JP4117697B2 - 記録用媒体の収納ケース - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、コンパクトディスク、フロッピーディスク、光磁気ディスク等の記録用媒体の包装用の収納ケースに関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の記録用媒体の包装用の収納ケースとしては、国際公開公報WO97/38919或いは特開平11−301769号公報に開示されているものが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
前記公知の記録用媒体の包装用の収納ケースは、収納するコンパクトディスク等の各種記録用媒体(以下CDと略称)が収納される内ケースのCD保持構造が複雑であり、専用の製箱装置を必要とする問題とか、利用者がCDを収納ケース内へ収納する際、CDをCD載置板の背面側へ挿入してしまう等の問題があり、更には紙料の使用量が多くなり、コスト高となる等の問題を有している。
【0004】
このため、本発明は、構造が簡単であり、既存の製箱装置と製箱方法とを利用し、収納ケースに対応した部品交換のみで自動的に製箱できると共に、利用者のCD収納時に、違位置への挿入等を生ずることが無く、かつ必要最小限の紙料使用量としうるCD等の収納ケースを提供することを課題としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するため、請求項1の発明では、外ケースと、外ケースの1側端面から外ケース内へ摺動自在に挿入される内ケースとで扁平略直6面体形状とされている収納ケースの、外ケースの正面板の上縁に、ケース内下方向きに折曲された係止片を一体に形成し、内ケースの背面板の上縁に、蓋片と、蓋片の前縁から下方向きに折曲された上正面板とを一体に形成すると共に、前記背面板の下部に、底片と底片前縁から上向きに折曲された下正面板とを一体に形成し、前記内ケースの下正面板の上辺部分を、内ケースの引き出し摺動時に、前記外ケースの正面板の背面と前記係止片との間の間隙部分内における該係止片の折曲部分に係止される係合片とし、更に、内ケースの下正面板の係合片の上縁部と、外ケースの正面板に折曲形成されている係止片の折曲部分との係合位置を、ケース内の記録用媒体取り出しのため引き出されたときの内ケースの背面板に形成されている外側方への折曲線が、外ケースの背面板の上縁直上部の位置を占める位置に整合させるという構成とした。
【0007】
【発明の実施の形態】
図は、本発明を適用した実施の一例を示しており、図1は外ケース1の正面図であり、図2は該外ケース1の背面図であって、図3に示されるブランク2から折り畳み、接着によって、扁平な略直6面体形状に成形されている。
【0008】
ブランク2は、外ケース1の正面板3となる正面板部分3Aの上縁4に、山折線4Aを介して後述する係止片5となる係止片部分5Aが一体に延設されており、正面板部分3Aの左右両側には外ケース1の左右両側壁6、7となる側壁部分6A、7Aが山折線8A、9Aを介して一体に延設され、側壁部分6A、7Aの外側には山折線10A、11Aを介して後述する背面板12の背面に接着される接着片13、14が延設されている。
【0009】
正面板部分3Aの下縁15には、山折線16A、17Aを介して前記背面板12となる背面板部分18Aが一体に延設されていており、山折線16A、17Aの間は外ケース1の底片102を形成する底片部分103とされている。
【0010】
前記係止片部分5Aは、先に山折線4Aにより、外ケース1内へ下方向きに折曲されて係止片5とされ、その後に側壁部分6A、7A、背面部分18Aの折曲、背面部分18Aの背面への接着片13、14の折曲、接着が行われ、外ケース1に成形される。
【0011】
図3中符号19、20は、後述する内ケース21の引き出し時の摘み用空隙22を形成するための切除部である。
【0012】
また背面板12の上縁23は、図2に示される如く、正面板3の上縁4より僅かに下位に位置するよう成形されている。
【0013】
図4は内ケース21の正面図であり、図5は該内ケース21の背面図であって図6に示されるブランク24から折り畳みにより、図4、図5及び図7、図8の模型的に示されてる内ケース21の如き扁平折曲形状に成形されている。
【0014】
ブランク24は、内ケースの背面板25となる背面板部分25Aの上縁の平行する山折線26A、27Aを介して、後述する蓋片28となる蓋片部分28Aが延設され、前記山折線26Aに後述する上正面板29となる上正面板部分29Aが一体に延設されている。
【0015】
背面板部分25Aの下縁30には山折線31A、32Aと、両山折線31A、32Aの中央部分に形成された台形スリット33と、両山折線31A及び32Aの各外端部に連続する鍵形スリット34、35とを介して、後述する下正面板36となる下正面板部分36Aが一体に連続させられており、図6において下正面板部分36Aの下端縁は後述する係合片105の上縁106となる。
【0016】
前記台形スリット33の頂辺37と山折線32Aとの間隔Hは、鍵形スリット34、35の底辺38、39と山折線31Aとの間隔Hと等しくされ、この台形スリット33と鍵形スリット34、35とで囲まれた部分は、後述する脚片40、41、42となる脚片部分40A、41A、42Aとされている。
【0017】
前記背面板部分25の中央域即ち後述する内ケース21がケース内の記録用媒体の取り出しのため、外ケース1から引き出され、係止されたとき、外ケース1の背面板12の上縁23の直上位置に対応する位置に谷折線43Aが形成されている。
【0018】
前記背面板部分25Aの下縁30に形成されている山折線31A、32Aは、図7、図8に模型的に示された内ケース100即ち内ケース21の内底片、即ち図4、図5に符号44で示される内底片を形成する内底片部分44A、44Bとされている。
【0019】
図6に示されるブランク24は、各山折線26A、27A、31A、32Aに従って、図6において紙面裏側へ角度90度折曲されることにより、図4に示される正面図、図5に示される背面図に示される形状に折曲形成され、脚片部分41A、42Aは背面部分25と同一平面内に留まって脚片41、42となり、脚片部分40Aは上下反転させられて脚片40となり、収納ケース104に組立てられたとき、各脚片は同一平面上に即ち外ケース1の底片102の内面に接する。
【0020】
図1、図2及び図7、図8に示される如く折曲され、接着されて成形された外ケース1内には、図4、図5及び図7、図8に示される如く折曲成形された内ケース21が外ケースの図2に示される開口部45から挿入され、図7に模型的に図示される組立てられた収納ケース104に組み立てられる。
【0021】
図7及び図8は、構造を明示するため高さLに対し、厚さWを著しく拡大して模型的に図示してある。
【0022】
図4に示される如く折曲形成された内ケース21の下正面板36の上辺部分は係合片105とされその上縁106が外ケース1の係止片5との係合部分とされている。
【0023】
他方外ケース1の図1及び図7に示される係止片5は、図3に示される如く、正面板3の上縁4における山折線4Aにおいて外ケース1内の下方へ向けて折曲形成されており、この係止片5と正面板3の背面との間に縦断面で鋭三角状の間隙部が形成されており、その間隙部の頂部即ち山折線4Aによる折曲部が、内ケース21の係合片105の上縁106との係合部とされており、また係止片5は山折線4Aの復元弾性により、背面板12側へ偏り、前記縦断面鋭三角状の間隙部の開口部分を形成している。
【0024】
図7は外ケース1内に内ケース21が静止位置、即ち脚片40、41、42が外ケース1の底片102に当接した位置を示しており、内ケース21の下正面板36の上辺部分の係止片105は前記外ケース1の係止片5と正面板3の背面との間の間隙部から離間した位置を占めており、山折線31A、32Aの復元弾性により、外ケース1の正面板3の背面に係合片105が当接している。
【0025】
図8は内ケース21(100)が収納されている記録用媒体の取り出しのため、係合片105が外ケース1の係止片5によって係止された状態を示しており、係合片105の上縁106が外ケース1の係止片5と正面板3の背面との間隙部内に入り、その頂部即ち山折線4Aによる係止片5の折曲部分の内側に当接し、それ以上の引き出しが阻止され、内ケース21(100)が停止された状態を示している。
【0026】
内ケース21(100)の係止片105が、係止片5、即ちその折曲部分の内側に当接し、係止された位置は、該内ケース21(100)の背面板25の中央域に形成されている谷折線43Aが、外ケース1の背面板12の上縁23の直上部の位置を占めた位置となるように各部寸法が選定されている、即ち両位置が整合させられている。
【0027】
本発明に係る記録用媒体の収納ケース104は、以上説明した構成であり、収納されている記録用媒体の取り出しのため、内ケース21が引き出され、その係合片105が外ケース1の係止片5によって係止されるとき、外ケース1の係止片5は、該外ケース1の正面板3の上縁4に連続して一体に成形された係止片部分5Aが該上縁4から外ケース1内の下方向きに折曲して成形されており、内ケース21側の係止片105は、該内ケース21の下正面板36の上辺部分が係合片とされたものであり、係止片5と係合片105との係止力は、収納ケース104の内腔における外ケース1の正面板3と内ケース104の背面板25との間隔が係止片5と係合片105との上下方向の長さに比し著しく短寸法であることにより、係止片5と係合片105との変形による係止解放は生じ得ず、両片が破断するまでに要する外力の強さがその係止力となるので、著しく大きな係止力を発現できる。
【0028】
また、記録用媒体の収納のため、空の収納ケース104から内ケース21を係止されるまで引き出した状態では、図8に示されるように収納ケース104内の正面板部分と背面板部分とのいずれも端縁を外ケース1の底片102に向けた板体で形成され、記録用媒体の挿入時に、挿入位置を誤らせる如く、端縁を開口部に向けた板体が存在しないので常に正確な挿入を実現できる。
【0029】
また、各部材の折曲方向は、扁平な略直6面体の長軸方向と短転方向とに直交する方向とされているので、既存の自動製箱手段で製箱できる。
【0030】
【発明の効果】
請求項1の発明によると、係止片を外ケースの正面板の上縁から収納ケース内下方向きに折曲された正面板と一連の板材で形成し、その折曲部分を係止部分とし、係止される係合片を、内ケースの背面板の下縁から一連に延設されている下正面板の上辺部分とし、その上縁が前記折曲部分たる係止部分に係止されるように構成されているので簡単な構造にもかかわらず、確実で著しく強い係止力を発現できる効果を奏する。
【0031】
また、収納ケース内には、開口部からの記録用媒体の挿入時に挿入位置を誤らせる如き立壁状の板部材が全く存在しないので、誤挿入を防止できる効果も有する。
【0032】
構造が簡単であり、製箱時の各片の折曲方向が、扁平な直6面体の長軸方向と短軸方向とに直交する方向のみとされるので、既存の自動製箱手段による製箱を可能とする効果も有する。
【0033】
構造が簡単であり、既存の自動製箱が可能であることにより、必要紙料量の減少、作業効率の向上、必要作業人員の削減を図ることができ、コストの低減を図りうる効果も有している。
【0034】
更に、請求項1の発明によると、係止片と係合片とが係止位置を占めたとき、収納ケース内の記録用媒体を取り出しやすくするため、内ケースの背面板に形成される外側方向への折曲線の位置が外ケースの背面板の上縁直上部の位置を占めるように整合されているので、前記の効果を奏するにもかかわらず記録用媒体の取り出し、再収納に際し、該媒体を確実に収納ケース内に、一部を露出させた状態で仮保持できる効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 外ケースの正面図である。
【図2】 外ケースの背面図である。
【図3】 外ケース用ブランクの展開平面図である。
【図4】 内ケースの正面図である。
【図5】 内ケースの背面図である。
【図6】 内ケース用ブランクの展開平面図である。
【図7】 外ケース内に内ケースが完全に挿入された状態を模型的に、収納ケースの厚さのみを大きくして示した略示縦断面図である。
【図8】 内ケースが外ケースから係止されるまで引き出された状態を示す図7と同様の略示縦断面図である。
【符号の説明】
1 外ケース
2 ブランク
3 正面板
4 上縁
5 係止片
12 背面板
15 下縁
21、100 内ケース
23 上縁
24 ブランク
25 背面板
29 上正面板
30 下縁
36 下正面板
104 収納ケース
105 係合片
106 上縁
Claims (1)
- 外ケースと、外ケースの1側端面から該外ケース内へ摺動自在に挿入されている内ケースとで、扁平な略直6面体形状とされている厚紙、板紙の類で成形された収納ケースにおいて、外ケースの正面板の上縁に、ケース内下方向きに折曲された係止片が一体成形されており、内ケースの背面板の上縁に、蓋片と、蓋片の前縁から下方向きに折曲された上正面板とが一体成形され、内ケースの背面板の下部に、底片と、底片前縁から上方向きに折曲された下正面板とが一体成形されており、前記内ケースの下正面板の上辺部分が、内ケースの引き出し摺動時に、外ケースの正面板の背面と係止片との間の間隙部内の該係止片の折曲部分に係止される係合片とされており、内ケースの下正面板の係合片の上縁部と、外ケースの正面板に折曲形成された係止片の折曲部分との係合位置は、ケース内の記録用媒体取り出しのため引き出されたときの内ケースの、背面板に形成された外側方への折曲線の位置が、外ケースの背面板の上縁直上部の位置を占めた位置に整合させられている記録用媒体の収納ケース。
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