JP4117139B2 - フェロセン基含有ゲル化性有機化合物並びにそれを用いるゲル及びキャストフィルム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は新規なフェロセン基含有ゲル化性有機化合物並びにそれを用いたゲル及びキャストフィルムに関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
従来からフェロセン誘導体(フェロセン基含有化合物及びフェロセン基を含む導電性高分子を指す)について、その導電性を利用した各種用途が提案されている。例えば特開平5-103974号、特開平6-235812号及び特開平7-68156号には、フェロセン誘導体を界面活性剤(ミセル化剤)として用いて、電気化学的手法によりカラーフィルタ等の電子材料に利用できる有機薄膜を効率よく製造する方法が開示されている。
【0003】
またフェロセン誘導体からなる酸化還元層を用いる用途として、酵素をフェロセン誘導体からなるメディエーターにより修飾した導電性酵素と樹脂とからなる酵素電極用組成物(特開平7-151727号参照)、特定構造のフェロセン基含有化合物からなる単分子膜を金属電極とイオン感応膜の中間層として用いるイオン選択性電極(特開平8-327584号参照)、特定構造のフェロセン基含有化合物からなり、電気化学分析素子と組合せることによりDNA試料断片を電気化学的に検出するための検出キットを構成することができる縫い込み型インターカレーター(特開2001-226376号参照)等がある。
【0004】
また特開平8-245672号には、配向性に優れた特定構造のフェロセン誘導体からなる液晶化合物が開示されている。さらに特開2001-85075号には、架橋性重合体中にフェロセン誘導体及び溶媒を含包させた導電性高分子を光電変換素子の電解質層として利用する方法が開示されており、これにより従来よりも光電変換効率の高い光電変換素子が得られる。
【0005】
以上のようにフェロセン誘導体は上記各種用途に用いることができるが、最近、電気化学的に駆動制御可能なゲルアクチュエーター用材料として利用可能な優れた導電性を有する導電性高分子が望まれている。例えば特開平11-169393号には、固体電解質成形体とその表面に相互に絶縁状態で形成されたポリアニリン膜体とから構成される人工筋肉体であって、ポリアニリン膜体に電位差をかけることにより所定方向に自在に変形可能な人工筋肉体が開示されている。
【0006】
しかしながら、フェロセン基を含む導電性高分子としては、上記特開平5-103974号、特開平6-235812号及び特開平7-68156号に記載の方法のようにポリエチレングリコールにフェロセン基を付加したり、特開2001-85075号に記載の方法のように架橋性重合体中にフェロセン誘導体を含包させたりするものが主であった。このため導電性高分子中のフェロセン基の密度を上げることに限界があり、導電性が不十分であった。
【0007】
フェロセン基を含む導電性高分子のフェロセン基密度を上げるためには、フェロセン誘導体が会合性(自己組織性)、特にゲル化性を有するのが望ましい。フェロセン誘導体がゲル化性を有すれば、ゲルを形成した場合だけでなく、キャストフィルムを形成した場合にも、フェロセン基密度の向上が期待できる。しかし上記先行技術にはゲル化性を有するフェロセン誘導体の例はなかった。
【0008】
従って、本発明の目的は、フェロセン基含有ゲル化性有機化合物並びにそれを用いたゲル及びキャストフィルムを提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的に鑑み鋭意研究の結果、本発明者らは、合成二分子膜の分子設計(ゲルが形成される形態の一つとして、疎水部と親水部を含む両親媒性化合物から構成される二分子膜がファイバー構造に成長してゲルを形成することが従来から知られている)をベースとし、フェロセン基、アミノ酸アミド並びにアルキル基及び/又は少なくとも一個のエーテル結合を含むアルキル基を基本骨格とする新規な有機化合物が有機溶媒及びイオン性液体に対してゲル化性を有することを見出し、本発明に想到した。
【0010】
すなわち本発明のフェロセン基含有ゲル化性有機化合物は、一般式(I):
【化4】
(ただし、R1及びR2は同一又は別異の炭素数2以上のアルキル基又は少なくとも一個のエーテル結合を含むアルキル基を示し、X及びYはそれぞれ水素、メチル基、カルボキシル基又はヒドロキシメチル基を示す。またnは1又は2の整数を示す。)により表されることを特徴とする。
【0011】
一般式(I)により表される化合物に属するフェロセン基含有ゲル化性有機化合物としては、下記式(II):
【化5】
(ただし、R3及びR4は同一又は別異の炭素数2以上のアルキル基を示し、R5及びR6は同一又は別異の炭素数2〜20のアルキレン基を示し、X及びYはそれぞれ水素、メチル基、カルボキシル基又はヒドロキシメチル基を示す。またnは1又は2の整数を示す。)により表されるものが好ましく、下記式(III):
【化6】
により表されるものがより好ましい。
【0012】
また本発明は一般式(I)の化合物からなり、有機溶媒及びイオン性液体をゲル化し得るゲル化剤を提供するとともに、一般式(I)の化合物により構成される有機ゲル及びイオノゲル(イオン性液体のゲル)を提供する。一般式(I)の化合物によりゲル化される有機溶媒としてはアセトニトリルが好ましい。また一般式(I)の化合物によりゲル化されるイオン性液体としてはN-メチル-N'-メトキシメチルイミダゾリウムブロミドが好ましい。
【0013】
また本発明は、一般式(I)の化合物をキャスト製膜してなるキャストフィルムを提供する。
【0014】
本発明のフェロセン基含有ゲル化性有機化合物は、二本の長い疎水性鎖(アルキル鎖及び/又は少なくとも一個のエーテル結合を含むアルキル鎖)を有することにより分子が並びやすくなっているとともに、分子中にアミド基を3つ有するため、アミド基間の水素結合を介して分子が互いに相互作用して網目構造を形成しやすい化学構造を有している。そのため有機溶媒及びイオン性液体に対してゲル化性を有するものと解される。さらに本発明のフェロセン基含有ゲル化性有機化合物から構成されるゲルは、分子が一定の配向性を保って会合することによりフェロセン基が高密度で集積している。そのためフェロセン基間で効率良く電子移動が起こり、良好な導電性(酸化還元特性)を有する。
【0015】
【発明の実施の形態】
[1] フェロセン基含有ゲル化性有機化合物
一般式(I):
【化7】
(ただし、R1及びR2は同一又は別異の炭素数2以上のアルキル基又は少なくとも一個のエーテル結合を含むアルキル基を示し、X及びYはそれぞれ水素又は置換基を示す。またnは1又は2の整数を示す。)により表される本発明のフェロセン基含有ゲル化性有機化合物は、特定の有機溶媒及びイオン性液体に対してゲル化性を有することが見出されている。これは一般式(I)の化合物が、二本の長い疎水性鎖(アルキル鎖及び/又は少なくとも一個のエーテル結合を含むアルキル鎖)を有することにより分子が並びやすくなっているとともに、アミド基間の水素結合を介して分子が互いに相互作用して網目構造を形成しやすい(会合しやすい)化学構造を有しているためと解される。一般式(I)の化合物は疎水性鎖(アルキル鎖及び/又は少なくとも一個のエーテル結合を含むアルキル鎖)の存在により有機溶媒中での分散性を有する。また一般式(I)の化合物は分子中に電荷を有しないため、イオン性液体中でも分散性が良い。このため一般式(I)の化合物は、その会合性(自己組織性)が保持される程度に溶媒和できる適度な極性を有する有機溶媒及びイオン性液体に対してゲル化能を有するものと考えられる。
【0016】
一般式(I)の化合物をそのような有機溶媒及びイオン性液体中に静置して得られたゲルを、AFM(原子間力顕微鏡)、TEM(透過型電子顕微鏡)、暗視野光学顕微鏡等により観察すると、繊維状に絡み合った典型的なゲル構造が認められる。また一般式(I)の化合物は会合性を有するので、これを適当な溶媒に溶解又は分散させて電極基材上にキャストすれば、容易にキャストフィルムを形成することができる。
【0017】
以上のような特性を発揮するために、一般式(I)におけるR1及びR2は炭素数2以上のアルキル基又は少なくとも一個のエーテル結合を含むアルキル基である必要がある。但しアルキル基及び少なくとも一個のエーテル結合を含むアルキル基が長すぎると上述のような適度な極性を有する有機溶媒又はイオン性液体をゲル化せず溶解あるいは沈殿析出するので、アルキル基及び少なくとも一個のエーテル結合を含むアルキル基の長さは炭素数40以下であるのが好ましい。R1及びR2は同一又は別異のいずれでもよいが、同一のアルキル基であるか、又は同一のエーテル結合含有アルキル基であるのが好ましい。
【0018】
一般式(I)により表される化合物に属するフェロセン基含有ゲル化性有機化合物としては、下記式(II):
【化8】
(ただし、R3及びR4は同一又は別異の炭素数2以上のアルキル基を示し、R5及びR6は同一又は別異の炭素数2〜20のアルキレン基を示し、X及びYはそれぞれ水素又は置換基を示す。またnは1又は2の整数を示す。)により表されるものが好ましい。
【0019】
一般式(II)におけるR3及びR4は炭素数2以上のアルキル基が好ましい。すなわちR3又はR4をCH3−(CH2)a−として表すと1≦aである。但しアルキル基が長すぎると上述のような適度な極性を有する有機溶媒又はイオン性液体をゲル化せず溶解あるいは沈殿析出するので、アルキル基の長さは炭素数30以下であるのが好ましい。R3及びR4は同一又は別異のいずれでもよいが、同一の長さのアルキル基であるのが好ましい。
【0020】
また一般式(II)におけるR5及びR6は炭素数2〜20のアルキレン基であるのが好ましい。すなわちR5又はR6を−(CH2)b−として表すと、2≦b≦20である。R5及びR6は同一又は別異のいずれでもよいが、一般的には同一の長さのアルキレン基であるのが好ましい。またR3とR5の合計炭素数及びR4とR6の合計炭素数は40以下であるのが好ましい。40を超えると上述のような適度な極性を有する有機溶媒又はイオン性液体をゲル化せず溶解あるいは沈殿析出する恐れがある。
【0021】
さらに一般式(I)により表される化合物に属するフェロセン基含有ゲル化性有機化合物としては、下記式(III):
【化9】
により表されるものがより好ましい。
【0022】
一般式(I)により表されるフェロセン基含有ゲル化性有機化合物の更なる構造的特徴は、基本骨格としてアミノ酸アミドを含むことである。アミノ酸アミド骨格は、グルタミン酸アミド又はアスパラギン酸アミドからなる必要がある。
【0023】
このように基本骨格としてアミノ酸アミドを含むことにより、一般式(I)の化合物は分子中にアミド基を3つ有する。このためアミド基間の水素結合を介して分子が互いに相互作用して分子間会合を促進し、その結果網目構造を形成しやすい。
【0024】
一般式(I)により表されるフェロセン基含有ゲル化性有機化合物の更なる構造的特徴は、フェロセン基を含有することである。フェロセン基は酸化還元活性を有し、これによりゲル化性有機化合物に導電性を付与する。X及びYはそれぞれ水素又は置換基を表す。置換基としてはメチル基、カルボキシル基、ヒドロキシメチル基等を挙げることができる。またフェロセン基は疎水性であるが、高い分子配向性を有するアルキル鎖又は少なくとも一個のエーテル結合を含むアルキル鎖(疎水部)と対をなすことにより、一般式(I)の化合物を両親媒性化合物ならしめ、分子が会合する際の配向性を決定付け、二分子膜構造を形成しやすくする。
【0025】
一般式(I)により表される本発明のフェロセン基含有ゲル化性有機化合物は、各種合成法により調製することができる。略述すれば、一般式(I)におけるR1及びR2に対応するアルキル基又は少なくとも一個のエーテル結合を含むアルキル基を有する第一アミンとアミノ基を保護されたアミノ酸の二つのカルボキシル基とを反応させて二組のアミド結合を形成し、得られた化合物の保護基を除去した後、これにカルボン酸基を有するフェロセンを反応させてフェロセン部分を形成する。その結果アミド基を3つ及びフェロセン基を有する化合物が得られる。例えば上述の式(III)により表される化合物は図1のスキームに沿って合成することができる。
【0026】
[2] ゲルの形成
一般式(I)のフェロセン基含有ゲル化性有機化合物は特定の有機溶媒及びイオン性液体をゲル化することができる。ゲル化に適用される有機溶媒としては、アセトニトリル等の溶媒を挙げることができる。またゲル化に適用されるイオン性液体としては、下記式(IV):
【化10】
に示すN-メチル-N'-メトキシメチルイミダゾリウムブロミドを挙げることができる。式(IV)のイオン性液体は例えば特願2000-184298号に開示の方法に従って合成することができる。
【0027】
ゲルは、一般式(I)の化合物を有機溶媒又はイオン性液体に分散又は溶解させ、室温で放置することにより得られる。上記分散又は溶解により調製する分散液又は溶液の濃度は、5 〜100 mMであるのが好ましく、10 〜50 mMであるのがより好ましい。また上記分散又は溶解は、超音波照射下において行うことができ、必要に応じて加熱してもよい。なお加熱溶解した場合は、溶解後直ちに氷冷するのが好ましい。これにより堅いゲルが得られる。
【0028】
一般式(I)のフェロセン基含有ゲル化性有機化合物からなるゲルは、分子が一定の配向性を保って会合することによりフェロセン基が高密度で集積しているので、フェロセン基間で効率良く電子移動が起こる。そのため優れた酸化還元特性を有し、電気化学的に駆動制御できるゲルアクチュエーター用材料、光電変換素子の電解質層用材料、酵素電極における酸化還元層(酵素固定電極の固定層)用の材料等への応用の可能性を有している。特にイオン性液体をゲル化したイオノゲルは、固体電解質として電池分野への応用も期待できる。さらにルテニウムトリスビピリジン錯体等の光増感剤をゲル中に含包させれば、光駆動性のゲルアクチュエーター用材料が得られる可能性も有している。
【0029】
[3] キャストフィルムの形成
一般式(I)により表される本発明のフェロセン基含有ゲル化性有機化合物は、有機溶媒中で良好な分散性を有するので、多くの有機溶媒に対して溶解又は分散する。このような有機溶媒としてメタノール、エタノール等のアルコール、アセトン等のケトン、酢酸エチル等のエステル、テトラヒドロフラン等のフラン、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族系溶媒、ヘキサン、メチルシクロヘキサン等の脂肪族有機溶媒、クロロホルム、クロロシクロヘキサン、四塩化炭素等の塩素系有機溶媒等を挙げることができる。
【0030】
このため、会合性を有する一般式(I)の化合物を上述のような有機溶媒に適度な濃度で溶解又は分散させ、これを電極基材上にキャストし、溶媒を蒸発させることにより容易にキャストフィルムを形成することができる。得られたキャストフィルムは、分子が一定の配向性を保って会合することによりフェロセン基が高密度で集積しており、良好な酸化還元特性を有するので、電極基材とイオン感応膜の中間層用の材料、薄型表示素子用の材料等への応用の可能性を有している。
【0031】
【実施例】
本発明を以下の実施例により更に詳細に説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。
【0032】
実施例1
図1に示す反応スキームに従って、上述の式(III)により表されるフェロセン基含有ゲル化性有機化合物を調製した。
【0033】
(1) 化合物(A)の合成
200 mlナス型フラスコに3-ラウリルオキシプロピル-1-アミン(アクロス(株)製、Mw:243.43、蒸留品)4.3 g(17.8 mmol)、t-ブチルオキシカルボニル-L-グルタミン酸(Boc-L-Glu-OH、国産化学(株)製、Mw:247.11)2.0 g(8.1 mmol)、及びトリエチルアミン(キシダ化学(株)製、Mw:101.6、蒸留品)1.8 g(17.8 mmol)を投入し、乾燥テトラヒドロフラン(THF)150 mlに溶解した。氷冷下攪拌しながらシアノリン酸ジエチル(DEPC、Aldrich製、 Mw:163.11)2.9 g(17.8 mmol)を徐々に加えた。氷冷下で30分撹拌した後、室温で3日間攪拌した。その後THFを減圧留去し、淡黄色油状の残滓にクロロホルムを加えて溶解し、これに5重量%炭酸ナトリウム水溶液を加えて2回振とうし、さらにイオン交換水を加えて2回振とうした。次いでクロロホルム相を分取し、無水硫酸ナトリウムを加えて撹拌することにより余分な水分を除去した。吸引ろ過により硫酸ナトリウムを除去した後、クロロホルムを減圧留去し、淡黄色の固体残滓にアセトンを加えて再結晶を行い、無色粉末を得た(化合物(A)、収量=3.4g、収率=60.2 %)。
【0034】
(2) 化合物(B)の合成
上記化合物(A)(Mw:698.07) 3.4g(4.9 mmol)を乾燥ジクロロメタン100 mlに溶解し、攪拌しながらトリフルオロ酢酸(TFA、キシダ化学(株)製、Mw:114.02)を全体の20 重量%になるように加え、室温で一晩攪拌した。その後、トリフルオロ酢酸とジクロロメタンを減圧留去し、油状の残滓に約50 mlのアセトンを加えて溶解し、氷冷下35 重量%塩酸水溶液を1 ml加え、生じた沈殿を濾別した。これを酢酸エチルにより二回再結晶化し、無色粉末を得た(化合物(B)、収量 = 1.40 g、収率 = 40.9 %)。
【0035】
(3) フェロセン基含有ゲル化性有機化合物(III)の合成
上記化合物(B)(Mw:634.12) 1.0 g(1.58 mmol)とトリエチルアミン(キシダ化学(株) 製、Mw:101.6) 0.20 g(1.8 mmol)をクロロホルムに溶解し、さらにイオン交換水を加えて振とうした。クロロホルム相を分取し、無水硫酸ナトリウムを加えて一晩乾燥した。その後硫酸ナトリウムを濾別し、クロロホルムを減圧留去した。次いで残滓に乾燥ジクロロメタンを加えて溶解し、さらにトリエチルアミン (Mw:101.6、蒸留品) 0.20 g(1.8 mmol)及びフェロセンカルボン酸(Aldrich製、Mw:230.05)0.40 g(1.73 mmol)を加えた。これに氷冷攪拌下、N,N-ビス(2-オキソ-3-オキサゾリジニル)-ホスフィン酸クロリド(Bop-Cl、東京化成(株)製、Mw:254.56)0.44 g(1.73 mmol)を添加した。このまま氷冷下で30分、室温で3日間攪拌した。ジクロロメタンを減圧留去した後、残滓にクロロホルムを加えて溶解し、5重量%炭酸水素ナトリウム水溶液を加えて振とうし、さらに塩酸水溶液(pH=4〜5)を加えて振とうし、次いでイオン交換水を加えて振とうした。その後クロロホルム相を分取し、無水硫酸ナトリウムを加えて一晩乾燥した。次いで吸引ろ過により硫酸ナトリウムを取り除いた後にクロロホルムを減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:CHCl3)に付すと4種の成分に分離されることが分かったので、分離されて出て来る順に第1〜第4成分とした。このうち第1成分(不明成分)及び第2成分(不明成分)を分取し、取り除いた。残りの成分について、展開溶媒をCHCl3:CH3OH=10:1の混合溶媒に変え、シリカゲルカラムクロマトグラフィーに付すことにより第3成分(後述するように上述の式(III)により表されるフェロセン基含有ゲル化性有機化合物(III))のみを分取した。得られた第3成分をヘキサンにより再結晶化し、白黄色固体を得た(収量 = 0.4 g、収率 = 31 %)。得られた生成物の融点は82.1 〜83.5 ℃であった。また得られた生成物を同定するためFT-IR測定を行った。その結果を図2及び表1に示す。
【0036】
【0037】
また得られた生成物を同定するため1H-NMR測定を行った。その結果を図3及び表2に示す。またその帰属を明らかにするための式を下記式(V)として示す。
【0038】
【0039】
【化11】
【0040】
さらに得られた生成物の元素分析を行った。その結果を表3に示す。
【0041】
【0042】
以上の分析結果により上述の式(III)により表されるフェロセン基含有ゲル化性有機化合物(III)(N-フェロセニル-ジ(3-ラウリルオキシプロピル)-L-グルタミン酸)が合成されたと判断した。
【0043】
実施例2
実施例1で調製したフェロセン基含有ゲル化性有機化合物(III) (Mw:810、以下特に断らない限り「化合物(III)」と称する)をアセトニトリルに添加し(濃度:10 mM)、加熱により溶解させて30分間室温で静置した。得られた有機ゲルの表面をゲル転写法によりHOPG基板(グラファイト基板、HOPG:Highly Oriented Pyrolytic Graphite)に写しとり(図4参照)、風乾した試料をAFM(原子間力顕微鏡)により観察した。結果を図5(a),(b)に示す。また図5(a)のA-A断面におけるゲル表面の高低差を図6に示す。また得られた有機ゲルの表面をゲル転写法によりTEMグリッド(カーボン蒸着メッシュ)に写しとり(図4参照)、風乾した後リン酸タングステン酸水溶液(濃度:2重量%)を一滴滴下した試料をTEM(透過型電子顕微鏡)により観察した。結果を図7(a),(b)に示す。図5〜7より直径50 〜400 nmの繊維が絡み合った網目構造が認められた。このような網目構造がアセトニトリルを含んで膨潤し、有機ゲルを与えたことが判る。この網目構造はフェロセン基含有ゲル化性有機化合物(III)からなる二分子膜がファイバー構造に成長したものと解される。
【0044】
実施例3
実施例1で調製したフェロセン基含有ゲル化性有機化合物(III)をアセトニトリル及びN-メチル-N'-メトキシメチルイミダゾリウムブロミドに添加し(各濃度:20 mM)、加熱により溶解させて30分間室温で静置した。得られた有機ゲル及びイオノゲルをスライドガラス上に置き、カバーガラスで覆って押しつぶし、暗視野光学顕微鏡により観察した。その結果有機ゲルにおいては、実施例2でのAFM観察及びTEM観察と同様に繊維状の構造が認められた(図8(a)参照)。さらに有機ゲルの微結晶が認められたが(図8(b)参照)、微結晶の存在が、有機ゲルについて二分子膜から構成される微結晶が繊維状に会合した構造をとることを示唆するのか、又は有機ゲルをカバーガラスの上から押しつぶした際に繊維状会合体が結晶化したことを示唆するのかは定かではない。
【0045】
一方イオノゲルにおいては、ゲル相とイオン性液体相との界面が観察された(図9参照)。図9において、濁った部分がイオノゲル(化合物(III) + イオン性液体)部分であり、透明な部分(左上部)がイオン性液体相である。但し有機ゲルにおいて観られたようなミクロンレベルの繊維状構造は観察されなかった。イオン性液体が従来の両親媒性化合物によりゲル化されたゲルは、二分子膜がファイバー構造に成長したものであることが知られているが(例えば特願2001-065643号参照)、化合物(III)から構成されるイオノゲルは必ずしも繊維状の会合体とはならず、二分子膜から構成される微結晶が高濃度で存在する領域(ドメイン)でイオン性液体の粘性が極めて高くなり、その結果ゲルが形成されている可能性がある。なおイオノゲル中に多数の気泡らしきもの(円形のもの)も観察されるが、これとゲルの形成との関係は定かではない。
【0046】
実施例4
シャーレ中にアセトニトリル、実施例1で調製したフェロセン基含有ゲル化性有機化合物(III)を入れ(濃度:20 mM)、化合物(III)を溶解させるためにプローブ型ソニケーターによって超音波を照射した。この溶液にITO基板(60 Ω)を浸した。これを氷冷し、ITO基板上にゲルを形成させた後、一部を切り取って電極とした。得られたゲル電極(ITO基板 + 化合物(III)のアセトニトリルゲル)を陽極とし、白金電極を陰極とし、Ag/AgClを参照電極とし、NaClO4水溶液(濃度0.5 M)を支持電解質として、有機ゲルの酸化還元特性をサイクリックボルタメトリ測定により調べた(掃引速度:50 mV/s)。得られたサイクリックボルタメトリ曲線(C-V曲線)を図10に示す。図10から、有機ゲルは良好な酸化還元特性を有すると言える。
【0047】
実施例5
実施例1で調製したフェロセン基含有ゲル化性有機化合物(III)のメタノール溶液(濃度:0.5 mM) 0.5 mLを、1.0 cm × 3.0 cm のITO基板(60 Ω)に3回に分けてキャストしたものを風乾し、ITO基板上に化合物(III)のキャストフィルムを形成した。得られたキャストフィルム電極を陽極とし、白金電極を陰極とし、Ag/AgClを参照電極とし、NaClO4 水溶液(濃度0.5 M)を支持電解質としてキャストフィルムの酸化還元特性をサイクリックボルタメトリ測定により調べた(掃引速度:15 〜200 mV/s)。得られたC-V曲線を図11に示す。図11から、化合物(III)からなるキャストフィルムは良好な酸化還元特性を有すると言える。
【0048】
さらに図11のC-V曲線より得られたピーク電流(ip)と掃引速度(v)との対数プロットを図12に示す。一般にこのプロットの傾きにより電子授受の状態がわかる[化合物(III)からなるキャストフィルムは、化合物(III)のアルキル鎖がITO基板側に配向した吸着単分子膜の上に多層二分子膜が形成された構造をとっていると推測される。そうであればキャストフィルム中の電子移動は、電子がフェロセン基間をホッピングしていくことにより起こるものと推測される。ただし電圧をかけた場合、上記吸着単分子膜中の化合物(III)は、電子授受を行う際にフェロセン基をITO基板側に配向するように少なくとも回転するものと考えられる。この時上記プロットの傾きが1.0ならば、ITO基板との電子授受に預かる分子種がITO基板に吸着固定化されたままであることを示唆し、一方プロットの傾きが0.5ならば、ITO基板との電子授受に預かる分子種が、係る電子授受の前後においてITO基板とキャストフィルムとの界面で拡散している(動いている)ことを示唆している。後者の場合、少なくとも上記吸着単分子膜は部分的に乱れた構造をとるものと考えられる。]。図12のプロットの傾きが0.44であることは、ITO基板との電子授受に預かる分子種が、係る電子授受の前後においてITO基板とキャストフィルムとの界面で拡散していることを示唆している。
【0049】
このように本発明のフェロセン基含有ゲル化性有機化合物は有機溶媒及びイオン性液体に対してゲル化性を有するので、これらのゲルは多様な分野へ利用展開できる可能性を有している。また本発明のフェロセン基含有ゲル化性有機化合物は電極基材上に容易にキャストフィルムを形成することができ、得られたキャストフィルムは良好な酸化還元特性を示す。
【0050】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明のフェロセン基含有ゲル化性有機化合物は特定の有機溶媒及びイオン性液体に対してゲル化性を有する。本発明のフェロセン基含有ゲル化性有機化合物からなるゲルは、優れた酸化還元特性を有し、電気化学的に駆動制御できるゲルアクチュエーター用材料、光電変換素子の電解質層用の材料、酵素電極における酸化還元層(酵素固定電極の固定層)用の材料等への応用の可能性を有している。特にゲルアクチュエーターは、マイクロサージェリー分野の医療器具や、マイクロマシン(例えばロボット、モーター等に備える)等に用いる人工筋肉体として有用である。またイオン性液体をゲル化したイオノゲルは固体電解質として電池分野への応用も期待できる。さらにルテニウムトリスビピリジン錯体等を光増感剤としてゲル中に包括させれば、光駆動性のゲルアクチュエーター用材料が得られる可能性も有している。
【0051】
また本発明のフェロセン基含有ゲル化性有機化合物は、電極基材上に容易にキャストフィルムを形成することができ、得られたキャストフィルムは良好な酸化還元特性を示すので、金属電極とイオン感応膜の中間層用材料、薄型表示素子用の材料等への応用の可能性を有している。
【図面の簡単な説明】
【図1】 フェロセン基含有ゲル化性有機化合物(III)の合成スキームを示すフローチャートである。
【図2】 フェロセン基含有ゲル化性有機化合物(III)のFT-IRスペクトルを 示すグラフである。
【図3】 フェロセン基含有ゲル化性有機化合物(III)の1H-NMRスペクトル を示すグラフである。
【図4】 ゲル転写法の工程を示すフローチャートである。
【図5】 (a),(b)ともにフェロセン基含有ゲル化性有機化合物(III)にアセ トニトリルを添加し(濃度:10mM)、作製したアセトニトリルゲルの原子間力 顕微鏡写真である。
【図6】 図5(a)のアセトニトリルゲルのA-A断面における表面の高低差を示すグラフである。
【図7】 (a),(b)ともにフェロセン基含有ゲル化性有機化合物(III)にアセトニトリルを添加し(濃度:10mM)、作製したアセトニトリルゲルの透過型電子顕微鏡写真である。
【図8】 (a),(b)ともに、フェロセン基含有ゲル化性有機化合物(III)にアセトニトリルを添加し(濃度:20mM)、作製したアセトニトリルゲルの暗視野光学顕微鏡写真である。
【図9】 フェロセン基含有ゲル化性有機化合物(III)にN-メチル-N'-メトキシメチルイミダゾリウムブロミドを添加し(濃度:20mM)、作製したイオノゲルの暗視野光学顕微鏡写真である。
【図10】 ITO基板 と化合物(III)のアセトニトリルゲルとからなるゲル電極のサイクリックボルタメトリ曲線である。
【図11】 ITO基板 と化合物(III)のキャストフィルムとからなるキャストフィルム電極のサイクリックボルタメトリ曲線である。
【図12】 図11のサイクリックボルタメトリ曲線より得られたピーク電流と掃引速度の対数プロットである。
Claims (10)
- 請求項1〜3のいずれかに記載のフェロセン基含有ゲル化性有機化合物において、有機溶媒及びイオン性液体をゲル化し得ることを特徴とするフェロセン基含有ゲル化性有機化合物。
- 請求項1〜4のいずれかに記載のフェロセン基含有ゲル化性有機化合物により構成されることを特徴とするゲル。
- 請求項5に記載のゲルにおいて、前記ゲル化性有機化合物と有機溶媒からなることを特徴とするゲル。
- 請求項6に記載のゲルにおいて、前記有機溶媒はアセトニトリルであることを特徴とするゲル。
- 請求項5に記載のゲルにおいて、前記ゲル化性有機化合物とイオン性液体からなることを特徴とするゲル。
- 請求項8に記載のゲルにおいて、前記イオン性液体はN-メチル-N'-メトキシメチルイミダゾリウムブロミドであることを特徴とするゲル。
- 請求項1〜4のいずれかに記載のフェロセン基含有ゲル化性有機化合物をキャスト製膜してなることを特徴とするキャストフィルム。
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