JP4119684B2 - 圧延機設定計算装置用学習制御装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、板材や、棒線、型鋼などを製造する圧延機のための設定計算装置用学習制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
圧延機における設定計算および制御システムには種々のモデル式が適用されている。一般に、それらのモデル式は、ラインに設置されたセンサ手段によって検出された実測値あるいは実績値に基づいて、モデルの計算精度あるいは予測精度を向上させるために、学習制御あるいは学習計算などと呼ばれる処理が適用されている。
【0003】
学習制御は、短期学習と長期学習とに大別することができる。短期学習は、パス間学習、コイル間学習、あるいはバー間学習など、1本ごと、あるいは1パスごとなどの時系列的なモデル誤差の推移を吸収するための学習である。これに対して長期学習は、ロット間学習など、製品としての鋼種、寸法、処理方法などによりモデル誤差を層別化して保存するテーブルを用いる学習である。
【0004】
短期学習および長期学習には、それぞれに得られたモデル実績値の誤差を、予測計算時のどのパス、あるいはどのコイルに反映させるかについて、種々の効果的な方式が提案されており、各方式の優れた特徴を有効に用いることにより操業の安定化に大いに寄与させることができる。そのうえで、短期学習および長期学習は、前者が学習項を長期的に保存する層別化された格納スペースを必要としないのに対して、長期学習の方では必ず何らかの学習項の格納スペースを必要とする点がもっとも大きな違いである。
【0005】
モデル式における長期学習項の演算方法および保存方法については、これまでにいくつかの提案がなされている。たとえば、特開平4−367901号公報「プロセスラインにおける学習制御方法」には、グループ別学習係数の変化分を考慮して時系列学習係数を求め、相互の特性を活かす学習方法が提案されている。しかし、この提案では、グループ別学習、つまり層別化した長期学習の学習速度と学習の安定性、および学習の均一的な効果を得るための方策は記述されておらず、したがって、実操業で蓄積される学習の偏りや不均一性に基づくモデル予測精度の悪化を防止することはできない。
【0006】
特開平4−84611号公報「クフウン学習制御方法」では、ロールクラウンと製品寸法などに起因するモデル誤差を、2つのオフセット項を用いてモデル誤差を生じる要因ごとに効率的に吸収する方法が提案されている。これは、ある程度の効果を期待することができるものではある。しかし、この提案においても、それぞれに最適なテーブル構成についての記述はなく、したがって、層別化した長期学習の学習速度と学習の安定性の点で問題が残る。
【0007】
さらに、特開2000−263110号公報「圧延制御モデル学習装置」においては、学習項の習熟度の違いを考慮して、習熟度が低い場合には習熟度の高い近隣の学習項に基づいて補正を加える方法を提案している。この提案においては、学習項の不均一性に基づくモデル予測精度の悪化を最小とすることが可能である。しかし、長期学習の学習速度の加速に関する効果は期待できず、学習の安定性の点でも十分に保証されるわけではないという問題がある。
【0008】
このように、従来の技術では、モデル式演算における長期学習において、その学習速度と学習の安定性、さらに不均一性などの要点を、すべて満足することが可能な技術は見当たらず、したがって、圧延操業の変化やプロセスの状態によっては学習制御そのものが十分な効果を挙げることができず、その結果、操業の不安定や製品品質の悪化を招いたり、さらには操業を阻害するようなトラブルを誘引する虞さえあった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
このように、従来は学習制御が十分な効果を挙げられず、ときに操業の不安定や製品品質の悪化を招く原因となる。このような原因には、いくつかのポイントを指摘することができるが、長期学習の観点に限れば、従来の技術が学習タイミングやモデル誤差の採取方法および反映方法などに着目し、学習制御の問題点の解決を図ってきたことに最大の問題がある。つまり、プロセスに対するモデル予測制御においては、学習タイミングやモデル誤差採取方法、および反映のフローも重要であるが、特に長期学習を用いて継続的なモデル予測誤差の最小化を図るためには、さらに踏み込んで長期学習項の層別テーブルの区分方法や構造そのものも最適な形とすることが重要である。しかし、それが十分でない場合には、長期学習が十分な速度および精度でモデル誤差を吸収することができず、その結果、操業の不安定や製品品質の悪化、さらには操業を阻害するようなトラブルを誘引することになる。
【0010】
本発明はこのような事実を考慮してなされたものであり、長期学習の学習タイミング、モデル誤差、および反映方法に加えて、これまでは顧みられることのなかった長期学習項の層別テーブルの区分および構造に対しても最適な方式を提案することにより、従来問題であった長期学習の学習速度と学習の安定性、さらに不均一性などの欠点を解消し、安定した操業の実現とひいては高品質の製品の製造を可能とする学習制御装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に係る発明の圧延機設定計算装置用学習制御装置は、互いに異なるタイミングで第1および第2のトリガ信号を発生するトリガ信号発生手段と、第1および第2のトリガ信号によって起動され、圧延ラインに設置されたセンサからの実測値を収集する実測値収集手段と、実測値に基づき、モデル式を用いて学習計算に必要な実績計算値を演算する実績計算手段と、第1のトリガ信号によって起動され、実測値および実績計算値を入力としてモデル式の長期学習項に係る第1の学習値を演算する第1の長期学習項演算手段と、第1の学習値を保存する第1の学習項格納テーブルと、第1の長期学習項演算手段によって算出された第1の学習値と第1の学習項格納テーブルに保存された以前の第1の学習値との間で平滑処理を行って最新の第1の学習値とし、得られた最新の第1の学習値により第1の学習項格納テーブルに保存された第1の学習値を更新する第1の平滑処理手段と、第2のトリガ信号によって起動され、実測値、実績計算値、および第1の学習項格納テーブルに保存され更新された第1の学習値を入力として長期学習項に係る第2の学習値を演算する第2の長期学習項演算手段と、第2の学習値を上位計算機からの製品情報と共に保存する第2の学習項格納テーブルと、第2の長期学習項演算手段によって算出された第2の学習値と第2の学習項格納テーブルに保存された以前の第2の学習値との間で平滑処理を行って最新の第2の学習値とし、得られた最新の第2の学習値により第2の学習項格納テーブルに保存された第2の学習値を更新する第2の平滑処理手段と、を備え、第1および第2の学習項格納テーブルに格納されている更新された第1および第2の学習値が次材の設定計算のために用いられることを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、実施の形態を示す図を用いて、本発明をより具体的に説明する。
【0014】
<第1の実施の形態>
図1は本発明による学習制御装置の第1の実施の形態を示すブロック図を示すものである。図1の装置には、互いに異なるタイミングでトリガ信号A,Bを発生する2台のトリガ信号発生器1,2を備えている。両トリガ信号発生器1,2のトリガ信号A,Bにより実測値収集装置3が起動され、実測値の収集を行う(図示省略)。実測値収集装置3は、圧延ライン(図示省略)に設置された各種のセンサによって得られた実測値YACTを収集する。実測値収集装置3から出力される実測値YACTに基づきモデル式を用いて実績計算装置4がモデル演算を行い、学習計算に必要な実績計算値YA・C,xA・Cを演算する。ここで、実績計算値YA・Cは実測値YACTと等しい量のモデルによる実績計算値である。また、他の実績計算値xA・Cは、実績計算値YA・Cの演算に用いられるモデルパラメータであり、学習項格納テーブル7(後述)の格納区分の決定に用いる種々の数値である。
【0015】
トリガ信号発生器2のトリガ信号Bに基づき、実測値収集装置3の出力実測値YACTと実績計算装置4による実績計算値YA・C,xA・Cを受けて、長期学習項演算器5が学習値Zを演算する。この学習値Zに基づいて、学習項格納テーブル7の該当する以前の学習値ZBOLDを参照し、平滑処理器6にて平滑処理を行い、更新すべき学習値ZBNEWを出力し、それを学習項格納テーブル7に保存する。
【0016】
学習項格納テーブル7には、実績計算装置4からの実績計算値YA・C,xA・Cも保存存される。このとき、学習項格納テーブル7は、いくつかのモデルパラメータxA・Cにより構成される層別テーブルであり、たとえば以下に述べるような構造を持っている。
【0017】
今、簡単のためモデル式を、
Y=f(x,x) ・・・(1)
と2つのパラメータx,xを持つ関数式であると仮定してみる。2つのパラメータx,xとしては、実測値を直接用いる場合もあるが、場合によっては実測値を得ることができず、実績計算値を用いざるを得ない場合もある。いずれにせよ、次材設定計算装置12では予測値あるいは目標値などを用いることになる。
【0018】
ここで学習項格納テーブル7は、上記のモデル式の2つのパラメータx,xの実績計算値x A・C,x A・Cが取り得る範囲において、適宜、数十区分に分割されたものである。たとえば、図2に示すような構造をしている。ここでは、パラメータxの区分数は(N+1)個、パラメータxの区分数は(M+1)個である。また、表中のSGCは、たとえば圧延される鋼種を、含まれる成分その他の情報により区分したものであって、鋼種コードなどと呼ばれるものであり、図2の例では「SGC=1」としている。一般に、鋼種コードSGCは製造目的などにより、製造者が生産操業の便利のために区分することが多く、ひとつの製鉄所内には数十種類から数百種類にも及んで存在するのが一般的である。
【0019】
上記において、長期学習項演算器5は次のような演算を行う。ここでは簡単のため(1)式の場合を例に用いるものとし、実測値YACTに対して、実績計算値YA・Cは、YA・C=f(x A・C,x A・C)により計算することができる。また、長期学習項演算器5から出力される学習値Zは、
=YACT/YA・C ・・・(2)
により計算される。
【0020】
さらに、平滑処理器6の演算内容は、一般的には、
BNEW=ZBOLD+β・(Z−ZBOLD) ・・・(3)
のようになる。ここで、学習値ZBNEWは学習値Zの更新後の値であり、学習値ZBOLDは学習値Zの更新前の同区分の値、βは平滑ゲインであり、βが大きいほど、今回新たに計算したモデル誤差の偏差に基づいて、大きくその偏差を反映させて学習値を更新することになる。(3)式の意味するところは、更新前の学習値ZBOLDに、今回の学習値Zと新前の学習値ZBOLDとの差に平滑ゲインβを乗じたものを加算することにより、更新後の学習値ZBNEWを得るということである。因みに、(3)式において、β=0であれば、学習計算を行っても、格納された最新の学習値ZBNEWは以前のものから全く変化しないことを意味する。
【0021】
他方、トリガ信号A側においては、トリガ信号発生器1からのトリガ信号Aに基づき、実測値収集装置3からの実測値YACTと、実績計算装置4からの実績計算値YA・C,xA・Cと、学習項格納テーブル7に保存されている更新された該当する学習値ZBNEWを入力として、長期学習項演算器8が学習値Zを演算する。この学習値Zはトリガ信号B側の学習値ZBNEWを考慮することによりモデル誤差の残部を吸収する作用がある。
【0022】
ここで、長期学習項演算器8の処理内容は次の通りである。長期学習項演算器5の場合と同様に、(1)式を例にとって、
=YACT/(ZBOLD・YA・C) ・・・(4)
あるいは、トリガ信号Aの方がトリガ信号Bより時間的に後である場合は、(4)式の分母のZBOLDに更新後の数値ZBNEWを用いて、
=YACT/(ZBNEW・YA・C) ・・・(5)
とすることができる。
【0023】
この学習値Zに基づいて、学習項格納テーブル10の該当する以前の学習値ZAOLDを参照し、平滑処理器11にて平滑処理を行い、更新すべき学習値ZANEWを出力し、該当する学習値の最新値ZANEWを学習項格納テーブル10に保存することになる。この平滑処理の手順は、長期学習項演算器5の場合と同様に、
ANEW=ZAOLD+β・(Z−ZAOLD) ・・・(6)
を用いる。
【0024】
ここで、学習項格納テーブル10の構造は、一般的には学習項格納テーブル7とは異ならせた方がよい。両者は、少なくとも同じようなモデルパラメータx,xをキーとして構成する必要はない。組み合わせ学習の効果を生かすためには、学習項格納テーブル10は、たとえば上位計算機9から提供される鋼種コード、製品目標板厚区分、目標板幅区分など、モデルパラメータより各生産品の品種区分に近い情報をキーとして、テーブルを構成するのがよい。
【0025】
かくして、次材設定計算装置12は、各学習項更新タイミングの後の然るべきタイミングで実行され、そのとき更新された学習値ZANEW、および、学習値ZBNEWを用いることにより、長期学習の学習速度と学習の安定性を改善することが可能であり、さらに不均一性などの欠点をすべて解消し、安定した操業の実現とひいては高品質の製品の製造を可能とすることができる。
【0026】
このとき、次材設定計算装置12では、モデル式と各学習項を以下のように用いる。モデルによる予測計算値YCALを得るモデル式は前例と同様に式(1)を例とすると、
Figure 0004119684
のようになる。ここで、x CAL,x CALはモデルパラメータである。この例では、各学習項がモデル式に対して積算の形で与えられた場合であるが、いわゆるオフセットあるいはバイアスの和算の形で与えられても同じように学習演算を定義することができる。学習計算に用いる場合とは異なって、通常は製品目標値や他のモデルが予測計算した数値などを用いる。これにより、本発明の学習制御装置の学習速度の改善、および安定性の確保が可能となり、安定操業の実現および高品質の製品の製造が可能となる。
【0027】
本発明の参考例
次に、本発明の参考例について述べる。この参考例のブロック図を図3に示す。この例では、両長期学習項演算器5,8は共通のトリガ信号発生器1からの共通のトリガ信号Aで同時に起動され、また実測値収集装置3による実測値収集および実績計算装置4による実績計算もトリガ信号Aで起動され実行される(図示省略)。また、両学習項格納テーブル7,10のキーパラメータとして、上位計算機9によって設定される製品寸法や鋼種などが共通に用いられる点に特徴がある。他は、図1を参照して説明したものと変わりがない。
【0028】
本例における長期学習項演算器5による演算については、トリガ信号発生器1からのトリガ信号Aに基づき、実測値収集装置3の出力実測値YACTと実績計算装置4の出力実績計算値YA・Cを受けて、長期学習項演算器5により学習値Zを演算する。この学習値Zに基づいて、学習項格納テーブル7の該当する以前の学習値ZBOLDを参照し、平滑処理器6にて平滑処理を行い、更新すべき学習値ZBNEWを出力し、該当する最新の学習値ZBNEWを学習項格納テーブル7に保存する。学習項格納テーブル7のキーは、上位計算機9から設定される製品寸法、鋼種などである。
【0029】
他方、長期学習項演算器8側については、トリガ信号発生器1からのトリガ信号Aに基づき、実測値収集装置3の出力実測値YACTと実績計算装置4の出力実績計算値YA・C、および学習項格納テーブル7の更新された該当する学習値ZBNEWを入力として、長期学習項演算器8において学習値Zを演算する。この学習値Zに基づいて、学習項格納テーブル10の該当する以前の学習値ZAOLDを参照し、平滑処理器11にて平滑処理を行い、更新すべき学習値ZANEWを出力し、該当する学習値の最新値ZANEWを学習項格納テーブル10に保存する。学習項格納テーブル10のキーは、学習項格納テーブル7と同様に、上位計算機9によって設定される製品寸法や鋼種などである。
【0030】
次材設定計算装置12は、各学習項更新タイミングの後の然るべきタイミングで実行され、そのとき更新された学習値ZANEWおよび学習値ZBNEWを用いることにより、長期学習の学習速度と学習の安定性を改善することが可能であり、さらに不均一性などの要点をすべて満足し、安定した操業の実現とひいては高品質の製品の製造を可能とする。
【0031】
ここで、学習項格納テーブル7および学習項格納テーブル10は、たとえば図4に示すように構成される。ここで、学習項格納テーブル10のキーは、鋼種コードSGCのほかに、たとえば製品目標板厚を与え、学習項格納テーブル7のキーは、鋼種コードSGCと、たとえば製品目標板幅のように与える。図2のテーブル構造と図4のテーブル構造との違いは、図2のテーブルが、SGC×モデルパラメータ1×モデルパラメータ2の3次元的な構造であるのに対して、図4のテーブルは、SGC×製品パラメータ1、および、SGC×製品パラメータ2の並列構造を有する点である。
【0032】
図4のテーブルの場合は、テーブル構造が並列になっており、製品パラメータ1および2の関係が、モデル誤差の挙動に対しておのおの独立であれば、(7)式の形の学習項の反映方法を拡張して、
ACL=ZANEW・ZBNEW・ZCNEW・f(x CAL,x CAL
・・・(8)
のように用いることが可能である。ここで、ZCNEWはトリガ信号発生器1からのトリガ信号Aに基づく学習値であり、学習値ZANEWおよびZBNEWはどちらもトリガ信号発生器1からのトリガ信号Aに基づく学習値である。ただし、学習値ZANEWおよびZBNEWは(4)式あるいは(5)式と同様に優先順位を付けておき、学習値ZANEWは学習値ZBNEWを用いた学習により吸収されたモデル誤差の残差分を吸収することになる。
【0033】
上記(8)式のように並列構造のテーブルに格納される学習項を考慮すれば、テーブルの1個のセルにヒットする確率から分かるように、図3の3次元的なテーブル構造より、学習項の更新速度を速くすることができる。たとえば、カッコ内の数字を次元として、SGC(10)×モデルパラメータ1(10)×モデルパラメータ2(10)の3次元的な構造では、セル数が10×10×10=1000であるのに対して、並列構造のテーブルでは、SGC(10)×製品パラメータ1(10)=100、および、SGC(10)×製品パラメータ2(10)=100、したがってセル数の合計は200となり、したがって、1つの学習機会でのヒット率は1/1000および1/200となり、並列構造のテーブルの方が5倍速く学習が進むことが分かる。
【0034】
第2の実施の形態
次に、第2の実施の形態について述べる。その前に、図5を参照してタンデムミルにおける同一点トラッキングとデータサンプリング、および同時点データサンプリングの違いについて説明する。図5において、#1〜#6はタンデム配置された圧延スタンドを示し、これらの圧延スタンドを通して被圧延材20が矢印の方向に搬送されていく様子を示したものである。上方に示す「同一点トラッキング」の場合、被圧延材20の特定点、たとえば先端に着目してトラッキングし、その特定点が各スタンドを通過するタイミング(先端通板時)をもってデータ採取(サンプリング)を行い、そのサンプルデータに基づく学習を行うものであり、これを本実施の形態では長期学習項演算器8側に適用する。これに対して「同時点サンプリング」の場合は、たとえば各スタンドの対応箇所で同時点でデータ採取(サンプリング)を行い、そのサンプルデータに基づく学習を行うものであり、これを本実施の形態では長期学習項演算器5側に適用する。
【0035】
図6に示す装置においては、トリガ信号Bでは同時点データサンプリングに基づく学習を行い、トリガ信号Aでは同一点トラッキングに基づくサンプリングデータを用いて学習を行う。
【0036】
この実施の形態は、長期学習項演算器8と長期学習項演算器5の学習タイミング、および学習値演算の狙い点が異なる場合であり、特にタンデムミルでの先端通板時の学習精度の向上と学習速度の改善を図り得る可能性を持っている。
【0037】
第3の実施の形態
次に、第3の実施の形態について述べる。この実施の形態のブロック図を図7に示す。図示のように、この実施の形態の特徴は、図1の装置における平滑処理器6,11の代わりにPI処理器13,14を設けている点である。このように平滑処理器の代わりにPI処理器を用いることによって、学習項の偏差に応じて比例動作に基づく制御量が増加するなどの補償動作を加えることができ、しかも平滑処理器を用いる場合に比べて学習速度を速くすることができる。
【0038】
第4の実施の形態
次に第4の実施の形態について述べる。第1の実施の形態(図1)では、長期学習項演算器5および8のみについて記述したが、さらに長期学習項演算器8による長期学習項演算の外側のループとして、格納テーブルを有しない短期学習項演算を付加することも有用である。この場合は、学習値ZおよびZにより吸収されたモデル誤差の残差部分を、最終的に短期学習項によって吸収することになる。その場合、短期学習項Zは、以下のように求める。
【0039】
Figure 0004119684
さらに、学習値Z,Zに平滑処理あるいはPI処理を加えて、短期学習項の更新値ZSNEWを求める。このようにして次材設定計算装置12により長期学習項ZANEW,ZBNEW、および短期学習項ZSNEWを考慮したモデル演算を行うことにより、より良好な学習効果を得ることができる。
【0040】
第5の実施の形態
次に第5の実施の形態では、実績計算値YA・Cが大きく振れる場合の発散を避けるために学習値Zを複数回(n回)蓄積し、その平均値ZBAVの蓄積回数がnに達したとき、それまでの学習値ZBOLDを用いて平滑処理を行うことによって学習値の更新値ZBNEWを得る。
【0041】
同様に、学習値Zも複数回(=m)蓄積し、その平均値ZAAVの蓄積回数がmに達したとき、それまでの学習値ZAOLDを用いて平滑処理を行い、学習値の更新値ZANEWを得る。これにより、より長期学習に対する実績値が大きく振動する場合でも、長期学習制御そのものを安定化させることができる。
【0042】
【発明の効果】
本発明による学習制御方法によれば、長期学習項のテーブルを複数に分割し、優先順位をつけて学習を行い、モデル誤差の残余の部分を吸収可能とすることにより、長期学習の学習速度と学習の安定性を改善することができ、さらに学習値の不均一性の欠点を解消し、安定した操業の実現と高品質の製品の製造を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施の形態による学習制御装置を示すブロック図。
【図2】 第1の実施の形態における学習項格納テーブル7の構成例を示す図表。
【図3】 本発明の参考例による学習制御装置を示すブロック図。
【図4】 2次元並列構造の典型的な長期学習項格納テーブルの構成例を示す図表。
【図5】 第2の実施の形態における同時点データと同一点データの採取タイミングを示す模式図。
【図6】 第2の実施の形態による学習制御装置を示すブロック図。
【図7】 第3の実施の形態による学習制御装置を示すブロック図。
【符号の説明】
1 トリガ信号発生器
2 トリガ信号発生器
3 実績値収集装置
4 実績計算装置
5 長期学習項演算器
6 平滑処理器
7 学習項格納テーブル
8 長期学習項演算器
9 上位計算機
10 学習項格納テーブル
11 平滑処理器
12 次材設定計算装置
13 PI処理器
14 PI処理器

Claims (5)

  1. 互いに異なるタイミングで第1および第2のトリガ信号を発生するトリガ信号発生手段と、前記第1および第2のトリガ信号によって起動され、圧延ラインに設置されたセンサからの実測値を収集する実測値収集手段と、前記実測値に基づき、モデル式を用いて学習計算に必要な実績計算値を演算する実績計算手段と、前記第1のトリガ信号によって起動され、前記実測値および前記実績計算値を入力として前記モデル式の長期学習項に係る第1の学習値を演算する第1の長期学習項演算手段と、前記第1の学習値を保存する第1の学習項格納テーブルと、前記第1の長期学習項演算手段によって算出された第1の学習値と前記第1の学習項格納テーブルに保存された以前の第1の学習値との間で平滑処理を行って最新の第1の学習値とし、得られた最新の第1の学習値により前記第1の学習項格納テーブルに保存された前記第1の学習値を更新する第1の平滑処理手段と、前記第2のトリガ信号によって起動され、前記実測値、前記実績計算値、および前記第1の学習項格納テーブルに保存され更新された第1の学習値を入力として長期学習項に係る第2の学習値を演算する第2の長期学習項演算手段と、前記第2の学習値を上位計算機からの製品情報と共に保存する第2の学習項格納テーブルと、前記第2の長期学習項演算手段によって算出された第2の学習値と前記第2の学習項格納テーブルに保存された以前の第2の学習値との間で平滑処理を行って最新の第2の学習値とし、得られた最新の第2の学習値により前記第2の学習項格納テーブルに保存された前記第2の学習値を更新する第2の平滑処理手段と、を備え、前記第1および第2の学習項格納テーブルに格納されている更新された第1および第2の学習値が次材の設定計算のために用いられることを特徴とする圧延機設定計算装置用学習制御装置。
  2. 請求項1に記載の学習制御装置において、タンデムミルに適用され、前記第1のトリガ信号発生時点で同時点データサンプリングに基づく学習計算を行い、前記第2のトリガ信号発生時点で同一点トラッキングに基づくサンプリングデータに基づく学習計算を行うことを特徴とする学習制御装置。
  3. 請求項1に記載の学習制御装置において、前記第1の平滑処理手段および前記第2の平滑処理手段として、それぞれPI処理手段が備えられていることを特徴とする学習制御装置。
  4. 請求項1に記載の学習制御装置において、前記第2の長期学習項演算手段の外側のループとして短期学習項演算手段を備えたことを特徴とする学習制御装置。
  5. 請求項1に記載の学習制御装置において、前記第1の長期学習項演算手段は、学習演算の結果をn回(ただし、n≧2)蓄積し、その蓄積回数がnに達したとき、それまでの学習値を用いて平滑処理を行って第1の学習値の更新値を得ると共に、前記第2の長期学習項手段は、学習演算の結果をm回(m≧2)蓄積し、その蓄積回数がmに達したとき、それまでの学習値を用いて平滑処理を行って第2の学習値の更新値を得ることを特徴とする学習制御装置。
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