JP4119309B2 - 貯湯式給湯装置の残湯量表示装置 - Google Patents

貯湯式給湯装置の残湯量表示装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、貯湯式給湯装置の残湯量表示装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来よりこの種のものにおいては、特許文献1に開示されているように、電熱ヒータやヒートポンプ回路等の加熱部により沸き上げた湯水を貯湯する貯湯タンク内の温度を、貯湯タンクの側面上下に複数設けられた貯湯温度センサで検出し、リモートコントローラ等に貯湯温度センサの数に対応した残湯量表示ランプを設け、各貯湯温度センサで検出する温度に基づき、高温の所定温度(例えば80℃)以上でランプを点灯、高温の所定温度未満でかつ湯とみなす下限温度(例えば40℃)以上ならランプを点滅、湯とみなす下限温度未満ならランプを消灯するようにして残湯量を3段階×ランプ数で表示するようにしていた。
【0003】
【特許文献1】
実開平4−50353号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、この従来のものでは、夏季等で給湯負荷が少ない場合で加熱手段で沸き上げて貯湯する沸き上げ目標温度が高温の所定温度以下の低い温度であった場合、沸き上げ目標温度まで沸き上げが完了していても残湯量表示ランプが点灯せず、ユーザーが沸き上げが完了していないもしくは正常に沸き上げられなかったと誤認してしまう可能性があった。
【0005】
【課題を解決するための手段】
そこで、本発明は上記課題を解決するため、請求項1では、湯水を貯湯する貯湯タンクと、前記貯湯タンク内の湯水を過去数日分の給湯負荷に応じた沸き上げ目標温度まで沸き上げる加熱部と、前記貯湯タンクに複数設けられた貯湯温度センサと、表示部を有したリモートコントローラとを備え、夜間時間帯に翌日に必要な分を沸き上げるようにした貯湯式給湯装置において、前記複数の貯湯温度センサの検出温度の各々を前記過去数日分の給湯負荷に応じた沸き上げ目標温度に対する割合として演算する割合演算手段と、この割合演算手段で演算された各々の割合を基に残湯量をグラフ化するグラフ情報作成手段と、前記グラフ情報作成手段で作成されたグラフ情報を前記リモートコントローラの表示部にグラフ化して表示させるようにした。
【0006】
これにより、残湯量が過去数日分の給湯負荷に応じた沸き上げ目標温度に対する割合でグラフ表示されるため、沸き上げ完了直後は残湯量が100%となってグラフ表示され正常に沸き上げが完了して満タンまで貯湯されたと理解しやすいものであり、しかも給湯等によって貯湯熱量が減少すれば、残湯量の沸き上げ目標温度に対する割合が減少してどの程度の熱量を使用したかを認識しやすく、貯湯タンク内の残湯量が正確にかつ容易にわかるものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
1は貯湯タンクユニット、2はヒートポンプユニットよりなる加熱部、3は給湯栓、4はリモートコントローラ、5は浴槽、6は電源である。
【0010】
前記貯湯タンクユニット1は、湯水を貯湯する貯湯タンク7と、貯湯タンク7の上部に接続された出湯管8と、貯湯タンク7の下部に接続された給水管9と、出湯管8からの高温水と給水管9から分岐されたバイパス管10からの低温水とを混合するミキシング弁11と、ミキシング弁11の下流に接続された給湯管12と、給湯管12に設けられた給湯温度センサ13と、給水管8に設けられた給水温度センサ14と、給湯管12から分岐され浴槽5に接続された湯張り管15と、この湯張り管15の開閉を行う湯張り弁16と、湯張り管15を流れる流量を積算する湯張り流量センサ17と、貯湯タンク7の側面上下方向に複数設けられた貯湯温度センサ18a〜eと、この貯湯タンクユニット1の制御を行うマイクロコンピュータを主に構成される給湯制御部19と、貯湯タンク7と加熱部2とを接続して湯水を循環させる加熱循環回路20とを備えて構成されている。
【0011】
前記加熱部2は、二酸化炭素冷媒を圧縮するコンプレッサー21と、凝縮器としての冷媒−水熱交換器22と、減圧器23と、蒸発器としての空気熱交換器24よりなるヒートポンプ回路25と、加熱循環回路20途中に設けられた能力可変の循環ポンプ26と、加熱循環回路20の冷媒−水熱交換器22入口側に設けられ、冷媒−水熱交換器22に流入する湯水の温度を検出する熱交入口温度センサ27と、加熱循環回路20の冷媒−水熱交換器22出口側に設けられ、冷媒−水熱交換器22から流出する湯水の温度を検出する熱交出口温度センサ28と、この加熱部2の制御を行うマイクロコンピュータを主に構成される加熱制御部29とを備えて構成されている。
【0012】
ここで、前記電源6は時間帯別電灯であり、夜間(ここでは23時から翌7時まで)が割安な電力料金設定となっているもので、この割安な夜間電力を用いて夜間に一日に必要な貯湯熱量を沸かし上げて使用するものであり、また、この時間帯別電灯では昼間(7時から23時まで)にも電力は供給され、残湯量が少なくなったときに追加の沸き増しが行われるものである。なお、前記電源6は給湯制御部19に接続され、この給湯制御部19からリモートコントローラ4および加熱制御部29(ヒートポンプ回路25に必要な電力を含む)に有線にて通信信号が重畳されて電力供給されるものである。
【0013】
そして、夜間時間帯になると前記給湯制御部19が翌日に必要な貯湯熱量Qを演算し、この目標となる貯湯熱量Qを夜間時間帯の終了時までに沸き上げるよう加熱制御部29に指示してヒートポンプ回路25を作動させ、加熱循環回路20の循環ポンプ26を駆動開始する。そして、循環ポンプ26の駆動により貯湯タンク7下部から取り出された湯水が加熱部2の冷媒−水熱交換器22に流入して加熱され、加熱循環回路20を介して貯湯タンク7の上部に戻されることにより高温の湯が貯湯される。
【0014】
そして、貯湯タンク7の側面に設けられた貯湯温度センサ18が所定の量の高温水が貯湯されたことを検出するか、または、熱交入口温度センサ27が所定温度以上を検出すると、給湯制御部19が加熱制御部29へ加熱動作の停止を指令し、ヒートポンプ回路25と循環ポンプ26の作動が停止され、夜間時間帯の終了時までに貯湯動作を終了するものである。
【0015】
なお、ここで、貯湯タンク7内に貯湯される熱量は給湯制御部22により過去数日分の給湯負荷から適切と思われる熱量を目標貯湯熱量Qとして算出されるもので、貯湯される湯水の沸き上げ目標温度Tsは季節(または給水温度センサ15で検出する給水温度)および目標貯湯熱量Qの大小によって60℃〜90℃の範囲で変動されるものである。
【0016】
前記リモートコントローラ4には給湯設定温度を設定する温度設定スイッチ、および湯張り量を設定する湯張り量設定スイッチとを有した操作部30と、ドットマトリクス型の蛍光表示管よりなる表示部31と、この表示部31の駆動制御を行う表示ドライバ回路32と、これら操作部30、表示部31および表示ドライバ回路32を制御すると共に、前記給湯制御部19と通信を行うマイクロコンピュータを主に構成されたリモコン制御部33を備えており、通常運転時は前記表示部31に操作部30で設定された給湯設定温度や時刻情報および貯湯温度センサ18で検知する残湯量等が表示されるものである。なお、前記表示部31はドットマトリクス型の液晶表示部としてもよい。
【0017】
次に、給湯栓3を開くと、給水管9からの給水圧により貯湯タンク7上部の高温水が出湯管8に押し出され、給湯制御部19により制御されるミキシング弁11にてバイパス管10の低温水と給湯温度センサ13の検出する温度が前記リモートコントローラ4の操作部30で設定された給湯設定温度になるように混合されて給湯管12を介して給湯されるものである。
【0018】
もしも給湯量が通常よりも多くなってしまい、昼間電力時間帯にて貯湯温度センサ18で検出する残湯量が少なくなったことを給湯制御部19が検知し、貯湯タンク7内に貯湯された湯の湯切れが予想される場合は、その時点にて昼間電力を利用して必要な熱量の沸き増しが行われるものである。
【0019】
次に、浴槽5に湯張りを行う際は、リモートコントローラ4の操作部30の湯張りスイッチ(図示せず)が操作されると、給湯制御部19が湯張り弁16を開いて湯張りを開始し、湯張りを開始してからの積算流量が湯張り量に達したことを湯張り流量センサ17により検出すると湯張り弁16を閉じて湯張りを完了するものである。
【0020】
次に、本発明の特徴的構成である残湯量表示装置について図2に基づいて説明する。
34は前記貯湯温度センサ18a〜eで検出する温度と沸き上げ目標温度とに基づいて、検出した貯湯温度の沸き上げ目標温度に対する割合を演算する割合演算手段である。
【0021】
ここでは、例えば、貯湯温度センサ18a〜eで検出する温度Tn(n=a〜e)から給水温度センサ14で検出する給水温度Twを減算した値を沸き上げ目標温度Tsから給水温度Twを減算した値で除算して割合Rを算出するものである。これを式で表すと、
R(%)=(Tn−Tw)・100/(Ts−Tw)
となる。
【0022】
35は前記割合演算手段34が演算した沸き上げ目標温度に対する貯湯温度の割合を基に残湯量のグラフ情報を作成するグラフ情報作成手段で、それぞれの貯湯温度センサ18a〜eの検出する温度に基づく割合をパーセンテージでそれぞれバーグラフ表示するためのグラフ情報を作成するものであり、5%刻みで表示部31のバーグラフを一段階増すようにしているものである。なお、前記割合演算手段34およびグラフ情報作成手段35は給湯制御部19の一機能としてプラグラムにより記憶されているものである。
【0023】
そして、グラフ情報作成手段35で作成されたグラフ情報が給湯制御部19からリモコン制御部33の表示ドライバ回路32に伝達され、表示ドライバ回路32が各貯湯温度センサ18a〜eにそれぞれ対応する形で横向きのバーグラフ状に残湯量を表示部31に表示する。
【0024】
ここでは、例えば、バーグラフの右方向が割合が高くなるようにして、右端で100%、左端で50%とし、貯湯温度センサ18a〜eが検出する温度に基づく割合を5%刻みで1段階バーグラフの端部を移動させるように表示している。そして、各貯湯温度センサ18a〜eに対応するように、センサの数と同数のバーグラフをセンサの垂直方向の位置関係と同じように貯湯タンク7を模した図形内に並べて貯湯タンク7内の温度分布を視覚的に容易に理解できるようにしているものである。
【0025】
このように、残湯量が貯湯温度センサ18a〜eに対応する形で沸き上げ目標温度に対する割合でバーグラフ状に表示されるので、沸き上げ目標温度Tsの高低にかかわらず沸き上げ完了直後は全てのバーグラフが最長で全点灯され、目標貯湯熱量Qが沸き上げられて正常に沸き上げが完了して満タンまで貯湯されたと理解しやすいものであり、しかも目標貯湯熱量Qに対してどの程度の熱量を使用したかを認識しやすく、貯湯タンク7内の残湯量が正確にかつ容易にわかる。
【0026】
なお、本発明は上記の一実施形態に限定されるものではなく、例えば、加熱部2として貯湯タンク7内に電熱ヒータを直接配した構成としてもよく、また、残湯量の表示形態としてバーグラフ状ではなく、折れ線グラフ状に表示するようにしてもよい。
【0027】
また、割合演算手段34の演算式として例示したものの他に、例えば、貯湯温度センサ18a〜eで検出する温度Tn(n=a〜e)から浴槽への湯張り等に用いることができるお湯とみなせる温度(例えば40℃)を減算した値を、沸き上げ目標温度Tsから浴槽への湯張り等に用いることができるお湯とみなせる温度(例えば40℃)を減算した値で除算して割合Rを算出するようにしてもよい。これを式で表すと、
R(%)=(Tn−40)・100/(Ts−40)
となる。
【0028】
また、割合演算手段34の演算式として、例えば、単純に貯湯温度センサ18a〜eで検出する温度Tn(n=a〜e)を、沸き上げ目標温度Tsで除算して割合Rを算出するようにしてもよい。これを式で表すと、
R(%)=Tn・100/Ts
となる。
【0029】
また、残湯量の割合の表示形態として、50%から100%として例示しているが、これに限られず、0%から100%まで表示するようにしてもよい。
【0030】
次に、本発明のさらに他の一実施形態を図3に基づいて説明する。なお、先の一実施形態と同じものは同一の記号を付してその説明を省略する。
【0031】
36は前記貯湯温度センサ18a〜eで検出する温度から貯湯タンク7内の残熱量を演算する残熱量演算手段で、ここでは、例えば、各貯湯温度センサ18a〜eで検出する温度Tn(n=a〜e)から給水温度Twを減算した値に、各貯湯温度センサ18a〜eに予め割り当てられた貯湯容量An(n=a〜e)をそれぞれ乗算し、それらを積算して貯湯タンク7内のおおよその残熱量qを演算するものである。これを式で表すと、
q=Σ(Tn−Tw)・An
となる。
【0032】
37は、前記残熱量演算手段36で演算された残熱量qと、今回の沸き上げ動作にて沸き上げられた目標貯湯熱量Qとから、現在の残熱量qの目標貯湯熱量Qに対する割合を演算する残熱割合演算手段である。これを式で表すと、
R(%)=q・100/Q
となる。
【0033】
なお、前記残熱量演算手段36および残熱割合演算手段37は給湯制御部19の一機能としてプラグラムにより記憶されているものである。
【0034】
そして、残熱割合演算手段37で演算された残熱割合が給湯制御部19からリモコン制御部33の表示ドライバ回路32に伝達され、表示ドライバ回路32が残熱割合を数値あるいは図形で表示されるものである。
【0035】
このように、残湯量が目標貯湯熱量Qに対する割合で表示されるので、沸き上げ目標温度Tsの高低にかかわらず沸き上げ完了直後は残熱量の割合が100%で表示され、目標貯湯熱量Qが沸き上げられて正常に沸き上げが完了して満タンまで貯湯されたと理解しやすいものであり、しかも目標貯湯熱量Qに対してどの程度の熱量を使用したかを認識しやすく、貯湯タンク7内の残湯量が正確にかつ容易にわかる。
【0036】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、残湯量が複数の貯湯温度センサに対応する形で過去数日分の給湯負荷に応じた沸き上げ目標温度に対する割合でグラフ状に表示されるので、沸き上げ完了直後は正常に沸き上げが完了して満タンまで貯湯されたと理解しやすいものであり、しかもどの程度の熱量を使用したかを認識しやすく、貯湯タンク内の残湯量が正確にかつ容易にわかるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態の概略構成図。
【図2】同一実施形態のブロック図。
【図3】本発明の他の一実施形態の概略構成図。
【符号の説明】
2 加熱部
4 リモートコントローラ
7 貯湯タンク
18 貯湯温度センサ
31 表示部
34 割合演算手段
35 グラフ情報作成手段
36 残熱量演算手段
37 残熱割合演算手段

Claims (1)

  1. 湯水を貯湯する貯湯タンクと、前記貯湯タンク内の湯水を過去数日分の給湯負荷に応じた沸き上げ目標温度まで沸き上げる加熱部と、前記貯湯タンクに複数設けられた貯湯温度センサと、表示部を有したリモートコントローラとを備え、夜間時間帯に翌日に必要な分を沸き上げるようにした貯湯式給湯装置において、前記複数の貯湯温度センサの検出温度の各々を前記過去数日分の給湯負荷に応じた沸き上げ目標温度に対する割合として演算する割合演算手段と、この割合演算手段で演算された各々の割合を基に残湯量をグラフ化するグラフ情報作成手段と、前記グラフ情報作成手段で作成されたグラフ情報を前記リモートコントローラの表示部にグラフ化して表示させるようにしたこと特徴とする貯湯式給湯装置の残湯量表示装置。
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