JP4115552B2 - 画像合成プリント装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は顔写真シール作成機のような画像合成プリント装置に関し、とくに、所定の操作により、利用者が膨大な装飾図案データベースの中から特定の図案を選択することができるようにする技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
最近、実用新案登録第3014733号公報に開示されているような映像プリント供給装置が町中で人気を博している。これはビデオカメラとビデオディスプレイとビデオプリンタを組み合わせたもので、利用者自身が操作して自分を撮影し、顔写真のシールをつくる機械である。顔写真に組み合わせるフレーム絵柄がデータ化されて複数種類内蔵されており、利用者が任意に選んだフレーム絵柄と利用者が入力した文字や数字などの付加情報とカメラで撮影した顔の映像とを合成して、任意のポーズのタイミングでビデオプリンタから印刷する。
【0003】
この場合、フレーム絵柄(装飾図案)は、例えば81種類あって27種類ずつA・B・Cの3つのジャンルに分類され、利用者がこの中から1つのジャンルを選ぶと、そのジャンルに含まれる装飾図案が画面に表示され、利用者はその中から操作パネルのキーを使って顔写真に付加する装飾図案を選択していた。
【0004】
このように、データベース化した装飾図案のうち、利用者に提示できる数は、画面の大きさや選択に要する時間を限定したいという理由から、あまり多くのもの中から選択させることはできず、したがって、大量の装飾図案を揃えても有効に活用できなかった。
【0005】
そこで、隠しコマンドと称して、公開されていない所定の手順でボタン操作を行う(例えば、キャンセルボタンと左ボタンと右ボタンとを順番に1回ずつ所定のタイミングで所定時間内に押す。)と、あらかじめ設定された、通常は選択できない図案を使うことができたり、顔写真シールを連写モードで作成できたり、顔写真シールの面付けフォーマット(通常は4×4のリピート画像が一枚のシールになっている。)を変更できたりといった機能が盛り込まれていることがあった。
【0006】
この隠しコマンドの存在は、偶然または試行錯誤によってこのコマンドを探し当てた人々のクチコミや、攻略本などマスコミによって取り上げられた情報によって広まり、このコマンドを使うことにより、利用者は、とっておきの図案を選択できるような仕組みになっていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、数少ないボタンの組み合わせで、ボタンを押した順番も確認できないような、あやふやな操作手順をクリヤしなければならないため、誤動作が起こりやすく不安定であり、時として故障の原因ともなっていた。また、この隠しコマンドを使うための操作手順も覚えにくいため、ごく一部のマニアにはうけているが、一般にはあまり受け入れられていなかった。
【0008】
この発明は前述した従来の問題点に鑑みなされたもので、その目的は、利用者に分かりやすい操作手順で膨大な装飾図案データベースの中から特定の装飾図案を提示し、希少価値の高い装飾図案入りプリントをつくることができる、話題性と娯楽性に富んだ画像合成プリント装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
そこで、この発明の画像合成プリント装置は、ディスプレイと、ビデオカメラと、前記ディスプレイに表示された画像をサンプリングして印刷するビデオプリンタと、人物映像に付加すべく作成された多数の装飾図案データを蓄積したデータベースと、利用者との対話形式の処理により前記データベースの中から適宜に選んだ複数の装飾図案データを利用者に提示して択一選択させる公開式図案選択手段と、選択された装飾図案データと前記ビデオカメラで撮影した映像とを組み合わせた合成画像を前記ディスプレイに表示する画像合成手段と、前記ディスプレイに表示されている合成画像を前記ビデオプリンタで印刷させるタイミングを指示する手段とを基本構成として備える。
【0010】
さらに、この発明の画像合成プリント装置は、利用者が操作して数字や記号などを入力するための入力手段と、この入力手段により入力された数字・記号列を所定のレイアウトに編集して前記合成画像に付加したものを前記ディスプレイでの表示対象および前記ビデオプリンタでの印刷対象とする手段と、前記入力手段により入力された数字・記号列を検索して規定された識別子データ列が存在するか否かを調べる手段と、前記識別子データ列が存在したときには、その識別子データ列によって特定される装飾図案データを前記データベースから取り出して利用者に提示する処理を利用者に案内せずに実行する秘密式図案選択手段とを備える。
【0011】
このように、従来の公開式図案選択手段に加えて秘密式図案選択手段を備えたことにより、膨大な装飾図案データベースの中から特定の装飾図案を利用者に提示することができ、利用者はその図案を使って希少価値の高い装飾図案入りプリントをつくることができる。
【0012】
そして、前記入力手段により入力された数字・記号列を検索して規定された識別子データ列が存在したときには、その数字・記号列を前記合成画像に付加しないものを前記ビデオプリンタでの印刷対象とすることが望ましい。これにより、特定の図案を選択するための数字・記号列が印刷されず、第三者にその数字・記号列が知られる可能性が少なくなり、さらに希少価値の高い装飾図案入りプリントをつくることができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
図1は、この発明の一実施例による画像合成プリント装置の構成を中心に表現している。この発明の画像合成プリント装置における中央処理装置1は主制御部の中心的要素であり、CPU・RAM・ROM、さらに、時計部を含んだコンピュータ本体である。この画像合成プリント装置の本体には表示器と操作ボタンを含むユーザインタフェース用の操作パネル3があり、この操作パネル3は操作制御部2を介して中央処理装置1に結合されている。利用者は、この操作パネル3からフレーム絵柄選択や日付・番号入力などの各種操作入力を行い、その操作内容や操作入力に対する装置の応答情報が操作パネル3などに表示される。
【0014】
一方、表示制御部9とディスプレイ12とを結ぶ表示出力経路には、ビデオプリンタ11が介挿されている。通常の動作モードでは、表示制御部9からの表示出力がビデオプリンタ11を単に通過してディスプレイ12に供給される(スルーモード)。この状態で中央処理装置1からビデオプリンタ11にフリーズ指令信号が供給されると、そのとき表示している画像データがビデオプリンタ11の内部RAMに保持され、その保持された画像データが静止画としてディスプレイ12に表示される(フリーズモード)。中央処理装置1からビデオプリンタ11にスルー指令信号が供給されると、このフリーズモードが解除され、前述のスルーモードに戻る。
【0015】
前記フリーズモードにおいて、中央処理装置1からビデオプリンタ11にプリント指令信号が供給されると、ビデオプリンタ11の前記内部RAMに保持された画像データ(前記の静止画)を用紙に印刷する処理を開始し、同時に前記スルーモードに戻る(印刷が終るまでには、数10秒から1分程度の時間がかかる)。
【0016】
画像合成プリント装置のハードディスク装置4には、ビデオカメラ10で撮影する人物映像に付加するための多数の装飾図案データが格納され、装飾図案データベースが構築されている。一般に、ここでの装飾図案とは顔写真の周囲を縁取るようにデザインされた装飾的なイラストであり、そのイラスト画像を圧縮符号化したものが装飾図案データである。装飾図案データは装置の提供者の側で作成し、通常、CD−ROM等の記憶媒体からオフラインで供給されるが、通信機能を有する画像合成プリント装置の場合は、ホスト装置から通信回線網を通じて適時に配信される。そして、画像合成プリント装置は、受け取った装飾図案データをハードディスク装置4に格納し、その際に古いデータを順次新しいデータに置き換えるようにする。
【0017】
なお、この装飾図案データベース内には、それぞれの図案に対応した識別子データ列を付与された装飾図案が格納されている。この識別子データ列としては、例えば、その装飾図案からイメージされるキーワードを文字列によって表したもの、あるいは、その文字列を所定の変換テーブルで数字・記号列によって表したもの、あるいは、その装飾図案からイメージされるキーワードとは関係なしに単に識別番号を付けただけのもの等、様々な態様がある。後述するように、利用者が入力した数字・記号列を検索して、規定された識別子データ列が存在するか否かが調べられ、該当する識別子データ列が存在したときには、その識別子データ列によって特定される装飾図案データを前記データベースから取り出して利用者に提示する。
【0018】
中央処理装置1は、ハードディスク装置4からある装飾図案データを読み出して復号化し、ビデオRAM8にその装飾図案のビットマップデータを展開する。表示制御部9は、ビデオRAM8の装飾図案にビデオカメラ10で撮影した人物映像をはめ込むように合成し、その合成画像データをビデオプリンタ11を介してディスプレイ12に供給して表示する。ビデオプリンタ11が前述のスルーモードであれば、表示される合成画像は、静止画の装飾図案のフレーム中にビデオカメラ10で撮影されている動画が組み合わさったものとなっている。ビデオプリンタ11がフリーズモードになると、その時点の合成画像がディスプレイ12に固定化表示され、その状態でプリント指令が与えられると、その合成画像が印刷される。
【0019】
図2には、この発明の画像合成プリント装置の一例の外観斜視図を示している。この装置には、ビデオカメラ10、ビデオプリンタ11、ディスプレイ12、ディスプレイ12の画面を利用者に向けて映し出すためのハーフミラーや照明装置などの必要な機材が内部に搭載されている。また、操作パネル上にはカーソルを左に移動させるLボタン3aや同じくカーソルを右に移動させるRボタン3b、プリント指令や所定のメニューで決定指令を与える際に使う、プリント・決定ボタン(以下、「決定ボタン」という。)3c、キャンセル指令を与えるためのキャンセルボタン3dとがある。なお、このLボタン3aやRボタン3bは、後述する、日付・番号入力場面で数字や記号等を一桁ずつ入力する際にも使われる。そして、内部には課金装置の役割を果たすコインボックスがあり、コイン挿入口13から利用者は硬貨を投入して、プリント指令を与えるまでの対話処理を開始する。
【0020】
さて、この発明の画像合成プリント装置は、電話番号や誕生日や好きな番号・記号といった、数字や記号で表現できる情報を装飾図案入りプリントに12桁まで印刷できる機能を有する。使い方はそれぞれ考えられるが、同じ装飾図案を使った場合であっても、電話番号などを付加するだけでオリジナル性を高めることができる。
【0021】
ここで、利用者が入力する数字・記号列とあらかじめ規定された識別子データ列とその識別子データ列によって特定される装飾図案データとを対応付けておき、所定の数字・記号列が入力されると、所定の装飾図案データが提示されるようにすることができる。
【0022】
例えば、利用者は図案に対応したキーワードを所定の変換テーブルを使うなどして数字や記号に置き換えて入力する。ただし、上記のような日付や番号を入力する場合と区別するために、それを所定のフォーマットで入力するものとする。つぎに、入力された数字・記号列からキーワードに相当する部分を抽出し、そのキーワードに対応した識別子データ列によって特定される装飾図案がデータベース内に存在する場合には、ディスプレイ12に利用者の顔の映像とその装飾図案との合成画像が表示され、その合成画像がビデオプリンタ11から印刷される。一方、キーワードに対応した装飾図案がデータベース内に存在しない場合には、利用者の顔の映像と通常の操作(ジャンル選択→選択したジャンルに含まれる図案を選択)で利用者が選択した装飾図案との合成画像とともに、利用者が入力した数字や記号の情報が所定のレイアウトでスーパーインポーズされてディスプレイ12に表示され、その表示画像がサンプリングされてビデオプリンタ11から印刷される。このようなプロセスを、利用者の操作とディスプレイ12に表示される画面とを参照して、以下、具体的に説明する。
【0023】
図3は、利用者が対話処理を開始してから装飾図案を択一選択した後、日付や番号等を入力させるステップにおいて、ディスプレイ12に表示される画面を示している。
【0024】
画面20は、番号入力、日付入力、いずれも入力しないといった三者択一を利用者に問う画面である。現在、矩形カーソルが日付選択欄22のところにあり、日付表示欄24のような形式で現在の日付情報が表示される。利用者は、番号入力を選択すべく、Lボタン3aを使って矩形カーソルを番号選択欄のところへ移動して、決定ボタン3cを押す。すると番号入力画面30へと移行する。
【0025】
続いて、利用者は、入力欄31に示したように12桁までの数字・記号を入力することができ、左から1桁ずつ入力数字・記号が決定されるのに呼応して、カーソルが自動的に隣の桁に移動する。利用者がLボタン3aまたはRボタン3bを押すたびに、0〜9までの数字の他に*,/,・などの記号が順番にカーソル位置に現れ、所望の数字・記号が出てきたら、決定ボタン3cを押して右隣の桁へ入力が移る。その際、入力を間違えた場合にはキャンセルボタン3dを使い、入力を終了する場合には決定ボタン3cを押す。
【0026】
ここで、*記号で囲まれた数字が装飾図案のキーワードとして扱われる。例えば、猫の図案の場合、キーワードを「ネコ」としておく。利用者の入力した*で囲まれた数字を2桁ずつ、変換表でカナ文字・アルファベット・記号等に変換する。
【0027】
図4には、数字列を文字列に変換するときに使われる変換テーブルの一例を示している。この表は、ポケットベルの利用者が使用するフリーワード表と呼ばれるものである。利用者の入力した*で囲まれた数字は、2桁ずつこの変換表でカナ文字や記号に変換される。例えば、利用者が「*5425*」と6字分入力したとすると、54=ネ、25=コと変換して「ネコ」のキーワードが付与された図案をデータベース内から抽出し、装飾図案として利用者に提示する。
【0028】
その際、中央処理装置1は、入力された数字や記号の羅列情報を読み取り、この羅列情報が所定のフォーマット(上記実施例では、*記号で数字列が囲まれた形式)であるか否かをチェックし、所定のフォーマットで構成されていると判断した場合には、キーワード入力がされたものとみなし、そのキーワードと装飾図案データに付与されたキーワードとのマッチングを行い、該当する装飾図案データをピックアップして利用者に提示する。
【0029】
ここで、キーワードを付与された装飾図案データは、そのキーワードに対応した適宜な識別子データ列を保有しているものとする。この識別子データ列は、キーワードそのものの文字列であってもよいし、そのキーワードを例えば、前記フリーワード表のような変換テーブルで変換した数字列であってもよい。
【0030】
なお、上述したキーワード間のマッチングとは、キーワード同士を比較・対照することをいい、一般には完全一致のことをいうが、前方一致・後方一致などの態様を含めることとしてもよい。この場合、完全一致のマッチングを行った結果、該当する装飾図案データが見つからない場合には、前方一致・後方一致などの方法でマッチングを行いつつ、データベース内の装飾図案データを検索するようにすればよい。
【0031】
【発明の効果】
この発明によれば、通常の操作によって利用者に装飾図案を選択させる方法では利用者に提示できる図案枚数が限られてしまうのに対し、数字・記号列の入力により図案を指定できるようにしたため、数多くの図案を格納して利用者に楽しんでもらうことができる。
【0032】
また、入力された数字・記号列を検索して規定された識別子データ列が存在するか否かを調べ、該当するものがあった場合には、その識別子データ列によって特定される装飾図案データをデータベースから取り出して利用者に提示することにしたため、利用者は、例えば、数字・記号列で表現したキーワードを入力することにより、キーワード情報が付与された図案を選択することができる。
【0033】
さらに、入力された数字・記号列から特定の図案を選択できた場合には、その数字・記号列を印刷しないものとしたから、偶然または試行錯誤の末に探し当てた数字・記号列が第三者に知られる可能性も少なくなり、誰も知らないような希少価値の高い装飾図案入りの人物映像プリントをつくることができる。そして、このような画像合成プリント装置は話題性に富んだ娯楽機器になり、常連客にも喜ばれるものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例による画像合成プリント装置の主要部分を中心にしたブロック図である。
【図2】同上画像合成プリント装置の外観例を示す斜視図である。
【図3】日付・番号入力選択画面と番号入力画面とを説明するための図である。
【図4】数字列情報を文字列情報に変換するときの変換テーブルの一例である。
【符号の説明】
1 中央処理装置
2 操作制御部
3 操作パネル
4 ハードディスク装置
8 ビデオRAM
9 表示制御部
10 ビデオカメラ
11 ビデオプリンタ
12 ディスプレイ

Claims (2)

  1. ディスプレイと、ビデオカメラと、前記ディスプレイに表示された画像をサンプリングして印刷するビデオプリンタと、人物映像に付加すべく作成された多数の装飾図案データを蓄積したデータベースと、利用者との対話形式の処理により前記データベースの中から適宜に選んだ複数の装飾図案データを利用者に提示して択一選択させる公開式図案選択手段と、選択された装飾図案データと前記ビデオカメラで撮影した映像とを組み合わせた合成画像を前記ディスプレイに表示する画像合成手段と、前記ディスプレイに表示されている合成画像を前記ビデオプリンタで印刷させるタイミングを指示する手段とを備えた画像合成プリント装置において、
    利用者が操作して数字と記号を入力するための入力手段と、この入力手段により入力された数字記号列を所定のレイアウトに編集して前記合成画像に付加したものを前記ディスプレイでの表示対象および前記ビデオプリンタでの印刷対象とする手段と、前記入力手段により入力された数字記号列を検索して規定された識別子データ列が存在するか否かを調べる手段と、前記識別子データ列が存在したときには、その識別子データ列によって特定される装飾図案データを前記データベースから取り出して表示する秘密式図案選択手段とを備えたことを特徴とする画像合成プリント装置。
  2. 請求項1において、前記入力手段により入力された数字と記号の列を検索して規定された識別子データ列が存在したときには、その数字記号列を前記合成画像に付加しないものを前記ビデオプリンタでの印刷対象とすることを特徴とする画像合成プリント装置。
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