JP4120410B2 - 車両用空調装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は車両用空調装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、車両走行用エンジンにより冷凍サイクルの圧縮機を駆動させて冷媒を循環させ、室内熱交換器により車室内吹出空気を冷却して冷房運転を行う車両用空調装置がある。
【0003】
ここで、圧縮機の駆動を開始してから室内熱交換器の温度が十分に低下するまでには時間がかかるため、乗員が乗車してエンジンを起動させた後、圧縮機を駆動させた直後においては、温風が車室内に吹き出されてしまうこととなる。そこで、圧縮機起動直後には車室内への吹出風量を少なくして、温風が吹き出されてしまうことによる乗員の不快感を低減させる空調装置が、従来より提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開平1−223016号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特許文献1に記載の空調装置では、温風が吹き出されることによる不快感低減を図ることはできるものの、圧縮機を駆動させた直後には吹出風量を少なくするため、乗車直後から車室内を快適な温度に冷房するまでの時間が長くなってしまう。特に、夏期の炎天下に駐車した車に乗車して、エンジンを起動させて圧縮機を駆動させた直後においては、快適な温度に冷房するまでの時間の短縮が望まれる。
【0006】
なお、圧縮機から吐出された高温高圧の冷媒を室内熱交換器に流通させて、室内熱交換器により車室内吹出空気を加熱して暖房運転を行う場合も同様であり、乗車直後から車室内を快適温度に暖房するまでの時間が長くなってしまう。
【0007】
本発明は、上記点に鑑み、乗車直後から車室内を快適温度に空調するまでの時間を短縮することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、車両走行用エンジン(20)および電動モータ(21)のうち選択されたいずれか一方により駆動される、冷凍サイクルの圧縮機(1)と、圧縮機(1)の駆動により冷媒が循環して、車室内吹出空気と熱交換する室内熱交換器(5)と、乗員が降車してエンジン(20)が停止している際に、乗員が所定時間内に乗車するか否かを予測する乗車予測手段(S10)とを備え、
乗員の足元に向けて温風を吹き出すフット吹出モードと、乗員の上半身に向けて冷風を吹き出すフェイス吹出モードとを切り替え可能になっており、
乗車予測手段(S10)により所定時間内の乗車が予測された場合には、電動モータ(21)により圧縮機(1)を駆動させるプレ駆動制御を行うようになっており、
さらに、プレ駆動制御を行って、室内熱交換器(5)により車室内吹出空気を冷却する冷房運転を行い、乗員が乗車した時点で室内熱交換器(5)が所定温度よりも高い場合には、乗車時点から所定時間はフット吹出モードとし、その後、フェイス吹出モードに切り替えることを特徴とする。
【0009】
これによれば、プレ駆動制御により、乗員が乗車する前に予め圧縮機(1)を駆動させることとなる。よって、例えば、室内熱交換器(5)により車室内吹出空気を冷却して冷房運転を行う場合には、乗車時には室内熱交換器(5)の温度が予め低下しているので、乗車直後から即座に、十分に冷却された冷風を車室内に吹き出させることができる。また、室内熱交換器(5)により車室内吹出空気を加熱して暖房運転を行う場合においても、乗車時には室内熱交換器(5)の温度が予め上昇しているので、乗車直後から即座に、十分に加熱された温風を車室内に吹き出させることができる。
【0010】
以上により、請求項1に記載の発明によれば、乗車直後から車室内を快適温度に空調するまでの時間を短縮することができる。
さらに、請求項1に記載の発明においては、プレ駆動制御を行って、室内熱交換器(5)により車室内吹出空気を冷却する冷房運転を行い、乗員が乗車した時点で室内熱交換器(5)が所定温度よりも高い場合には、乗車時点から所定時間はフット吹出モードとし、その後、フェイス吹出モードに切り替えている。
これにより、プレ駆動制御を行ったものの乗車時点では室内熱交換器(5)の温度が未だ十分に低くなっていない場合には、乗車時点から所定時間は所望の温度よりも高い温度の空気を乗員の足元に向けて吹き出すこととなるので、当該高温空気を乗車時点で乗員の上半身に向けて吹き出す場合に比べて、空調フィーリングを良好にできる。
【0011】
また、請求項2に記載の発明では、乗車予測手段(S10)は、無線式ドアロック解除手段により車両ドアのロックが解除されたか否かに基づいて、乗員が所定時間内に乗車するか否かを予測することを特徴とするので、乗員が所定時間内に乗車するか否かを確実に予測することができる。
【0012】
ここで、そもそも外気温度が快適温度に近い温度であれば、乗員が乗車する前に予め圧縮機(1)を駆動させる必要がない。そこで、請求項3に記載の発明のように、外気温度が所定温度範囲外である場合には、乗車予測手段(S10)により所定時間内の乗車が予測された場合であってもプレ駆動制御を禁止するようにすれば、不必要に圧縮機(1)を駆動させてしまうことを防止して省動力化を図ることができ、好適である。
【0013】
ここで、プレ駆動制御時にはエンジン(20)が停止しているため、電動モータ(21)の駆動源となる蓄電池(50)の過放電が懸念される。そこで、請求項4に記載の発明のように、電動モータ(21)の駆動源となる蓄電池(50)の電圧が所定値よりも低い場合には、乗車予測手段(S10)により所定時間内の乗車が予測された場合であってもプレ駆動制御を禁止させるようにすれば、上述の蓄電池(50)過放電を防止でき、好適である。
【0016】
ところで、プレ駆動制御を行う際の圧縮機(1)の回転数が高すぎると、電動モータ(21)の駆動源となる蓄電池(50)の過放電が懸念される。一方、プレ駆動制御を行う際の圧縮機(1)の回転数が低すぎると、乗車時点での室内熱交換器(5)の温度を十分に冷却または加熱することができない。
そこで、これらの点を鑑みて、請求項に記載の発明のように、プレ駆動制御を行う場合には、圧縮機(1)の回転数を2500rpm以上3500rpm以下の範囲で駆動させるようにすることが望ましい。
【0017】
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一例である。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の各実施形態を図に基づいて説明する。
【0019】
(第1実施形態)
図1は、本実施形態に係る車両用空調装置の全体構成を示すものである。空調用の冷凍サイクルRは、周知のごとく、圧縮機1、室外熱交換器としての凝縮器2、受液器3、減圧手段をなす膨張弁4、室内熱交換器としての蒸発器5から構成されている。
【0020】
空調ケース6は車室内へ向かって空調空気が流れる通路を形成するものであって、この空調ケース6内に蒸発器5が配置されている。この蒸発器5は空調空気を冷却する冷房用熱交換器であって、膨張弁4からの低圧の気液2相冷媒が送風機7の送風空気から吸熱して蒸発することにより空気を冷却する。
【0021】
送風機7は遠心式送風ファン7aとファン駆動用モータ7bを有している。送風機7の吸入口7cには図示しない内外気切替箱を通して外気または内気が吸入される。空調ケース6内で、蒸発器5の下流側にはヒータコア8が配置されている。
【0022】
ヒータコア8は温水を熱源として空調空気を加熱する暖房用熱交換器であって、空調ケース6内においてヒータコア8の側方(上方)にはバイパス通路8aが形成されている。そして、このバイパス通路8aを通過する冷風とヒータコア8を通過する温風との風量割合を調整するために、ヒータコア8に隣接して板状のエアミックスドア9が回動可能に設けてある。このエアミックスドア9はサーボモータ9aにより駆動される。
【0023】
冷温風の混合により所望温度になった空気は、吹出モード切替ドア11、12、13により開閉されるデフロスタ開口部14、フェイス開口部15、フット開口部16を経て車室内の各部(窓ガラス内面、乗員上半身側、乗員足元側)に吹き出される。吹出モード切替ドア11、12、13もエアミックスドア9と同様に図示しないサーボモータにより駆動される。なお、ヒータコア8には車両走行用エンジン20の温水(冷却水)が循環するようになっている。
【0024】
エンジン20は車両走行用の駆動源および圧縮機1等の補機の駆動源となる。また、電動モータ21はエンジン20の作動時にはエンジン20により駆動されて発電機として作用する発電機兼電動機(モータジェネレータ)である。このモータ21は、エンジン20の停止時に圧縮機1等の補機を駆動する駆動源としての役割と、エンジン20の作動時(車両走行中)にエンジン20により駆動され車載蓄電池50を充電する発電機としての役割と、エンジン20を始動する始動用モータ(スタータ)としての役割とを果たす。
【0025】
より具体的にモータ21を説明すると、モータ21は3相交流回転電機であって、モータとして作動する時には、駆動回路から供給される3相交流電圧により回転子に回転力を発生する3相交流モータとなり、また、発電機として作動する時には、エンジン20により回転子が回転駆動されて起電力を発生する3相交流発電機となる。モータ21の発電作用による3相交流電圧は直流に整流されて車載蓄電池50を充電する。
【0026】
エンジン20のクランクシャフトには電磁クラッチ22が備えられ、エンジン20の回転がこの電磁クラッチ22を介してクランクプーリ23に伝達されるようになっている。このクランクプーリ23の回転は、ベルト24を介して圧縮機1のプーリ1aおよびモータ21のプーリ21aに伝達される。圧縮機1のプーリ1aには電磁クラッチ25が備えられ、この電磁クラッチ25により圧縮機1への回転伝達が断続されようになっている。
【0027】
以上により、圧縮機1はエンジン20とモータ21とにより切替駆動される構成になっている。すなわち、停車時等のエンジン20の停止時には、圧縮機1をモータ21により駆動するが、エンジン20の作動時(車両走行中)には、エンジン20によって圧縮機1を駆動する。
【0028】
なお、図1では図示を省略したが、クランクプーリ23の回転はベルト24を介して図示しない冷却水ポンプ、パワーステアリング駆動用油圧モータ等の補機にも伝達されるようになっている。従って、エンジン20の停止時に、これらの補機を圧縮機1と同様にモータ21により駆動することができる。
【0029】
また、エンジン20のクランクシャフトの電磁クラッチ22の代わりに、エンジン20からクランクプーリ23側へのみ回転動力を伝達し、モータ21からエンジン20側への動力伝達を遮断するクラッチ機構(一方向クラッチ)を使用してもよい。但し、この場合はエンジン始動機能のために、別途、専用のスタータが必要となる。
【0030】
また、圧縮機1にプーリ1aを複数設け、各プーリ1aに、エンジン20から圧縮機1に動力を伝達するベルト24と、モータ21から圧縮機1に動力を伝達するベルト24とを別々に設けるようにしてもよい。
【0031】
また、本実施形態の圧縮機1は、吐出容量(圧縮機1回転当たりの冷媒吐出量)を変化させることができる可変容量型圧縮機である。可変容量型圧縮機1の構成は周知であり、例えば、特許第2661121号公報に記載のものを使用することができる。この公知例の可変容量型圧縮機1は、回転軸に連結された斜板を有し、この斜板の回転により冷媒の吸入、圧縮、吐出を行うピストンを往復動させる。
【0032】
そして、上記斜板に作用する制御圧力を調整する電磁式圧力制御装置1bを有し、この電磁式圧力制御装置1bの電磁コイルに供給する電流量Inによって制御圧力を調整するようになっている。この制御圧力の調整により、斜板の傾斜角度を変えてピストンのストロークを変化させ、これにより、吐出容量を変化させることができる。従って、電磁式圧力制御装置1bは容量可変手段を構成するもので、上記電流量Inは連続制御、デューティ制御のいずれで制御してもよい。
【0033】
エンジン20、モータ21および補機(少なくとも空調装置を含む)はそれぞれ制御部30、31、32を備えている。この制御部30、31、32はマイクロコンピュータとその周辺回路から構成されるもので、各制御部相互の間で信号を通信し合うようになっている。これらの制御部30、31、32には車載蓄電池50からエンジン20のイグニッションスイッチ51を介して電源を供給するようになっている。
【0034】
空調用制御部32には、入力センサとして、外気温Tamを検出する外気温センサ33、車室内温度Trを検出する内気温センサ34、車室内への日射量Tsを検出する日射センサ35、蒸発器5の冷却度合としての吹出空気温度(蒸発器温度)Teを検出する蒸発器温度センサ36、ヒータコア8の温水温度Twを検出する水温センサ37、電磁式圧力制御装置1bの電磁コイルに供給する電流量Inを検出する冷媒流量センサ44、車速SPDを検出する車速センサ45等が接続されている。
【0035】
なお、車速センサ45からの信号は、エンジン制御部30等の他の制御部を介して空調制御部32に入力されるようにしてもよい。
【0036】
また、車室内の計器盤近傍に配置された空調操作パネル38には、車室内の設定温度Tsetを設定する温度設定器39、圧縮機1の断続信号を出すエアコンスイッチ40、吹出モードの切替信号を出す吹出モードスイッチ41、送風機7の風量切替信号を出す風量切替スイッチ42、内外気切替信号を出す内外気切替スイッチ43等の操作部材が設けられ、これらの操作部材の操作信号も空調用制御部32に入力される。
【0037】
符号60は、車両ドアのロック解除を制御するドアロック制御部を示しており、ドアロック制御部60には、キーレスエントリー装置(無線式ドアロック解除手段)により車外から無線送信されたドアロック解除信号が、車両に搭載された受信装置を介して入力されるようになっている。そして、ドアロック制御部60は、上記ドアロック解除信号の入力によりドアロックを解除した時に、ドアロック解除した旨の信号を空調制御部32に出力する。
【0038】
次に、本実施形態の作動を図2のフローチャートに基づいて説明する。空調制御部32は図2のフローチャートに従って演算・処理を実行する。
【0039】
(1)通常空調制御フロー
図2の制御ルーチンは車両エンジンのイグニッションスイッチ51の投入によりスタートし、最初に、ステップS1で信号読込を行う。
【0040】
すなわち、各種センサ33〜37の検出による車室内温度Tr、外気温度Tam、温水温度(冷却水温)Tw、日射量Ts、蒸発器吹出温度Te等の車両環境状態を示す信号、空調操作パネル38からの車室内の設定温度Tset等の操作信号、エンジン制御部30からのエンジン稼働信号、モータ(MG)制御部31からのモータ稼働信号、電磁式圧力制御装置1bの電磁コイルに供給する電流量Inおよび車速SPDの信号等を読込む。
【0041】
次に、ステップS2でエアコンスイッチ40がONかOFFかを判定する。エアコンスイッチ40のON時には、次にステップS3に進み、車室内への吹出空気の目標吹出温度TAO、送風機7の目標風量レベルBLW、エアミックスドア9の目標開度SW、目標蒸発器吹出温度TEOを通常のオートエアコン制御と同様に演算する。
【0042】
すなわち、目標吹出温度TAOは車室内を乗員の設定した設定温度Tsetに維持するために必要な車室内への吹出温度であって、TAOはTset、Tam、Tr、Tsに基づいて演算する。送風機7の目標風量レベルBLWはTAOに基づいて演算し、エアミックスドア9の目標開度SWは、TAO、Te、Twに基づいて演算し、蒸発器12の目標吹出温度TEOはTAO、Tam等に基づいて演算する。
【0043】
次に、ステップS4に進み、ステップS3で算出したエアミックスドア目標開度SW、目標蒸発器吹出温度TEO、目標風量レベルBLWの各種制御信号を各種制御手段へ出力する。
【0044】
すなわち、エアミックスドア9についてはその実際の開度が目標開度SWとなるようにエアミックスドア9の駆動用サーボモータ9aの作動角が制御される。また、送風機7の風量については、目標風量レベルBLWが得られるように送風機7の駆動モータ7bの印加電圧を制御する。この駆動モータ7bの印加電圧制御は連続制御だけでなく、パルス幅変調制御(PWM制御)でもよい。
【0045】
また、圧縮機1の制御については、温度センサ36により検出される実際の蒸発器吹出温度Teが目標値TEOとなるように、可変容量型圧縮機1の容量を可変制御する。可変容量型圧縮機1の最小容量でも、蒸発器吹出温度Teが目標値TEOより低いとき、および圧縮機1の作動の不要時は、電磁クラッチ25を遮断して圧縮機1を停止する。
【0046】
なお、通常空調制御フローにおいては、車両走行時はエンジン20により圧縮機1を駆動させ、停車時にエンジン20を停止させるアイドルストップ停車時はモータ21により圧縮機1を駆動させる。また、走行開始時にモータ21により圧縮機1を駆動させてエンジン20負荷低減を図るようにしてもよい。
【0047】
(2)プレ駆動制御フロー
プレ駆動制御とは、乗員が降車してエンジン20が停止している際に、乗員が所定時間内に乗車するか否かを予測して、所定時間内の乗車が予測された場合には、モータ21により圧縮機1を駆動させる制御である。図3は当該プレ駆動制御のフローチャートである。
【0048】
当該プレ駆動制御は、エンジン20が停止した状態のときにスタートし、また、キースイッチからキーが抜き取られている状態でもスタートする。
【0049】
まず、ステップS10では、乗員が降車してエンジン20が停止している際に、乗員が所定時間内に乗車するか否かを予測する。本実施形態では、キーレスエントリー装置によりドアロックが解除されたか否かに基づいて、乗員が所定時間内に乗車するか否かを予測する。具体的には、キーレスエントリー装置によりドアロック解除した旨の信号が、ドアロック制御部60から空調制御部32に入力されたときに、乗員が数分以内には乗車すると予測する。
【0050】
なお、当該ステップS10による処理は、上記特許請求の範囲に記載の乗車予測手段に相当する。
【0051】
ステップS10にて乗員乗車が予測されると、ステップS20に進み、圧縮機1を始動させる条件を満たしているか否かを判定する。具体的には、外気温センサ33により検出された外気温度Tamが所定温度(例えば25℃)未満であれば、上記条件を満たしていないと判定してステップS60に進み、上述の通常空調制御フロー(ステップS1〜S4)を開始する。
【0052】
一方、外気温度Tamが所定温度(例えば25℃)以上であれば、上記条件を満たしていると判定してステップS30に進み、ステップS30にてエンジン20始動前にモータ21により圧縮機1を駆動させる。なお、ステップS30における圧縮機1の回転数が2500rpm以上3500rpm以下の範囲となるように、圧縮機1は駆動される。
【0053】
その後、ステップS40において、エンジン20の駆動および乗員によりエアコンスイッチ40が投入されたことが確認されると、ステップS50に進んで上述の通常空調制御フロー(ステップS1〜S4)を開始する。なお、ステップS40においてエンジン20を駆動させるときには、電磁クラッチ25は接続させたままで圧縮機1の駆動は維持させる。
【0054】
以上より、本実施形態によれば、プレ駆動制御により、乗員が乗車する前に予め圧縮機1を駆動させることとなる。よって、乗車時には蒸発器5の温度が予め低下しているので、乗車直後から即座に、送風機7の目標風量レベルBLWを最大にして十分に冷却された冷風を車室内に吹き出させることができる。よって、乗車直後から車室内を快適温度に空調するまでの時間を短縮することができる。
【0055】
図4(a)は、プレ駆動制御を行わない場合の通常空調制御による目標風量レベルBLWの変化を示したものであり、乗車してエンジン20を始動させた後、エアコンスイッチ40を投入した時点で圧縮機1が駆動する。よって、乗車直後には、蒸発器5の温度が十分に下がっておらず温風が吹き出されてしまうため、目標風量レベルBLWを低く設定して、温風吹出による乗員の不快感回避を図っている。
【0056】
図4(a)の例では、エアコンスイッチ40投入直後には送風を停止し、所定時間経過後(6秒後)に目標風量レベルBLWを1に設定する。さらに、所定時間経過後(5秒後)に目標風量レベルBLWを徐々に上げて、蒸発器5の温度が十分低くなった時点(17秒経過時点)ではじめて目標風量レベルBLWを最大値(31)に設定している。
【0057】
一方、図4(b)は、本実施形態に係るプレ駆動制御を行った場合による目標風量レベルBLWの変化を示したものであり、乗車してエンジン20を始動させる以前から、モータ21により圧縮機1を駆動させている。よって、エアコンスイッチ40を投入した時点で蒸発器5の温度は十分に低くなっており、エアコンスイッチ40投入と同時に目標風量レベルBLWを最大値(31)に設定している。
【0058】
ところで、乗車前にエンジン20を始動させて、アイドリング状態のエンジン20により圧縮機1を駆動させる方式では、エンジン2の回転数を上げない限り圧縮機1の回転数を高くすることができず、例えば1000rpm程度でしか圧縮機1を回転させることができない。これに対し、本実施形態のプレ駆動制御では、モータ21により圧縮機1を駆動させるので、蓄電池50の蓄電容量の許す範囲で圧縮機1の回転数を上げることができる。
【0059】
(第2実施形態)
本実施形態では、プレ駆動制御を行ってもなお、乗員が乗車した時点で蒸発器5が所定温度よりも高い場合には、乗車時点から所定時間(例えば1秒〜2秒)は乗員の足元に向けて温風を吹き出すフット吹出モードとし、その後、乗員の上半身に向けて冷風を吹き出すフェイス吹出モードに切り替えるクールダウン制御を行うようになっている。
【0060】
図5は、本実施形態に係るプレ駆動制御フローを示す図であり、図3に示す第1実施形態のプレ駆動制御フローにステップS41およびS42を加えた他は、第1実施形態に係る空調装置の構成および制御と全く同じである。
【0061】
すなわち、ステップS40において、エンジン20の駆動および乗員によりエアコンスイッチ40が投入されたことが確認されると、ステップS41に進んで、プレ駆動制御により蒸発器5の温度が十分に低下したか否かを判定する。具体的には、蒸発器温度センサ36により検出された蒸発器温度Teが所定温度(例えば10℃)以上であるか否かを判定する。
【0062】
蒸発器温度Teが10℃未満であれば蒸発器5の温度が十分に低下したと判定し、ステップS50に進む。一方、蒸発器温度Teが10℃以上であれば蒸発器5の温度が十分に低下していないと判定し、ステップS42に進んで上述したクールダウン制御を行う。
【0063】
これにより、プレ駆動制御を行ったものの乗車時点では蒸発器温度Teが未だ十分に低くなっていない場合には、乗車時点から所定時間は所望の温度よりも高い温度の空気を乗員の足元に向けて吹き出すこととなるので、温風を乗車時点で乗員の上半身に向けて吹き出す場合に比べて、空調フィーリングを良好にできる。
【0064】
(第3実施形態)
上記第1および第2実施形態では、ヒータコア8により車室内吹出空気を加熱して暖房運転するようになっているが、本実施形態では、室外熱交換器2にて吸熱して室内熱交換器5で放熱するヒートポンプサイクルを採用し、室内熱交換器5により車室内吹出空気を加熱して暖房運転するようになっている。
【0065】
そして、第1および第2実施形態におけるプレ駆動制御を暖房運転時にも採用している。なお、この場合には、ステップS20におけるコンプレッサ始動条件を設定変更する必要があるが、その他の制御フローは図3に示すフローと同様である。
【0066】
これによれば、外気温が低く暖房運転を必要とする場合においても、プレ駆動制御により乗員が乗車する前に予め圧縮機1を駆動させることとなる。よって、乗車時には室内熱交換器5の温度が予め上昇しているので、乗車直後から即座に、送風機7の目標風量レベルBLWを最大にして十分に加熱された温風を車室内に吹き出させることができる。よって、乗車直後から車室内を快適温度に空調するまでの時間を短縮することができる。
【0067】
(他の実施形態)
上記第1実施形態の乗車予測手段S10は、キーレスエントリー装置によりドアロック解除したか否かにより乗員が所定時間内に乗車するか否かを予測しているが、本発明の乗車予測手段S10はこのような手段に限られるものではなく、例えば、携帯電話等の外部通信手段によりエアコンスイッチ40の投入が可能な車両用空調装置において、外部通信手段によるエアコンスイッチ40投入がなされたか否かにより乗員が所定時間内に乗車するか否かを予測するようにしてもよい。
【0068】
また、上記第1実施形態では、プレ駆動制御において圧縮機1を駆動させる際に、送風機プレ駆動制御時に送風機7を停止させているが、本発明の実施にあたり、プレ駆動制御時に送風機7を駆動させるようにしてもよい。
【0069】
なお、上述の実施形態では、圧縮機1として可変容量型圧縮機を用い、可変容量型圧縮機1の容量を可変制御することにより蒸発器温度Teを目標値TEOとなるように制御する場合について説明したが、圧縮機1として通常の固定容量型圧縮機を用い、この固定容量型圧縮機1の作動を電磁クラッチ25により断続して、圧縮機1の稼働率を変化させることにより蒸発器吹出温度Teを目標値TEOとなるように制御してもよい。
【0070】
また、上述の実施形態では、発電機を兼ねるモータ21を圧縮機1の駆動源として用いているが、モータ21を圧縮機1等の補機の駆動源専用とし、発電機を別途独立に設けてもよい。また、上述の実施形態では、圧縮機1と駆動用モータ21とを別体で構成しているが、圧縮機1に駆動用モータ21を一体に構成してもよい。要は、エンジン稼働時には、エンジン20により圧縮機1を駆動し、エンジン停止時にはモータ21により圧縮機1を駆動することができる圧縮機駆動機構であればよい。従って、圧縮機1、エンジン20、モータ21、および発電機相互間の接続関係は種々変更可能である。
【0071】
また、図1では、圧縮機1の電磁クラッチ25の断続用出力信号をエンジン制御部30から出力する例を示しているが、圧縮機1の電磁クラッチ25の断続用出力信号を空調制御部32から出力してもよいことはもちろんである。
【0072】
また、図1において別々に示したエンジン制御部30、モータ制御部31、および空調制御部32を1つの制御装置として統合してもよいことはもちろんである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る車両用空調装置の全体システム図である。
【図2】図1のシステムによる通常空調制御を示すフローチャートである。
【図3】図1のシステムによるプレ駆動制御を示すフローチャートである。
【図4】(a)は、プレ駆動制御を行わない場合の通常空調制御による目標風量レベルの変化を示した図であり、(b)は、図3のプレ駆動制御を行った場合による目標風量レベルの変化を示した図である。
【図5】本発明の第2実施形態に係るプレ駆動制御を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1…圧縮機、5…室内熱交換器、20…車両走行用エンジン、
21…電動モータ、S10…乗車予測手段。

Claims (5)

  1. 車両走行用エンジン(20)および電動モータ(21)のうち選択されたいずれか一方により駆動される、冷凍サイクルの圧縮機(1)と、
    前記圧縮機(1)の駆動により冷媒が循環して、車室内吹出空気と熱交換する室内熱交換器(5)と、
    乗員が降車して前記エンジン(20)が停止している際に、乗員が所定時間内に乗車するか否かを予測する乗車予測手段(S10)とを備え、
    乗員の足元に向けて温風を吹き出すフット吹出モードと、乗員の上半身に向けて冷風を吹き出すフェイス吹出モードとを切り替え可能になっており、
    前記乗車予測手段(S10)により前記所定時間内の乗車が予測された場合には、前記電動モータ(21)により前記圧縮機(1)を駆動させるプレ駆動制御を行うようになっており、
    さらに、前記プレ駆動制御を行って、前記室内熱交換器(5)により前記車室内吹出空気を冷却する冷房運転を行い、乗員が乗車した時点で前記室内熱交換器(5)が所定温度よりも高い場合には、
    前記乗車時点から所定時間は前記フット吹出モードとし、その後、前記フェイス吹出モードに切り替えることを特徴とする車両用空調装置。
  2. 前記乗車予測手段(S10)は、無線式ドアロック解除手段により車両ドアのロックが解除されたか否かに基づいて、乗員が所定時間内に乗車するか否かを予測することを特徴とする請求項1に記載の車両用空調装置。
  3. 外気温度が所定温度範囲外である場合には、前記乗車予測手段(S10)により前記所定時間内の乗車が予測された場合であっても前記プレ駆動制御を禁止することを特徴とする請求項1または2に記載の車両用空調装置。
  4. 前記電動モータ(21)の駆動源となる蓄電池(50)の電圧が所定値よりも低い場合には、前記乗車予測手段(S10)により前記所定時間内の乗車が予測された場合であっても前記プレ駆動制御を禁止させることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1つに記載の車両用空調装置。
  5. 前記プレ駆動制御を行う場合には、前記圧縮機(1)の回転数を2500rpm以上3500rpm以下の範囲で駆動させることを特徴とする請求項1ないしのいずれか1つに記載の車両用空調装置。
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