JP4120512B2 - 内燃機関の可変圧縮比機構及びそのピストン位置較正方法 - Google Patents

内燃機関の可変圧縮比機構及びそのピストン位置較正方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、往復動ピストンを有する内燃機関の可変圧縮比機構及びそのピストン位置較正方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
過給機付きの内燃機関では、出力が要求される高負荷時に過給機を作動させる。この過給時には吸入空気量及び圧力が高くなるのでノッキングが発生しやすい。そこで、吸入空気を過給する高負荷運転時には圧縮比を低くすることでノッキングの発生を防止するとともに、吸入空気を過給しない低中負荷運転時には圧縮比を高くすることで燃費の向上を図ろうとする内燃機関(複リンク式ピストンストローク機構)に関する技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
この複リンク式ピストンストローク機構は、アッパリンクとロアリンクとからなる複リンクを介して、ピストンピン及びクランクピンを接続するとともに、このロアリンクにコントロールリンクを連結している。そして、運転状態に応じてコントロールリンクを制御してロアリンクの傾斜を変更することでピストンの上死点位置をコントロールして可変圧縮比機構を実現しようとするものである。
【0004】
【特許文献1】
特開2001−227367号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、前述した可変圧縮比機構は構成部品の点数が多く、構造も複雑であるので、機関ごとの圧縮比バラツキが発生しやすく、品質が安定しないおそれがある。また、各シリンダごとに圧縮比がバラつくおそれもあり、このようなバラツキがあっては各気筒間の燃焼圧力が不均一になりスムーズな運転ができなくなるおそれがある。
【0006】
本発明は、このような従来の問題点に着目してなされたものであり、ピストン位置を簡単に調整することができるとともに、その位置が狂うことのない内燃機関の可変圧縮比機構及びそのピストン位置較正方法を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、以下のような解決手段により、前記課題を解決する。なお、理解を容易にするために、本発明の実施形態に対応する符号を付するが、これに限定されるものではない。
【0008】
本発明は、シリンダ内を往復動するピストン(22)と、前記ピストンに第1連結ピン(24)を介して連結される第1リンク(11)と、クランクシャフト(21)のクランクピン(21b)に回転自由に装着されるとともに、前記第1リンクに第2連結ピン(25)を介して連結される第2リンク(12)と、前記第2リンクに第3連結ピン(26)を介して連結される第3リンク(13)と、回転自在であって、回転中心に対して偏心した偏心軸部(14a)を有し、その偏心軸部が揺動中心となるように前記第3リンクを連結し、回転中心周りに回転して前記偏心軸部の位置を変更して第3リンクの揺動中心位置をコントロールするコントロールシャフト(14)と、機関運転状態に応じて前記コントロールシャフトを回転して機関圧縮比を変更するアクチュエータ(40)とを備え、前記コントロールシャフト(14)は、機関圧縮比が低圧縮比のときは前記偏心軸部(14a)を前記回転中心の上方に配置し、機関圧縮比が高圧縮比のときは前記偏心軸部(14a)を前記回転中心の側方に配置して、前記コントロールシャフト(14)の回転量に対する機関圧縮比の変化量が、低圧縮比のときよりも高圧縮比のときに大きくなるようにしたことを特徴とする。
【0009】
【作用・効果】
本発明によれば、コントロールシャフトを回転することで第3リンクの揺動中心位置をコントロールするようにした。このようにすることで、可変圧縮比機構のリンク位置を移動させることができ、機関圧縮比を変更することが可能である。このことによりピストン上死点位置を変更することができるので、機関ごとのピストン位置を簡単に調整可能であり、圧縮比を安定させることができる。また、特にコントロールシャフトを回転するアクチュエータに、作動部分に当接して作動範囲を規制するストッパを設けたので、機関運転中に圧縮比バラツキを生じて調整した位置が狂うことがない。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、図面等を参照して本発明の実施の形態についてさらに詳しく説明する。(第1実施形態)
図1は本発明による内燃機関の可変圧縮比機構を示す図であり、図1(A)は正面図、図1(B)は側面図である。
【0011】
最初に、これらの図面を参照して可変圧縮比機構の構造及び作動について説明する。
【0012】
本発明の可変圧縮比機構の内燃機関は、例えば直列4気筒の火花点火式ガソリン機関である。
【0013】
クランクシャフト21は、複数のジャーナル21aとクランクピン21bとを備えている。クランクシャフト21は、ジャーナル21aを中心軸として回転する。クランクピン21bは、ジャーナル21aから所定量偏心しており、ここにロアリンク(第2リンク)12が回転自在に連結している。ロアリンク12は略中央の連結孔にクランクピン21bを挿入し、クランクピン21bを中心軸として回転する。ロアリンク12は、一端にアッパリンク(第1リンク)11を連結し、他端にコントロールリンク(第3リンク)13を連結する。
【0014】
アッパリンク11は、下端側を連結ピン25によりロアリンク12の一端に回動可能に連結し、上端側をピストンピン24によりピストン22に回動可能に連結している。ピストン22は、燃焼圧力を受け、シリンダブロック31のシリンダ31a内を往復動する。
【0015】
コントロールリンク13は、ロッド部13a及びキャップ部13bの二体構造になっている。ロッド部13aの先端のボス部には連結ピン26を挿入し、ロアリンク12に回動可能に連結されている。またロッド部13a及びキャップ部13bの接面部分にコントロールシャフト14を挿入し、このコントロールシャフト14を中心として揺動する。
【0016】
コントロールシャフト14は、図1(B)に示すように、気筒列方向に沿ってクランクシャフト21と平行に配置されている。コントロールシャフト14は、回転中心からオフセットした偏心軸部14aに、各気筒のコントロールリンク13をそれぞれ連結している。
【0017】
コントロールシャフト14の一端にはコントロールプレート14bが設けられている。コントロールプレート14bには径方向に延びるスリット14cが形成されている。コントロールシャフト14は回転自由に支持されており、コントロールプレート14bに連結されたアクチュエータ40によって回転させられる。コントロールシャフト14を回転することによって圧縮比を変更することができる。詳細については後述する。
【0018】
図2はアクチュエータの構成を示す図である。
【0019】
コントロールプレート14bに形成されているスリット14cは、コントロールシャフト14の回転中心を挟んで、コントロールリンク13を連結する偏心軸部14aの反対方向に延びるように形成されている。この径方向スリット14cには、アクチュエータ40の往復子41の先端に設けられたピン42がスライド可能に挿通している。この往復子41の基端部に形成された雄ネジ部41aに、円筒状の回転子43の雌ネジ部43aが噛合している。この回転子43の一端にはドリブンギヤ46が固定されている。このドリブンギヤ46は、ドライブピニオン47を介してモータ48によって駆動される。また、モータ48には回転角センサ49が取り付けられており、この回転角センサ49によりモータ48の実回転角度が検出される。この実回転角度をコントロールユニット7にフィードバックすることでモータ48の回転角度を正確に制御する。
【0020】
図3は本発明の制御システムの構成を示す図である。
【0021】
この内燃機関は、可変圧縮比機構1と、ノッキングを検出するノックセンサ4の検出信号に基づいて微弱なノッキング状態となるように点火時期を制御する点火進角制御装置3と、可変圧縮比機構1及び点火進角制御装置3を制御するコントロールユニット7と、を備えている。
【0022】
コントロールユニット7は、機関回転速度、負荷、吸入負圧、排気温度などの機関運転条件に基づいて目標圧縮比を決定し、その圧縮比が実現できるようにアクチュエータ40を制御する。
【0023】
以上の構成により、コントロールユニット7はアクチュエータ40のモータ48を駆動する。すると、その回転がドライブピニオン47→ドリブンギヤ46を介して回転子43に伝達する。回転子43が回転すると、ネジ部43a,41aを介して噛合する往復子41が自身の軸方向に移動する。そして、スリット14c内のピン42のスライド動作を伴ってコントロールシャフト14が回転する。これにより、コントロールリンク13の揺動中心となる偏心軸部14aの中心位置が変化して、アッパリンク11やロアリンク12の姿勢が変化し、機関圧縮比が変化する。
【0024】
図4は本発明による可変圧縮比機構の内燃機関のリンク位置を示す図であり、図4(A)は低圧縮比のとき、図4(B)は高圧縮比のときを示す。
【0025】
圧縮比を低圧縮比に制御するときは、図4(A)に示すようにコントロールシャフト14を回転して偏心軸部14aによってコントロールリンク13を上方向へ押し上げる。すると、ロアリンク12が反時計回りに移動し、連結ピン25が引き下げられるので、ピストン上死点(TDC)におけるピストン22の位置が下降する。このようにして圧縮比を低圧縮比に制御する。そして、圧縮比を高圧縮比に制御するときは、図4(B)に示すようにコントロールシャフト14を回転して偏心軸部14aによってコントロールリンク13を下方向へ引き下げる。すると、ロアリンク12が時計回りに移動し、連結ピン25が押し上げられるので、ピストン上死点(TDC)におけるピストン22の位置が上昇する。このようにして圧縮比を高圧縮比に制御する。
【0026】
なお、図4(A)(B)は、低圧縮比状態と高圧縮比状態とを代表的に示しているが、これらの間で圧縮比を連続的に変化させることができる。
【0027】
図5は、本機構のコントロールシャフトを回転させた場合の圧縮比の変化特性を示す図である。
【0028】
この図5より以下が分かる。すなわち、アクチュエータを作動して径方向スリット14cが鉛直軸となす角θを0度から増やすにつれて機関圧縮比が増大する。この圧縮比の変化量(増大量)はθが大きくなるほど増えている、すなわちθが大きくなるほど、機関圧縮比が大きくなり、その変化感度が増大している。
【0029】
この理由は、θが小さい(機関圧縮比が低圧縮比)ときは、コントロールシャフト14の偏心軸部14aが上方に位置するので、コントロールプレート14bを回転した場合に、偏心軸部14a(すなわちコントロールリンク13の揺動中心)は左右方向には移動するものの上下方向への移動量は少なく、したがって、ピストンの上死点位置の変化量は少ない。一方、θが大きくなると(機関圧縮比が高圧縮比;図5(B)参照)ときは、コントロールシャフト14の偏心軸部14aが側方に位置するので、コントロールプレート14bを回転した場合に、偏心軸部14a(すなわちコントロールリンク13の揺動中心)の上下方向への移動量が大きくなり、したがって、ピストンの上死点位置の変化量が大きくなるからである。
【0030】
機関圧縮比が高くなるほど運転性能に影響を及ぼしやすいのであるが、本実施形態では、上述したようにθを大きくして機関圧縮比が大きくなるほど、その変化感度が増大する特性にしたので、高圧縮比になるほど、圧縮比の微調整を行いやすくしているのである。
【0031】
図6は、アクチュエータの往復子に当接してその移動を規制するストッパ構造を示す図ある。
【0032】
ストッパネジ44は外周にネジ部44aを有し、そのネジ部44aを回転子43のネジ部43aに螺合している。また、ストッパネジ44の外周ネジ部には、ロックナット45が螺合している。このような構成になっているので、ロックナット45を締め上げることでストッパネジ44の位置を固定することができる。
【0033】
往復子41の移動をこのストッパネジ44で規制することで、ピストンの位置が最上位置よりも上に位置してしまうことを確実に防止することができる。
【0034】
また、このような調整機構をシリンダブロックスカート下部から外へ突出するように構成することで、調整作業を容易に行うことができる。またエンジン生産後の調整も容易に行うことができる。
【0035】
図7は、コントロールリンクのコントロールシャフト付近を拡大した断面図である。
【0036】
コントロールリンク13は下部にキャップ部13bを有し、そのキャップ部13bをキャップボルト19でロッド部13aに締結している。
【0037】
キャップ部13bには、少なくとも一部分にネジ溝13cが形成されたボルト穴が設けられており、そのボルト穴に調整ボルト17を螺合している。
【0038】
調整ボルト17には、ネジ山が形成されており、その先端にロックナット18が取り付けられている。また、調整ボルト17の他端側には溝部17aが形成されている。
【0039】
また、コントロールリンク13には、偏心スリーブ16U及び偏心スリーブ16Lよりなる偏心スリーブ軸受16が設けられており、この偏心スリーブ軸受16にコントロールシャフト14(偏心軸部14a)が回転自由に挿入している。この偏心スリーブ軸受16を回転させることで偏心量の微調整を行うことが可能であり、コントロールリンク13の長さ(連結ピン26〜コントロールリンク13の揺動中心間の距離)を微調整可能である。
【0040】
偏心スリーブ16Lの外周部には溝部16aが形成されている。この溝部16a及び調整ボルト17の溝部17aに跨ってピン27が装着されている。
【0041】
このような構造になっているので、調整ボルト17を前進後退させると、その力がピン27を介して偏心スリーブ16Lに伝達する。この力によって偏心スリーブ16L(偏心スリーブ軸受16)が回転するので、偏心量を調節することができ、コントロールリンク13の長さ(連結ピン26〜コントロールリンク13の揺動中心間の距離)を微調整することができる。
【0042】
図8はΔθ調整による圧縮比の微調整(バラツキ調整)について示す図である。
【0043】
上述のような機構によって取り付け角Δθを回転調整すると、気筒間の圧縮比は図8のように変化する。なお、Δθは図7に示すように、コントロールシャフトの軸線及び調整ボルトの軸線に直交する線(基準線)に対するピン27の回転角度である。
【0044】
この図8のように気筒間の圧縮比が変化するので、特定の気筒を基準としてピストン位置を調整した後、他の気筒については、この微調整機構を調整することによって、目標とする範囲に圧縮比のバラツキを抑えることが可能となり、気筒間の圧縮比バラツキを減らすことができる。調整ボルト17は内燃機関の下部に配置されるのであるが、この位置は調整作業をする上でも最も容易な位置である。
【0045】
(ピストン位置較正方法)
図9、図10はピストン位置の較正方法を示す図であり、図9は機関全体を示し、図10はピストン付近を拡大して示す。
【0046】
上述した構造で以下のようにピストン位置の較正を行う。
【0047】
はじめに、クランクシャフト21を回転してジャーナル21aの真上にクランクピン21bを位置させる(クランクシャフト位置決め工程)。
【0048】
次に、クランクシャフト21の位置を保持したまま、アクチュエータをゆっくりと作動させてコントロールシャフト14を回転し、ピストン22の冠面をシリンダヘッド32に当接させる(図9(A)、図10(A);ピストン当接工程)。
【0049】
続いて、アクチュエータを逆方向に所定量作動させてコントロールシャフト14を逆回転し、ピストン上死点位置(最高圧縮比状態のピストン上死点位置)を調整する(図9(B)、図10(B);ピストン上死点位置調整工程)。なお、この作動量は、例えば、図5(A)のように回転量と圧縮比との関係があらかじめ求められているので、それにしたがって所望の圧縮比を実現できるようにアクチュエータを作動させればよい。
【0050】
そして、回転子43にストッパネジ44をネジ込んで、そのストッパネジ44を往復子41の端面に当接させてから、ロックナット45を締め上げる(作動範囲規制工程)。
【0051】
その後、そのピストン(基準ピストン)以外のピストンの上死点位置の微調整を行う。まず2本のキャップボルト19を規定のトルクまで緩め、偏心スリーブ16U、16Lが回動可能な状態にする。その後、ロックナット18を緩め、調整ボルト17を予め計算された修正量分回転させて、偏心スリーブ16U、16Lを回転させる。このとき、偏心スリーブ16U、16Lはキャップ部13bに軽く締められている状態であるので、この調整をスムーズに行なうことができる。この後、キャップボルト19を再び締め上げ、ロックナット18も締め上げることで微調整が完了する(ピストン位置微調整工程)。
【0052】
本実施形態によれば、はじめに、クランクシャフト21を回転してジャーナル21aの真上にクランクピン21bを位置させ、次にクランクシャフト21の位置を保持したままアクチュエータ40をゆっくりと作動させてコントロールシャフト14を回転し、ピストン22の冠面をシリンダヘッド32に当接させてから、続いてアクチュエータ40を逆方向に所定量作動させてコントロールシャフト14を逆回転して、ピストン上死点位置(最高圧縮比状態のピストン上死点位置)を調整するようにした。このようにすればピストンをシリンダヘッドに当接してから僅かにピストンを移動させるだけでピストン上死点位置を調整可能であるので、複雑な位置決め機構を設けなくても、正確にピストン位置を決めることができる。
【0053】
また、アクチュエータ40には往復子41の可動位置を規制するストッパ44を設けたので、ピストンの最上位置が上方に上がってしまって最高圧縮比が変わってしまうことを確実に防止することができる。
【0054】
さらに、図5に示すようにθを大きくして機関圧縮比が大きくなるほど、その変化感度が増大する特性にしたので、運転性能に影響を及ぼしやすい機関圧縮比が高い状態での圧縮比の微調整を行いやすくなっている。
【0055】
さらにまた、コントロールリンク13に、偏心スリーブ16U及び偏心スリーブ16Lよりなる偏心スリーブ軸受16が設け、この偏心スリーブ軸受16を回転させることで偏心量の微調整を行うことを可能にしたので、各気筒間の圧縮比バラツキを低減することができ、各気筒間の燃焼圧力を均一化することができ、一層スムーズな運転を行うことができる。
【0056】
また、ロアリンク12において、クランクピン21bの中心〜連結ピン25の中心間距離よりも、クランクピン21bの中心〜連結ピン26の中心間距離を長くすれば、コントロールリンク13の偏心量調整距離よりもピストン冠面位置の変化が小さくなる。したがって、ピストン位置の調整を一層高精度に行うことができるのである。
【0057】
(第2実施形態)
図11は、ピストン位置の較正方法の第2実施形態を示す図である。なお前述した第1実施形態と同様の機能を果たす部分には同一の符号を付して重複する説明を省略する。
【0058】
上記第1実施形態では、ピストン22の冠面をシリンダヘッド32に当接させた後、アクチュエータを所定量作動させることでピストン上死点位置を決めたが、本実施形態では、シリンダヘッド32の点火栓位置に位置検出センサ5を装着し、そのセンサ5でピストン22の位置を検出しながらピストン22の上死点位置を決定する。
【0059】
このようにすれば、一層正確にピストン上死点位置を適正な位置にすることができるのである。
【0060】
以上説明した実施形態に限定されることなく、その技術的思想の範囲内において種々の変形や変更が可能であり、それらも本発明と均等であることは明白である。
【0061】
例えば、上記第1実施形態では、コントロールリンク13に、偏心スリーブ16U及び偏心スリーブ16Lよりなる偏心スリーブ軸受16が設け、この偏心スリーブ軸受16を回転させることで偏心量の微調整を行うことを可能にしているが、このような機構ではなく、偏心量の異なる数種類の偏心スリーブを用意しておき、その中から適宜選択して組み替えるオフセット選択調整式としてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による内燃機関の可変圧縮比機構を示す図である。
【図2】アクチュエータの構成を示す図である。
【図3】本発明の制御システムの構成を示す図である。
【図4】本発明による可変圧縮比機構の内燃機関のリンク位置を示す図である。
【図5】本機構のコントロールシャフトを回転させた場合の圧縮比の変化特性を示す図である。
【図6】アクチュエータの往復子に当接してその移動を規制するストッパ構造を示す図ある。
【図7】コントロールリンクのコントロールシャフト付近を拡大した断面図である。
【図8】Δθ調整による圧縮比の微調整(バラツキ調整)について示す図である。
【図9】ピストン位置の較正方法を示す機関全体図である。
【図10】ピストン位置の較正方法を示すピストン付近の拡大図である。
【図11】ピストン位置の較正方法の第2実施形態を示す図である。
【符号の説明】
1 可変圧縮比機構
5 位置検出センサ
7 コントロールユニット
11 アッパリンク(第1リンク)
12 ロアリンク(第2リンク)
13 コントロールリンク(第3リンク)
13a ロッド部
13b キャップ部
14 コントロールシャフト
14a 偏心軸部
14b コントロールプレート
14c スリット
16 偏心スリーブ軸受
17 調整ボルト
18 ロックナット
19 キャップボルト
21 クランクシャフト
21a ジャーナル
21b クランクピン
22 ピストン
24 ピストンピン(第1連結ピン)
25 連結ピン(第2連結ピン)
26 連結ピン(第3連結ピン)
27 ピン
32 シリンダヘッド
40 アクチュエータ
41 往復子
41a 雄ネジ部
42 ピン
43 回転子
43a 雌ネジ部
44 ストッパネジ
45 ロックナット
46 ドリブンギヤ
47 ドライブピニオン
48 モータ
49 回転角センサ

Claims (9)

  1. シリンダ内を往復動するピストンと、
    前記ピストンに第1連結ピンを介して連結される第1リンクと、
    クランクシャフトのクランクピンに回転自由に装着されるとともに、前記第1リンクに第2連結ピンを介して連結される第2リンクと、
    前記第2リンクに第3連結ピンを介して連結される第3リンクと、
    回転自在であって、回転中心に対して偏心した偏心軸部を有し、その偏心軸部が揺動中心となるように前記第3リンクを連結し、回転中心周りに回転して前記偏心軸部の位置を変更して第3リンクの揺動中心位置をコントロールするコントロールシャフトと、
    機関運転状態に応じて前記コントロールシャフトを回転して機関圧縮比を変更するアクチュエータと、
    を備え、
    前記コントロールシャフトは、機関圧縮比が低圧縮比のときは前記偏心軸部を前記回転中心の上方に配置し、機関圧縮比が高圧縮比のときは前記偏心軸部を前記回転中心の側方に配置して、前記コントロールシャフトの回転量に対する機関圧縮比の変化量が、低圧縮比のときよりも高圧縮比のときに大きくなるようにした、
    ことを特徴とする内燃機関の可変圧縮比機構。
  2. 前記アクチュエータは、作動部分に当接して作動範囲を規制するストッパを有する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の可変圧縮比機構。
  3. 前記ストッパは、前記ピストンの最上位置が上方に移動して最高圧縮比が変わることを防止する、
    ことを特徴とする請求項2に記載の内燃機関の可変圧縮比機構。
  4. 前記第3リンクの揺動中心位置を変更して、各気筒間の圧縮比のバラツキを低減する気筒間バラツキ低減手段を有する、
    ことを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の内燃機関の可変圧縮比機構。
  5. クランクピン〜第2連結ピン間距離よりも、クランクピン〜第3連結ピン間距離が長い、
    ことを特徴とする請求項4に記載の内燃機関の可変圧縮比機構。
  6. シリンダ内を往復動するピストンと、
    前記ピストンに第1連結ピンを介して連結される第1リンクと、
    クランクシャフトのクランクピンに回転自由に装着されるとともに、前記第1リンクに第2連結ピンを介して連結される第2リンクと、
    前記第2リンクに第3連結ピンを介して連結される第3リンクと、
    回転自在であって、回転中心に対して偏心した偏心軸部を有し、その偏心軸部が揺動中心となるように前記第3リンクを連結し、回転中心周りに回転して前記偏心軸部の位置を変更して第3リンクの揺動中心位置をコントロールするコントロールシャフトと、
    機関運転状態に応じて前記コントロールシャフトを回転して機関圧縮比を変更するアクチュエータと、
    を備える内燃機関の可変圧縮比機構を使用するピストン位置較正方法であって、
    クランクピンが最上位置になるようにクランクシャフトを回転して、その位置を保持するクランクシャフト位置決め工程と、
    前記クランクシャフトの位置を保持したまま前記コントロールシャフトを回転して、ピストンを機関内部の基準点に当接するピストン当接工程と、
    前記クランクシャフトの位置を保持したまま前記コントロールシャフトを逆方向に回転して、前記ピストンを前記基準点から離してピストン上死点位置を調整するピストン上死点位置調整工程と、
    を有することを特徴とするピストン位置較正方法。
  7. シリンダ内を往復動するピストンと、
    前記ピストンに第1連結ピンを介して連結される第1リンクと、
    クランクシャフトのクランクピンに回転自由に装着されるとともに、前記第1リンクに第2連結ピンを介して連結される第2リンクと、
    前記第2リンクに第3連結ピンを介して連結される第3リンクと、
    回転自在であって、回転中心に対して偏心した偏心軸部を有し、その偏心軸部が揺動中心となるように前記第3リンクを連結し、回転中心周りに回転して前記偏心軸部の位置を変更して第3リンクの揺動中心位置をコントロールするコントロールシャフトと、
    機関運転状態に応じて前記コントロールシャフトを回転して機関圧縮比を変更するアクチュエータと、
    を備える内燃機関の可変圧縮比機構を使用するピストン位置較正方法であって、
    ピストン冠面の位置を検出する位置検出センサを、シリンダヘッドの点火栓に装着するセンサ装着工程と、
    クランクピンが最上位置になるようにクランクシャフトを回転して、その位置を保持するクランクシャフト位置決め工程と、
    前記クランクシャフトの位置を保持したまま前記位置検出センサでピストンの位置を検出するピストン位置検出工程と、
    前記クランクシャフトの位置を保持したまま前記コントロールシャフトを逆方向に回転して、前記ピストンの上死点位置を調整するピストン上死点位置調整工程と、
    を有することを特徴とするピストン位置較正方法。
  8. ピストン上死点位置を調整した後、前記アクチュエータに設けられたストッパを作動部分に当接して作動範囲を規制する作動範囲規制工程を有する、
    ことを特徴とする請求項6又は請求項7に記載のピストン位置較正方法。
  9. シリンダ内を往復動するピストンと、
    前記ピストンに第1連結ピンを介して連結される第1リンクと、
    クランクシャフトのクランクピンに回転自由に装着されるとともに、前記第1リンクに第2連結ピンを介して連結される第2リンクと、
    前記第2リンクに第3連結ピンを介して連結される第3リンクと、
    回転自在であって、回転中心に対して偏心した偏心軸部を有し、その偏心軸部が揺動中心となるように前記第3リンクを連結し、回転中心周りに回転して前記偏心軸部の位置を変更して第3リンクの揺動中心位置をコントロールするコントロールシャフトと、
    機関運転状態に応じて前記コントロールシャフトを回転して機関圧縮比を変更するアクチュエータと、
    前記第3リンクの揺動中心位置を変更して、各気筒間の圧縮比のバラツキを低減する気筒間バラツキ低減手段と、
    を備える多気筒内燃機関の可変圧縮比機構を使用するピストン位置較正方法であって、
    特定のピストンの上死点位置を較正した後、他のピストンに設けられている前記気筒間バラツキ低減手段によって第3リンクの揺動中心位置を調整することで、他のピストンの上死点位置を較正するピストン位置微調整工程を有する、
    を有することを特徴とするピストン位置較正方法。
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