JP4114898B2 - アルカリ洗浄剤用ビルダー及びこれを含有する洗浄剤組成物 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、アルミニウム金属及びアルミニウム金属を有効成分する製品の洗浄に有効なアルカリ洗浄剤用ビルダー及びこれを含有する洗浄剤組成物に関し、詳しくは、アルミニウム金属製品の洗浄に伴う腐食性を著しく改善することができ、かつ優れた洗浄能を付与することができるアルカリ洗浄剤用ビルダー及びこれを含有する洗浄剤組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、陶器、ステンレス、アルミニウム金属製の食器、調理器具等の洗浄剤としては専らアルカリ洗浄剤が使用されている。これらのアルカリ洗浄剤中には、被洗浄物が特にアルミニウム金属製である場合には、アルミニウム金属に対する腐食抑制効果があるクロム酸塩、リン酸塩、珪酸塩等の無機化合物が配合される。しかしながら、クロム酸塩やリン酸塩は、環境上の問題からその使用が規制されている。一方、珪酸ソーダなどの珪酸塩は、アルカリ供給源や水軟化作用を有し、且つアルミニウム金属の表面にシリカの皮膜を形成することでアルミニウム金属の腐食を抑制すると共に、良好な洗浄作用を有することから、環境にやさしいビルダー成分として注目され、特に、このようなアルカリ洗浄剤用ビルダーとしてはメタ珪酸ソーダが使用されている。
【0003】
しかしながら、メタ珪酸ソーダ溶液を焼成して得られる無水メタ珪酸ソーダには、製造の際に不可逆的に混入する遊離のナトリウムイオンや塩素イオンが通常10ppm以上存在する。遊離のナトリウムイオンの存在は、アルミニウム金属表面にシリカの皮膜を形成する前に、アルミニウム金属とナトリウムが反応してアルミン酸ソーダを生成し、アルミニウム金属の腐食の原因の一つなることが知られている。一方、遊離の塩素イオンも、アルミニウム金属表面のシリカの皮膜を攻撃し、皮膜を不連続なものとしたり、シリカの皮膜に穴を空け、アルミニウムの腐食の原因の一つと考えられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
近時、より洗浄力が優れ、且つアルミニウム金属の腐食のないアルカリ洗浄剤が求められており、これらの腐食因子となるこれらの遊離のイオンの混入は、洗浄剤中に存在しないことが望ましいが、上記のように、アルカリ洗浄剤のビルダーとして用いられるメタ珪酸ソーダには、実質的に製造の際に不可逆的に混入する遊離のナトリウムイオン、塩素イオンが存在する。このため、これら遊離のナトリウムイオンや塩素イオンを根本的に除去又は捕捉する技術の開発が求められている。
【0005】
したがって、本発明の目的は、被洗浄物、特にアルミニウム金属製品のものを腐食することなく、優れた洗浄能を付与することができるアルカリ洗浄剤用ビルダー及びこれを含有する洗浄剤組成物を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
かかる実情において、本発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、通常、アルカリ洗浄剤ビルダーとして使用されるアルカリ金属メタ珪酸塩と特定のアルカリ珪酸塩を組み合わせて使用すれば、該特定のアルカリ金属珪酸塩が腐食の原因となるナトリウムイオンや塩素イオンを捕捉して、被洗浄物、特にアルミニウム金属製のものを腐食することなく、且つ優れた洗浄能を付与することができることを知見し、本発明を完成させるに至った。
【0007】
すなわち、本発明は、(A)アルカリ金属メタ珪酸塩、(B)前記アルカリ金属メタ珪酸塩を除くアルカリ金属珪酸塩であって、SiO2 /M2 O(Mはアルカリ金属を示す)のモル比が2.0以上のアルカリ金属珪酸塩、及び(C)炭酸アルカリを含有し、
(A)前記アルカリ金属メタ珪酸塩は、含水物及び無水物の混合物であり、且つ、該無水物に対する該含水物の配合割合が、20〜60重量%であり、
(B)前記アルカリ金属珪酸塩の含有量は、ビルダー成分中、5〜20重量%であること、
を特徴とするアルミニウム金属製品の洗浄剤用のビルダーを提供するものである。
【0008】
また、本発明は、前記アルミニウム金属製品の洗浄剤用のビルダーを含有することを特徴とするアルミニウム金属製品の洗浄用の洗浄剤組成物を提供するものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明のアルカリ洗浄用ビルダーに使用される(A)成分のアルカリ金属メタ珪酸塩としては、特に制限されないが、SiO2 /M2 O(Mはアルカリ金属を示す)のモル比が0.8〜1.2の珪酸アルカリの粉末が好ましく、例えばメタ珪酸ソーダ、メタ珪酸カリ等のアルカリ金属メタ珪酸塩が挙げられ、この中、メタ珪酸ソーダが好ましい。本発明のアルカリ金属メタ珪酸塩はその結晶化度は特に問題ではなく、非晶質でもよく、含水物及び無水物、または、これらの混合物であってもよい。
【0010】
また、前記アルカリ金属メタ珪酸塩中には、残存アルカリ金属イオンや残存塩素イオンが含有されていてもよい。ここで、残存アルカリ金属イオン及び残存塩素イオンとは、Si原子と酸素原子を介しての化学結合を有しないアルカリ金属イオン及び塩素イオンを示すものである。本発明のおいて、かかるアルカリ金属メタ珪酸塩中には、通常、0.01(wt/wt) %以上のアルカリ金属イオン及び、通常10ppm以上の範囲で塩素イオンが含有されていてもよい。
【0011】
本発明のアルカリ洗浄剤用ビルダーにおいて、前記アルカリ金属メタ珪酸は、無水物および含水物の混合物として用いることが好ましい。この場合、アルカリ金属メタ珪酸塩の無水物に対するアルカリメタ珪酸塩の含水物の配合割合は、通常20〜60重量%、好ましくは30〜50重量%である。かかるアルカリ金属メタ珪酸塩の無水物は、アルカリ洗浄剤ビルダーとして洗浄効果を高める成分となり、一方の成分のアルカリ金属メタ珪酸塩の含水物は、本発明のアルカリ洗浄剤用ビルダーおよび洗浄剤組成物の溶解性を高める成分である。
【0012】
本発明のアルカリ洗浄剤用ビルダーにおいて、他方の(B)成分であるアルカリ金属メタ珪酸を除く、アルカリ金属珪酸塩としては、SiO2 /M2 O(Mはアルカリ金属を示す)のモル比が、2.0以上、好ましくは2.0〜2.6の範囲の珪酸アルカリの粉末であって、例えば、珪酸ソーダ、珪酸カリ等のアルカリ金属塩が挙げられる。この中、珪酸ソーダが好ましく、このようなアルカリ金属珪酸塩としては、例えば粉末珪酸ソーダ1号、粉末珪酸ソーダ2号、二珪酸ソーダ等が挙げられる。アルカリ金属珪酸塩はモル比が上記した範囲の粉末であれば、その結晶化度は特に問題ではなく、非晶質でもよく、含水物及び無水物、または、これらの混合物であってもよい。
【0013】
前記(B)アルカリ金属珪酸塩の配合割合は、アルカリ洗浄剤用ビルダー成分中、通常5〜20重量%、好ましくは10〜20重量%である。この理由は、5重量%未満であると、ナトリウムイオン及び塩素イオンの捕捉能が不足し、一方、20重量%を越えると、これらイオンの捕捉能は大きくなるが、ビルダーとしての溶解性が悪くなり好ましくない。
【0014】
前記(A)アルカリ金属メタ珪酸塩及び(B)アルカリ金属メタ珪酸塩を除くアルカリ金属珪酸塩の形状としては、粉末状、顆粒状であってもよいが、粉末状であることが好ましい。粒度は、特に限定はないが通常、2mm以下、好ましくは1mm以下のものがよい。
【0015】
また、本発明のアルカリ洗浄剤用ビルダーに配合される他の成分として、溶解性を更に改善する目的で、炭酸ナトリウム等の炭酸アルカリを含有させることができる。また、本発明のアルカリ洗浄剤用ビルダーは、アルミニウム金属の腐食を効果的に抑制することができることから、特にアルミニウム金属製品の洗浄剤用のビルダーとして好適である。
【0016】
次に、本発明に係る洗浄剤組成物について説明する。当該洗浄剤組成物は、前記アルカリ洗浄用ビルダーを含有してなるものである。洗浄剤組成物中、前記アルカリ洗浄剤用ビルダーの配合量は、通常5〜70重量%、好ましくは20〜50重量%である。この理由は、5重量%未満であると金属製品の腐食抑制効果が小さくなり、70重量%を越えると洗浄液のpHが高くなって、かえって腐食の原因となる傾向にあるので好ましくない。
【0017】
本発明の洗浄剤組成物は、前記アルカリ洗浄用ビルダーの他、金属イオン封鎖剤、界面活性剤、アルカリ剤、分散剤、電解質、消泡剤、漂白活性剤、香料、染料及び腐食抑制剤等の通常の洗浄剤成分を配合することができる。
【0018】
金属イオン封鎖剤としては、例えば、有機酸塩、水溶性高分子、無機酸塩等が挙げられる。有機酸塩としては、例えばポリカルボン酸塩、ヒドロキシモノカルボン酸塩、ヒドロキシポリカルボン酸塩、アミノカルボン酸塩、カルボキシアルキルエーテル、ホスホン酸塩等が挙げられる。ポリカルボン酸塩の具体例としては、マレイン酸、メチレンマロン酸、シトラコン酸、メサコン酸、イタコン酸等のナトリウム塩又はカリウム塩が挙げられる。ヒドロキシモノカルボン酸塩及びポリカルボン酸塩の具体例としては、グリコール酸、乳酸、リンゴ酸、タルトロン酸、メチルタルトロン酸、グルコン酸、グリセリン酸、クエン酸、酒石酸、サリチル酸、グルカン酸等のナトリウム塩又はカリウム塩が挙げられる。アミノカルボン酸塩としては、例えばグリシン、グルシルグリシン、アラニン、アスパラギン、グルタミン酸、アミノ安息香酸、イミノジ又はトリ酢酸、ヒドロキシエチルイミノジ酢酸、エチレンジアミンテトラ酢酸等のナトリウム塩又はカリウム塩が挙げられる。カルボキシアルキルエーテルの具体例としては、2,2−オキシジ琥珀酸塩、エーテルポリカルボン酸塩のナトリウム塩又はカリウム塩が挙げられ、特にカルボキシメチルエーテル基を有するカルボン酸が望ましい。ホスホン酸塩としては、アルカンポリホスホン酸、アミノアルカンポリホスホン酸、ヒドロキシアルカンポリホスホン酸等が挙げられ、具体的には、ニトリロトリスチレンホスホン酸、ニトリロトリスプロピレンホスホン酸、ニトリロジエチルメチレンスルホン酸、ニトリロプロピルビスメチレンホスホン酸、エチレンジアミンテトラメチレンホスホン酸、エチレンジアミンテトラプロピレンホスホン酸、メタン−1−ヒドロキシ−1,1−ジホスホン酸、エタン−1−ヒドロキシ−1,1−ジホスホン酸、プロパン−1−ヒドロキシ−1,1−ジホスホン酸等のナトリウム塩又はカリウム塩が挙げられる。
【0019】
水溶性高分子としては、ポリアクリル酸ソーダ、アクリル酸と無水マレイン酸との共重合体等が挙げられ、特に分子量として、通常5000〜20000であり、8000〜14000の範囲のものが特に好ましい。無機酸塩としては、二珪酸ナトリウム、トリポリリン酸ナトリウム、ピロリン酸ナトリウム、オルソリン酸ナトリウム等が挙げられる。上記に挙げた以外の金属イオン封鎖剤としては、例えばゼオライトA、オルト珪酸塩、セスキ珪酸塩等が挙げられる。これら金属イオン封鎖剤配合量は、洗浄剤組成物中、通常30〜60重量%、好ましくは40〜50重量%である。
【0020】
界面活性剤としては特に制限はなく、陰イオン界面活性剤、陽イオン界面活性剤、非イオン界面活性剤、両性界面活性剤などを使用することができる。
【0021】
陰イオン界面活性剤としては、例えば、ラウリン酸、オレイン酸、ステアリン酸などの飽和又は不飽和脂肪酸の塩(石鹸)、ラウリルサルフェート、ステアリルサルフェート、パルミチルフェノールサルフェートなどの高級アルコール硫酸エステルの塩又はアルキルフェノール硫酸エステルの塩、ラウリルエーテルサルフェート、オレイルエーテルサルフェートなどのアルキルエーテル硫酸の塩、硫酸化油の塩、硫酸化脂肪酸エステルの塩、硫酸化脂肪酸の塩、ラウリルスルフォネート、オレイルスルフォネートなどのアルキルスルフォン酸の塩、ラウリルベンゼンスルフォネート、ノニルベンゼンスルフォネートなどのアルキルベンゼンスルフォン酸の塩、パラフィンスルフォネートなどのオレフィンスルフォン酸の塩、さらには、ラウリルフォスフォネート、ジステアリルフォスフォネートなどのアルキル又はジアルキルフォスフォン酸の塩、ドデカノイルメチルタウリン、ヘキサデカノイルメチルタウリン、オレオイルメチルタウリンなどのアシルメチルタウリンの塩などを挙げることができる。
【0022】
陽イオン界面活性剤としては、例えば、ラウリルアミン塩酸塩、ステアリルアミン酢酸塩などのアルキルアミン塩、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド、ラウリルジメチルベンジルアンモニウムブロマイドなどの第四級アンモニウム塩などを挙げることができる。
【0023】
非イオン系界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンアルキルエーテル、リン酸エステル、ポリオキシエチレンアルキレンフェニルエーテル、エチレンジアミンのポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン縮合物、脂肪族アルコールのエチレンオキサイド付加物、ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンひまし油、ポリオキシエチレンアルキルアミン、グリセリン脂肪酸エステル、高級脂肪酸アルカノールアミド、アルキルグルコキシド、アルキルアミンオキシド等が挙げられ、特に脂肪族アルコールのエチレンオキサイド付加物が好ましく用いられる。
【0024】
両性界面活性剤としては、例えば、アミノ酸型両性界面活性剤、ステアリルジメチルベタイン、ラウリルジヒドロキシエチルベタインなどのベタイン型両性界面活性剤などを挙げることができる。
【0025】
これらの界面活性剤は、1種又は2種以上で使用することができ、界面活性剤の洗浄剤への配合量は、通常0.1〜10重量%、好ましくは1〜5重量%である。
【0026】
アルカリ剤としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の水酸化物、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等の炭酸塩、炭酸水素ナトリウム等の重炭酸塩、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム等の硫酸塩、メタ珪酸ナトリウム、オルソ珪酸ナトリウム等の珪酸塩が挙げられる。
【0027】
分散剤としては、ポリエチレングリコール、プロピレングルコール、モノエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル等が挙げられる。
【0028】
本発明の洗浄剤組成物の洗浄対象物としては、陶器、ステンレス製、アルミ製の製品で、特にアルミニウム製品の洗浄に対して好適に用いられ、その使用形態により、本発明の洗浄剤組成物は、自動食器洗浄機用、アルミニウムの脱脂剤等として、一般家庭用から工業用まで幅広い用途に優れた効果を有する。
【0029】
【実施例】
以下、実施例により本発明を更に具体的に説明するが、これは単に例示であって、本発明を制限するものではない。
【0030】
実施例1
無水メタ珪酸ソーダ125g、メタ珪酸ソーダ・5水塩50g及びメタ珪酸ソーダを除く、SiO2 /Na2 Oのモルが2.15の粉末状珪酸ソーダ40gを、均一になるまで十分に混合してアルカリ洗浄剤用ビルダーAを調製した。アルカリ洗浄剤用ビルダーA中、遊離のナトリウムイオン濃度は0.15(wt/wt) %、遊離の塩素イオン濃度は200ppmであった。この洗浄剤用ビルダーAについて、次に示す一次腐食試験を行い、腐食性を評価した。結果を表1に示す。
【0031】
(一次腐食試験)
洗浄剤用ビルダーの10%水溶液300mlを調製し、この水溶液に170mm×115mm×7μmの大きさのアルミニウム箔(キシダ化学社製)を浸し、1時間放置後、アルミニウム箔を取り出し、アルミニウム箔表面の腐食度合いをを観察する。
【0032】
実施例2
無水メタ珪酸ソーダ140g、メタ珪酸ソーダ・5水塩60g及びメタ珪酸ソーダを除く、SiO2 /Na2 Oのモルが2.15の粉末状珪酸ソーダ40gを、均一になるまで十分に混合してアルカリ洗浄剤用ビルダーBを調製した。アルカリ洗浄剤用ビルダーB中、遊離のナトリウムイオン濃度は0.14(wt/wt) %、遊離の塩素イオン濃度は180ppmであった。
【0033】
比較例1
無水メタ珪酸ソーダをアルカリ洗浄剤用ビルダーCとした。アルカリ洗浄剤用ビルダーC中、遊離のナトリウムイオン濃度は0.3(wt/wt) %、遊離の塩素イオン濃度は150ppmであった。
【0034】
この洗浄剤用ビルダーB及びCについても、実施例1と同様の一次腐食試験を行い腐食性を評価した。また、一次腐食試験では、48%苛性ソーダ水溶液300mlに上記のアルミニウム箔を浸したもの(表1中、「NaOH aq 」)及び水のみにアルミニウム箔を浸したものをブランク試験(表1中、「水」)として評価した。結果を表1に示す。
【0035】
【表1】
Figure 0004114898
【0036】
表1の結果から、アルカリ洗浄剤用ビルダーA及びBに浸漬したアルミニウム箔表面には、シリカの皮膜が形成されて腐食が見られないのに対して、従来の洗浄剤ビルダーとして用いられているメタ珪酸ソーダやアルカリ剤に浸漬したものは、アルミニウム箔表面に腐食がみられることから、本発明のアルカリ洗浄剤用ビルダーによりアルミニウム箔の腐食が抑制されることがわかる。なお、表1中、実施例1、比較例1及びブランク試験におけるAl箔表面は1000倍のSEM写真(不図示)の結果も含めて総合的に観察判断した。
【0037】
実施例3〜4及び比較例2
実施例1〜2及び比較例1で調製したビルダーA〜Cを用いて、表2に示した組成のアルカリ洗浄剤組成物(洗浄剤A、洗浄剤B、洗浄剤C)を調製し、下記のような方法で洗浄性試験及びアルミニウム金属の腐食性試験を行った。その結果を表3に示した。
【0038】
(洗浄性試験)
一次腐食試験で用いたのと同じアルミニウム箔試験片に水溶性切削油剤を塗布し、24時間放置した後、油剤を切り、表2に示した組成の洗浄剤に浸漬し、洗浄温度70℃、洗浄時間3分、液攪拌度600rpmで洗浄した後、次式で求められる洗浄率を測定する。
洗浄率={(洗浄前の油剤付着量−洗浄後の油剤付着量)}×100/(洗浄前の油剤付着量)
【0039】
(アルミニウム金属の腐食性試験)
実施例3、4及び比較例2で調製した洗浄剤A〜Cの10%水溶液300mlを調製し、この水溶液に170mm×115mm×7μmの大きさのアルミニウム箔(キシダ化学社製)を浸し、1時間放置後、アルミニウム箔を取り出し、アルミニウム箔表面を観察する。なお、表面観察により、腐食なしを「○」、腐食ありを「×」で示す。
【0040】
【表2】
Figure 0004114898
【0041】
【表3】
Figure 0004114898
【0042】
【発明の効果】
本発明のアルカリ洗浄剤用ビルダーは、アルミニウム金属製品の腐食がなく、且つ優れた洗浄能を付与することができることから、アルミニウム製品の洗浄剤組成物として利用価値は極めて大である。

Claims (2)

  1. (A)アルカリ金属メタ珪酸塩、(B)前記アルカリ金属メタ珪酸塩を除くアルカリ金属珪酸塩であって、SiO2 /M2 O(Mはアルカリ金属を示す)のモル比が2.0以上のアルカリ金属珪酸塩、及び(C)炭酸アルカリを含有し、
    (A)前記アルカリ金属メタ珪酸塩は、含水物及び無水物の混合物であり、且つ、該無水物に対する該含水物の配合割合が、20〜60重量%であり、
    (B)前記アルカリ金属珪酸塩の含有量は、ビルダー成分中、5〜20重量%であること、
    を特徴とするアルミニウム金属製品の洗浄剤用のビルダー。
  2. 請求項1記載のアルミニウム金属製品の洗浄剤用のビルダーを含有することを特徴とするアルミニウム金属製品の洗浄用の洗浄剤組成物。
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