JPH0439193Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案はデイスク状記録媒体収納ケースに関
し、さらに詳しく言えば、コンパクトデイスクの
収納に好適なデイスク収納ケースに関するもので
ある。

〔考案の技術的背景〕

コンパクトデイスクに代表される光学的情報記
録円盤は光ピツクアツプにより再生される関係
上、その記録面にゴミや手垢が付かないように注
意して取扱うことが要求されている。

このため、この種のデイスクには専用のケース
が用意されており、不使用時にはケース内に収納
し保管されるようになつている。

しかしながら、従来のケースはその殆どが合成
樹脂製でありこれには高価な成形金型を必要とす
るため、製造コストが高い。また、合成樹脂の表
面に直に印刷することは困難であるため、その内
容等を表示した印刷物をケース内に入れるように
している。さらには、この種のケースは偏平な箱
体であるため、そのケースカバーを開ける際ケー
ス本体を持ちにくいという操作上の欠点をも含ん
でいる。

〔考案の目的〕

この考案は上記した従来の事情に鑑みなされた
もので、その目的は、比較的安価でかつ印刷し易
い紙等を素材としてつくることができ、しかも簡
単な操作でデイスクの取出しおよび収納が行える
ようにしたデイスク状記録媒体収納ケースを提供
することにある。

〔実施例〕

以下、この考案を添付図面に示されている一実
施例を参照しながら詳細に説明する。

第１図を参照すると、このデイスク状記録媒体
収納ケースは、ケース本体１０と、このケース本
体１０内に出没可能に内蔵される押上げ部材２０
と、この押上げ部材２０内に摺動自在に保持され
る引出し板３０とを備えている。

第２図ないし第６図を併せて参照すると、ケー
ス本体１０は、ともに同一の四角形に形成され所
定の間隔をもつて対向的に配置された１対の正面
壁１１と背面壁１２とを含む偏平な箱体からな
る。この箱体の底面および両側面はそれぞれ底壁
１３および側壁１４，１４によつて閉じられてお
り、残された上面が開口部１５となつている。開
口部１５には押上げ部材２０のストツパとして作
用するように箱体の内方に向けて折曲げられた一
対のフラツプ１６，１６が形成されている。正面
壁１１には第７図に示されているように、例えば
歌詞カードＣを差込むための収納溝１７が設けら
れている。この収納溝１７に関連して、ケース本
体１０内には歌詞カードＣと押上げ部材２０との
干渉を防止する仕切板１８が開口部１５の端縁か
ら垂下するように設けられている。一方、背面壁
１２には押上げ部材２０を開口部１５に向けて押
上げ可能とする長孔１９が形成されている。な
お、この長孔１９は底壁１３にまで延びている
（第４図参照）。この実施例において、ケース本体
１０は１枚の厚紙を所定形状に裁断しそれに折り
目線をつけて折曲げることにより形成される。

押上げ部材２０は、所定幅の底板２１の両端か
らケース本体１０の内壁面に沿つて立上るように
形成された１対の側板２２，２２を備えており、
いずれか一方の側板２２には引出し板３０の抜け
止め用の係合溝２９が形成されている。各側板２
２には山折り状の第１の折り目線２３，２３を介
して翼板２４，２４が屈曲可能に連設されてい
る。この場合、各翼板２４，２４は第１の折り目
線２３，２３により互いに反対方向に開くような
クセがつけられている。また、各翼板２４，２４
にはそれらの端部側を下方に折返すための山折り
状の第２の折り目線２５，２５が設けられている
とともに、それらの各端部には上記フラツプ１
６，１６と協働してストツパを構成するフランジ
２６，２６がそれぞれ上方に向けて折曲げられて
いる。なおこの実施例によると、翼板２４，２４
にはそれらの各裾部２４ａ，２４ａを側板２２，
２２に対して平行にするための谷折り状の第３の
折り目線２７，２７が形成されている。また、第
１の折り目線２３による稜線部にはその部分から
側板２２および２４の双方に向けて拡がる切欠き
孔２８が穿設されている。この押上げ部材２０も
上記ケース本体１０と同様、例えば一枚の厚紙か
らつくられる。

引出し板３０は、第７図に示す如くデイスク状
記録媒体、例えばコンパクトデイスクＤとともに
押上げ部材２０内に収納されるもので、その下縁
にはコンパクトデイスクＤの周縁に当接可能であ
つてかつ側板２２の係合溝２９と係合するように
上方に向けて折返された係合片３１が設けらけて
いる。また、この引出し板３０の上縁にはその中
央部からコンパクトデイスクＤの中心孔Ｈに対応
する位置まで延びる長溝３２が形成されている。

上記した構成において、この収納ケースは例え
ば次のようにして組立てられる。まず、引出し板
３０を側板２２，２２間に配置して押上げ部材２
０と組合せる。そして、翼板２４，２４を第２の
折り目線２５，２５の部分にて山折りにして互い
に向い合うように閉じ、底板２１側から開口部１
５を介してケース本体１０内に組込む。これによ
り組立てが完了するのであるが、これとは異な
り、まず押上げ部材２０をケース本体１０内に挿
入し、しかるのち押上げ部材２０の側板２２，２
２間に引出し板３０を差込むようにしてもよい。
いずれにしても、コンパクトデイスクＤは引出し
板３０に添つて配置され、それとともに押上げ部
材２０内に保持されるとともに、押上げ部材２０
を介してケース本体１０内に収納される。この収
納状態時においてコンパクトデイスクＤは引出し
板３０と一方の側板２２との間で挾持されるた
め、ケース本体１０を逆様にしたとしても不用意
に脱落するようなおそれはない。

このケース本体１０内からコンパクトデイスク
Ｄを取出すには、まず指にて押上げ部材２０を長
孔１９に沿つて押上げる。この押上げ過程におい
てフランジ２６，２６がフラツプ１６，１６に係
合し、翼板２４，２４の裾部２４ａ，２４ａが開
口部１５に捕捉される。したがつて、さらに押上
げると第１の折り目線２３，２３が山折りとなつ
て翼板２４，２４は第７図に示されているように
側板視逆三角形状に開き、これによりコンパクト
デイスクＤの一部分が現われる。この状態は最終
的な取出し位置ではないが、翼板２４から側板２
２にかけて切欠き孔２８が形成されているため、
コンパクトデイスクＤに印刷されている曲目等を
確認することができる。そして、コンパクトデイ
スクＤを取出すには、その中心孔Ｈが翼板２４の
上部に位置するように引出し板３０を第７図の状
態からさらに上方に引上げるとよい。第８図には
引出し板３０をコンパクトデイスクＤの最終的な
取出し位置にまで引上げた状態が図解されてい
る。すなわち、このように引出し板３０を引上げ
ると、それに伴つてコンパクトデイスクＤは係合
片３１により掬い上げられ、その中心孔Ｈが翼板
２４の上方に位置することになる。したがつて、
使用者はコンパクトデイスクＤの周縁と中心孔Ｈ
とに指をかけてその記録面に触れることなくコン
パクトデイスクＤを取出すことができる。なお、
引出し板３０を引上げる際、所定の高さ位置にお
いて係合片３１が係合溝２９に係合するため、引
出し板３０が不用意に抜け出してしまうおそれは
ない。

他方、コンパクトデイスクＤを収納するには、
例えば引出し板３０が一杯に引出されている第８
図の状態において、コンパクトデイスクＤをその
引出し板３０に添わせてそれとともに押上げ部材
２０内に押込み、次いで押上げ部材２０をケース
本体１０内に押込めばよい。

なお、この実施例において、この収納ケースは
上述の如く厚紙からつくられるが、薄いプラスチ
ツク板を素材としてもよい。

〔効果〕

上記した実施例の説明から明らかなように、こ
の考案によれば、厚紙等の板材を所定形状に打抜
きそれに折曲げ加工を施すことによりつくること
ができるため、従来の成形金型を要するものに比
べて安価に提供することができる。また、紙製と
する場合には、通常の印刷手段によつて曲目や歌
手名等を直に印刷することができるため、この点
に関しても有利である。さらには、デイスクをケ
ース本体内から押出すようにしているため、従来
のケースカバー開閉式のものよりも操作性がよい
等、その効果は顕著である。

【図面の簡単な説明】

図はいずれもこの考案によるデイスク状記録媒
体収納ケースの実施例に関するもので、第１図は
同ケースの分割斜視図、第２図は同ケースの正面
図、第３図は平面図、第４図は底面図、第５図は
背面図、第６図は第２図のＡ−Ａ線断面図、第７
図は押上げ部材をケース本体から押上げた状態を
示す斜視図、第８図は引出し板を第７図の状態か
らさらに上方に引上げた状態を示す正面図であ
る。 図中、１０はケース本体、１１は正面壁、１２
は背面壁、１３は底壁、１４は側壁、１５は開口
部、１６はフラツプ、１７は収納溝、１８は仕切
板、１９は長孔、２０は押上げ部材、２１は底
板、２２は側板、２３は第１の折り目線、２４は
翼板、２５は第２の折り目線、２６はフランジ、
２７は第３の折り目線、２８は切欠き孔、２９は
係合溝、３０は引出し板、３１は係合片、３２は
長溝である。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) コンパクトデイスク等のデイスク状記録媒体
   を収納するためのケースであつて、 ともに同一の四角形状をなし所定の間隔をお
   いて対向配置された正面壁と背面壁およびそれ
   らの間の３つの側面を閉塞する側壁を有し残さ
   れた１つの側面が開放された偏平な箱体からな
   るケース本体と、該ケース本体内に出没可能に
   内蔵された押上げ部材と、該押上げ部材内に摺
   動自在に保持された引出し板とを含み、 上記ケース本体の開口部には上記押上げ部材
   の抜止め手段としてのストツパが設けられてい
   るとともに、上記正面壁と背面壁のいずれか一
   方には上記押上げ部材を上記開口部に向けて押
   し上げ可能とする長孔が穿設されており、 上記押上げ部材は底部において連結されかつ
   ともに立上がるように形成された１対の側板を
   有し、該側板の各々には折り目線を介して屈曲
   可能な翼板が連設されているとともに、該翼板
   の各端縁には上記ストツパと係合可能なフラン
   ジが形成されており、 上記引出し板は上記デイスク状記録媒体の周
   縁に当接可能であつてかつ該引出し板を上記押
   上げ部材内から引出す際所定の引出し位置にお
   いて上記側板のいずれか一方に形成されている
   係合溝に係合する係合片を備え、 上記デイスク状記録媒体は上記引出し板に添
   つてそれとともに上記押上げ部材内に保持さ
   れ、該押上げ部材が上記ケース本体内に押し下
   げられた位置にあるとき上記各翼板は互いに向
   い合う閉じられた状態に保持され、上記押上げ
   部材が上記ケース本体から押し上げられる際上
   記各翼板は上記ストツパと上記フランジとの係
   合により反対方向に開いて上記デイスク状記録
   媒体の一部が露出され、さらに上記引出し板を
   引出すことにより、上記デイスク状記録媒体が
   それとともに最終的な取出し位置に引出される
   ことを特徴とするデイスク状記録媒体収納ケー
   ス。 (2) 実用新案登録請求の範囲(1)において、上記ケ
   ース本体の正面壁と背面壁のいずれか他方には
   歌詞カード等を差込み可能とする収納溝が設け
   られていることを特徴とするデイスク状記録媒
   体収納ケース。 (3) 実用新案登録請求の範囲(1)において、上記翼
   板は上記折り目線と上記フランジとの間におい
   てそれらと平行に形成された山折り状の第２の
   折り目線を備えていることを特徴とするデイス
   ク状記録媒体収納ケース。 (4) 実用新案登録請求の範囲(1)において、上記引
   出し板にはその上端縁ほぼ中央から上記デイス
   ク状記録媒体の中心孔に対応する位置に向けて
   切込まれた長溝が設けられていることを特徴と
   するデイスク状記録媒体収納ケース。