JP3977202B2 - 貯湯式給湯装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は貯湯式給湯装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来よりこの種の貯湯式給湯装置においては、貯湯タンク内の湯水を電熱ヒータやヒートポンプ回路等の加熱源で深夜電力を利用して高温に沸し上げ、この貯湯タンク内の高温の湯と給水管からの水とを設定温度に混合して給湯するものであった。このようなものには例えば特開2001−263803号公報や特開2001−330314号公報に開示されている貯湯式給湯装置が存在する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、このような従来のものでは、ユーザーがお湯の毎日の使用状況を把握することができないという課題があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】
そこで、この従来の課題を解決するため、請求項1では、湯水を貯湯する貯湯タンクと、前記貯湯タンク内の湯水を沸き上げる加熱部と、表示部を備えたリモートコントローラとを備えた貯湯式給湯装置において、一日の実績使用湯量を所定の換算温度での使用湯量に換算する使用湯量換算手段と、前記使用湯量換算手段で算出された前日までの過去複数日分の使用湯量を記憶する使用湯量記憶手段と、前記使用湯量記憶手段に記憶されている前日までの過去複数日分の使用湯量とその日数を基にグラフ情報を作成するグラフ情報作成手段と、前記貯湯タンクに貯湯された熱量を前記所定の換算温度での使用可能湯量に換算する使用可能湯量換算手段と、前記使用可能湯量換算手段で算出された使用可能湯量を基に節約ガイド情報を作成する節約ガイド作成手段と、前記グラフ情報作成手段で作成されたグラフ情報および前記節約ガイド作成手段で作成された節約ガイド情報を前記リモートコントローラの表示部にグラフ化して表示させる表示ドライバ回路とを備えたものとした。
【0005】
これにより、複数日分の使用湯量がリモートコントローラの表示部に給湯量グラフとしてグラフ化されて表示されるので一目で日々の使用湯量の変動を認識することができ、ユーザー自身による使用湯量の管理が容易に可能となり、しかも、その時々で貯湯タンク内の貯湯温度や給湯温度が異なっていても、所定の換算温度に換算されて使用湯量が算出されているので、日々あるいはその時々の使用条件が異なっていても使用湯量のグラフは同条件で表示されているため、日々の使用湯量の比較が非常に容易になる。さらに、貯湯タンクに貯湯された熱量を所定の換算温度での使用可能湯量として算出し、これを節約ガイドとしてグラフ上に表示するので、追加の沸かし増しを行わないで使用できる湯量が明確になり、ユーザー自身が使用湯量をこの節約ガイド以下に保つように管理することが容易に可能となる。
【0006】
また、請求項2では、請求項1のものにおいて、前記使用可能湯量換算手段は、前記貯湯タンクに実際に貯湯された熱量を所定の換算温度に換算して使用可能湯量を算出すると共に、前記使用可能湯量換算手段で算出された前日までの複数日分の使用可能湯量と前記使用湯量算出手段で算出された前日までの複数日分の使用湯量とを対応させて前記使用湯量記憶手段に記憶させるようにした。
【0007】
これにより、本当は使用可能な湯量を超過していたのに給湯湯量が節約ガイド以下に表示されて、節約ガイドがあるがために昼間電力での追加の沸き増しを誘発してしまうといった不具合を解消することができ、正確に算出された昼間電力による追加の沸かし増しを行わないで使用できる湯量と前日までの使用湯量との関係が一目でわかり、この安価な夜間電力により沸き上げられた湯で一日分の使用湯量をまかなうようにユーザー自身が使用湯量をこの節約ガイド以下に保つように管理しながら使用することが容易に可能となって、節水・省電力を促進できる効果がより高いものである。
【0020】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
1は貯湯タンクユニット、2はヒートポンプユニットよりなる加熱部、3は給湯栓、4はリモートコントローラ、5は電源である。
【0021】
前記貯湯タンクユニット1は、湯水を貯湯する貯湯タンク6と、貯湯タンク4の上部に接続された出湯管7と、貯湯タンク6の下部に接続された給水管8と、出湯管7からの高温水と給水管8から分岐された分岐管9からの低温水とを混合するミキシング弁10と、ミキシング弁8の下流に接続された給湯管11と、給湯管11に設けられた給湯温度センサ12と、給湯管11に設けられた給湯流量センサ13と、給水管8に設けられた給水温度センサ14と、出湯管7から分岐して接続された貯湯タンク6の過圧を逃す過圧逃し弁15と、給水管8に設けられた入水圧を減圧する減圧弁16と、貯湯タンク6の側面上下方向に複数設けられた貯湯温度センサ17と、この貯湯タンクユニット1の制御を行うマイクロコンピュータを主に構成される給湯制御部18と、貯湯タンク6と加熱部2とを接続して湯水を循環させる加熱循環回路19とを備えて構成されている。
【0022】
前記加熱部2は、二酸化炭素冷媒を圧縮するコンプレッサー20と、凝縮器としての冷媒−水熱交換器21と、減圧器22と、蒸発器としての空気熱交換器23よりなるヒートポンプ回路24と、空気熱交換器23に送風する送風機25と、加熱循環回路19途中に設けられた能力可変の循環ポンプ26と、加熱循環回路19の冷媒−水熱交換器21入口側に設けられ、冷媒−水熱交換器21に流入する湯水の温度を検出する熱交入口温度センサ27と、加熱循環回路19の冷媒−水熱交換器21出口側に設けられ、冷媒−水熱交換器21から流出する湯水の温度を検出する熱交出口温度センサ28と、この加熱部2の制御を行うマイクロコンピュータを主に構成される加熱制御部29とを備えて構成されている。
【0023】
ここで、前記電源5は時間帯別電灯であり、夜間(ここでは23時から翌7時まで)が割安な電力料金設定となっているもので、この割安な夜間電力を用いて夜間に一日に必要な貯湯熱量を沸かし上げて使用するものであり、また、この時間帯別電灯では昼間(7時から23時まで)にも電力は供給される。なお、前記電源5は給湯制御部18に接続され、この給湯制御部18からリモートコントローラ4および加熱制御部29(ヒートポンプ回路24に必要な電力を含む)に有線にて通信信号が重畳されて電力供給されるものである。
【0024】
そして、夜間時間帯になると前記給湯制御部18が翌日に必要な貯湯熱量を演算し、この目標となる貯湯熱量を夜間時間帯の終了時までに沸き上げるよう加熱制御部29に指示してヒートポンプ回路24を作動させ、加熱循環回路19の循環ポンプ25を駆動開始する。そして、循環ポンプ26の駆動により貯湯タンク6下部から取り出された湯水が加熱部2の冷媒−水熱交換器21に流入して加熱され、加熱循環回路19を介して貯湯タンク6の上部に戻されることにより高温の湯が貯湯される。
【0025】
そして、貯湯タンク6の側面に設けられた貯湯温度センサ17が所定の量の高温水が貯湯されたことを検出するか、または、熱交入口温度センサ27が所定温度以上を検出すると、給湯制御部18が加熱制御部29へ加熱動作の停止を指令し、ヒートポンプ回路24と循環ポンプ26の作動が停止され、夜間時間帯の終了時までに貯湯動作を終了するものである。
【0026】
なお、ここで、貯湯タンク6内に貯湯される熱量は給湯制御部18により過去数日分の給湯負荷から適切と思われる熱量を目標貯湯熱量として算出されるもので、貯湯される湯水の温度は季節(または給水温度センサ14で検出する給水温度)および目標貯湯熱量の大小によって60℃〜90℃の範囲で変動するものである。
【0027】
前記リモートコントローラ4には給湯設定温度を設定するスイッチ等を含んだ操作部30と、ドットマトリクス型の蛍光表示管よりなる表示部31と、この表示部31の駆動制御を行う表示ドライバ回路32と、これら操作部30、表示部31、表示ドライバ回路32を制御すると共に、前記給湯制御部18と通信を行うマイクロコンピュータを主に構成されたリモコン制御部33を備えており、前記表示部31に操作部30で設定された給湯設定温度や時刻情報および貯湯温度センサ17で検知する残り貯湯量等が表示されるものである。なお、前記表示部31はドットマトリクス型の液晶表示部としてもよい。
【0028】
次に、給湯栓3を開くと、給水管8からの圧により貯湯タンク6上部の高温水が出湯管7に押し出され、給湯制御部18により制御されるミキシング弁10にて分岐管9の低温水と給湯温度センサ12の検出する温度が前記リモートコントローラ4の操作部30で設定された給湯設定温度になるように混合されて給湯管11を介して給湯されるものである。
【0029】
もしも給湯量が通常よりも多くなってしまい、昼間電力時間帯にて貯湯温度センサ17で検出する残り貯湯量が少なくなったことを給湯制御部18が検知し、貯湯タンク6内に貯湯された湯の湯切れが予想される場合は、その時点にて昼間電力を利用して必要な熱量の沸き増しが行われるものである。
【0030】
次に、本発明の特徴的構成の第1の実施形態を図2に示したブロック図を基に説明する。
【0031】
34は一日の実績使用湯量を所定の換算温度での使用湯量に換算する使用湯量算出手段で、その一実施形態を説明すると、この使用湯量算出手段34は前記給湯制御部17内に構成されており、給湯動作毎に前記ミキシング弁10でリモートコントローラ4の操作部30で設定された給湯設定温度Tsに混合された湯の使用量qを給湯流量センサ13で監視し、その時の給湯設定温度Tsと積算して個別使用熱量を算出する。そして一日分の個別使用熱量を全て加算して実績使用熱量を算出する。次に、実績使用熱量を予め定められた所定の換算温度Tcから給水温度センサ14で検知した給水温度Twを減算した値で除算することで、その時々で温度の異なる給湯を所定の換算温度Tcでの使用湯量Qに換算して所定の条件下での使用状態に換算した使用湯量Qを算出するものである。
【0032】
この使用湯量算出手段34の作動を式で表すと、
Q=Σ(Ts・q)/(Tc−Tw)
となる。
【0033】
なお、この一実施形態では、実績使用熱量を算出するのに給湯設定温度Tsで簡易的に計算しているが、実際の給湯温度を用いて実績使用熱量を算出しても良く、また、他の方法として貯湯温度センサ17で検出される沸き上げ完了時の貯湯熱量と沸き上げ開始時の貯湯熱量の差から一日の実績使用熱量を算出しても良く、要は一日の実績使用湯量を何らかの方法にて検知することができれば良いものである。
【0034】
35は前記使用湯量算出手段34で算出された前日までの過去複数日分の使用湯量Qを記憶する使用湯量記憶手段で、その一実施形態を説明すると、この使用湯量記憶手段35は前記給湯制御部17内に構成されており、前日までの7日分の使用湯量をその日数情報と対応して個別に記憶するもので、例えば一日前は何リットル、二日前は何リットルという要旨の情報を記憶しておくものである。そして、新たな使用湯量Qを記憶する際に、最古の使用湯量Qを消去すると共に、何日前かを表す日数情報を更新して記憶するようにしている。ここで、この一実施形態では記憶内容を湯量として記憶しているが、これに限らず他日と同一条件で比較できるような値を記憶しておけばよいものである。また、使用湯量Qと対応させる日数情報も何日前といった形式ではなく、曜日情報として記憶させても良く、その際、前日の曜日から遡って順列番号を付記して記憶すれば、前日から遡った順に並べ替えることが可能となる。
【0035】
36は前記使用湯量記憶手段35に記憶されている前日までの過去複数日分の使用湯量Qとその日数を基にグラフ情報を作成するグラフ情報作成手段で、その一実施形態を説明すると、このグラフ情報作成手段36は前記リモートコントローラ4内のリモコン制御部33に構成されており、前記使用湯量記憶手段35に記憶されている前日までの過去複数日分の使用湯量Qと日数を基に、予め決められたグラフ形式のフォーマットに使用湯量Qを表す日別の棒グラフの高さ情報を加味し、これらをまとめて表示部31に表示させるための表示位置情報としてのグラフ情報を作成するものである。
【0036】
前記表示ドライバ回路32は、前記グラフ情報作成手段36で作成されたグラフ情報が入力されると、これを表示部31に使用湯量と日数を縦横の軸とした給湯量グラフGとして表示させるようにしている。
【0037】
このように、複数日分の使用湯量Qがリモートコントローラ4の表示部31に給湯量グラフGとしてグラフ化されて表示されるので一目で日々の使用湯量の変動を認識することができ、例えば二日前は無駄に使いすぎたなどと認識することが容易であると共に、日々の使用湯量Qの変遷を把握することが非常に容易で、ユーザー自身による使用湯量Qの管理が容易に可能となり、しかも、その時々で貯湯タンク6内の沸き上げ温度Thや給湯設定温度Tsが異なっていても、所定の換算温度Tcに換算されて使用湯量Qが算出されているので、日々あるいはその時々の使用条件が異なっていても使用湯量Qのグラフは同一条件下に換算されて表示されているため、日々の使用湯量Qの比較が非常に容易になるものである。
【0038】
次に、37は前記貯湯タンクに貯湯された熱量を前記所定の換算温度Tcでの使用可能湯量Quに換算する使用可能湯量換算手段で、その一実施形態を説明すると、この使用可能湯量換算手段37は前記給湯制御部17内に構成されており、予め定められている貯湯タンク6の容量Vに貯湯タンク6内の湯の沸き上げ温度Thから給水温度Twを減算した値を積算した値を換算温度Tcから給水温度Twを減算した値で除算した換算温度Tcでの使用可能湯量Quを算出するものである。
【0039】
この使用可能湯量換算手段37の作動を式で表すと、
Qu=V・(Th−Tw)/(Tc−Tw)
となる。
【0040】
なお、この使用可能湯量Quは毎日算出して日々の使用湯量Qと対応させて使用湯量記憶手段35に記憶させても良いし、また、貯湯タンク容量Vは一定値であり、給水温度Twは季節変動はあるが日々の変動は少ないので、記憶容量を節約するため日々の使用湯量Qをグラフ化表示する時に、その時点で使用可能湯量Quを算出してそれ以前の複数日分に代用するようにしても良い。
【0041】
38は前記使用可能湯量換算手段37で算出された使用可能湯量Quを基に追加の沸かし増しを行わないで使用できる湯量を示す節約ガイド情報を作成する節約ガイド作成手段で、その一実施形態を説明すると、この節約ガイド作成手段38は前記リモートコントローラ4内のリモコン制御部33に構成されており、前記使用可能湯量換算手段37で算出された使用可能湯量Quを基に、前記グラフ形式のフォーマットに使用可能湯量Quをライン状で表すための表示位置情報としての節約ガイド情報を作成するものである。
【0042】
そして、この節約ガイド情報が前記表示ドライバ回路32に入力されると、表示部31に使用湯量と日数を縦横の軸とした使用湯量Qのグラフに重ね合わせて節約ガイド情報もライン状に節約ガイドLとしてグラフ化して表示させるようにしているものである。
【0043】
このように、最大貯湯熱量を所定の換算温度Tcでの使用可能湯量Quとして算出し、これを節約ガイドLとしてグラフ上に表示するので、昼間電力による追加の沸かし増しを行わないで使用できる湯量と前日までの使用湯量Qとの関係が一目でわかるほど明確になり、安価な夜間電力により沸き上げられた湯で一日分の使用湯量Qをまかなうようにユーザー自身が使用湯量Qをこの節約ガイドL以下に保つように管理しながら使用することが容易に可能となる。
【0044】
ここで、前記リモートコントローラ4の表示部31には通常時は給湯設定温度や時刻情報および残り貯湯量等が表示されるもので、前記給湯量グラフGおよび節約ガイドLのグラフ化表示は、操作部30の特定操作(複数スイッチの同時押しや、特定のスイッチ操作、あるいは特定のスイッチ操作からのメニュー式の選択操作等)によりグラフ化表示の指示があったときに、前記グラフ情報作成手段36および節約ガイド作成手段38を作動させ、前記通常時の表示を消して同じ表示部31に表示され、一定時間(例えば10秒間)の表示の後、または操作部30の操作によって通常の表示に戻すようにしているものである。
【0045】
なお、この一実施形態では、前記使用湯量算出手段34、使用湯量記憶手段35、使用可能湯量換算手段37は給湯制御部18に設け、グラフ情報作成手段36および節約ガイド作成手段38はリモコン制御部33に設け、元データの収集や複雑な演算は給湯制御部18に担当させて、そこで得られたシンプルで少量のデータをリモコン制御部33に送信し、それをリモコン制御部33側にて表示位置情報として加工してグラフ化表示するようにしているので通信にかかる処理または負荷を軽減することができるものであるが、これに限らず、前記使用湯量算出手段34、使用湯量記憶手段35、使用可能湯量換算手段37、グラフ情報作成手段36および節約ガイド作成手段38は貯湯式給湯装置として備えていれば同じ作動が可能であるので、どこに備えられるかは限定されるものではない。
【0046】
また、グラフの形式として縦棒グラフを例示しているが、これに限られず、横棒グラフや折れ線グラフなど、要はユーザーに分かり易く伝えるためにグラフ化という手法を用いていれば良いものであって、その形式が実施形態に限定されるものではない。また、節約ガイド情報はライン状に表示するようにしているが、これに限られるものでなく、例えば使用可能湯量Quを超過した使用湯量Qを異なる表示色(白抜き等)で表示して節約ガイド情報を認識可能に表示するようにしても良い。
【0047】
また、この一実施形態では使用湯量算出手段34および使用可能湯量換算手段37の説明中に簡単かつ計算量の少ない演算式を例示しているが、本発明はこの演算式に限定されるものではなく、要は使用湯量を一定条件下で複数日分比較できるようにすれば良いものであって、他の複雑な演算式を用いることも可能である。
【0048】
また、この一実施形態では、加熱部2として二酸化炭素冷媒を用いたヒートポンプユニットを例示したが、これに限らず、貯湯タンク6内に直接挿入された電熱ヒータでも良いもので、要は貯湯タンク6内の湯水を沸き上げるものであればよい。
【0049】
次に、本発明の参考例としての第2の実施形態を図3に基づいて説明する。なお、前記第1の実施形態と同じものは同一の符号を付してその説明を省略する。
【0050】
この第2の実施形態は第1の実施形態のグラフ情報作成手段37と節約ガイド作成手段38を省いたものであって、前記使用湯量算出手段34で算出した使用湯量Qの表示形式が大きく異なるものである。
【0051】
また、前記使用湯量記憶手段35は、前記使用湯量算出手段34で算出した日々の使用湯量Qと曜日情報および順列番号を対応させて記憶しており、新たな使用湯量Qを記憶する際に、最古の使用湯量Qを消去すると共に、前日の曜日から遡って順列番号を更新して記憶するようにし、前日から遡った順に並べ替えて表示できるようにしている。
【0052】
ここでは、前記リモートコントローラ4の操作部30の特定操作(複数スイッチの同時押しや、特定のスイッチ操作、あるいは特定のスイッチ操作からのメニュー式の選択操作等)により前記使用湯量記憶手段35に記憶している使用湯量Qを前日までの最新のものから呼び出し、前記通常時の表示を消して同じ表示部31に表示し、操作部30の操作によって前記使用湯量記憶手段35に記憶している古い使用湯量Qを順次表示するようにしているものである。
【0053】
そして、前記使用湯量記憶手段35に記憶された最古の使用湯量Qを呼び出し表示した後の操作部30の操作があると、前記使用可能湯量換算手段37を作動させて追加の沸かし増しを行わないで使用できる湯量Quを表示させ、一定時間(例えば10秒間)の表示の後、使用湯量Qの表示を通常の表示に戻すようにしているものである。なお、図3中に示したブロック矢印は操作部30の操作に伴う表示部31の表示変遷を示す。
【0054】
このように、その時々で貯湯タンク6内の湯水の沸き上げ温度Thや給湯温度Tsが異なっていても、所定の換算温度Tcに換算されて使用湯量Qが算出され、これを表示するので、日々あるいはその時々の使用条件が異なっていても使用湯量Qは同条件で表示されているため、日々の使用湯量Qを容易に把握することができる。
【0055】
しかも、操作部30の操作によって前日の使用湯量Qだけでなくそれ以前の使用湯量Qを遡って表示することも可能であるので、少ない表示スペースで多くの情報をユーザーに伝達することができると共に、ユーザー自身によって日々の使用湯量Qの管理が可能となるものである。
【0056】
さらには、最大貯湯熱量を所定の換算温度Tcでの使用可能湯量Quとして算出し、これを表示するので、追加の沸かし増しを行わないで使用できる湯量が明確になり、ユーザー自身が日々の使用湯量Qをこの使用可能湯量以下に保つように管理することが容易に可能となる。
【0057】
次に、本発明の参考例としての第3の実施形態を図4、図5に基づいて説明する。なお、前記第1または第2の実施形態と同じものは同一の符号を付してその説明を省略する。
【0058】
この第2の実施形態では第1の実施形態のグラフ情報作成手段37と節約ガイド作成手段38を省いたものであって、前記使用湯量算出手段34で算出した使用湯量Qの表示形式が大きく異なると共に、前記使用湯量算出手段34の具体的な算出方法が異なるものである。
【0059】
前記使用湯量算出手段34は、一日の実績使用湯量を所定の換算温度での使用湯量に換算することには変わりがないが、前記出湯管7に設けられた出湯温度センサ39で検出する出湯温度Toから給水温度センサ14で検知した給水温度Twを減算した値と、前記出湯管7に設けられた出湯流量センサ40で検出するその時々の出湯流量qoとを積算して個別使用熱量を算出する。そして一日分の個別使用熱量を全て加算して実績使用熱量を算出する。次に、実績使用熱量を予め定められた所定の換算温度Tcから給水温度センサ14で検出した給水温度Twを減算した値で除算することで、その時々で温度の異なる給湯を所定の換算温度Tcでの使用湯量Qに換算して所定の条件下での使用状態に換算した使用湯量Qを算出するものである。
【0060】
この第3の実施形態での使用湯量算出手段34の作動を式で表すと、
Q=Σ{(Ts−Tw)・qo}/(Tc−Tw)
となるものである。
【0061】
また、前記使用湯量記憶手段35は、前記使用湯量算出手段34で算出した日々の使用湯量Qと曜日情報および順列番号を対応させて記憶しており、新たな使用湯量Qを記憶する際に、最古の使用湯量Qを消去すると共に、前日の曜日から遡って順列番号を更新して記憶するようにし、前日から遡った順に並べ替えて表示できるようにしている。
【0062】
そして、前記リモートコントローラ4の操作部30の特定操作(複数スイッチの同時押しや、特定のスイッチ操作、あるいは特定のスイッチ操作からのメニュー式の選択操作等)があると、前記使用湯量記憶手段35に記憶している複数日分の使用湯量Qを日数情報と共に呼び出し、前記通常時の表示を消して同じ表示部31に複数日分の使用湯量Qおよび日数情報を同時に表示させると同時に、前記使用可能湯量換算手段37を作動させて追加の沸かし増しを行わないで使用できる湯量Quを同時に表示させ、そして一定時間(例えば10秒間)の表示の後、または操作部30の操作によって通常の表示に戻すようにしているものである。
【0063】
このように、その時々で貯湯タンク6内の湯水の沸き上げ温度Thや給湯温度Tsが異なっていても、所定の換算温度Tcに換算されて使用湯量Qが算出され、これを複数日分同時に表示するので、日々あるいはその時々の使用条件が異なっていても使用湯量Qは同条件で表示されているため、日々の使用湯量Qの変遷を容易に把握することができ、一度に多くの情報をユーザーに伝達することができると共に、ユーザー自身によって日々の使用湯量Qの管理が可能となるものである。
【0064】
さらには、最大貯湯熱量を所定の換算温度Tcでの使用可能湯量Quとして算出し、これを複数日分の使用湯量Qの表示と同時に表示するので、追加の沸かし増しを行わないで使用できる湯量と前日までの使用湯量Qの関係が明確になり、ユーザー自身が日々の使用湯量Qをこの使用可能湯量以下に保つように管理することが容易に可能となる。
【0065】
次に、本発明の特徴的構成の第4の実施形態を図6に基づいて説明する。なお、前記第1、第2、第3の実施形態と同じものは同一の符号を付してその説明を省略する。
【0066】
この第4の実施形態は第1の実施形態における使用可能湯量換算手段37の別実施形態を示すものであって、この第4の実施形態における使用可能湯量換算手段は、前記貯湯タンク4に実際に貯湯された熱量Qrを所定の換算温度Tcに換算して使用可能湯量Quを算出すると共に、前記使用可能湯量換算手段37で算出された前日までの複数日分の使用可能湯量Quと前記使用湯量算出手段34で算出された前日までの複数日分の使用湯量Qとを対応させて前記使用湯量記憶手段35に記憶させるようにしたもので、その一実施形態を説明すると、実際に貯湯された熱量Qrを換算温度Tcから給水温度Twを減算した値で除算した換算温度Tcでの使用可能湯量Quを算出するものである。
【0067】
ここで、前記の実際に貯湯された熱量Qrは前記給湯制御部18によって夜間時間帯になったタイミングで翌日に必要な貯湯熱量として演算され、その時点での残りの貯湯熱量を減算した沸き上げ必要熱量分だけ夜間時間帯の終了までに沸き上げるようにしているものである。
【0068】
この使用可能湯量換算手段37の作動を式で表すと、
Qu=Qr/(Tc−Tw)
となる。
【0069】
そして、前記リモートコントローラ4の操作部30の特定操作(複数スイッチの同時押しや、特定のスイッチ操作、あるいは特定のスイッチ操作からのメニュー式の選択操作等)によりグラフ化表示の指示があったときに、前記使用湯量記憶手段35から前日までの複数日分の使用湯量Qおよび使用可能湯量Qrを呼び出して前記グラフ情報作成手段36および節約ガイド作成手段38を作動させ、前記通常時の表示を消して同じ表示部31に表示され、一定時間(例えば10秒間)の表示の後、または操作部30の操作によって通常の表示に戻すようにしているものである。
【0070】
このように、この第4の実施形態の使用可能湯量算出手段37は日々で異なる実際の使用可能湯量Qを算出するようにして、それを表示部31に表示するようにしているので、本当は使用可能な湯量を超過していたのに給湯湯量のグラフGが節約ガイドL以下に表示されて、節約ガイドLがあるがために昼間電力での追加の沸き増しを誘発してしまうといった不具合を解消することができ、正確に算出された昼間電力による追加の沸かし増しを行わないで使用できる湯量と前日までの使用湯量Qとの関係が一目でわかり、この安価な夜間電力により沸き上げられた湯で一日分の使用湯量Qをまかなうようにユーザー自身が使用湯量Qをこの節約ガイドL以下に保つように管理しながら使用することが容易に可能となって、節水・省電力を促進できる効果がより高いものである。
【0071】
【発明の効果】
以上のように、本発明の請求項1によれば、複数日分の使用湯量がリモートコントローラの表示部にグラフ化されて表示されるので一目で日々の使用湯量の変動を非常に容易に認識することができ、ユーザー自身による使用湯量の管理が容易に可能となり、しかも、その時々で貯湯タンク内の貯湯温度や給湯温度が異なっていても、所定の換算温度に換算されて使用湯量が算出されているので、日々あるいはその時々の使用条件が異なっていても使用湯量のグラフは同条件で表示されているため、日々の使用湯量の比較が非常に容易になる。さらに、貯湯タンクに貯湯された熱量を所定の換算温度での使用可能湯量として算出し、これを節約ガイドとしてグラフ上に表示するので、追加の沸かし増しを行わないで使用できる湯量が明確になり、ユーザー自身が使用湯量をこの節約ガイド以下に保つように管理することが非常に容易に可能となる。
【0072】
また、請求項2によれば、本当は使用可能な湯量を超過していたのに給湯湯量が節約ガイド以下に表示されて、節約ガイドがあるがために昼間電力での追加の沸き増しを誘発してしまうといった不具合を解消することができ、正確に算出された昼間電力による追加の沸かし増しを行わないで使用できる湯量と前日までの使用湯量との関係が一目でわかり、この安価な夜間電力により沸き上げられた湯で一日分の使用湯量をまかなうようにユーザー自身が使用湯量をこの節約ガイド以下に保つように管理しながら使用することが容易に可能となって、節水・省電力を促進できる効果がより高いものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1、第2および第4の実施形態の概略構成図。
【図2】 本発明の第1の実施形態のブロック図。
【図3】 本発明の参考例としての第2の実施形態のブロック図。
【図4】 本発明の参考例としての第3の実施形態の概略構成図。
【図5】 本発明の参考例としての第3の実施形態のブロック図。
【図6】 本発明の第4の実施形態のブロック図。
Claims (2)
- 湯水を貯湯する貯湯タンクと、前記貯湯タンク内の湯水を沸き上げる加熱部と、表示部を備えたリモートコントローラとを備えた貯湯式給湯装置において、一日の実績使用湯量を所定の換算温度での使用湯量に換算する使用湯量換算手段と、前記使用湯量換算手段で算出された前日までの過去複数日分の使用湯量を記憶する使用湯量記憶手段と、前記使用湯量記憶手段に記憶されている前日までの過去複数日分の使用湯量とその日数を基にグラフ情報を作成するグラフ情報作成手段と、前記貯湯タンクに貯湯された熱量を前記所定の換算温度での使用可能湯量に換算する使用可能湯量換算手段と、前記使用可能湯量換算手段で算出された使用可能湯量を基に節約ガイド情報を作成する節約ガイド作成手段と、前記グラフ情報作成手段で作成されたグラフ情報および前記節約ガイド作成手段で作成された節約ガイド情報を前記リモートコントローラの表示部にグラフ化して表示させる表示ドライバ回路とを備えたことを特徴とする貯湯式給湯装置。
- 前記使用可能湯量換算手段は、前記貯湯タンクに実際に貯湯された熱量を所定の換算温度に換算して使用可能湯量を算出すると共に、前記使用可能湯量換算手段で算出された前日までの複数日分の使用可能湯量と前記使用湯量算出手段で算出された前日までの複数日分の使用湯量とを対応させて前記使用湯量記憶手段に記憶させるようにしたことを特徴とする請求項1に記載の貯湯式給湯装置。
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