JP4114328B2 - 遊星差動歯車装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、互いに噛み合う内歯車、遊星歯車及び太陽歯車並びに太陽歯車内に設けられたオープンデフを有する遊星差動歯車装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、この種の遊星差動歯車装置は、回転軸線を中心として回転駆動されるハウジングと、このハウジング内に回転軸線を中心として回転可能に設けられた内歯車及び太陽歯車と、ハウジングに自転可能に設けられ、内歯車及び太陽歯車と噛み合う遊星歯車と、ハウジング内に回転軸線を中心として回転可能に設けられ、内歯車に回転不能に連結されたケーシングとを備えている。
【0003】
太陽歯車の内部には、収容孔が形成されている。この収容孔は、断面円形をなしており、その軸線を回転軸線と一致させて配置されている。収容孔内には、ケーシングが回転軸線を中心として回転自在収容されている。このケーシング内には、内周面が球面の一部をなす収容空間が形成されており、この収容空間内には、軸線を回転軸線と直交させた支持軸が設けられている。この支持軸のケーシング内における両端部には、傘歯車がそれぞれ回転自在に支持されている。また、ケーシング内における回転軸線上には、一対のサイドギヤが回転自在に配置されており、各サイドギヤは各傘歯車と噛み合っている。
【0004】
上記のように構成された遊星差動歯車装置において、ケーシングの収容空間内に傘歯車を組み付ける場合には、予め支持軸に傘歯車を支持させる。そして、支持軸及び傘歯車全体を回転させながらケーシング内に挿入するようにしている。このとき、支持軸の長さが収容空間の内径より長いと、支持軸を収容空間内に挿入することができない。そこで、支持軸については、2つの傘歯車を支持する中央側の装着軸部と、外側(両端側)のストッパ軸部とに3分割している。そして、支持軸の装着部分の両端部に傘歯車をそれぞれ回転自在に設け、これをケーシングの収容空間内に挿入する。その後、装着軸部を回転軸線と直交するように配置する。一方、ケーシングの周壁部には、装着軸部の両端部と対向する箇所に貫通孔をそれぞれ形成しておき、各貫通孔にストッパ軸部を挿入する。そして、ストッパ軸部の端面を装着軸部の端面にそれぞれ突き当て、ストッパ軸部を貫通して装着軸部に螺合されたボルトを締め付けることにより、装着軸部とストッパ軸部とを一体化させる。これにより、2つの傘歯車をケーシング内に配置していた。しかも、ストッパ軸部と傘歯車とを支持軸の軸線方向において互いに係合させることにより、支持軸が貫通孔から抜け出るのを阻止するようにしていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の遊星差動歯車装置においては、ケーシングに傘歯車を組み付ける際に、装着軸部と各ストッパ軸部とをボルトで一体化させなければならない。この場合、ボルトが2本用いられており、全てのボルトを締め付けなければならない。このため、傘歯車をケーシングに装着するのに多大の手間を要するという問題があった。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この発明は、上記の問題を解決するためになされたもので、回転軸線を中心として回転駆動されるハウジングと、このハウジング内にそれぞれの軸線を上記回転軸線と一致させて配置された内歯車及び太陽歯車と、上記ハウジングに自転可能に、かつ位置固定して設けられ、上記内歯車及び上記太陽歯車と噛み合う遊星歯車と、軸線を上記回転軸線と一致させて配置され、上記内歯車に回転不能に連結されたケーシングとを備え、上記ケーシングが上記太陽歯車の内部に形成された収容孔に上記回転軸線を中心として回転可能に収容され、上記ケーシングの内部には、曲率中心を上記回転軸線上に位置させた球面の一部によって内周面が構成された収容空間が形成され、この収容空間の内部には、軸線を上記回転軸線と直交させた支持軸の両端部に傘歯車がそれぞれ回転可能に設けられるとともに、一対のサイドギヤが上記回転軸線を中心として回転可能に設けられ、各サイドギヤが上記傘歯車にそれぞれ噛み合わされた遊星差動歯車装置において、上記ケーシングの周壁部に上記支持軸の外側の端部が挿通される貫通孔を形成し、上記支持軸の上記貫通孔から外側に突出した端面を上記太陽歯車の内周面に接触させることによって上記支持軸の上記貫通孔から外側への抜け止めをしたことを特徴としている。
この場合、上記太陽歯車の収容孔の内周面に接する上記支持軸の端面を、曲率半径が上記収容孔の内周面の曲率半径より小さく、上記収容孔の周方向に延びる外側へ凸の円弧面としたり、あるいは曲率半径が上記太陽歯車の内周面の曲率半径より小さい外側へ凸の球面とするのが望ましい。
また、上記支持軸として互いの軸線を直交させた二つの支持軸が用いられ、各支持軸の両端部に傘歯車がそれぞれ回転自在に設けられていることが望ましい。二つの支持軸を用いる場合には、上記二つの支持軸のうち、一方の支持軸を一体に形成し、他方の支持軸をその軸線方向の一端側部分と他端側部分とに二分し、各部分の内側の端部を上記一方の支持軸の中央部に連結してもよく、あるいは上記二つの支持軸を、その軸線方向の一端側部分と他端側部分とにそれぞれ二分し、上記ケーシングの内部に支持リングを、その軸線を上記回転軸線と一致させた状態で配置し、この支持リングに上記二つの支持軸の各部分の内側の端部をそれぞれ連結してもよい。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の好適な実施の形態について図1〜図4を参照して説明する。この実施の形態の遊星差動歯車装置1は、4輪駆動車のセンターデフとして用いられるものであり、図1に示すように、ハウジング半体2A,2Bからなるハウジング2を備えている。ハウジング2の外周には、リングギヤ(図示せず)が固定され、このリングギヤを介してハウジング2にエンジンの回転が伝達される。これにより、ハウジング2が回転軸線Lを中心として回転駆動されるようになっている。
【0008】
ハウジング2の内部には、内歯車3、遊星歯車4及び太陽歯車5が収容されている。内歯車3は、その軸線を回転軸線Lと一致させて配置されており、その外周面がハウジング2の内周面に摺動自在に嵌合されている。遊星歯車4は、その軸線を回転軸線Lと平行にして配置されており、ハウジング2に自転可能に、かつ位置固定して設けられている。したがって、遊星歯車4は、ハウジング2に対して回転軸線Lを中心として相対回転することはなく、ハウジング2と一体に回転(公転)する。太陽歯車5は、筒部5Aと収容部5Bとを有している。筒部5Aは、ハウジング2の一端部に軸線を回転軸線Lと一致させて形成された支持筒部21に回転自在に支持されている。これにより、太陽歯車5がハウジング2に回転軸線Lを中心として回転自在に支持されている。筒部5Aの先端部(収容部5Bと逆側の端部)は、支持筒部21から突出しており、その突出した先端部の外周面には、スプライン51が形成されている。このスプライン51には、例えばプロペラシャフト等の出力軸(図示せず)が回動不能に嵌合されるようになっている。一方、収容部5Bの筒部5Aと逆側の端部は、内歯車3の内側に位置しており、当該端部の外周面には外歯車部52が形成されている。
【0009】
遊星歯車4は、内歯車3及び太陽歯車5の外歯車部52と噛み合っている。したがって、ハウジング2が回転駆動されると、その回転が遊星歯車4介して内歯車3と太陽歯車5とに伝達される。このとき、遊星歯車4が自転すると、内歯車3と太陽歯車5とが差動回転する。一方、遊星歯車4が自転しない場合には、内歯車3、遊星歯車4及び太陽歯車5が回転軸線Lを中心として一体に回転する。
【0010】
上記太陽歯車5の収容部5Bには、その端面から筒部5A側へ向かって延びる収容孔53が形成されている。この収容孔53は、断面円形をなしており、その軸線を回転軸線Lと一致させて形成されている。収容孔53の内部には、オープンデフ6が収容されている。オープンデフ6は、ケーシング61と、このケーシング61内に配置された4個の傘歯車62及び一対のサイドギア63とを備えている。
【0011】
ケーシング61は、その外周面が太陽歯車5の収容孔53の内周面に対応した形状をなしており、収容孔53に回転軸線Lを中心として回転自在に挿入支持されている。ケーシング61の内部には、収容空間61aが形成されている。この収容空間61aの回転軸線L方向における両端部は、開口部61b,61cを介して外部に開放されている。この場合、筒部5A側の開口部61cの内径は、サイドギヤ63の外径より小径になっているが、逆側の開口部61bの内径は、そこから収容空間61a内に傘歯車62及びサイドギヤ63を収容空間61a内に挿入することができるように、その寸法が設定されている。収容空間61aの回転軸線L方向における中央部の内周面は、曲率中心を回転軸線L上に位置させた球面の一部によって構成されている。この球面からなる内周面を有する周壁部には、図2に示すように、貫通孔61dが二組形成されている。一方の一組の貫通孔61d,61dは、それぞれの軸線を互いに一致させ、かつ回転軸線Lと直交するようにして配置されている。他の一組の貫通孔61d,61dは、それぞれの軸線を互いに一致させ、かつ回転軸線L及び一方の一組の貫通孔61d,61dの軸線と直交するようにして配置されている。
【0012】
一方の一組の貫通孔61d,61dには、第1支持軸64(支持軸)の両端部が挿脱可能に挿通されている。したがって、第1支持軸64は、回転軸線Lと直交しており、回転軸線Lを中心としてケーシング61と一体に回転する。他方の一組の貫通孔61d,61dには、二つの第2支持軸(支持軸)65,65の外側の端部が挿通されている。この二つの第2支持軸65,65は、それぞれの軸線を互いに一致させるとともに、回転軸線L及第1支持軸64の軸線と直交させて配置されている。しかも、二つの第2支持軸65,65は、その内側の端面を第1支持軸64の中央部外面に突き当てるとともに、内側の端面に形成された突出部65aを第1支持軸64の中央部に形成された孔64aに嵌合させている。したがって、第2支持軸65も、回転軸線Lを中心としてケーシング61と一体に回転する。
【0013】
第1支持軸64の両端面には、外側に凸の湾曲面64bがそれぞれ形成されている。湾曲面64bは、収容孔53の半径より小さい曲率半径を有している。湾曲面64bの曲率中心を結ぶ曲率中心線は、回転軸線L(収容孔53の軸線)と平行になっており、第1支持軸64の軸線と直交している。したがって、湾曲面64bは、収容孔53の周方向に延びており、その延在方向の中央部(収容孔53の周方向における第1支持軸の中央部)において最も外側に突出している。そして、外側に最も突出した部分た部分が収容孔53の内周面と線接触している。第2支持軸65の外側の端部には、湾曲面65bが形成されている。この湾曲面65bは、湾曲面64bと同様に形成されている。したがって、湾曲面65bも収容孔53の内周面に線接触している。
【0014】
第1支持軸64の収容空間61a内における両端部には、上記傘歯車62,62がそれぞれ回転自在に嵌合支持されている。第2支持軸65の収容空間61a内における外側の端部にも、傘歯車62,62が回転自在に嵌合支持されている。なお、第1、第2支持軸64,65の外周面には、平取り面64c,65cが形成されており、各平取り面64c,65cと傘歯車62との間の空間が、各支持軸64,65と傘歯車62との間を潤滑する潤滑油の油溜まりになっている。
【0015】
収容空間61a内の回転軸線L方向における両端部には、上記サイドギヤ63がそれぞれ回転自在に設けられている。各サイドギヤ63は、それぞれの軸線を回転軸線Lと一致させて配置されており、4つの傘歯車62と噛み合っている。サイドギヤ63の中央部には、これを貫通するスプライン孔63aが形成されている。各サイドギヤ63のスプライン孔63aには、例えば左右の車輪に回転を伝達する車軸等の出力軸(図示せず)がそれぞれ回転不能に嵌合されるようになっている。
【0016】
ケーシング61は、内歯車3に連結部材7を介して回転不能に連結されている。連結部材7は、円板状をなすものであり、ハウジング半体2Aとケーシング61との間のハウジング2内に配置されている。連結部材7の外周面には、内歯車3とほぼ同一の歯車諸元を有する歯車71が形成されている。この歯車71が内歯車3に対してスプライン嵌合と同様の状態で嵌合することにより、連結部材7が内歯車3に回転不能に連結されている。連結部材7とケーシング61との互いに対向する端面は、回転軸線L方向において互いに接触しており、連結部材7を貫通してケーシング61に螺合されたボルト(図示せず)を閉め付けることにより、連結部材7とケーシング61とが回転不能に連結され、ひいてはケーシング61が内歯車3に回転不能に連結されている。しかも、連結部材7がケーシング61に連結されることにより、ケーシング61の開口部61bが、連結部材7に形成された挿通孔72(上記出力軸を挿通するための孔)に対向する箇所を除いて閉じられている。これにより、サイドギヤ63が開口部61bから抜け出るのを防止するようになっている。
【0017】
上記構成の遊星差動歯車装置1において、オープンデフ6を組み立てる場合には、まず開口部61bからケーシング61内に一方のサイドギヤ63、4つの傘歯車62及び他方のサイドギヤ63の順に挿入し、それぞれを所定の位置に配置する。次に、第1支持軸64を一組の貫通孔61d,61dのうちの一方から挿入する。一方の貫通孔61dから挿入された第1支持軸64は、当該一方の一組の貫通孔61d,61dと同一軸線上に配置された二つの傘歯車63,63を貫通し、他方の貫通孔61dに挿入される。次に、第2支持軸65,65を他方の組の貫通孔61d,61dからそれぞれ挿入し、他方の組の貫通孔61dと同一軸線上に配置された傘歯車63を貫通させて、内側の端面を第1支持軸64に突き当てるとともに、突出部65aを孔64aに嵌合させる。これによって、オープンデフ6の組立が完了する。
【0018】
組み立てられたオープンデフ6は、太陽歯車5の収容孔53に挿入される。すると、第1支持軸64の両端に形成された湾曲面64b,64bが収容孔53の内周面に接触するとともに、第2支持軸65の外側の端面に形成された湾曲面65bが収容孔53の内周面に接触する。これにより、第1、第2支持軸64が抜け止めされている。その後、ケーシング61の開口部61b側の端面に連結部材7が固定される。これにより、サイドギヤ63及び傘歯車62の開口部61bからの抜け止めがなされている。なお、遊星差動歯車装置1全体の組立は、従来のものと同様であるのでその説明は省略する。
【0019】
上記構成の遊星差動歯車装置1においては、第1、第2支持軸64,65が、貫通孔61dから挿入可能であるのみならず、第1、第2支持軸64,65の端面(湾曲面64b,65b)を太陽歯車5の収容孔53の内周面に接触させることによって抜け止めされているから、従来の遊星差動歯車装置とは異なり、支持軸を三分割してボルトで固定する必要がない。したがって、オープンデフ6を容易に組み立てることができる。
【0020】
また、第1、第2支持軸64,65の湾曲面64b,65bを収容孔53の内周面に接触させることによって抜け止めしているので、ケーシング61が太陽歯車5に対して相対回転すると、第1、第2支持軸64,65の湾曲面64b,65bが収容孔53の内周面を擦過する。この場合、仮に第1、第2支持軸64,65の端面がそれらの軸線と直交する平面とされていると、第1、第2支持軸64,65の端面の縁部(外周面と端面との交差部)が収容孔53の内周面を傷付けるおそれがある。しかも、第1、第2支持軸64,65と収容孔53の内周面との摺動抵抗が大きくなる。このため、ケーシング61が太陽歯車5に対してスムースに回転することができなくなる。この点、この遊星差動歯車装置1においては、第1、第2支持軸64,65の端部に円弧面からなる湾曲面64b,65bが形成されているので、第1、第2支持軸64,65の端面が収容孔の内周面に傷を付けるのを防止することができるとともに、摺動孔53の内周面に対する摺動抵抗を小さくすることができる。
【0021】
図3は、4つの傘歯車63を支持する第1及び第2支持軸64,65の他の例を示す。この第1及び第2支持軸64,65においては、湾曲面64b,65bとして円弧面に代えて、球面が採用されている。球面からなる湾曲面64b,65bの曲率半径は、収容孔53の内周面の半径より小さく、その曲率中心は、第1、第2の支持軸64,65の軸線上に配置されている。
【0022】
図4は、第1、第2支持軸64,65のさらに他の例を示す。この例においては、環状をなす連結リング66と、第1、第2支持軸64,65が2本宛て用いられている。この連結リング66は、その軸線を回転軸線Lと一致させてケーシング61内に配置されている。連結リング66には、その内周面から外周面まで径方向に貫通する連結孔66aが4つ形成されている。4つの連結孔66aは、連結リング66の周方向に90°ずつ離れて配置されており、対向する二つの連結孔66a,66aは、互いの軸線を一致させている。4つの連結孔66aのうち、対向する一方の二つの連結孔66a,66aには、第1支持軸64,64の各連結突起64d,64dがそれぞれ挿脱可能に挿入されている。対向する他方の二つの連結孔66a,66aには、第2支持軸65,65の連結突起65a,65aがそれぞれ挿脱可能に支持されている。勿論、4本の第1、第2支持軸64,65には、傘歯車63がそれぞれ回転可能に支持されており、各支持軸64,65の湾曲面64b,65bは、太陽歯車5の収容孔53の内周面に線接触している。
【0023】
なお、この発明は、上記の実施の形態に限定されるものでなく、適宜変更可能である。
例えば、上記の実施の形態においては、二つの支持軸64,65を用い、各支持軸64,65の外側の端部に傘歯車62を支持させることにより、傘歯車62を4つ用いているが、一つの支持軸と、この支持軸の両端部に支持された二つの傘歯車だけを用いてもよい。
【0024】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、傘歯車をケーシングに容易に組み付けることができるという効果が得られる。
特に、太陽歯車内周面に接触する支持軸の端面を円弧面又は球面にした場合には、太陽歯車の内周面が支持軸によって傷付けられるのを防止することができるのみならず、各支持軸の端面と太陽歯車の内周面との摩擦抵抗を小さくすることができ、それによって遊星差動歯車装置の回転を円滑に行わせることができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施の形態を示す縦断面図である。
【図2】図1のX−X線に沿う拡大断面図である。
【図3】この発明の他の実施の形態において用いられている第1及び第2支持軸を示す一部切欠き正面図である。
【図4】この発明のさらに他の実施の形態において用いられている連結リング、第1及び第2の支持軸を示す正断面図である。
【符号の説明】
L 回転軸線
1 遊星差動歯車装置
2 ハウジング
3 内歯車
4 遊星歯車
5 太陽歯車
53 収容孔
6 オープンデフ
61 ケーシング
61a 収容空間
61d 貫通孔
62 傘歯車
63 サイドギヤ
64 第1支持軸(支持軸)
64b 湾曲面(円弧面、球面)
65 第2支持軸(支持軸)
65b 湾曲面(円弧面、球面)
66 支持リング
Claims (6)
- 回転軸線を中心として回転駆動されるハウジングと、このハウジング内にそれぞれの軸線を上記回転軸線と一致させて配置された内歯車及び太陽歯車と、上記内歯車及び上記太陽歯車と噛み合う遊星歯車と、軸線を上記回転軸線と一致させて配置され、上記内歯車に回転不能に連結されたケーシングとを備え、上記ケーシングが上記太陽歯車の内部に形成された収容孔に上記回転軸線を中心として回転可能に収容され、上記ケーシングの内部には、収容空間が形成され、この収容空間の内部には、軸線を上記回転軸線と直交させた支持軸の両端部に傘歯車がそれぞれ回転可能に設けられるとともに、一対のサイドギヤが上記回転軸線を中心として回転可能に設けられ、各サイドギヤが上記傘歯車にそれぞれ噛み合わされた遊星差動歯車装置において、
上記支持軸を上記収容空間のうちの上記収容孔の内側に位置する部位に配置し、上記収容孔の内周面と対向する上記ケーシングの周壁部に上記支持軸の外側の端部が挿通される貫通孔を形成し、上記支持軸の上記貫通孔から外側に突出した端面を上記太陽歯車の上記収容孔の内周面に接触させることによって上記支持軸の上記貫通孔からの外側への抜け止めをしたことを特徴とする遊星差動歯車装置。 - 上記太陽歯車の収容孔の内周面に接する上記支持軸の端面を、曲率半径が上記収容孔の内周面の曲率半径より小さく、上記収容孔の周方向に延びる外側へ凸の円弧面としたことを特徴とする請求項1に記載の遊星差動歯車装置。
- 上記太陽歯車の収容孔の内周面に接する上記支持軸の端面を、曲率半径が上記太陽歯車の内周面の曲率半径より小さい外側へ凸の球面としたことを特徴とする請求項1に記載の遊星差動歯車装置。
- 上記支持軸として互いの軸線を直交させた二つの支持軸が用いられ、各支持軸の両端部に傘歯車がそれぞれ回転自在に設けられていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の遊星差動歯車装置。
- 上記二つの支持軸のうち、一方の支持軸を一体に形成し、他方の支持軸をその軸線方向の一端側部分と他端側部分とに二分し、各部分の内側の端部を上記一方の支持軸の中央部に連結したことを特徴とする請求項4に記載の遊星差動歯車装置。
- 上記二つの支持軸を、その軸線方向の一端側部分と他端側部分とにそれぞれ二分し、上記ケーシングの内部に支持リングを、その軸線を上記回転軸線と一致させたた状態で配置し、この支持リングに上記二つの支持軸の各部分の内側の端部をそれぞれ連結したことを特徴とする請求項4に記載の遊星差動歯車装置。
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