JP4117957B2 - 容器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えばPETボトルや空き缶、雑誌といったゴミ(資源ゴミ)の回収・運搬や土木工事の際に排出される土砂の収容・運搬、工場内での各種原料の運搬、水揚げされた魚介類や収穫された農作物の収容・運搬など、さまざまな方面で利用される容器に関するものである。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】
従来、家庭や事業所から排出されるゴミの回収用容器としては、プラスチック製のコンテナが一般的であった。しかし、このプラスチック製コンテナは、保管や回収現場までの運搬に際して非常に大きなスペースを必要とするため、今後、ゴミの量が増大して、更にその数が増えると、十分なスペースを準備できなくなる恐れがある。
【0003】
そこで、こうした問題を解決するべく、使用時には優れた自立安定性を発揮すると共に、保管時や運搬時にはほぼ平板と見なせる程度にまでコンパクトに折り畳むことが可能な容器が開発されるに至った(特許第2782500号)。
ところが、近頃、この優れた特性を有する容器にも、改善を必要とする点が存在することが判明した。すなわち、現在、上記容器を、ダンボール箱に替わってプリンタや複写機にて使用されるトナーカートリッジの回収・運搬に使用することが検討されている。この場合、容器は地区倉庫内に設置され、回収されてきたトナーカートリッジは、その中に無造作に投入される。そして、トナーカートリッジで内部空間がいっぱいになり次第、容器は、トナーカートリッジと共にリサイクル工場に運ばれることになる。ところで、トナーカートリッジは、さまざまな付加物を有することが多く、その上、形状が極めて変則的である。よって、容器が、考えていたよりも、かなり少ない個数のトナーカートリッジでいっぱいになってしまうといった事態が起こりうる。こうした状況では、当然ながら、別の容器をあらたに準備する必要が生じるため、非常に効率が悪い。
【0004】
したがって、本発明が解決しようとする課題は、容積を増量させることができる容器を提供することである。特に、構造が簡単であって、かつ、容易に容積を増量させることができる容器を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
この課題は、
シート材を箱状に組み立てて構成された基礎部と、
シート材を枠状に組み立てて構成され、かつ、前記基礎部から連続するよう、その上方に設けられた、四つの側面を有する容積増量部と、
前記基礎部の側面における片側の縦辺部分に配設された側面支持部材と、
前記容積増量部の側面に配設された、一端側が斜めにカットされてなる台形状の側面支持部材と
を具備してなることを特徴とする容器によって解決される。
【0006】
また、上記の課題は、
シート材を箱状に組み立てて構成された基礎部と、
シート材を枠状に組み立てて構成され、かつ、前記基礎部から連続するよう、その上方に設けられた、四つの側面を有する容積増量部と、
前記基礎部の側面における片側の縦辺部分に配設された側面支持部材と、
前記容積増量部の側面に配設された、一端側が斜めにカットされてなる台形状の側面支持部材と、
この台形状の側面支持部材の斜めにカットされた一端側の上方に位置するよう前記容積増量部の側面に配設された、前記台形状の側面支持部材の一端側斜辺に対応した斜辺を有する直角三角形状の側面支持部材と
を具備してなることを特徴とする容器によって解決される。
【0007】
特に、上記の課題は、
シート材を箱状に組み立てて構成された基礎部と、
シート材を枠状に組み立てて構成され、かつ、前記基礎部から連続するよう、その上方に設けられた、四つの側面を有する容積増量部と、
前記基礎部の側面における前記容積増量部に隣接する横辺部分に配設された、平板状の第1の側面支持部材と、
この第1の側面支持部材とは別体であって、かつ、前記基礎部の側面における片側の縦辺部分に配設された、平板状の第2の側面支持部材と、
前記容積増量部の側面に配設された、一端側が斜めにカットされてなる台形状であって、かつ、平板状の第3の側面支持部材と、
この第3の側面支持部材の斜めにカットされた一端側の上方に位置するよう前記容積増量部の側面に配設された、前記第3の側面支持部材の一端側斜辺に対応した斜辺を有する直角三角形状であって、かつ、平板状の第4の側面支持部材とを具備してなることを特徴とする容器によって解決される。
【0008】
すなわち本発明では、容器を、側面支持部材、特に第1の側面支持部材や第2の側面支持部材によって支持された基礎部上に、更に容積増量部を設けた構造としている。そして、この容積増量部の側面を、台形状(かつ、平板状)の側面支持部材、特に台形状の側面支持部材および直角三角形状(かつ、平板状)の側面支持部材の対によって支持するよう構成した。したがって、容積増量部が不要な時には、それを支持する側面支持部材が互いに重なり合った状態となるよう、この容積増量部の側面を折り畳んでおくことができる。一方、容器の容積を増量させる必要が生じた時には、容積増量部の側面を起立させればよい。特に、容積増量部の側面が、台形状および直角三角形状の側面支持部材を有する場合には、この二つの側面支持部材が平面的に連なるよう、容積増量部の側面を起立させればよい。これによって容積増量部は、その下方の基礎部と同様、安定状態で自立する。つまり、本発明の容器は、折り畳んだ状態の容積増量部を、それに配設された側面支持部材と共に起立させるだけの簡単な操作で、容積を増量させることが可能である。また、上述したように、本発明の容器は、基礎部に対して、シート材を枠状に組み立てて構成された四つの側面を有する容積増量部を、側面支持部材によって立設可能に設けたものであるから、構造自体も非常に簡単である。
【0009】
なお、本発明の容器では、第3の側面支持部材および第4の側面支持部材における互いに向き合う斜辺の角度を、45°としてなることが好ましい。これによって、容積増量部の変形が最もスムーズに行えるようになる。その上、特に良好な容積増量部の自立状態が得られる。
また、本発明の容器では、容積増量部の側面における、第1の側面支持部材と直交する方向に沿った寸法を、基礎部の側面における、前記第1の側面支持部材と平行な方向に沿った寸法の、1/3〜1/2としてなることが好ましい。すなわち、容積増量部の側面縦寸法がこの範囲にあれば、それを折り畳む際に、側面同士が干渉し合うことはなく、その一方で、増量分の容積値を必要十分なものとすることができる。
【0010】
更に本発明の容器では、容積増量部を使用した際の負荷増大を考慮して、基礎部の底面に、一辺の長さが前記基礎部の側面における第1の側面支持部材と平行な方向に沿った寸法にほぼ等しい十文字形で、かつ、平板状の底面補強部材を配設してなることが好ましい。
また、これと同じ理由から、基礎部の側面における、第1の側面支持部材と第2の側面支持部材とが交差する側の角から延びる対角線の上方位置あるいは下方位置には、前記対角線に沿って、平板状の側面補強部材を配設してなることが好ましい。
【0011】
そして、第3の側面支持部材および/又は第4の側面支持部材は、容積増量部の側面に対して着脱自在であることが好ましい。これによって、メンテナンス性の向上が図れ、また、第3の側面支持部材および第4の側面支持部材を共に取り外すことで、容積増量部を持たない容器としての利用も可能となる。
なお、上記第3の側面支持部材および第4の側面支持部材は、これらとは別の部材によって、互いに屈曲可能に連結されていてもよい。
【0012】
更に言えば、平板状の第1〜第4の側面支持部材とは、切欠き等の欠損が存在しないもののみを指すわけではない。すなわち、必要十分な強度・剛性を確保できる範囲であれば、これら第1〜第4の側面支持部材は、その一部が切り欠かれていてもよい。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下で本発明の一実施形態として説明する容器は、シート材を箱状に組み立てて構成された基礎部と、シート材を枠状に組み立てて構成され、かつ、基礎部から連続するよう、その上方に設けられた、四つの側面からなる容積増量部と、基礎部の側面における、容積増量部に隣接する横辺部分に配設された、平板状の第1の側面支持部材と、この第1の側面支持部材とは別体であって、かつ、基礎部の側面における片側の縦辺部分に配設された、平板状の第2の側面支持部材と、容積増量部の側面に配設された、一端側が斜めにカットされてなる台形状であって、かつ、平板状の第3の側面支持部材と、この第3の側面支持部材の斜めにカットされた一端側の上方に位置するよう容積増量部の側面に配設された、第3の側面支持部材の一端側の斜辺に対応した斜辺を有する直角三角形状であって、かつ、平板状の第4の側面支持部材とを具備してなるものである。
【0014】
特に、本実施形態では、第3の側面支持部材および第4の側面支持部材における互いに向き合う斜辺の角度を、それぞれ45°としている。また、容積増量部の側面における、第1の側面支持部材と直交する方向に沿った寸法を、基礎部の側面における、第1の側面支持部材と平行な方向に沿った寸法の1/3としている。更に本実施形態では、基礎部の底面に、一辺の長さが、この基礎部の側面における第1の側面支持部材と平行な方向に沿った寸法にほぼ等しい十文字形で、かつ、平板状の底面補強部材を配設している。加えて、基礎部の側面における、第1の側面支持部材と第2の側面支持部材とが交差する側の角から延びる対角線の下方位置にも、この対角線に沿って、平板状の側面補強部材を配設している。そして、本実施形態では、第3の側面支持部材および第4の側面支持部材を、容積増量部の側面に対して着脱自在としている。
【0015】
続いて、図1〜図9を用い、本発明の実施形態を更に詳しく説明する。なお、図1は本発明の実施形態に係る容器の外観図、図2は側面支持部材の構造を示す斜視図、図3、図4、図5は、それぞれ本発明の実施形態に係る容器の要部正面図、要部断面図、底面図、図6は同容器における容積増量部の変形の様子を示す概念図、図7は容積増量部の折り畳みが完了した状態を示す要部斜視図、図8は容器における基礎部の変形の様子を示す概念図、図9は容器の折り畳みが完了した状態を示す外観図である。
【0016】
本発明の実施形態に係る容器(以下、本容器)は、概して言うと、強靱なシート材を縫合によって、縦横寸法よりも高さ寸法がやや大きな箱状に組み立て、主として、その側面部分に支持部材を配することにより構成されたものである。
すなわち、図1から判るように、本容器は、シート材を箱状(上面側が開放された直方体状)に組み立てて構成された基礎部1と、同シート材を枠状に組み立てて構成された容積増量部2とを具備する。このうち容積増量部2は、基礎部1から連続するよう、その上方に設けられており、したがって計四つの側面を有する。なお、本実施形態では、製造作業の都合上、容積増量部2を、基礎部1とは別体のシート材から構成し、両者を縫合によって結合しているが、基礎部1及び容積増量部2を、連続した1枚のシート材から構成してもよい。
【0017】
本容器は、この基礎部1及び容積増量部2と共に、更に、上述した側面支持部材を複数有する。
すなわち、まず基礎部1の側について言うと、その側面における、容積増量部2に隣接する横辺部分には、平板状の第1の側面支持部材3が配設されている。また、同じく基礎部1の側面における片側の縦辺部分にも、平板状の第2の側面支持部材4が配設されている。但し、第1の側面支持部材3と第2の側面支持部材4とは別体である。ちなみに、ここで使用した第1の側面支持部材3及び第2の側面支持部材4はプラスチック製であり、特に本実施形態では、図2に示すごとく、中空状のもの、すなわち空隙Qを有するものを用いている(後述する容積増量部2側の側面支持部材についても同じ)。これは、軽量化を図りつつ、十分な強度・剛性を得るためである。
【0018】
これに加えて、基礎部1の側面には、その対角線に沿って、平板状の側面補強部材5が配設されている。更に詳しく言えば、この側面補強部材5は、基礎部1の側面における、第1の側面支持部材3と第2の側面支持部材4とが交差(実際には仮想的に交差)する側の角から延びる対角線L1 の下方位置に、この対角線L1 に沿って設けられている。但し、側面補強部材5自体の構造は、上記第1の側面支持部材3等と同じである。また、この側面補強部材5は、対角線L1 の上方位置に配されていてもよい。ちなみに、後に詳述するごとく、本容器を折り畳む際には、基礎部1の側面は、側面補強部材5にガイドされ、対角線L1 を中心として半折されることになる(図1において一点鎖線で示すラインは、全て折り畳みライン)。
【0019】
なお、特に詳しく図示してはいないが、基礎部1の側面において、上記第1の側面支持部材3、第2の側面支持部材4、及び側面補強部材5が配された部分はポケット状の構造となっている。そして、このポケットの開口部分には、面テープを使用した蓋が設けられている。つまり、上記第1の側面支持部材3、第2の側面支持部材4、及び側面補強部材5は、基礎部1の側面ポケットに収まり、かつ、付属の蓋で封じ込められた状態となっている。したがって、実際に本容器を観視した場合に、第1の側面支持部材3、第2の側面支持部材4、及び側面補強部材5を直接認識することはできない。なお言うまでもなく、これらの部材3,4,5は、基礎部1の側面から着脱自在である。
【0020】
続いて、容積増量部2の側についてであるが、この容積増量部2の側面には、平板状の第3の側面支持部材6と、同じく平板状の第4の側面支持部材7とが配設されている。特に本実施形態では、この第3の側面支持部材6と第4の側面支持部材7とで、容積増量部2の側面のほぼ全域が占有されるようになっている。
更に詳しく言えば、第3の側面支持部材6は、図3からも判るように、一端側が斜めにカットされてなる横長な台形状のものである。これに対して、第4の側面支持部材7は、第3の側面支持部材6における斜めにカットされた一端側の斜辺に対応した斜辺を有する、直角三角形状となっている。そして、第3の側面支持部材6の斜めにカットされた一端側の上方に位置するよう、容積増量部2の側面に設けられている。
【0021】
なお、第3の側面支持部材6及び第4の側面支持部材7における、互いに向き合う斜辺の角度θ1 ,θ2 は共に45°である。また、容積増量部2の高さ寸法すなわち容積増量部2の側面における、第1の側面支持部材3と直交する方向に沿った寸法Hは、基礎部1の幅寸法、すなわち基礎部1の側面における、第1の側面支持部材3と平行な方向に沿った寸法Bの1/3である。そして、ここで使用した第3の側面支持部材6及び第4の側面支持部材7も、上述したように、第1の側面支持部材3等と同様、プラスチック製であり、かつ、中空状のものである。
【0022】
容積増量部2の側面構造について更に言うと、この容積増量部2の側面において、上記第3の側面支持部材6及び第4の側面支持部材7が配された部分は、互いに独立したポケット状の構造となっている。そして、このポケットの開口部分には、例えば、第3の側面支持部材6に対応する側を示す図4から判るように、面テープ8aを使用した蓋8が設けられている(面テープ8aと対になる容積増量部2側の面テープは図示せず)。したがって、第3の側面支持部材6については、側面ポケット9に完全に収まり、蓋8で封じ込められた状態となっている。ちなみに、蓋8を閉じた状態は図4に一点鎖線で示すとおりであり、また、第4の側面支持部材7についても、基本的に、これと同様にして配されている。よって、第3の側面支持部材6及び第4の側面支持部材7は、容積増量部2の側面から着脱自在である。但し、場合によっては、いずれか一方のみを着脱自在としてもよい。
【0023】
なお、第3の側面支持部材6を収納する側面ポケット9と、第4の側面支持部材7を収納する側面ポケットとは、縫合によって、上述したように分離・独立させられている。しかし、図3においてL2 で示す、この縫合ラインは、二つの側面ポケットを互いに分離・独立させる役割を果たすだけのものではない。同縫合ラインは、後に詳述するように本容器を折り畳む際に、その折り畳みラインとしても機能する。ちなみに、図3においてL3 で示すラインは、容積増量部2の基礎部1に対する折り畳みラインである。
【0024】
但し、上述したように、第3の側面支持部材6及び第4の側面支持部材7は、容積増量部2の側面ポケットに収納されているので、実際に本容器を観視した場合に、それらを直接認識することはできない。
以上、本容器の側面構造について、その一面だけを取り上げて説明したが、基礎部1の側の側面構造は全ての面に共通である。また、容積増量部2の側についても、全ての面が同じ構造となっている。しかし、基礎部1の側については、対向する二面に運搬用の把手(図1では一方しか示していない)10が取り付けられている。この把手10は、基礎部1や容積増量部2を構成するシート材とは異なる種類の布材から作られており、縫合によって基礎部1に対して強固に接合されている。但し、この把手10の形態や設置位置は、本実施形態のそれに限定されるものではない。
【0025】
更に、本容器の底面したがって基礎部1の底面には、図5に示すごとく、十文字形の底面補強部材11が配設されている。すなわち、基礎部1の底面は2層構造となっており、その上層と下層との間に、一辺の長さKが、基礎部1の側面幅寸法(第1の側面支持部材3と平行な方向に沿った寸法)Bとほぼ等しい十文字形の底面補強部材11を配置している。但し、この底面補強部材11も上記側面支持部材や側面補強部材5と同様、平板状のプラスチック製中空材からなる。なお、上述した側面補強部材5についても言えることであるが、底面補強部材11は必須の構成要件ではなく、必要に応じて省略できる。しかし、本容器は容積の増量が可能な構造であることから、負荷の増大を考慮し、上記底面補強部材11を基礎部1の底面に配置しておくことが好ましい。更に言えば、この底面補強部材11としては、2枚の細長い板材を十文字形に接合したものを用いてもよい。
【0026】
さて、上記のごとく構成されてなる本容器は、使用者の判断で、初めから図1に示す容積を増量した状態にて使用されることもある。つまり、同状態にて、例えばトナーカートリッジ回収倉庫等に設置される場合もある。
しかし、差し当たって容積の増量が必要でない場合には、倉庫内の空間を貪食しないようにするため、また、投入口の高さを低くするため、容積増量部2は折り畳まれ、本容器は、実質上、基礎部1のみの形態で使用されることになる。こうした時(あるいは格納時)、容積増量部2は、次のようにして折り畳まれる。
【0027】
すなわち、容積増量部2の上端、特に対向する二つの側面の上端を把持し、これに、上述した縫合ラインL2 が内側に変位するような力を加える。すると、容積増量部2は、最終的に、隣接する側面の端部同士が上下に重なり合った状態となるよう変形する。この変形の様子は図6に示すとおりであり、すなわち、容積増量部2の角に対応した点A1 は点A2 に、また、縫合ラインL2 の一端に対応した点B1 は点B2 に移動する。これは他の側面についても同じであり、点C1 は点C2 へ、点D1 は点D2 へ、点E1 は点E2 へ、点F1 は点F2 へ、点G1 は点G2 へ、そして点H1 は点H2 へ、それぞれ移動する。このようにして容積増量部2の折り畳みが完了した状態は、図7に示すとおりである。ちなみに、この図7に示す状態では、容積増量部2は蓋としての機能を発揮する。したがってトナーカートリッジ等は、折り畳まれた容積増量部2の中央にできる開口12から、容器内に投入されることになる。
【0028】
一方、基礎部1がいっぱいになり、容積を増量させる必要が生じた際には、折り畳まれた容積増量部2の一側面あるいは対向する二側面を把持し、それを起立させればよい。これによって、容積増量部2は、自立安定性に優れた枠状のものに変形する。つまり、容積増量部2を起立させることで、本容器は、図7に示す状態から図1に示す状態となり、更に多くのトナーカートリッジ等を収容することが可能になる。
【0029】
ところで、トナーカートリッジ等を収容してリサイクル工場へ運ばれた本容器は、そこで収容物が排出されると、完全に折り畳まれ、再び回収倉庫まで搬送されることになる。この際、本容器は、まず上述したようにして容積増量部2が折り畳まれ、次いで、基礎部1が、図8に一点鎖線で示すような形態を経て折り畳まれることになる(同図における矢印は、基礎部1を折り畳む際、それに加える力の方向を示す)。なお、基礎部1の変形時の様子は、先に挙げた特許第2782500号の容器のそれとほぼ同じである。参考までに言うと、基礎部1を折り畳むには、その上端側を把持し、かつ、下端側を足で固定して、容積増量部2の開口12を上から見た際に、時計回りとなる方向、すなわち図8における矢印の方向に力を加えればよい(容器構造によっては反時計回りとなる場合もある)。これによって、基礎部1の側面は、その対角線を中心に半折されて互いに重なり合い、最終的に、基礎部1は、図9に示す平板状の極めてコンパクトな状態となる。一方、基礎部1を起立させる際、つまり使用可能な状態となるよう変形させる際には、言うまでもなく、これと逆の手順になる。すなわち、基礎部1の下端側を足で固定し、かつ、上端側、できればその対向する2か所を把持して、折り畳み時とは逆の方向に力を加えればよい。
【0030】
このように本容器は、第1の側面支持部材3や第2の側面支持部材4によって支持された基礎部1の上に、更に容積増量部2を設けた構造となっている。そして、この容積増量部2の側面を、台形状で、かつ、平板状の側面支持部材6、及び直角三角形状で、かつ、同じく平板状の側面支持部材7の対によって支持するよう構成している。したがって、容積増量部2が不要な時には、それを支持する二つの側面支持部材6,7が互いに重なり合った状態となるよう、この容積増量部2の側面を折り畳んでおくことができる。一方、容器の容積を増量させる必要が生じた時には、二つの側面支持部材6,7が平面的に連なるよう、容積増量部2の側面を起立させればよい。これによって容積増量部2は、その下方の基礎部1と同様、安定状態で自立する。つまり、本容器は、折り畳んだ状態の容積増量部2を、それに配設された一対の側面支持部材6,7と共に起立させるだけの簡単な操作で、容積を増量させることが可能である。しかも、本容器は、上記のごとく、基礎部1に対して、シート材を枠状に組み立てて構成された四つの側面を有する容積増量部2を、側面支持部材6,7によって立設可能に設けたものであるから、構造自体も非常に簡単である。
【0031】
なお、本実施形態では、容器の収容対象としてトナーカートリッジをも想定したので、残留トナーがカートリッジから漏出する可能性を考慮し、無孔シートで容器を構成した。しかし、収容対象が、主としてPETボトルや空き缶の場合には、こうした問題が起きないから、メンテナンス(例えば洗浄処理)性を向上させるため、メッシュ状のシート材を用いることもできる。
【0032】
更に言えば、場合によっては、第1の側面支持部材3を省略することも可能である。これは、この第1の側面支持部材3と平行で、かつ、同じ長さ寸法を有する第3の側面支持部材6に、第1の側面支持部材3の役割を担わせることができるからである。これに加えて、シート材として比較的腰の強いものを用いる場合には、直角三角形状の側面支持部材7を省略することもできる。
【0033】
【発明の効果】
本発明によれば、容積を増量させることが可能な容器、特に、構造が簡単であって、かつ、容易に容積を増量させることが可能な容器を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る容器の外観図
【図2】側面支持部材の構造を示す斜視図
【図3】本発明の実施形態に係る容器の要部正面図
【図4】本発明の実施形態に係る容器の要部断面図
【図5】本発明の実施形態に係る容器の底面図
【図6】容積増量部の変形の様子を示す概念図
【図7】容積増量部の折り畳みが完了した状態を示す要部斜視図
【図8】基礎部の変形の様子を示す概念図
【図9】本発明の実施形態に係る容器の折り畳みが完了した状態を示す外観図
【符号の説明】
1 基礎部
2 容積増量部
3 第1の側面支持部材
4 第2の側面支持部材
5 側面補強部材
6 第3の側面支持部材
7 第4の側面支持部材
8 蓋
9 側面ポケット
10 把手
11 底面補強部材
12 開口
Q 側面支持部材の空隙
L1 対角線
L2 縫合ライン
L3 折り畳みライン
Claims (7)
- シート材を箱状に組み立てて構成された基礎部と、
シート材を枠状に組み立てて構成され、かつ、前記基礎部から連続するよう、その上方に設けられた、四つの側面を有する容積増量部と、
前記基礎部の側面における片側の縦辺部分に配設された側面支持部材と、
前記容積増量部の側面に配設された、一端側が斜めにカットされてなる台形状の側面支持部材と
を具備してなることを特徴とする容器。 - シート材を箱状に組み立てて構成された基礎部と、
シート材を枠状に組み立てて構成され、かつ、前記基礎部から連続するよう、その上方に設けられた、四つの側面を有する容積増量部と、
前記基礎部の側面における前記容積増量部に隣接する横辺部分に配設された、平板状の第1の側面支持部材と、
この第1の側面支持部材とは別体であって、かつ、前記基礎部の側面における片側の縦辺部分に配設された、平板状の第2の側面支持部材と、
前記容積増量部の側面に配設された、一端側が斜めにカットされてなる台形状であって、かつ、平板状の第3の側面支持部材と、
この第3の側面支持部材の斜めにカットされた一端側の上方に位置するよう前記容積増量部の側面に配設された、前記第3の側面支持部材の一端側斜辺に対応した斜辺を有する直角三角形状であって、かつ、平板状の第4の側面支持部材とを具備してなることを特徴とする容器。 - 第3の側面支持部材および第4の側面支持部材における互いに向き合う斜辺の角度が45°であることを特徴とする請求項2に記載の容器。
- 容積増量部の側面における第1の側面支持部材と直交する方向に沿った寸法が、基礎部の側面における前記第1の側面支持部材と平行な方向に沿った寸法の、1/3〜1/2であることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の容器。
- 基礎部の底面には、一辺の長さが前記基礎部の側面における第1の側面支持部材と平行な方向に沿った寸法にほぼ等しい十文字形で、かつ、平板状の底面補強部材が配設されてなることを特徴とする請求項2〜請求項4のいずれかに記載の容器。
- 基礎部の側面における、第1の側面支持部材と第2の側面支持部材とが交差する側の角から延びる対角線の上方位置あるいは下方位置には、前記対角線に沿って、平板状の側面補強部材が配設されてなることを特徴とする請求項2〜請求項5のいずれかに記載の容器。
- 第3の側面支持部材および/又は第4の側面支持部材は、容積増量部の側面に対して着脱自在であることを特徴とする請求項2〜請求項6のいずれかに記載の容器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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