JP4117586B2 - 車両の前部車体構造及びその組み立て方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両の前部車体構造及びその組み立て方法に関し、例えば、代表的な車両である自動車の前部車体構造及びその組み立て方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、代表的な車両である自動車においては、車体の所謂エプロンレインの部分に、その車両の車幅方向のカウルボックス、即ち閉空間(一部が開口している形態のものを含む)を設けることにより、その車体構造の剛性を向上する手法が知られており、このような技術の一例として、例えば本願出願人による特公平7−39271号では、カウルボックスをAピラー(フロントピラー)より車体方向前部に形成している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、近年においては、自動車に対する需要者のニーズの多様化から、車体構造におけるボンネット部分の車体前後方向への長さが短くなる傾向が有り、この場合、カウルボックスをAピラーより車体方向前部に形成することが困難なため、Aピラーの根元部分、或いは車室内側にカウルボックスを形成せざるを得ないこともある。また、これらの部材をAピラーの根元部分、或いは車室内側にてスポット溶接等によって接合するのは、溶接ガンの移動可能な領域が狭いため容易ではない。
【0004】
このようなカウルボックスの一例として、例えば特開平8−104256号では、カウルボックスをダッシュロアパネルにスポット溶接するに際して、該カウルボックスのアッパ部材に複数の穴を予め開けておき、その穴に溶接ガンを通して所定の溶接位置にて溶接し、溶接が完了した後に、当該アッパ部材の複数の穴を振動伝導率が低い別部材で塞ぐことにより、断面形状が車両の前後方向に長いカウルボックスが車室内に音を伝達させるのを防止している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来例においては、溶接が完了後に複数の穴に別部材を個々に取り付けていく作業工程が必要である。また、カウルボックスのアッパ部材自体に複数の穴を開けているため、車体構造の剛性を向上するというカウルボックスの本来の機能が低減される可能性がある。
【0006】
そこで本発明は、組み立てが容易で且つ剛性に優れた車両の前部車体構造及びその組み立て方法の提供を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明に係る車両の前部車体構造は、以下の構成を特徴とする。
【0008】
即ち、ダッシュロアパネルの上端フランジにカウルボックスが車幅方向に形成された車両の前部車体構造であって、前記カウルボックスは、前記ダッシュロアパネルの上端フランジに接合されたロアー部材、前記ロアー部材を上側から覆うように配置され、前記ダッシュロアパネルの上端フランジの上方の位置に溶接ガンの一方の電極を通す穴が形成されたカウルレイン、並びに前記ロアー部材及び前記カウルレインの各前端が接合されたフロントカウルにより構成されたアッセンブリ部品と、前記カウルレインを上側から覆うように配置され、車両前後方向の前方側及び後方側の双方において前記アッセンブリ部品に接合されたアッパー部材とにより構成されていることを特徴とする。
【0009】
また、上記の目的を達成するため、本発明に係る車両の前部車体構造の組み立て方法は、以下の構成を特徴とする。
【0010】
即ち、ダッシュロアパネルの上端フランジにカウルボックスが車幅方向に形成された車両の前部車体構造の組み立て方法であって、フロントカウルの下部フランジとカウルロアーの前部フランジとを接合し、カウルレインの前部フランジと前記フロントカウルの上部フランジとを接合し、前記カウルロアーの後部フランジと前記カウルレインの後部フランジとを接合することによってアッセンブリ部品を構成し、前記カウルレインには、前記アッセンブリ部品を前記ダッシュロアパネルの上端フランジに当接させたときに、その上端フランジに対向する位置に複数の穴を、前記アッセンブリ部品を構成する前に開けておき、溶接ガンの一方の電極を前記穴に通すことにより、前記アッセンブリ部品を構成する前記カウルロアーの所定位置と前記ダッシュロアパネルの上端フランジとの接合面に溶接ガンの電極を配置し、これらをスポット溶接により接合し、カウルアッパー及び前記アッセンブリ部品を構成する前記カウルレインの前部フランジ同士を接合すると共に、該カウルアッパー及び該カウルレインの後部フランジ同士を接合することを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る車両の前部車体構造を、代表的な車両である自動車に適用した実施形態として、図面を参照して詳細に説明する。
【0012】
図1は、本発明の一実施形態における車両の前部車体構造を示す要部斜視図であり、当該車体のエンジンルーム側からAピラーの根元方向に見た様子を示している。
【0013】
同図に示すように、本実施形態における車両の前部車体構造においては、カウルアッパー6、カウルレイン1、カウルロアー2、並びにフロントカウル3を接合させることにより、カウルボックスが、エプロンレイン12とAピラー11の根元部分から車幅方向に形成されている。また、当該車両の前部車体構造には、カウルロアー2の下方に、エンジンルームと車室とを仕切るダッシュロアパネル5が配設されている。カウルレイン1には、スポット溶接用の溶接ガンを通すための穴が複数設けられており、カウルロアー2とダッシュロアパネル5とは、カウルレイン1の穴を介して配置された溶接ガンにより溶接される。
【0014】
次に、本実施形態における車両の前部車体構造におけるカウルボックスの形成手順を、図2、図3、並びに図4を参照して説明する。
【0015】
図2から図4は、本発明の一実施形態における車両の前部車体構造の組み立て手順を説明する図であり、何れも図1のA−A断面位置に相当する位置における断面図である。
【0016】
まず、図2に示すようなアッセンブリ部品を形成すべく、フロントカウル3の下部フランジと、カウルロアー2の前部フランジとを接合する。次に、カウルレイン1の前部フランジとフロントカウル3の上部フランジとを接合すると共に、カウルロアー2の後部フランジとカウルレイン1の後部フランジとを接合する。
【0017】
本実施形態において、フロントカウル3は、図3に示すように上下のフランジ面が車両前方方向に折り曲げられた構造を有する。これは、フロントカウル3を、カウルロアー2の前部フランジ、カウルレイン1の前部フランジ、及び後述のようにカウルアッパー6の前部フランジに対して容易に接合するためであり、フロントカウル3に上下のフランジ面を設けることにより、溶接ガンを用いた接合を容易にできるという効果がある。
【0018】
次に、図3に示すように、ダッシュロアパネル5の上部フランジに、図2に示すアッセンブリ部品を構成するカウルロアー2の所定位置を当接させ、その当接した位置に溶接ガンの上側電極4Aと下側電極4Bを移動させ、ダッシュロアパネル5の上部フランジ方向にスポット溶接を行う。このとき、上側電極4Aは、同図に示すように、カウルレイン1の穴を通して個々の所定位置に到達させる。
【0019】
次に、図4に示すように、ダッシュロアパネル5に溶接されたアッセンブリ部品にカウルアッパー6を接合する。即ち、カウルレイン1及びカウルアッパー6の前部フランジ同士を接合すると共に、カウルレイン1及びカウルアッパー6の後部フランジ同士を接合する。これにより、図1に示すカウルボックスが形成される。
【0020】
尚、図4に示すフロントグラス7は、当該カウルボックスとフロントグラス7との位置関係を示すものであり、実際には後工程にて組み付けられる。
【0021】
このように、本実施形態によれば、複数の穴が開けられたカウルレイン1をカウルアッパー6により全て覆うことができと共に、当該複数の穴が存在することによる強度不足を容易に補うことができる。即ち、組み立てが容易で且つ剛性に優れた車両の前部車体構造が提供できる。
【0022】
<実施形態の変形例>
図5は、本発明の一実施形態の変形例としての車両の前部車体構造を示す断面図である。本変形例が上記の図4に示す構造と異なるのは、車両前方方向のカウルレイン1Aとカウルアッパー6Aとの接合部分において、カウルアッパー6Aの方が、カウルレイン1Aより長いことである。このような構造であっても、上記の実施形態と同様な効果が得られる。
【0023】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、組み立てが容易で且つ剛性に優れた車両の前部車体構造及びその組み立て方法の提供が実現する。
【0024】
即ち、請求項1及び請求項3の発明によれば、複数の穴が開けられたカウルレインをカウルアッパーにより全て覆うことができと共に、当該複数の穴が存在することによる強度不足を容易に補うことができ、組み立てが容易で且つ剛性に優れた車両の前部車体構造が実現する。
【0025】
また、請求項2の発明によれば、狭い空間に的確に溶接ガンを移動させ、スポット溶接することができる。
【0027】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態における車両の前部車体構造を示す要部斜視図である。
【図2】本発明の一実施形態における車両の前部車体構造の組み立て手順を説明する図である。
【図3】本発明の一実施形態における車両の前部車体構造の組み立て手順を説明する図である。
【図4】本発明の一実施形態における車両の前部車体構造の組み立て手順を説明する図である。
【図5】本発明の一実施形態の変形例としての車両の前部車体構造を示す断面図である。
【符号の説明】
1,1A:カウルレイン
2:カウルロアー
3:フロントカウル
4A:溶接ガンの上側電極
4B:溶接ガンの下側電極
5:ダッシュロアパネル
6,6A:カウルアッパー
7:フロントウィンドウ
11:Aピラー
12:エプロンレイン
Claims (3)
- ダッシュロアパネルの上端フランジにカウルボックスが車幅方向に形成された車両の前部車体構造であって、
前記カウルボックスは、
前記ダッシュロアパネルの上端フランジに接合されたロアー部材、前記ロアー部材を上側から覆うように配置され、前記ダッシュロアパネルの上端フランジの上方の位置に溶接ガンの一方の電極を通す穴が形成されたカウルレイン、並びに前記ロアー部材及び前記カウルレインの各前端が接合されたフロントカウルにより構成されたアッセンブリ部品と、
前記カウルレインを上側から覆うように配置され、車両前後方向の前方側及び後方側の双方において前記アッセンブリ部品に接合されたアッパー部材とにより構成されていることを特徴とする車両の前部車体構造。 - 前記フロントカウルの上面フランジが、車両前方方向に折り曲げられた構造を有することを特徴とする請求項1記載の車両の前部車体構造。
- ダッシュロアパネルの上端フランジにカウルボックスが車幅方向に形成された車両の前部車体構造の組み立て方法であって、
フロントカウルの下部フランジとカウルロアーの前部フランジとを接合し、カウルレインの前部フランジと前記フロントカウルの上部フランジとを接合し、前記カウルロアーの後部フランジと前記カウルレインの後部フランジとを接合することによってアッセンブリ部品を構成し、
前記カウルレインには、前記アッセンブリ部品を前記ダッシュロアパネルの上端フランジに当接させたときに、その上端フランジに対向する位置に複数の穴を、前記アッセンブリ部品を構成する前に開けておき、
溶接ガンの一方の電極を前記穴に通すことにより、前記アッセンブリ部品を構成する前記カウルロアーの所定位置と前記ダッシュロアパネルの上端フランジとの接合面に溶接ガンの電極を配置し、これらをスポット溶接により接合し、
カウルアッパー及び前記アッセンブリ部品を構成する前記カウルレインの前部フランジ同士を接合すると共に、該カウルアッパー及び該カウルレインの後部フランジ同士を接合することを特徴とする車両の前部車体構造の組み立て方法。
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- 1998-09-10 JP JP25723698A patent/JP4117586B2/ja not_active Expired - Fee Related
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