JP4120544B2 - フッ素樹脂の精製方法および該方法で精製されたフッ素樹脂 - Google Patents

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Description

本発明は、結晶性を有するフッ素樹脂の精製方法に関する。
フッ素樹脂は耐熱性、耐薬品性、耐油性、耐候性、離型性、絶縁性等に優れることから、種々の産業分野で利用されている。近年、電気部品等の用途においてフッ素樹脂中の不純物が、フッ素樹脂から溶出して電子部品を汚染する場合があった。たとえば離型フィルム用途では、成形物へフィルム中の不純物が転写しないことが要請されている。
フッ素樹脂の精製方法としては、主鎖に環構造を有する非結晶性含フッ素重合体を超臨界二酸化炭素に溶解させ、超臨界二酸化炭素に不溶の成分を濾過し、除去する方法が知られている(特許文献1参照)。しかし、結晶性を有するフッ素樹脂については、該樹脂が超臨界二酸化炭素への溶解性に乏しいことから該方法は適用できない。
また、ポリウレタン樹脂を超臨界二酸化炭素に接触させて、該樹脂中の低分子成分を抽出し除去する方法が知られている(特許文献2参照。)。しかし、該方法にはフッ素樹脂中の不純物を抽出することに関する記載はない。
特開2000−63423号公報 特開平10−265521号公報
本発明の目的は、結晶性を有するフッ素樹脂と超臨界二酸化炭素を含む媒体とを接触させ、該フッ素樹脂中の不純物を抽出し除去するフッ素樹脂の精製方法、および該方法で精製されたフッ素樹脂を提供することである。
本発明は、結晶性を有するフッ素樹脂と超臨界二酸化炭素、およびCF CF CHCl 、CF ClCF CHClF、CF CHFCHFCF CF 、CF CH OCF CF H、CF CF CF CF OCH およびCF CFHCF OCH CH からなる群から選ばれる1種の含フッ素系溶媒を含む媒体とを接触させ、該フッ素樹脂中の不純物を抽出し除去することを特徴とするフッ素樹脂の精製方法を提供する。
また本発明は、結晶性を有するフッ素樹脂を充填した容器に超臨界二酸化炭素、およびCF CF CHCl 、CF ClCF CHClF、CF CHFCHFCF CF 、CF CH OCF CF H、CF CF CF CF OCH およびCF CFHCF OCH CH からなる群から選ばれる1種の含フッ素系溶媒を含む媒体を連続的に供給する工程、該フッ素樹脂と該媒体とを接触させ該フッ素樹脂中の不純物を抽出する工程、該不純物を含む該媒体を該容器から回収器へ連続的に抜き出し、該回収器で該不純物を含む該媒体を冷却および/または減圧して液体または気体とすることにより、該媒体から該不純物を分離し除去する工程からなることを特徴とするフッ素樹脂の精製方法を提供する。
超臨界二酸化炭素/含フッ素系溶媒の質量比は0.6〜20であることが好ましい。
さらに本発明は、該精製方法により精製されてなる結晶性を有するフッ素樹脂を提供する。
本発明の精製方法によれば、不純物含有量の著しく少ない結晶性を有するフッ素樹脂が得られる。特に超臨界二酸化炭素はフッ素原子含有化合物との親和性に優れることから、該樹脂中のフッ素原子を含有する不純物を、効果的に抽出し除去できる。
本発明におけるフッ素樹脂は、結晶性を有するフッ素樹脂である。結晶性を有するフッ素樹脂としては、結晶化度が20%以上が好ましく、結晶化度が30%以上がより好ましい。該樹脂としては、特に限定されず、1種のフッ素系モノマーを重合した単独重合体、2種以上のフッ素系モノマーを共重合した共重合体、またはフッ素系モノマーと非フッ素系モノマーとを共重合させた共重合体等が挙げられる。不純物を効果的に抽出し除去できることから、フッ素系モノマーと非フッ素系モノマーとを共重合させた共重合体が好ましい。
フッ素系モノマーの具体例としては、テトラフルオロエチレン(以下、TFEという。)、ヘキサフルオロプロピレン(以下、HFPという。)等のパーフルオロオレフィン類、パーフルオロ(メチルビニルエーテル)、パーフルオロ(エチルビニルエーテル)、パーフルオロ(プロピルビニルエーテル)(以下、PPVEという。)等のパーフルオロ(アルキルビニルエーテル)類、ビニリデンフルオライド(以下、VdFという。)、トリフルオロエチレン、フッ化ビニル等の水素原子含有フルオロオレフィン類、CH=CH−R(ただし、Rは炭素数1〜8のポリフルオロアルキル基を示す。)で表される(パーフルオロアルキル)エチレン等のポリフルオロアルキルエチレン類、クロロトリフルオロエチレン等のクロロフルオロオレフィン類等が挙げられる。
非フッ素系モノマーの具体例としては、エチレン、プロピレン、ブテン等の炭化水素系オレフィン類、エチルビニルエーテル等のビニルエーテル類、酢酸ビニル、ピバル酸ビニル等のビニルエステル類等が挙げられる。
結晶性を有するフッ素樹脂の具体例としては、ポリテトラフルオロエチレン、TFE/HFP共重合体(以下、FEPという。)、TFE/PPVE共重合体(以下、PFAという。)、ポリフッ化ビニリデン(以下、PVdFという。)、TFE/エチレン共重合体(以下、ETFEという。)、TFE/HFP/VdF共重合体(以下、THVという。)等が挙げられ、ETFE、PFA、PVdF、THVが好ましく、ETFEが特に好ましい。該ETFEとしては、TFEに基づく重合単位/エチレンに基づく重合単位のモル比は、30/70〜70/30が好ましく、45/55〜65/35がより好ましく、50/50〜65/35が最も好ましい。
該ETFEとしては、TFEおよびエチレンに加えて、その他のモノマーの少量を共重合させるのが好ましい。その他のモノマーとしてはVdF、ポリフルオロアルキルエチレン、PPVE、プロピレン、ブテン、酢酸ビニル、ピバル酸ビニル等が挙げられる。その他のモノマーとしてはヘキサフルオロプロピレン、ポリフルオルオロアルキルエチレン、PPVEが好ましく、ポリフルオロアルキルエチレンがより好ましい。
その他のモノマーに基づく重合単位の含有量は、ETFE中の全重合単位に対して0.01〜10モル%が好ましく、0.1〜7モル%がより好ましく、0.5〜5モル%が最も好ましい。
また、結晶性を有するフッ素樹脂の形状は、特に限定されず、粉体、ビーズ、ペレット等の成形原料、繊維、フィルム等の成形物等が挙げられる。
本発明における媒体は、超臨界二酸化炭素を含む媒体である。ここで、超臨界二酸化炭素とは、二酸化炭素の臨界点(臨界温度31.1℃および臨界圧力7.31MPa)を超える温度および圧力下にある流体をいう。
該媒体は、実質的に超臨界二酸化炭素であることが好ましい。また、該媒体は超臨界二酸化炭素に加えて、さらに含フッ素系溶媒および/または炭化水素系溶媒(以下、エントレーナーという。)を含むことが好ましい。フッ素系溶媒は特に限定されず、具体例としては、CFCFCHCl、CFClCFCHClF、CFC1CFCl、CFCHFCHFCFCF、CFCHOCFCFH、CFCFCFCFOCH、CFCFHCFOCHCH等が挙げられる。炭化水素系溶媒は特に限定されず、具体例としては、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ジメチルエーテル等が挙げられる。
エントレーナーを併用する場合、超臨界二酸化炭素/エントレーナーの質量比は1〜20が好ましく、4〜13がより好ましい。質量比が1未満では、エントレーナーの使用量が増大して経済的に不利である。また質量比が20超以上では、フッ素樹脂中の不純物の抽出率が充分でない場合がある。
該媒体の温度および圧力は、二酸化炭素の臨界温度および臨界圧力を超えていれば、特に限定されない。すなわち、該媒体の圧力は7.31MPa以上であれば特に限定されず、10〜90MPa以上が好ましく、20〜90MPaがより好ましい。該媒体の温度は31.1℃〜結晶性を有するフッ素樹脂の融点の範囲が好ましく、40℃〜結晶性を有するフッ素樹脂の融点の範囲がより好ましく、40℃〜(結晶性を有するフッ素樹脂の融点−25℃)の範囲が最も好ましい。該範囲にあると、不純物の抽出効率が高く、フッ素樹脂の容器への付着も少ない。結晶性を有するフッ素樹脂がETFEの場合は、40℃〜200℃が好ましく、60℃〜120℃がより好ましい。また、ETFEを用いる場合は、媒体の温度および圧力は、それぞれ60〜120℃および20〜90MPaが最も好ましい。
本発明において超臨界二酸化炭素の使用量は、フッ素樹脂の使用量に対する質量比で10以上が好ましく、15〜200がより好ましい。10未満では、不純物が充分に抽出されない。200超以上では、容器の容積効率が低く経済的に不利である。超臨界二酸化炭素は、図1または図2に記載の装置1または装置2等を用いて循環して使用することが好ましい。
本発明において、フッ素樹脂が充填された容器に超臨界二酸化炭素を含む媒体を連続的に供給する工程、フッ素樹脂と該媒体とを接触させ該フッ素樹脂中の不純物を抽出する工程、該不純物を含む該媒体を該容器から回収器へ連続的に抜き出し、該回収器で該媒体を冷却および/または減圧して液体または気体とすることにより、該媒体から該不純物を分離し除去する工程に用いる装置は、特に限定されない。図1〜3に記載のフロー概略図で示される装置等が挙げられるが、本発明はこれらに限定されない。
図1に記載の装置(以下、装置1という。)は、フッ素樹脂から不純物を超臨界二酸化炭素で抽出し、ついで超臨界二酸化炭素を冷却により脱超臨界状態とし不純物を分離する装置である。以下に、装置1の操作手順を記述する。
容器1にフッ素樹脂を充填する。液体二酸化炭素タンク7より昇圧送液ポンプ5で供給した所定量の液体二酸化炭素を、加熱器2で所定温度に加熱して超臨界状態とする。ついで該超臨界二酸化炭素を、容器1中に導入してフッ素樹脂と接触させる。容器1内で不純物を抽出した超臨界二酸化炭素は、回収器3に送られ冷却器4で冷却し液体二酸化炭素にする。このとき、不純物は析出して分離される。ついで液体二酸化炭素は、循環ポンプ6で送液量を調整されて容器1内へ循環する。析出した不純物は、回収器3内に蓄積される。
つぎに、図2で表される装置(以下、装置2という。)の操作に関して記述する。容器1にフッ素樹脂を充填する。液体二酸化炭素タンク7より昇圧送液ポンプ5で供給した所定量の液体二酸化炭素を、加熱器2で所定温度に加熱して超臨界状態とする。ついで該超臨界二酸化炭素を、容器1に導入してフッ素樹脂と接触させる。容器1内で不純物を抽出した超臨界二酸化炭素は、圧力調整弁8により降圧して二酸化炭素ガスとなる。該二酸化炭素ガスは回収器3に送られ、二酸化炭素ガスと不純物は分離される。二酸化炭素ガスは、凝縮器9で冷却液化されて二酸化炭素循環ポンプ6へ送られ循環使用される。
図3で表される装置(以下、装置3という。)は、超臨界二酸化炭素およびエントレーナーを媒体として使用する装置である。液体二酸化炭素およびエントレーナーは、液体二酸化炭素タンク7およびエントレーナータンク10より昇圧送液ポンプ5で、所定量が連続的に供給される。液体二酸化炭素およびエントレーナーは加熱器2で適正温度に加温され、超臨界状態として容器1へ導入する。容器1内で不純物を抽出した超臨界二酸化炭素は、圧力調整弁8により降圧して二酸化炭素ガスとなる。該二酸化炭素ガスおよびエントレーナーは回収器3に送られ、二酸化炭素ガスおよびエントレーナーと不純物とは分離される。二酸化炭素ガスおよびエントレーナーは、抽出系C外へ放出される。
本発明における不純物は、重量平均分子量(以下、Mという。)が50000以下であることが好ましく、10000以下であることがより好ましい。該不純物としては、重合開始剤、乳化剤、重合媒体、重合媒体中の異物等の重合体製造に用いる物質やフッ素系低重合体等が挙げられる。
以下に、実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明はこれらによって限定されない。なお、不純物のMおよび精製率は、以下の方法により測定した。
[Mの測定]ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより測定した。具体的には、移動相としてCFClCFCFHClとCFCHOHCFとの混合液(体積比99:1)を用い、カラムとしてポリマーラボラトリーズ社製のPLgel 5μm MIXED−C(内径7.5mm、長さ30cm)を2本とおよびPLgelGUARDを1本とを、直列に連結して用いた。装置としてHLC−8020(東ソー社製)を用い、移動相の流速は1.0mL/min、カラム温度を37℃で、ポリメチルメタクリレート換算分子量としてMを求めた。
[抽出率(%)]回収した不純物量を充填したフッ素樹脂量に対する質量%で表わし、抽出率とした。
[フッ素原子含有不純物の転写量の測定方法]フッ素原子含有不純物の転写量(以下、フッ素転写量という。)の測定は、国際公開98/44026号パンフレットに記載の方法に従った。厚さ25μmのETFEフィルムを、アルミニウム薄板に100℃、面圧2.06MPa(21kgf/cm)の条件で10分熱プレスし、室温に冷却してから剥離した。アルミニウム薄板表面をESCA法により分析した。表面の組成分析値より、アルミニウム原子量に対するフッ素原子量の比(フッ素原子量[atomic%]/アルミニウム原子量[atomic%])をフッ素原子量と定義した。
[製造例1]
結晶性を有するフッ素樹脂として、特開平6−157616号公報に記載される方法により、TFEに基づく重合単位/エチレンに基づく重合単位/CH=CHCに基づく重合単位が、モル比で58/39/3の共重合組成であるETFEを製造した。該ETFEの結晶化度は43%である。つぎに、該ETFEを特開平6−306179号公報に記載される方法により造粒して、融点が225℃のETFE造粒物を得た。
比較例1]
装置1を使用した。製造例1で得た1002.5gのETFE造粒物を容器1(内容積4L)に充填した。液体二酸化炭素タンク7から昇圧ポンプ5を用いて液体二酸化炭素を抽出系Aへ供給した。抽出系A内を循環する二酸化炭素は、加熱器2で80℃に加熱し、容器1に送られた。容器1内の圧力は40MPa、および温度は80℃であり、容器1で二酸化炭素は超臨界状態であった。超臨界二酸化炭素は、容器1より回収器3へ送られ回収器3に備え付けた冷却器4で、25℃に冷却し液体二酸化炭素とした。該液体二酸化炭素は循環ポンプ6を経由して、再び加熱器2へ送られ抽出系A内を循環した。循環ポンプ6で抽出系A内を循環する二酸化炭素の流量を85.3mL/minに調整して、該循環を5.5時間継続した。充填したフッ素樹脂に対する二酸化炭素の質量比は39.9であった。
つぎに、循環を停止し回収器3を開放して大気圧としてから、回収器3を装置からはずした。回収器3内を1Lのジクロロペンタフルオロプロパン(旭硝子製、以下、AK225という。)を用いて洗浄した。洗浄液をビーカーに回収し、乾燥気化させ固形の不純物の5.8gを回収した。抽出率は0.58%であった。不純物のMは7300であった。また赤外吸収スペクトルを測定した結果、1000〜1500cm−1にフッ素原子含有化合物に特徴的な吸収を示したことから不純物はフッ素原子を含有することが分かった。フッ素転写量は0.6である。
[比較例
製造例1で得たETFE造粒物を成型して得られるフィルムのフッ素転写量を測定した結果、237.0である。
比較
装置1を使用した。製造例1で得た3.2gのETFE造粒物を容器1(内容積5.9mL)に充填した。液体二酸化炭素タンク7から昇圧ポンプ5を用いて液体二酸化炭素を抽出系Aへ供給した。抽出系Aを循環する二酸化炭素は、加熱器2で80℃に加熱し、容器1に送られた。容器1内の圧力は70MPa、および温度は80℃であり、容器1で二酸化炭素は超臨界状態であった。超臨界二酸化炭素は、容器1より回収器3へ送られ回収器3に備え付けた冷却器4で、10℃に冷却し液体二酸化炭素とした。該液体二酸化炭素は循環ポンプ6を経由して、再び加熱器2へ送られ抽出系Aを循環した。循環ポンプ6で抽出系Aを循環する二酸化炭素の流量を4mL/minに調整して、該循環を1.5時間継続した。充填したフッ素樹脂に対する二酸化炭素の質量比は109.8であった。
つぎに、循環を停止し回収器3を開放して大気圧としてから、回収器3を装置からはずした。回収器3内を50mLのAK225を用いて洗浄した。洗浄液をビーカーに回収し乾燥気化させ、0.069gの固形の不純物を得た。ETFE造粒物の抽出率は、2.2%であった。不純物のMは7500である。また赤外吸収スペクトルにより、フッ素原子を含有することが分かった。
[実施例
装置3を使用した。製造例1で得たETFE造粒物の18.5gを容器1に充填した。液体二酸化炭素タンク7より液体二酸化炭素を流速2mL/min、およびエントレーナータンク10よりエントレーナーとしてAK225を流速2mL/minとを供給した。供給される液体二酸化炭素とAK225の混合液は、加熱器2で80℃に加熱すると、圧力30MPaを示し、二酸化炭素は超臨界状態となった。該超臨界二酸化炭素およびエントレーナーを容器1にそれぞれ2mL/minの流量で連続的に3時間導入した。つぎに、送液を停止して、回収器3を装置からはずして、回収器3内を50mLのAK225を用いて洗浄した。洗浄に用いたAK225をビーカーに回収して、含フッ素系溶媒を乾燥気化させ、0.12gの固形の不純物を得た。ETFE造粒物の抽出率は、0.65%であった。
前記ETFE以外にもPFP、PFA、およびTHVに関しても、前記と同様の方法により精製することができる。
本発明の精製方法によれば、フッ素樹脂中の不純物が効果的に抽出される。本精製方法により製造されたフッ素樹脂は、不純物含有量が著しく少ないことから電子部品、特にフッ素原子含有不純物の転写が問題となる用途に適する。
装置1のフロー概略図。 装置2のフロー概略図。 装置3のフロー概略図。
符号の説明
1:容器
2:加熱器
3:回収器
4:冷却器
5:昇圧送液ポンプ
6:循環ポンプ
7:液体二酸化炭素タンク
8:圧力調節弁
9:凝縮器
10:エントレーナータンク
11:昇圧送液ポンプ
A:抽出系A
B:抽出系B
C:抽出系C

Claims (7)

  1. 結晶性を有するフッ素樹脂と超臨界二酸化炭素、およびCF CF CHCl 、CF ClCF CHClF、CF CHFCHFCF CF 、CF CH OCF CF H、CF CF CF CF OCH およびCF CFHCF OCH CH からなる群から選ばれる1種の含フッ素系溶媒を含む媒体とを接触させ、該フッ素樹脂中の不純物を抽出し除去することを特徴とするフッ素樹脂の精製方法。
  2. 結晶性を有するフッ素樹脂を充填した容器に超臨界二酸化炭素、およびCF CF CHCl 、CF ClCF CHClF、CF CHFCHFCF CF 、CF CH OCF CF H、CF CF CF CF OCH およびCF CFHCF OCH CH からなる群から選ばれる1種の含フッ素系溶媒を含む媒体を連続的に供給する工程、該フッ素樹脂と該媒体とを接触させ該フッ素樹脂中の不純物を抽出する工程、該不純物を含む該媒体を該容器から回収器へ連続的に抜き出し、該回収器で該不純物を含む該媒体を冷却および/または減圧して液体または気体とすることにより、該媒体から該不純物を分離し除去する工程からなることを特徴とするフッ素樹脂の精製方法。
  3. 超臨界二酸化炭素/含フッ素系溶媒の質量比が0.6〜20である請求項1または2に記載のフッ素樹脂の精製方法。
  4. 前記含フッ素系溶媒が、CF CF CHCl および/またはCF ClCF CHClFである請求項1〜3のいずれかに記載のフッ素樹脂の精製方法。
  5. 前記媒体の圧力が10MPa以上であり、温度が40〜200℃である請求項1〜4のいずれかに記載のフッ素樹脂の精製方法。
  6. 前記フッ素樹脂がエチレン/テトラフルオロエチレン共重合体である請求項1〜5のいずれかに記載のフッ素樹脂の精製方法。
  7. 請求項1〜6のいずれかの精製方法により精製されてなる前記フッ素樹脂。
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