JP4113384B2 - カラーマネジメントシステム、カラーマネジメントプログラム及び記録媒体 - Google Patents
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Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、印刷機械に依存しない色再現を得るために印刷機械に固有のプロファイル情報を使用して色変換を行うカラーマネジメントシステム、カラーマネジメントプログラム及び記録媒体に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
客先から注文された印刷物を印刷会社、外注業者が分担、独立して製作するために、例えば次のようなシステムが考えられる。
ブラウザの組み込まれた客先端末、印刷会社端末及び外注業者端末に、通信回線網を介してＡＳＰ（アプリケーションサービスプロバイダ）センターのサーバを接続し、客先端末、印刷会社端末又は外注業者端末から取得した作業に関する指示や依頼などの情報に基づいて作成されたジョブチケット情報（作業指示に関する情報）、ワークフロー情報（作業の流れに関する情報）を更新可能に記録するジョブチケットＤＢ（データベース、以下同様）、ワークフローＤＢを具備し、客先端末、印刷会社端末又は外注業者端末からの閲覧要求に対してＡＳＰセンターのサーバがジョブチケットＤＢ、ワークフローＤＢから対応した情報を読み出して閲覧可能な情報に加工し、返却するシステムが考えられる。
【０００３】
このようなシステムにおいて、印刷会社又は外注業者が、自社の印刷機械でプロファイル情報を使用して色変換を行うときに、従来のカラーマネジメントシステムを利用した場合、自社印刷機械のみに固有のプロファイル情報を数値化して保持し、個別に管理を行うことになる。
また印刷内容がカタログなのかチラシなのか、又は原稿の内容が写真なのかイラストなのかなどの１つの要素に応じてプロファイル情報を手作業で補正して色変換を行うことになる。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述のシステムでは、せいぜい１つの要素に応じてプロファイル情報を補正することになるので、精度の高い色変換を行いにくいという問題点があった。
また、手作業でプロファイル情報の補正をしていたので、高度な熟練を必要とするという問題点があった。
【０００５】
本発明は、上述の問題点に鑑みなされたもので、高度な熟練を必要とせずに精度の高い色変換を行うことのできるカラーマネジメントシステム、カラーマネジメントプログラム及び記録媒体を提供することを目的とするものである。
【０００６】
【課題を解決するための手段】
請求項１の発明は、客先端末（１０）、印刷会社端末（１４）及び外注業者端末（１８）に通信回線網（２２）を介してサーバ（３０）を接続し、客先端末（１０）、印刷会社端末（１４）又は外注業者端末（１８）から取得した情報に基づいて作成されたジョブチケット情報、ワークフロー情報を更新可能に記録するジョブチケット情報記録部（４２）、ワークフロー情報記録部（３８）を具備し、印刷会社端末（１４）、外注業者端末（１８）の少なくとも一方の利用者に対応して設けられた印刷デバイスがジョブチケット情報記録部（４２）内に記録されるプロファイル補正情報を使用して色変換を行うカラーマネジメントシステムであって、ワークフロー情報記録部（３８）のワークフロー情報には利用者毎に設定された工程別のワークフロー情報が含まれ、工程毎に設定された要素情報を記録した要素マスタ（３４）と、利用者毎に工程別、要素別に設定されたプロファイル補正情報を記録したプロファイル補正情報記録部（４０）とを具備し、サーバ（３０）がワークフロー管理による進捗管理手段、要素検索手段、プロファイル補正情報検索手段及びプロファイル補正情報記録手段を具備し、前記進捗管理手段はワークフロー情報記録部（３８）のワークフロー情報を参照して次に処理すべき工程の情報を取得し、前記要素検索手段は前記進捗管理手段で取得した工程情報に基づいて、要素マスタ（３４）及びジョブチケット情報記録部（４２）から対応する要素情報を検索し、前記プロファイル補正情報検索手段は前記要素検索手段の検索で取得した要素情報に基づいてプロファイル補正情報記録部（４０）から対応するプロファイル補正情報を検索し、前記プロファイル補正情報記録手段は前記プロファイル補正情報検索手段の検索で取得したプロファイル補正情報をジョブチケット情報記録部（４２）に記録することを特徴とするものである。
【０００７】
このような構成において、サーバ（３０）は、ワークフロー情報記録部（３８）のワークフロー情報を参照して次に処理すべき工程の情報を収得し、この工程情報に基づいて要素マスタ（３４）及びジョブチケット情報記録部（４２）から対応する要素情報を検索し、この要素情報に基づいてプロファイル補正情報記録部（４０）から対応するプロファイル補正情報を検索し、このプロファイル補正情報をジョブチケット情報記録部（４２）に記録する。このため、利用者（例えば印刷会社）が対応する印刷デバイスを用いて印刷するとき、ジョブチケット情報記録部（４２）には利用者に対応して工程別に設定された要素に関する複数のプロファイル補正情報が記録されているので、これらのプロファイル補正情報のうちの任意の１つ又は集計情報を使用した色変換を行うことができる。
【０００８】
請求項２に記載の発明は、請求項１に記載の発明において、印刷デバイスで使用するプロファイル補正情報の取得を容易にするために、サーバ（３０）がプロファイル補正情報集計手段を具備し、このプロファイル補正情報集計手段が、プロファイル補正情報記録手段によって利用者毎に工程別、要素別にジョブチケット情報記録部（４２）に記録された複数のプロファイル補正情報を集計し、集計情報を印刷デバイスが色変換で使用するプロファイル補正情報としたことを特徴とするものである。
【０００９】
請求項３に記載の発明は、請求項１又は２に記載の発明において、使用時間や使用環境の変化によって印刷デバイスの性能が変化した場合にも適切な色変換を行うことができるようにするために、サーバ（３０）がプロファイル補正情報更新手段を具備し、このプロファイル補正情報更新手段が、印刷会社端末（１４）又は外注業者端末（１８）から取得したプロファイル補正情報でプロファイル補正情報記録部（４０）のプロファイル補正情報を更新可能にしたことを特徴とするものである。
【００１０】
請求項４に記載の発明は、客先端末（１０）、印刷会社端末（１４）及び外注業者端末（１８）に通信回線網（２２）を介して接続されたサーバ（３０）をワークフロー管理による進捗管理手段、要素検索手段、プロファイル補正情報検索手段及びプロファイル補正情報記録手段として機能させるためのプログラムであって、サーバ（３０）は、客先端末（１０）、印刷会社端末（１４）又は外注業者端末（１８）から取得した情報に基づいて作成されたジョブチケット情報、ワークフロー情報（利用者毎に設定された工程別のワークフロー情報を含む）を更新可能に記録するジョブチケット情報記録部（４２）、ワークフロー情報記録部（３８）と、工程毎に設定された要素の情報を記録した要素マスタ（３４）と、利用者毎に工程別、要素別に設定されたプロファイル補正情報を記録したプロファイル補正情報記録部（４０）とを具備し、前記進捗管理手段がワークフロー情報記録部（３８）のワークフロー情報を参照して次に処理すべき工程の情報を取得し、前記要素検索手段が前記進捗管理手段で取得した工程情報に基づいて要素マスタ（３４）及びジョブチケット情報記録部（４２）から対応する要素情報を検索し、前記プロファイル補正情報検索手段が前記要素検索手段の検索で取得した要素情報に基づいてプロファイル補正情報記録部（４０）から対応するプロファイル補正情報を検索し、前記プロファイル補正情報記録手段が前記プロファイル補正情報検索手段の検索で取得したプロファイル補正情報をジョブチケット情報記録部（４２）に記録し、印刷会社端末（１４）、外注業者端末（１８）の少なくとも一方の利用者に対応して設けられた印刷デバイスがジョブチケット情報記録部（４２）に記録されたプロファイル補正情報を使用して色変換を行なうことを特徴とするものである。
【００１１】
このような構成において、サーバ（３０）は、請求項１に記載の発明と同様に、ワークフロー情報記録部（３８）のワークフロー情報を参照して次の工程の情報を収得し、要素マスタ（３４）及びジョブチケット情報記録部（４２）から対応する要素情報を検索し、プロファイル補正情報記録部（４０）から対応するプロファイル補正情報を検索してジョブチケット情報記録部（４２）に記録する。このため、利用者が対応する印刷デバイスを用いて印刷を行うとき、ジョブチケット情報記録部（４２）には利用者に対応した工程別の要素に関する複数のプロファイル補正情報が記録されているので、これらのプロファイル補正情報のうちの任意の１つ又は集計情報を使用した色変換を行うことができる。
【００１２】
請求項５に記載の発明は、請求項４に記載の発明において、印刷デバイスで使用するプロファイル補正情報の収得を容易にするために、サーバ（３０）をプロファイル補正情報集計手段として機能させるためのプログラムを具備し、このプロファイル補正情報集計手段が、プロファイル補正情報記録手段によって利用者毎に工程別、要素別にジョブチケット情報記録部（４２）に記録されたプロファイル補正情報を集計し、集計情報を印刷デバイスが色変換で使用するプロファイル補正情報としたことを特徴とするものである。
【００１３】
請求項６記載の発明は、請求項４又は５に記載の発明において、使用時間や使用環境の変化によって印刷デバイスの性能が変化した場合にも適切な色変換ができるようにするために、サーバ（３０）をプロファイル補正情報更新手段として機能させるためのプログラムを具備し、このプロファイル補正情報更新手段が印刷会社端末（１４）又は外注業者端末（１８）から取得したプロファイル補正情報でプロファイル補正情報記録部（４０）のプロファイル補正情報を更新することを特徴とするものである。
【００１４】
請求項７記載の発明は、請求項４，５又は６に記載のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体である。
【００１５】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態例を図面を用いて説明する。
図１は、本発明によるカラーマネジメントシステムの構成例を示すもので、図１において、１０、１２は客先側に設けられた客先端末、客先印刷デバイス（例えばデジタルプリンタ）、１４，１６は印刷会社側に設けられた印刷会社端末、印刷会社印刷デバイス（例えば輪転機のような印刷機械）、１８，２０は外注業者側に設けられた外注業者端末、外注業者印刷デバイス（例えば輪転機のような印刷機械）である。
【００１６】
前記端末１０，１４，１８にはブラウザ（閲覧ソフト）が組み込まれている。前記端末１０，１４，１８はそれぞれ一般的なコンピュータと同様にディスプレイ、キーボード、プリンタ及び本体を具備し、本体にはＣＰＵ（中央処理装置）を中心にＲＯＭ（リードオンメモリ）、ＲＡＭ（ランダムアクセスメモリ）、ディスク装置等が設けられている。
【００１７】
図１において、２２は通信回線網、２４はＡＳＰセンター、２６は通信サーバ、２８はアプリケーションサーバ、３０はワークフローサーバ、３２はデータサーバである。
通信回線網２２はＩＳＤＮ回線網と公衆回線網を具備しており、直接これらの回線網を接続する場合と、これらの回線網を利用して間接的にインターネット接続する場合を含む。
通信サーバ２６、アプリケーションサーバ２８、ワークフローサーバ３０及びデータサーバ３２はＡＳＰセンター２４内に設けられている。
【００１８】
通信サーバ２６は、通信回線網２２を介して端末１０，１４，１８及び印刷デバイス１２，１６，２０に接続されるとともに、ＡＳＰセンター２４内のアプリケーションサーバ２８、ワークフローサーバ３０及びデータサーバ３２に接続されている。
通信サーバ２６は、通信回線網２２を利用してインターネット接続し、端末１０，１４及び１８とＡＳＰセンター２４内のアプリケーションサーバ２８、ワークフローサーバ３０及びデータサーバ３２との間の送受信を管理する機能を具備している。
通信サーバ２６は、さらに通信回線網２２内の公衆回線網、ＩＳＤＮ回線網の接続により、又はこれらの回線網を介したインターネット接続により、印刷デバイス１２，１６及び２０とＡＳＰセンター２４内のデータサーバ３２との間におけるデータの送受信を管理する機能を具備している。
【００１９】
アプリケーションサーバ２８は、端末１０、１４，１８から閲覧要求を受けて、データサーバ３２内のデータベース群３４〜４２（詳しくは後述する。）から対応した情報を読み出して所定の処理をするとともに、閲覧可能な情報（例えば画像情報）に加工して返却する機能を具備している。
【００２０】
アプリケーションサーバ２８は、更に進捗管理プログラムで実現されるつぎの（１）に示す機能を具備している。
（１）進捗状況把握、記録機能
端末１４（又は１８）から収得した応答情報に基づいて各工程の作業進捗状況を把握し、対応する情報をワークフローＤＢ３８に記録する機能。
【００２１】
ワークフローサーバ３０は、要素管理プログラム、ワークフロー定義プログラム、ワークフロー管理プログラムで実現されるつぎの（１）〜（８）に示す機能を具備している。
（１）工程別要素情報設定、記録機能
端末１４（又は１８）からの入力情報に基づいて工程別の要素情報を設定し、（定義し）、この設定した要素情報を要素マスタ３４に記録する機能。
（２）プロファイル補正情報設定、記録機能
端末１４（又は１８）からの入力情報に基づいて、又はポーリング機能によって印刷デバイス１６（又は２０）から取込んだ情報に基づいて、利用者毎の工程別、要素別のプロファイル補正情報を更新可能に設定し、この設定したプロファイル補正情報をプロファイルＤＢ４０に更新可能に記録する機能。
（３）工程別ワークフロー設定、記録機能
端末１４（又は１８）からの入力情報に基づいて利用者毎の工程別のワークフロー情報を設定し、この設定したワークフロー情報をワークフローＤＢ３８に記録する機能。
（４）ワークフロー管理による進捗管理機能
定期的にワークフローＤＢ３８のワークフロー情報を参照して次に処理すべき工程の情報を取得する機能。
（５）要素検索機能
前記（４）で取得した工程情報に基づいて、要素マスタ３４、ジョブチケットＤＢ４２及び取引先マスタ３６から対応する要素情報を検索する機能。
（６）プロファイル補正情報検索機能
前記（５）で取得した要素情報に基づいて、プロファイルＤＢ４０から対応するプロファイル補正情報を検索する機能。
（７）プロファイル補正情報記録機能
前記（６）の検索で取得したプロファイル補正情報をジョブチケットＤＢ４２に記録する機能。
（８）プロファイル補正情報集計、記録機能
前記（６）（７）で検索、記録された複数のプロファイル補正情報を集計し、集計情報を色変換で使用するプロファイル補正情報としてジョブチケットＤＢ４２に記録する機能。
【００２２】
データサーバ３２は、要素マスタ３４、取引先マスタ３６、ワークフローＤＢ３８、プロファイルＤＢ４０、ジョブチケットＤＢ４２及びその他のＤＢ（図示省略）を具備している。
【００２３】
要素マスタ３４には、ワークフローサーバ３０の工程別要素情報設定、記録機能により、工程別の要素情報が予め設定され、記録されている。
具体的には、図２に示すように、企画制作工程については「印刷内容」、「クライアントの特性」及び「原稿の内容」の要素情報が設定され、「製版」工程については「写真分解」「色数」及び「色分散性」の要素情報が設定されている。
【００２４】
取引先マスタ３６には、客先（クライアント）の特性を示す情報が予め記録されている。
具体的には、客先Ａの特性は、「メーカ」かつ「広告代理店」、客先Ｂの特性は「メーカ」かつ「仲介業者」、・・・のような客先毎の特性を示す情報が予め記録されている。
【００２５】
プロファイルＤＢ４０には、ワークフローサーバ３０のプロファイル補正情報設定、記録機能により、利用者毎の工程別、要素別のプロファイル補正情報が更新可能に予め設定、記録されている。
具体的には、図３に示すように、利用者が「Ａ印刷社」でその印刷機械が「Ａａ工場３号機」の「企画制作」工程については、３つの要素「印刷内容」、「クライアントの特性」、「原稿の内容」のそれぞれを４つのカテゴリに分けて、全部で１２のプロファイル補正情報が更新可能に設定されている。このプロファイル補正情報は、カラーマネジメントのＩＣＣ(International Color Consortium)カラーチャート（標準値）を基にし、印刷内容、クライアントの特性、原稿の内容などの要素により差分化した情報を表す。例えばＹ（イエロー）＝１，Ｍ（マゼンタ）＝１，Ｃ（シアン）＝１，Ｋ（クロ）＝１を標準値とし、利用者の印刷機械（例えばＡａ工場３号機）のＹ，Ｍ，Ｃ，ＫがＹ＝１．２，Ｍ＝１，Ｃ＝０．９，Ｋ＝１．３のときには、Ｙ，Ｍ，Ｃ，Ｋについてのプロファイル補正情報は、Ｙ＝−０．２（＝１．０−１．２），Ｍ＝０（＝１−１），Ｃ＝０．１（＝１−０．９），Ｋ＝−０．３（＝１−１．３）となる。
【００２６】
ワークフローＤＢ３８には、アプリケーションサーバ２８の進捗状況把握、記録機能及びワークフローサーバ３０の工程別ワークフロー設定、記録機能により、ワークフロー情報が更新可能に記録される。このワークフロー情報には、印刷物件毎の工程情報（例えば販売、企画制作、製版などの工程における情報）や進捗情報（例えば各工程別の作業予定や作業実績の情報）が含まれる。
具体的には、図４に示すように、印刷物件「イ」（例えばＡ印刷社から受注したＡ４のチラシ）の工程「商談」、「企画制作」、「製版」、・・・のそれぞれについて、「見積依頼」〜「受注承認」、「カンプ作成」〜「イラスト製作」、「スキャナ」〜「色校正」、・・・の情報と、各工程別の作業実績の情報（ＯＫ又はＮＧ）とが記録される。
【００２７】
ジョブチケットＤＢ４２にはジョブチケット情報が更新可能に記録される。このジョブチケット情報には、端末１０，１４，１８から入力された作業指示情報（例えば見積依頼や見積承認などの情報）に基づいて作成された作業情報や印刷会社によって端末１４から入力された印刷設計情報に基づいて作成された作業情報が含まれる。
【００２８】
つぎに、前記実施形態例の作用を図５及び図６を併用して説明する。
説明の便宜上、印刷会社の一例としてのＡ印刷社が２００２年３月３１日に、客先の一例としてのＺ社からの食品についてのＡ４版のチラシを受注した場合であって、ワークフローＤＢ３８には、図４に示すようなワークフロー情報が記録されている場合について説明する。この場合、ワークフロー情報中の印刷物件「イ」は、「Ｚ社から受注した食品についてのＡ４版のチラシ」を表している。
【００２９】
Ａ：見積、受注、発注等の処理
（１）Ｚ社がその端末１０でメニュー画面中の見積り処理を選択して入力画面を表示し、画面内の所定の項目についての情報を入力することによって概算見積りが作成される。さらに、端末１０からＡ印刷社に対する見積り依頼を指示すると、この見積り依頼情報がジョブチケットＤＢ４２に記録される（図示省略）。このとき、ワークフローＤＢ３８には図４に示すように見積り依頼が有効であることを示す情報（「ＯＫ」）が記録される。
【００３０】
（２）Ａ印刷社がその端末１４でジョブチケットＤＢ４２から見積依頼情報を読み出して閲覧し、Ｚ社からの見積り依頼内容を確認し、発注印刷物の見積りから決済までの各工程を考慮して見積りを作成し、その見積り情報を正式な見積情報として端末１４から入力すると、この見積り情報がジョブチケット情報の一部としてジョブチケットＤＢ４２に記録される（図示省略）。このとき、ワークフローＤＢ３８には図４に示すように見積作成が有効であることを示す情報（「ＯＫ」）が記録される。
【００３１】
（３）以下、同様にしてＺ社による端末１０からこの見積承認のための情報入力、Ａ印刷社による端末１４からの受注及び受注承認のための情報入力を行うことによって、対応する情報がジョブチケットＤＢ４２に記録されるとともに、ワークフローＤＢ３８には図４に示すような進捗情報が記録される。図４において、見積承認の欄の「ＮＧ」、「ＯＫ」は第１回目の見積承認が無効、第２回目の見積承認が有効であることを示している。
【００３２】
Ｂ：ワークフロー管理による進捗管理
（１）ワークフローサーバ３０は、そのワークフロー管理による進捗管理機能により、定期的にワークフローＤＢ３８のワークフロー情報を参照して工程の処理が終了した状況を把握し、次に処理すべき工程の情報を検索する。具体的な検索結果は、図４に示すように、「企画制作」工程である。
【００３３】
Ｃ：ワークフロー管理による要素検索処理
（１）ワークフローサーバ３０は、その要素検索機能により、前記Ｂ（１）の検索で取得した「企画制作」工程情報に基づいて、要素マスタ３４、ジョブチケットＤＢ４２及び取引先マスタ３６から対応する要素情報を取得する。具体的には、要素マスタ３４からは「企画制作」工程の要素が「印刷内容」、「クライアントの特性」及び「原稿の内容」であることを取得し、ジョブチケットＤＢ４２からは「印刷内容」が「チラシ」及び「食品」、「クライアント」が「Ｚ社」、「原稿の内容」が「ポジ」及び「イラスト」であることを取得し、取引先マスタ３６からは、「Ｚ社」が「メーカ」及び「広告代理店」であることを取得する。すなわち、「印刷内容」が「チラシ」及び「食品」、「クライアントの特性」が「メーカ」及び「広告代理店」「原稿の内容」が「ポジ」及び「イラスト」であるという要素項目を取得する。
【００３４】
Ｄ：プロファイルＤＢ検索処理
（１）前記Ｃ（１）でワークフローサーバ３０が「企画制作」工程の要素項目を取得すると、ワークフローサーバ３０は、そのプロファイル補正情報検索機能及びプロファイル補正情報記録機能により、要素項目のそれぞれに基づいてプロファイルＤＢ４０から対応するプロファイル補正情報を取得し、ジョブチケットＤＢ４２に記録する。
具体的には、「印刷内容」が「チラシ」及び「食品」であるという要素項目については、図３の「Ｓ．Ｎ．」の「００３」に記録されたプロファイル補正値「０．１，−０．１，０．１，０．１」を取得し、図６に示すように、プロファイル補正値１としてジョブチケットＤＢ４２の所定記録領域に記録する。
「クライアントの特性」が「メーカ」及び「広告代理店」であるという要素項目については、図３の「Ｓ．Ｎ．」の「００５」に記録されたプロファイル補正値［０．０，０．０，０．０，−０．１］を取得し、図６に示すように、プロファイル補正値２としてジョブチケットＤＢ４２の所定記録領域に記録する。「原稿の内容」が「ポジ」及び「イラスト」であるという要素項目については、同様にして「Ｓ．Ｎ．」の「０１１」に記録されたプロファイル補正値「０．１，０．２，０．２，０．１」を取得し、プロファイル補正値３としてジョブチケットＤＢ４２の所定記録領域に記録する。（図示省略）。
【００３５】
Ｅ：ジョブチケット情報更新処理
（１）前記Ｄ（１）で要素項目のそれぞれについてのプロファイル補正情報がジョブチケットＤＢ４２に記録されるとワークフローサーバ３０はそのプロファイル補正情報集計、記録機能により、各プロファイル補正情報を取得毎にそれまでに取得したプロファイル補正情報を順次集計し、集計情報を色変換で使用するプロファイル補正情報としてジョブチケットＤＢ４２に記録する。
具体的には、前記Ｄ（１）で「Ｓ．Ｎ．」の「００３」のプロファイル補正値１を取得したときは、このプロファイル補正値１を色変換に使用するプロファイル補正値としてジョブチケットＤＢ４２の所定記録領域に記録する。
そして、前記Ｄ（１）で「Ｓ．Ｎ．」の「００５」のプロファイル補正値２を取得したときは、この補正値２をプロファイル補正値１に加算した集計値「０．１，−０．１，０．１，０．０」をプロファイル補正値としてジョブチケットＤＢ４２の記録を更新する。
さらに、前記Ｄ（１）で「Ｓ．Ｎ．」の「０１１」のプロファイル補正値３「０．１，０．２，０．２，０．１」を取得したときは、この補正値３を前述の集計値「０．１，−０．１，０．１，０．０」に加算して集計値「０．２，０．１，０．３，０．１」をプロファイル補正値としてジョブチケットＤＢ４２の記録を更新する。図６のプロファイル補正値はこのときの補正値を表している。
【００３６】
印刷物件「イ」の作業工程のうちの「企画制作」が終了し、次に処理すべき工程として「製版」、「刷版」、「印刷」が順次選択されると、それぞれの工程について前記Ｂ〜Ｅと同様に作用し、ジョブチケットＤＢ４２のプロファイル補正値が更新される。
例えば「製版」工程については、図２に示すように、要素マスタ３４、ジョブチケットＤＢ４２及び取引先マスタ３６から対応する要素「写真分解」、「色数」，「色の分散性」を取得し、プロファイルＤＢ４０から各要素項目のそれぞれについてプロファイル補正値を収得し、これらのプロファイル補正値の集計値を色変換に使用するプロファイル補正値としてジョブチケットＤＢ４２に記録され、更新される。
【００３７】
Ｆ：印刷機械処理
（１）以上のようにして印刷物件「イ」についてのプロファイル補正値が決まり、ワークフローサーバ３０のワークフロー管理による進捗管理機能により、Ａ印刷社の印刷機械「Ａａ工場３号機」による印刷が行われる直前の状態にあると判断されると、通信サーバ２６の送受信管理機能により、ＡＳＰセンター２４から対応する端末１４にプロファイル補正値が決まった旨の情報が送信される。
【００３８】
（２）前記（１）の情報を受信したＡ印刷社は、その端末１４でメニュー画面中の印刷機械処理を選択して対応するプロファイル補正値をダウンロードし、このプロファイル補正値を使用した色変換により、自社の印刷デバイス１６（すなわちＡａ工場３号機）で印刷処理を行う。すなわち、Ａ印刷社の印刷機械「Ａａ工場３号機」は、その固有のプロファイル情報をダウンロードで得たプロファイル補正値で補正し、この補正したプロファイル情報を使用した色変換で印刷物件「イ」に関する印刷データを印刷する。
【００３９】
（３）前記（２）で印刷される印刷データは、データ自体がジョブチケットＤＢ４２の中に印刷物件毎に添付されている場合、データの存在するＵＲＬ情報がジョブチケットＤＢ４２の中に存在する場合、又はジョブチケットＤＢ４２とは別にＭＯや外注業者端末の外部記録装置の中に存在する場合などが考えられる。
【００４０】
前記実施形態例では、プロファイル補正値１、プロファイル補正値２、プロファイル補正値３、・・・の各プロファイル補正情報を取得毎にそれまでに取得したプロファイル補正情報を順次集計し、集計情報を色変換で使用するプロファイル補正情報とした場合について説明したが、本発明はこれに限るものでなく、プロファイル補正値１、プロファイル補正値２、プロファイル補正値３、・・・の各プロファイル補正情報自体を色変換で使用するプロファイル補正情報とした場合についても利用することができる。この場合、集計情報を色変換で使用するか、プロファイル補正値１、プロファイル補正値２、プロファイル補正値３、・・・の各プロファイル補正情報自体を色変換で使用するかは、印刷会社などが適宜強調したいと考える補正情報を選択し、色変換することができる。
【００４１】
前記実施形態例では、ワークフローサーバ３０のワークフロー管理による進捗管理機能により、Ａ印刷社の印刷機械「Ａａ工場３号機」による印刷が行われる直前の状態にあると判断されると、通信サーバ２６の送受信管理機能により、ＡＳＰセンター２４から対応する端末１４にプロファイル補正値が決まった旨の情報が送信され、この情報を受信したＡ印刷社が、その端末１４で対応するプロファイル補正値（集計情報又は個別の各プロファイル補正情報）をダウンロードし、このプロファイル補正値を使用した色変換により、自社の印刷デバイス１６（すなわちＡａ工場３号機）で印刷処理を行う場合について説明したが、本発明はこれに限るものではない。
例えば、前記印刷工程の前段工程である校正刷り工程に入る直前の状態にあるとワークフローサーバ３０のワークフロー管理による進捗管理機能により判断されると、通信サーバ２６の送受信管理機能により、ＡＳＰセンター２４から対応する端末１４にプロファイル補正値が決まった旨の情報が送信され、この情報を受信したＡ印刷社が、その端末１４で対応するプロファイル補正値（集計情報又は個別の各プロファイル補正情報）をダウンロードし、このプロファイル補正値を使用した色変換による校正刷りもできるようにしてもよい。具体的には、本機である印刷機械「Ａａ工場３号機」による本機校正刷りにおいて見本を印刷するものと、印刷機械「Ａａ工場３号機」とは別の簡易印刷機械による簡易校正刷りにおいて見本を印刷するものとがあるが、それぞれにおいて適切なプロファイル補正値（集計情報又は個別の各プロファイル補正情報）をダウンロードし、このプロファイル補正値を使用した色変換による校正刷りをできるようにしてもよい。この場合、印刷工程の直前のみでなく、前段工程の校正刷り工程の直前の状態を判断して、その時点で記録されたプロファイル補正値（集計情報又は個別の各プロファイル補正情報）を使用した色変換による印刷データを印刷することができる。
【００４２】
前記実施形態例では、ワークフローサーバ３０の要素検索機能が、工程情報に基づいて要素マスタ３４、ジョブチケットＤＢ４２及び取引先マスタ３６から対応する要素情報を検索する場合について説明したが、本発明はこれに限るものでなく、工程情報に基づいて要素マスタ３４及びジョブチケットＤＢ４２から対応する要素情報を検索する場合についても利用することができる。
例えば、取引先マスタ３６に予め記録されている客先（例えばクライアントのＺ社）の特性を示す情報（例えば「メーカ」かつ「広告代理店」）をジョブチケットＤＢ４２に記録するようにした場合には、対応する要素情報を収得するために取引先マスタ３６を検索する必要がなくなる。
【００４３】
前記実施形態例では、印刷機械の使用時間や使用環境の変化によって性能が変化した場合に、プロファイル補正情報を更新して適切な色変換ができるようにするために、ワークフローサーバ３０のプロファイル補正情報設定、記録機能が利用者毎の工程別、要素別のプロファイル補正情報を更新可能に設定、記録する場合について説明したが、本発明はこれに限るものでなく、更新可能としない場合についても利用することができる。
【００４４】
前記実施形態例では、本発明をカラーマネジメントシステムに利用した場合について説明したが、本発明はこれに限るものでなく、カラーマネジメントシステム内のコンピュータ（サーバ）に所定の機能を実現させるためのカラーマネジメントプログラムに利用した場合や、このカラーマネジメントプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体に利用した場合についても利用することができる。
【００４５】
【発明の効果】
請求項１に記載の発明は、カラーマネジメントシステムであって、そのサーバ（３０）が、ワークフロー情報記録部（３８）のワークフロー情報を参照して次に処理すべき工程の情報を取得し、この工程情報に基づいて要素マスタ（３４）およびジョブチケット情報記録部（４２）から対応する要素情報を検索し、この要素情報に基づいてプロファイル補正情報記録部（４０）からプロファイル補正情報を検索し、利用者（例えば印刷会社）が対応する印刷デバイス（例えば１６）を用いて印刷するときに、工程別に設定された要素に関する複数のプロファイル補正情報を使用して色変換できる構成としたので、１つのプロファイル補正情報を使用して色変換する場合よりも精度の高い色変換を行うことができ、しかも予め利用者毎に工程別、要素別に設定されたプロファイル補正情報を使用しているので、手作業の場合のように高度の熟練を必要とせずに精度の高い色変換を行うことができる。
【００４６】
請求項２に記載の発明は、請求項１に記載の発明において、サーバ（３０）がプロファイル補正情報集計手段を具備し、このプロファイル補正情報集計手段が、プロファイル補正情報記録手段によって利用者毎に工程別、要素別にジョブチケット情報記録部（４２）に記録された複数のプロファイル補正情報を集計し、集計情報を印刷デバイスの使用するプロファイル補正情報としたので、色変換に必要なプロファイル補正情報を容易に取得することができる。
【００４７】
請求項３に記載の発明は、請求項１又は２に記載の発明において、サーバ（３０）がプロファイル補正情報更新手段を具備し、このプロファイル補正情報更新手段が印刷会社端末（１４）又は外注業者端末（１８）から取得したプロファイル補正情報でプロファイル補正情報記録部（４０）のプロファイル補正情報を更新可能にしたので、印刷デバイスの使用時間や使用環境の変化によって性能が変化した場合にも、適切な色変換を行うことができる。
【００４８】
請求項４に記載の発明は、カラーマネジメントシステムのサーバ（３０）をワークフロー管理による進捗管理手段、要素検索手段、プロファイル補正情報検索手段及びプロファイル補正情報記録手段として機能させるためのプログラムであって、ワークフロー管理による進捗管理手段がワークフロー情報記録部（３８）のワークフロー情報を参照して次に処理すべき工程の情報を取得し、要素検索手段が要素マスタ（３４）及びジョブチケット情報記録部（４２）から工程情報に対応する要素情報を検索し、プロファイル補正情報検索手段がプロファイル補正情報記録部（４０）から要素情報に対応するプロファイル補正情報を検索し、このプロファイル補正情報をプロファイル補正情報記録手段がジョブチケット情報記録部（４２）に記録し、利用者（例えば印刷会社）が印刷デバイス（例えば１６）を用いて印刷するときに、工程別に設定された要素に関する複数のプロファイル補正情報を使用して色変換できる構成としたので、請求項１に記載の発明と同様に、高度の熟練度を必要とせずに精度の高い色変換を行うことができる。
【００４９】
請求項５に記載の発明は、請求項４に記載の発明において、サーバ（３０）がプロファイル補正情報集計手段として機能させるためのプログラムを具備し、このプロファイル補正情報集計手段が、プロファイル補正情報記録部によって利用者毎に工程別、要素別にジョブチケット情報記録部（４２）に記録された複数のプロファイル補正情報を集計し、集計情報を印刷デバイスの使用するプロファイル補正情報としたので、色変換に必要なプロファイル補正情報を容易に取得することができる。
【００５０】
請求項６に記載の発明は、請求項４又は５に記載の発明において、サーバ（３０）をプロファイル補正情報更新手段として機能させるためのプログラムを具備し、このプロファイル補正情報更新手段が印刷会社端末（１４）又は外注業者端末（１８）から、取得したプロファイル補正情報でプロファイル補正情報記録部（４０）のプロファイル補正情報を更新可能にしたので、印刷デバイスの使用時間や使用環境の変化によって性能が変化した場合にも、適切な色変換を行うための対応ができる。
【００５１】
請求項７に記載の発明は、請求項４，５又は６に記載のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体としたので、請求項４，５又は６に記載の発明と同一の効果を達成できる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明によるカラーマネジメントシステム、カラーマネジメントプログラム及び記録媒体の一実施形態例を示すブロック図である。
【図２】図１中の要素マスタ３４のデータ構造を示す説明図である。
【図３】図１中のプロファイルＤＢ４０のデータ構造を示す説明図である。
【図４】図１中のワークフローＤＢ３８のデータ構造を示す説明図である。
【図５】図１の作用を示すフローチャートである。
【図６】図１中のジョブチケットＤＢ４２のデータ構造を示す説明図である
【符号の説明】
１０…客先端末、 １２…客先印刷デバイス、 １４…印刷会社端末、 １６…印刷会社印刷デバイス、 １８…外注業者端末、 ２０…外注業者印刷デバイス、 ２２…通信回線網、 ２４…ＡＳＰセンター、 ２６…通信サーバ、 ２８…アプリケーションサーバ、 ３０…ワークフローサーバ、 ３２…データサーバ、 ３４…要素マスタ、 ３６…取引先マスタ、 ３８…ワークフローＤＢ、 ４０…プロファイルＤＢ、 ４２…ジョブチケットＤＢ。
【発明の属する技術分野】
本発明は、印刷機械に依存しない色再現を得るために印刷機械に固有のプロファイル情報を使用して色変換を行うカラーマネジメントシステム、カラーマネジメントプログラム及び記録媒体に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
客先から注文された印刷物を印刷会社、外注業者が分担、独立して製作するために、例えば次のようなシステムが考えられる。
ブラウザの組み込まれた客先端末、印刷会社端末及び外注業者端末に、通信回線網を介してＡＳＰ（アプリケーションサービスプロバイダ）センターのサーバを接続し、客先端末、印刷会社端末又は外注業者端末から取得した作業に関する指示や依頼などの情報に基づいて作成されたジョブチケット情報（作業指示に関する情報）、ワークフロー情報（作業の流れに関する情報）を更新可能に記録するジョブチケットＤＢ（データベース、以下同様）、ワークフローＤＢを具備し、客先端末、印刷会社端末又は外注業者端末からの閲覧要求に対してＡＳＰセンターのサーバがジョブチケットＤＢ、ワークフローＤＢから対応した情報を読み出して閲覧可能な情報に加工し、返却するシステムが考えられる。
【０００３】
このようなシステムにおいて、印刷会社又は外注業者が、自社の印刷機械でプロファイル情報を使用して色変換を行うときに、従来のカラーマネジメントシステムを利用した場合、自社印刷機械のみに固有のプロファイル情報を数値化して保持し、個別に管理を行うことになる。
また印刷内容がカタログなのかチラシなのか、又は原稿の内容が写真なのかイラストなのかなどの１つの要素に応じてプロファイル情報を手作業で補正して色変換を行うことになる。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述のシステムでは、せいぜい１つの要素に応じてプロファイル情報を補正することになるので、精度の高い色変換を行いにくいという問題点があった。
また、手作業でプロファイル情報の補正をしていたので、高度な熟練を必要とするという問題点があった。
【０００５】
本発明は、上述の問題点に鑑みなされたもので、高度な熟練を必要とせずに精度の高い色変換を行うことのできるカラーマネジメントシステム、カラーマネジメントプログラム及び記録媒体を提供することを目的とするものである。
【０００６】
【課題を解決するための手段】
請求項１の発明は、客先端末（１０）、印刷会社端末（１４）及び外注業者端末（１８）に通信回線網（２２）を介してサーバ（３０）を接続し、客先端末（１０）、印刷会社端末（１４）又は外注業者端末（１８）から取得した情報に基づいて作成されたジョブチケット情報、ワークフロー情報を更新可能に記録するジョブチケット情報記録部（４２）、ワークフロー情報記録部（３８）を具備し、印刷会社端末（１４）、外注業者端末（１８）の少なくとも一方の利用者に対応して設けられた印刷デバイスがジョブチケット情報記録部（４２）内に記録されるプロファイル補正情報を使用して色変換を行うカラーマネジメントシステムであって、ワークフロー情報記録部（３８）のワークフロー情報には利用者毎に設定された工程別のワークフロー情報が含まれ、工程毎に設定された要素情報を記録した要素マスタ（３４）と、利用者毎に工程別、要素別に設定されたプロファイル補正情報を記録したプロファイル補正情報記録部（４０）とを具備し、サーバ（３０）がワークフロー管理による進捗管理手段、要素検索手段、プロファイル補正情報検索手段及びプロファイル補正情報記録手段を具備し、前記進捗管理手段はワークフロー情報記録部（３８）のワークフロー情報を参照して次に処理すべき工程の情報を取得し、前記要素検索手段は前記進捗管理手段で取得した工程情報に基づいて、要素マスタ（３４）及びジョブチケット情報記録部（４２）から対応する要素情報を検索し、前記プロファイル補正情報検索手段は前記要素検索手段の検索で取得した要素情報に基づいてプロファイル補正情報記録部（４０）から対応するプロファイル補正情報を検索し、前記プロファイル補正情報記録手段は前記プロファイル補正情報検索手段の検索で取得したプロファイル補正情報をジョブチケット情報記録部（４２）に記録することを特徴とするものである。
【０００７】
このような構成において、サーバ（３０）は、ワークフロー情報記録部（３８）のワークフロー情報を参照して次に処理すべき工程の情報を収得し、この工程情報に基づいて要素マスタ（３４）及びジョブチケット情報記録部（４２）から対応する要素情報を検索し、この要素情報に基づいてプロファイル補正情報記録部（４０）から対応するプロファイル補正情報を検索し、このプロファイル補正情報をジョブチケット情報記録部（４２）に記録する。このため、利用者（例えば印刷会社）が対応する印刷デバイスを用いて印刷するとき、ジョブチケット情報記録部（４２）には利用者に対応して工程別に設定された要素に関する複数のプロファイル補正情報が記録されているので、これらのプロファイル補正情報のうちの任意の１つ又は集計情報を使用した色変換を行うことができる。
【０００８】
請求項２に記載の発明は、請求項１に記載の発明において、印刷デバイスで使用するプロファイル補正情報の取得を容易にするために、サーバ（３０）がプロファイル補正情報集計手段を具備し、このプロファイル補正情報集計手段が、プロファイル補正情報記録手段によって利用者毎に工程別、要素別にジョブチケット情報記録部（４２）に記録された複数のプロファイル補正情報を集計し、集計情報を印刷デバイスが色変換で使用するプロファイル補正情報としたことを特徴とするものである。
【０００９】
請求項３に記載の発明は、請求項１又は２に記載の発明において、使用時間や使用環境の変化によって印刷デバイスの性能が変化した場合にも適切な色変換を行うことができるようにするために、サーバ（３０）がプロファイル補正情報更新手段を具備し、このプロファイル補正情報更新手段が、印刷会社端末（１４）又は外注業者端末（１８）から取得したプロファイル補正情報でプロファイル補正情報記録部（４０）のプロファイル補正情報を更新可能にしたことを特徴とするものである。
【００１０】
請求項４に記載の発明は、客先端末（１０）、印刷会社端末（１４）及び外注業者端末（１８）に通信回線網（２２）を介して接続されたサーバ（３０）をワークフロー管理による進捗管理手段、要素検索手段、プロファイル補正情報検索手段及びプロファイル補正情報記録手段として機能させるためのプログラムであって、サーバ（３０）は、客先端末（１０）、印刷会社端末（１４）又は外注業者端末（１８）から取得した情報に基づいて作成されたジョブチケット情報、ワークフロー情報（利用者毎に設定された工程別のワークフロー情報を含む）を更新可能に記録するジョブチケット情報記録部（４２）、ワークフロー情報記録部（３８）と、工程毎に設定された要素の情報を記録した要素マスタ（３４）と、利用者毎に工程別、要素別に設定されたプロファイル補正情報を記録したプロファイル補正情報記録部（４０）とを具備し、前記進捗管理手段がワークフロー情報記録部（３８）のワークフロー情報を参照して次に処理すべき工程の情報を取得し、前記要素検索手段が前記進捗管理手段で取得した工程情報に基づいて要素マスタ（３４）及びジョブチケット情報記録部（４２）から対応する要素情報を検索し、前記プロファイル補正情報検索手段が前記要素検索手段の検索で取得した要素情報に基づいてプロファイル補正情報記録部（４０）から対応するプロファイル補正情報を検索し、前記プロファイル補正情報記録手段が前記プロファイル補正情報検索手段の検索で取得したプロファイル補正情報をジョブチケット情報記録部（４２）に記録し、印刷会社端末（１４）、外注業者端末（１８）の少なくとも一方の利用者に対応して設けられた印刷デバイスがジョブチケット情報記録部（４２）に記録されたプロファイル補正情報を使用して色変換を行なうことを特徴とするものである。
【００１１】
このような構成において、サーバ（３０）は、請求項１に記載の発明と同様に、ワークフロー情報記録部（３８）のワークフロー情報を参照して次の工程の情報を収得し、要素マスタ（３４）及びジョブチケット情報記録部（４２）から対応する要素情報を検索し、プロファイル補正情報記録部（４０）から対応するプロファイル補正情報を検索してジョブチケット情報記録部（４２）に記録する。このため、利用者が対応する印刷デバイスを用いて印刷を行うとき、ジョブチケット情報記録部（４２）には利用者に対応した工程別の要素に関する複数のプロファイル補正情報が記録されているので、これらのプロファイル補正情報のうちの任意の１つ又は集計情報を使用した色変換を行うことができる。
【００１２】
請求項５に記載の発明は、請求項４に記載の発明において、印刷デバイスで使用するプロファイル補正情報の収得を容易にするために、サーバ（３０）をプロファイル補正情報集計手段として機能させるためのプログラムを具備し、このプロファイル補正情報集計手段が、プロファイル補正情報記録手段によって利用者毎に工程別、要素別にジョブチケット情報記録部（４２）に記録されたプロファイル補正情報を集計し、集計情報を印刷デバイスが色変換で使用するプロファイル補正情報としたことを特徴とするものである。
【００１３】
請求項６記載の発明は、請求項４又は５に記載の発明において、使用時間や使用環境の変化によって印刷デバイスの性能が変化した場合にも適切な色変換ができるようにするために、サーバ（３０）をプロファイル補正情報更新手段として機能させるためのプログラムを具備し、このプロファイル補正情報更新手段が印刷会社端末（１４）又は外注業者端末（１８）から取得したプロファイル補正情報でプロファイル補正情報記録部（４０）のプロファイル補正情報を更新することを特徴とするものである。
【００１４】
請求項７記載の発明は、請求項４，５又は６に記載のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体である。
【００１５】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態例を図面を用いて説明する。
図１は、本発明によるカラーマネジメントシステムの構成例を示すもので、図１において、１０、１２は客先側に設けられた客先端末、客先印刷デバイス（例えばデジタルプリンタ）、１４，１６は印刷会社側に設けられた印刷会社端末、印刷会社印刷デバイス（例えば輪転機のような印刷機械）、１８，２０は外注業者側に設けられた外注業者端末、外注業者印刷デバイス（例えば輪転機のような印刷機械）である。
【００１６】
前記端末１０，１４，１８にはブラウザ（閲覧ソフト）が組み込まれている。前記端末１０，１４，１８はそれぞれ一般的なコンピュータと同様にディスプレイ、キーボード、プリンタ及び本体を具備し、本体にはＣＰＵ（中央処理装置）を中心にＲＯＭ（リードオンメモリ）、ＲＡＭ（ランダムアクセスメモリ）、ディスク装置等が設けられている。
【００１７】
図１において、２２は通信回線網、２４はＡＳＰセンター、２６は通信サーバ、２８はアプリケーションサーバ、３０はワークフローサーバ、３２はデータサーバである。
通信回線網２２はＩＳＤＮ回線網と公衆回線網を具備しており、直接これらの回線網を接続する場合と、これらの回線網を利用して間接的にインターネット接続する場合を含む。
通信サーバ２６、アプリケーションサーバ２８、ワークフローサーバ３０及びデータサーバ３２はＡＳＰセンター２４内に設けられている。
【００１８】
通信サーバ２６は、通信回線網２２を介して端末１０，１４，１８及び印刷デバイス１２，１６，２０に接続されるとともに、ＡＳＰセンター２４内のアプリケーションサーバ２８、ワークフローサーバ３０及びデータサーバ３２に接続されている。
通信サーバ２６は、通信回線網２２を利用してインターネット接続し、端末１０，１４及び１８とＡＳＰセンター２４内のアプリケーションサーバ２８、ワークフローサーバ３０及びデータサーバ３２との間の送受信を管理する機能を具備している。
通信サーバ２６は、さらに通信回線網２２内の公衆回線網、ＩＳＤＮ回線網の接続により、又はこれらの回線網を介したインターネット接続により、印刷デバイス１２，１６及び２０とＡＳＰセンター２４内のデータサーバ３２との間におけるデータの送受信を管理する機能を具備している。
【００１９】
アプリケーションサーバ２８は、端末１０、１４，１８から閲覧要求を受けて、データサーバ３２内のデータベース群３４〜４２（詳しくは後述する。）から対応した情報を読み出して所定の処理をするとともに、閲覧可能な情報（例えば画像情報）に加工して返却する機能を具備している。
【００２０】
アプリケーションサーバ２８は、更に進捗管理プログラムで実現されるつぎの（１）に示す機能を具備している。
（１）進捗状況把握、記録機能
端末１４（又は１８）から収得した応答情報に基づいて各工程の作業進捗状況を把握し、対応する情報をワークフローＤＢ３８に記録する機能。
【００２１】
ワークフローサーバ３０は、要素管理プログラム、ワークフロー定義プログラム、ワークフロー管理プログラムで実現されるつぎの（１）〜（８）に示す機能を具備している。
（１）工程別要素情報設定、記録機能
端末１４（又は１８）からの入力情報に基づいて工程別の要素情報を設定し、（定義し）、この設定した要素情報を要素マスタ３４に記録する機能。
（２）プロファイル補正情報設定、記録機能
端末１４（又は１８）からの入力情報に基づいて、又はポーリング機能によって印刷デバイス１６（又は２０）から取込んだ情報に基づいて、利用者毎の工程別、要素別のプロファイル補正情報を更新可能に設定し、この設定したプロファイル補正情報をプロファイルＤＢ４０に更新可能に記録する機能。
（３）工程別ワークフロー設定、記録機能
端末１４（又は１８）からの入力情報に基づいて利用者毎の工程別のワークフロー情報を設定し、この設定したワークフロー情報をワークフローＤＢ３８に記録する機能。
（４）ワークフロー管理による進捗管理機能
定期的にワークフローＤＢ３８のワークフロー情報を参照して次に処理すべき工程の情報を取得する機能。
（５）要素検索機能
前記（４）で取得した工程情報に基づいて、要素マスタ３４、ジョブチケットＤＢ４２及び取引先マスタ３６から対応する要素情報を検索する機能。
（６）プロファイル補正情報検索機能
前記（５）で取得した要素情報に基づいて、プロファイルＤＢ４０から対応するプロファイル補正情報を検索する機能。
（７）プロファイル補正情報記録機能
前記（６）の検索で取得したプロファイル補正情報をジョブチケットＤＢ４２に記録する機能。
（８）プロファイル補正情報集計、記録機能
前記（６）（７）で検索、記録された複数のプロファイル補正情報を集計し、集計情報を色変換で使用するプロファイル補正情報としてジョブチケットＤＢ４２に記録する機能。
【００２２】
データサーバ３２は、要素マスタ３４、取引先マスタ３６、ワークフローＤＢ３８、プロファイルＤＢ４０、ジョブチケットＤＢ４２及びその他のＤＢ（図示省略）を具備している。
【００２３】
要素マスタ３４には、ワークフローサーバ３０の工程別要素情報設定、記録機能により、工程別の要素情報が予め設定され、記録されている。
具体的には、図２に示すように、企画制作工程については「印刷内容」、「クライアントの特性」及び「原稿の内容」の要素情報が設定され、「製版」工程については「写真分解」「色数」及び「色分散性」の要素情報が設定されている。
【００２４】
取引先マスタ３６には、客先（クライアント）の特性を示す情報が予め記録されている。
具体的には、客先Ａの特性は、「メーカ」かつ「広告代理店」、客先Ｂの特性は「メーカ」かつ「仲介業者」、・・・のような客先毎の特性を示す情報が予め記録されている。
【００２５】
プロファイルＤＢ４０には、ワークフローサーバ３０のプロファイル補正情報設定、記録機能により、利用者毎の工程別、要素別のプロファイル補正情報が更新可能に予め設定、記録されている。
具体的には、図３に示すように、利用者が「Ａ印刷社」でその印刷機械が「Ａａ工場３号機」の「企画制作」工程については、３つの要素「印刷内容」、「クライアントの特性」、「原稿の内容」のそれぞれを４つのカテゴリに分けて、全部で１２のプロファイル補正情報が更新可能に設定されている。このプロファイル補正情報は、カラーマネジメントのＩＣＣ(International Color Consortium)カラーチャート（標準値）を基にし、印刷内容、クライアントの特性、原稿の内容などの要素により差分化した情報を表す。例えばＹ（イエロー）＝１，Ｍ（マゼンタ）＝１，Ｃ（シアン）＝１，Ｋ（クロ）＝１を標準値とし、利用者の印刷機械（例えばＡａ工場３号機）のＹ，Ｍ，Ｃ，ＫがＹ＝１．２，Ｍ＝１，Ｃ＝０．９，Ｋ＝１．３のときには、Ｙ，Ｍ，Ｃ，Ｋについてのプロファイル補正情報は、Ｙ＝−０．２（＝１．０−１．２），Ｍ＝０（＝１−１），Ｃ＝０．１（＝１−０．９），Ｋ＝−０．３（＝１−１．３）となる。
【００２６】
ワークフローＤＢ３８には、アプリケーションサーバ２８の進捗状況把握、記録機能及びワークフローサーバ３０の工程別ワークフロー設定、記録機能により、ワークフロー情報が更新可能に記録される。このワークフロー情報には、印刷物件毎の工程情報（例えば販売、企画制作、製版などの工程における情報）や進捗情報（例えば各工程別の作業予定や作業実績の情報）が含まれる。
具体的には、図４に示すように、印刷物件「イ」（例えばＡ印刷社から受注したＡ４のチラシ）の工程「商談」、「企画制作」、「製版」、・・・のそれぞれについて、「見積依頼」〜「受注承認」、「カンプ作成」〜「イラスト製作」、「スキャナ」〜「色校正」、・・・の情報と、各工程別の作業実績の情報（ＯＫ又はＮＧ）とが記録される。
【００２７】
ジョブチケットＤＢ４２にはジョブチケット情報が更新可能に記録される。このジョブチケット情報には、端末１０，１４，１８から入力された作業指示情報（例えば見積依頼や見積承認などの情報）に基づいて作成された作業情報や印刷会社によって端末１４から入力された印刷設計情報に基づいて作成された作業情報が含まれる。
【００２８】
つぎに、前記実施形態例の作用を図５及び図６を併用して説明する。
説明の便宜上、印刷会社の一例としてのＡ印刷社が２００２年３月３１日に、客先の一例としてのＺ社からの食品についてのＡ４版のチラシを受注した場合であって、ワークフローＤＢ３８には、図４に示すようなワークフロー情報が記録されている場合について説明する。この場合、ワークフロー情報中の印刷物件「イ」は、「Ｚ社から受注した食品についてのＡ４版のチラシ」を表している。
【００２９】
Ａ：見積、受注、発注等の処理
（１）Ｚ社がその端末１０でメニュー画面中の見積り処理を選択して入力画面を表示し、画面内の所定の項目についての情報を入力することによって概算見積りが作成される。さらに、端末１０からＡ印刷社に対する見積り依頼を指示すると、この見積り依頼情報がジョブチケットＤＢ４２に記録される（図示省略）。このとき、ワークフローＤＢ３８には図４に示すように見積り依頼が有効であることを示す情報（「ＯＫ」）が記録される。
【００３０】
（２）Ａ印刷社がその端末１４でジョブチケットＤＢ４２から見積依頼情報を読み出して閲覧し、Ｚ社からの見積り依頼内容を確認し、発注印刷物の見積りから決済までの各工程を考慮して見積りを作成し、その見積り情報を正式な見積情報として端末１４から入力すると、この見積り情報がジョブチケット情報の一部としてジョブチケットＤＢ４２に記録される（図示省略）。このとき、ワークフローＤＢ３８には図４に示すように見積作成が有効であることを示す情報（「ＯＫ」）が記録される。
【００３１】
（３）以下、同様にしてＺ社による端末１０からこの見積承認のための情報入力、Ａ印刷社による端末１４からの受注及び受注承認のための情報入力を行うことによって、対応する情報がジョブチケットＤＢ４２に記録されるとともに、ワークフローＤＢ３８には図４に示すような進捗情報が記録される。図４において、見積承認の欄の「ＮＧ」、「ＯＫ」は第１回目の見積承認が無効、第２回目の見積承認が有効であることを示している。
【００３２】
Ｂ：ワークフロー管理による進捗管理
（１）ワークフローサーバ３０は、そのワークフロー管理による進捗管理機能により、定期的にワークフローＤＢ３８のワークフロー情報を参照して工程の処理が終了した状況を把握し、次に処理すべき工程の情報を検索する。具体的な検索結果は、図４に示すように、「企画制作」工程である。
【００３３】
Ｃ：ワークフロー管理による要素検索処理
（１）ワークフローサーバ３０は、その要素検索機能により、前記Ｂ（１）の検索で取得した「企画制作」工程情報に基づいて、要素マスタ３４、ジョブチケットＤＢ４２及び取引先マスタ３６から対応する要素情報を取得する。具体的には、要素マスタ３４からは「企画制作」工程の要素が「印刷内容」、「クライアントの特性」及び「原稿の内容」であることを取得し、ジョブチケットＤＢ４２からは「印刷内容」が「チラシ」及び「食品」、「クライアント」が「Ｚ社」、「原稿の内容」が「ポジ」及び「イラスト」であることを取得し、取引先マスタ３６からは、「Ｚ社」が「メーカ」及び「広告代理店」であることを取得する。すなわち、「印刷内容」が「チラシ」及び「食品」、「クライアントの特性」が「メーカ」及び「広告代理店」「原稿の内容」が「ポジ」及び「イラスト」であるという要素項目を取得する。
【００３４】
Ｄ：プロファイルＤＢ検索処理
（１）前記Ｃ（１）でワークフローサーバ３０が「企画制作」工程の要素項目を取得すると、ワークフローサーバ３０は、そのプロファイル補正情報検索機能及びプロファイル補正情報記録機能により、要素項目のそれぞれに基づいてプロファイルＤＢ４０から対応するプロファイル補正情報を取得し、ジョブチケットＤＢ４２に記録する。
具体的には、「印刷内容」が「チラシ」及び「食品」であるという要素項目については、図３の「Ｓ．Ｎ．」の「００３」に記録されたプロファイル補正値「０．１，−０．１，０．１，０．１」を取得し、図６に示すように、プロファイル補正値１としてジョブチケットＤＢ４２の所定記録領域に記録する。
「クライアントの特性」が「メーカ」及び「広告代理店」であるという要素項目については、図３の「Ｓ．Ｎ．」の「００５」に記録されたプロファイル補正値［０．０，０．０，０．０，−０．１］を取得し、図６に示すように、プロファイル補正値２としてジョブチケットＤＢ４２の所定記録領域に記録する。「原稿の内容」が「ポジ」及び「イラスト」であるという要素項目については、同様にして「Ｓ．Ｎ．」の「０１１」に記録されたプロファイル補正値「０．１，０．２，０．２，０．１」を取得し、プロファイル補正値３としてジョブチケットＤＢ４２の所定記録領域に記録する。（図示省略）。
【００３５】
Ｅ：ジョブチケット情報更新処理
（１）前記Ｄ（１）で要素項目のそれぞれについてのプロファイル補正情報がジョブチケットＤＢ４２に記録されるとワークフローサーバ３０はそのプロファイル補正情報集計、記録機能により、各プロファイル補正情報を取得毎にそれまでに取得したプロファイル補正情報を順次集計し、集計情報を色変換で使用するプロファイル補正情報としてジョブチケットＤＢ４２に記録する。
具体的には、前記Ｄ（１）で「Ｓ．Ｎ．」の「００３」のプロファイル補正値１を取得したときは、このプロファイル補正値１を色変換に使用するプロファイル補正値としてジョブチケットＤＢ４２の所定記録領域に記録する。
そして、前記Ｄ（１）で「Ｓ．Ｎ．」の「００５」のプロファイル補正値２を取得したときは、この補正値２をプロファイル補正値１に加算した集計値「０．１，−０．１，０．１，０．０」をプロファイル補正値としてジョブチケットＤＢ４２の記録を更新する。
さらに、前記Ｄ（１）で「Ｓ．Ｎ．」の「０１１」のプロファイル補正値３「０．１，０．２，０．２，０．１」を取得したときは、この補正値３を前述の集計値「０．１，−０．１，０．１，０．０」に加算して集計値「０．２，０．１，０．３，０．１」をプロファイル補正値としてジョブチケットＤＢ４２の記録を更新する。図６のプロファイル補正値はこのときの補正値を表している。
【００３６】
印刷物件「イ」の作業工程のうちの「企画制作」が終了し、次に処理すべき工程として「製版」、「刷版」、「印刷」が順次選択されると、それぞれの工程について前記Ｂ〜Ｅと同様に作用し、ジョブチケットＤＢ４２のプロファイル補正値が更新される。
例えば「製版」工程については、図２に示すように、要素マスタ３４、ジョブチケットＤＢ４２及び取引先マスタ３６から対応する要素「写真分解」、「色数」，「色の分散性」を取得し、プロファイルＤＢ４０から各要素項目のそれぞれについてプロファイル補正値を収得し、これらのプロファイル補正値の集計値を色変換に使用するプロファイル補正値としてジョブチケットＤＢ４２に記録され、更新される。
【００３７】
Ｆ：印刷機械処理
（１）以上のようにして印刷物件「イ」についてのプロファイル補正値が決まり、ワークフローサーバ３０のワークフロー管理による進捗管理機能により、Ａ印刷社の印刷機械「Ａａ工場３号機」による印刷が行われる直前の状態にあると判断されると、通信サーバ２６の送受信管理機能により、ＡＳＰセンター２４から対応する端末１４にプロファイル補正値が決まった旨の情報が送信される。
【００３８】
（２）前記（１）の情報を受信したＡ印刷社は、その端末１４でメニュー画面中の印刷機械処理を選択して対応するプロファイル補正値をダウンロードし、このプロファイル補正値を使用した色変換により、自社の印刷デバイス１６（すなわちＡａ工場３号機）で印刷処理を行う。すなわち、Ａ印刷社の印刷機械「Ａａ工場３号機」は、その固有のプロファイル情報をダウンロードで得たプロファイル補正値で補正し、この補正したプロファイル情報を使用した色変換で印刷物件「イ」に関する印刷データを印刷する。
【００３９】
（３）前記（２）で印刷される印刷データは、データ自体がジョブチケットＤＢ４２の中に印刷物件毎に添付されている場合、データの存在するＵＲＬ情報がジョブチケットＤＢ４２の中に存在する場合、又はジョブチケットＤＢ４２とは別にＭＯや外注業者端末の外部記録装置の中に存在する場合などが考えられる。
【００４０】
前記実施形態例では、プロファイル補正値１、プロファイル補正値２、プロファイル補正値３、・・・の各プロファイル補正情報を取得毎にそれまでに取得したプロファイル補正情報を順次集計し、集計情報を色変換で使用するプロファイル補正情報とした場合について説明したが、本発明はこれに限るものでなく、プロファイル補正値１、プロファイル補正値２、プロファイル補正値３、・・・の各プロファイル補正情報自体を色変換で使用するプロファイル補正情報とした場合についても利用することができる。この場合、集計情報を色変換で使用するか、プロファイル補正値１、プロファイル補正値２、プロファイル補正値３、・・・の各プロファイル補正情報自体を色変換で使用するかは、印刷会社などが適宜強調したいと考える補正情報を選択し、色変換することができる。
【００４１】
前記実施形態例では、ワークフローサーバ３０のワークフロー管理による進捗管理機能により、Ａ印刷社の印刷機械「Ａａ工場３号機」による印刷が行われる直前の状態にあると判断されると、通信サーバ２６の送受信管理機能により、ＡＳＰセンター２４から対応する端末１４にプロファイル補正値が決まった旨の情報が送信され、この情報を受信したＡ印刷社が、その端末１４で対応するプロファイル補正値（集計情報又は個別の各プロファイル補正情報）をダウンロードし、このプロファイル補正値を使用した色変換により、自社の印刷デバイス１６（すなわちＡａ工場３号機）で印刷処理を行う場合について説明したが、本発明はこれに限るものではない。
例えば、前記印刷工程の前段工程である校正刷り工程に入る直前の状態にあるとワークフローサーバ３０のワークフロー管理による進捗管理機能により判断されると、通信サーバ２６の送受信管理機能により、ＡＳＰセンター２４から対応する端末１４にプロファイル補正値が決まった旨の情報が送信され、この情報を受信したＡ印刷社が、その端末１４で対応するプロファイル補正値（集計情報又は個別の各プロファイル補正情報）をダウンロードし、このプロファイル補正値を使用した色変換による校正刷りもできるようにしてもよい。具体的には、本機である印刷機械「Ａａ工場３号機」による本機校正刷りにおいて見本を印刷するものと、印刷機械「Ａａ工場３号機」とは別の簡易印刷機械による簡易校正刷りにおいて見本を印刷するものとがあるが、それぞれにおいて適切なプロファイル補正値（集計情報又は個別の各プロファイル補正情報）をダウンロードし、このプロファイル補正値を使用した色変換による校正刷りをできるようにしてもよい。この場合、印刷工程の直前のみでなく、前段工程の校正刷り工程の直前の状態を判断して、その時点で記録されたプロファイル補正値（集計情報又は個別の各プロファイル補正情報）を使用した色変換による印刷データを印刷することができる。
【００４２】
前記実施形態例では、ワークフローサーバ３０の要素検索機能が、工程情報に基づいて要素マスタ３４、ジョブチケットＤＢ４２及び取引先マスタ３６から対応する要素情報を検索する場合について説明したが、本発明はこれに限るものでなく、工程情報に基づいて要素マスタ３４及びジョブチケットＤＢ４２から対応する要素情報を検索する場合についても利用することができる。
例えば、取引先マスタ３６に予め記録されている客先（例えばクライアントのＺ社）の特性を示す情報（例えば「メーカ」かつ「広告代理店」）をジョブチケットＤＢ４２に記録するようにした場合には、対応する要素情報を収得するために取引先マスタ３６を検索する必要がなくなる。
【００４３】
前記実施形態例では、印刷機械の使用時間や使用環境の変化によって性能が変化した場合に、プロファイル補正情報を更新して適切な色変換ができるようにするために、ワークフローサーバ３０のプロファイル補正情報設定、記録機能が利用者毎の工程別、要素別のプロファイル補正情報を更新可能に設定、記録する場合について説明したが、本発明はこれに限るものでなく、更新可能としない場合についても利用することができる。
【００４４】
前記実施形態例では、本発明をカラーマネジメントシステムに利用した場合について説明したが、本発明はこれに限るものでなく、カラーマネジメントシステム内のコンピュータ（サーバ）に所定の機能を実現させるためのカラーマネジメントプログラムに利用した場合や、このカラーマネジメントプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体に利用した場合についても利用することができる。
【００４５】
【発明の効果】
請求項１に記載の発明は、カラーマネジメントシステムであって、そのサーバ（３０）が、ワークフロー情報記録部（３８）のワークフロー情報を参照して次に処理すべき工程の情報を取得し、この工程情報に基づいて要素マスタ（３４）およびジョブチケット情報記録部（４２）から対応する要素情報を検索し、この要素情報に基づいてプロファイル補正情報記録部（４０）からプロファイル補正情報を検索し、利用者（例えば印刷会社）が対応する印刷デバイス（例えば１６）を用いて印刷するときに、工程別に設定された要素に関する複数のプロファイル補正情報を使用して色変換できる構成としたので、１つのプロファイル補正情報を使用して色変換する場合よりも精度の高い色変換を行うことができ、しかも予め利用者毎に工程別、要素別に設定されたプロファイル補正情報を使用しているので、手作業の場合のように高度の熟練を必要とせずに精度の高い色変換を行うことができる。
【００４６】
請求項２に記載の発明は、請求項１に記載の発明において、サーバ（３０）がプロファイル補正情報集計手段を具備し、このプロファイル補正情報集計手段が、プロファイル補正情報記録手段によって利用者毎に工程別、要素別にジョブチケット情報記録部（４２）に記録された複数のプロファイル補正情報を集計し、集計情報を印刷デバイスの使用するプロファイル補正情報としたので、色変換に必要なプロファイル補正情報を容易に取得することができる。
【００４７】
請求項３に記載の発明は、請求項１又は２に記載の発明において、サーバ（３０）がプロファイル補正情報更新手段を具備し、このプロファイル補正情報更新手段が印刷会社端末（１４）又は外注業者端末（１８）から取得したプロファイル補正情報でプロファイル補正情報記録部（４０）のプロファイル補正情報を更新可能にしたので、印刷デバイスの使用時間や使用環境の変化によって性能が変化した場合にも、適切な色変換を行うことができる。
【００４８】
請求項４に記載の発明は、カラーマネジメントシステムのサーバ（３０）をワークフロー管理による進捗管理手段、要素検索手段、プロファイル補正情報検索手段及びプロファイル補正情報記録手段として機能させるためのプログラムであって、ワークフロー管理による進捗管理手段がワークフロー情報記録部（３８）のワークフロー情報を参照して次に処理すべき工程の情報を取得し、要素検索手段が要素マスタ（３４）及びジョブチケット情報記録部（４２）から工程情報に対応する要素情報を検索し、プロファイル補正情報検索手段がプロファイル補正情報記録部（４０）から要素情報に対応するプロファイル補正情報を検索し、このプロファイル補正情報をプロファイル補正情報記録手段がジョブチケット情報記録部（４２）に記録し、利用者（例えば印刷会社）が印刷デバイス（例えば１６）を用いて印刷するときに、工程別に設定された要素に関する複数のプロファイル補正情報を使用して色変換できる構成としたので、請求項１に記載の発明と同様に、高度の熟練度を必要とせずに精度の高い色変換を行うことができる。
【００４９】
請求項５に記載の発明は、請求項４に記載の発明において、サーバ（３０）がプロファイル補正情報集計手段として機能させるためのプログラムを具備し、このプロファイル補正情報集計手段が、プロファイル補正情報記録部によって利用者毎に工程別、要素別にジョブチケット情報記録部（４２）に記録された複数のプロファイル補正情報を集計し、集計情報を印刷デバイスの使用するプロファイル補正情報としたので、色変換に必要なプロファイル補正情報を容易に取得することができる。
【００５０】
請求項６に記載の発明は、請求項４又は５に記載の発明において、サーバ（３０）をプロファイル補正情報更新手段として機能させるためのプログラムを具備し、このプロファイル補正情報更新手段が印刷会社端末（１４）又は外注業者端末（１８）から、取得したプロファイル補正情報でプロファイル補正情報記録部（４０）のプロファイル補正情報を更新可能にしたので、印刷デバイスの使用時間や使用環境の変化によって性能が変化した場合にも、適切な色変換を行うための対応ができる。
【００５１】
請求項７に記載の発明は、請求項４，５又は６に記載のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体としたので、請求項４，５又は６に記載の発明と同一の効果を達成できる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明によるカラーマネジメントシステム、カラーマネジメントプログラム及び記録媒体の一実施形態例を示すブロック図である。
【図２】図１中の要素マスタ３４のデータ構造を示す説明図である。
【図３】図１中のプロファイルＤＢ４０のデータ構造を示す説明図である。
【図４】図１中のワークフローＤＢ３８のデータ構造を示す説明図である。
【図５】図１の作用を示すフローチャートである。
【図６】図１中のジョブチケットＤＢ４２のデータ構造を示す説明図である
【符号の説明】
１０…客先端末、 １２…客先印刷デバイス、 １４…印刷会社端末、 １６…印刷会社印刷デバイス、 １８…外注業者端末、 ２０…外注業者印刷デバイス、 ２２…通信回線網、 ２４…ＡＳＰセンター、 ２６…通信サーバ、 ２８…アプリケーションサーバ、 ３０…ワークフローサーバ、 ３２…データサーバ、 ３４…要素マスタ、 ３６…取引先マスタ、 ３８…ワークフローＤＢ、 ４０…プロファイルＤＢ、 ４２…ジョブチケットＤＢ。
Claims (7)
- 客先端末（１０）、印刷会社端末（１４）及び外注業者端末（１８）に通信回線網（２２）を介してサーバ（３０）を接続し、客先端末（１０）、印刷会社端末（１４）又は外注業者端末（１８）から取得した情報に基づいて作成されたジョブチケット情報、ワークフロー情報を更新可能に記録するジョブチケット情報記録部（４２）、ワークフロー情報記録部（３８）を具備し、印刷会社端末（１４）、外注業者端末（１８）の少なくとも一方の利用者に対応して設けられた印刷デバイスがジョブチケット情報記録部（４２）内に記録されるプロファイル補正情報を使用して色変換を行うカラーマネジメントシステムであって、ワークフロー情報記録部（３８）のワークフロー情報には利用者毎に設定された工程別のワークフロー情報が含まれ、工程別毎に設定された要素情報を記録した要素マスタ（３４）と、利用者毎に工程別、要素別に設定されたプロファイル補正情報を記録したプロファイル補正情報記録部（４０）とを具備し、サーバ（３０）がワークフロー管理による進捗管理手段、要素検索手段、プロファイル補正情報検索手段及びプロファイル補正情報記録手段を具備し、前記進捗管理手段はワークフロー情報記録部（３８）のワークフロー情報を参照して次に処理すべき工程の情報を取得し、前記要素検索手段は前記進捗管理手段で取得した工程情報に基づいて、要素マスタ（３４）及びジョブチケット情報記録部（４２）から対応する要素情報を検索し、前記プロファイル補正情報検索手段は前記要素検索手段の検索で取得した要素情報に基づいてプロファイル補正情報記録部（４０）から対応するプロファイル補正情報を検索し、前記プロファイル補正情報記録手段は前記プロファイル補正情報検索手段の検索で取得したプロファイル補正情報をジョブチケット情報記録部（４２）に記録することを特徴とするカラーマネジメントシステム。
- サーバ（３０）がプロファイル補正情報集計手段を具備し、前記プロファイル補正情報集計手段は、プロファイル補正情報記録手段によって利用者毎に工程別、要素別にジョブチケット情報記録部（４２）に記録された複数のプロファイル補正情報を集計し、集計情報を印刷デバイスが色変換で使用するプロファイル補正情報としたことを特徴とする請求項１記載のカラーマネジメントシステム。
- サーバ（３０）がプロファイル補正情報更新手段を具備し、前記プロファイル補正情報更新手段は、印刷会社端末（１４）又は外注業者端末（１８）から取得したプロファイル補正情報でプロファイル補正情報記録部（４０）のプロファイル補正情報を更新することを特徴とする請求項１又は２記載のカラーマネジメントシステム。
- 客先端末（１０）、印刷会社端末（１４）及び外注業者端末（１８）に通信回線網（２２）を介して接続されたサーバ（３０）を、ワークフロー管理による進捗管理手段、要素検索手段、プロファイル補正情報検索手段及びプロファイル補正情報記録手段として機能させるためのプログラムであって、サーバ（３０）は、客先端末（１０）、印刷会社端末（１４）又は外注業者端末（１８）から取得した情報に基づいて作成されたジョブチケット情報、ワークフロー情報（利用者毎に設定された工程別のワークフロー情報を含む）を更新可能に記録するジョブチケット情報記録部（４２）、ワークフロー情報記録部（３８）と、工程毎に設定された要素の情報を記録した要素マスタ（３４）と、利用者毎に工程別、要素別に設定されたプロファイル補正情報を記録したプロファイル補正情報記録部（４０）とを具備し、前記進捗管理手段がワークフロー情報記録部（３８）のワークフロー情報を参照して次に処理すべき工程の情報を取得し、前記要素検索手段が前記進捗管理手段で取得した工程情報に基づいて要素マスタ（３４）及びジョブチケット情報記録部（４２）から対応する要素情報を検索し、前記プロファイル補正情報検索手段が前記要素検索手段の検索で取得した要素情報に基づいてプロファイル補正情報記録部（４０）から対応するプロファイル補正情報を検索し、前記プロファイル補正情報記録手段が前記プロファイル補正情報検索手段の検索で取得したプロファイル補正情報をジョブチケット情報記録部（４２）に記録し、印刷会社端末（１４）、外注業者端末（１８）の少なくとも一方の利用者に対応して設けられた印刷デバイスが、ジョブチケット情報記録部（４２）に記録されたプロファイル補正情報を使用して色変換を行なうことを特徴とするカラーマネジメントプログラム。
- サーバ（３０）をプロファイル補正情報集計手段として機能させるためのプログラムを具備し、前記プロファイル補正情報集計手段はプロファイル補正情報記録手段によって利用者毎に工程別、要素別にジョブチケット情報記録部（４２）に記録されたプロファイル補正情報を集計し、集計情報を印刷デバイスが色変換で使用するプロファイル補正情報としたことを特徴とする請求項４記載のカラーマネジメントプログラム。
- サーバ（３０）をプロファイル補正情報更新手段として機能させるためのプログラムを具備し、前記プロファイル補正情報更新手段は、印刷会社端末（１４）又は外注業者端末（１８）から取得したプロファイル補正情報でプロファイル補正情報記録部（４０）のプロファイル補正情報を更新することを特徴とする請求項４又は５記載のカラーマネジメントプログラム。
- 請求項４、５又は６記載のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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