JP4117752B2 - 車載用電源装置及び車載装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車載用電源装置およびこの車載用電源装置を含む車載装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
電気自動車、および、ハイブリッド車においては、車輪を動かすモータおよびモータドライブ回路の他に、車載機器(以下補機と称する)を駆動するための車載用電源装置を備える。補機には、各種灯器、冷暖房装置、ラジオ等の各種の機器が含まれている。これらの補機は、充電可能な補機用直流電源から電力供給を受けて動作する。車載用電源装置は、主に、上述した補機用直流電源を充電すると共に、補機用直流電源と一緒になって、補機に電力を供給するために用いられる。車載用電源装置は、DCーDCコンバータを含み、車輪駆動モータのための主電源(メインバッテリ)から、主電源投入スイッチを経て供給される直流電力をスイッチングし、かつ、電圧値の異なる直流電圧に変換して、補機および補機用直流電源に供給する。
【0003】
補機用直流電源の端子電圧および車載用電源装置の直流出力電圧は、通常は、補機に見合った電圧値に保たれている。ところが、DCーDCコンバータの故障等で直流出力電圧が過電圧状態になることがある。過電圧状態になると、補機用直流電源および補機にダメージを与えることになるので、通常は、車載用電源装置に過電圧保護回路を備える。過電圧保護回路は、電圧検出信号が基準電圧信号よりも高くなった時に、過電圧検出信号を出力する。そして、この過電圧検出信号を、制御回路に供給し、制御回路によって、DCーDCコンバータの動作を停止させる。
【0004】
車載用電源装置を装置を構成するDCーDCコンバータの出力端と補機用直流電源との間は、数十cm〜数mの距離を隔てているのが普通であり、この間を給電用ケーブルを用いて接続する。このため、、DCーDCコンバータの出力端で見た端子電圧と、補機用直流電源の端子で見た端子電圧との間には、給電用ケーブルによる電圧降下分の電位差が生じる。給電用ケーブルによる電圧降下は、給電用ケーブルの抵抗、接続部分の接触抵抗等によって変化する他、補機で消費される電力(電流)によっても変化する。一般的に言って、給電用ケーブルによる電圧降下は0〜1V程度の範囲にある。この給電用ケーブルによる電圧降下のために、過電圧保護回路による保護動作に誤差を生じてしまう。
【0005】
例えば、DCーDCコンバータの出力端から補機用直流電源までの距離が長く、DCーDCコンバータの出力電流最大時の給電用ケーブルによる電圧降下が1Vであったとする。もし、過電圧保護回路において、DCーDCコンバータの出力端の電圧を検出し、この端子電圧が基準値よりも高くなった時に、過電圧であると判定する回路構成をとったとすると、DCーDCコンバータの出力端の電圧よりも約1V低い補機用直流電源では、過電圧ではないことになる。即ち、過電圧出ないのに過電圧であると誤判定し、DCーDCコンバータを停止させるような動作をしてしまう。
【0006】
上述した問題を解決するために考えられる手段は、補機用直流電源の端子電圧を直接に検出することである。しかしこの場合には、給電用ケーブルの他に、これと同程度の長さを有する検出用ケーブルが必要になり、実装密度の高い車載装置における検出用ケーブル引き回しの困難性、及び、コストアップを招いてしまう。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、補機用直流電源および補機等を、過電圧から保護する過電圧保護機能を有する車載用電源装置を提供することである。
【0008】
本発明のもう一つの課題は、補機用直流電源に対する給電用ケーブルの電圧降下の影響を受けることなしに、高精度の過電圧保護動作を行い得る車載用電源装置を提供することである。
【0009】
本発明のもう一つの課題は、補機用直流電源の端子電圧を直接に検出することなしに、高精度の過電圧保護動作を行い得る車載用電源装置を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決するため、本発明に係る車載用電源装置は、少なくとも一対の入力端と、少なくとも一対の出力端子と、DCーDCコンバータと、制御回路と、過電圧保護回路とを含む。
【0011】
前記DCーDCコンバータは、前記一対の入力端に供給される直流入力電圧を、異なる直流電圧に変換して前記一対の出力端子に供給する。前記制御回路は、前記DCーDCコンバータを制御する。
【0012】
前記過電圧保護回路は、前記一対の出力端子に現れる直流出力電圧を検出して電圧検出信号を生成するとともに、前記電圧検出信号を前記基準電圧信号と比較して過電圧検出信号を生成し、前記過電圧検出信号を前記制御回路に供給する。
【0013】
本発明において、前記過電圧保護回路は、電流検出回路と、基準電圧設定回路とを含む。前記電流検出回路は、前記入力端もしくは出力端に流れる電流またはこれに対応する電流を検出する。前記基準電圧設定回路は、前記電流検出回路によって得られた電流検出信号により、前記基準電圧信号の値を変える。
【0014】
上述した第1の態様に係る車載用電源装置において、一対の入力端に供給される直流入力電圧は、DCーDCコンバータにより、異なる電圧値を持つ直流電圧に変換され、一対の出力端子に供給される。一対の入力端に供給される直流入力電圧は、従来と同様に、車輪駆動用モータ、および、その駆動回路のために備えられた主電源から供給される。一対の出力端子には、通常の構成に従って、補機用直流電源および補機が接続されている。DCーDCコンバータは補機用直流電源および補機に適した電圧値を持つ直流電圧を出力する。補機用直流電源はDCーDCコンバータから供給される直流出力電圧によって充電される。補機は、主に、補機用直流電源を電源として動作する。
【0015】
過電圧保護回路は、一対の出力端子に現れる直流出力電圧を検出して電圧検出信号を生成する。従って、補機用直流電源の端子電圧を直接に検出する場合と異なって、検出用ケーブルが不要であり、実装密度の高い車載装置における検出用ケーブル引き回しの困難性、及び、コストアップを招くことがない。
【0016】
過電圧保護回路は、一対の出力端子に現れる直流出力電圧を検出して電圧検出信号を生成するとともに、電圧検出信号を基準電圧信号と比較する。DCーDCコンバータの故障等で、一対の出力端子間に現れる直流出力電圧が過電圧になると、電圧検出信号を基準電圧信号との比較の結果として、過電圧検出信号を生成。この過電圧検出信号を、制御回路に供給し、制御回路によって、DCーDCコンバータの動作を停止させる。
【0017】
一対の出力端子と補機用直流電源との間には、従来と同様に、給電用ケーブルが接続される。給電用ケーブルの電圧降下に起因する過電圧保護動作の誤差を回避する手段として、本発明に係る過電圧保護回路は、電流検出回路と、基準電圧設定回路とを含む。電流検出回路は、入力端もしくは出力端に流れる電流またはこれに対応する電流を検出する。基準電圧設定回路は、電流検出回路によって得られた電流検出信号により、前記基準電圧信号の値を変える。
【0018】
電流検出信号には、給電用ケーブルの抵抗、接続部分の接触抵抗、及び、給電用ケーブルを流れる電流値の情報が含まれている。従って、電流検出信号によって、基準電圧信号の値を変えることにより、給電用ケーブルの電圧降下の影響を受けることなしに、高精度の過電圧保護動作を行うことができる。
【0019】
本発明に係る車載装置は、主電源と、主電源投入スイッチと、モータドライブ回路と、モータと、電源装置とを含む。前記主電源は、バッテリを含む。前記モータドライブ回路は、前記主電源から、前記主電源投入スイッチを介して供給される直流電力を前記モータに供給する。前記モータは、車輪駆動源として用いられる。
【0020】
前記電源装置は、上述した本発明に係る車載用電源装置が用いられる。よって、車載用電源装置において述べた作用効果を奏する車載装置が得られる。
【0021】
本発明の他の目的、構成及び利点については、添付図面を参照し、更に詳しく説明する。添付図面は、単に、例示に過ぎない。
【0022】
【発明の実施の形態】
図1は本発明に係る車載用電源装置の電気回路図である。図1において、点線包枠に付された参照符号5が、本発明に係る車載用電源装置を示す。車載用電源装置5は、少なくとも一対の入力端6、7と、少なくとも一対の出力端子8、9と、DCーDCコンバータ10と、制御回路11と、過電圧保護回路12とを含む。
【0023】
入力端6、7に供給される直流入力電圧Vinは、従来と同様に、車輪駆動用モータ、および、その駆動回路のために備えられた主電源(主電源)1から供給される。出力端子8、9には、通常の構成に従って、補機用直流電源13および補機14が接続されている。出力端子8には高電位側出力ライン71が接続され、出力端子9には低電位側出力ライン72が接続されている。補機用直流電源13は、充電可能な二次電池によって構成する。補機用直流電源13はDCーDCコンバータ10から供給される直流出力電圧V0によって充電される。補機14は、主に、補機用直流電源13を電源として動作する。補機14には、各種灯器、冷暖房装置、ラジオ等の各種の機器が含まれる。更に、出力端子8、9と補機用直流電源13との間には、従来と同様に、給電用ケーブル73、74が接続されている。
【0024】
過電圧保護回路12は、出力端子8、9に現れる直流出力電圧V0を検出して電圧検出信号V1を生成するとともに、電圧検出信号V1を基準電圧信号Vr1と比較して過電圧検出信号V2を生成し、過電圧検出信号V2を制御回路11に供給する。実施例において、出力端子8ー9の間に接続された抵抗122、123の直列回路によって、直流出力電圧V0を分圧し、その分圧電圧を、電圧検出信号V1として取り出す。
【0025】
実施例に示された過電圧保護回路12は、比較器121を含む。電圧検出信号V1は、比較器121の入力端(+)に供給され、基準電圧信号Vr1は入力端(−)に供給される。比較器121は、電圧検出信号V1が基準電圧信号Vr1よりも低いとき、即ち、Vr1>V1のとき、低レベル(論理値0とする)の信号V2を出力する。比較器121は、Vr1<V1となったとき、反転動作をし、高レベル(論理値1とする)の過電圧検出信号V2を出力する。比較器121の出力端と、入力端(+)との間にはダイオード124が接続されている。このダイオード124は比較器121の自己保持動作のために付加されたものである。
【0026】
過電圧保護回路12は、更に、電流検出回路28と、基準電圧設定回路27とを含む。図示実施例において、電流検出回路28は、出力端8、9に流れる電流I2またはこれに対応する電流を検出し、電流検出信号Vdを出力する。電流検出信号Vdは、電流I2を電圧に変換して得られた電圧信号である。電流検出回路28としては、各種の電流検出手段を用いることができる。例えば、抵抗を用いた電流検出手段、電流I2によって生じる磁界に応答する電流検出手段等を用いることができる。また、電流検出回路28を、パルス電流、または、交流電流の流れる回路ループ内に挿入した場合は、カレントトランス等を用いることもできる。
【0027】
基準電圧設定回路27は、電流検出回路28によって得られた電流検出信号Vdにより、基準電圧Vrの値を変え、電圧検出信号V1と比較される基準電圧信号Vr1を、比較器121の入力端(−)に供給する。
【0028】
次に、動作を説明する。入力端6、7に供給された直流入力電圧Vinは、DCーDCコンバータ10により、異なる電圧値を持つ直流電圧に変換され、出力端子8、9に供給される。そして、出力端子8、9に現れた直流出力電圧V0が、給電用ケーブル73、74を通して、補機用直流電源13及び補機14に供給される。
【0029】
過電圧保護回路12は、出力端子8、9に現れる直流出力電圧V0を検出して電圧検出信号V1を生成する。従って、補機用直流電源13の端子電圧を直接に検出する場合と異なって、検出用ケーブルが不要であり、実装密度の高い車載装置における検出用ケーブル引き回しの困難性、及び、コストアップを回避することができる。
【0030】
過電圧保護回路12は、出力端子8、9に現れる直流出力電圧V0を検出して電圧検出信号V1を生成するとともに、電圧検出信号V1を基準電圧信号Vr1と比較する。直流出力電圧V0が正常値を示す場合、比較器121の入力端(+)、(−)で見た電圧検出信号V1及び基準電圧信号Vr1の関係がVr1>V1を満たしている。従って、比較器121から出力される信号V2は論理値0である。
【0031】
DCーDCコンバータ10の故障等で、出力端子8ー9間に現れる直流出力電圧V0が過電圧になると、比較器121の入力端(+)、(−)で見た電圧検出信号V1及び基準電圧信号Vr1の関係が逆転し、V1>Vr1となる。これにより、比較器121の出力側に論理値1の過電圧検出信号V2が生じる。この過電圧検出信号V2を、制御回路11に供給し、制御回路11によって、DCーDCコンバータ10の動作を停止させる。
【0032】
比較器121の出力端と、入力端(+)との間にはダイオード124が接続されているので、比較器121の出力側に現れる信号V2が論理値1になった後は、比較器121はこの論理値1の状態を保持する。比較器121の出力端と入力端(+)との間には、ダイオード124が接続されているので、出力端に論理値1の過電圧検出信号V2を生じた場合、この論理値1の過電圧検出信号V2は、ダイオード124を通して、入力端(+)に供給される。従って、過電圧検出信号V2が一旦出力された後、電圧検出信号V1が論理値0に縮退したとしても、比較器121の出力である過電圧検出信号V2は、論理値1を維持する(図9(b)参照)。この動作状態を解除するには、主電源1の供給を停止する必要がある。
【0033】
本発明に係る車載用電源装置において、過電圧保護回路12は、電流検出回路28と、基準電圧設定回路27とを含む。電流検出回路28は、出力端8、9に流れる電流I2またはこれに対応する電流を検出する。基準電圧設定回路27は、電流検出回路28によって得られた電流検出信号Vdにより、基準電圧Vrの値を変え、電圧検出信号V1と比較される基準電圧信号Vr1を、比較器121の入力端(−)に供給する。ここで、電流検出信号Vdには、給電用ケーブル73、74の抵抗、接続部分の接触抵抗、及び、給電用ケーブル73、74を流れる電流値の情報が含まれている。従って、電流検出信号Vdによって、比較器121の入力端(−)に供給される基準電圧信号Vr1の値を変えることにより、給電用ケーブル73、74の電圧降下の影響を受けることなしに、高精度の過電圧保護動作を行うことができる。
【0034】
更に具体的に述べると、補機用直流電源13の端子で見た端子電圧は、DCーDCコンバータ10の出力端子8、9で見た端子電圧V0よりも、給電用ケーブル73、74による電圧降下分△V0だけ低くなっている。このことは、出力端子8ー9間で見た端子電圧V0が過電圧に相当する場合でも、補機用直流電源13の端子電圧は、過電圧に至るまで、なお、給電用ケーブル73、74による電圧降下分△V0だけ余裕があることを意味する。
【0035】
電圧降下分△V0は、給電用ケーブル73、74の抵抗と、給電用ケーブル73、74を流れる電流I2とによって定まるから、給電用ケーブル73、74の抵抗値は、その長さ及び種類等によって定まる定数と見ることができる。給電用ケーブル73、74を流れる電流I2は、補機用直流電源13の充電状態、及び、補機14の稼働状態によって変化する。
【0036】
そこで、本発明においては、電流I2を検出して得られた電流検出信号Vdにより、給電用ケーブル73、74における電圧降下分△V0を推定し、基準電圧Vrを、推定された電圧降下分△V0に対応する△Vrだけ上昇させた基準電圧信号Vr1に変える。これにより、V1>Vr1となる電圧検出信号V1の値が、給電用ケーブル73、74による電圧降下分△V0に対応する基準電圧信号の変化分△Vrだけ高くなる。このような回路作用により、補機用直流電源13の端子電圧を検出したのと同様の過電圧保護作用が得られる。
【0037】
図2は本発明に係る車載用電源装置の別の実施例を示す電気回路図である。図1に現れた構成部分と同一の構成部分については、同一の参照符号を付してある。この実施例の特徴は、電流検出回路28が、入力端子6、7に流れる電流I1またはそれに対応する電流を検出するようになっていることである。DCーDCコンバータ10の入力側に流れる電流I1は、出力側に流れる電流I2と対応関係にあるから、DCーDCコンバータ10の入力側に流れる電流I1を検出することによっても、図1に示す回路と同様の作用効果を得ることができる。
【0038】
図3は本発明に係る車載用電源装置の別の実施例を示す電気回路図である。図1に現れた構成部分と同一の構成部分については、同一の参照符号を付してある。この実施例の特徴は、基準電圧設定回路27が、加算回路によって構成されていることである。即ち、基準電圧Vrに対して、電流検出信号Vdを加算することにより、電圧検出信号V1及び基準電圧信号Vr1について、V1>Vr1となる電圧検出信号V1の値が、電流検出信号Vdだけ高くなるように設定される。電流検出信号Vdは給電用ケーブル73、74による電圧降下分△V0に対応する。従って、補機用直流電源13の端子電圧を検出したのと同様の過電圧保護作用が得られる。電流検出回路28は、出力端子8、9を流れる電流I2またはそれに対応する電流を検出するように、DCーDCコンバータの出力側に挿入されている。
【0039】
図4は本発明に係る車載用電源装置の別の実施例を示す電気回路図である。図2に現れた構成部分と同一の構成部分については、同一の参照符号を付してある。この実施例の特徴は、電流検出回路28を、入力端子6、7に流れる電流I1またはそれに対応する電流を検出するように、DCーDCコンバータの入力側に挿入した回路構成において、基準電圧設定回路27を、加算回路によって構成したことである。
【0040】
図5は本発明に係る車載用電源装置の具体的な回路構成を示す電気回路図である。図5に示された実施例は、図3に図示された車載用電源装置の具体例に対応する。図3に現れた構成部分と同一の構成部分については、同一の参照符号を付してある。
【0041】
DCーDCコンバータ10は、スイッチング回路101と、トランス102と、整流用ダイオード103、104と、チョークコイル105と、出力平滑用のコンデンサ106とを含んでいる。スイッチング回路101としては、種々の回路構成を採用することができる。例えば、1つのスイッチング素子をトランス102の一次巻線N1に直列に接続し、一次巻線N1を通して供給される直流入力電圧Vinをスイッチング素子でスイッチングする回路構成、または、4つのスイッチング素子をブリッジ接続し、2つのスイッチング素子を対として交互にスイッチングさせ、トランス102の一次巻線N1に、交互に、逆方向の電流を供給して励磁する回路構成を採用することができる。実施例は、スイッチング回路101が後者の回路構成になる例を示している。トランス102の二次巻線N2の中点を、電流検出回路28を介して、低電位側出力ライン72に結び、二次巻線N2の両端に整流用ダイオード103、104を接続し、ダイオード103、104のカソードを、チョークコイル105の一端に共通に接続してある。チョークコイル105の他端は、高電位側の出力ライン71に接続されている。
【0042】
電流検出回路28は、例えば、ホール素子等でなる電流検出素子281、信号処理回路280、バッファ回路285及び抵抗286等を含んでいる。電流検出素子281によって得られた電流検出信号は、信号処理回路280、バッファ回路285を介して、基準電圧設定回路27に供給される。
【0043】
基準電圧設定回路27は、基準電圧Vrを、抵抗271及び抵抗272の直列回路によって分圧する。電流検出回路28から出力される電流検出信号Vdは、抵抗286を介して、抵抗271及び抵抗272の接続点に供給される。従って、抵抗271及び抵抗272の接続点では、基準電圧Vrを、抵抗271及び抵抗272によって分圧し、抵抗272の端子電圧として取り出される電圧と、電流検出回路28から供給された電流検出信号Vdを、抵抗286及び抵抗272によって分圧し、抵抗272の端子電圧として取り出される電圧とを合成した基準電圧信号Vr1が得られることになる。
【0044】
基準電圧信号Vr1は、既に説明したように、比較器121の入力端(−)に供給され、入力端(+)に供給された電圧検出信号V1と比較される。ここで、基準電圧信号Vr1は、基準電圧Vrを分圧して得られた電圧と、電流検出信号Vdを分圧して得られた電圧とを合成した信号であるから、V1>Vr1となる電圧検出信号V1の値が、電圧降下分△V0に対応する分だけ高くなるように設定される。電流検出信号Vdは給電用ケーブル73、74による電圧降下分△V0に対応する。従って、補機用直流電源13の端子電圧を検出したのと同様の過電圧保護作用が得られる。
【0045】
図6は本発明に係る車載用電源装置の具体的な回路構成を示す電気回路図である。図6に示された実施例は、図4に図示された車載用電源装置の具体例に対応する。図4、5に現れた構成部分と同一の構成部分については、同一の参照符号を付してある。図6の実施例では、電流検出素子281を構成するカレントトランスを、トランス102の一次巻線N1側であって、スイッチング電流の流れる回路ループに挿入した点である。
【0046】
更に詳しく述べると、電流検出回路28は、電流検出素子281、ダイオードブリッジによる整流回路282、抵抗283、コンデンサ284、バッファ回路285及び抵抗286等を含んでいる。電流検出素子281は、カレントトランスでなり、その検出巻線の両端を、トランス102の中点と、平滑コンデンサ106の接続された低電位側出力ライン72との間に接続する。電流検出素子281の検出巻線の挿入されている回路ループには、給電用ケーブル73、74に流れる出力電流に対応するパルス電流が流れる。
【0047】
電流検出素子281を構成するカレントトランスの出力巻線に生じる電圧は、整流回路282、抵抗283及びコンデンサ284によって整流平滑化される。そして、バッファ回路285を介して、基準電圧設定回路27に、電圧信号である電流検出信号Vdを供給する。
【0048】
それ以外の点は、図5に示した回路構成と実質的に同じであるので、説明は省略する。
【0049】
図7は本発明に係る車載用電源装置を用いた車載装置の電気回路図である。図示された車載装置は、主電源1と、主電源投入スイッチ2と、モータドライブ回路3と、モータ4と、電源装置5とを含む。主電源1は、バッテリを含む。主電源投入スイッチ2は、通常、イグニッションスイッチと称されるものである。モータドライブ回路3は、主電源1から、主電源投入スイッチ2を介して供給される直流電力をモータ4に供給する。モータ4は、車輪駆動源として用いられる。
【0050】
図7に示した車載装置では、図1に示した車載用電源装置5が用いられている。従って、図1を参照して説明したように、補機用直流電源13に対する給電用ケーブル73、74の電圧降下の影響を受けることなしに、高精度の過電圧保護動作を行うことができる。また、補機用直流電源13の端子電圧を直接に検出することなしに、高精度の過電圧保護動作を行うことができる。図示は省略するが、図2〜図6に示した車載用電源装置を用いてもよい。
【0051】
図8は本発明に係る車載用電源装置を用いた車載装置の別の実施例を示す電気回路図である。図8において、図7に現れた構成部分と同一の構成部分については、同一の参照符号を付してある。この実施例の特徴は、基準電圧Vrの生成にある。過電圧保護回路12は、基準電圧生成回路125を有する。この基準電圧生成回路125は、直流出力電圧V0から基準電圧Vrを生成する。基準電圧生成回路125は、直流出力電圧V0を分圧する抵抗分圧回路によって構成することができる。
【0052】
基準電圧設定回路27は、基準電圧Vrを、抵抗271及び抵抗272の直列回路によって分圧する。電流検出回路28から出力される電流検出信号Vdは、抵抗286を介して、抵抗271及び抵抗272の接続点に供給される。従って、抵抗271及び抵抗272の接続点では、基準電圧Vrを、抵抗271及び抵抗272によって分圧し、抵抗272の端子電圧として取り出される電圧と、電流検出回路28から供給された電流検出信号Vdを、抵抗286及び抵抗272によって分圧し、抵抗272の端子電圧として取り出される電圧とを合成した基準電圧信号Vr1が得られることになる。
【0053】
この点については、既に述べた通りであり、補機用直流電源13に対する給電用ケーブル73、74の電圧降下の影響を受けることなしに、また、補機用直流電源13の端子電圧を直接に検出することなしに、高精度の過電圧保護動作を行い得る。
【0054】
図8の実施例によれば、更に、車の主電源投入スイッチ2が引き抜かれ、車載用電源装置5に対する直流入力電圧Vinの供給が停止された後、主電源投入スイッチ2が再投入され場合に、車載用電源装置5のラッチアップを回避し得る。
【0055】
この点について、図9、10に図示されたタイムチャートを参照して、説明する。図9は車の主電源投入スイッチ2が閉じている場合のタイムチャートである。過電圧保護回路12は、DCーDCコンバータ10から出力端子8、9に供給される直流出力電圧V0を検出して電圧検出信号V1を生成する。直流出力電圧V0が正常値にある場合は、電圧検出信号V1は、基準電圧設定回路27によって設定された基準電圧信号Vr1よりも低くなっており、比較器121の出力は低レベル(論理値0とする)にある。この状態は、過電圧が生じていないことに対応する。
【0056】
DCーDCコンバータの故障等で、直流出力電圧V0が、例えば、t1時(図9(a)参照)に過電圧状態になると、電圧検出信号V1が上昇する。そして、電圧検出信号V1が基準電圧信号Vr1よりも高くなった時に、比較器121が反転動作をし、論理値1の過電圧検出信号V2を出力する。この過電圧検出信号V2を、制御回路11に供給し、制御回路11によって、DCーDCコンバータ10の動作を停止させる。過電圧検出信号V2が一旦出力された後は、ダイオード124による自己保持作用により、電圧検出信号V1が論理値0に縮退したとしても、比較器121の出力である過電圧検出信号V2は、論理値1を維持する(図9(b)参照)。
【0057】
次に、車の主電源投入スイッチ2が引き抜かれ、車載用電源装置5に対する直流入力電圧Vinの供給が停止された場合について、図10を参照して説明する。車の主電源投入スイッチ2がt2時に引き抜かれた場合、車載用電源装置5に対する直流入力電圧Vinが、ある時定数をもって低下して行く((図10(a)参照)。ここで、基準電圧生成回路125において、基準電圧信号Vrは、直流出力電圧V0から生成する。即ち、基準電圧設定回路27に入力されている基準電圧Vr、および、電圧検出信号V1は、出力端子8、9に現れる直流出力電圧V0から得ている。従って、車の主電源投入スイッチ2がt2時(図10(a)参照)に引き抜かれ、車載用電源装置5に対する直流入力電圧Vinの供給が停止された場合、基準電圧設定回路27から出力される基準電圧信号Vr1、および、電圧検出信号V1は、同じように低下して行く(図10(b)参照)。このため、比較器121の2つの入力端(+)および(−)で見た基準電圧信号Vr1および電圧検出信号V1の関係が、車載用電源装置5に対する直流入力電圧Vinの供給停止による影響を受けることがなく、Vr1>V1の関係を維持することになるので、比較器121は、反転動作をすることなく、論理値0の信号を出力し続けることになる。
【0058】
従って、例えば、t3時に主電源投入スイッチ2が再投入(図10(b)参照)され、主電源1から車載用電源装置5に直流電圧が供給された場合、車載用電源装置5は、Vr1>V1の状態から動作を開始することになるから、ラッチアップを生じることがない。
【0059】
図11は本発明に係る車載用電源装置5を用いた車載装置の更に別の例を示す電気回路図である。図において、図8に現れた構成部分と同一の構成部分については、同一の参照符号を付してある。車載用電源装置5は、入力端6、7と、出力端子8、9と、DCーDCコンバータ10と、制御回路11と、過電圧保護回路12とを含む点で、図8に図示された車載用電源装置5と異なるところはない。図8に図示された車載用電源装置5と異なる点は、比較器19の基準電圧を補助電源回路15から供給していること、および、過電圧保護回路12の構成が異なることである。以下に説明する。
【0060】
まず、補助電源回路15は、直流入力電圧Vinから、基準電圧Vr、及び、直流電圧Vc1を生成する。補助電源回路15で生成された基準電圧Vrは基準電圧設定回路27に供給される。直流電圧Vc1は制御回路11にも供給される。
【0061】
過電圧保護回路12は、第1の比較器121と、第2の比較器19とを含む。第1の比較器121は、入力端(+)に電圧検出信号V1が供給され、入力端(−)に、基準電圧設定回路27から第1の基準電圧信号Vr1が供給される。過電圧状態にない正常時は、Vr1>V1の関係にあり、このとき、第1の比較器121の出力は低レベル(論理値0とする)にある。過電圧が生じた場合、電圧検出信号V1の電圧値が第1の基準電圧信号Vr1の電圧値よりも高くなる。即ち、V1>Vr1となる。このとき、第1の比較器121は、反転動作をして、高レベル(論理値1とする)の信号を出力する。
【0062】
第2の比較器19は、入力端(+)に、時定数充放電回路が接続されていて、時定数充放電回路を通して、第1の比較器121の出力信号V2、および、補助電源回路15で生成された直流電圧Vc1が供給される。時定数充放電回路は、直流電圧Vc1によって、抵抗20、21を通して、コンデンサ23を充電する回路と、コンデンサ23に蓄積された電荷を、抵抗22を通して放電する放電回路とを含んでいる。
【0063】
第2の比較器19の入力側には、補助電源回路15で生成された直流電圧Vc1が供給される。第2の比較器19の入力端(−)にはツェナーダイオード25が接続されている。ツェナーダイオード25は、抵抗24を通して供給される直流電圧Vc1より、第2の基準電圧信号Vr2を生成し、この第2の基準電圧信号Vr2を、第2の比較器19の入力端(−)に供給する。第2の比較器19の入力端(+)には、補助電源回路15から出力された直流電圧Vc1を、抵抗20〜22の直列回路によって分圧した電圧信号V3が供給される。電圧信号V3は抵抗20及び抵抗21の直列回路と、抵抗22との接続点に現れる電圧である。抵抗20と抵抗21との接続点には、第1の比較器121の出力端が接続されている。
【0064】
第2の比較器19において、補助電源回路15から供給される直流電圧Vc1が正常レベルであるときは、第1の比較器121から論理値1の信号V2が供給され、入力端(−)に供給される第2の基準電圧信号Vr2より、入力端(+)に供給される電圧信号V3が高くなったとき、即ち、V3>Vr2のとき、反転動作をして過電圧検出信号V4を生成し、過電圧検出信号V4を制御回路11に供給する。第2の比較器19は、補助電源回路15から供給される直流電圧Vc1が低レベルに降下したときは、第2の基準電圧信号Vr2及び電圧信号V3が共に低下し、第1の比較器121から信号が供給されても反転動作を生じない。
【0065】
次に、図12〜14のタイムチャートを参照して、図11に示した車載装置、特に、車載用電源装置5の動作を説明する。図12は補助電源回路15から供給される直流電圧Vc1が正常レベルであるときの動作を示すタイムチャートである。
【0066】
まず、第1の比較器121は、入力端(+)に供給された電圧検出信号V1と、基準電圧設定回路27から入力端(−)に供給された第1の基準電圧信号Vr1とを比較する。電圧検出信号V1の電圧値が第1の基準電圧信号Vr1の電圧値よりも低いとき、即ち、Vr1>V1のとき、第1の比較器121は低レベル(論理値0)の信号V2を出力する。図12のタイムチャートでは、t1時より前が、この状態に対応している。このとき、第2の比較器19の入力端(+)の電圧V3は、信号V2が0Vであるので、0Vである。また、第2の比較器19の入力端(−)には、ツェナーダイオード25による第2の基準電圧信号Vr2(>V3)が供給されている。
【0067】
次に、図12(a)に示すように、t1時に過電圧が生じた場合、電圧検出信号V1の電圧値が第1の基準電圧信号Vr1の電圧値よりも高くなる。即ち、V1>Vr1となる。このとき、第1の比較器121は、反転動作をして、高レベル(論理値1とする)の信号V2を出力する(図12(b)参照)。
【0068】
第1の比較器121に生じた論理値1の信号V2は、第2の比較器19の入力端(+)に供給される電圧信号V3を、第2の比較器19の入力端(−)に供給されている第2の基準電圧信号Vr2よりも高い電圧値まで上昇させる。第2の比較器19の入力端(−)に供給されている第2の基準電圧信号Vr2よりも高い信号V3が、入力端(+)に供給されると、第2の比較器19は、反転動作をして、図12(c)に示すように、高レベル(論理値1とする)の過電圧検出信号V4を生成する。
【0069】
論理値1の過電圧検出信号V4は制御回路11に供給される。制御回路11は、論理値1の過電圧検出信号V4の供給を受けたとき、DCーDCコンバータ10の動作を停止させる。
【0070】
直流出力電圧V0が正常電圧範囲にあるときは、第1の比較器121において、電圧検出信号V1の電圧値が第1の基準電圧信号Vr1の電圧値よりも低くなる。従って、第1の比較器121が反転動作をすることはない。
【0071】
次に、図13を参照して、補助電源回路15から供給される直流電圧Vr1が低レベルに降下したときについて説明する。このような状態は、車の主電源投入スイッチ2が引き抜かれ、車載用電源装置5に対する直流入力電圧Vinの供給が、例えばt2時に停止された場合(図13(a)参照)に発生する。
【0072】
まず、補助電源回路15から、基準電圧設定回路27に供給される基準電圧Vrが急激に低下するので、基準電圧設定回路27から出力される基準電圧信号Vr1が急激に低下する。第1の比較器121において、基準電圧設定回路27から供給される基準電圧信号Vr1が急激に低下するのに対し、分圧抵抗122、123によって分圧された電圧検出信号V1は、補機用直流電源13の端子電圧信号でもあるので、ほとんど低下しない。このため、第1の比較器121の2つの入力端(+)、(−)で見た入力信号V1、Vr1の関係が、V1>Vr1となる(図13(b)参照)。第1の比較器121がt3時に反転動作をし、論理値1の信号V2が出力される(図13(c)参照)。このタイミングでは、補助電源回路15から出力される直流電圧Vc1も低下している最中であるので、信号V2のレベルも低下して行く(図13(c)参照)。
【0073】
第2の比較器19の入力端(+)に印加される電圧信号V3は、信号V2が論理値1に対応するレベルになったt3時に、レベルが高くなる(図13(d)参照)が、補助電源回路15で生成された直流電圧Vc1のレベルが急激に低下するので、それにつれて、電圧信号V3も低下する。入力端(+)には、時定数充放電回路が接続されているので、電圧信号V3は、時定数充放電回路による放電作用により、時間とともに減衰する(図13(d)参照)。
【0074】
一方、補助電源回路15から出力される直流電圧Vc1が急激に低下するので、第2の比較器19の入力端(−)に供給される第2の基準電圧信号Vr2も、急激にレベルが低下する。ところが、第2の比較器19において、第2の基準電圧信号Vr2と比較される電圧信号V3も、直流電圧Vc1の急激な低下により、時間とともに減衰する。従って、2の比較器19において、入力端(+)に供給される電圧信号V3と、入力端(−)に供給される第2の基準電圧信号Vr2とは、Vr2>V3の関係を保ち続け、この関係が逆転することはない(図13(d)参照)。
【0075】
このため、第2の比較器19は、補助電源回路15から供給される直流電圧Vc1のレベルが低下した場合において、第1の比較器121から信号が供給されても、反転動作を生じない(図13(e)参照)。
【0076】
次に、主電源投入スイッチ2が再投入された場合について、図14を参照して説明する。主電源投入スイッチ2がt0時に再投入されると、直流入力電圧Vinが上昇する(図14(a)参照)ので、補助電源回路15から出力される直流電圧Vc1及び基準電圧Vrが、to時よりも少し遅れたt01時から上昇を開始する。このため、基準電圧設定回路27から出力される基準電圧信号Vr1及び第2の比較器19の入力端(+)に供給される電圧V3も上昇する(図14(b)、(c)、(e)参照)。
【0077】
第1の比較器121において、主電源投入スイッチ2の再投入直後は、入力端(+)に供給されている電圧検出信号V1が、補機用直流電源13の端子電圧(一定)であるのに対し、入力端(−)に供給される基準電圧信号Vr1は上昇過程にあるので、第1の比較器121の2つの入力端(+)、(−)で見た入力信号V1、Vr1の関係が、V1>Vr1となる(図14(c)参照)。このため、主電源投入スイッチ2の再投入された後、第1の比較器121がt01時に反転動作をし、論理値1の信号V2が出力される(図14(d)参照)。論理値1の信号V2は、V1<Vr1となるt02時まで継続する。
【0078】
次に、第2の比較器19において、2つの入力端(+)、(−)で見た入力信号V3、Vr2のうち、入力信号V3は、入力端(+)に接続された時定数充放電回路の充電時定数に従って、緩やかに上昇する。入力信号V3の上昇カーブは、入力端(−)に供給される第2の基準電圧信号Vr2の立ち上がり特性よりも緩やかである(図14(e)参照)。従って、第1の比較器121がt01時に反転動作をして論理値1の信号V2が出力されても、第2の比較器19の2つの入力端(+)、(−)で見た入力信号V3、Vr2に関しては、Vr2>V3の関係が維持される(図14(e)参照)。このため、主電源投入スイッチ2が再投入された場合も、第2の比較器19は反転動作をすることがない(図14(f)参照)。よって、車載用電源装置5は、ラッチアップを生じることなく、正常に動作を開始することになる。
【0079】
図11に示した車載用電源装置5のもう1つの利点は、主電源投入スイッチ2がオフになった場合、即ち、車を停車させてある場合等に、補機用直流電源13に対する電力消費が、分圧抵抗122、123の直列回路による消費分だけに低減されることである。従来、停車時に補機用直流電源13から流出する電流は、1.5mA程度に低減させることが限界であったが、図11に示した車載用電源装置によれば、流出電流を0.5mA程度、またはそれ以下に低減させることが可能である。
【0080】
図11に示す実施例においても、基準電圧設定回路27は、電流検出回路28によって得られた電流検出信号Vdにより、基準電圧Vrの値を変え、電圧検出信号V1と比較される基準電圧信号Vr1を、比較器121の入力端(−)に供給する。従って、補機用直流電源13に対する給電用ケーブル73、74の電圧降下の影響を受けることなしに、また、補機用直流電源13の端子電圧を直接に検出することなしに、高精度の過電圧保護動作を行い得る。
【0081】
図示は省略するが、図8、11において、図1〜図6に示した過電圧保護回路を採用できる。
【0082】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、次のような効果を得ることができる。
(a)補機用直流電源および補機等を、過電圧から保護する過電圧保護機能を有する車載用電源装置を提供することができる。
(b)補機用直流電源に対する給電用ケーブルの電圧降下の影響を受けることなしに、高精度の過電圧保護動作を行い得る車載用電源装置を提供することができる。
(c)補機用直流電源の端子電圧を直接に検出することなしに、高精度の過電圧保護動作を行い得る車載用電源装置を提供することができる。
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る車載用電源装置の電気回路図である。
【図2】本発明に係る車載用電源装置の別の実施例を示す電気回路図である。
【図3】本発明に係る車載用電源装置の別の実施例を示す電気回路図である。
【図4】本発明に係る車載用電源装置の別の実施例を示す電気回路図である。
【図5】本発明に係る車載用電源装置の具体的な回路構成を示す電気回路図である。
【図6】本発明に係る車載用電源装置の具体的な回路構成を示す電気回路図である。
【図7】本発明に係る車載用電源装置を用いた車載装置の電気回路図である。
【図8】本発明に係る車載用電源装置を用いた車載装置の電気回路図である。
【図9】図8に図示された車載装置において、車の主電源投入スイッチが閉じている場合の動作を説明するタイムチャートである。
【図10】図8に図示された車載装置において、車の主電源投入スイッチをオフにした場合の動作を説明するタイムチャートである。
【図11】本発明に係る車載用電源装置を用いた車載装置の別の実施例を示す電気回路図である。
【図12】図11に図示された車載装置において、車の主電源投入スイッチが閉じている場合の動作を説明するタイムチャートである。
【図13】図11に図示された車載装置において、車の主電源投入スイッチをオフにした場合の動作を説明するタイムチャートである。
【図14】図11に図示された車載装置において、車の主電源投入スイッチを再投入にした場合の動作を説明するタイムチャートである。
【符号の説明】
1 主電源(メインバッテリ)
2 主電源投入スイッチ
3 モータドライブ回路
4 モータ
5 車載用電源装置
6、7 入力端子
8、9 出力端子
10 DCーDCコンバータ
11 制御回路
12 過電圧保護回路
13 補機用直流電源
14 補機
15 補助電源回路
18 第1の比較器
19 第2の比較器
27 基準電圧設定回路
28 電流検出回路

Claims (3)

  1. 少なくとも一対の入力端と、少なくとも一対の出力端子と、DCDCコンバータと、制御回路と、過電圧保護回路と、補助電源回路とを含む車載用電源装置であって、
    前記DCDCコンバータは、前記一対の入力端に供給される直流入力電圧を、異なる直流出力電圧に変換して前記一対の出力端子に供給し、
    前記制御回路は、前記DCDCコンバータを制御し、
    前記補助電源回路は、前記直流入力電圧から直流電圧を生成し、
    前記過電圧保護回路は、
    電流検出回路と、基準電圧設定回路と、第1の比較器と、第2の比較器とを含み、
    前記電流検出回路は、前記入力端もしくは出力端に流れる電流またはこれに対応する電流を、電圧信号である電流検出信号として検出し、
    前記基準電圧設定回路は、前記電流検出信号を、所定の基準電圧に加算することによって基準電圧信号を生成し、
    前記第1の比較器は、
    入力端の一方に、前記直流出力電圧に基づいて生成した電圧検出信号が供給され、入力端の他方に、前記基準電圧設定回路から前記基準電圧信号が供給され、
    前記入力端の一方における電圧値が、前記入力端の他方における電圧値よりも高いときに反転動作をして信号を出力し、
    前記第2の比較器は、
    入力端の一方に、時定数充放電回路が接続されていて、この時定数充放電回路を通して、前記第1の比較器の出力信号と前記補助電源回路で生成された前記直流電圧とが供給され、入力端の他方に前記補助電源回路で生成された前記直流電圧が供給され、
    前記入力端の一方における電圧値が、前記入力端の他方における電圧値よりも高いときに反転動作を行って過電圧検出信号を生成し、
    前記過電圧検出信号を前記制御回路に供給して、前記DC−DCコンバータの動作を停止させる、
    車載用電源装置。
  2. 請求項に記載された車載用電源装置であって、
    前記一対の出力端子は、車載負荷を接続するために備えられ、
    前記車載負荷は、充電可能な補機用直流電源と、補機とを含む
    車載用電源装置。
  3. 主電源と、主電源投入スイッチと、モータドライブ回路と、モータと、電源装置とを含む車載装置であって、
    前記主電源は、メインバッテリを含み、
    前記モータドライブ回路は、前記主電源から、前記主電源投入スイッチを介して供給される直流電力を前記モータに供給し、
    前記モータは、車輪駆動源として用いられ、
    前記電源装置は、請求項1又は2に記載された車載用電源装置でなり、前記主電源投入スイッチを介して、前記主電源から前記直流入力電圧が供給される
    車載装置。
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