JP4118191B2 - 凝集沈殿処理装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、凝集沈殿処理装置に関し、詳しくは、原水に凝集剤を添加するとともに微粒砂のような沈降促進材を混合して沈降速度の大きいフロックを形成してフロックの沈降を促進し、原水中の懸濁成分を急速に沈殿分離させることができる凝集沈殿処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
原水中の懸濁成分(SS)を沈殿分離する装置として、原水中に凝集剤と微粒砂(沈降促進材)とを添加混合し、微粒砂を核としたフロックを凝集形成することにより、フロックを重量化させて沈降速度を高め、沈殿分離処理を極めて短時間で行えるようにした高速凝集沈殿処理装置が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
このような凝集沈殿処理装置は、原水に凝集剤及び微粒砂を添加混合してフロックを形成するためのフロック形成手段と、該フロック形成手段で生成したフロックを沈殿分離するための沈殿分離手段と、該沈殿分離手段で沈殿分離した沈殿物から前記微粒砂を分離して前記フロック形成手段に循環させる微粒砂分離手段とを備えており、沈降促進材である不溶性の微粒砂を系内で循環使用するようにしている。
【0004】
【特許文献1】
特許第2634230号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、通常の凝集沈殿処理装置では、前記微粒砂分離手段として、フロックにおける汚泥と微粒砂との重量差により両者を分離する装置、例えばサイクロンのような分離装置を使用しているため、このような分離装置で汚泥から分離した微粒砂には、この微粒砂よりも重量のある粒子が混入することになる。例えば、合流式下水道で雨水と共に装置系内に大きな粒径の砂(大径粒子)が侵入すると、この大径粒子が微粒砂と共に系内を循環して系内に蓄積されていく。
【0006】
このような大径粒子は、フロックに付着せずに微粒砂による沈降促進効果を阻害したりするだけでなく、微粒砂を循環使用するための循環ラインの圧力上昇を招いたり、配管を閉塞させたりする問題がある。また、微粒砂と同等の粒径の砂であって同等の作用を有するものであっても、これが系内に蓄積して系内を循環する砂量が増大すると、前記同様に循環ラインの圧力が上昇するなどの問題が発生する。このため、定期的に系内から砂を引き抜いて大きな砂粒を排除したり、全体の砂量を調整したりする必要があった。
【0007】
そこで本発明は、系内に侵入した大径粒子を自動的に系外に排出することができ、また、循環する微粒砂の量も一定量に制御することができる凝集沈殿処理装置を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の凝集沈殿処理装置は、原水に凝集剤及び不溶性微粒子からなる微粒砂のような沈降促進材を添加混合してフロックを形成するためのフロック形成手段と、該フロック形成手段で生成したフロックを沈殿分離するための沈殿分離手段と、該沈殿分離手段で沈殿分離した沈殿物から前記沈降促進材を分離して前記フロック形成手段に循環させる沈降促進材分離手段とを備えるとともに、系内に侵入した不溶性の大径粒子を分離して系外に抜き出す大径粒子分離手段を備えたことを特徴としている。
【0009】
本発明の凝集沈殿処理装置におけるより具体的な第1の構成は、前記フロック形成手段は、原水に無機凝集剤を添加混合する第1撹拌槽と、該第1撹拌槽の後段で高分子凝集剤及び前記沈降促進材を添加混合する第2撹拌槽と、該第2撹拌槽の後段に設けられたフロック形成槽とを備えており、前記沈殿分離手段は、底部に沈殿物搬送ポンプを介して沈殿物を抜き取る沈殿物抜取経路が、上部に処理水流出経路がそれぞれ設けられた沈殿槽であり、前記沈降促進材分離手段は、前記沈殿物抜取経路に抜き取った沈殿物中の沈降促進材と汚泥とを分離する汚泥分離装置と、該汚泥分離装置で分離した汚泥を系外に抜き出す汚泥抜出経路と、分離した沈降促進材を汚泥分離装置から抜き取って前記第2撹拌槽に循環投入する沈降促進材投入経路とを備えており、前記大径粒子分離手段は、前記沈殿物抜取経路から分岐した大径粒子分離経路と、該大径粒子分離経路から流入する沈殿物中の大径粒子と汚泥及び沈降促進材とを分離する大径粒子分離装置と、該大径粒子分離装置で分離した大径粒子を系外に抜き出す大径粒子抜出経路と、分離した汚泥及び沈降促進材の混合物を大径粒子分離装置から抜き取って前記第2撹拌槽に投入する混合物投入経路とを備えるとともに、前記沈殿物抜取経路と前記大径粒子分離経路とには、前記沈殿物を導入する汚泥分離装置又は大径粒子分離装置を選択するための経路切換手段が設けられていることを特徴としている。
【0010】
さらに、本発明の凝集沈殿処理装置におけるより具体的な第2の構成は、前記フロック形成手段は、原水に無機凝集剤を添加混合する第1撹拌槽と、該第1撹拌槽の後段で高分子凝集剤及び前記沈降促進材を添加混合する第2撹拌槽と、該第2撹拌槽の後段に設けられたフロック形成槽とを備えており、前記沈殿分離手段は、底部に沈殿物搬送ポンプを介して沈殿物を抜き取る沈殿物抜取経路が、上部に処理水流出経路がそれぞれ設けられた沈殿槽であり、前記沈降促進材分離手段は、前記沈殿物抜取経路に抜き取った沈殿物中の沈降促進材と汚泥とを分離する汚泥分離装置と、該汚泥分離装置で分離した汚泥を系外に抜き出す汚泥抜出経路と、分離した沈降促進材を汚泥分離装置から抜き取って前記第2撹拌槽に循環投入する沈降促進材投入経路とを備えており、前記大径粒子分離手段は、前記フロック形成槽の底部に沈降した沈降物を沈降物抜取ポンプを介して抜き取る沈降物抜取経路と、該沈降物抜取経路に抜き取った沈降物中の大径粒子と汚泥及び沈降促進材とを分離する大径粒子分離装置と、該大径粒子分離装置で分離した大径粒子を系外に抜き出す大径粒子抜出経路と、分離した汚泥及び沈降促進材の混合物を前記第2撹拌槽又は前記フロック形成槽に循環投入する混合物投入経路とを備えていることを特徴とし、加えて、前記フロック形成槽に、沈降物の量を計測するための界面計が設けられていることを特徴としている。
【0011】
また、本発明の凝集沈殿処理装置におけるより具体的な第3の構成は、前記フロック形成手段は、原水に無機凝集剤を添加混合する第1撹拌槽と、該第1撹拌槽の後段で高分子凝集剤及び前記沈降促進材を添加混合する第2撹拌槽と、該第2撹拌槽の後段に設けられたフロック形成槽とを備えており、前記沈殿分離手段は、底部に沈殿物搬送ポンプを介して沈殿物を抜き取る沈殿物抜取経路が、上部に処理水流出経路がそれぞれ設けられた沈殿槽であり、前記沈降促進材分離手段は、前記沈殿物抜取経路に抜き取った沈殿物中の沈降促進材と汚泥とを分離する汚泥分離装置と、該汚泥分離装置で分離した汚泥を系外に抜き出す汚泥抜出経路と、分離した沈降促進材を汚泥分離装置から抜き取って前記第2撹拌槽に循環投入する沈降促進材投入経路とを備えており、前記大径粒子分離手段は、前記第1撹拌槽の底部に沈降した沈降物を沈降物抜取ポンプを介して抜き取る沈降物抜取経路と、該沈降物抜取経路に抜き取った沈降物中の大径粒子を分離する大径粒子分離装置と、該大径粒子分離装置で分離した大径粒子を系外に抜き出す大径粒子抜出経路と、大径粒子を分離した後の残留物を前記第1撹拌槽に循環投入する残留物投入経路とを備えていることを特徴とし、前記大径粒子分離装置を通らずに、前記沈降物抜取経路に抜き取った沈降物を前記第1撹拌槽に循環投入する大径粒子分離装置バイパス経路を備えていることを特徴としている。
【0012】
本発明の凝集沈殿処理装置におけるより具体的な第4の構成は、前記フロック形成手段は、原水に無機凝集剤を添加混合する第1撹拌槽と、該第1撹拌槽の後段で高分子凝集剤及び前記沈降促進材を添加混合する第2撹拌槽と、該第2撹拌槽の後段に設けられたフロック形成槽とを備えており、前記沈殿分離手段は、底部に第1沈殿物搬送ポンプを介して沈殿物を抜き取る第1沈殿物抜取経路が、上部に処理水流出経路がそれぞれ設けられた沈殿槽であり、前記沈降促進材分離手段は、前記第1沈殿物抜取経路に抜き取った沈殿物中の沈降促進材と汚泥とを分離する汚泥分離装置と、該汚泥分離装置で分離した汚泥を系外に抜き出す汚泥抜出経路と、分離した沈降促進材を汚泥分離装置から抜き取って前記第2撹拌槽に循環投入する沈降促進材投入経路とを備えており、前記大径粒子分離手段は、前記沈殿槽の底部に沈殿分離した沈殿物を第2沈殿物搬送ポンプを介して抜き取る第2沈殿物抜取経路と、該第2沈殿物抜取経路に抜き取った沈殿物中の大径粒子と汚泥及び沈降促進材とを分離する大径粒子分離装置と、該大径粒子分離装置で分離した大径粒子を系外に抜き出す大径粒子抜出経路と、分離した汚泥及び沈降促進材の混合物を前記第2撹拌槽に循環投入する混合物投入経路とを備えていることを特徴としている。
【0013】
さらに、本発明では、前記各構成において、前記汚泥分離装置から前記沈降促進材投入経路に抜き出した沈降促進材を貯留する沈降促進材貯槽と、該沈降促進材貯槽内の沈降促進材を前記第2撹拌槽に投入する貯留材投入経路とを備えていることを特徴としている。また、前記大径粒子分離装置から前記混合物投入経路に抜き取った混合物中の汚泥と沈降促進材とを分離する第2汚泥分離装置と、該第2汚泥分離装置で分離した汚泥を系外に抜き出す第2汚泥抜出経路と、分離した沈降促進材を第2汚泥分離装置から抜き取って前記第2撹拌槽に循環投入する第2沈降促進材投入経路とを備えていることを特徴とし、前記第2汚泥分離装置から前記第2沈降促進材投入経路に抜き取った沈降促進材を貯留する沈降促進材貯槽と、該沈降促進材貯槽内の沈降促進材を前記第2撹拌槽に投入する貯留材投入経路とを備えていることを特徴としている。
【0014】
また、前記沈殿槽の底部に沈殿分離した沈殿物を第3沈殿物搬送ポンプを介して沈殿物を抜き取る第3沈殿物抜取経路と、該第3沈殿物抜取経路に抜き取った沈殿物中の沈降促進材と汚泥とを分離する第3汚泥分離装置と、該第3汚泥分離装置で分離した汚泥を系外に抜き出す第3汚泥抜出経路と、分離した沈降促進材を第3汚泥分離装置から沈降促進材貯槽に抜き取る沈降促進材抜取経路と、該沈降促進材貯槽内の沈降促進材を前記第2撹拌槽に投入する貯留材投入経路とを備えていることを特徴とし、前記沈降促進材抜取経路の前記沈降促進材貯槽の前段から分岐して沈降促進材抜取経路に抜き取った沈降促進材を前記第2撹拌槽に投入する沈降促進材貯槽バイパス経路を備えていることを特徴としている。
【0015】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の凝集沈殿処理装置の第1形態例を示す系統図である。この凝集沈殿処理装置は、原水に凝集剤及び不溶性微粒子からなる沈降促進材としての微粒砂を添加混合して沈降性の良好なフロックを凝集形成するためのフロック形成手段10と、該フロック形成手段10で生成したフロックを沈殿分離するための沈殿分離手段20と、該沈殿分離手段20で沈殿分離した沈殿物から微粒砂を分離して前記フロック形成手段10に循環させる沈降促進材分離手段30と、系内に侵入した不溶性の大径粒子を分離して系外に抜き出す大径粒子分離手段40とにより形成されている。
【0016】
フロック形成手段10は、原水流入経路11,無機凝集剤添加経路12及び撹拌機Mを備えた第1撹拌槽(急速撹拌槽)13と、高分子凝集剤添加経路14、沈降促進材である微粒砂を添加するための微粒砂添加経路15及び撹拌機Mを備えた第2撹拌槽(注入撹拌槽)16と、撹拌機Mを備えたフロック形成槽17とで形成されている。第1撹拌槽13と第2撹拌槽16とは上部連通路18により連通しており、第2撹拌槽16とフロック形成槽17とは下部連通路19により連通している。
【0017】
沈殿分離手段20は、槽底部に設けられた汚泥ピット21から沈殿物搬送ポンプ22を介して沈殿物を抜き取る沈殿物抜取経路23を有するとともに、槽上部に設けられた集水樋24を介して処理水を流出させる処理水流出経路25を有する沈殿槽26であって、槽底面部には、槽底面に沈降した沈殿物を前記汚泥ピット21に掻き寄せるための汚泥掻寄機27が設けられている。また、前記集水樋24の下方にはフロックの分離効果を促進するための傾斜板28が設けられており、槽上部には前記フロック形成槽17に連通する上部連通路29が設けられている。
【0018】
沈降促進材分離手段30は、前記沈殿物抜取経路23に抜き取った沈殿物中の微粒砂と汚泥とを分離する汚泥分離装置としての汚泥分離サイクロン31と、該汚泥分離サイクロン31で分離した汚泥を系外に抜き出すための汚泥抜出経路32と、分離した微粒砂を汚泥分離サイクロン31から抜き取って前記第2撹拌槽16に循環投入するための沈降促進材投入経路33とを備えている。
【0019】
また、大径粒子分離手段40は、前記沈殿物抜取経路23から分岐した大径粒子分離経路41と、該大径粒子分離経路41から流入する沈殿物中の大径粒子と汚泥及び微粒砂とを分離する大径粒子分離装置としての大径粒子分離サイクロン42と、該大径粒子分離サイクロン42で分離した大径粒子を系外に抜き出すための大径粒子抜出経路43と、分離した汚泥及び微粒砂の混合物を大径粒子分離サイクロン42から抜き取って前記第2撹拌槽16に投入する混合物投入経路44とを備えている。
【0020】
さらに、前記沈殿物抜取経路23における汚泥分離サイクロン31の入口部と、前記大径粒子分離経路41における大径粒子分離サイクロン42の入口部とには、前記沈殿槽26から抜き取った沈殿物を、汚泥分離サイクロン31と大径粒子分離サイクロン42とのいずれかに選択導入するための経路切換手段として、一対の開閉弁23V,41Vがそれぞれ設けられている。
【0021】
原水流入経路11から第1撹拌槽13に流入した原水は、無機凝集剤添加経路12から供給される無機凝集剤と混合した後、上部連通路18を通って第2撹拌槽16に流入する。第2撹拌槽16では、高分子凝集剤添加経路14から供給される高分子凝集剤と、微粒砂添加経路15、前記沈降促進材分離手段30の沈降促進材投入経路33あるいは大径粒子分離手段40の混合物投入経路44から投入される微粒砂と混合した後、下部連通路19を通ってフロック形成槽17に流入し、フロック形成槽17において、原水中の懸濁成分が凝集して沈降促進材である微粒砂を含んだ沈降性の高い凝集フロックが形成される。
【0022】
フロックを含有した原水は、上部連通路29を通って沈殿槽26に流入し、フロックが槽底部に沈降分離して処理水が処理水流出経路25から抜き出されるとともに、槽底部に沈降したフロックからなる沈殿物が沈殿物抜取経路23に抜き取られる。通常運転時は、前記開閉弁23Vが開状態、開閉弁41Vが閉状態となっており、沈殿物抜取経路23に抜き取られた沈殿物は、汚泥分離サイクロン31に向かって流れる。汚泥分離サイクロン31では、流入した沈殿物中の汚泥と微粒砂とが分離し、相対的に比重の小さな汚泥が汚泥抜出経路32から流出し、相対的に比重の大きな微粒砂が沈降促進材投入経路33から流出する。汚泥抜出経路32に抜き出された汚泥は汚泥処理設備に送られ、沈降促進材投入経路33に抜き取られた微粒砂は、第2撹拌槽16に投入されて循環使用される。
【0023】
通常運転時には、沈殿槽26から抜き取った沈殿物を汚泥分離サイクロン31で処理することにより、微粒砂のほとんどを回収して循環使用することができるので、系内には一定量の微粒砂が循環していることになる。この状態で、原水と共に系内に砂が侵入すると、系内を循環する砂の量が増加することになる。前述のように、大径粒子は、フロックの沈降促進に寄与しないので、系内の砂の量が所定量以上になったら大径粒子を分離して系外に排出する操作を行う。
【0024】
大径粒子の分離排出は、前記開閉弁23V,41Vを切換開閉して開閉弁23Vを閉、開閉弁41Vを開とし、沈殿槽26から沈殿物抜取経路23に抜き取った沈殿物を大径粒子分離経路41に導き、大径粒子分離サイクロン42に流入させる。これにより沈殿物中で相対的に比重が大きな大径粒子が大径粒子分離サイクロン42の下方に沈降して大径粒子抜出経路43に抜き出され、相対的に比重が小さな汚泥及び微粒砂が上方の混合物投入経路44に抜き取られる。大径粒子抜出経路43に抜き出された大径粒子は沈砂池等に送られ、混合物投入経路44に抜き取られた汚泥及び微粒砂の混合物は、混合物投入経路44を通って第2撹拌槽16に循環投入される。
【0025】
この大径粒子の排出操作は、一定時間間隔毎に行ったり、大量の雨水の流入に合わせて行ったりすることもできるが、系内の砂の量を検出して自動的に行うことができる。例えば、沈殿物抜取経路23にインライン型のスラリー濃度計で監視し、スラリー濃度と砂濃度との相関から砂の循環量を判定したり、沈殿物搬送ポンプ22の吐出圧力や電流値を監視したり、フロック形成槽17の砂の濃度や汚泥掻寄機27の電流値を監視することによって行うことができ、また、汚泥分離サイクロン31で分離した砂をサンプリングして液量と重量との関係から大径粒子の混合割合を求めることができる。
【0026】
このようにして開閉弁23V,41Vを切換開閉することにより、系内に侵入した大径粒子を簡単に系外に排出することができ、系内を循環する砂の状態を略一定に保つことができるので、原水中の懸濁成分を確実に分離して除去することができる。また、原水流入経路11には、通常、スクリーン等の除塵機が設けられているが、設置面積等に余裕があれば、沈砂地を設置しておくことにより、流入原水中の大径粒子が系内に侵入することを抑制することができる。さらに、大径粒子の排出操作は、通常の運転操作を停止した状態で行うこともできる。
【0027】
図2は本発明の凝集沈殿処理装置の第2形態例を示す系統図である。なお、以下の説明において、前記各形態例における凝集沈殿処理装置の構成要素と同一の構成要素には、それぞれ同一符号を付して説明する。
【0028】
本形態例に示す凝集沈殿処理装置は、系内に侵入した大径粒子を系外に排出するための大径粒子分離手段として、前記フロック形成槽17の底部に沈降した沈降物を沈降物抜取ポンプ51を介して抜き取る沈降物抜取経路52と、該沈降物抜取経路52に抜き取った沈降物中の大径粒子と汚泥及び微粒砂とを分離する大径粒子分離サイクロン53と、該大径粒子分離サイクロン53で分離した大径粒子を系外に抜き出す大径粒子抜出経路54と、分離した汚泥及び微粒砂の混合物を前記第2撹拌槽16又は前記フロック形成槽17に循環投入する混合物投入経路55とを設けている。
【0029】
系内に侵入した大径粒子を系外に排出する際には、前記沈降物抜取ポンプ51を作動させ、フロック形成槽17の底部に沈降した沈降物を沈降物抜取経路52に抜き取って大径粒子分離サイクロン53に導入する。これにより、沈降物中の大径粒子と汚泥及び微粒砂とが分離し、大径粒子は大径粒子抜出経路54に抜き出されるとともに、大径粒子から分離した汚泥及び微粒砂の混合物は、混合物投入経路55を通って第2撹拌槽16又は前記フロック形成槽17に循環投入される。
【0030】
なお、混合物投入経路55は、循環する混合物の状態に応じて第2撹拌槽16及び前記フロック形成槽17のいずれかに混合物を投入することができる。また、本形態例では、第2撹拌槽16及びフロック形成槽17の底面を、沈降物抜取ポンプ51を設置した部分が最深部となるように傾斜させており、沈降物の抜き取りを効果的に行えるようにしている。
【0031】
図3は本発明の凝集沈殿処理装置の第3形態例を示す系統図である。本形態例は、前記第2形態例と同様に、沈降物抜取ポンプ51、沈降物抜取経路52、大径粒子分離サイクロン53、大径粒子抜出経路54及び混合物投入経路55を備えたものであるが、フロック形成槽17からの沈降物の抜き取りを槽底部から行うようにしている。また、フロック形成槽17には、沈降物の量を計測するための界面計56が設けられており、この界面系56で計測した沈降物の界面高さが所定高さ以上になったときに、大径粒子の排出操作を行うようにしている。このように槽底部から沈降物を抜き取ることにより、沈降しやすい大径粒子を効果的に抜き取ることができる。
【0032】
図4は本発明の凝集沈殿処理装置の第4形態例を示す系統図である。本形態例は、大径粒子分離手段として、前記第1撹拌槽13の底部に沈降した沈降物を沈降物抜取ポンプ61を介して抜き取る沈降物抜取経路62と、該沈降物抜取経路62に抜き取った沈降物中の大径粒子を分離する大径粒子分離サイクロン63と、該大径粒子分離サイクロン63で分離した大径粒子を系外に抜き出す大径粒子抜出経路64と、大径粒子を分離した後の残留物を前記第1撹拌槽13に循環投入する残留物投入経路65と、前記大径粒子分離サイクロン63を通らずに、前記沈降物抜取経路62に抜き取った沈降物を第1撹拌槽13に循環投入する大径粒子分離サイクロンバイパス経路66とを有しており、沈降物抜取経路62における大径粒子分離サイクロン63の入口部と大径粒子分離サイクロンバイパス経路66とには、沈降物の経路を選択するための開閉弁62V,66Vがそれぞれ設けられている。
【0033】
本形態例は、第1撹拌槽13に沈砂地としての機能も付加させたものであって、この第1撹拌槽13で大径粒子を系外に排出することにより、系内への大径粒子の蓄積を防止するようにしている。大径粒子の排出操作は、第1撹拌槽13内の濃度を測定して行うようにしてもよく、沈降物抜取経路62に濃度計を設けて制御することもできる。また、撹拌機の運転と連動させ、大径粒子の排出操作を行っている間は撹拌機を停止させ、第1撹拌槽13内での砂の舞上がりを防止して大径粒子の排出を効果的に行えるようにすることが好ましい。
【0034】
図5は本発明の凝集沈殿処理装置の第5形態例を示す系統図である。本形態例は、大径粒子分離手段として、前記沈殿槽26の底部に沈殿分離した沈殿物を第2沈殿物搬送ポンプ71を介して抜き取る第2沈殿物抜取経路72と、該第2沈殿物抜取経路72に抜き取った沈殿物中の大径粒子と汚泥及び微粒砂とを分離する大径粒子分離サイクロン73と、該大径粒子分離サイクロン73で分離した大径粒子を系外に抜き出す大径粒子抜出経路74と、分離した汚泥及び微粒砂の混合物を大径粒子分離サイクロン73から抜き取って前記第2撹拌槽16に循環投入する混合物投入経路75とを備えている。
【0035】
さらに、汚泥分離サイクロン31の後段には、系内を循環する微粒砂量を調節するための砂量調節手段80として、前記沈降促進材投入経路33から分岐した沈降促進材分岐経路81と、該沈降促進材分岐経路81に分岐した微粒砂を貯留する沈降促進材貯槽82と、該沈降促進材貯槽82内の微粒砂を前記第2撹拌槽16に投入するための貯留材搬送ポンプ83及び貯留材投入経路84と、沈降促進材貯槽82に新たな微粒砂を補給するための沈降促進材補給経路85と、沈降促進材分岐経路81への分岐量を調節するための調節弁33V,81Vとが設けられている。
【0036】
大径粒子の排出操作は、前記第2沈殿物搬送ポンプ71を作動させ、沈殿槽26の汚泥ピット21から沈殿物を第2沈殿物抜取経路72に抜き取り、大径粒子分離サイクロン73に導入することにより行われる。これにより、沈殿物中の大径粒子と汚泥及び微粒砂とが大径粒子分離サイクロン73で分離し、大径粒子は大径粒子抜出経路74に抜き出され、大径粒子から分離した汚泥及び微粒砂の混合物は、混合物投入経路75を通って第2撹拌槽16に循環投入される。
【0037】
また、前記各形態例にも共通するが、流入水と共に系内に侵入する砂の粒径が、沈降促進材として用いられている微粒砂と同程度の微粒状のものである場合には、系内に侵入した砂を大径粒子分離サイクロン73で分離して排出することができないため、系内に微粒砂が蓄積されて循環する砂量が次第に増加してくることになる。このように系内の砂量が多くなった場合には、前記調節弁33V,81Vの開度を調節し、沈降促進材投入経路33を流れる微粒砂の一部を沈降促進材分岐経路81から沈降促進材貯槽82に抜き取って貯留することにより、系内を循環する砂量を所定量に調整することができる。これにより、沈殿物搬送ポンプ22の吐出圧力や電流値の上昇等を防止することができ、安定した状態で凝集沈殿処理を継続することができる。
【0038】
また、沈降促進材投入経路33を流れる微粒砂の全量を沈降促進材分岐経路81から沈降促進材貯槽82に送り、所定量の微粒砂を貯留材搬送ポンプ83から貯留材投入経路84を介して第2撹拌槽16に投入することも可能である。さらに、沈降促進材投入経路33から沈降促進材分岐経路81を分岐させずに、沈降促進材投入経路33を沈降促進材貯槽82に接続し、汚泥分離サイクロン31で分離した微粒砂の全量を沈降促進材貯槽82を経由して貯留材投入経路84から第2撹拌槽16に循環投入させることも可能である。また、沈降促進材が汚泥と共に流出したり、大径粒子と共に流出したりして系内の循環砂量が減少したときには、沈降促進材補給経路85から沈降促進材貯槽82に微粒砂を補給し、貯留材投入経路84から第2撹拌槽16に投入すればよい。なお、微粒砂の沈降促進材貯槽82への一時貯留と沈降促進材貯槽82から第2撹拌槽16への投入との切り換えは、前述のように、沈殿物抜取経路23の濃度や沈殿物搬送ポンプ22の電流値等を監視することによって行うことができる。
【0039】
図6は本発明の凝集沈殿処理装置の第6形態例を示す系統図である。本形態例は、前記第5形態例と同様に、大径粒子分離手段として、第2沈殿物搬送ポンプ71、第2沈殿物抜取経路72、大径粒子分離サイクロン73、大径粒子抜出経路74及び混合物投入経路75を設けるとともに、この大径粒子分離手段の後段に、前記大径粒子分離サイクロン73から前記混合物投入経路75に抜き取った混合物中の汚泥と微粒砂とを分離する第2汚泥分離装置としての第2汚泥分離サイクロン91と、該第2汚泥分離サイクロン91で分離した汚泥を系外に抜き出す第2汚泥抜出経路92と、分離した微粒砂を第2汚泥分離サイクロン91から抜き取って前記第2撹拌槽16に循環投入する第2沈降促進材投入経路93とを設けている。
【0040】
また、大径粒子分離サイクロン73と第2汚泥分離サイクロン91との間には、混合物投入経路75に抜き取った混合物を、所定流量及び所定圧力で第2汚泥分離サイクロン91に供給するための混合物貯槽94と混合物搬送ポンプ95とが設けられている。さらに、第2汚泥分離サイクロン91の後段には、前記第5形態例と同様に、第2沈降促進材投入経路93から分岐した沈降促進材分岐経路81、沈降促進材貯槽82、貯留材搬送ポンプ83、貯留材投入経路84、沈降促進材補給経路85及び沈降促進材分岐経路81への分岐量を調節するための調節弁93V,81Vとを有する砂量調節手段80を設けている。
【0041】
本形態例では、前記大径粒子分離サイクロン73で大径粒子から分離して前記混合物投入経路75に抜き取った混合物を混合物貯槽94に投入して一時貯留した後、混合物搬送ポンプ95により所定流量及び所定圧力で第2汚泥分離サイクロン91に供給し、この第2汚泥分離サイクロン91で混合物中の汚泥と微粒砂とを分離し、微粒砂を第2沈降促進材投入経路93から第2撹拌槽16に循環投入するようにしている。これにより、第2撹拌槽16やフロック形成槽17には汚泥が循環しないので、フロック形成槽17や沈殿槽26の負荷を軽減することができる。また、調節弁93V,81Vの開度を調節して第2沈降促進材投入経路93を流れる微粒砂の一部又は全量を砂量調節手段80に導入することにより、前記同様に、余剰の微粒砂を沈降促進材貯槽82に回収して循環砂量を制御することができる。
【0042】
図7は本発明の凝集沈殿処理装置の第7形態例を示す系統図である。本形態例は、前記第5形態例に示したような砂量調節手段80を、前記汚泥分離サイクロン31による汚泥と微粒砂との分離や、前記大径粒子分離サイクロン73による大径粒子と汚泥及び微粒砂との分離から独立させた状態で設けた例を示している。なお、大径粒子の分離排出は、前記第5形態例に限らず、第1〜第4形態例で示した各種方式を採用することが可能である。
【0043】
本形態例における砂量調節手段80は、前記沈降促進材貯槽82の前段に、沈殿槽26の汚泥ピット21から第3沈殿物搬送ポンプ101を介して沈殿物を抜き取る第3沈殿物抜取経路102と、該第3沈殿物抜取経路102に抜き取った沈殿物中の微粒砂と汚泥とを分離する第3汚泥分離装置としての第3汚泥分離サイクロン103と、該第3汚泥分離サイクロン103で分離した汚泥を系外に抜き出す第3汚泥抜出経路104と、分離した微粒砂を第3汚泥分離サイクロン103から沈降促進材貯槽82に抜き取る沈降促進材抜取経路105とを設けたものであって、沈降促進材抜取経路105には、第3汚泥分離サイクロン103から抜き取った微粒砂を前記第2撹拌槽16に直接投入する沈降促進材貯槽バイパス経路106が分岐して設けられるとともに、バイパス量を調節するための調節弁105V,106Vがそれぞれ設けられている。
【0044】
本形態例では、系内の循環砂量の制御を、第3沈殿物搬送ポンプ101を作動させて沈殿物を第3汚泥分離サイクロン103に導入し、この第3汚泥分離サイクロン103で分離した微粒砂を沈降促進材貯槽82に貯留することによって行う。このとき、第3汚泥分離サイクロン103では、沈殿物中に含まれる大径粒子も沈降促進材である微粒砂と共に沈降促進材抜取経路105に抜き取られて循環するが、前記大径粒子分離サイクロン73を運転することによって系内から排出できるので問題はない。
【0045】
なお、新たな微粒砂の系内への投入は、少量ならば人力行うことも可能であるが、スクリュー式の搬送装置を用いることもできる。また、沈降促進材貯槽82から第2撹拌槽16への微粒砂の投入は、前記貯留材搬送ポンプ(サンドポンプ)83を使用するほか、スクリューコンベヤを用いることも可能であり、処理水の一部や原水の一部を利用した水力によって行うこともできる。
【0046】
なお、前記各形態例では、汚泥分離装置として汚泥分離サイクロンを、大径粒子分離装置として大径粒子分離サイクロンを、第2汚泥分離装置として第2汚泥分離サイクロンを、第3汚泥分離装置として第3汚泥分離サイクロンを、それぞれ使用したが、各分離装置は、サイクロンに限らず、汚泥や大径粒子の分離を行えれば各種分離装置を使用することが可能である。
【0047】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の凝集沈殿処理装置によれば、系内に侵入した大粒の砂(大径粒子)を簡単な操作で系外に排出することができるので、沈降促進材による沈降促進効果を十分に得ることができ、凝集フロックの沈殿分離を安定した状態で確実に行うことができる。また、系内を循環する砂の量の増加によって循環ラインの圧力が上昇したり、配管が閉塞したりすることもなくなるので、保守作業の軽減や運転コストの削減も図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の凝集沈殿処理装置の第1形態例を示す系統図である。
【図2】 本発明の凝集沈殿処理装置の第2形態例を示す系統図である。
【図3】 本発明の凝集沈殿処理装置の第3形態例を示す系統図である。
【図4】 本発明の凝集沈殿処理装置の第4形態例を示す系統図である。
【図5】 本発明の凝集沈殿処理装置の第5形態例を示す系統図である。
【図6】 本発明の凝集沈殿処理装置の第6形態例を示す系統図である。
【図7】 本発明の凝集沈殿処理装置の第7形態例を示す系統図である。
【符号の説明】
10…フロック形成手段、11…原水流入経路、12…無機凝集剤添加経路、13…第1撹拌槽(急速撹拌槽)、14…高分子凝集剤添加経路、15…微粒砂添加経路、16…第2撹拌槽(注入撹拌槽)、17…フロック形成槽、18…上部連通路、19…下部連通路、20…沈殿分離手段、21…汚泥ピット、22…沈殿物搬送ポンプ、23…沈殿物抜取経路、24…集水樋、25…処理水流出経路、26…沈殿槽、27…汚泥掻寄機、28…傾斜板、29…上部連通路、30…沈降促進材分離手段、31…汚泥分離サイクロン、32…汚泥抜出経路、33…沈降促進材投入経路、40…大径粒子分離手段、41…大径粒子分離経路、42…大径粒子分離サイクロン、43…大径粒子抜出経路、44…混合物投入経路、51…沈降物抜取ポンプ、52…沈降物抜取経路、53…大径粒子分離サイクロン、54…大径粒子抜出経路、55…混合物投入経路、56…界面計、61…沈降物抜取ポンプ、62…沈降物抜取経路、63…大径粒子分離サイクロン、64…大径粒子抜出経路、65…残留物投入経路、66…大径粒子分離サイクロンバイパス経路、71…第2沈殿物搬送ポンプ、72…第2沈殿物抜取経路、73…大径粒子分離サイクロン、74…大径粒子抜出経路、75…混合物投入経路、80…砂量調節手段、81…沈降促進材分岐経路、82…沈降促進材貯槽、83…貯留材搬送ポンプ、84…貯留材投入経路、91…第2汚泥分離サイクロン、92…第2汚泥抜出経路、93…第2沈降促進材投入経路、94…混合物貯槽、95…混合物搬送ポンプ、101…第3沈殿物搬送ポンプ、102…第3沈殿物抜取経路、103…第3汚泥分離サイクロン、104…第3汚泥抜出経路、105…沈降促進材抜取経路、106…沈降促進材貯槽バイパス経路

Claims (12)

  1. 原水に凝集剤及び不溶性微粒子からなる沈降促進材を添加混合してフロックを形成するためのフロック形成手段と、該フロック形成手段で生成したフロックを沈殿分離するための沈殿分離手段と、該沈殿分離手段で沈殿分離した沈殿物から前記沈降促進材を分離して前記フロック形成手段に循環させる沈降促進材分離手段とを備えるとともに、系内に侵入した不溶性の大径粒子を分離して系外に抜き出す大径粒子分離手段を備えたことを特徴とする凝集沈殿処理装置。
  2. 前記フロック形成手段は、原水に無機凝集剤を添加混合する第1撹拌槽と、該第1撹拌槽の後段で高分子凝集剤及び前記沈降促進材を添加混合する第2撹拌槽と、該第2撹拌槽の後段に設けられたフロック形成槽とを備えており、前記沈殿分離手段は、底部に沈殿物搬送ポンプを介して沈殿物を抜き取る沈殿物抜取経路が、上部に処理水流出経路がそれぞれ設けられた沈殿槽であり、前記沈降促進材分離手段は、前記沈殿物抜取経路に抜き取った沈殿物中の沈降促進材と汚泥とを分離する汚泥分離装置と、該汚泥分離装置で分離した汚泥を系外に抜き出す汚泥抜出経路と、分離した沈降促進材を汚泥分離装置から抜き取って前記第2撹拌槽に循環投入する沈降促進材投入経路とを備えており、前記大径粒子分離手段は、前記沈殿物抜取経路から分岐した大径粒子分離経路と、該大径粒子分離経路から流入する沈殿物中の大径粒子と汚泥及び沈降促進材とを分離する大径粒子分離装置と、該大径粒子分離装置で分離した大径粒子を系外に抜き出す大径粒子抜出経路と、分離した汚泥及び沈降促進材の混合物を大径粒子分離装置から抜き取って前記第2撹拌槽に投入する混合物投入経路とを備えるとともに、前記沈殿物抜取経路と前記大径粒子分離経路とには、前記沈殿物を導入する汚泥分離装置又は大径粒子分離装置を選択するための経路切換手段が設けられていることを特徴とする請求項1記載の凝集沈殿処理装置。
  3. 前記フロック形成手段は、原水に無機凝集剤を添加混合する第1撹拌槽と、該第1撹拌槽の後段で高分子凝集剤及び前記沈降促進材を添加混合する第2撹拌槽と、該第2撹拌槽の後段に設けられたフロック形成槽とを備えており、前記沈殿分離手段は、底部に沈殿物搬送ポンプを介して沈殿物を抜き取る沈殿物抜取経路が、上部に処理水流出経路がそれぞれ設けられた沈殿槽であり、前記沈降促進材分離手段は、前記沈殿物抜取経路に抜き取った沈殿物中の沈降促進材と汚泥とを分離する汚泥分離装置と、該汚泥分離装置で分離した汚泥を系外に抜き出す汚泥抜出経路と、分離した沈降促進材を汚泥分離装置から抜き取って前記第2撹拌槽に循環投入する沈降促進材投入経路とを備えており、前記大径粒子分離手段は、前記フロック形成槽の底部に沈降した沈降物を沈降物抜取ポンプを介して抜き取る沈降物抜取経路と、該沈降物抜取経路に抜き取った沈降物中の大径粒子と汚泥及び沈降促進材とを分離する大径粒子分離装置と、該大径粒子分離装置で分離した大径粒子を系外に抜き出す大径粒子抜出経路と、分離した汚泥及び沈降促進材の混合物を前記第2撹拌槽又は前記フロック形成槽に循環投入する混合物投入経路とを備えていることを特徴とする請求項1記載の凝集沈殿処理装置。
  4. 前記フロック形成槽に、沈降物の量を計測するための界面計が設けられていることを特徴とする請求項3記載の凝集沈殿処理装置。
  5. 前記フロック形成手段は、原水に無機凝集剤を添加混合する第1撹拌槽と、該第1撹拌槽の後段で高分子凝集剤及び前記沈降促進材を添加混合する第2撹拌槽と、該第2撹拌槽の後段に設けられたフロック形成槽とを備えており、前記沈殿分離手段は、底部に沈殿物搬送ポンプを介して沈殿物を抜き取る沈殿物抜取経路が、上部に処理水流出経路がそれぞれ設けられた沈殿槽であり、前記沈降促進材分離手段は、前記沈殿物抜取経路に抜き取った沈殿物中の沈降促進材と汚泥とを分離する汚泥分離装置と、該汚泥分離装置で分離した汚泥を系外に抜き出す汚泥抜出経路と、分離した沈降促進材を汚泥分離装置から抜き取って前記第2撹拌槽に循環投入する沈降促進材投入経路とを備えており、前記大径粒子分離手段は、前記第1撹拌槽の底部に沈降した沈降物を沈降物抜取ポンプを介して抜き取る沈降物抜取経路と、該沈降物抜取経路に抜き取った沈降物中の大径粒子を分離する大径粒子分離装置と、該大径粒子分離装置で分離した大径粒子を系外に抜き出す大径粒子抜出経路と、大径粒子を分離した後の残留物を前記第1撹拌槽に循環投入する残留物投入経路とを備えていることを特徴とする請求項1記載の凝集沈殿処理装置。
  6. 前記大径粒子分離装置を通らずに、前記沈降物抜取経路に抜き取った沈降物を前記第1撹拌槽に循環投入する大径粒子分離装置バイパス経路を備えていることを特徴とする請求項5記載の凝集沈殿処理装置。
  7. 前記フロック形成手段は、原水に無機凝集剤を添加混合する第1撹拌槽と、該第1撹拌槽の後段で高分子凝集剤及び前記沈降促進材を添加混合する第2撹拌槽と、該第2撹拌槽の後段に設けられたフロック形成槽とを備えており、前記沈殿分離手段は、底部に第1沈殿物搬送ポンプを介して沈殿物を抜き取る第1沈殿物抜取経路が、上部に処理水流出経路がそれぞれ設けられた沈殿槽であり、前記沈降促進材分離手段は、前記第1沈殿物抜取経路に抜き取った沈殿物中の沈降促進材と汚泥とを分離する汚泥分離装置と、該汚泥分離装置で分離した汚泥を系外に抜き出す汚泥抜出経路と、分離した沈降促進材を汚泥分離装置から抜き取って前記第2撹拌槽に循環投入する沈降促進材投入経路とを備えており、前記大径粒子分離手段は、前記沈殿槽の底部に沈殿分離した沈殿物を第2沈殿物搬送ポンプを介して抜き取る第2沈殿物抜取経路と、該第2沈殿物抜取経路に抜き取った沈殿物中の大径粒子と汚泥及び沈降促進材とを分離する大径粒子分離装置と、該大径粒子分離装置で分離した大径粒子を系外に抜き出す大径粒子抜出経路と、分離した汚泥及び沈降促進材の混合物を前記第2撹拌槽に循環投入する混合物投入経路とを備えていることを特徴とする請求項1記載の凝集沈殿処理装置。
  8. 前記汚泥分離装置から前記沈降促進材投入経路に抜き出した沈降促進材を貯留する沈降促進材貯槽と、該沈降促進材貯槽内の沈降促進材を前記第2撹拌槽に投入する貯留材投入経路とを備えていることを特徴とする請求項2乃至7のいずれか1項記載の凝集沈殿処理装置。
  9. 前記大径粒子分離装置から前記混合物投入経路に抜き取った混合物中の汚泥と沈降促進材とを分離する第2汚泥分離装置と、該第2汚泥分離装置で分離した汚泥を系外に抜き出す第2汚泥抜出経路と、分離した沈降促進材を第2汚泥分離装置から抜き取って前記第2撹拌槽に循環投入する第2沈降促進材投入経路とを備えていることを特徴とする請求項2又は7項記載の凝集沈殿処理装置。
  10. 前記第2汚泥分離装置から前記第2沈降促進材投入経路に抜き取った沈降促進材を貯留する沈降促進材貯槽と、該沈降促進材貯槽内の沈降促進材を前記第2撹拌槽に投入する貯留材投入経路とを備えていることを特徴とする請求項9記載の凝集沈殿処理装置。
  11. 前記沈殿槽の底部に沈殿分離した沈殿物を第3沈殿物搬送ポンプを介して沈殿物を抜き取る第3沈殿物抜取経路と、該第3沈殿物抜取経路に抜き取った沈殿物中の沈降促進材と汚泥とを分離する第3汚泥分離装置と、該第3汚泥分離装置で分離した汚泥を系外に抜き出す第3汚泥抜出経路と、分離した沈降促進材を第3汚泥分離装置から沈降促進材貯槽に抜き取る沈降促進材抜取経路と、該沈降促進材貯槽内の沈降促進材を前記第2撹拌槽に投入する貯留材投入経路とを備えていることを特徴とする請求項2乃至7のいずれか1項記載の凝集沈殿処理装置。
  12. 前記沈降促進材抜取経路の前記沈降促進材貯槽の前段から分岐して沈降促進材抜取経路に抜き取った沈降促進材を前記第2撹拌槽に投入する沈降促進材貯槽バイパス経路を備えていることを特徴とする請求項11記載の凝集沈殿処理装置。
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