JP4533856B2 - 内燃機関の圧縮比制御装置及び圧縮比制御方法 - Google Patents

内燃機関の圧縮比制御装置及び圧縮比制御方法 Download PDF

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Description

本発明は、ピストンのストローク特性の変化を伴って機関圧縮比を変化させる内燃機関の圧縮比制御技術に関する。
特許文献1には、クランクシャフトのクランクピンとピストンとをアッパリンクとロアリンクにより連係した複リンク式のピストン−クランク機構を備え、上記ロアリンクの運動拘束条件を変化させることにより、ピストンの上死点位置を含むストローク特性を変化させて、機関圧縮比を連続的に変更可能な装置が開示されている。圧縮比制御としては、例えばセンサを用いて現在の圧縮比に相当する実圧縮比を検出し、この実圧縮比と目標圧縮比との偏差に基づくフィードバック制御が行われる。
特開2004−100523号公報
このように複リンク式ピストン−クランク機構を構成するロアリンクの姿勢を変化させることにより圧縮比を変更するものでは、その構造上、機関運転中には各気筒の燃焼圧等に起因する高い負荷・荷重がアクチュエータに作用し続けることとなる。従って、上述したように圧縮比を精度良く制御するためにフィードバック制御を行う場合、例えば機関圧縮比を一定に保持する場合であっても、高い負荷・荷重に打ち勝ってアクチュエータを作動させ続ける必要があり、消費エネルギーの増加を招くおそれがある。特に、自動車に搭載される内燃機関では、消費エネルギーの増加は燃費性能の低下を招くことから、改善すべき重大な課題である。
また、制御精度の観点から考察すると、圧縮比の微少変化が機関の出力性能に与える影響は比較的小さいものであり、上述したようなフィードバック制御、つまり目標圧縮比と実圧縮比との偏差を可及的にゼロへ近づけるような制御では、必要以上にアクチュエータを作動させることとなる。
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであって、アクチュエータの過度な作動を抑制して、消費エネルギーを低減し、燃費性能の向上やアクチュエータの耐久性・信頼性の向上を図ることを主たる目的としている。
内燃機関のクランクシャフトの回転に応じてピストンが往復動するように、上記クランクシャフトのクランクピンとピストンとを連係するピストン−クランク機構と、このピストン−クランク機構に接続され、上記ピストンのストローク特性を変化させることによって、機関圧縮比を変化させるアクチュエータと、機関運転状態に応じてアクチュエータの作動を制御する制御部と、現在の機関圧縮比に対応する実圧縮比を取得する圧縮比取得手段と、を備える。そして、上記制御部が、機関運転状態に基づいて機関圧縮比の目標値に対応する目標圧縮比を設定し、この目標圧縮比と上記実圧縮比との実偏差量を算出し、この実偏差量が所定の許容偏差量以下の場合に、アクチュエータの作動を禁止している。言い換えると、実偏差量が所定の許容偏差量を越える状態から実圧縮比が目標圧縮比に復帰する復帰期間を除き、アクチュエータの作動を禁止している。そして、上記許容偏差量は、少なくとも上記圧縮比取得手段により取得可能な最小変位量よりも大きい値である。
本発明によれば、実圧縮比と目標圧縮比との実偏差量が所定の許容偏差量以下の場合には、アクチュエータの作動が禁止されるために、アクチュエータの作動頻度を抑制し、その消費エネルギーを低減することができ、ひいては、燃費性能の向上やアクチュエータの耐久性・信頼性を向上することができる。
以下、本発明の好ましい実施の形態を図面を参照して説明する。図1及び図2は、内燃機関の機関圧縮比を変更可能な複リンク式ピストン−クランク機構(以下、単に複リンク機構とも称する)10の基本構成を示している。尚、図1は、最高圧縮比の設定状態におけるピストン上死点近傍での状態を示している。
シリンダブロック11には、各気筒毎に円筒状のシリンダ12が形成されると共に、各シリンダ12の周囲に冷却用のウォータージャケット13が形成されている。各シリンダ12内にはピストン14が昇降可能に配設されており、各ピストン14のピストンピン15と、クランクシャフト16のクランクピン17とは、複リンク式ピストン−クランク機構10により機械的に連係されている。尚、符号18はクランクシャフト16のカウンターウエイトである。
上記の複リンク機構10は、クランクピン17に相対回転可能に取付けられたロアリンク21と、このロアリンク21とピストンピン15とを連係するアッパリンク22と、クランクシャフト16の斜め下方に配置されて、このクランクシャフト16と平行に気筒列方向へ延びる制御軸23と、この制御軸23に偏心して設けられた制御カム24と、この制御カム24とロアリンク21とを連係する制御リンク25と、を有している。ロッド状をなすアッパリンク22の上端部はピストンピン15に相対回転可能に連結されており、下端部は連結ピン26を介してロアリンク21に相対回転可能に連結されている。制御リンク25の一端はロアリンク21に連結ピン38を介して相対回転可能に連結されており、制御リンク25の他端は、制御軸23の中心に対して偏心した円筒面をなす制御カム24の外周に相対回転可能に取付けられている。そして、機関圧縮比を変更・保持するために、制御軸23を所定の制御範囲内で回転駆動すると共に、所定の回転位置に保持するアクチュエータ30が設けられている。
図2を参照して、制御軸23は、シリンダブロック11の下部に回転可能に支持された略棒状の軸部27と、軸部27の外周面から軸部27の半径方向外側に突出してアクチュエータシャフト32の一端に連結された連結部28と、から大略構成されている。軸部27は、シリンダブロック11のバルクヘッド及びこれに固定される主ベアリングキャップとにより回転可能に挟持される主軸29と、上述した制御カム24とから大略構成されており、制御カム24の回転中心Pは、主軸29の回転中心Qに対して偏心している。連結部28には一対のフランジ40が設けられ、これら一対のフランジ40,40には、制御軸23の半径方向に細長く延びるスリット37がそれぞれ形成されている。
アクチュエータ30は、ケーシング31内に進退可能に配設されるアクチュエータシャフト32と、このアクチュエータシャフト32の基端側(後端)の雄ねじ部33に螺合する雌ねじ部36が内周に形成された円筒部34と、を有している。この円筒部34が後述するモータ等により軸回りに回転駆動されると、上記のねじ部33,36の噛み合い部分を介してアクチュエータシャフト32が制御軸23と直交する方向に沿って自身の長手方向(アクチュエータシャフト32軸方向)に沿って往復移動する。このアクチュエータシャフト32の円筒形状を成す一端(先端)には、棒状のピン35の中央部35aが回転可能に嵌合している。このピン35の両側の小径部35bを一対にフランジ40,40にそれぞれ形成された一対のスリット37,37に摺動可能に係合させることによって、アクチュエータシャフト32と制御軸23とが連結されている。尚、ピン35の小径部35bの直径はスリット37の摺動面37a間の幅とほぼ同等に設定されている。このアクチュエータ30の動作・作動は、制御部(エンジンコントロールユニット)1により機関運転状態に応じて制御される。
この複リンク機構10の動作について簡単に説明すると、円筒部34が回転駆動されると、この円筒部34に螺合するアクチュエータシャフト32が往復動する。これにより、ピン35のスリット37内での摺動動作を伴いながら、連結部28を介して制御軸23が所定の方向に回転する。つまり、このアクチュエータ30は、不用意にアクチュエータシャフト32が往復移動することのないように、雄ねじ部33と雌ねじ部36の螺合部分を介してアクチュエータシャフト32の回転運動をアクチュエータシャフト32の往復運動に変換する構成となっている。そして機関運転状態に応じて制御軸23の回転角度を変更することにより、制御カム24に外嵌する制御リンク25の揺動支点が変化し、この制御リンク25によるロアリンク21の運動拘束条件が変化する。これにより、ピストン14の上死点位置を含むピストンストローク特性の変化を伴って、ピストン14の上方に画成される燃焼室の機関圧縮比が変化することとなる。なお、この複リンク機構10においては、アクチュエータシャフト32が前進して制御軸23が図1の時計方向ωに回転すると圧縮比が連続的に低下し、アクチュエータシャフト32が後退して制御軸23が図1の反時計方向に回転すると圧縮比が連続的に増加するように設定されている。
このような複リンク機構10では、ピストンピン15とクランクシャフト16とが2つのリンク22,21のみで連係されているため、例えばリンク部材を3つ以上用いるものに比して構成が簡素化される。また、ロアリンク21に制御リンク25が連結されている等の関係で、この制御リンク25や制御軸23を、比較的スペースに余裕のある機関下方側、つまりクランクシャフトの斜め下方部分へ配置することができ、機関搭載性に優れている。
機関圧縮比εは、ピストン上死点位置でのピストン14の上方に画成される燃焼室の容積Vcと、ピストン14の上下方向のストローク長さとシリンダ(ボア)12のボア径(断面積)とにより算出される行程容積Vhと、の比(Vh/Vc)に応じたもので、具体的には、次式(1)の関係がある。
ε=1+(Vh/Vc) …(1)
そして、制御軸23の中心Qと連結ピン38の中心38Aとの距離Lcが短いほど、ピストン上死点位置が上昇し、燃焼室容積が減少して、機関圧縮比が高くなる。逆に、上記の距離Lcが長いほど、ピストン上死点位置が下降し、燃焼室容積Vcが増加して、機関圧縮比が低くなる。
図3(A)は制御軸23の回転角と機関圧縮比εとの関係を示し、図3(B)はアクチュエータシャフト32の往復方向の作動量と機関圧縮比εとの関係を示している。同図に示すように、複リンク機構10の特徴として、制御軸23の回転角やアクチュエータシャフト32の作動量の変位に対し、圧縮比の変化は非線形特性を呈する。この例では、低圧縮比側ほど、制御軸の回転角度やアクチュエータシャフト32の作動量に対する圧縮比の変化割合が減少する特性、つまり圧縮比の変化が鈍くなるように設定されている。また、アクチュエータシャフト32の作動量については、最高圧縮比側で略線形特性を有する一方で、最低圧縮比側では、非線形特性を呈している。制御軸23についてもほぼ同様の傾向となっている。
後述するように、実偏差量Δtεが許容偏差量Δkε以下の場合にはアクチュエータの作動を禁止する場合、特に高負荷域で用いられる低圧縮比側での機関出力性能の変動が懸念されるが、上述したように低圧縮比側では高圧縮比側に比して圧縮比の変化を鈍感な設定とすることにより、アクチュエータシャフト32の作動量の変化に対する圧縮比の変動が抑制され、機関出力の変動が抑制されるために、機関出力性能の低下を比較的低く抑制することが可能である。
図4は、本発明に係る機関圧縮比の制御の一例を示すフローチャートであり、本ルーチンは上記の制御部1により記憶・実行される。ステップS1では、周知のクランク角センサやアクセル開度センサ等の各種センサ類からの検出信号に基づいて、機関運転状態を表す機関回転数や(要求)負荷トルク等が読み込まれる。
ステップS2では、機関回転数及び負荷トルクに基づいて、図5に示すような圧縮比制制御マップを参照して、機関圧縮比の目標値に対応する目標圧縮比tεを設定する。図5に示すように、目標圧縮比tεは、低回転低圧縮比側では燃費性能や出力性能の向上のために高く設定され、高圧縮比側ではノッキングの発生や排気温度の過度な上昇を抑制するために、低回転低圧縮比側に比して低く設定される。
ステップS3では、現在の機関圧縮比に相当する実圧縮比rεを読み込む。この実圧縮比rεは、適宜な圧縮比取得用センサの検出信号に基づいて演算・取得される。このような圧縮比取得用センサの幾つかの例を図6〜8に示している。図6は、モータ41を備える電動式のアクチュエータ30を用いた場合の圧縮比取得用センサ2A〜2Dの設定例を示している。モータ41のピニオンシャフト42とアクチュエータシャフト32の雄ねじ部33とは、ハウジング44内に配置され、両者に噛み合う減速ギヤ43を介して動力伝達可能に接続されている。ホールICセンサ2Aは、モータ41のピニオンシャフト42と一体的に回転する。このセンサ2Aのパルスカウント数がピニオンシャフト42の回転数に対応する。リニアセンサ2Bは、アクチュエータシャフト32の後端に設けられ、このシャフト32の軸方向変位に応じた電圧を出力する。リニアセンサ2Cは、制御軸23の回転角度変位に応じた電圧を出力する。回転数センサ2Dは、ギヤハウジング44に設けられ、減速ギヤ43の歯数つまり歯車回転数に対応する信号を出力する。
図7及び図8は、油圧駆動式のアクチュエータ30Aに対する圧縮比取得用センサ2Eの設定例を示している。なお、この油圧駆動式アクチュエータ30Aは特開2004−100523号公報に開示されているように既に公知であるので、ここでは簡単な説明にとどめる。このアクチュエータ30Aは、制御軸23の機関前側の前端に取付けられ、この制御軸23と一体的に回転するベーン46と、このベーン46を回転可能に収容するベーンハウジング47と、を有している。ベーンハウジング47の内方へ突出する突起部48の間には、ベーン46を挟んで一対の油圧室49,50が液密に隔成されている。オイルパン(オイルタンク)52内の作動油を各油圧室49,50へ供給する油圧回路51には、油圧制御弁53が設けられている。この油圧制御弁53によって、油圧室49,50の油圧を切り換えることにより、ハウジング47に対するベーン46の回転位置、つまりは制御軸23の回転位置を変更・保持するようになっている。なお、油圧回路51には、オイルパン52内の作動油を油圧制御弁53へ圧送するオイルポンプ54と、油圧制御弁53からオイルポンプ54側への逆流を防止するチェックバルブ55と、油圧制御弁53への供給油圧を検出する圧力センサ56と、作動油に混入する粉塵等を除去するためのフィルタ57と、オイルポンプ54から油圧制御弁53へ供給される作動油をオイルパン52側へ逃すためのリリーフバルブ58と、等が設けられている。そして、圧縮比取得用センサとしてのリニアセンサ2Eは、ベーン46の回転数に応じた電圧を出力信号として出力する。
なお、上記油圧制御弁53は、ソレノイド60によりリターンスプリング61のバネ力に抗してスプール62の位置を3位置に変化させる3位置切換型となっている。ソレノイド60は制御部1からの制御信号に応じてON/OFF駆動され、具体的には、ON/OFFの比率に応じたデューティー信号によって機関運転状態に応じて駆動制御される。
これらのセンサ2A〜2Eのいずれを用いた場合であっても、センサ自体の検出分解能に相当する圧縮比の最小変位量、つまり圧縮比の単位検出幅は、後述する許容偏差量Δkεよりも小さいという関係が確保される。つまり、この関係が確保されるセンサであれば、上記のセンサあるいはそれ以外の様々な周知のセンサを用いることができる。仮に許容偏差量Δkεが圧縮比の単位検出幅よりも小さいと、実圧縮比rεが許容偏差量Δkε以内となる状態が極小となり、実質的に制御の意味をなさない。
再び図4を参照して、ステップS4では、実圧縮比rεと目標圧縮比tεの偏差|tε−rε|である実偏差量Δrεを演算する。ステップS5では、後述する図9のサブルーチンにより許容偏差量Δkεを設定する。この許容偏差量Δkεは、目標圧縮比tεに対して許容し得る圧縮比の変動幅に相当する。ステップS6では、実偏差量Δrεが許容偏差量Δkε以下であるかを判定する。実偏差量Δrεが許容偏差量Δkε以下であれば、ステップS7へ進み、アクチュエータ30の作動を禁止する。一方、実偏差量Δrεが許容偏差量Δkεを越えていれば、ステップS8へ進み、実圧縮比rεが目標圧縮比tεへ達するまで、アクチュエータ30へ制御信号を出力して、アクチュエータ30を作動させる。具体的には、実圧縮比rεが目標圧縮比tεよりも低い場合にはアクチュエータ30を高圧縮比側へ作動し、実圧縮比rεが目標圧縮比tεよりも高い場合にはアクチュエータ30を低圧縮比側へ作動する。この場合の制御として、実偏差量Δrεに向けた周知のフィードバック制御を行うようにしても良い。
図9は、図4のステップS5での許容偏差量Δkεの設定ルーチンを示している。ステップS11では、圧縮比制御系の診断制御(イニシャライズ)が実行中であるかを判定する。この診断制御は、上記の圧縮比取得用センサ2A〜2Eにより検出される実圧縮比rεの可変範囲と、圧縮比を制御するアクチュエータ30の作動範囲と、を精度良く関連づけるためのものである。この診断制御は、内燃機関にアクチュエータ30が組み込まれた後に最低一度は行う必要がある。ただし、アクチュエータ30の補修に伴う脱着や各部品の損耗等による経時的な位置ずれなどを考慮すると、例えば機関始動毎に上記の診断制御を行うことが望ましい。このような診断制御の実行中には、この診断制御が精度良く行われるように、ステップS12へ進み、上記の許容偏差量Δkεを0(ゼロ)として、目標圧縮比tεへ向けたアクチュエータ30の駆動制御、例えば実偏差量Δrεに基づくフィードバック制御が常時行われるようにしている。
上記の診断制御自体は公知であり、図10を用いて簡単に説明すると、制御軸23の機械的な回転可能範囲γは、この制御軸23に設けられる2つの平面71,72がそれぞれ突き当てられるシリンダブロック側のストッパ部材73の2つのストッパ面74,75により規制されている。一方、目標圧縮比tεの設定範囲に対応する制御軸の制御範囲は、各平面71,72がストッパ面74,75に対して所定の隙間βを確保した状態での範囲(γ−2β)とされる。上記の診断制御では、この回転可能範囲αと制御可変範囲(γ−2β)との関係がその都度確認される。
再び図9を参照して、ステップS13以下では、運転履歴に基づいて、許容偏差量Δkεを固定値と圧縮比に応じて変化する値とに切り換えている。具体的には、S13では、アクセル開度,車両速度及び車両Gセンサの出力や、回転数・負荷マップのマップ格子使用頻度等に基づいて、車両の運転履歴を演算する。そして、ステップS14では、上記運転履歴に基づいて、走行モードの判定を行う。具体的には、高負荷域での運転履歴が所定レベルを超える高負荷モードであるか、あるいは高負荷域での運転履歴が所定レベルを超えておらず、言い換えると低速巡航・市街地走行履歴が所定レベルを超えている低負荷モードであるかを判定する。高負荷モードであれば、ステップS15へ進み、図11に示すように、許容偏差量Δkεを一定値つまり固定値αとする。一方、低負荷モードであれば、ステップS16へ進み、図12に示すように、目標圧縮比tε、つまりは機関回転数や機関負荷に応じて、許容偏差量Δkεを変化させる。
図11及び図12に示すように、いずれの走行モードにおいても、機関高回転高負荷域では、ノッキングの発生を回避するように十分に低圧縮比側の設定とされるために、圧縮比の制御精度に対する要求は低く、従って、アクチュエータの作動頻度を抑制するために、許容偏差量Δkεを比較的大きな値α,α2に設定している。そして、図12に示す低負荷モードの場合、高圧縮比側では、燃費改善のために、実圧縮比rεを目標圧縮比tεへ精度良く近づけるように、許容偏差量Δkεの値α1を、低圧縮比側の値α2に比して小さく設定している。つまり、機関圧縮比が高くなるほど許容偏差量Δkεが小さくなり、機関圧縮比が低くなるほど許容偏差量Δkεが大きくなるように設定している。図11に示す高負荷モードの場合、高圧縮比側の設定が用いられる頻度が少なく、むしろアクチュエータ30の作動頻度を減らした方が燃費等の面でも有利であるために、許容偏差量Δkεとして、高圧縮比側でも低圧縮比側と同様の比較的大きな値αを確保している。
図13は、機関圧縮比及び点火時期の変化を示すタイムチャートであり、(A)は減速時のような機関圧縮比が高圧縮比側へ移行する過渡期での特性、(B)は機関圧縮比が略一定の定常時の特性を示している。上記実施例によれば、実偏差量Δrεが許容偏差量Δkεから外れている状態から実圧縮比rεが目標圧縮比tεへ到達するまでの復帰期間ΔTfを除き、実偏差量Δrεが許容偏差量Δkε以下の状況では、アクチュエータ30,30Aの作動が禁止される。具体的には、図6に示すような電動式アクチュエータ30ではモータ41への電圧印加が禁止され、図8に示すような油圧式アクチュエータ30Aでは油圧制御弁60のスプール62が保持位置とされて、各油圧室49,50の油圧供給が禁止され、油圧室49,50の油圧が保持される。従って、復帰期間ΔTfを除く期間で、アクチュエータが非作動とされてエネルギーが実質的に消費されないことから、アクチュエータの消費エネルギーが大幅に低減されるとともに、その信頼性・耐久性を向上することができる。なお、上記の復帰期間ΔTfでは、当然のことながらアクチュエータの駆動エネルギーが消費される。
なお、許容偏差量Δkεを大きくすることにより、実偏差量Δkεが許容偏差量Δkε以下となる期間がのびるために、消費エネルギーを更に低減することが可能であるものの、当然のことながら許容される圧縮比の変動幅が大きくなることから、実際の車両への搭載に際しては、運転性等を勘案して許容偏差量Δkεを適切に設定する必要がある。また、上述したように運転履歴に応じて許容偏差量Δkεの設定を切り換えることによって、運転履歴に応じた形で許容偏差量Δkεを適切に設定することが可能となる。
更に、実圧縮比rεに応じて、最適点火時期(MBT)が変化することから、実圧縮比rεに応じて点火時期を制御している。具体的には、点火時期を、実圧縮比rεが高くなるほど遅角側、実圧縮比rεが低くなるほど進角側に制御している。このように、目標圧縮比tεではなく、実圧縮比rεに応じて点火時期を制御することによって、目標圧縮比tεとの実偏差量Δrεによる出力低下分を補う形となり、機関出力性能を最大限に引き出すことができる。
以上の説明より把握し得る本発明の特徴的な技術思想及びその作用効果について、上記実施例を参照して以下に列記する。但し、本発明は参照符号を付した実施例の構成に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で種々の変形・変更を含むものである。
(1)内燃機関のクランクシャフト16の回転に応じてピストン14が往復動するように、上記クランクシャフト16のクランクピン17とピストン14とを連係するピストン−クランク機構10と、このピストン−クランク機構10に接続され、上記ピストン14のストローク特性を変化させることによって、機関圧縮比を変化させるアクチュエータ30,30Aと、機関運転状態に応じてアクチュエータの作動を制御する制御部1と、現在の機関圧縮比に対応する実圧縮比rεを取得する圧縮比取得手段2A〜2Eと、を有する。そして、上記制御部1は、機関運転状態に基づいて機関圧縮比の目標値に対応する目標圧縮比tεを設定し(S2)、この目標圧縮比tεと上記実圧縮比rεとの実偏差量Δrεを算出し(S4)、この実偏差量Δrεが所定の許容偏差量Δkε以下の場合に、アクチュエータの作動を禁止する(S6,S7)。言い換えると、実偏差量Δrεが所定の許容偏差量Δkεを越える状態から実圧縮比rεが目標圧縮比tεに復帰する復帰期間ΔTfを除き、アクチュエータの作動を禁止する。
このように、ピストン−クランク機構10によるピストン14のストローク特性を変化させることにより機関圧縮比を変化させるものでは、その構造上、圧縮比を変化させるためのアクチュエータ30,30Aに対し、主として各気筒の燃焼圧に起因する大きな荷重がアクチュエータ30,30Aに繰り返し作用することになるために、例えばフィードバック制御によりアクチュエータ30,30Aを目標圧縮比tεの近傍に常時高精度に維持しようとすると、アクチュエータ30,30Aの消費エネルギーの増加や信頼性・耐久性の低下を招くおそれがある。
上記の許容偏差量Δkεは、機関圧縮比の実偏差量Δrεに起因する出力低下や燃費低下等の機関性能低下分と、アクチュエータを非作動とすることによる機関性能向上分とが切り換わる値に相当し、この許容偏差量Δkεを適切に設定することによって、実偏差量Δrεが許容偏差量Δkε以下の状況ではアクチュエータを非作動とすることにより、アクチュエータの作動期間・頻度を大幅に低減して、消費エネルギーを低減し、燃費性能やアクチュエータの信頼性・耐久性を向上することができ、かつ、実偏差量Δrεが許容偏差量Δkεを越える状況では、目標圧縮比tεへ向けた制御を行うことにより、機関圧縮比の適正化による出力性能や燃費性能の向上を図ることができる。
(2)上記許容偏差量Δkεを予め設定された固定値とすることにより、制御ロジックが簡素化され、演算負荷やメモリ使用量を軽減することができる。
(3)上記複リンク機構10では、図3に示すように、アクチュエータにより駆動される制御軸23の角度変位に対する圧縮比の変化割合が非線形特性を呈し、低圧縮比側では高圧縮比側に比して上記変化割合が相対的に小さい。言い換えると、低圧縮比側の領域が、制御軸の単位角度あたりの圧縮比変化が相対的に小さく、制御軸の角度に対する圧縮比の感度が鈍感な領域である。従って、許容偏差量Δkεを圧縮比に応じて可変とし、具体的には低圧縮比側よりも高圧縮比側で小さくなるように設定している。これにより、圧縮比感度が鈍感な低圧縮比側では相対的に許容偏差量Δkεを大きくして、アクチュエータの非作動期間・頻度を増加し、かつ、圧縮比感度が敏感な高圧縮比側では相対的に許容偏差量Δkεを小さくして、高精度な圧縮比制御を行うことができる。このように、アクチュエータ非作動による性能向上と、圧縮比制御による性能向上と、を高いレベルで両立することが可能となる。
(4)好ましくは、内燃機関の運転履歴に基づいて、内燃機関を搭載する車両の直前の運転・走行モードを判定して、上記許容偏差量の設定を切り換える。例えば峠道などでの走行モード、つまり機関負荷変動が大きく、かつ、最大負荷も大きいような高負荷モードでは、機関のノッキングなどの異常燃焼を生じるおそれがある。従って、このような高負荷モードで、仮に高負荷側で過度の許容偏差量Δkεを与えていると、圧縮比の低下制御の遅延によるノッキングの発生を招くおそれがあるため、許容偏差量Δkεを十分に小さな値とする。
一方、例えば高速道路の連続走行など、機関の負荷変動が小さく、かつ最大負荷も小さいような低負荷モードでは、高負荷側に比してノッキングを生じる可能性が低いので、許容偏差量Δkεを高負荷モードのときよりも十分に大きな値とすることにより、アクチュエータの作動期間・頻度を低減して、消費エネルギーを軽減することができる。
あるいは図11,12に示すように、高負荷モードでは許容偏差量Δkεを簡易的に固定値αとし、低負荷モードでは許容偏差量Δkεを高負荷側が低負荷側よりも大きく、つまり低圧縮比側が高圧縮比側よりも大きくなるように設定しても良い。
また、機関負荷域のなかで、特にスロットルを急激に全開したような急加速時を含む全開モードでは、最もノッキングを生じやすいので、好ましくは、圧縮比の制御精度を向上させるために、上述したアクチュエータの非作動を禁止し、つまり許容偏差量Δkεをゼロとして、アクチュエータを強制的に作動状態として、目標圧縮比tεへ向けた圧縮比制御を行う。一般的に、このような全開モードとなる期間・頻度は十分に少ないので、上述したアクチュエータの非作動による消費エネルギー低減効果は十分に得ることができる。
(5)上記の制御方式によれば、許容偏差量Δkεの範囲内では機関圧縮比の変動が許容されることとなる。従って、実偏差量Δrεに応じて点火時期を制御することによって、目標圧縮比tεに対する実圧縮比rεの差に起因する出力低下を補う形で、機関出力性能を最大限引き出すことができる。
(6)アクチュエータの作動範囲と実圧縮比の可変範囲とを関連付けるための診断制御が実行中である場合、アクチュエータの作動範囲と実圧縮比rεの可変範囲とを高精度に関連づけるために、上記許容偏差量をゼロとする。これにより、高精度な診断制御を行うことができる。
(7)上記許容偏差量Δkεを、少なくとも上記圧縮比取得手段2A〜2Eにより取得可能な最小変位量よりも大きい値とすることで、通常のフィードバック制御を適用することが可能となる。言い換えると、仮に許容偏差量Δkεが最小変位量よりも小さいと、アクチュエータを非作動とする状態が極小となり、アクチュエータ非作動による効果を実質的に得ることができない。
(8)上記ピストン−クランク機構10は、典型的には、クランクピン17に回転可能に取付けられるロアリンク21と、このロアリンク21とピストン14とを連係するアッパリンク22と、上記アクチュエータ30により回転位置が変更・保持される制御軸23と、この制御軸23に偏心して設けられた制御カム24と、上記アッパリンク22又はロアリンク21と制御カム24とを連係する制御リンク25と、を備える複リンク式ピストン−クランク機構である。
(9)上記圧縮比取得手段として、例えばモータ41のピニオンシャフト42と一体的に回転するホールセンサ2Aが挙げられる。このように、エネルギーが消費される駆動源寄りのピニオンシャフト42の位置信号を検出することにより、アクチュエータ30からピストン14に至るまでに構成される部品の寸法精度の影響を最小限として、精度の高い制御を行うことができる。
(10)上記圧縮比取得手段として、複リンク機構10の制御軸23の回転角度変位に応じた電圧を出力するリニアセンサ2Cを用いても良い。このように、圧縮比の変化度合いを決定づける、ピストンとクランクピンとを連係する複リンク機構10のリンク部品21,22を除いて、最もピストン14寄りの部品である制御軸23の回転角度を検出することによって、減速ギヤ43のバックラッシュ等に起因する寸法ばらつきを考慮することなく、精度の高い制御を実現することができる。
(11)上記圧縮比取得手段として、減速ギヤ43の歯数つまり歯車回転数に対応する信号を出力する回転数センサ2Dを用いても良い。減速ギヤ42の歯数が少ないと、一歯あたりの歯車の回転角度が大きくなるため、圧縮比の制御分解能が大きくなる懸念があるものの、上述したように許容偏差量Δkε内での圧縮比の変動を許容する制御を行う場合には、圧縮比の制御分解能に対する要求が比較的低く、このような回転数センサ2Dが好適であり、かつ、歯車歯数の設定自由度、並びに回転数センサ(パルスピックアップ)2Dのレイアウトの自由度を向上することができる。
(12)上記圧縮比取得手段として、アクチュエータシャフト32の後端に設けられ、このシャフト32の軸方向変位に応じた電圧を出力するリニアセンサ2Bを用いても良い。このように駆動源としてのアクチュエータ自身の変位を検出することによって、上記(9)のホールセンサ2Aと同様、減速ギヤ43のバックラッシュ等に起因する寸法ばらつきを考慮することなく、精度の高い制御を実現することができる。
(13)あるいは物理的なセンサを用いることなく、実圧縮比rεを設定するようにしても良い。例えば、上記電動モータ41を用いる電動アクチュエータ30の場合、制御部1から電動モータ41へ出力される駆動デューティ比に基づいて実圧縮比rεを演算することができる。同様に、図8に示すような油圧駆動式アクチュエータ30Aの場合には、油圧制御弁53のソレノイド60へ出力されるON・OFF信号のデューティ比率から実圧縮比rεを求めることができる。このようにデューティ比率から実圧縮比rεを推定することは、一般的には圧縮比の制御精度が低下するために困難であるものの、上述したように許容偏差量Δkε内での圧縮比の変動を許容する制御を行う場合には、圧縮比の制御分解能に対する要求が比較的低いことから実現可能である。
(14)油圧駆動式アクチュエータ30Aの場合には、圧縮比取得手段として、制御軸23に直結されたベーン46の回転数に応じた電圧を出力信号として出力するリニアセンサ2Eを用いることによって、上記(10)の場合と同様、精度の高い制御を実現することができる。
本発明に係る内燃機関の複リンク式ピストン−クランク機構の一例を示す構成図。 図1の複リンク機構の制御軸とアクチュエータシャフトとの連結部近傍を示す分解斜視図。 (A)が制御軸の回転角と圧縮比、(B)がアクチュエータの作動量と圧縮比の関係を示す特性図。 本発明に係る機関圧縮比の制御の流れの一例を示すフローチャート。 目標圧縮比の設定マップの一例を示す特性図。 上記制御軸の電動アクチュエータの一例を示す断面図。 上記制御軸の油圧アクチュエータの一例を示し、(A)が機関搭載状態での断面対応図、(B)が制御軸単体の斜視図。 上記油圧アクチュエータを示す構成図。 図4のステップS5の許容偏差量の設定のサブルーチンを示すフローチャート。 上記制御軸の回転可能範囲を示す説明図。 許容偏差量を固定値とした場合の特性図。 許容偏差量を可変とした場合の特性図。 (A)が高圧縮比側への過渡期の特性、(B)が機関圧縮比が略一定の定常時の特性を示すタイミングチャート。
符号の説明
1…制御部
2A〜2E…圧縮比取得用センサ(圧縮比取得手段)
10…複リンク式ピストン−クランク機構
14…ピストン
16…クランクシャフト
17…クランクピン
21…ロアリンク
22…アッパリンク
23…制御軸
24…制御カム
25…制御リンク
30,30A…アクチュエータ

Claims (8)

  1. 内燃機関のクランクシャフトの回転に応じてピストンが往復動するように、上記クランクシャフトのクランクピンとピストンとを連係するピストン−クランク機構と、
    このピストン−クランク機構に接続され、上記ピストンのストローク特性を変化させることによって、機関圧縮比を変化させるアクチュエータと、
    機関運転状態に応じてアクチュエータの作動を制御する制御部と、
    現在の機関圧縮比に対応する実圧縮比を取得する圧縮比取得手段と、を有し、
    上記制御部は、
    機関運転状態に基づいて機関圧縮比の目標値に対応する目標圧縮比を設定し、
    この目標圧縮比と上記実圧縮比との実偏差量を算出し、
    この実偏差量が所定の許容偏差量以下の場合に、アクチュエータの作動を禁止し、
    上記許容偏差量は、少なくとも上記圧縮比取得手段により取得可能な最小変位量よりも大きい値であることを特徴とする内燃機関の圧縮比制御装置。
  2. 上記許容偏差量が予め設定された固定値であることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の圧縮比制御装置。
  3. 上記許容偏差量が、低圧縮比側よりも高圧縮比側で小さくなるように設定されていることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の圧縮比制御装置。
  4. 内燃機関の運転履歴に基づいて、上記許容偏差量の設定を切り換えることを特徴とする請求項1又は3に記載の内燃機関の圧縮比制御装置。
  5. 上記実偏差量に応じて点火時期を制御することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の内燃機関の圧縮比制御装置。
  6. アクチュエータの作動範囲と実圧縮比の可変範囲とを関連付ける診断制御が実行中である場合、上記許容偏差量をゼロとすることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の内燃機関の圧縮比制御装置。
  7. 上記ピストン−クランク機構が、
    クランクピンに回転可能に取付けられるロアリンクと、このロアリンクとピストンとを連係するアッパリンクと、上記アクチュエータにより回転位置が変更・保持される制御軸と、この制御軸に偏心して設けられた制御カムと、上記アッパリンク又はロアリンクと制御カムとを連係する制御リンクと、を備える複リンク式ピストン−クランク機構であることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の内燃機関の圧縮比制御装置。
  8. 内燃機関のクランクシャフトの回転に応じてピストンが往復動するように、上記クランクシャフトのクランクピンとピストンとを連係するピストン−クランク機構と、
    このストン−クランク機構に接続され、上記ピストンのストローク特性を変化させることによって、機関圧縮比を変化させるアクチュエータと、
    機関運転状態に応じてアクチュエータの作動を制御する制御部と、
    現在の機関圧縮比に対応する実圧縮比を取得する圧縮比取得手段と、を有し、
    上記制御部は、
    機関運転状態に基づいて機関圧縮比の目標値に対応する目標圧縮比を設定し、
    この目標圧縮比と上記実圧縮比との実偏差量を算出し、
    この実偏差量が所定の許容偏差量を越える状態から実圧縮比が目標圧縮比に復帰する復帰期間を除き、アクチュエータの作動を禁止し、
    上記許容偏差量は、少なくとも上記圧縮比取得手段により取得可能な最小変位量よりも大きい値であることを特徴とする内燃機関の圧縮比制御方法。
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