JPH0580187U - Ａｃアダプタ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 電流の大きさによる出力電圧の変動を防止
し、常に一定かつ安定した直流出力電圧を得る。 【構成】 アダプタ本体２に、出力プラグ４を前端に有
する直流出力コード３（３ｐ、３ｎ）を備えるととも
に、交流入力電圧を整流平滑して所定の直流出力電圧に
変換する電圧変換回路５及び検出した直流出力電圧を一
定に制御する定電圧制御回路６を内蔵する。特に、定電
圧制御回路６における直流出力電圧を検出する電圧検出
コード７（７ｐ、７ｎ）の前端７ｐｆ、７ｎｆを、直流
出力コード３ｐ、３ｎの前端に接続する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案はアダプタ本体に、直流出力コードを備えるとともに、直流出力電圧を 一定に制御する定電圧制御回路を内蔵するＡＣアダプタに関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来のＡＣアダプタを図３に示す。同図に示すＡＣアダプタ５０はアダプタ本 体５１を備えるとともに、アダプタ本体５１から前端に出力プラグ５３を有する 直流出力コード５２を導出していた。また、アダプタ本体５１は一次側整流平滑 回路５４、電源トランス５５、二次側整流平滑回路５６、スイッチングトランジ スタ５７、制御回路５８、フォトカプラ５９、出力電圧検出回路６０等を内蔵し 、特に、出力電圧検出回路６０による出力電圧の検出はアダプタ本体５１の内部 で行っていた。なお、６１は電源プラグを示す。

【０００３】 これにより、電源プラグ６１から入力する交流入力電圧は一次側整流平滑回路 ５４により整流平滑されるとともに、スイッチングトランジスタ５７によりスイ ッチングされ、電源トランス５５の一次側コイルに付与される。また、電源トラ ンス５５の二次側出力は二次側整流平滑回路５６により整流平滑され、直流出力 電圧Ｅｏとしてアダプタ本体５１から出力する。一方、直流出力電圧Ｅｏは出力 電圧検出回路６０に付与され、基準電圧Ｅｓとの偏差が求められるとともに、そ の偏差はフォトカプラ５９を介して制御回路５８に付与され、直流出力電圧Ｅｏ の大きさが一定となるように、スイッチングトランジスタ５７のスイッチングが 制御される。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

しかし、従来のＡＣアダプタ５０は直流出力コード５２の抵抗Ｒに基づく電圧 降下が発生し、負荷電流Ｉの大きさにより出力プラグ５３における直流出力電圧 Ｅｐが大きく変動する難点があった。即ち、直流出力電圧ＥｐはＥｐ＝Ｅｏ−Ｒ Ｉとなるため、負荷電流Ｉが大きくなれば直流出力電圧Ｅｐは小さくなり、負荷 電流Ｉが小さくなれば直流出力電圧Ｅｐは大きくなる。

【０００５】 本考案はこのような従来の技術に存在する課題を解決したものであり、電流の 大きさによる出力電圧の変動を防止し、常に一定かつ安定した直流出力電圧を得 ることができるＡＣアダプタの提供を目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

本考案はアダプタ本体２に、出力プラグ４を前端に有する直流出力コード３（ ３ｐ、３ｎ）を備えるとともに、交流入力電圧を整流平滑して所定の直流出力電 圧に変換する電圧変換回路５及び検出した直流出力電圧を一定に制御する定電圧 制御回路６を内蔵するＡＣアダプタ１を構成する際して、特に、定電圧制御回路 ６における直流出力電圧を検出するための電圧検出コード７（７ｐ、７ｎ）の前 端７ｐｆ、７ｎｆを、直流出力コード３ｐ、３ｎの前端に接続してなることを特 徴とする。

【０００７】 この場合、電圧検出コード７ｐ、７ｎの前端７ｐｆ、７ｎｆと直流出力コード ３ｐ、３ｎの前端は出力プラグ４の内部で接続する。また、ＡＣアダプタ１には 直流出力電圧の異常低下時に過電圧の発生を防止する過電圧保護回路８を備えて いる。

【０００８】

【作用】

本考案に係るＡＣアダプタ１によれば、定電圧制御回路６における電圧検出コ ード７（７ｐ、７ｎ）の前端７ｐｆ、７ｎｆを、直流出力コード３ｐ、３ｎの前 端に接続したため、定電圧制御回路６は出力プラグ４における直流出力電圧Ｅｐ を検出できる。したがって、定電圧制御回路６は電圧検出コード７から得る直流 出力電圧Ｅｐに基づく検出電圧Ｅｄを基準電圧Ｅｓと比較し、検出電圧Ｅｄが基 準電圧Ｅｓに一致するようにクローズドループ制御を行う。これにより、出力プ ラグ４における直流出力電圧Ｅｐは、常に、一定かつ安定に維持され、直流出力 コード３の抵抗に基づく電圧降下に左右されることはない。

【０００９】 なお、直流出力コード３や電圧検出コード７に断線等が発生した場合、直流出 力電圧Ｅｐは無検出状態となり、直流出力電圧Ｅｐを上昇させるように作用する が、過電圧保護回路８によって過電圧の発生を防止する。

【００１０】

【実施例】

次に、本考案に係る好適な実施例を挙げ、図面に基づき詳細に説明する。

【００１１】 まず、本考案に係るＡＣアダプタ１の外観構成について、図２を参照して説明 する。

【００１２】 ＡＣアダプタ１は外部ケース１１を有するアダプタ本体２を備え、アダプタ本 体２の一側からは商用ＡＣ１００Ｖコンセントに接続する電源プラグ１３を有す る電源コード１２が導出するとともに、他側からは前端に出力プラグ４を有する 直流出力コード３（３ｐ、３ｎ）が導出する。なお、出力プラグ４はプラグボデ ィ４ｂとプラグピン４ｐからなる。

【００１３】 次に、ＡＣアダプタ１の電気的回路構成について、図１及び図２を参照して説 明する。

【００１４】 アダプタ本体２は大別して交流入力電圧Ｖを整流平滑して所定の直流出力電圧 Ｅｏに変換する電圧変換回路５と、出力プラグ４の内部における直流出力コード ３の前端から検出した直流出力電圧Ｅｐを一定に制御する定電圧制御回路６を内 蔵する。電圧変換回路５は整流器２２及び平滑コンデンサ２３を有する一次側整 流平滑回路２１と、電源トランス２４と、整流器２６及び平滑コンデンサ２７を 有する二次側整流平滑回路２５を備え、一次側整流平滑回路２１の入力側には電 源コード１２を接続するとともに、二次側整流平滑回路２５の出力側には直流出 力コード３を接続する。定電圧制御回路６は電源トランス２４の一次側コイルに 直列に接続したスイッチングトランジスタ２８と、ＰＷＭ変調機能を有する制御 回路２９と、出力電圧検出回路３０と、出力電圧検出回路３０と制御回路２９を 接続する接続回路３１を備える。

【００１５】 また、本考案に従って、出力プラグ４における直流出力電圧Ｅｐを検出するた めの電圧検出コード７（７ｐ、７ｎ）を備える。電圧検出コード７は直流出力コ ード３に沿わせて設け、具体的には四線式の一本のケーブル４０（図２参照）を 利用し、二線を直流出力コード３ｐ、３ｎに使用するとともに、残り二線を電圧 検出コード７ｐ、７ｎに利用する。そして、図２に示すように、電圧検出コード ７ｐの前端７ｐｆは直流出力コード３ｐの前端にプラグボディ４ｂの内部で接続 するとともに、電圧検出コード７ｎの前端７ｎｆは直流出力コード３ｎの前端に プラグボディ４ｂの内部で接続する。他方、電圧検出コード７ｐ、７ｎの後端は 出力電圧検出回路３０に接続する。出力電圧検出回路３０は分圧抵抗３３、３４ 、基準電圧源３５、オペアンプ３６を有し、電圧検出コード７ｐ、７ｎの後端は 分圧抵抗３３、３４間に接続する。

【００１６】 また、接続回路３１はフォトカプラ３７及び抵抗３８を有し、出力電圧検出回 路３０と制御回路２９間を接続する。

【００１７】 他方、８は過電圧保護回路であり、直流出力電圧Ｅｏを検出する抵抗４６、４ ７及びツェナダイオード４８からなる過電圧検出回路４５と、フォトカプラ４９ からなり、フォトカプラ４９の出力側は制御回路２９に接続する。

【００１８】 次に、本考案に係るＡＣアダプタ１の動作について説明する。

【００１９】 まず、ＡＣ１００Ｖは一次側整流平滑回路２１により整流平滑され、電源トラ ンス２４の一次側コイルに付与されるとともに、この際、制御回路２９により制 御されるスイッチングトランジスタ２８によりスイッチングされる。電源トラン ス２４の二次側出力は二次側整流平滑回路２５により整流平滑され、直流出力コ ード３を介して出力プラグ４に付与される。

【００２０】 一方、出力プラグ４における直流出力電圧Ｅｐは電圧検出コード７ｐ、７ｎに より検出され、定電圧制御回路６における出力電圧検出回路３０に付与される。 これにより、直流出力電圧Ｅｐは分圧抵抗３３、３４により分圧され、得られる 検出電圧Ｅｄはオペアンプの３６の反転入力部に付与されるとともに、オペアン プ３６の非反転入力部には基準電圧源３５から基準電圧Ｅｓが付与される。この 結果、オペアンプ３６の出力部には検出電圧Ｅｄと基準電圧Ｅｓの偏差が得られ る。得られる偏差によりフォトカプラ３７の入力電流の大きさが変化するため、 偏差は制御回路２９に付与される。

【００２１】 よって、制御回路２９によるＰＷＭ変調等により直流出力電圧Ｅｐの大きさが 一定となるようにスイッチングトランジスタ５７のスイッチングが制御される。 したがって、出力プラグ４における直流出力電圧Ｅｐは直流出力コード３の抵抗 に基づく電圧降下に左右されることなく、常に、一定かつ安定に維持される。な お、電圧検出コード７に流れる電流は僅かであり、同コード７における電圧降下 は無視できる。

【００２２】 ところで、直流出力コード３や電圧検出コード７は使用中に屈曲するため、断 線を生ずる虞れがある。断線を生じた場合には検出される直流出力電圧Ｅｐは０ Ｖとなるため、定電圧制御回路６の機能により直流出力電圧を上昇させるように 作用するが、この場合、過電圧保護回路８は過電圧検出回路４５により直流出力 電圧Ｅｏを検出し、電圧上昇（過電圧）が発生した場合には検出信号をフォトカ プラ４９を介して制御回路２９に付与し、スイッチングトランジスタ２８のスイ ッチングを停止させる。これにより、例えば、電圧検出コード７が断線した場合 に生ずる負荷側接続機器を保護できる。なお、必要により電圧検出コード７ｐと ７ｎ間に発光ダイオード等を用いた電源表示部７１を接続すれば、容易に動作状 態（断線等）を確認できる。

【００２３】 以上、実施例について詳細に説明したが、本考案はこのような実施例に限定さ れるものではなく、細部の構成、形状等において、本考案の要旨を逸脱しない範 囲で任意に変更できる。

【００２４】

【考案の効果】

このように、本考案はアダプタ本体に、出力プラグを前端に有する直流出力コ ードを備えるとともに、交流入力電圧を整流平滑して所定の直流出力電圧に変換 する電圧変換回路及び検出した直流出力電圧を一定に制御する定電圧制御回路を 内蔵するＡＣアダプタにおいて、定電圧制御回路における直流出力電圧を検出す るための電圧検出コードの前端を、直流出力コードの前端に接続してなるため、 電流の大きさによる出力電圧の変動を防止し、常に一定かつ安定した直流出力電 圧を得ることができるという顕著な効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係るＡＣアダプタの電気回路図、

【図２】出力プラグの内部構成を含む同ＡＣアダプタの
外観構成図、

【図３】従来の技術に係るＡＣアダプタの電気回路図、

【符号の説明】

１ ＡＣアダプタ ２ アダプタ本体 ３（３ｐ，３ｎ） 直流出力コード ４ 出力プラグ ５ 電圧変換回路 ６ 定電圧制御回路 ７（７ｐ、７ｎ） 電圧検出コード ７ｐｆ、７ｎｆ 電圧検出コードの前端 ８ 過電圧保護回路

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 アダプタ本体に、出力プラグを前端に有
   する直流出力コードを備えるとともに、交流入力電圧を
   整流平滑して所定の直流出力電圧に変換する電圧変換回
   路及び検出した直流出力電圧を一定に制御する定電圧制
   御回路を内蔵するＡＣアダプタにおいて、定電圧制御回
   路における直流出力電圧を検出するための電圧検出コー
   ドの前端を、直流出力コードの前端に接続してなること
   を特徴とする請求項１記載のＡＣアダプタ。
2. 【請求項２】 電圧検出コードの前端と直流出力コード
   の前端は出力プラグの内部で接続することを特徴とする
   請求項１記載のＡＣアダプタ。
3. 【請求項３】 電圧検出コードによる検出電圧の異常低
   下時に過電圧の発生を防止する過電圧保護回路を備える
   ことを特徴とする請求項１記載のＡＣアダプタ。