JP4116488B2 - 収納・搬送用トレイ - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は収納・搬送用トレイに関する。さらに詳しくは、本発明は、種々の形状や大きさを有する各種物品を複数個収納及び/又は搬送するためのトレイであって、例えば搬送時の振動や衝撃などによって収納物品が落下するのを防止し得ると共に、該物品に好ましくない汚染をもたらすことがなく、特に光学部品や電子部品などの精密部品用として好適な収納・搬送用トレイに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、一般工業製品や精密部品などの物品を収納、保管、搬送するためにトレイや容器などが用いられている。このトレイや容器においては、特に搬送時の振動や衝撃などによって、収納物品が移動したり、落下するのを防止することが重要である。したがって、この移動や落下を防止するために、例えば収納する物品の形状に合わせて収納・搬送用トレイを製作することが行われている(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。しかしながら、この場合、収納物品の形状が変更するごとに、収納・搬送用トレイを成形する金型をつくりかえる必要があり、例えば設計変更の多い光学部品や電気機器のハウジング材では、多大な金型を用意しなければならず、経済的に不利となるのを免れないという問題があった。また、収納することができる物品についても、複数の形状には対応できない場合があるなどの問題があった。
ところで、工場で製品を製造する場合において、ある工程で作業が終了して、次の工程へ中間製品などを搬送する際に、搬送トレイを使用することが多い。例えば液晶表示装置を照明するために使用される導光板の一方の面に反射材を蒸着する際に、前工程の終了後、各導光板は、蒸着工程の作業場所まで搬送トレイで搬送される。このような搬送の場合、反射材が蒸着される面、あるいはさらにその後の工程で他の処理が施される面は、汚染されるのをできるだけ避けなければならない。このように、光学部品や電子部品などの精密部品の収納、保管、搬送においては、収納物品が汚染されるのを著しく嫌う場合が多い。
【特許文献1】
特開2002−370744号公報
【特許文献2】
特開2002−370793号公報
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような事情のもとで、種々の形状や大きさを有する各種物品を複数個収納及び/又は搬送するためのトレイであって、例えば搬送時の振動や衝撃などによって収納物品が落下するのを防止し得ると共に、該物品に好ましくない汚染をもたらすことがなく、特に光学部品や電子部品などの精密部品用として好適な収納・搬送用トレイを提供することを目的としてなされたものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記の優れた機能を有する収納・搬送用トレイを開発すべく鋭意研究を重ねた結果、支持体上に物品を載置して収納及び/又は搬送するトレイにおいて、前記支持体の少なくとも表面層を外気と連通した開口を有する吸盤構造とすることにより、粘着剤などを用いなくとも、該部品が支持体上に吸着固定され、しかも粘着剤などによる汚染がなく、その目的を達成し得ることを見出し、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、
(1)方形状の上部トレイ部材、下部トレイ部材及び支持体からなり、被支持面が平面である物品収納搬送トレイであって、上部トレイ部材は、該部材の方形状の外周に沿ってフランジ部が設けられると共に、複数のスリットが平坦部を挟んで平行に設けられてなり、下部トレイ部材には、前記上部トレイ部材のフランジ部に合わせて密着させるフランジ部が該部材の方形状の外周に前記上部トレイ部材のフランジ部に対応して設けられると共に、下部トレイ部材には、該フランジ部とフランジ部と密着させたとき各スリットから突出する複数の凸条部が設けられてなり、かつ該各凸条部間は平坦部を有し、前記物品を載置するための支持体は、該支持体の表面層が外気と連通した開口を有する吸盤構造を有し、該支持体上部トレイ部材と下部トレイ部材により挟持され固定され、上部トレイ部材の平坦部と下部トレイ部材の平坦部と密着させることを特徴とする収納・搬送用トレイ、
(2)上部トレイ部材の裏面側から見て凹条となる凹条溝からなる複数の仕切り壁が上部トレイ部材の平坦部に平行に設けられた構造を有しており、下部トレイ部材の平坦部には、前記上部トレイ部材の裏面側凹条溝に対応する凸条部が設けられている第1項に記載の収納・搬送用トレイ、
(3)上部トレイ部材及び下部トレイ部材が、ポリオレフィン系樹脂100重量部に対し無機充填剤10〜100重量部を配合したものである第1項又は第2項に記載の収納・搬送用トレイ、
(4)上部トレイ部材の厚さは0 . 3〜1 . 2mmであり、下部トレイ部材の厚さは0 . 4〜2mmである第1〜3項のいずれかに記載の収納・搬送用トレイ、
)支持体がシート状であって、表面層が吸着性発泡体層である第1〜4項のいずれかに記載の収納・搬送用トレイ、
)吸着性発泡体層が、合成樹脂エマルジョンを機械発泡させ、加熱処理して形成させたものである第項記載の収納・搬送用トレイ、
)支持体が、基材シートの表面に吸着性発泡体層を有するものである第項記載の収納・搬送用トレイ、
)支持体が、吸着性発泡体シートである第項記載の収納・搬送用トレイ、及び
)支持体上に載置する物品が、精密部品である第1〜8項のいずれかに記載の収納・搬送用トレイ、
を提供するものである。
【0005】
【発明の実施の形態】
本発明の収納・搬送用トレイは、被支持面が平面である物品を収納及び/又は搬送するためのトレイであって、前記物品を載置するための支持体を有している。そして、前記支持体は、通常シート状であって、その上に載置される物品を吸着固定するために、該支持体の少なくとも表面層が外気と連通した開口を有する吸盤構造を形成している。このように、表面層が吸盤構造であるシート状の支持体としては、少なくとも表面層が吸着性発泡体層であるシートを用いることができる。この場合、表面層が吸着性発泡体層であればよく、シート全体が吸着性発泡体である必要はないが、もちろんシート全体が吸着性発泡体であってもかまわない。すなわち、支持体としては、適当な基材シートに吸着性発泡体層を設けたものを用いてもよいし、吸着性発泡体シートを用いてもよい。
前記吸着性発泡体としては、表面が外気と連通した開口を有する吸盤構造を形成しているものであれば特に制限されず、連続気泡体及び独立気泡体のいずれであってもよい。連続気泡体としては、例えば特開平1−259043号公報に記載されている発泡体を挙げることができる。この発泡体は、少なくとも被吸着物品を載置する側の表面が、微細孔を有する平坦な連続樹脂面を形成し、該微細孔は、その径より大きな径をもつ内部の気泡に連続すると共に、該内部の気泡は、他の気泡と細径管にて連続した構造を有し、かつ前記連続樹脂層が合成樹脂からなる発泡体である。ここで、微細孔を有する平坦な連続樹脂面とは、プラスチックシートに孔を開けたような微細孔がほぼ均質に分布した構造を意味する。この微細孔の径及び空隙率は特に制限はないが、その上に載置される物品の吸着固定性の面から微細孔の平均径が50μm以下で、空隙率が5〜25%程度が好ましい。また、前記表面層より中心部に存在する内部の気泡の平均径は、前記した表面の微細孔の平均径よりも大きく、1.5〜5倍程度であることが好ましい。
【0006】
この発泡体を構成する合成樹脂については特に制限はなく、フェノール樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリオレフィン樹脂、フッ素樹脂、ポリアセタール樹脂、エポキシ樹脂、アルキッド樹脂、ブタジエン系合成ゴムなどが例示され、これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
これらの中でウレタン樹脂、アクリル樹脂、ブタジエン系合成ゴムが好ましく、特にウレタン樹脂とアクリル樹脂及び/又はブタジエン系合成ゴムの混合物が好適である。
この発泡体からなる層又は発泡体からなるシートを製造するには、前記例示の合成樹脂をエマルジョンの形態で用いることが好ましい。該エマルジョンにおける合成樹脂の含有量は、通常30〜60重量%程度である。この合成樹脂エマルジョンに、必要に応じ各種添加剤、例えば架橋剤、起泡剤、整泡剤、粘度調節剤、着色剤、充填剤、酸化防止剤、防カビ剤などを配合し、機械発泡機にて空気と混合し、気泡を含有する発泡性エマルジョンを調製する。これを、基材シート上に塗工し、熱処理することにより、吸着性発泡体層を形成させることができる。また、離型紙上、あるいは離型性枠内で発泡体を成形した後に、これらを除去することにより、吸着性発泡体シートを作製することができる。この方式において、配合、機械発泡、塗工及び熱処理の各工程における条件を選定することにより、所望の気泡構造を有する吸着性発泡体層や吸着性発泡体シートが得られる。
なお、前記機械発泡の代わりに、例えば塩化ビニリデン共重合体などの適当な合成樹脂を殻壁とし、低沸点炭化水素系化合物を内包する熱膨張性マイクロカプセルを、アクリル樹脂エマルジョンやブタジエン系合成ゴムエマルジョンに添加する方法などにより、発泡性エマルジョンを調製することもできる。
【0007】
本発明で用いる支持体が基材シートの表面に前記の吸着性発泡体層を有するものである場合、支持体全体の厚さは、通常60〜1,100μm、好ましくは85〜550μmであり、また発泡体層の厚さは、通常50〜1,000μm、好ましくは70〜500μmである。また、前記基材シートとしては、例えば紙基材、合成紙、プラスチックシートなどを用いることができる。ここで、紙基材としては、例えば上質紙、アート紙、コート紙、クラフト紙、これらの紙基材にポリエチレンなどの熱可塑性樹脂をラミネートしたラミネート紙などが挙げられる。合成紙は、熱可塑性樹脂と無機充填剤との組合わせにより表層を紙化したものであって、例えばポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂合成紙などを用いることができる。一方、プラスチックシートとしては、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、各種オレフィン系共重合体などのポリオレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどのポリエステル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリテトラフルオロエチレンなどのフッ素系樹脂及びこれらの樹脂の混合物又は積層物からなるシートを用いることができる。
【0008】
また、本発明で用いる支持体が吸着性発泡体シートである場合、支持体の厚さは、通常50〜1,000μm、好ましくは70〜500μmである。
一方、独立気泡体としては、例えば前述の基材シート上で、アクリル樹脂、エチレン−酢酸ビニル樹脂、スチレンブタジエンゴム、天然ゴムなどの合成樹脂材料又はゴム材料を化学発泡させ、吸着性発泡体層を形成したものを挙げることができる。この場合、支持体全体の厚さ及び発泡体層の厚さは、前述の連続気泡体の場合と同様である。
本発明の収納・搬送用トレイは、前記支持体が上部トレイ部材と下部トレイ部材により挟持され、固定された構造を有しており、また、前記上部トレイ部材と下部トレイ部材が着脱自在に密着し得る構造を有している。
支持体を上部トレイ部材と下部トレイ部材により挟持することにより、粘着剤や両面粘着テープなどにより固定しなくても、支持体がずれることなく容易に固定することができる。もちろん、粘着剤や両面粘着テープなどにより、支持体を下部トレイ部材に固定したのち、該支持体の上に上部トレイ部材を載置して挟持してもよい。
本発明の収納・搬送用トレイにおいて、前記支持体を挟持する上部トレイ部材及び下部トレイ部材の構造については、該支持体を挟持して固定することができ、しかも物品を載置し、吸着固定するために、支持体の吸盤構造を有する表面の少なくとも一部が上部トレイ部材から露出する構造を有するものであればよく、特に制限はないが、例えば図1に示す構造の上部トレイ部材及び下部トレイ部材を用いることができる。
図1は、上部トレイ部材の異なる例の断面図(a)及び下部トレイ部材の1例の断面図(b)であって、(a)で示すように上部トレイ部材は(イ)、(ロ)の2つの態様が例示されている。(イ)で示される上部トレイ部材20は、形状が例えば方形状の外周に沿ってフランジ部23が設けられると共に、複数のスリット(図では3個)21が平行に設けられた構造を有している。22は平坦部である。一方、(ロ)で示される上部トレイ部材20'は形状が例えば方形状の外周に沿ってフランジ部23'が設けられると共に、複数のスリット(図では3個)21'が平行に設けられており、そして物品載置のための複数の裏面側が凹条溝の仕切り壁(図では2個)24が平行に設けられた構造を有している。22'は平坦部である。
下部トレイ部材10は、(b)で示されるように、前記上部トレイ部材のフランジ部23又は23'に対応して、例えば形状が方形状の外周にフランジ部13が設けられると共に、前記上部トレイ部材のスリットに対応して、底面に複数の凸条部(図では3個)11が平行に設けられており、そして前記各凸条部間は平坦12を形成している構造を有している。なお、この平坦12には、所望により、前記上部トレイ部材20'の仕切り壁24の裏面側凹条溝に対応する凸条部を設けることができる。上部トレイ部材と下部トレイ部材を密着させる際、この凸条部を前記凹条溝に嵌合させることにより、固定がより確実となる。
前記上部トレイ部材20又は20'と下部トレイ部材10とを、それぞれのフランジ部23又は23'と13とを合わせて密着させることにより、下部トレイ部材の凸条部11が、上部トレイ部材のスリット21又は21'から突出する。したがって、このような上部トレイ部材及び下部トレイ部材を用いて、支持体を挟持した場合、例えば図2に示すような状態となる。
【0009】
図2は、支持体を上部トレイ部材と下部トレイ部材により挟持した場合の状態の1例を示す断面図であって、上部トレイ部材として、前記図1(a)(イ)で示される上部トレイ部材20を用いた例である。この図2で示されるように、支持体30は、上部トレイ部材の平坦部22と下部トレイ部材の平坦部12と密着しており、したがって、該支持体30の上部トレイ部材の平坦部22と接触する側は、吸盤構造を有しているので該平坦部に吸着固定される。また、支持体が、その反対側の表面にも吸盤構造を有している場合には、下部トレイ部材の平坦部12及び凸条部11にも吸着固定されるので、支持体の固定はより、一層しっかりしたものとなる。
上部トレイ部材のスリットから突出した下部トレイ部材の凸条部30上に設けられている支持体の上に、物品が載置され、吸着固定されて収納及び/又は搬送される。
上部トレイ部材のスリットの形状や長さ、幅などのサイズについては特に限定はなく、任意の形状やサイズを採用することができる。また、複数のスリットに跨る状態で一つの物品を吸着固定することができる。この場合は、上部トレイ部材として、前記図1(イ)で示される仕切り壁のない上部トレイ部材20を用いることが好ましい。
本発明においては、前記上部トレイ部材と下部トレイ部材は、着脱自在に密着し得る構造を有しているが、その方式については特に制限はなく、様々な方式を用いることができる。例えば後述の実施例で示すように、上部トレイ部材のフランジ部に複数個設けたボスを、下部トレイ部材のフランジ部に、前記ボスに対応して複数個設けたボス穴に嵌合させる方式を用いてもよいし、あるいは各フランジ部を両面粘着テープにより固定する方式、クリップにより固定する方式、ホッチキスにより固定する方式などを用いることができる。
【0010】
なお、本発明の収納・搬送用トレイの各部分を示す分解斜視図及び本発明の収納・搬送用トレイの全体斜視図などについては後で示す。
上部トレイ部材や下部トレイ部材を構成する材料としては、例えばポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂などの熱可塑性樹脂が用いられる。これらの中でポリオレフィン系樹脂が好ましい。このポリオレフィン系樹脂としては、特に制限はなく、例えばエチレン、プロピレン、ブテン−1、3−メチルブテン−1、3−メチルペンテン−1、4−メチルペンテン−1などのα−オレフィンの単独重合体やこれらの共重合体、あるいはこれらと他の共重合可能な不飽和単量体との共重合体などが挙げられる。代表例としては、高密度、中密度、低密度ポリエチレンや直鎖状低密度ポリエチレン、超高分子量ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体などのポリエチレン類、プロピレン単独重合体、プロピレン−エチレンブロック共重合体やランダム共重合体、プロピレン−エチレン−ジエン化合物共重合体などのポリプロピレン類、ポリブテン−1、ポリ4−メチルペンテン−1などを挙げることができる。
【0011】
この上部トレイ部材や下部トレイ部材には、必要に応じ無機充填剤を含有させることができる。この無機充填剤としては、タルク、炭酸カルシウム、マイカ、酸化チタン、酸化鉄、クレイ、カーボンブラック、ホワイトカーボン、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム等が用いられ、それぞれの充填剤の種類により剛性が異なるので、この点を考慮して選定される。
前記無機充填剤の配合量については特に制限はないが、前記熱可塑性樹脂としてポリオレフィン系樹脂を用いる場合、ポリオレフィン系樹脂100重量部に対し、通常10〜100重量部の範囲で選定される。この配合量が10重量部未満では剛性の発現が不十分であるし、100重量部を超えるともろくなる傾向がみられる。剛性と靭性のバランスなどを考慮すると、この無機充填剤の好ましい配合量は20〜80重量部の範囲である。
また、該トレイ部材には、所望により、各種添加成分、例えば酸化防止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、光安定剤、塩素捕捉剤、難燃剤、難燃助剤、滑剤、離型剤、着色剤、さらには可塑剤やプロセスオイルや流動パラフィンなどの軟化剤、他の熱可塑性樹脂や熱可塑性エラストマーなどを適宜含有させることができる。
上部トレイ部材や下部トレイ部材を製造するには、まず前述の熱可塑性樹脂のシートを作製し、次いで真空成形又は真空圧空成形などの公知の方法によって所望形状に成形する方法を用いることができる。前記熱可塑性樹脂のシートを作製するには、まず、ポリオレフィン系樹脂などの熱可塑性樹脂と所望により用いられる無機充填剤及び各種添加成分とを所定の割合で配合し、タンブラーブレンダー、ヘキシェルミキサーなどで混合するか、又は混合後さらに単軸押出機や多軸押出機を用いて溶融混練造粒することにより、シート用成形材料を調製する。次いで、この成形材料を、公知の方法、例えばキャスト成形、押出しシート成形、カレンダー成形などの方法によって成形し、シートを作製する。このシートは単層シートであってもよいし、上部トレイ部材や下部トレイ部材の緩衝性を向上させるために、ゴムシートや発泡プラスチックシートなどを接着や押出しラミネートなどによって積層した多層シートであってもよい。
【0012】
この単層シートや多層シートの真空成形又は真空圧空成形などによって得られた下部トレイ部材の厚さは、通常0.4〜2mm程度である。この厚さが0.4mm未満では剛性が不足するおそれがあり、2mmを超えると成形時の賦形性が低下する傾向がみられる。剛性及び賦形性のバランスなどを考慮すると、該下部トレイ部材の厚さは0.5〜1.4mmの範囲が好ましい。また、上部トレイ部材の厚さについては特に制限はないが、通常0.3〜1.2mm、好ましくは0.5〜0.9mmである。
本発明の収納・搬送用トレイが適用される物品については、被支持面が平面を有するものであればよく、特に制限されず、一般工業製品や、光学部品、電子部品などの精密部品など、様々な物品に本発明の収納・搬送用トレイを適用することができるが、特に汚染されることを嫌う精密部品に適用すると効果的である。
次に、本発明の収納・搬送用トレイの構造の1例について添付図面に従って説明する。
図3は、本発明の収納・搬送用トレイの各部分を示す分解斜視図であり、図4は、本発明の収納・搬送用トレイの全体斜視図である。
図3で示すように、本発明の収納・搬送用トレイは、スリット4を有する上部トレイ部材2と、表面が吸盤構造の支持体3を設置する下部トレイ部材1によって構成されている。支持体3は上部トレイ部材2と下部トレイ部材1によって挟持固定され、図4で示すように、上部トレイ部材2のスリット4から突出した下部トレイ部材1凸条部4aの支持体4'に収納する物品が吸着固定される。図4において5は物品収納部分であり、6は上部トレイ部材と下部トレイ部材の固定用ボスである。
図5は、上部トレイ部材と下部トレイ部材を固定するためのボス部の1例を示す説明図であって、(a)は嵌合前を示し、6aは上部トレイ部材ボス(丸型)、6bは下部トレイ部材ボス穴(四角型)である。(b)は嵌合後を示す。
【0013】
【実施例】
次に、本発明を実施例により、さらに詳細に説明するが、本発明は、この例によってなんら限定されるものではない。
実施例
厚さ50μmのポリプロピレンシートの片面に、ウレタン樹脂とアクリル樹脂の混合物からなる厚さ70μmの吸着性発泡体層を有する190mm×340mmサイズの支持体を用意した[図3で3]。
一方、厚さ0.7mmのポリプロピレンシート(タルク粉末30重量%含有)を真空成形して、下部トレイ部材[図3で1]及び上部トレイ部材[図3で2]を作製した。
次に、下部トレイ部材に前記支持体を吸着性発泡層が上になるように設置し、さらにその上に上部トレイ部材を載せ、下部トレイ部材のボス穴に上部トレイ部材のボスを嵌合させて、支持体を上部トレイ部材と下部トレイ部材とで挟持固定させることにより、図4で示す本発明の収納・搬送用トレイを製作した。
このトレイの部品収納部分に2種の構造の収納物A及びBそれぞれを載置したところ、上部トレイ部材のスリットで露出した部分に収納する物品が良好に吸着固定された。図6は、前記収納・搬送用トレイの物品収納部分に、収納物(A、B)を載置し、吸着固定させた状態を示す斜視図である。図6において、7−1は収納物A、7−2は収納物Bを示す。
【0014】
【発明の効果】
本発明によれば、種々の形状や大きさを有する各種物品を複数個収納及び/又は搬送するためのトレイであって、例えば搬送時の振動や衝撃などによって収納物品が落下するのを防止し得ると共に、該物品に好ましくない汚染をもたらすことがなく、特に光学物品や電子部品などの精密部品用として好適な収納・搬送用トレイを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、上部トレイ部材の異なる例を示す断面図(a)及び下部トレイ部材の1例を示す断面図(b)である。
【図2】 図2は、支持体を上部トレイ部材と下部トレイ部材により挟持した場合の1例を示す断面図である。
【図3】 図3は、本発明の収納・搬送用トレイの各部分を示す分解斜視図である。
【図4】 図4は、本発明の収納・搬送用トレイの全体斜視図である。
【図5】 図5は、上部トレイ部材と下部トレイ部材の固定用ボス部の1例を示す説明図である。
【図6】 図6は、本発明の収納・搬送用トレイの物品収納部分に複数の構造を有する収納物を載置し、吸着固定させた状態の1例を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 下部トレイ部材
2 上部トレイ部材
3 支持体
4 スリット
4a 凸条部
4' 露出した部分
5 物品収納部分
6 ボス
6a 上部トレイ部材ボス
6b 下部トレイ部材ボス穴
7−1 収納物A
7−2 収納物B
10 下部トレイ部材
11 凸条部
12 平坦
13 フランジ部
20、20' 上部トレイ部材
21、21' スリット
22、22' 平坦部
23、23' フランジ部
24 裏面側が凹条溝の仕切り壁

Claims (9)

  1. 方形状の上部トレイ部材、下部トレイ部材及び支持体からなり、被支持面が平面である物品収納搬送トレイであって、上部トレイ部材は、該部材の方形状の外周に沿ってフランジ部が設けられると共に、複数のスリットが平坦部を挟んで平行に設けられてなり、下部トレイ部材には、前記上部トレイ部材のフランジ部に合わせて密着させるフランジ部が該部材の方形状の外周に前記上部トレイ部材のフランジ部に対応して設けられると共に、下部トレイ部材には、該フランジ部とフランジ部と密着させたときに各スリットから突出する複数の凸条部が設けられてなり、かつ該各凸条部間は平坦部を有し、前記物品を載置するための支持体は、該支持体の表面層が外気と連通した開口を有する吸盤構造を有し、該支持体上部トレイ部材と下部トレイ部材により挟持され固定され、上部トレイ部材の平坦部と下部トレイ部材の平坦部と密着させることを特徴とする収納・搬送用トレイ。
  2. 上部トレイ部材の裏面側から見て凹条となる凹条溝からなる複数の仕切り壁が上部トレイ部材の平坦部に平行に設けられた構造を有しており、下部トレイ部材の平坦部には、前記上部トレイ部材の裏面側凹条溝に対応する凸条部が設けられている請求項1に記載の収納・搬送用トレイ。
  3. 上部トレイ部材及び下部トレイ部材が、ポリオレフィン系樹脂100重量部に対し無機充填剤10〜100重量部を配合したものである請求項1又は2に記載の収納・搬送用トレイ。
  4. 上部トレイ部材の厚さは0 . 3〜1 . 2mmであり、下部トレイ部材の厚さは0 . 4〜2mmである請求項1〜3のいずれかに記載の収納・搬送用トレイ。
  5. 支持体がシート状であって、表面層が吸着性発泡体層である請求項1〜4のいずれかに記載の収納・搬送用トレイ。
  6. 吸着性発泡体層が、合成樹脂エマルジョンを機械発泡させ、加熱処理して形成させたものである請求項記載の収納・搬送用トレイ。
  7. 支持体が、基材シートの表面に吸着性発泡体層を有するものである請求項記載の収納・搬送用トレイ。
  8. 支持体が、吸着性発泡体シートである請求項記載の収納・搬送用トレイ。
  9. 支持体上に載置する物品が、精密部品である請求項1〜8のいずれかに記載の収納・搬送用トレイ。
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