能の第一実施例の構成図。
第2図は、自車進路推定機能の説明図。
第3図は、先行車判定機能の第一実施例の構成図。
第4図は、自車線内外判定機能の第一実施例の説明図。
第5図は、先行車特定機能のフローチャート。
第6図は、先行車判定機能の第二実施例の構成図。
第7図は、判定方法切換え機能の第一実施例の状態遷移図。
第8図は、先行車選択機能の第二実施例の構成図。
第9図は、前方車進路推定機能の説明図。
第10図は、先行車判定機能の第三実施例の構成図。
第11図は、自車線内外判定機能の第二実施例の説明図。
第12図は、判定方法切換え機能の第二実施例の状態遷移図。
第13図は、先行車判定機能の第四実施例の構成図。
第14図は、判定方法切換え機能の第三実施例の状態遷移図。
第15図は、先行車判定機能の第五実施例の構成図。
第16図は、判定方法切換え機能の第四実施例の状態遷移図。
第17図は、先行車判定機能の処理内容の一実施例を示す図。
第18図は、先行車判定機能の処理内容の一実施例を示す図。
第19図は、車両の構成図。
第20図は、車両の構成図。
第21図は、前方車位置計測装置の一実施例を示す図。
本発明の特徴は、自車の挙動を計測する自車挙動計測機能と、前記自車挙動計測機能で計測した自車の挙動に基づいて自車の進路を推定する自車進路推定機能と、少なくとも1台の前方車の位置を計測する前方車位置計測機能とを備え、所定時間後の自車位置を推定し、推定した自車位置と前方車との距離が所定値以下であるとき、その前方車を先行車として選択するものであって、ある前方車を先行車として選択した場合、先行車を選択していない時より、距離の所定値を増加させることにある。
本発明の他の特徴は、自車の挙動を計測する自車挙動計測機能と、前記自車挙動計測機能で計測した自車の挙動に基づいて自車の進路を推定する自車進路推定機能と、少なくとも1台の前方車の位置を計測する前方車位置計測機能とを備え、所定時間後の自車位置を推定し、推定した自車位置と前方車との距離が所定値以下であるとき、その前方車を先行車として選択するものであって、一度先行車として選択したら、先行車として選択し続けることにある。
本発明の他の特徴は、自車の挙動を計測する自車挙動計測機能と、前記自車挙動計測機能で計測した自車の挙動に基づいて自車の進路を推定する自車進路推定機能と、前方車の位置を計測する前方車位置計測機能と、前記前方車位置計測機能で計測した前方車の位置及び前記自車挙動計測機能で計測した自車の挙動に基づいて前方車の進路を推定する前方車進路推定機能とを備え、或いは更に前記自車進路推定機能で推定した自車の進路の変化を計測する自車進路変化計測機能と、前記前方車進路推定機能で推定した前方車の進路の変化を計測する前方車進路変化計測機能とを備え、前記推定機能で推定した自車と前方車の進路が同じとき或いは、前記変化計測機能で計測した自車と前方車の両方の進路が変化していないときに、所定時間後の自車位置を推定し、推定した自車位置と前方車との距離が所定値以下であるとき、その前方車を先行車として選択し、自車と前方車の進路が同じ或いは、自車と前方車の両方の進路が変化していない条件を満足しなくなっても、その前方車を先行車として選択することにある。
以下、本発明による先行車選択方法及びその装置について、図示の実施形態により詳細に説明する。なお、本発明を説明するにあたり、例えば、先行車選択機能といった機能という表現を用いているが、これは、先行車選択部などの部であっても、先行車選択装置等の装置又は先行車選択処理工程などの工程又はステップであっても良い。
第1図に先行車選択機能103の第一実施例の構成図を示す。
先行車選択機能103は、自車進路推定機能104及び先行車判定機能105からなる。自車進路推定機能104は、自車挙動計測機能101で計測した自車の挙動に基づいて自車の進路を推定する。
自車挙動計測機能101で計測する自車の挙動は、自車速度Vと自車ヨー角速度ω又は自車操舵角Hである。
自車速度Vは、自車から発信した電波又は光が路面から反射して戻ってきた受信波に基づいて自車の対地速度を計測したり、車輪又はプロペラシャフトの回転数に基づいて計測する。
自車挙動計測機能101で車輪又はプロペラシャフトの回転数を計測して、車輪又はプロペラシャフトの回転数を先行車選択機能103に入力しても良い。
車輪又はプロペラシャフトの回転数を先行車選択機能103に入力することで、車両に新たなセンサを付ける必要が無い。
対地速度を計測することで、車輪がスリップした時の自車速度の誤差を低減することが出来る。
先行車判定機能105は、自車進路推定機能104で推定した自車の進路及び前方車位置計測機能102で計測した自車と前方車との相対位置に基づいて、前方車位置計測機能102で計測した複数前方車の中から先行車の情報を出力する。すなわち計測した複数の前方車の中から、自車線内に存在するものを推定し先行車とする。
第2図を用いて自車進路推定機能104を説明する。
自車進路推定機能104は、先行車選択機能103を起動した時の自車位置を原点Oとして、自車ヨー角速度ωに基づく自車の移動方向の変化及び自車速度Vから算出した自車の移動距離から自車位置Pを算出する。
そして、現在の自車位置P(t)及び過去の自車位置2点P(t−1),P(t−2)を用いて、3点の自車位置P(t),P(t−1),P(t−2)を通る自車カーブ半径Rと自車カーブ半径Rのカーブ中心Cを演算する。
過去の自車位置2点P(t−1)及びP(t−2)は、所定前の時間又は自車の走行距離に基づいて設定する。
自車カーブ半径Rが推定した自車進路である。
自車カーブ半径Rは、自車ヨー角速度ω及び自車速度Vに基づいて(1)式で算出しても良い。
R=V/ω …(1)
また、自車操舵角H及び自車速度V,スタビリティーファクターA,ホイールベースL,ステアリングギヤ比Nに基づいて(2)式で計算しても良い。
R=(L+A×V×V)×L×N/H …(2)
第3図を用いて先行車判定機能105の第一実施例を説明する。
先行車判定機能105は、自車線内外判定機能201及び先行車特定機能206からなる。
自車線内外判定機能201は、自車進路推定機能104で推定した自車進路に基づいて自車線領域を設定し、前方車位置計測機能102で計測した前方車位置が、設定した自車線領域内に有るか否か判定する。
前方車位置が自車線領域内に有る場合は、その前方車は先行車であると判定し、自車線領域内に無い場合は、その前方車は先行車ではないと判定する。
先行車特定機能206は、自車線内を複数の前方車が走行していると、自車線内外判定機能201で複数の前方車を先行車と判定するので、判定された複数の先行車の中から自車に最も近い先行車を1台特定する。
第4図を用いて自車線内外判定機能201の第一実施例を説明する。
自車位置Pを原点Opにしたとき、前方車位置計測機能102で計測した前方車位置Qは、自車の進行方向の位置がyq、自車の進行方向に垂直な方向の位置がxqの位置にある。
自車が自車進路推定機能104で算出した自車カーブ半径Rで走行し続けた場合の推定した自車位置と前方車位置Qとの間の距離を前方車走行位置Rdiffとして自車カーブ半径R≧0の場合は(3)式を用いて計算し、自車カーブ半径R<0の場合は(4)式を用いて計算する。
Rdiff=R−√((R−xq)^2+yq^2) …(3)
Rdiff=R+√((R−xq)^2+yq^2) …(4)
^:べき乗
(3)式又は(4)式で算出した前方車走行位置Rdiffが自車線幅Wlの半分の長さより小さいか否か判定する。
前方車走行位置Rdiffが自車線幅Wlの半分の長さより小さい場合は前方車が先行車であると判定し、大きい場合は先行車ではないと判定する。
自車線幅Wlは、前回先行車ではない前方車が先行車になった場合は、先行車になっていない時より広くする。
また、先行車だった前方車が先行車ではなくなった場合は、先行車だった時より狭くする。
先行車がいるときの自車線幅Wlを広くすることで、自車が直進路を走行中に先行車が直進路からカーブ路に進入した場合や自車がカーブ路を走行中に先行車がカーブ路から直進路に進入した場合でも、先行車として選択することが出来る。
また、自車及び先行車が直進路又はカーブ路を走行中に先行車が車線変更を行った場合は、先行車が自車線領域から出たことで車線変更が終了したことが判断できる。これにより先行車が車線変更に伴う位置変化の影響を抑え、先行車の車線変更をより正確に判定することができる。
また自車線幅Wlを可変としないで、自車進路推定機能104で算出した自車カーブ半径R及び前方車位置計測機能102で計測した前方車位置Qにローパスフィルタをかけて、ローパスフィルタ後の自車カーブ半径及び前方車位置を用いて、(3)式又は(4)式で前方車走行位置Rdiffを計算してもよい。
ローパスフィルタ後の自車カーブ半径及び前方車位置を用いても、自車が直進路を走行中に先行車が直進路からカーブ路に進入した場合や自車がカーブ路を走行中に先行車がカーブ路から直進路に進入した場合でも、先行車として選択することが出来る。
また、自車及び先行車が直進路又はカーブ路を走行中に先行車が車線変更を行った場合は、先行車が自車線領域から出たことで車線変更が終了したことが判断できる。
第5図に先行車特定機能206のフローチャートを示す。まず始めにS101で初期化を行う。具体的にはS101で先行車を先行車無しに設定し、先行車車間距離を0に設定する。またS111でn=0に設定する。この初期化は第5図のフローが実行される最初に実行される場合に行われる。具体的には、それまで前方車を検出していなかった状況で、前方車を検知したときなどに行われる。
次に進み、前方車位置計測装置102で計測している前方車数mの内、n番目の前方車が前方車数mより小さいか否か判定する。前方車数mより小さい場合はS103に進み、小さくない場合はこのルーチンを終了する。計測しているm個の前方車全てについて先行車か否かの判断が終了したら、このルーチンを終了するためである。
S103では、n番目の前方車が先行車(自車線内の前方車)であると判定されていたか否か判定する。
先行車であると判定されていた場合はS112に進み、先行車であると判定されていない場合はS106に進む。
S112では、設定されている先行車車間距離が0であるか否か判定し、0の場合にはS105へ進み、0でない場合にはS104へ進む。ここで先行車車間距離が0である場合は、初期化により設定された値であり、第5図の処理が最初に実行される場合である。よって、前回の処理による先行車車間距離のデータは無いので、S105でn=0の前方車を一番近い先行車に設定し、n=0の前方車との車間距離を先行車車間距離とする。先行車車間距離が0でない場合は、
S104に進む。
S104では、n番目の前方車の車間距離が、設定されている先行車の車間距離より小さいか否か判定する。n番目の前方車の車間距離が設定している先行車の車間距離より小さい場合はS105に進み、小さくない場合はS106に進む。S105ではn番目の前方車を一番近い先行車に設定し、n番目の前方車との車間距離を先行車車間距離として設定する。S106ではnをインクリメントする。このようにして検出しているm個の先行車との車間距離を比較し、一番近い先行車を特定する。
第6図を用いて先行車判定機能105の第二実施例を説明する。
先行車判定機能105は、自車線内外判定機能201及び判定結果保持機能202,前方車走行位置変化演算機能203,判定方法切換え機能204,保持時間計測機能205,先行車特定機能206からなる。
自車線内外判定機能201は、先行車判定機能105の第一実施例の自車線内外判定機能201と同様の処理(第4図と同様)を行うが、自車線幅Wlを固定で前方車位置をローパスフィルタに通さず処理を行っても良い。
判定結果保持機能202は、前回の判定結果を保持する。
前方車走行位置変化演算機能203は、自車線内外判定機能201で算出した前方車の走行位置Rdiffの変化を演算する。
判定方法切換え機能203は、自車線内外判定機能201の判定結果及び前方車走行位置変化演算機能203の演算結果,保持時間計測機能205で計測した保持時間に基づいて自車線内外判定機能201又は判定結果保持機能202のどちらかの出力を選択する。
保持時間計測機能205は、判定方法切換え機能204で判定結果保持機能202を選択してからの経過時間を計測する。
先行車特定機能206は、先行車判定機能105の第一実施例の先行車特定機能206(第5図)と同様の処理を行う。
第7図の状態遷移図を用いて判定方法切換え機能204の第一実施例を説明する。
前方車の前回の判定結果が先行車であり、今回の前方車走行位置Rdiffが自車線幅Wlの半分より大きい場合、又は前回の判定結果が先行車ではなく、今回の前方車走行位置が自車線幅Wlの半分より小さい場合は、判定結果保持機能202に遷移する。すなわち判定結果保持機能202に保持された前回の判定結果を先行車特定機能206に出力する。
これにより、前回先行車であると判断された前方車が自車線外に出ようとしている場合や、逆に前回先行車ではないと判断された前方車が自車線内に入ろうとしている場合に、その過渡状態における位置変化の影響を低減できる。
また、判定結果保持機能202により前回の判定結果を保持しているときに、保持時間計測機能205で計測した保持時間が所定値Tより大きくなった場合、前方車走行位置Rdiffが所定値Waより大きくなった場合、又は、前方車走行位置変化演算機能203で演算した前方車走行位置の変化が所定値δaより小さくなった場合は自車線内外判定機能201に遷移する。すなわち、保持された前回の判定結果ではなく自車線内外判定機能201による判定結果を先行車特定機能206に入力させる。これは、保持状態が長く連続した場合は保持を解除すること、前方車が明らかに自車線外に出たこと、前方車の横方向の位置変化が小さくなり、前方車が直線路に入ったことなどを検出した場合に、保持した前回の判定結果の出力をやめ、自車線内外判定機能201による判定結果を先行車特定機能206に入力させるものである。
このように判定結果保持機能202に遷移することで、自車が直進路を走行中に先行車が直進路からカーブ路に進入した場合や自車がカーブ路を走行中に先行車がカーブ路から直進路に進入した場合でも、先行車として選択することが出来る。
また、自車及び先行車が直進路又はカーブ路を走行中に自車又は先行車が車線変更を行った場合でも、車線変更終了後に先行車の選択結果を切換えることができる。
さらに本実施例によれば、第3図に示す実施例に比べて、走行中の道路幅が変化する状況や、前方車が車線の右端左端を走行している状況においても先行車か否かの判定を精度良く行うことができる。
第8図に先行車選択機能103の第二実施例を示す。
先行車選択機能103は、自車進路推定機能104及び前方車進路推定機能106,先行車判定機能105からなる。本実施例は第1図に示す構成に加えて前方車進路推定機能106を備え、自車進路推定機能104の出力と前方車進路推定機能106の出力とに基づいて先行車判定機能105が先行車の判定を行う点が異なる。
自車進路推定機能104は、先行車選択機能103の第一実施例で説明した処理と同様の処理(第2図)を行う。
前方車進路推定機能106は、自車挙動計測機能101で計測した自車の挙動及び前方車位置計測機能102で計測した前方車の位置に基づいて前方車の進路を推定する。
先行車判定機能105は、自車進路推定機能104で推定した自車進路及び前方車進路推定機能106で推定した前方車進路に基づいて前方車位置計測機能102で計測した前方車の中から先行車の情報を出力する。
第9図を用いて前方車進路推定機能106について説明する。
前方車進路推定機能106は、先行車選択機能103を起動した時の自車位置を原点Oとして、自車ヨー角速度ω及び自車速度Vに基づいて算出した自車位置Pと、前方車位置計測機能102で計測した自車と前方車との相対位置に基づいて前方車位置Qを算出する。
そして、現在の前方車位置Q(t)及び過去の前方車位置2点Q(t−1),Q(t−2)を用いて、3点の前方車位置Q(t),Q(t−1),Q(t−2)を通る前方車カーブ半径Rqと前方車カーブ半径Rqのカーブ中心Cqを演算する。過去の前方車位置2点Q(t−1)及びQ(t−2)は、所定前の時間又は前方車の走行距離に基づいて設定する。前方車カーブ半径Rqが推定した前方車進路である。
第10図を用いて先行車判定機能105の第三実施例を説明する。
先行車判定機能105は、自車線内外判定機能201及び判定結果保持機能202,前方車走行位置変化演算機能203,保持時間計測機能205,判定方法切換え機能204,先行車特定機能206からなる。
本実施例は、第6図に示す構成に加えて、前方車進路推定機能106より前方車カーブ半径が入力されており、この前方車カーブ半径と自車カーブ半径とに基づいて、判定方法切換え機能204が自車線内外判定機能201の出力を先行車特定機能206に入力するか、判定結果保持機能202で保持された前回の判定結果を入力するかを決定する点が異なる。
自車線内外判定機能201は、自車進路推定機能104で推定した自車進路に基づいて自車線領域を設定し、前方車進路推定機能106で算出した前方車位置が設定した自車線領域内に有るか否か判定する。
前方車位置が自車線領域内に有る場合は、その前方車は先行車であると判定し、自車線領域内に無い場合は、その前方車は先行車ではないと判定する。
前方車走行位置変化演算機能203及び保持時間計測機能205,判定結果保持機能202,先行車特定機能206は、第二実施例(第6図)と同様の処理を行う
第11図を用いて自車線内外判定機能201の第二実施例を説明する。第4図に示した第一実施例とは座標の取り方が異なるが、前方車進路推定機能106によって前方車位置が得られることによって、このような座標系を用いることが可能となる。
先行車選択機能103を起動した時の自車位置を原点Oとしたとき、自車は自車進路推定機能104で算出した自車位置Pにいる。
また、前方車は前方車進路推定機能106で算出した前方車位置Qにいる。
自車が自車進路推定機能104で算出した自車カーブ半径Rとその中心Cの進路で走行し続けた場合の推定した自車位置と前方車位置Qとの間の距離を前方車走行位置Rdiffとして自車カーブ半径R≧0の場合は(5)式を用いて計算し、自車カーブ半径R<0の場合は(6)式を用いて計算する。
Rdiff=R−√((xq−xc)^2+(yq−yc)^2) …(5)
Rdiff=R+√((xq−xc)^2+(yq−yc)^2) …(6)
^:べき乗
(5)式又は(6)式で算出した前方車走行位置Rdiffが予め設定してある自車線幅Wlの半分の長さより小さいか否か判定する。
前方車走行位置Rdiffが自車線幅Wlの半分の長さより小さい場合は前方車が先行車であると判定し、大きい場合は先行車ではないと判定する。
第12図の状態遷移図を用いて判定方法切換え機能204の第二実施例を説明する。これは第10図の構成における判定方法切換え機能204の実施例である。
自車線内外判定機能201の時、自車カーブ半径Rと前方車カーブ半径Rqとが異なる場合は、判定結果保持機能202に遷移する。すなわち判定結果保持機能202に保持された前回の判定結果を先行車特定機能206に出力する。
また、判定結果保持機能202により前回の判定結果を保持しているときに、自車カーブ半径Rと前方車カーブ半径Rqが等しい場合は自車線内外判定機能201に遷移する。すなわち自車線内外判定機能201の出力を先行車特定機能206に出力する。
なお保持時間計測機能205で計測した保持時間が所定値Tより大きくなった場合、前方車走行位置Rdiffが所定値Waより大きくなった場合、又は、前方車走行位置変化演算機能203で演算した前方車走行位置の変化が所定値δaより小さくなった場合に、自車線内外判定機能201に遷移する点は第7図に示す実施例と同様である。
判定結果保持機能202に遷移することで、自車が直進路を走行中に先行車が直進路からカーブ路に進入した場合や自車がカーブ路を走行中に先行車がカーブ路から直進路に進入した場合でも、先行車として選択することが出来る。
また、自車及び先行車が直進路又はカーブ路を走行中に自車又は先行車が車線変更を行った場合でも、車線変更終了後に先行車の選択結果を切換えることができる。
さらに本実施例によれば、自車と前方車の推定進路(カーブ形状)の比較によって保持するか否かを決定するので、第3図に示す実施例に比べて、走行中の道路幅が変化する状況や、前方車が車線の右端左端を走行している状況においても先行車か否かの判定を精度良く行うことができる。
第13図を用いて先行車判定機能105の第四実施例を説明する。
先行車判定機能105は、自車線内外判定機能201及び判定結果保持機能202,前方車走行位置変化演算機能203,保持時間計測機能205,判定方法切換え機能204,先行車特定機能206,自車進路変化計測機能207,前方車進路変化計測機能208からなる。
本実施例は、第10図に示す構成に加えて、自車進路変化計測機能207,前方車進路変化計測機能208を備えた点が異なる。
自車線内外判定機能201及び、前方車走行位置変化演算機能203,保持時間計測機能205,判定結果保持機能202,先行車特定機能206は、先行車判定機能105の第三実施例(第10図)と同様の処理を行う。
自車進路変化計測機能207は、自車が所定距離進んだ間の自車カーブ半径Rの変化率を計算する。前方車進路変化計測機能208は、前方車が所定距離進んだ間の前方車カーブ半径Rqの変化率を計算する。自車進路変化計測機能207及び前方車進路変化計測機能208は所定時間のカーブ半径の変化率を計算しても良い。
第14図の状態遷移図を用いて判定方法切換え機能204の第三実施例を説明する。本実施例は、第13図の構成における判定方法切換え機能204の実施例である。
自車線内外判定機能201の時、自車カーブ半径の変化率が所定値αpより大きくなる又は前方車カーブ半径の変化率が所定値αqより大きくなる場合は、判定結果保持機能202に遷移する。すなわち判定結果保持機能202に保持された前回の判定結果を先行車特定機能206に出力する。
また、判定結果保持機能202により前回の判定結果を保持しているときに、自車カーブ半径の変化率が所定値βp以下で且つ前方車カーブ半径の変化率が所定値βq以下の場合、自車線内外判定機能201に遷移する。これにより自車線内外判定機能201の出力を先行車特定機能206に出力する。これは先行車及び自車の双方がカーブの出入口や車線変更などの過渡状態にない場合には、自車線内外判定機能201による判定結果を用いることができる。
なお保持時間計測機能205で計測した保持時間が所定値Tより大きくなった場合、前方車走行位置Rdiffが所定値Waより大きくなった場合、又は、前方車走行位置変化演算機能203で演算した前方車走行位置の変化が所定値δaより小さくなった場合に、自車線内外判定機能201に遷移する点は第7図に示す実施例と同様である。
判定結果保持機能202に遷移することで、自車が直進路を走行中に先行車が直進路からカーブ路に進入した場合や自車がカーブ路を走行中に先行車がカーブ路から直進路に進入した場合でも、先行車として選択することが出来る。
また、自車及び先行車が直進路又はカーブ路を走行中に自車又は先行車が車線変更を行った場合でも、車線変更終了後に先行車の選択結果を切換えることができる。
さらに本実施例によれば、自車または前方車のカーブ進入等に起因するカーブ半径変化率の大きさによって保持するか否かを決定するので、第3図に示す実施例に比べて、走行中の道路幅が変化する状況や、前方車が車線の右端左端を走行している状況においても先行車か否かの判定を精度良く行うことができる。
第15図を用いて先行車判定機能105の第5実施例を説明する。この実施例では第10図に示す第3実施例に対して、カーブ半径差演算機能207を付加した点が異なる。先行車判定機能105は、自車線内外判定機能201及び判定結果保持機能202,前方車走行位置変化演算機能203,保持時間計測機能205,判定方法切換え機能208,先行車特定機能206,カーブ半径差演算機能207を備える。
自車線内外判定機能201は、自車進路推定機能104で推定した自車進路に基づいて自車線領域を設定し、前方車位置計測機能102で計測した前方車位置が設定した自車線領域内に有るか否か判定する。前方車位置が自車線領域内に有る場合は、その前方車は先行車であると判定し、自車線領域内に無い場合は、その前方車は先行車ではないと判定する。カーブ半径差演算機能207は、自車カーブ半径と前方車カーブ半径との差を算出し、算出したカーブ半径の差をローパスフィルタで平滑化する。
自車及び前方車がカーブ入口及び出口を走行する場合は、カーブ半径の変化が緩やかであり、ローパスフィルタ通過後のカーブ半径の差の絶対値は大きくなる。車線変更の場合は、カーブ半径の変化が速いため、ローパスフィルタ後のカーブ半径の差の絶対値は小さい。また、カーブ半径の差は、1/自車カーブ半径と1/前方車カーブ半径との差としても良い。
なお前方車走行位置変化演算機能203及び保持時間計測機能205,判定結果保持機能202,先行車特定機能206は、第二実施例(第6図)と同様の処理を行う
本実施例による、自車及び前方車がカーブの入口から出口までを走行する場合の処理例を第17図に示す。また自車が車線変更をする場合の処理例を第18図に示す。なおここでは(1/自車カーブ半径)と(1/前方車カーブ半径)との差を用いている。
第17図(a)に示すように、自車と前方車が続いてカーブを通過する場合、同様のカーブ半径をある程度の時間差を持って通過することになる。そこで(1/自車カーブ半径)と(1/前方車カーブ半径)との差を取ると第17図(b)に示す波形が得られる。ここで第17図(b)に示す波形をローパスフィルタに通すと、ローパスフィルタは、平均的なカーブの通過に要する時間以上の周期をもつ波形を通過するように設定されるので、第17図(c)に示すような波形が得られる。
これに対し、前方車が直進しているときに自車が車線変更するような場合には、第18図(a)に示すように自車カーブ半径のみに波形が現われ、前方車カーブ半径には現われない。このため、(1/自車カーブ半径)と(1/前方車カーブ半径)との差を取ると第18図(b)に示す波形が得られる。この波形をローパスフィルタに通すと、通常車線変更にかかる時間はカーブの通過に比べて小さく、差の波形の周波数はカーブ通過の場合に比べて十分に高い。よって第18図(b)に示す波形はローパスフィルタによってカットされ、第18図(c)に示す波形が出力される。
このようにして、カーブの入口又は出口と、車線変更とを区別することができる。
第16図の状態遷移図を用いて判定方法切換え機能204の第四実施例を説明する。本実施例は、第15図の構成における判定方法切換え機能204の実施例である。
前回先行車だった前方車が今回自車線領域を外れた場合、又は前回先行車ではなかった前方車が今回自車線領域に入った場合であってカーブ半径差演算機能207の算出結果の絶対値が所定値γより大きくなった場合は、判定結果保持機能202に遷移する。すなわち判定結果保持機能202に保持された前回の判定結果を先行車特定機能206に出力する。
また、判定結果保持機能202により前回の判定結果を保持しているときに、カーブ半径差演算機能207の算出結果の絶対値が所定値γ以下である場合は自車線内外判定機能201に遷移する。すなわち自車線内外判定機能201の出力を先行車特定機能206に出力する。
なお保持時間計測機能205で計測した保持時間が所定値Tより大きくなった場合、前方車走行位置Rdiffが所定値Waより大きくなった場合、又は、前方車走行位置変化演算機能203で演算した前方車走行位置の変化が所定値δaより小さくなった場合に、自車線内外判定機能201に遷移する点は第7図に示す実施例と同様である。
このように、判定結果保持機能202に遷移することで、自車が直進路を走行中に先行車が直進路からカーブ路に進入した場合や自車がカーブ路を走行中に先行車がカーブ路から直進路に進入した場合でも、先行車として選択することが出来る。また、自車及び先行車が直進路又はカーブ路を走行中に自車又は先行車が車線変更を行った場合は、カーブ半径差演算機能207の算出結果が大きく変化しないので、車線変更開始後に先行車の選択結果を切換えることができる。
第19図及び第20図に本発明を適用した車両の構成を示す。
先方車位置計測装置401及び自車ヨー角速度計測装置402,自車操舵角計測装置403,対地速度計測装置404,先行車選択装置405,車間距離制御装置406,変速機407,スロットル408,ブレーキ409,エンジン410,接近警報装置411,先行車表示装置412,車輪回転数計測装置413,プロペラシャフト回転数計測装置414が車載LAN415に接続されている。
前方車位置計測装置401は、後述のミリ波レーダ又はレーザレーダを用いて、前方車位置計測機能102の機能を持つ。ミリ波レーダ又はレーザレーダは、前方車との相対位置及び相対速度が計測できる。
自車ヨー角速度計測装置402は、自車挙動計測機能101の機能を持ち、ヨー角度センサを用いて自車ヨー角度ωを計測する。自車操舵角計測装置403は、自車挙動計測機能101の機能を持ち、操舵角センサを用いてステアリングの自車操舵角Hを計測する。
対地速度計測装置404は、自車挙動計測機能101の機能を持ち、自車から発信した電波又は光が路面から反射して戻ってきた受信波に基づいて自車速度Vを計測する。
車輪回転数計測装置413(413a,413b)は、自車挙動計測機能101の機能を持ち、従動輪或いは前後輪の車輪回転数に基づいて自車速度Vを計測する。また、左右の車輪回転数の違いから自車ヨー角度ωを計測する。
プロペラシャフト回転数計測装置414は、自車挙動計測機能101の機能を持ち、プロペラシャフトの回転数に基づいて自車速度Vを計測する。
先行車選択装置405は、上述した先行車選択機能103のいずれかの実施例の機能を持ち、前方車位置計測装置401で計測した前方車の位置、及び自車ヨー角速度計測装置402で計測した自車ヨー角速度ω,又は車輪回転数計測装置413で計測した自車ヨー角速度ω,自車操舵角計測装置403で計測した自車操舵角,対地速度計測装置404で計測した自車速度V,車輪回転数計測装置413で計測した自車速度V,プロペラシャフト回転数計測装置414で計測した自車速度V等の全部又は一部に基づいて前方車位置計測装置401で計測した前方車の中から先行車を選択する。
車間距離制御装置406は、変速機407,スロットル408,ブレーキ409,エンジン410に指令を送り、先行車選択装置405で先行車を選択している場合は先行車との車間距離が適切な車間距離を保つように自車を加減速させる。ここでブレーキ409は、ブレーキ制御装置1804とブレーキ装置1806a,1806bを備えており、車間距離制御装置406からの指令に応じて、ブレーキ制御装置1804がブレーキ装置1806a,1806bを制御して自車を減速させる。本実施例では先述の通り先行車の検出精度を向上させる構成となっているので、車間距離制御の精度が向上され、カーブや車線変更時の先行車誤検知に基づく、急加速,急減速が低減される。
また、先行車がいない場合は、直線路では運転者が予め設定した速度で走行し、カーブ路では運転者が予め設定した速度で走行する或いはカーブ路に進入した時の速度で走行する、カーブ半径に基づいて減速しながら走行する。
また、先行車がカーブの出入口を通過する場合にも先行車を認識できるので、自車が先行車に基づいて車間距離制御を行っているとき、先行車が直進路を一定速又は加速して走行しカーブ路に進入してから減速した場合でも、自車が直進路で減速する。
同様の理由により、先行車が直進路を一定速又は減速して走行しカーブ路に進入してから加速した場合でも、先行車の加速を認識して自車を直進路で加速させることが可能となる。また同様に自車が先行車に基づいて車間距離制御を行っているとき、先行車がカーブ路を一定速又は加速して走行し直進路に進入してから減速した場合、先行車の減速を認識して自車をカーブ路で減速させることが可能になる。
また同様の理由により、先行車がカーブ路を一定速又は減速して走行し直進路に進入してから加速した場合にも、自車をカーブ路で加速させることができる。
さらに、本発明の先行車認識によれば、自車又は先行車が車線変更を行った場合にも、従来技術に比べて精度よく先行車を検知することができるので以下のような制御も可能となる。
自車が先行車に基づいて車間距離制御を行っているとき、先行車が直線路を一定速又は減速して走行し、自車又は先行車が車線変更を行った場合、車線変更終了後に自車は運転者が予め設定した速度になるまで所定の加速度で加速する。これにより、自車が車線変更中、すなわち、運転者が車線変更の操作をしているときに、先行車がいなくなったものと車間距離制御装置406が誤認して、自動車を加速させることを防止することができる。また、先行車が車線変更をした場合に、先行車が隣の車線に移りきっていないときに、自車を加速させて先行車に接近することを防止することができる。
また、自車が先行車に基づいて車間距離制御を行っているとき、先行車がカーブ路を一定速で走行し、自車又は先行車が車線変更を行った場合、車線変更終了後に自車は運転者が予め設定した速度まで所定の加速度で加速する又はカーブ半径に基づいて減速する。これにより、上記に加えて、先行車が隣の車線に移りきっていないときに必要以上に自車を減速させて、運転者にもたつき感を与えることを緩和することができる。
また、先行車がカーブ路を減速しながら走行し、自車又は先行車が車線変更を行った場合、車線変更終了後に自車を現在の速度で一定速走行させる。又は運転者が予め設定した速度まで所定の加速度で加速させる、あるいは車線変更中の自車の減速度より小さく、カーブ半径に基づいて定められる減速度で減速させる。これにより、自車が車線変更中、すなわち、運転者が車線変更の操作をしているときに、先行車がいなくなったものと車間距離制御装置406が誤認して、自動車を加速させることを防止することができる。また、先行車が車線変更をした場合に、先行車が隣の車線に移りきっていないときに、自車を加速させて先行車に接近することを防止することができる。
接近警報装置411は、先行車選択装置405で選択した先行車と自車との相対位置や相対速度,自車速度に基づいて運転者による減速が必要な場合には警報を発する。
自車と先行車が直進路を走行中に接近警報が警報を発していない状態で、先行車がカーブ路に進入して自車が直進路を走行中に先行車に接近した場合、接近警報が警報を発する。
また、自車と先行車がカーブ路を走行中に接近警報が警報を発していない状態で、先行車が直進路に進入して自車がカーブ路を走行中に先行車に接近した場合、接近警報が警報を発する。
また、自車と先行車が直進路又はカーブ路を走行中に接近警報が警報を発していない状態で、自車又は先行車が車線変更を行った時、自車又は先行車の車線変更中に自車が先行車に接近した場合、接近警報が警報を発する。
先行車表示装置412は、先行車選択装置405で選択した先行車の有無や位置情報をLED或いは液晶ディスプレイに表示して、運転者に先行車の選択状態を知らせる。
先行車表示装置412は、自車及び前方車が直進路を走行中に先行車を選択していることを表示している時、自車が直進路を走行中に先行車がカーブ路に進入した場合、先行車を選択していることを表示する。
また、自車及び前方車がカーブ路を走行中に先行車を選択していることを表示している時、自車がカーブ路を走行中に先行車が直進路に進入した場合、先行車を選択していることを表示する。また、自車及び前方車が直進路又はカーブ路を走行中に先行車を選択していることを表示している時、自車又は先行車が車線変更を行った場合、自車又は先行車の車線変更終了後に、先行車を選択状態の表示を変更する。
先行車選択装置405は、先行車選択装置405内にヨー角速度センサを取りつけた構成にしても良く、そうすることで、装置の小型化,軽量化,車両への取付け性の容易化が可能になる。また、前方車位置計測装置401に、先行車選択機能又は自車ヨー角速度計測機能,自車速度計測機能,車間距離制御機能,接近警報機能の内いずれか一つ以上の機能を一つの筐体に収めても良く、そうすることで、装置の小型化,軽量化,車両への取付け性の容易化が可能になる。また、車間距離制御装置406に、先行車選択機能又は自車ヨー角速度計測機能,前方車位置計測機能,先行車表示機能,接近警報機能の内いずれか一つ以上の機能を一つの筐体に収めても良く、そうすることで、装置の小型化,軽量化,車両への取付け性の容易化が可能になる。また、接近警報装置に、先行車選択機能又は自車ヨー角度計測機能,前方車位置計測機能,車間距離制御機能,先行車表示機能の内いずれか一つ以上の機能を一つの筐体に収めても良く、そうすることで、装置の小型化,軽量化,車両への取付け性の容易化が可能になる。また、先行車表示装置に先行車選択機能又は自車ヨー角速度計測機能,接近警報機能,車間距離制御機能の内いずれか一つ以上の機能を一つの筐体に収めても良く、そうすることで、装置の小型化,軽量化,車両への取付け性の容易化が可能になる。
自車と前方車の進路を推定して、カーブ路進入及びカーブ路脱出,車線変更時でも先行車を正しく選択する。そのため、本発明の先行車選択機能を用いて車間距離制御を行った場合、カーブ路進入及びカーブ路脱出時に先行車を見失い、先行車に向かって加速して近づくことを防ぐことができる。また車線変更時は、車線変更が終了すると自車は加速を始めるので、自車の動作が予測しやすくなるので運転者は安心して運転が出来る。また、本発明の先行車選択機能を用いて接近警報を行うことで、カーブ路進入及びカーブ路脱出時でも接近警報を行うことができる。また、本発明の先行車選択機能を用いて先行車表示を行うことで、カーブ路進入及びカーブ路脱出時で先行車がいるにも関わらず、先行車がいないとして表示されるのを防ぐ。
本実施例の前方車位置計測装置401の一例として、ミリ波レーダの構成例を第21図に示す。
ミリ波レーダ1901は、信号処理部1910からの切り替え指示に応じて変調信号を出力する変調器1902,変調器1902からの変調信号に応じた発信周波数の高周波信号を出力する発信器1903,発信器1903の出力を増幅する増幅器1904,増幅器1904の出力を電波として送波する送信アンテナ1905を備えており、ミリ波帯の高周波信号(30G〜300GHz)を送信アンテナ1905より放射する。
前方車など反射物に反射して返ってきた電波信号は、受信アンテナ1906で受信され、ミキサ回路1907で周波数変換される。このミキサ回路1907には、発振器1903からの信号も供給されており、この2つの信号のミキシングによって発生する低周波信号がアナログ回路1908へ出力される。アナログ回路1908で増幅され、出力される信号は、A/D1909によってディジタル信号に変換され、信号処理部1910に供給される。信号処理部1910では、前方車位置計測処理部1911でA/D1909からのディジタル信号を高速フーリエ変換(Fast Fourier Transform)により信号の周波数スペクトラムを振幅と位相の情報として計測し、前方車との距離,相対速度,方向を算出する。信号処理部1910内の先行車選択処理部1912は本発明の先行車選択の機能を有し、前方車位置計測処理部1911で算出した前方車との距離,相対速度,方向と、通信処理部1914を介して入力されるミリ波レーダ1901内のジャイロで計測した自車ヨー角速度とミリ波レーダ1901外からの車輪速センサ1915で計測した車輪速から、先行車を選択する。そして先行車として選択した前方車との距離,相対速度,方向を、通信処理部を介してミリ波レーダ1901外に出力する。
以上のように、本発明の先行車選択装置及びそれを用いた制御装置は、自動車等の交通機関で他車との関係を推定しながら自車の走行を制御する装置およびその方法として有用である。

Claims (10)

  1. 自車の挙動を計測する自車挙動計測部と、
    前記自車の挙動に基づいて当該自車の進路を推定する自車進路推定部と、
    前方車の位置を計測する前方車位置計測部と、
    前記自車の挙動及び前記前方車の位置に基づいて前記前方車の進路を推定する前方車進路推定部と、
    前記自車進路推定部が推定した前記自車の進むべき領域内に、前記前方車位置計測部が計測した前方車が有るか否かを判定する自車線内外判定部と、を備え、
    前記自車線内外判定部は、第1の所定時間後の前記自車と前記前方車との距離が、当該前方車を先行車として選択していない時の当該自車と当該前方車との距離の閾値を示す第1の所定値以下の場合、前記前方車を先行車として選択し、前記第1の所定値を当該第1の所定値よりも大きい第2の所定値に再設定する、先行車選択装置。
  2. 前記前方車を先行車として選択した後は、当該前方車を先行車として所定の条件下において選択しける、請求項1記載の先行車選択装置。
  3. 前記自車線内外判定部が前記前方車を先行車として選択した後、前記第1の所定時間後の前記自車と前記先行車との距離が前記第1の所定値より大きくなった場合は、第2の所定時間経過するまで又は前記第1の所定時間後の前記自車と前記先行車との距離が前記第2の所定値より大きくなるまで、又は、当該自車と当該先行車との距離の変化が第3の所定値より小さくなるまで、先行車として選択している、請求項2記載の先行車選択装置。
  4. 前記自車線内外判定部は、前記自車及び前記前方車が直進路を走行中に前方車を先行車として選択している時、前記自車が直進路を走行したまま前記先行車が直進路からカーブ路に進入した場合、前記先行車がカーブ路に進入する前に選択した先行車を、前記先行車として選択している、請求項1乃至3何れか一に記載の先行車選択装置。
  5. 前記自車及び前記前方車がカーブ路を走行中に前記前方車を先行車として選択し、前記自車がカーブ路を走行したまま前記先行車がカーブ路から直進路に進入すると、前記先行車が直進路に進入する前に選択した該先行車を、先行車として選択している、請求項1乃至3何れか一に記載の先行車選択装置。
  6. 前記自車と前記先行車との車間距離を所定の車間距離を保って走行する車間距離制御部を更に備え、
    前記車間距離制御部が車間距離制御を行い、前記先行車が直線路を一定速又は加速して走行しカーブ路に進入してから減速すると前記自車が直進路で減速し、又は、前記先行車が直進路を一定速又は減速して走行しカーブ路に進入してから加速すると、前記自車が直進路で加速する、請求項1乃至3何れか一に記載の先行車選択装置。
  7. 前記自車と前記先行車との車間距離を所定の車間距離に保って走行する車間距離制御部を更に備え、
    前記車間距離制御部が車間距離制御を行い、前記先行車がカーブ路を一定速又は加速して走行し直進路に進入してから減速すると前記自車がカーブ路で減速し、又は、前記先行車がカーブ路を一定速又は減速して走行し直進路に進入してから加速すると前記自車がカーブ路で加速する、請求項1乃至3何れか一に記載の先行車選択装置。
  8. 前記先行車と前記自車との距離に基づいて接近警報を行う接近警報部を更に備える、請求項1乃至3何れか一に記載の先行車選択装置。
  9. 前記先行車の選択状態を表示する先行車表示部を更に備える、請求項1乃至3何れか一に記載の先行車選択装置。
  10. 前記自車の挙動は、車輪回転数又はプロペラシャフト回転数又は前記自車から発信した電波又は光が路面から反射して戻ってきた受信波の少なくとも1つの計測結果に基づいた自車速度と、前記自車のヨー角速度又は前記自車の操舵角に基づいて得られる、請求項1乃至3何れか一に記載の先行車選択装置。
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