JP4117838B2 - エポキシ部分エステル化物の製造方法 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明はエポキシ部分エステル化物の製造方法に関する。詳細には得られるエポキシ部分エステル化物が貯蔵安定性に優れ液晶封止用途に好適に用いる事の出来るエポキシ部分エステル化物の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来からビスフェノールA型エポキシ樹脂とアクリル酸またはメタクリル酸とから誘導される多価アクリレート化物または多価メタクリレート化物の製造方法は知られており、例えば特許2593019号では3価のリン化合物を触媒とするエポキシエステルの製造方法が知られるが、エポキシエステル合成後は3価の触媒を酸化させることで不活性化させ、貯蔵安定性を付与させる方法が提案されている。しかし該製造方法では触媒不活性処理を必須とする課題がある。また、特開平11−21333号公報には、有機硫黄化合物を触媒として用いてなるエポキシエステルの製造方法が提案されている。その方法によれば、合成段階でエポキシ基とカルボキシル基とが安定に共存でき貯蔵安定性が飛躍的に向上したエポキシエステルが製造できるとしている。
しかしながら、公知技術には合成物がエポキシ基とアクリレート基および/またはメタクリレート基を高濃度で含有してなる貯蔵安定性に優れたエポキシ部分エステル化物の製造方法が見当たらない。(特許文献1、2)
【0003】
【特許文献1】
特許第2593019号公報
【0004】
【特許文献2】
特開平11−21333号公報
【0005】
【発明が解決しようとする問題点】
本発明の目的は、貯蔵安定性に優れると同時に電子分野の塗料用途ならびに接着シール用途に好適に用いることのできるラジカル重合ならびに熱硬化の両方の硬化機能を持つエポキシ部分エステル化物の製造方法を提供することである。
【0006】
【問題点を解決するための手段】
本発明者らは、本発明の問題点を解決するために鋭意検討を行なった結果、エポキシ部分エステル化物の製造に際し、付加反応触媒として3級アミンを、また重合禁止剤としてフェノチアジンをそれぞれ用いることで前記課題が解決できることを見出し、本発明を達成した。
【0007】
すなわち、本発明とは、エポキシ樹脂のエポキシ基1当量に対してアクリル酸及び/またはメタクリル酸の0.3〜0.75当量を反応させてなるエポキシ部分エステル化物を得る際に、付加反応触媒として3級アミンまたはその塩をエポキシ基1当量に対し0.0005〜0.005モルの範囲内で、および重合禁止剤としてフェノチアジンをエポキシ部分エステル化物中に占める割合で、0.005〜0.1質量%の範囲内でそれぞれ用いてなるエポキシ部分エステル化物の製造方法である。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のエポキシ部分エステル化物の製造方法に関し、詳細に説明する。
本発明のエポキシ部分エステル化物とは、以下のエポキシ樹脂のエポキシ基1当量に対してアクリル酸及び/またはメタクリル酸の0.3〜0.75当量を反応させてなるエポキシ部分エステル化物である。よって該エポキシ部分エステル化物とは官能基としてエポキシ基とアクリレート基および/またはメタクリレート基をそれぞれ含有するものを指す。
【0009】
該エポキシ樹脂としては、既に公知の物質から選択されて良く、特に制約はない。そのエポキシ樹脂としては、例えば、以下の化合物が挙げられる。
【0010】
エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール等のポリアルキレングリコール類、ジメチロールプロパン、トリメチロールプロパン、スピログリコール、グリセリン等で代表される多価アルコール類とエピクロルヒドリンとの反応で得られた脂肪族多価グリシジルエーテル化合物。
【0011】
ビスフェノールA、ビスフェノールS、ビスフェノールF、ビスフェノールAD等で代表される芳香族ジオール類およびそれらをエチレングリコール、プロピレングリコール、アルキレングリコール変性したジオール類とエピクロルヒドリンとの反応で得られた芳香族多価グリシジルエーテル化合物、
アジピン酸、イタコン酸などで代表される脂肪族ジカルボン酸とエピクロルヒドリンとの反応で得られた脂肪族多価グリシジルエステル化合物。
【0012】
イソフタル酸、テレフタル酸、ピロメリット酸等で代表される芳香族ジカルボン酸とエピクロルヒドリンとの反応で得られた芳香族多価グリシジルエステル化合物。
ヒドロキシジカルボン酸化合物とエピクロルヒドリンとの反応で得られた脂肪族多価グリシジルエーテルエステル化合物または芳香族多価グリシジルエーテルエステル化合物。
【0013】
その他、脂環式多価グリシジルエーテル化合物、ポリエチレンジアミン等で代表される脂肪族ジアミンとエピクロルヒドリンとの反応で得られた脂肪族多価グリシジルアミン化合物。
【0014】
ジアミノジフェニルメタン、アニリン、メタキシリレンジアミン等で代表される芳香族ジアミンとエピクロルヒドリンとの反応で得られた芳香族多価グリシジルアミン化合物。
【0015】
ヒダントインならびにその誘導体とエピクロルヒドリンとの反応で得られたヒダントイン型多価グリシジル化合物。
【0016】
フェノールまたはクレゾールとホルムアルデヒドとから誘導されたノボラック樹脂、ポリアルケニルフェノールやそのコポリマー等で代表されるポリフェノール類とエピクロルヒドリンとの反応で得られたノボラック型多価グリシジルエーテル化合物。
【0017】
エポキシ化ポリブタジエン、エポキシ化ポリイソプレン等のエポキシ化ジエン重合体、3,4ーエポキシー6ーメチルシクロヘキシルメチルー3,4ーエポキシー6ーメチルシクロヘキサンカーボネート、ビス(2,3ーエポキシシクロペンチル)エーテル等が具体的な例として挙げられる。これらエポキシ樹脂は、分子蒸留法等により高純度化を行なっているものを使用することがより好ましい。
【0018】
本発明で用いられるアクリル酸及び/またはメタアクリル酸には特に限定はなく、市販の物をそのまま用いて良い。アクリル酸及び/またはメタアクリル酸の使用割合は、エポキシ樹脂のエポキシ基1当量に対してアクリル酸及び/またはメタクリル酸の0.3〜0.75当量の範囲内で、好ましくは0.4〜0.6当量の範囲内、特に好ましくは0.48〜0.52当量の範囲内で良い。0.3〜0.75当量の範囲内であれば電子分野の塗料用途ならびに接着シール用途に好適に用いることのできるラジカル重合ならびに熱硬化の両方の硬化機能を持つエポキシ部分エステル化物を実質的に合成でき好ましい。
【0019】
また本発明では付加反応触媒としては3級アミン及びまたはその塩の使用が必須要件である。
以下に具体例を挙げて説明する。
【0020】
3級アミンとしては、例えば、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジメチルベンジルアミン、トリスジメチルアミノメチルフェノール、トリスジエチルアミノメチルフェノールとそれらの塩類に代表されるものから選択されて良く、特にトリエタノールアミンとすることが好ましい。付加反応触媒としてトリエタノールアミンを選択すると、得られるエポキシ部分エステル化物の貯蔵安定性に富むことは勿論の事、製造したエポキシ部分エステル化物から該触媒をイオン交換水による洗浄で容易に除去分離可能であり、高純度化エポキシ部分エステル化物の製造を可能にする意味でも好ましい。前記の付加反応触媒の使用割合は、エポキシ基1当量に対し0.0005〜0.005モルの範囲内で、より好ましくは0.001〜0.003モルの範囲内で用いられる。0.0005〜0.005モルの範囲内の使用により、本発明のエポキシ部分エステル化物が安価に製造できると共に貯蔵安定性が実質確保でき好ましい。
【0021】
また本発明のエポキシ部分エステル化物の製造方法では、反応系中に重合禁止剤を含有させることが肝要である。エポキシ樹脂とアクリル酸及び/またはメタクリル酸との付加反応系中には原料由来の既に公知の重合禁止剤とフェノチアジンとを併用して良く、肝要なことは、該反応系中または反応生成物中にはフェノチアジンの必要量を含有させることである。
【0022】
公知の重合禁止剤としては、例えば、ハイドロキノン、メチルハイドロキノン、エチルハイドロキノン、t−ブチルハイドロキノン、ハイドロキノンメチルエーテル、ハイドロキノンエチルエーテル、ジ−t−ブチル−p−クレゾール、カテコール、t−ブチルカテコールなどに代表される多価フェノール化合物に代表される。すなわち、アクリル酸及び/またはメタクリル酸原料由来の重合禁止剤の存在は何ら問題ない。
【0023】
該反応系または反応生成物中へのフェノチアジンの必要量とは、エポキシ部分エステル化物中に占める割合で、0.005〜0.1質量%の範囲内、好ましくは0.01〜0.05質量%の範囲内で用いる。0.005〜0.1質量%の範囲内であれば得られるエポキシ部分エステル化物の貯蔵安定性が実質確保できる。
【0024】
また、本発明のエポキシ部分エステル化物の製造方法では、水溶性の金属不活剤をエポキシ部分エステル化物中に占める割合で、0.001〜0.1質量%の範囲内で、好ましくは0.001〜0.01質量%の範囲内で用いる事がより好ましい。0.001〜0.1質量%の範囲内で用いることで合成装置ならびに原料由来で含有することがある極微量不純物、すなわち、鉄、銅、ニッケル、錫、鉛等に代表される遷移金属イオン物質のレドックス硬化活性を実質抑制でき好ましい。水溶性の金属不活剤としては、エチレンジアミン四酢酸、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩、エチレンジアミン四酢酸四ナトリウム塩、ニトリロトリ酢酸ナトリウム塩などに代表され、特にエチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩とすることが好ましい。
【0025】
また本発明のエポキシ部分エステル化物の製造方法では、一般的には、付加反応温度条件として80〜135℃の範囲、好ましくは100〜120℃の範囲で実施される。その際、反応系中に空気を吹き込んだ状態下で行うことが好ましい。また気相重合防止の観点で、該付加反応場はエポキシ樹脂に対して良溶解性を示す還流溶剤存在下や紫外線が遮光された反応器中等で実施されて良い。溶剤存在下の反応では反応終了後に脱溶剤工程を加えることが好ましい。還流溶剤としては、一般的に、例えばベンセン、トルエン、キシレンなどが例示できる。
【0026】
また本発明のエポキシ部分エステル化物の製造方法で得たエポキシ部分エステル化物は、使用される用途に応じて、イオン交換法などで得た超純水で洗浄するなどの高純度化精製するなどの後処理工程によっても何ら制約を受けることなく安定して使用できる。
【0027】
また本発明のエポキシ部分エステル化物の製造方法で得たエポキシ部分エステル化物は、貯蔵安定性に優れると共に、一分子中にほぼ理論量のエポキシ基とメタクリレート基及び/またはアクリレート基を有することから光硬化ならびに熱硬化の両方の硬化形式で硬化させて使用される用途に好適である。該用途としては塗料分野、接着剤分野、電子部品封止分野が挙げられる。
【0028】
【実施例】
以下、代表的な実施例により本発明を詳細に説明する。
なお、実施例中行った加熱安定性試験とは、100ml容量の褐色ポリ瓶中に各例で得たエポキシ部分エステル化物の70gを入れ、密封し、容器ごと40℃オーブン中に放置し、一定時間経過後に取出して、内容物の2.5rpm粘度を測定し、合成直後の粘度を100とした時の変化率を求める方法である。すなわち、粘度変化率=(試験後の測定粘度/合成直後の粘度)である。また更に、実施例中行った貯蔵安定性試験とは、100ml容量の褐色ポリ瓶中に各例で得たエポキシ部分エステル化物の70gを入れ、密封し、20℃に3ケ月保管した後の内容物の状態を観察しゲル化の有無を測定した。
【0029】
[実施例1]
攪拌機、エアー導入管、温度計、還流冷却管を備えた500mlの四つ口褐色ガラス製フラスコを用意し、ビスフエノールA型エポキシ樹脂:エピクロンEXA850CRP〔大日本インキ化学工業(株)製〕を200g(1.15当量/エポキシ基)、メタクリル酸:50g(0.58モル)、トリエタノールアミン:0.2g(0.0013モル)、フェノチアジンの0.05部、トルエン溶剤の20部とを添加し、乾燥エアにてバブリング下、110℃で加熱攪拌し、酸価が0.1mgKOH/gに到達後に100hpaの真空下に脱トルエンを1時間行ってエポキシ部分エステル化物(EE1)を得た。なお、仕込量よりエポキシ部分エステル化物(EE1)中にはトリエタノールアミンがエポキシ樹脂のエポキシ基1当量に対して0.0011モル相当量が、またフェノチアジンが0.02質量%それぞれ含有してなる。エポキシ部分エステル化物(EE1)の貯蔵安定性試験結果を表1に示した。なお、該エポキシ部分エステル化物(EE1)のエポキシ価は440と判明し、理論値に対して1.01倍以下のエポキシ基を含有する物質であった。
【0030】
[実施例2]
攪拌機、エアー導入管、温度計、冷却管を備えた500mlの四つ口ステンレス製フラスコを用意し、ビスフェノールF型エポキシ樹脂[エピコートYL983U・ジャパンエポキシレジン(株)製]の200g(1.16モル当量/エポキシ基)、アクリル酸41.8g(0.58モル)、トリエタノールアミン0.15g(0.001モル)、重合禁止剤としてメチルヒドロキノン0.02gとフェノチアジン0.03g、還流溶剤としてトルエン20gをそれぞれ加え、乾燥エアをバブリング下に、110℃で加熱攪拌し、酸価が0.1mgKOH/gに到達後に100hpaの真空下に脱トルエンを1時間行ってエポキシ部分エステル化物(EE2)を得た。なお、仕込量よりエポキシ部分エステル化物(EE2)中にはトリエタノールアミンがエポキシ樹脂のエポキシ基1当量に対して0.0009モル相当量が、またフェノチアジンが0.012質量%それぞれ含有してなる。エポキシ部分エステル化物(EE2)の貯蔵安定性試験結果を表1に示した。なお、該エポキシ部分エステル化物(EE2)のエポキシ価は417と判明し、、理論値に対して1.01倍以下のエポキシ基を含有する物質であった。
【0031】
なお、該エポキシ部分エステル化物(EE2)の100gをトルエンの300gで溶解した後、500ml容量の分液ロートに入れ、その系に、イオン交換法で得た超純水(イオン伝導度で0.06μS以下の純水)100gを加え、10分強攪拌後、静置2相分離し下層水を除去する精製法を10回程繰り返した後、得られたトルエン溶液(上層)をエバポレーターに移して、55℃に加熱し同時に減圧濃縮して高純度なエポキシ部分エステル化物(EE3)を得た。該エポキシ部分エステル化物(EE3)は全抽出水中のトリエタノールアミン量を液体クロマト分析で定量し、その結果から、付加触媒であるトリエタノールアミンが検出限界以内まで除去された、いわゆる高純度なエポキシ部分エステル化物であった。エポキシ部分エステル化物(EE3)の貯蔵安定性試験結果も合わせて表1に示した。なお、該エポキシ部分エステル化物(EE3)エポキシ価は416判明し、、理論値に対して1.01倍以下のエポキシ基を含有する物質であった。
【0032】
[実施例3]
実施例1で用いたと同様な合成装置を用意し、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂[EOCN1020−50・日本化薬(株)製]の50g(0.25モル当量/エキシ基)、ビスフェノールF型液状エポキシ樹脂[エピクロン830S・大日本インキ化学工業(株)製]の132g(0.75モル当量/エキシ基)、メタクリル酸82g(1モル)、トリエタノールアミン0.15g(0.001モル)、重合禁止剤としてフェノチアジン0.026g、水溶性の金属不活剤としてエチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩の0.05gと、還流溶剤としてトルエン20gをそれぞれ加え、乾燥エアをバブリング下に、内温120℃で加熱攪拌し、酸価が0.1mgKOH/gに到達後に100hpaの真空下に脱トルエンを1時間行ってエポキシ部分エステル化物(EE4)を得た。なお、仕込量よりエポキシ部分エステル化物(EE4)中にはトリエタノールアミンがエポキシ樹脂のエポキシ基1当量に対して0.001モル相当量が、またフェノチアジンが0.01質量%、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩が0.02質量%それぞれ含有してなる。エポキシ部分エステル化物(EE4)の貯蔵安定性試験結果を表1に示した。なお、該エポキシ部分エステル化物(EE4)のエポキシ価は530と判明し、、理論値に対して1.01倍以下のエポキシ基を含有する物質であった。
【0033】
[比較例1]
実施例1で用いたと同様な合成装置を用意し、ビスフェノールF型エポキシ樹脂[エピコートYL983U・ジャパンエポキシレジン(株)製]200g(1.16モル当量/エポキシ基)、メタクリル酸47.5g(0.58モル)、トリエタノールアミン0.15g(0.001モル)、還流溶剤としてトルエン10gをそれぞれ加え、乾燥エアをバブリング下に、内温120℃で加熱攪拌反応させた結果、酸価が0.5mgKOH/g以下に到達以前の製造途中で反応生成物は著しい増粘ならびに部分ゲル化を呈した。この事から、比較例1の製造方法ではエポキシ部分エステル化物は安定的に製造不可と思科された。
【0034】
[比較例2]
実施例1で用いたと同様な合成装置を用意し、ビスフェノールF型エポキシ樹脂[エピコートYL983U・ジャパンエポキシレジン(株)製]の200g(1.16モル当量/エポキシ基)、メタクリル酸47.5g(0.58モル)、トリエタノールアミン0.15g(0.001モル)、ヒドロキノンモノメチルエーテル0.05g、還流溶剤としてトルエン10gをそれぞれ加え、乾燥エアをバブリング下に、内温120℃で加熱攪拌反応させた結果、付加反応工程中ではゲル化させることなく、酸価0.2mgKOH/gまで到達させえた。ついで100hpaの真空下に脱トルエンを1時間行って比較のエポキシ部分エステル化物(EE5)を得た。なお、仕込量よりエポキシ部分エステル化物(EE5)中にはトリエタノールアミンがエポキシ樹脂のエポキシ基1当量に対して0.0009モル相当量が、またヒドロキノンモノメチルエーテルが0.02質量%それぞれ含有してなる。エポキシ部分エステル化物(EE5)の貯蔵安定性試験結果を表1に示した。なお、該エポキシ部分エステル化物(EE5)のエポキシ価は452と判明し、理論値に対して1.06倍と僅かに高い値であった。
【0035】
[比較例3]
実施例1と同様な合成装置を用意し、ビスフェノールF型エポキシ樹脂[エピコートYL983U・ジャパンエポキシレジン(株)製]200g(1.16モル当量/エポキシ基)、アクリル酸41.8g(0.58モル)、0.15g(0.001モル)、エポキシエステル化重合触媒として公知のトリフェニルフォスフィン1g、重合禁止剤としてメチルヒドロキノン0.05g、還流溶剤としてトルエン20gをそれぞれ加え、乾燥エアをバブリング下に、110℃で加熱攪拌した所、アクリル酸が付加反応完結前に、系がゲル化してしまった。
【0036】
[比較例4]
実施例1と同様な合成装置を用意し、ビスフェノールF型エポキシ樹脂[エピコートYL983U・ジャパンエポキシレジン(株)製]200g(1.16モル当量/エポキシ基)、アクリル酸41.8g(0.58モル)、0.15g(0.001モル)、エポキシエステル化重合触媒として公知のチオジグリコール3.6g(0.03モル)、重合禁止剤としてメチルヒドロキノン0.05g、還流溶剤としてトルエン20gをそれぞれ加え、乾燥エアをバブリング下に、120℃で2時間加熱攪拌し、酸価が0.1mgKOH/gに到達後に100hpaの真空下に脱トルエンを1時間行って比較のエポキシ部分エステル化物(EE6)を得た。なお、仕込量よりエポキシ部分エステル化物(EE6)中にはチオジグリコールがエポキシ樹脂のエポキシ基1当量に対して0.025モル相当量が、またメチルヒドロキノンが0.02質量%それぞれ含有してなる。エポキシ部分エステル化物(EE6)の貯蔵安定性試験結果を表1に示した。
【0037】
【表1】
【0038】
【発明の効果】
本発明のエポキシ部分エステル化物の製造方法で得たエポキシ部分エステル化物は、一分子中に理論量相当のエポキシ基とアクリレート基またはメタクリレート基を有すると共に、貯蔵安定性が極めて高い特徴を持つことが明らかである。一方、比較例で得たエポキシ部分エステル化物は40℃熱安定性に欠け貯蔵中に増粘またはゲル化する課題があることが明らかである。
Claims (3)
- エポキシ樹脂のエポキシ基1当量に対してアクリル酸及び/またはメタクリル酸の0.3〜0.75当量を反応させてなるエポキシ部分エステル化物を得る際に、付加反応触媒として3級アミンまたはその塩をエポキシ基1当量に対し0.0005〜0.005モルの範囲内で、および重合禁止剤としてフェノチアジンをエポキシ部分エステル化物中に占める割合で、0.005〜0.1質量%の範囲内でそれぞれ用いてなるエポキシ部分エステル化物の製造方法。
- 付加反応触媒がトリエタノールアミンである事を特徴とする請求項1記載のエポキシ部分エステル化物の製造方法。
- 水溶性の金属不活剤をエポキシ部分エステル化物中に占める割合で、0.001〜0.1質量%の範囲内で用いる事を特徴とする請求項2記載のエポキシ部分エステル化物の製造方法。
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