JP4115590B2 - 半導体装置の作製方法 - Google Patents

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【0001】
【発明が属する技術分野】
本願発明は半導体薄膜を用いた薄膜トランジスタ(以下、TFTと呼ぶ)の作製方法を提供するものであり、TFTを用いて構成された半導体回路を含む半導体装置に適用されうる技術である。
【0002】
なお、本明細書中において半導体装置とは半導体特性を利用することで機能しうる装置全般を指し、液晶表示装置に代表される電気光学装置、TFTを集積化した半導体回路、またその様な電気工学装置や半導体回路を部品として含む電子機器をもその範疇に含むものとする。
【0003】
【従来の技術】
近年、ガラス基板上にTFTを形成し、そのTFTでもって回路を組むことによって液晶表示装置やEL表示装置等の駆動を行う試みがなされている。特に、TFTの活性層としては、キャリア移動度の高いポリシリコン膜が注目されている。
【0004】
ガラス基板上にポリシリコン膜を形成する技術としては、一般的にエキシマレーザーによるアニールでアモルファスシリコン膜を結晶化させる技術が知られている。しかしながら、レーザーアニールは均一性に難があり、結晶性の均一なポリシリコン膜を得るのは難しかった。
【0005】
本出願人は結晶性と均一性の高いポリシリコン膜を得るための手段として特開平7−130652号公報に記載された技術を開示している。同公報では、アモルファスシリコン膜に対して結晶化を促進する触媒元素(代表的にはニッケル)を添加し、550〜600℃の比較的低温で結晶化を行う技術を開示している。
【0006】
同公報を利用して形成されたポリシリコン膜は非常に結晶性も高く均一性にも優れるといった特徴があるが、ポリシリコン膜中に残存する触媒元素の影響が懸念される。即ち、TFTを駆動させた際に触媒元素が移動して局所的なオフ電流(またはリーク電流)の増加を招くといった現象が観測される場合もあった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本願発明は上記問題点を鑑みてなされたものであり、結晶性及び均一性の高いポリシリコン膜中から結晶化に要した触媒元素を効果的に除去するための手段を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本明細書で開示する発明の構成は、
絶縁表面を有する基板上に形成されたアモルファスシリコン膜上に開口部を有するマスクを形成する工程と、
シリコンの結晶化を助長する触媒元素を含む溶液をスピンコート法により塗布する工程と、
第1の加熱処理を行い、前記アモルファスシリコン膜の一部を結晶化させてポリシリコン膜を形成する工程と、
エッチング処理を行い、前記開口部の底部に前記ポリシリコン膜を露呈させる工程と、
前記開口部の底部に露呈した前記ポリシリコン膜の表面に酸化シリコン膜を形成する工程と、
前記マスク及び前記酸化シリコン膜上にN型導電性を有するアモルファスシリコン膜を形成する工程と、
第2の加熱処理を行い、前記N型導電性を有するアモルファスシリコン膜中に前記触媒元素をゲッタリングさせる工程と、
前記N型導電性を有するアモルファスシリコン膜を除去する工程と、
を有することを特徴とする。
【0009】
また、他の発明の構成は、
絶縁表面を有する基板上に形成されたアモルファスシリコン膜上に開口部を有するマスクを形成する工程と、
シリコンの結晶化を助長する触媒元素でなる薄膜を気相法により形成する工程と、
第1の加熱処理を行い、前記アモルファスシリコン膜の一部を結晶化させてポリシリコン膜を形成する工程と、
エッチング処理を行い、前記シリコンの結晶化を助長する触媒元素でなる薄膜を除去し、前記開口部の底部に前記ポリシリコン膜を露呈させる工程と、
前記開口部の底部に露呈した前記ポリシリコン膜の表面に酸化シリコン膜を形成する工程と、
前記マスク及び前記酸化シリコン膜上にN型導電性を有するアモルファスシリコン膜を形成する工程と、
第2の加熱処理を行い、前記N型導電性を有するアモルファスシリコン膜中に前記触媒元素をゲッタリングさせる工程と、
前記N型導電性を有するアモルファスシリコン膜を除去する工程と、
を有することを特徴とする。
【0010】
本願発明の要旨は、触媒元素を利用して結晶化させたポリシリコン膜中から前記触媒元素を除去するにあたって、N型導電性を有するアモルファスシリコン膜をゲッタリングサイトとして活用するものである。その際、N型導電性を有するアモルファス膜をエッチング除去する時に下のポリシリコン膜までエッチングされてしまわない様に、エッチングストッパーとして薄い酸化シリコン膜を設けておくことが重要である。
【0011】
なお、上記構成において、前記シリコンの結晶化を助長する触媒元素とは代表的にはニッケル、パラジウム、錫、鉛、コバルトが挙げられる。その他、ゲルマニウム、鉄、白金、金、カドミウムを用いても構わない。
【0012】
また、上記構成において、前記第2の加熱処理は550〜750℃(好ましくは600〜650℃)の温度範囲で行うことが好ましい。550℃以下ではゲッタリング効果が弱く、750℃以上ではアモルファスシリコン膜にN型導電性を付与する不純物(代表的にはリン)の拡散が無視できなくなり、ポリシリコン膜中に必要以上に不純物が拡散してしまうため望ましくない。
【0013】
また、上記構成において、前記N型導電性を有するアモルファスシリコン膜には1×1018atoms/cm3以上のリンを含ませておくことが好ましい。この濃度以下では触媒元素をゲッタリングする効果が弱くなってしまうためである。
【0014】
また、上記構成において、前記N型導電性を有するアモルファスシリコン膜を除去する工程は、ハロゲン系ガス(具体的にはClF3ガス)を用いたドライエッチング法により行えば良い。ドライエッチング法を用いると、N型導電性を有するアモルファスシリコン膜と薄い酸化シリコン膜との間のエッチング選択比を大きくすることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
本願発明の実施の形態について、以下に示す実施例でもって詳細な説明を行う。
【0016】
【実施例】
(実施例1)
本願発明の一実施例について図1を用いて説明する。まず、絶縁表面を有する基板101として、酸化シリコン膜でなる下地膜を設けたガラス基板を用意する。勿論、ガラス基板に限らず、石英基板やシリコン基板等を用いても構わない。
【0017】
次に、基板101上にアモルファスシリコン膜102を形成する。成膜方法は減圧熱CVD法、プラズマCVD法又はスパッタ法を用いれば良い。膜厚は10〜100nmの範囲から適宜選択すれば良い。なお、アモルファスシリコン以外にもシリコンゲルマニウム膜などの他のアモルファス半導体膜を用いても構わない。
【0018】
次に、このアモルファスシリコン膜102を結晶化するのであるが、ここで特開平7―130652号公報に記載された技術を利用する。
【0019】
まず、アモルファスシリコン膜102上に酸化シリコン膜(図示せず)を成膜し、パターニングを行って、開口部103を有するマスク104を形成する。この開口部103が後に結晶成長の基点として機能する。
【0020】
次に、シリコンの結晶化を助長する触媒元素を含んだ溶液(本実施例では10ppmのニッケルを含んだ酢酸ニッケル塩溶液)をスピンコート法により塗布し、ニッケル含有層105を形成する。塗布する溶液が水溶液である時はアモルファスシリコン膜102上に薄い酸化シリコン膜を形成しておき、その酸化膜に吸着させた状態でニッケル元素を保持させると良い。
【0021】
こうして図1(A)の状態が得られる。次に、570℃14時間のファーネスアニール処理(第1の加熱処理)を行い、アモルファスシリコン膜の一部を結晶化させる。結晶成長はニッケル添加領域106(結晶化してポリシリコン膜となっている)を基点として、基板と概略平行な方向に進行する。
【0022】
本出願人はこの様な結晶の成長形態を横成長と呼び、この様にして形成されたポリシリコン膜でなる結晶領域107を横成長領域と呼んでいる。こうして形成された横成長領域107は、巨視的には特定の方向性をもって成長した棒状結晶の集合体であるので、キャリアの移動を阻害する要因の少ない結晶性に優れたポリシリコン膜であることが判っている。また、ニッケル添加領域よりも含有されるニッケル濃度が低いので、後にゲッタリング効率が良い。
【0023】
こうして図1(B)の状態が得られたら、1%に希釈したフッ化水素酸でエッチング洗浄を行い、開口部103の底部にポリシリコン膜(ニッケル添加領域)を露呈させる。この工程では、高濃度にニッケルを含むマスク104の表面層が除去され、さらにニッケル添加領域106に露呈したポリシリコン膜の表面層が除去される。なお、この時、ニッケルを吸着させるために使用したポリシリコン膜表面の薄い酸化シリコン膜も同時にエッチングされ除去される。
【0024】
この工程は、後のゲッタリング効率を高めるために行われる。図1(B)の状態では露呈表面全体にニッケルが接していたため、露呈表面付近には非常に高濃度のニッケルが存在する。しかしながら、フッ化水素酸でエッチング洗浄を行うことにより表面層のニッケルをある程度除去することができる。
【0025】
フッ化水素酸によるエッチング洗浄が終了したら、ニッケル添加領域106に露呈したポリシリコン膜表面に薄い酸化シリコン膜108を形成する。形成方法は、熱酸化法、紫外線照射法、化学的酸化法(オゾンや過酸化水素水による酸化など)を用いることができる。ここで形成された酸化シリコン膜は後にエッチングストッパーとして機能する酸化シリコン膜であり、先程アモルファスシリコン膜の表面に形成したニッケルを吸着させるための酸化シリコン膜とは意味合いが全く異なる。
【0026】
また、この薄い酸化シリコン膜108の膜厚は1〜10nm(代表的には3〜5nm)であれば良い。要するに、後にエッチングストッパーとして機能させられればよく、エッチングの選択比さえ高ければ1〜10nm程度の膜厚でも十分な効果を持つ。前述の紫外線照射法などを用いる場合には3〜5nm程度の膜厚の薄い酸化シリコン膜が形成されるが、本実施例の条件では十分にエッチングストッパーとしての機能を果たす。
【0027】
次に、マスク104及び薄い酸化膜108の上にN型導電性を有するアモルファスシリコン膜109を形成する。本実施例では膜厚を200nmとするが、これに限定する必要はない。また、N型導電性を付与する不純物元素として本実施例ではリンを用いる。他の15族に属する元素(砒素、アンチモンなど)を用いることも可能であるが、ニッケルをゲッタリングする効果はリンが最も高い。
【0028】
N型導電性を有するアモルファスシリコン膜109に含まれるリン濃度は、1×1019atoms/cm3以上(好ましくは5×1019〜1×1021atoms/cm3)が望ましい。これ以下の濃度ではゲッタリング効果が弱まってしまうからである。
【0029】
また、本実施例の場合、横成長領域107には約5×1018atoms/cm3の濃度でニッケルが含まれ、ニッケル添加領域106には約1×1019atoms/cm3の濃度でニッケルが含まれる。この場合、効果的にゲッタリング効果を得るには、ポリシリコン膜中に含まれたニッケル濃度のおよそ10〜100倍の濃度でN型導電性を有するアモルファスシリコン膜109中に含ませておくことが好ましい。
【0030】
こうして図1(C)の状態が得られる。次に、550〜750℃のファーネスアニール処理(第2の加熱処理)を0.5〜12時間行い、横成長領域107に残存したニッケルをN型導電性を有するアモルファスシリコン膜109中にゲッタリングさせる。ニッケルの移動方向は矢印で示した様な方向となる。
【0031】
こうしてニッケル濃度が大幅に低減された横成長領域110が形成される。この横成長領域110に含まれるニッケル濃度は1×1017atoms/cm3以下にまで低減される。この程度までニッケルが低減されれば、TFTの電気特性に悪影響を与える心配はない。
【0032】
この時、N型導電性を有するアモルファスシリコン膜109のゲッタリング能力は、ゲッタリングすべきニッケル濃度に影響される。即ち、同じリン濃度で比較すると、ゲッタリング対象となるニッケル濃度が高いほど、ゲッタリング能力は低くなる傾向にある。そういった意味で、前述のフッ化水素酸による表面洗浄は、ゲッタリング対象となるニッケル濃度を低減する上で有効であると言える。
【0033】
また、結晶化工程からゲッタリング工程まで一貫してマスク104を残すことで横成長領域107(または横成長領域110)の表面状態を極力荒らすことなく各工程を流すことが可能となる。本願発明において、横成長領域はTFTの活性層となる領域であるので、表面状態には細心の注意を払う必要がある。
【0034】
こうして図(D)に示したゲッタリング工程が終了したら、次にN型導電性を有するアモルファスシリコン膜109の除去を行う。本実施例ではエッチングガスとしてClF3ガスを用いたドライエッチング法を利用する。この方法では酸化シリコン膜とポリシリコン膜とのエッチング選択比が高いので、薄い酸化シリコン膜108がエッチングストッパーとして機能する。
【0035】
こうしてN型導電性を有するアモルファスシリコン膜109のみを選択的にエッチング除去したら、次にバッファードフッ酸等、酸化シリコン膜のエッチングに適したエッチャントを利用してマスク104及び薄い酸化シリコン膜108を除去する。
【0036】
そして、露呈したポリシリコン膜をパターニングして横成長領域110のみで構成された活性層111を形成する。実際には基板上に複数の活性層が形成される。この時、ニッケル添加領域106は横成長領域ほど結晶性が高くないので、活性層としては利用しない方が好ましい。
【0037】
こうして、ニッケルの触媒作用を利用して結晶化を助長させたポリシリコン膜でなる活性層が得られる。この活性層は非常に結晶性が高く、優れたTFT特性(低オフ電流、高モビリティ)を実現する上できわめて有効である。しかも、触媒元素のゲッタリングを行うことにより、TFT特性のばらつきが少なく、信頼性の高いTFTが得られる。そして、その様なTFTを用いて回路を組むことにより高機能かつ高い信頼性を有する半導体装置を実現することができる。
【0038】
なお、本実施例においてエッチングストッパーとして薄い酸化シリコン膜108を設けたことには非常に重要な意味がある。その点について図2を用いて説明する。
【0039】
図2(A)はエッチングストッパーを形成しないでN型導電性を有するアモルファスシリコン膜のエッチング工程を行った場合の例である。図2(A)に示す様に、N型導電性を有するアモルファスシリコン膜(図示せず)をエッチングすると、そのままニッケル添加領域であったポリシリコン膜(図示せず)もエッチングされ、下地表面(絶縁表面を有する基板201の表面)にまで到達する開口部202が形成される。この開口部202はマスク104によって自己整合的に形成されるため、その径はマスク104に設けられた開口部の径に一致する。
【0040】
N型導電性を有するアモルファスシリコン膜を除去したら、次にマスク104を除去するのであるが、マスク104の材料が酸化シリコン膜であり、且つ絶縁表面を有する基板201の最表面が酸化シリコン膜である場合、マスク104のエッチングと同時に絶縁表面を有する基板201の最表面もエッチングされてしまう。
【0041】
その結果、図2(B)に示す様な凹部203が形成されてしまう。この凹部203が形成される場所は活性層として用いない部分であるので、TFT特性に直接影響するわけではない。しかしながら、この部分を配線等が横切る時に段差による断線不良を招くおそれがあるので、極力この様な段差を形成しないことが望ましい。
【0042】
そういった意味で、本実施例の様にN型導電性を有するアモルファスシリコン膜を形成する前に予めエッチングストッパーとして薄い酸化シリコン膜を形成しておくことは、半導体回路の信頼性を高める上で非常に有効な手段である。
【0043】
なお、本実施例は公知のあらゆる構造のTFTに対して適用可能である。即ち、コプラナー型TFTに代表されるトップゲート構造及び逆スタガ型TFTに代表されるボトムゲート構造に対しても容易に適用することが可能である。
【0044】
(実施例2)
実施例1ではN型導電性を有するアモルファスシリコン膜をClF3ガスを用いたドライエッチング法で行う例を示したが、N型導電性を有するアモルファスシリコン膜をウェットエッチング法により除去しても本願発明を実施することが可能である。
【0045】
ウェットエッチング法でシリコン膜をエッチングするにはエッチャントとしてヒドラジンを用いれば良い。ヒドラジンも酸化シリコン膜とシリコン膜とのエッチング選択比が高いので、N型導電性を有するアモルファスシリコン膜のみを選択的に除去することができる。
【0046】
なお、本実施例は公知のあらゆる構造のTFTに対して適用可能である。即ち、コプラナー型TFTに代表されるトップゲート構造及び逆スタガ型TFTに代表されるボトムゲート構造に対しても容易に適用することが可能である。
【0047】
(実施例3)
本実施例では、実施例1または実施例2の作製工程によって形成された活性層を用いてTFTを作製する場合について図3を用いて説明する。
【0048】
まず、実施例又は実施例2に示した作製工程で活性層301を形成したら、酸化シリコン膜でなるゲート絶縁膜302を形成する。本実施例ではプラズマCVD法を用い、120nmの厚さに形成する。その次に、アルミニウムを主成分とする材料でなるゲート電極303を形成する。
【0049】
ここで本出願人による特開平7−135318号公報に記載された技術を利用する。同公報ではアルミニウムを主成分とするゲート電極を陽極酸化することにより、LDD+オフセット構造を実現するものである。LDD領域は陽極酸化膜を利用してゲート絶縁膜の一部をエッチングし、残ったゲート絶縁膜の一部をマスクとして不純物元素(ソース領域及びドレイン領域を形成する不純物)を添加して形成される。
【0050】
同公報に記載された技術を利用して得た構造を図3(B)に示す。304はゲート電極、305はゲート電極を保護するバリア型の陽極酸化膜である。また、306はゲート絶縁膜、307はソース領域、308はドレイン領域、309はLDD領域、310はチャネル形成領域である。
【0051】
なお、LDD領域309とチャネル形成領域310との間には図示されないがオフセット領域が形成される。ただし、バリア型の陽極酸化膜305の膜厚がオフセット領域の幅を決定するため、陽極酸化膜305の膜厚が150nm以下となるとオフセット領域として殆ど機能しない。
【0052】
また、本実施例ではソース領域307、ドレイン領域308及びLDD領域309を形成する不純物元素としてリンを用いてNチャネル型TFTを作製する。勿論、砒素など他の15族元素でも構わないし、ボロンに代表される13族元素を添加すればPチャネル型TFTを作製することも容易である。
【0053】
特開平7−135318号公報記載の技術を用いることにより図3(B)の状態が得られたら、次に層間絶縁膜311として1μm厚の酸化シリコン膜を形成する。勿論、窒化シリコン膜や酸化窒化シリコン膜を用いても良いし、これらの絶縁膜を積層しても良い。
【0054】
次に、層間絶縁膜311にコンタクトホールを形成してアルミニウムを主成分とする材料でなるソース配線312及びドレイン配線313を形成する。最後に素子全体に対して水素雰囲気中で350℃2時間のファーネスアニールを行い、水素化を完了する。
【0055】
こうして、図3(C)に示す様なTFTが得られる。なお、本実施例で説明した構造は一例であって本願発明を適用しうるTFT構造はこれに限定されない。従って、公知のあらゆる構造のTFTに対して適用可能である。
【0056】
勿論、トップゲート構造に限らず、逆スタガ型TFTに代表されるボトムゲート構造に対しても容易に適用することが可能である。
【0057】
また、公知の手段を利用すればNチャネル型TFTとPチャネル型TFTとを相補的に組み合わせたCMOS回路をも容易に形成することができる。さらに、図3(C)の構造においてドレイン配線313と電気的に接続する画素電極(図示せず)を公知の手段で形成すればアクティブマトリクス型表示装置の画素スイッチング素子を形成することも容易である。
【0058】
即ち、本願発明は液晶表示装置やEL(エレクトロルミネッセンス)表示装置などの電気光学装置の作製方法としても非常に有効な技術である。
【0059】
この様に、本願発明はあらゆる構造のTFTに対して適用可能であり、本願発明を利用して様々な半導体回路を構築することができる。即ち、本願発明はTFTでもって形成された半導体回路を含むあらゆる半導体装置に対して適用できると言える。
【0060】
【発明の効果】
本願発明を利用することで、結晶化に利用した触媒元素を効果的に除去又は低減したポリシリコン膜を得ることができる。そして、そのポリシリコン膜を活性層とすることで高い電気特性及び信頼性を有するTFTを実現することができる。
【0061】
さらに、その様なTFTを用いて基板上に半導体回路を構成することにより高性能で信頼性の高い電気光学装置、及びその様な電気光学装置を搭載した電子機器を実現することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本願発明によるポリシリコン膜の作製工程を示す図。
【図2】 ポリシリコン膜の作製工程を示す図。
【図3】 TFTの作製工程を示す図。

Claims (7)

  1. 絶縁表面を有する基板上に形成されたアモルファスシリコン膜上に開口部を有するマスクを形成する工程と、
    ニッケルを含む溶液をスピンコート法により塗布する工程と、
    第1の加熱処理を行い、前記アモルファスシリコン膜を結晶化させてポリシリコン膜を形成する工程と、
    エッチング洗浄を行い、前記開口部の底部に前記ポリシリコン膜を露呈させる工程と、
    前記開口部の底部に露呈した前記ポリシリコン膜の表面に酸化シリコン膜を形成する工程と、
    前記マスク及び前記酸化シリコン膜上にN型導電性を有するアモルファスシリコン膜を形成する工程と、
    第2の加熱処理を行い、前記N型導電性を有するアモルファスシリコン膜中に前記ニッケルをゲッタリングさせる工程と、
    前記N型導電性を有するアモルファスシリコン膜を除去する工程と、
    を有することを特徴とする半導体装置の作製方法。
  2. 絶縁表面を有する基板上に形成されたアモルファスシリコン膜上に開口部を有するマスクを形成する工程と、
    ニッケルを含む溶液をスピンコート法により塗布する工程と、
    第1の加熱処理を行い、前記アモルファスシリコン膜を結晶化させてポリシリコン膜を形成する工程と、
    1%に希釈したフッ化水素酸でエッチング洗浄を行い、前記開口部の底部に前記ポリシリコン膜を露呈させる工程と、
    前記開口部の底部に露呈した前記ポリシリコン膜の表面に酸化シリコン膜を形成する工程と、
    前記マスク及び前記酸化シリコン膜上にN型導電性を有するアモルファスシリコン膜を形成する工程と、
    第2の加熱処理を行い、前記N型導電性を有するアモルファスシリコン膜中に前記ニッケルをゲッタリングさせる工程と、
    前記N型導電性を有するアモルファスシリコン膜を除去する工程と、
    を有することを特徴とする半導体装置の作製方法。
  3. 絶縁表面を有する基板上に形成されたアモルファスシリコン膜上に開口部を有するマスクを形成する工程と、
    シリコンの結晶化を助長するニッケル膜を気相法により形成する工程と、
    第1の加熱処理を行い、前記アモルファスシリコン膜を結晶化させてポリシリコン膜を形成する工程と、
    エッチング処理を行い、前記ニッケル膜を除去し、前記開口部の底部に前記ポリシリコン膜を露呈させる工程と、
    前記開口部の底部に露呈した前記ポリシリコン膜の表面に酸化シリコン膜を形成する工程と、
    前記マスク及び前記酸化シリコン膜上にN型導電性を有するアモルファスシリコン膜を形成する工程と、
    第2の加熱処理を行い、前記N型導電性を有するアモルファスシリコン膜中に前記ニッケルをゲッタリングさせる工程と、
    前記N型導電性を有するアモルファスシリコン膜を除去する工程と、
    を有することを特徴とする半導体装置の作製方法。
  4. 請求項1乃至請求項3のいずれか一において、前記第2の加熱処理は550〜750℃の温度範囲で行われることを特徴とする半導体装置の作製方法。
  5. 請求項1乃至請求項4のいずれか一において、前記N型導電性を有するアモルファスシリコン膜には1×1018atoms/cm以上のリンが含まれていることを特徴とする半導体装置の作製方法。
  6. 請求項1乃至請求項5のいずれか一において、前記N型導電性を有するアモルファスシリコン膜を除去する工程は、ハロゲン系ガスを用いたドライエッチング法により行われることを特徴とする半導体装置の作製方法。
  7. 請求項1乃至請求項5のいずれか一において、前記N型導電性を有するアモルファスシリコン膜を除去する工程は、ウェットエッチング法により行われることを特徴とする半導体装置の作製方法。
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