JP6270608B2 - 凝集沈殿装置及び凝集沈殿方法 - Google Patents

凝集沈殿装置及び凝集沈殿方法 Download PDF

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本発明は、凝集沈殿装置及び凝集沈殿方法に関する。
原水中の汚濁成分を沈殿分離する装置として、原水中に凝集剤と不溶性粒状物とを添加混合し、不溶性粒状物を核としたフロックを凝集形成することによりフロックを重量化させて沈降速度を速め、沈降分離処理を極めて短時間で行えるようにした高速凝集沈殿装置が知られている(例えば、以下の特許文献1を参照。)。
一方で、例えば、鉄鋼製造プロセスから排出される各種排水や鉄鋼原料ヤードから排出される雨水排水は、非操業時と操業時や、好天時と降雨時において、排水量に大きな差があり、非操業時や好天時の水量が、操業時や降雨時の水量に比べて5分の1程度になることがある。このように、水量の変動が大きな排水を凝集沈殿装置により処理する場合、原水流量が設計値よりも低下することで槽内滞留時間が長くなってしまい、形成したフロックが過度の撹拌により破壊されてしまうという問題が生じてしまう。
そこで、上記のような状況を防止するために、凝集沈殿装置の前段に調整槽を設け、原水ポンプのオン/オフ制御により原水流量を定量化したり、凝集沈殿処理を実施する複数の系列を設け(系列分割)、各系列の原水流量を定量化したりすることが行われている。
特許第2634230号
しかしながら、上記のような調整槽を設けたり系列分割を行ったりする方法では、設備費や設備の設置面積の増加は避けられない。
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、原水流量の変化によらず、凝集沈殿処理系全体として安定して所望の処理水質をより簡便に維持することが可能な凝集沈殿装置及び凝集沈殿方法を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明によれば、原水に含まれる懸濁物質を凝集沈殿処理により汚泥と処理水とに分離する凝集沈殿装置であって、前記原水は、鉄分を主体とし、真比重2.43〜4.80、平均粒子径5.3〜42.5μmである鉄鋼排水であり、前記原水に対して無機凝集剤を添加した上で攪拌混合する第1攪拌槽と、前記第1攪拌槽の後段に設けられ、前記原水に対して高分子凝集剤及び不溶性微粒子からなる沈降促進材を添加した上で攪拌混合する第2攪拌槽と、前記第2攪拌槽の後段に設けられ、前記沈降促進材を核とした前記懸濁物質のフロックを形成させるフロック形成槽と、前記フロック形成槽の後段に設けられ、前記フロックを沈降させて、前記原水を前記処理水とスラリーとに分離する沈殿槽と、前記沈殿槽から汚泥引抜ラインにより抜き出されたスラリーを前記汚泥と前記沈降促進材とに分離するサイクロンと、を備え、前記第1攪拌槽、前記第2攪拌槽及び前記フロック形成槽における滞留時間の閾値は、それぞれ、4分以下、4分以下及び12分以下であり、分離した前記沈降促進材を前記第2攪拌槽に供給するとともに、分離した前記汚泥を排出させ、前記処理水を移送する処理水移送ラインから、当該処理水の少なくとも一部を前記第1攪拌槽に返送する処理水返送ラインが分岐しており、前記第1攪拌槽に流入する前記原水の流量に応じて、前記処理水返送ライン分岐後の前記処理水移送ライン、又は、前記処理水返送ラインの少なくとも何れかの流量が制御される機能を有する凝集沈殿装置が提供される。
また、上記課題を解決するために、本発明によれば、原水に含まれる懸濁物質を凝集沈殿処理により汚泥と処理水とに分離する凝集沈殿装置であって、前記原水は、石炭を主体とし、真比重1.37〜1.48、平均粒子径10.2〜23.3μmである鉄鋼排水であり、前記原水に対して無機凝集剤を添加した上で攪拌混合する第1攪拌槽と、前記第1攪拌槽の後段に設けられ、前記原水に対して高分子凝集剤及び不溶性微粒子からなる沈降促進材を添加した上で攪拌混合する第2攪拌槽と、前記第2攪拌槽の後段に設けられ、前記沈降促進材を核とした前記懸濁物質のフロックを形成させるフロック形成槽と、前記フロック形成槽の後段に設けられ、前記フロックを沈降させて、前記原水を前記処理水とスラリーとに分離する沈殿槽と、前記沈殿槽から汚泥引抜ラインにより抜き出されたスラリーを前記汚泥と前記沈降促進材とに分離するサイクロンと、を備え、前記第1攪拌槽、前記第2攪拌槽及び前記フロック形成槽における滞留時間の閾値は、それぞれ、1.5分以下、1.5分以下及び4.5分以下であり、分離した当該沈降促進材を前記第2攪拌槽に供給するとともに、分離した前記汚泥を排出させ、前記処理水を移送する処理水移送ラインから、当該処理水の少なくとも一部を前記第1攪拌槽に返送する処理水返送ラインが分岐しており、前記第1攪拌槽に流入する前記原水の流量に応じて、前記処理水返送ライン分岐後の前記処理水移送ライン、又は、前記処理水返送ラインの少なくとも何れかの流量が制御される機能を有する凝集沈殿装置が提供される。
前記第1攪拌槽、前記第2攪拌槽及び前記フロック形成槽のそれぞれで保持される滞留時間が所定の閾値以下となるように、前記原水の流量に応じて前記処理水返送ラインの流量が制御される機能を有することが好ましい。
前記処理水返送ライン分岐後の前記処理水移送ライン、又は、前記処理水返送ラインの少なくとも何れか一方には、ラインの流量を制御する流量コントロール弁が設けられてもよい。
前記沈降促進材は、最大粒径が500μm以下であり、真比重が2.6以上であってもよい。
前記沈降促進材は、スラグであってもよい。
また、上記課題を解決するために、本発明によれば、原水に含まれる懸濁物質を凝集沈殿処理により汚泥と処理水とに分離する凝集沈殿方法であって、前記原水は、鉄分を主体とし、真比重2.43〜4.80、平均粒子径5.3〜42.5μmである鉄鋼排水であり、第1攪拌槽の前記原水に対して無機凝集剤を添加した上で攪拌混合し、前記第1攪拌槽の後段に設けられた第2攪拌槽の前記原水に対して、高分子凝集剤及び不溶性微粒子からなる沈降促進材を添加した上で攪拌混合し、前記第2攪拌槽の後段に設けられたフロック形成槽で、前記沈降促進材を核とした前記懸濁物質のフロックを形成させ、前記第1攪拌槽、前記第2攪拌槽及び前記フロック形成槽における滞留時間の閾値を、それぞれ、4分以下、4分以下及び12分以下とし、前記フロック形成槽の後段に設けられた沈殿槽で、前記フロックを沈降させて、前記原水を前記処理水とスラリーとに分離し、前記沈殿槽から汚泥引抜ラインにより抜き出されたスラリーをサイクロンで前記汚泥と前記沈降促進材とに分離し、分離した当該沈降促進材を前記第2攪拌槽に供給するとともに、分離した前記汚泥を排出させ、前記処理水を移送する処理水移送ラインから、当該処理水の少なくとも一部を前記第1攪拌槽に返送する処理水返送ラインが分岐しており、前記第1攪拌槽に流入する前記原水の流量に応じて、前記処理水返送ライン分岐後の前記処理水移送ライン、又は、前記処理水返送ラインの少なくとも何れかの流量を制御する凝集沈殿方法が提供される。
また、上記課題を解決するために、本発明によれば、原水に含まれる懸濁物質を凝集沈殿処理により汚泥と処理水とに分離する凝集沈殿方法であって、前記原水は、石炭を主体とし、真比重1.37〜1.48、平均粒子径10.2〜23.3μmである鉄鋼排水であり、第1攪拌槽の前記原水に対して無機凝集剤を添加した上で攪拌混合し、前記第1攪拌槽の後段に設けられた第2攪拌槽の前記原水に対して、高分子凝集剤及び不溶性微粒子からなる沈降促進材を添加した上で攪拌混合し、前記第2攪拌槽の後段に設けられたフロック形成槽で、前記沈降促進材を核とした前記懸濁物質のフロックを形成させ、前記第1攪拌槽、前記第2攪拌槽及び前記フロック形成槽における滞留時間の閾値を、それぞれ、1.5分以下、1.5分以下及び4.5分以下とし、前記フロック形成槽の後段に設けられた沈殿槽で、前記フロックを沈降させて、前記原水を前記処理水とスラリーとに分離し、前記沈殿槽から汚泥引抜ラインにより抜き出されたスラリーをサイクロンで前記汚泥と前記沈降促進材とに分離し、分離した当該沈降促進材を前記第2攪拌槽に供給するとともに、分離した前記汚泥を排出させ、前記処理水を移送する処理水移送ラインから、当該処理水の少なくとも一部を前記第1攪拌槽に返送する処理水返送ラインが分岐しており、前記第1攪拌槽に流入する前記原水の流量に応じて、前記処理水返送ライン分岐後の前記処理水移送ライン、又は、前記処理水返送ラインの少なくとも何れかの流量を制御する、凝集沈殿方法が提供される。
以上説明したように本発明によれば、処理水移送ラインから処理水返送ラインを分岐させ、原水の流量に応じて処理水返送ライン分岐後の前記処理水移送ライン、又は、処理水返送ラインの少なくとも何れかの流量を制御することで、原水流量の変化によらず、凝集沈殿処理系全体として安定して所望の処理水質をより簡便に維持することが可能である。
本発明の第1の実施形態に係る凝集沈殿装置の構成の一例を示した模式図である。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
(従来の高速凝集沈殿装置の問題点について)
本発明の実施形態に係る凝集沈殿装置について説明するに先立ち、上記特許文献1に開示されているような高速凝集沈殿装置の問題点についてより詳細に説明し、本発明の目的とするところについて、説明する。
上記特許文献1に記載の高速凝集沈殿装置では、装置に流入する原水の量が最大となる場合に着目して(換言すれば、原水の最大流入量を定格流量として)装置の設計が行われることが多い。そのため、設計される上記特許文献1に記載の高速凝集沈殿装置は、流入する原水量が定格流量に近いことを前提に、各槽の滞留時間や攪拌強度を設定することとなる。
一方で、上述のように、処理対象とする排水によっては凝集沈殿装置に流入する原水の流量が大きく変動する場合もある。流入する原水の量が定格流量から低下するほど、凝集沈殿装置を構成する各槽内の滞留時間は長くなることとなり、形成されたフロックが壊れてしまった結果として、処理水の水質が悪化する。以下の表1に、上記特許文献1と同様の高速凝集沈殿装置(第1攪拌槽、第2攪拌槽、フロック形成槽及び沈殿槽の4種類の槽から構成されている。)において、同一の箇所に由来する排水の原水流量が変動した場合の処理水質の変化を示した。
Figure 0006270608
表1に、原水の定格流量が100m/hrである高速凝集沈殿装置を例に挙げて、説明する。表1から明らかなように、原水流量が定格流量である100m/hrの場合には、処理水の懸濁物質(Suspended Solid:SS)の量(汚濁濃度)は、20mg/Lであるのに対し、原水流量が50m/hrに半減すると、各槽内の滞留時間が倍になり、処理水の汚濁濃度も倍になっている。更に、原水流量が20m/hrまで減少すると、各槽内の滞留時間は原水流量100m/hrの場合に比べて5倍となり、処理水の汚濁濃度も5倍となっている。
このような処理水質の悪化は、槽内滞留時間が長くなることによって生じるものである。すなわち、槽内滞留時間が長くなることで、フロック形成槽で一旦形成されたフロックが槽内での過度の攪拌処理により破壊されてしまい、本来はフロックとして存在していた懸濁物質が処理水へと混入してしまうことに起因する。このようなフロックの破壊は、上記特許文献1のような高速凝集沈殿装置で顕著である。
このように、凝集沈殿装置において原水の流量は、処理水の水質を維持するにあたって、重要な要因である。
そのため、凝集沈殿装置の前段に調整槽を設けたうえで、原水ポンプのオン/オフ制御により原水流量を定量化したり、凝集沈殿処理を実施する複数の系列を設け(系列分割)、各系列の原水流量を定量化したりすることが行われる。
しかしながら、調整槽を設けたり系列分割を行ったりする方法では、設備費や設備の設置面積の増加は避けられない。
そこで、本発明者らは、原水流量の変化によらず、凝集沈殿処理系全体として安定して所望の処理水質をより簡便に維持することが可能な凝集沈殿装置について更なる検討を行った結果、以下で説明する本発明の実施形態に係る凝集沈殿装置及び凝集沈殿方法に想到した。
(第1の実施形態)
<凝集沈殿装置の構成について>
以下では、図1を参照しながら、本発明の第1の実施形態に係る凝集沈殿装置の構成について、詳細に説明する。図1は、本実施形態に係る凝集沈殿装置の構成の一例を模式的に示した模式図である。
本実施形態に係る凝集沈殿装置10は、原水に含まれる懸濁物質(Suspended Solid:SS)を凝集沈殿処理により汚泥と処理水とに分離する装置である。
ここで、本実施形態に係る凝集沈殿装置10で処理対象とする原水(排水)については、特に限定されるものではないが、例えば、以下で挙げるような、鉄成分(酸化鉄等)又は石炭を少なくとも含む鉄鋼排水を処理対象とすることも可能である。
(a)鉱石ヤード雨水排水(真比重:3.16、平均粒子径:5.3μm)
(b)石炭ヤード雨水排水(真比重:1.48、平均粒子径:10.2μm)
(c)コークス製造工程で排出される集塵排水(真比重:1.37、平均粒子径:23.3μm)
(d)熱延工程で排出されるスプレー冷却排水(真比重:3.16、平均粒子径:30.0μm)
(e)製銑工程で排出される集塵排水(真比重:3.85、平均粒子径:42.5μm)
(f)製鋼工程で排出される集塵排水(真比重:4.80、平均粒子径:26.5μm)
(g)連続鋳造工程で排出されるスプレー冷却排水(真比重:3.09、平均粒子径:14.0μm)
(h)条鋼製造工程で排出されるスプレー冷却排水(真比重:3.28、平均粒子径:32.5μm)
(i)厚板製造工程で排出されるスプレー冷却排水(真比重:2.43、平均粒子径:14.9μm)
ここで、上記排水のうち(b)及び(c)の排水が、石炭を含む鉄鋼排水(すなわち、石炭を主体とする鉄鋼排水)に対応し、上記排水のうち(a),(d),(e),(f),(g),(h)及び(i)の排水が、酸化鉄を含む鉄鋼排水(すなわち、鉄分を主体とする鉄鋼排水)に対応する。また、上記(a)及び(b)の排水は、その名称からも明らかなように、天候によって水量が大きく変動する排水であり、上記(c)〜(i)の排水は、操業時と非操業時とで水量が大きく変動する排水である。
上記のような排水を処理することが可能な本実施形態に係る凝集沈殿装置10は、図1に示したように、原水が流入する側から順に、第1攪拌槽11と、第2攪拌槽13と、フロック形成槽15と、沈殿槽17と、処理水ピット19と、を備える。
凝集沈殿処理の対象となる原水は、原水流入ライン21を介して、第1攪拌槽11に流入する。原水流入ライン21には流量計101が設けられており、第1攪拌槽11に流入する原水の流量が管理されている。第1攪拌槽11では、無機凝集剤添加ラインを介して無機凝集剤が原水に対して添加され、モータ駆動の攪拌機103により原水が攪拌混合される。添加された無機凝集剤により原水に含まれる懸濁粒子が凝集していくことで、微細なフロックが生成していく。
無機凝集剤の種類は、特に限定されるものではなく、原水の性状にあわせて公知のものを使用可能である。このような無機凝集剤として、例えば、ポリ塩化アルミニウム(Poly Aluminum Chioride:PAC)、塩化第二鉄、硫酸第二鉄等といった公知のアルミニウム塩や鉄塩を挙げることができる。
ここで、無機凝集剤の添加量については、特に限定されるものではなく、処理対象とする原水の性状等に応じて、適宜決定すればよい。
第1攪拌槽11において無機凝集剤が添加された原水は、生成した微細な凝集フロックとともに、第2攪拌槽13へと流入する。第2攪拌槽13では、原水に対して、高分子凝集剤添加ラインを介して高分子凝集剤が添加されるとともに、沈降促進材添加ラインを介して沈降促進材が添加され、モータ駆動の攪拌機103により原水が攪拌混合される。添加された高分子凝集剤により原水に含まれる懸濁粒子が凝集することで、微細なフロックが少しずつ成長していくとともに、成長しつつあるフロックと添加された沈降促進材とが混合される。
高分子凝集剤の種類は、特に限定されるものではなく、原水の性状にあわせて公知のものを使用可能である。このような高分子凝集剤として、例えば、ノニオン性、アニオン性、カチオン性、又は両性の高分子凝集剤を利用することが可能である。
アニオン性の高分子凝集剤としては、例えば、アクリル酸又はその塩の重合物、アクリル酸又はその塩とアクリルアミドとの共重合物、アクリルアミドと2−アクリルアミド−2メチルプロパンスルホン酸塩の共重合物、アクリル酸又はその塩とアクリルアミドと2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸塩の3元共重合物、ポリアクリルアミドの部分加水分解物等を利用することが可能である。ノニオン性の高分子凝集剤としては、例えばポリアクリルアミドを利用することが可能である。両性の高分子凝集剤としては、例えば、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレートの3級塩及び4級塩(塩化メチル塩等)等の少なくとも1種のカチオン性単量体と、アクリル酸及びその塩(ナトリウム、カルシウム等の塩類)、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸塩(ナトリウム、カルシウム等の塩類)等の少なくとも1種のアニオン性単量体の共重合物、又は、上記の少なくとも1種のカチオン性単量体及び上記の少なくとも1種のアニオン性単量体とアクリルアミド等の少なくとも1種のノニオン性単量体との三元もしくは四元以上の共重合物等を利用することが可能である。ここで、高分子凝集剤の分子量は特に限定されるものではないが、例えば500万〜2000万の範囲が好ましい。これらの高分子凝集剤は、単独で又は混合物として用いることができる。
原水に添加される沈降促進材は、不溶性微粒子からなるものである。沈降促進材として利用可能な不溶性微粒子として、例えば、天然砂や人工砂等の砂粒(以下、単に「砂」という。)や各種スラグ(例えば高炉水砕スラグ等)を挙げることができる。この沈降促進材は、最大粒径が500μm以下であり、真比重が2.6以上であることが好ましい。最大粒径が500μm以下の沈降促進材は、利用する沈降促進材を例えば篩分けすることにより得ることが可能である。また、沈降促進材の最大粒径は、400μm以下が好ましく、300μm以下が更に好ましい。このような沈降促進材を用いることで、後段の沈殿槽17において、所望の沈降速度を実現することが可能となる。
ここで、高分子凝集剤及び沈降促進材の添加率については、特に限定されるものではなく、処理対象とする原水の性状等に応じて、適宜決定すればよい。
なお、本実施形態に係る凝集沈殿装置10では、後述するように、沈降促進材を循環させて利用しているため、第2攪拌槽13では沈降促進材を常時添加する必要は無い。凝集沈殿装置10全体で存在している沈降促進材の量が、維持すべき量よりも少なくなった場合に、新たな沈降促進材を添加すればよい。
第2攪拌槽13において高分子凝集剤及び沈降促進材が添加された原水は、フロック形成槽15へと流入する。フロック形成槽15では、高分子凝集剤添加ラインを介して高分子凝集剤が添加されるとともに、モータ駆動の攪拌機103により原水を攪拌することで、沈降促進材を核とするフロックを形成させる。より詳細には、第1攪拌槽11にて形成された微細なフロックは、第2攪拌槽13にて添加された高分子凝集剤により架橋されて、フロック形成槽15において、より大きなフロックが形成されることとなる。フロック形成槽15で形成されたフロックは、サイズが比較的大きく、沈殿しやすいフロックとなる。
なお、上記の無機凝集剤や高分子凝集剤として用いる化合物は、pH、温度、粘性などといった水質全体の物性に応じて決まる上記フロックの表面電荷に応じて、適宜選択すればよい。
フロック形成槽15においてフロックが形成された原水は、沈殿槽17へと流入する。沈殿槽17では、前記フロックを沈降させて、原水を処理水とスラリーとに分離させる。沈殿槽17には汚泥掻寄機105が設けられており、沈殿槽17内で沈降したフロックを効率良く掻き寄せることが可能となる。また、本実施形態に係る沈殿槽17の内部には傾斜板107が設けられており、沈殿槽17内に存在するフロックを更に効率良く沈降させることが可能となっている。
ここで、本実施形態に係る凝集沈殿装置10では、砂やスラグ等の比重の大きな沈降促進材を利用することでフロックの沈降速度を速めることができるため、沈殿槽17の表面負荷率(沈殿槽への流入水量/沈殿槽の底面積)を小さくすることが可能となる。これにより、本実施形態では、一般的な凝集沈殿装置に比べ、凝集沈殿装置10の小型化を図ることができる。ここで、一般的な凝集沈殿装置における沈殿槽17の滞留時間は、定格流量時で120〜180分程度であるのに対し、本実施形態では、数分(例えば、4〜5分)程度である。このような値からも、本実施形態に係る沈殿槽17での沈降速度が速いことがわかる。
沈殿槽17の底部には、沈殿したフロックを含むスラリーを引き抜くための汚泥引抜ライン23が接続されており、汚泥引抜ライン23に設けられた汚泥引抜ポンプ109により、スラリーが連続的に沈殿槽17から引き抜かれる。汚泥引抜ライン23の末端はサイクロン111の入口に接続されており、沈殿槽17から引き抜かれたスラリーは、所定の圧力や流速等を有した状態でサイクロン111へと移送される。
サイクロン111は、汚泥引抜ライン23により移送されてきたスラリーを、汚泥と沈降促進材とに分離する。分離された沈降促進材は、サイクロン111の底部に接続されたサイクロン下部出口ライン25を介して、第2攪拌槽13へと供給される。また、分離された汚泥は、サイクロン111の頂部に接続されたサイクロン上部出口ライン27により移送され、汚泥として排出される。このように、本実施形態に係る凝集沈殿装置10では、汚泥引抜ライン23及びサイクロン下部出口ライン25により、沈降促進材の循環ラインが形成されており、サイクロン上部出口ライン27が汚泥排出ラインとして機能する。
一方、沈殿槽17により分離された処理水は、処理水ピット19へと流入する。処理水ピット19では、処理水が一時的に保持された上で、処理水移送ポンプ113により処理水ピット19から引き抜かれ、処理水移送ライン29により移送される。
図1に示したように、処理水が移送される処理水移送ライン29からは、処理水の少なくとも一部を第1攪拌槽11へと返送する処理水返送ライン31が分岐している。これにより、処理水返送ライン31が分岐した後の処理水移送ライン29は、処理水を凝集沈殿装置10の外部へと流出させるための処理水流出ライン33として機能することとなる。なお、処理水流出ライン33から流出する処理水の汚濁濃度は、本実施形態に係る凝集沈殿装置10での原水処理を制御する際の管理値として利用される。
第1攪拌槽11へと返送される処理水の量(処理水返送量)は、ラインに設けられた流量コントロール弁115により、流量計101によって検知された原水の流量に応じて制御される。流量コントロール弁115は、処理水返送ライン31又は処理水流出ライン33の少なくとも何れか一方に設けられていればよく、図1に示したように、処理水返送ライン31に処理水返送量コントロール弁115aを設け、かつ、処理水流出ライン33に処理水流出量コントロール弁115bを設けても良い。
このように、本実施形態に係る凝集沈殿装置10では、処理水移送ライン29及び処理水返送ライン31により、処理水を第1攪拌槽11へと返送する循環ラインが形成されている。本実施形態に係る凝集沈殿装置10では、凝集沈殿処理により分離された処理水を敢えて凝集沈殿装置の最も上流側に位置する第1攪拌槽11へと返送する。これにより、以下で詳述するように、本実施形態に係る凝集沈殿装置10では、原水の水量の変化によらず、所望の原水水量を、凝集沈殿処理系全体として安定して、かつ、より簡便に維持することが可能となる。
なお、上記説明では、高分子凝集剤添加ラインを介して高分子凝集剤を第2攪拌槽13及びフロック形成槽15の双方に添加する場合について記載したが、第2攪拌槽13及びフロック形成槽15に添加する高分子凝集剤の添加割合は、処理対象とする原水の性状等に応じて、適宜決定すればよい。また、処理対象とする原水の性状等によっては、高分子凝集剤を、第2攪拌槽13又はフロック形成槽15のいずれか一方に対して添加してもよい。
<凝集沈殿装置の制御方法について>
続いて、図1に示したような凝集沈殿装置10の制御方法について、詳細に説明する。
本実施形態に係る凝集沈殿装置10を含む高速凝集沈殿装置では、フロックを適切に形成することが重要である。高速凝集沈殿装置におけるフロック形成を検討する際には、攪拌強度Gと、汚濁濃度Cと、撹拌継続時間(すなわち、滞留時間)Tと、の積として規定される、いわゆるGCT値を指標とすることが多い。
本実施形態に係る凝集沈殿装置10を構成する各処理槽のフロック形成を検討するに際して、GCT値を規定する操業因子のうち、攪拌強度Gは、例えば以下のような指針で決定することが可能である。
例えば、第1攪拌槽11に求められる攪拌強度Gは、原水に含まれる懸濁粒子と無機凝集剤とで構成される微細な凝集フロックが均一に生成・成長するような攪拌強度に決定される。第2攪拌槽13に求められる攪拌強度Gは、第1攪拌槽11で生成した微細な凝集フロックが高分子凝集剤により成長しつつ、沈降促進材と均一に混合されるような攪拌強度に決定される。また、フロック形成槽15に求められる攪拌強度Gは、凝集フロックと沈降促進材とを結合・成長させて、沈降促進材を核とするフロックが生成されるような攪拌強度に決定される。
上記のような指針に即してひとたび攪拌強度Gが決定されると、実際の操業は、決定した攪拌強度(許容される誤差範囲を含む、ほぼ一定の値)で実施されるため、GCT値のうち実際の操業における操業因子は、汚濁濃度C及び滞留時間Tとなる。
本実施形態に係る凝集沈殿装置10では、操業に際して汚濁濃度Cの変化は軽微であり、原水流量が変化する場合を想定している。そのため、原水流量の変化に伴うフロックの破壊を防止するために、装置内の各処理槽における滞留時間を、原水流量の変化によらず、フロックが破壊されない所望の値に維持すること(すなわち、各処理槽における滞留時間を、所定の閾値以下となるように維持すること)が重要となる。また、サイクロン111の分離性能を維持するためには、汚泥引抜ライン23の閉塞を防止しつつ、サイクロン111に流入するスラリーの流速や圧力等を管理することも重要である。
このような観点のもとに凝集沈殿装置10を設計するに際しては、サイクロン111における所望の分離性能を実現するための流速や圧力等を維持するために、汚泥引抜ライン23に関して、汚泥引抜ポンプ109の性能や、配管の長さや、汚泥の流量等が設定され、更に、汚泥引抜ライン23を閉塞させないための限界汚濁濃度が設定される。設定された限界汚濁濃度に応じて、沈殿槽17における滞留時間、沈降速度、汚濁濃度といった目標値が設定される。また、沈殿槽17における上記目標値が設定されることで、フロック形成槽15、第2攪拌槽13、第1攪拌槽の滞留時間等の目標値が順に設定されることとなる。これにより、凝集沈殿装置10の全体としての滞留時間や、凝集沈殿装置10全体での沈降促進材の添加率等が決定される。
ここで、第1攪拌槽11に流入する原水は、第1攪拌槽11からフロック形成槽15までオーバーフローで流れるため、各槽の滞留時間は、第1攪拌槽11に対する原水の流入量と、処理水ピット19から引き抜かれた処理水の少なくとも一部を第1攪拌槽11に対して返送する処理水返送量と、の合計値で、決定される。
従って、本実施形態に係る凝集沈殿装置10では、第1攪拌槽11に流入する水量が重要である。このため、本実施形態では、第1攪拌槽11に流入する原水の流量を流量計101により随時計測し、流量計101から得られる第1攪拌槽11への原水の流入量に応じて、処理水返送ライン31による処理水返送量が制御される。より詳細には、流量計101により得られる原水の流入量が少ない場合には、処理水返送ライン31による処理水返送量が多くなるように制御し、原水の流入量が多い場合には、処理水返送ライン31による処理水返送量が少なくなるように制御する。なお、処理水返送ライン31による処理水返送量は、処理水返送ライン31に流量計102を設けることで随時計測することができる。これにより、第1攪拌槽11に流入する原水及び処理水の総量が安定して定量化されるため、第1攪拌槽11からフロック形成槽15までの各処理槽の滞留時間が所望の閾値以下となるように制御することが可能となる。ちなみに、各処理槽の容量は、上記のような定常状態において、各処理槽の滞留時間が所定の範囲となるように、予め設計されているため、第1攪拌槽11に流入する原水及び処理水の総量を設定することで、各処理槽の滞留時間を適正な範囲に制御できる。
各処理槽の滞留時間は、上記のような決定指針に即して、原水の性状に応じて決定すればよいが、例えば以下のような値に設定することができる。例えば、処理対象とする原水が、鉄分を主体とし、真比重2.43〜4.80、平均粒子径5.3〜42.5μmである鉄鋼排水である場合、第1攪拌槽11、第2攪拌槽13及びフロック形成槽15における滞留時間の閾値は、それぞれ、4分以下、4分以下及び12分以下とすればよい。また、処理対象とする原水が、石炭を主体とし、真比重1.37〜1.48、平均粒子径10.2〜23.3μmである鉄鋼排水である場合、第1攪拌槽11、第2攪拌槽13及びフロック形成槽15における滞留時間の閾値は、それぞれ、1.5分以下、1.5分以下及び4.5分以下とすればよい。
ここで、石炭を主体とする鉄鋼排水を処理する際の滞留時間が、鉄分(酸化鉄)を主体とする鉄鋼排水を処理する際の滞留時間の約1/3倍としている理由は、石炭を主体とする鉄鋼排水から形成されるフロックが、鉄分を主体とする鉄鋼排水から形成されるフロックよりも壊れやすいためである。
原水の流入量に応じた処理水返送量の決定方法については、特に限定されるものではなく、公知のあらゆる方法が利用可能である。例えば、原水の流入量と処理水返送量とが互いに関連付けられたルックアップテーブルのようなデータベース等を凝集沈殿装置10の制御装置(図示せず。)に予め準備しておくことで、処理水返送量を決定することが可能である。
以上、本実施形態に係る凝集沈殿装置10の制御方法について、詳細に説明した。
このように、本発明の実施形態に係る凝集沈殿装置及び凝集沈殿方法によれば、原水流量の変動に応じて処理水を第1攪拌槽に返送することで、装置の前段に調整槽を設けたり凝集沈殿設備の系列分割を行ったりすることなく、原水水量を定量化して各処理槽の滞留時間や表面負荷率を一定に保持することが可能となる。その結果、本発明の実施形態に係る凝集沈殿装置及び凝集沈殿方法では、処理水質を安定化することが可能となる。かかる凝集沈殿装置及び凝集沈殿方法を利用することで、凝集沈殿装置の設置スペースが極めて狭隘であり、また、例えば鉄鋼排水のように水量変動の大きな原水を処理対象とする場合であっても、処理水質を極めて簡便に維持することができる。
続いて、実験例を示しながら、本発明の実施形態に係る凝集沈殿装置について具体的に説明する。なお、以下に示す実験例は、本発明の実施形態に係る凝集沈殿装置を具体的に説明するための一例にすぎず、本発明の実施形態に係る凝集沈殿装置が下記の例に限定されるわけではない。
(実験例1)
酸化鉄を主体とする鉄鋼排水である鉱石ヤード雨水排水(真比重:3.16、平均粒子径:5.3μm)を原水として利用し、図1に示した本発明の実施形態に係る凝集沈殿装置10により凝集沈殿処理を行った。この際、無機凝集剤として、ポリ塩化アルミニウム(PAC)を利用し、添加率は50mg/Lとした。また、高分子凝集剤として、弱アニオン性高分子凝集剤(分子量:1600万)を利用し、添加率は1.0mg/Lとした。なお、弱アニオン性高分子凝集剤は、第2攪拌槽13に対して全添加率の10%を添加し、フロック形成槽15に対して全添加率の90%を添加した。更に、沈降促進材として砂粒(天然砂)を利用し、(フロック形成槽15での沈降促進材の存在量/フロック形成槽15での水量)で表されるフロック形成槽15の沈降促進材濃度が10g/Lとなるようにした。用いた砂粒の最大粒径は300μmであり、真比重は2.6であった。これらを利用し、凝集沈殿装置10の制御を行った。
本実施例において、第1攪拌槽11への原水の注入量(原水流量)、第1攪拌槽11への処理水返送量、各処理槽での滞留時間、及び、沈殿槽の表面負荷率は、以下の表2に示した通りである。また、処理水の汚濁濃度を、以下の表2に併せて示した。
Figure 0006270608
表2から明らかなように、第1攪拌槽11、第2攪拌槽13及びフロック形成槽15の滞留時間が設定閾値以下となるように制御されている場合には、原水流量が変動した場合であっても、処理水の汚濁濃度を所望の値(20mg/L)に維持できていることがわかる。一方、原水流量が極度に減少したにも関わらず、処理水を第1攪拌槽11に返送しない場合には、各処理槽の滞留時間が所望の閾値超過となってしまい、生成されたフロックの破壊が発生して、処理水の汚濁濃度が悪化してしまう。ところが、原水流量が極度に減少したにも関わらず、処理水を第1攪拌槽11に返送することで各処理槽の滞留時間が所望の閾値以下となるように制御すると、フロックの破壊は発生せず、処理水の汚濁濃度を所望の値に維持することが可能となる。
(実験例2)
酸化鉄を主体とする鉄鋼排水である、熱延工程で排出されるスプレー冷却排水(以下、熱延排水という。真比重:3.16、平均粒子径:30.0μm)を原水として利用し、図1に示した本発明の実施形態に係る凝集沈殿装置10により凝集沈殿処理を行った。この際、無機凝集剤として、ポリ塩化アルミニウム(PAC)を利用し、添加率は50mg/Lとした。また、高分子凝集剤として、弱アニオン性高分子凝集剤(分子量:1600万)を利用し、添加率は1.0mg/Lとした。なお、弱アニオン性高分子凝集剤は、第2攪拌槽13に対して全添加率の10%を添加し、フロック形成槽15に対して全添加率の90%を添加した。更に、沈降促進材として砂粒(天然砂)を利用し、(フロック形成槽15での沈降促進材の存在量/フロック形成槽15での水量)で表されるフロック形成槽15の沈降促進材濃度が10g/Lとなるようにした。用いた砂粒の最大粒径は300μmであり、真比重は2.6であった。これらを利用し、凝集沈殿装置10の制御を行った。
本実施例において、第1攪拌槽11への原水の注入量(原水流量)、第1攪拌槽11への処理水返送量、各処理槽での滞留時間、及び、沈殿槽の表面負荷率は、以下の表3に示した通りである。また、処理水の汚濁濃度を、以下の表3に併せて示した。
Figure 0006270608
表3から明らかなように、第1攪拌槽11、第2攪拌槽13及びフロック形成槽15の滞留時間が設定閾値以下となるように制御されている場合には、原水流量が変動した場合であっても、処理水の汚濁濃度を所望の値(20mg/L)に維持できていることがわかる。一方、原水流量が極度に減少したにも関わらず、処理水を第1攪拌槽11に返送しない場合には、各処理槽の滞留時間が所望の閾値超過となってしまい、生成されたフロックの破壊が発生して、処理水の汚濁濃度が悪化してしまう。ところが、原水流量が極度に減少したにも関わらず、処理水を第1攪拌槽11に返送することで各処理槽の滞留時間が所望の閾値以下となるように制御すると、フロックの破壊は発生せず、処理水の汚濁濃度を所望の値に維持することが可能となる。
(実験例3)
石炭を主体とする鉄鋼排水である、コークス製造工程で排出される集塵排水(以下、コークス集塵排水という。真比重:1.37、平均粒子径:23.3μm)を原水として利用し、図1に示した本発明の実施形態に係る凝集沈殿装置10により凝集沈殿処理を行った。この際、無機凝集剤として、ポリ塩化アルミニウム(PAC)を利用し、添加率は50mg/Lとした。また、高分子凝集剤として、弱アニオン性高分子凝集剤(分子量:1600万)を利用し、添加率は1.0mg/Lとした。なお、弱アニオン性高分子凝集剤は、第2攪拌槽13に対して全添加率の10%を添加し、フロック形成槽15に対して全添加率の90%を添加した。更に、沈降促進材として砂粒(天然砂)を利用し、(フロック形成槽15での沈降促進材の存在量/フロック形成槽15での水量)で表されるフロック形成槽15の沈降促進材濃度が10g/Lとなるようにした。用いた砂粒の最大粒径は300μmであり、真比重は2.6であった。これらを利用し、凝集沈殿装置10の制御を行った。
本実施例において、第1攪拌槽11への原水の注入量(原水流量)、第1攪拌槽11への処理水返送量、各処理槽での滞留時間、及び、沈殿槽の表面負荷率は、以下の表4に示した通りである。また、処理水の汚濁濃度を、以下の表4に併せて示した。
Figure 0006270608
表4から明らかなように、第1攪拌槽11、第2攪拌槽13及びフロック形成槽15の滞留時間が設定閾値以下となるように制御されている場合には、原水流量が変動した場合であっても、処理水の汚濁濃度を所望の値(20mg/L)に維持できていることがわかる。一方、原水流量が極度に減少したにも関わらず、処理水を第1攪拌槽11に返送しない場合には、各処理槽の滞留時間が所望の閾値超過となってしまい、生成されたフロックの破壊が発生して、処理水の汚濁濃度が悪化してしまう。また、原水流量が極度に減少したために、処理水を第1攪拌槽11に返送したとしても、各処理槽の滞留時間を所望の閾値以下となるように制御できなかった場合には、フロックの破壊が発生して、処理水の汚濁濃度が悪化することがわかる。
このように、本発明の実施形態に係る凝集沈殿装置及び凝集沈殿方法では、原水流量の変化によらず、凝集沈殿処理系全体として安定して、より簡便に処理水質を維持することが可能となることが明らかとなった。
なお、沈降促進材として、上記砂粒に替えて高炉水砕スラグ(最大粒径:400μm、真比重:2.8)を用いた場合についても、上記実験例1〜実験例3と同様の結果を得ることができた。また、上記3種類の排水に替えて、上記(b),(e)〜(i)で列挙した各種排水に対して同様に処理を行った場合についても、上記実験例1〜実験例3と同様の結果を得ることができた。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
10 凝集沈殿装置
11 第1攪拌槽
13 第2攪拌槽
15 フロック形成槽
17 沈殿槽
19 処理水ピット
21 原水流入ライン
23 汚泥引抜ライン
25 サイクロン下部出口ライン
27 サイクロン上部出口ライン(汚泥排出ライン)
29 処理水移送ライン
31 処理水返送ライン
33 処理水流出ライン
101、102 流量計
103 攪拌機
105 汚泥掻寄機
107 傾斜板
109 汚泥引抜ポンプ
111 サイクロン
113 処理水移送ポンプ
115 流量コントロール弁
115a 処理水返送量コントロール弁
115b 処理水流出量コントロール弁

Claims (8)

  1. 原水に含まれる懸濁物質を凝集沈殿処理により汚泥と処理水とに分離する凝集沈殿装置であって、
    前記原水は、鉄分を主体とし、真比重2.43〜4.80、平均粒子径5.3〜42.5μmである鉄鋼排水であり、
    前記原水に対して無機凝集剤を添加した上で攪拌混合する第1攪拌槽と、
    前記第1攪拌槽の後段に設けられ、前記原水に対して高分子凝集剤及び不溶性微粒子からなる沈降促進材を添加した上で攪拌混合する第2攪拌槽と、
    前記第2攪拌槽の後段に設けられ、前記沈降促進材を核とした前記懸濁物質のフロックを形成させるフロック形成槽と、
    前記フロック形成槽の後段に設けられ、前記フロックを沈降させて、前記原水を前記処理水とスラリーとに分離する沈殿槽と、
    前記沈殿槽から汚泥引抜ラインにより抜き出されたスラリーを前記汚泥と前記沈降促進材とに分離するサイクロンと、
    を備え、
    前記第1攪拌槽、前記第2攪拌槽及び前記フロック形成槽における滞留時間の閾値は、それぞれ、4分以下、4分以下及び12分以下であり、
    分離した当該沈降促進材を前記第2攪拌槽に供給するとともに、分離した前記汚泥を排出させ、
    前記処理水を移送する処理水移送ラインから、当該処理水の少なくとも一部を前記第1攪拌槽に返送する処理水返送ラインが分岐しており、
    前記第1攪拌槽に流入する前記原水の流量に応じて、前記処理水返送ライン分岐後の前記処理水移送ライン、又は、前記処理水返送ラインの少なくとも何れかの流量が制御される機能を有する、凝集沈殿装置。
  2. 原水に含まれる懸濁物質を凝集沈殿処理により汚泥と処理水とに分離する凝集沈殿装置であって、
    前記原水は、石炭を主体とし、真比重1.37〜1.48、平均粒子径10.2〜23.3μmである鉄鋼排水であり、
    前記原水に対して無機凝集剤を添加した上で攪拌混合する第1攪拌槽と、
    前記第1攪拌槽の後段に設けられ、前記原水に対して高分子凝集剤及び不溶性微粒子からなる沈降促進材を添加した上で攪拌混合する第2攪拌槽と、
    前記第2攪拌槽の後段に設けられ、前記沈降促進材を核とした前記懸濁物質のフロックを形成させるフロック形成槽と、
    前記フロック形成槽の後段に設けられ、前記フロックを沈降させて、前記原水を前記処理水とスラリーとに分離する沈殿槽と、
    前記沈殿槽から汚泥引抜ラインにより抜き出されたスラリーを前記汚泥と前記沈降促進材とに分離するサイクロンと、
    を備え、
    前記第1攪拌槽、前記第2攪拌槽及び前記フロック形成槽における滞留時間の閾値は、それぞれ、1.5分以下、1.5分以下及び4.5分以下であり、
    分離した当該沈降促進材を前記第2攪拌槽に供給するとともに、分離した前記汚泥を排出させ、
    前記処理水を移送する処理水移送ラインから、当該処理水の少なくとも一部を前記第1攪拌槽に返送する処理水返送ラインが分岐しており、
    前記第1攪拌槽に流入する前記原水の流量に応じて、前記処理水返送ライン分岐後の前記処理水移送ライン、又は、前記処理水返送ラインの少なくとも何れかの流量が制御される機能を有する、凝集沈殿装置。
  3. 前記第1攪拌槽、前記第2攪拌槽及び前記フロック形成槽のそれぞれで保持される滞留時間が所定の閾値以下となるように、前記原水の流量に応じて前記処理水返送ラインの流量が制御される機能を有する、請求項1又は2に記載の凝集沈殿装置。
  4. 前記処理水返送ライン分岐後の前記処理水移送ライン、又は、前記処理水返送ラインの少なくとも何れか一方には、ラインの流量を制御する流量コントロール弁が設けられる、請求項1〜3の何れか1項に記載の凝集沈殿装置。
  5. 前記沈降促進材は、最大粒径が500μm以下であり、真比重が2.6以上である、請求項1〜の何れか1項に記載の凝集沈殿装置。
  6. 前記沈降促進材は、スラグである、請求項1〜の何れか1項に記載の凝集沈殿装置。
  7. 原水に含まれる懸濁物質を凝集沈殿処理により汚泥と処理水とに分離する凝集沈殿方法であって、
    前記原水は、鉄分を主体とし、真比重2.43〜4.80、平均粒子径5.3〜42.5μmである鉄鋼排水であり、
    第1攪拌槽の前記原水に対して無機凝集剤を添加した上で攪拌混合し、
    前記第1攪拌槽の後段に設けられた第2攪拌槽の前記原水に対して、高分子凝集剤及び不溶性微粒子からなる沈降促進材を添加した上で攪拌混合し、
    前記第2攪拌槽の後段に設けられたフロック形成槽で、前記沈降促進材を核とした前記懸濁物質のフロックを形成させ、
    前記第1攪拌槽、前記第2攪拌槽及び前記フロック形成槽における滞留時間の閾値を、それぞれ、4分以下、4分以下及び12分以下とし、
    前記フロック形成槽の後段に設けられた沈殿槽で、前記フロックを沈降させて、前記原水を前記処理水とスラリーとに分離し、
    前記沈殿槽から汚泥引抜ラインにより抜き出されたスラリーをサイクロンで前記汚泥と前記沈降促進材とに分離し、分離した当該沈降促進材を前記第2攪拌槽に供給するとともに、分離した前記汚泥を排出させ、
    前記処理水を移送する処理水移送ラインから、当該処理水の少なくとも一部を前記第1攪拌槽に返送する処理水返送ラインが分岐しており、前記第1攪拌槽に流入する前記原水の流量に応じて、前記処理水返送ライン分岐後の前記処理水移送ライン、又は、前記処理水返送ラインの少なくとも何れかの流量を制御する、凝集沈殿方法。
  8. 原水に含まれる懸濁物質を凝集沈殿処理により汚泥と処理水とに分離する凝集沈殿方法であって、
    前記原水は、石炭を主体とし、真比重1.37〜1.48、平均粒子径10.2〜23.3μmである鉄鋼排水であり、
    第1攪拌槽の前記原水に対して無機凝集剤を添加した上で攪拌混合し、
    前記第1攪拌槽の後段に設けられた第2攪拌槽の前記原水に対して、高分子凝集剤及び不溶性微粒子からなる沈降促進材を添加した上で攪拌混合し、
    前記第2攪拌槽の後段に設けられたフロック形成槽で、前記沈降促進材を核とした前記懸濁物質のフロックを形成させ、
    前記第1攪拌槽、前記第2攪拌槽及び前記フロック形成槽における滞留時間の閾値を、それぞれ、1.5分以下、1.5分以下及び4.5分以下とし、
    前記フロック形成槽の後段に設けられた沈殿槽で、前記フロックを沈降させて、前記原水を前記処理水とスラリーとに分離し、
    前記沈殿槽から汚泥引抜ラインにより抜き出されたスラリーをサイクロンで前記汚泥と前記沈降促進材とに分離し、分離した当該沈降促進材を前記第2攪拌槽に供給するとともに、分離した前記汚泥を排出させ、
    前記処理水を移送する処理水移送ラインから、当該処理水の少なくとも一部を前記第1攪拌槽に返送する処理水返送ラインが分岐しており、前記第1攪拌槽に流入する前記原水の流量に応じて、前記処理水返送ライン分岐後の前記処理水移送ライン、又は、前記処理水返送ラインの少なくとも何れかの流量を制御する、凝集沈殿方法。
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