JP4113142B2 - 電子装置 - Google Patents

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Description

本発明は、複数のブロック部材を組み合わせて電気回路を構成する電子装置に関するものである。
特公昭51−41423号公報に開示されているように、電気的な回路素子が付設されたブロック素子(以下「ブロック部材」と称す)と、そのブロック部材が自由に配置される基板とを備えた電子装置が知られている。ブロック部材に付設される回路素子は、例えば、抵抗器、コンデンサ、ダイオード、接続片などから構成されている。ブロック部材の外周壁には、互いのブロック部材を電気的に導通させるための導電体(以下「導電部材」と称す)が複数配設されており、その導電部材は確実な接触を得るために弾性力を有している。基板には、ブロック部材を固定するための多数の柱が正方形の略頂点に位置するよう立設され、ブロック部材には、その外周の4隅に基板の柱と嵌合する凹状に欠如された接圧面が形成されている。このブロック部材の接圧面を基板の柱に圧接することにより、ブロック部材が基板に配置される。基板にブロック部材が配置された状態で隣り合うブロック部材は、導電部材の弾性力によってその導電部材同士が圧接されて電気的に導通する。
特公昭51−41423号公報(図4等)
しかしながら、近年では、トランジスタ、抵抗器、コンデンサ、ダイオードなどの回路素子を基板の上に集積し、各種の機能を持たせたICチップが汎用品として市販されている。このICチップをブロック部材に付設した場合には、ICチップの入出力数が多いので、ブロック部材の外周壁に配設される導電部材の数も多くなる。導電部材の弾性力の大きさにはバラツキがあるので、導電部材同士が圧接される接触面は均一にならずにその接触面にズレが生じたり傾きが生じる。導電部材同士の接触面にズレや傾きが生じると、導電部材を外周壁側に押す押圧力が不安定となるため、基板に配置されるブロック部材が傾いて浮き上がり電気的に不導通な部分が生じるという問題点があった。
本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、多数の導電部材が配設されたブロック部材を基板に確実に配置し、ブロック部材が簡単に脱離することを防止できると共に、ブロック部材の多数の導電部材の間をそれぞれ確実に導通させることができる電子装置を提供することを目的としている。
この目的を達成するために請求項1記載の電子装置は、電気的な回路が付設された筐体とその筐体の側壁に突設されると共に前記回路と電気的に導通する弾性力を備えた少なくとも1以上の導電部材とを有する複数のブロック部材と、その複数のブロック部材が着脱自在に配置される基板とを備え、前記複数のブロック部材を前記基板上に配置し、前記筐体に付設された回路が前記導電部材を介して互いに電気的に接続されて電気的な動作を行うものであり、前記基板から略垂直方向に立設され、少なくとも2つの前記ブロック部材間に配設されると共に、前記導電部材をその導電部材が突設された側壁側に押圧することによりその少なくとも2つのブロック部材の対応する導電部材を電気的に導通させる板状の区画部材を備えている。
この請求項1記載の電子装置によれば、基板には、複数のブロック部材が着脱自在に配置される。ブロック部材は、電気的な回路が付設された筐体と、その筐体の側壁に突設されると共に回路と電気的に導通する弾性力を備えた少なくとも1以上の導電部材とを有している。基板には、その基板から略垂直方向に板状の区画部材が立設され、その区画部材は少なくとも2つのブロック部材間に配設される。また、区画部材は、筐体の側壁に突設された導電部材をその導電部材が突設された側壁側に押圧することにより少なくとも2つのブロック部材の対応する導電部材を電気的に導通させる。
請求項2記載の電子装置は、請求項1記載の電子装置において、前記基板と対向する前記筐体の底面は略正方形に形成されており、前記1の区画部材は他の区画部材と略同形状に形成されると共に、前記基板に格子状に配設される。
請求項3記載の電子装置は、請求項1又は2に記載の電子装置において、前記ブロック部材の側壁と対向する前記区画部材の両側面には、前記ブロック部材の導電部材と接触して導通する接触部が設けられ、その区画部材の両側面に対応して設けられた接触部は、互いに導通されると共に前記基板の垂直方向に延設されて複数形成されている。
請求項4記載の電子装置は、請求項3記載の電子装置において、前記基板は、前記1の区画部材に設けられた複数の接触部のうち第1所定位置に設けられた接触部と、他の区画部材に設けられた複数の接触部のうち第2所定位置に設けられた接触部とを電気的に接続する共通配線パターンを備えている。
請求項5記載の電子装置は、請求項4記載の電子装置において、前記基板は、前記ブロック部材の配置側とその反対側とを貫通する長孔状の貫通孔を有すると共に、前記共通配線パターンを前記反対側に備え、前記区画部材は、前記貫通孔に貫入して前記基板の反対側に突出する貫入部と、前記基板の配置側に突出し前記貫通孔の長手方向において前記貫入部より両側に延びた仕切部とを有しており、前記第1及び第2所定位置に形成された接触部は前記仕切部から貫入部まで延びて形成され、その貫入部まで延びた接触部と共通配線パターンとの接続は、熱溶融して両者を接続する溶融材によって行われるものである。
この請求項5記載の電子装置によれば、請求項4記載の電子装置と同様に作用する上、基板は、ブロック部材の配置側とその反対側とを貫通する長孔状の貫通孔を有しており、その貫通孔に区画部材の貫入部が貫入されて区画部材が配設される。基板のブロック部材の配置側には、貫通孔の長手方向において貫入部より両側に延びた区画部材の仕切部が突出している。1の区画部材の第1所定位置に設けられた接触部および他の区画部材の第2所定位置に設けられた接触部は、それぞれ区画部材の仕切部から貫入部まで延びて形成されている。基板のブロック部材の配置側の反対側には、共通配線パターンが備えられており、仕切部から貫入部まで延びて形成された第1及び第2所定位置の接触部と共通配線パターンとは熱溶融して両者を接続する溶融材によって接続される。
請求項6記載の電子装置は、請求項5記載の電子装置において、前記区画部材の仕切部を略直線状に互いに連結する連結部を備え、その連結部によって複数連結された連結区画部材の内、1の連結区画部材の連結部は前記基板の略垂直方向において上端が開放した凹状の第1嵌装溝が形成され、他の連結区画部材の連結部は前記基板の略垂直方向において下端が開放した凹状の第2嵌装溝が形成されており、前記1の連結区画部材と他の連結区画部材とを基板に配設した状態で、前記第1嵌装溝と第2嵌装溝とが互いに嵌装される。
この請求項6記載の電子装置によれば、請求項5記載の電子装置と同様に作用する上、区画部材の仕切部は、連結部によって略直線上に互いに連結される。連結部によって複数連結された連結区画部材の内、1の連結区画部材の連結部には、基板の略垂直方向において上端が開放した凹状の第1嵌装溝が形成されている。また、連結区画部材の内、他の連結区画部材の連結部には、基板の略垂直方向において下端が開放した凹状の第2嵌装溝が形成されている。基板に1の区画部材と他の区画部材とを配設すると、第1嵌装溝と第2嵌装溝とが互いに嵌装された状態で配設される。
請求項7記載の電子装置は、請求項3又は4に記載の電子装置において、前記基板と区画部材とは一体に形成され、前記区画部材には、前記ブロック部材の導電部材に対応する位置に前記基板に対して略垂直方向の溝が形成されており、前記接触部は、その溝に装着される略コの字状の導電性材料で構成されている。
この請求項7記載の電子装置によれば、請求項3又は4に記載に電子装置と同様に作用する上、基板と一体に形成された区画部材には、基板に対して略垂直方向で且つブロック部材の導電部材に対応する位置に複数の溝が形成されている。その溝には、略コの字状の導電性材料で構成された接触部が装着される。
請求項8記載の電子装置は、請求項1から7のいずれかに記載の電子装置において、前記ブロック部材の導電部材は、前記筐体に付設される回路に正の電圧を供給するための正側導電部材と、前記筐体に付設される回路にグランド電圧又は負の電圧を供給するための負側導電部材とを備えており、その正側導電部材および負側導電部材と前記回路との間の少なくとも一方に接続され、正側導電部材にグランド電圧又は負の電圧が接続された場合又は負側導電部材に正の電圧が接続された場合に、前記回路への正の電圧又はグランド電圧若しくは負の電圧の供給を制限する制限部材を備えている。
この請求項8記載の電子装置によれば、請求項1から7のいずれかに記載の電子装置と同様に作用する上、ブロック部材に備えられた正側導電部材を介して筐体に付設される回路に正の電圧が供給され、負側導電部材を介してその回路にグランド電圧又は負の電圧が供給される。正側導電部材および負側導電部材と回路との間の少なくとも一方には制限部材が接続されており、その制限部材によって正側導電部材にグランド電圧又は負の電圧が接続された場合又は負側導電部材に正の電圧が接続された場合に、回路への正の電圧又はグランド電圧若しくは負の電圧の供給が制限される。
請求項9記載の電子装置は、請求項8記載の電子装置において、前記制限部材は、半導体素子であるダイオードで構成されている。
請求項10記載の電子装置は、請求項1から9のいずれかに記載の電子装置において、前記筐体は、前記基板の垂直方向における前記区画部材の高さと略同等の高さで形成されると共に前記ブロック部材の導電部材がその垂直方向に亘って突設される台部と、その台部の略中心位置から前記垂直方向に突出し、前記台部の外形より小さな外形で且つ少なくとも前記台部の高さと略同等以上の高さを有する突出部とで構成されている。
この請求項10記載の電子装置によれば、請求項1から9のいずれかに記載の電子装置と同様に作用する上、筐体の台部は、基板の垂直方向における区画部材の高さと略同等の高さで形成され、その垂直方向に亘って導電部材が突設されている。台部の略中心位置には、垂直方向に突出した突出部が形成され、その突出部は、台部の外形より小さな外形で且つ少なくとも台部の高さと略同等以上の高さを有して構成されている。
請求項1記載の電子装置によれば、板状の区画部材は、少なくとも2つのブロック部材間に配設されており、ブロック部材の側壁に突設された少なくとも1以上の導電部材をその導電部材が突設された側壁側に押圧することにより少なくとも2つのブロック部材の対応する導電部材を電気的に導通させることができる。よって、2つのブロック部材の対応する導電部材の電気的な導通は板状の区画部材を介して行われるので、導電部材がブロック部材に多数配設される場合であっても、従来のように対応する導電部材同士が互いの弾性力により圧接されて電気的に導通する場合と比較して、導電部材と区画部材との接触面がズレたり傾いたりすることを防止できる。従って、対応する導電部材の間の電気的な導通が不安定となったり、ブロック部材が浮き上がり電気的に不導通となることを防止できるという効果がある。
請求項2記載の電子装置によれば、請求項1記載の電子装置の奏する効果に加え、基板と対向するブロック部材の底面は略正方形に形成されているので、区画部材は基板に略正方形の格子状に配設される。よって、ブロック部材を基板に配置した状態では、ブロック部材は板状の区画部材によって4方向から押圧されるので、ブロック部材を確実に固定して簡単に脱離することを防止できるという効果がある。また、1つの区画部材が、他の区画部材と略同形状に形成されているので、部品を共通化することができ、製作コストを低減することができるという効果がある。
請求項3記載の電子装置によれば、請求項1又は2に記載の電子装置の奏する効果に加え、区画部材には、ブロック部材の側壁と対向する両側面にブロック部材の導電部材と接触する接触部が設けられており、その接触部は基板の垂直方向に延設されて複数形成されているので、多数の導電部材が配設されたブロック部材にも容易に対応することができるという効果がある。また、その接触部の内、区画部材の両側面に対応して設けられた接触部は互いに導通しているので、両側面に対応して設けられた接触部に接触する導電部材の間を確実に導通させることができるという効果がある。
請求項4記載の電子装置によれば、請求項3記載の電子装置の奏する効果に加え、1の区画部材の第1所定位置に設けられた接触部と、他の区画部材の第2所定位置に設けられた接触部とが、共通配線パターンによって電気的に接続されているので、複数の区画部材の接触部の間が導通する。よって、複数のブロック部材に共通に配線を接続する場合であっても、ブロック部材の間を共通に配線するための配線用の部材を必要とせず、ブロック部材を基板に配置するだけで共通に接続できる。従って、電気的な動作をする回路の構成を簡略化できるという効果がある。
また、ブロック部材に、電気的な回路を基板に集積し各種の機能をもたせたICチップを付設した場合、ICチップには正の電圧又はグランド電圧又は負の電圧を供給する必要が生じるが、共通配線パターンを正の電圧又はグランド電圧又は負の電圧と接続すれば、ブロック部材を基板に配置するだけでICチップに電圧を供給することができるという効果がある。
請求項5記載の電子装置によれば、請求項4記載の電子装置の奏する効果に加え、基板は長孔状の貫通孔を有しており、区画部材は、貫通孔に貫入して基板の反対側に突出する貫入部と、基板のブロック部材の配置側に突出して貫通孔の長手方向において貫入部より両側に延びた仕切部とを有している。よって、貫通孔の形成位置に応じてその貫通孔に区画部材を貫入する簡単な作業で区画部材の基板への配設が行えると共に、貫入部と仕切部との長手方向の長さの違いによって区画部材の垂直方向の位置が定まるので垂直方向の位置決めも簡単に行うことができ、作業効率が向上するという効果がある。
また、区画部材が基板に配設された状態で、基板の反対側に備えられた共通配線パターンと、仕切部から貫入部まで延びた第1及び第2所定位置に形成された接触部とは、熱溶融して両者を接続する溶融材によって接続される。よって、接触部と共通配線パターンとの間を確実に導通させることができると共に、両者を接続した溶融材は区画部材の抜けを防止するので基板を持ち運んだり衝撃によって区画部材が抜け落ちることを防止できるという効果もある。
請求項6記載の電子装置によれば、請求項5記載の電子装置の奏する効果に加え、区画部材の仕切部は、連結部によって略直線状に互いに連結されているので、基板に区画部材を配設する場合に、同時に複数の区画部材を配設することができ作業効率を向上することができるという効果がある。また、連結区画部材を基板に配設する場合には、1の連結区画部材に形成された第1嵌装溝と、他の連結区画部材に形成された第2嵌装溝とが互いに嵌装した状態で配設されるので、区画部材同士が強固に連接される。よって、区画部材の剛性が向上するので、ブロック部材を基板に配置した状態であっても区画部材のしなりや傾きの発生を防止でき、ブロック部材を確実に固定することができるという効果がある。
請求項7記載の電子装置によれば、請求項3又は4に記載の電子装置の奏する効果に加え、基板と区画部材とは一体に形成され、区画部材には、ブロック部材の導電部材に対応する位置で且つ基板に対して略垂直方向の溝が形成されており、その溝に略コの字状の導電性材料で構成された接触部を差し込むことで区画部材を構成することができる。よって、接触部を差し込む簡単な作業だけで、区画部材が配設された基板を作成できるので、製作の作業効率を向上することができるという効果がある。
請求項8記載の電子装置によれば、請求項1から7のいずれかに記載の電子装置の奏する効果に加え、正の電圧が供給される正側導電部材およびグランド電圧又は負の電圧が供給される負側導電部材と筐体に付設された回路との間の少なくとも一方には、正側導電部材にグランド電圧又は負の電圧が接続された場合又は負側導電部材に正の電圧が接続された場合に、回路への正の電圧又はグランド電圧若しくは負の電圧の供給を制限する制限部材が接続されている。よって、制限部材によって回路に逆の電圧が供給されることを防止できるので、回路の破損や誤動作を防止することができるという効果がある。
請求項9記載の電子装置によれば、請求項8記載の電子装置の奏する効果に加え、制限部材は、半導体素子であるダイオードで構成されている。ダイオードは汎用性の高い部品であるため、購入が簡単で安価であるので、製作コストを低減することができるという効果がある。
請求項10記載の電子装置によれば、請求項1から9のいずれかに記載の電子装置の奏する効果に加え、突出部は、台部の略中心位置から基板の垂直方向に突出すると共に、台部の外形より小さい外形で構成されているので、ユーザーは突出部をもってブロック部材を基板に配置することができ、ブロック部材の脱着がし易くなるという効果がある。さらに、ブロック部材が密集する場所にブロック部材を配置する場合であっても隣接するブロック部材の突出部が邪魔にならずスムースに配置を行うことができるという効果もある。
以下、本発明の好ましい実施例について、添付図面を参照して説明する。図1は、本発明の実施例における電子装置1の構成を概略的に示した構成図である。
電子装置1は、平板状に形成された基板2と、各種の電気的な回路が付設されると共に基板2上の任意の位置に着脱自在に配置可能なブロック部材3とを主に備えている。基板2には、ブロック部材3の配置側とその反対側とを貫通する長孔状の貫通孔4が略正方形の格子状に形成されている。その貫通孔4に板状の区画部材5が図中矢印X方向に貫入されて区画部材5が基板2から略垂直方向に立設される。略正方形に区画された区画部材5の間にブロック部材3が配置され、各ブロック部材3の間が電気的に導通し、各種の電気的な動作を行う回路が構成される。なお、図示するように、基板2の長手方向を矢印Y方向とし、基板2の長手方向と直交する方向(短手方向)を矢印Z方向とする。
図2は、ブロック部材3と区画部材5とを拡大して示した斜視図である。ブロック部材3は、中空状の筐体で構成されており、その筐体は、透明又は半透明の樹脂材料などで形成されている。そのため、後述する中空内部に付設される電気的な回路などを視覚で確認することができる。
筐体は、略正方形の底面(基板2との対向面)からなる略箱形状の台部3aと、その台部3aの略中心位置から底面に対して垂直方向に突出し、台部3aの外形より小さな外形で且つ台部3aの垂直方向の高さと略同等以上の高さを有する略箱形状の突出部3bとで構成されている。ブロック部材3は、突出部3bを備えることによって、ブロック部材3を基板2へ配置する場合にユーザーは突出部3bをもって作業が行えると共に、ブロック部材3を密集する場所に配置する場合には隣接するブロック部材3の突出部3bにユーザーの指が干渉することなく配置できるので、配置作業をスムースに行うことができる。
台部3aの4つの側壁部には、台部3aの底面に対して垂直となる方向と略平行に凹状の溝3cが延設されて複数形成されており、この溝3cは、台部3aの上面に形成される溝3c1と、台部3aの側面に形成される溝3c2、台部3aの底面に形成される溝3c3(ブロック部材3の底面に溝3c1と同形状に形成されている)に亘って形成されている。
台部3aの溝3cには、ブロック部材3に付設される電気的な回路と電気的に導通する導通部材10,11が、台部3aの内側から外側に向かって突設されている。導通部材10,11は、一端が溝3c1と接着されると共に他端が溝3c3と接着されており、溝3c1と接着される一端と溝3c3と接着される他端との間は、溝3c2から台部3aの外側方向に湾曲している。この導通部材10,11は弾性力を有しており、ブロック部材3が基板2に装着された場合には、区画部材5によって溝3c2側(側壁側)に押圧されることにより後述する区画部材5の接触部5c1,5c2と電気的に導通する。
導電部材10は、ブロック部材3に付設される電気的な回路に、正(例えば「5ボルト(以下「V」と略す)」)又は負(例えば「0V」(グランド電圧))の電圧を供給するための導電部材であり、一方が「5V」の電圧が供給される正側導電部材となり、他方が「0V」の電圧が供給される負側導電部材となる。なお、導電部材10に供給される電圧は「5V」と「0V」としたが、電位差を有し回路を動作可能な電圧であれば特に限定しない。この導電部材10は、台部3aの溝3cのうち側面の両端に位置する溝3cに突設されていると共に4つの側壁にそれぞれ設けられている。よって、ブロック部材3は、区画部材5によって4方向から押圧されるので、安定した状態で確実に基板2に配置できる。
導電部材11は、ブロック部材3に付設される電気的な回路の入力信号または出力信号を入出力するための導電部材であり、台部3aの溝3cのうち導電部材10が突設された溝3c以外(7つの溝のうち内側の5つの溝)に突設されている。なお、導電部材11は、ブロック部材3に付設される電気的な回路の入出信号数に応じて、数や位置が変更されて突設される。
区画部材5は、貫通孔4(図1参照)に貫入されて基板2の裏側(基板2のブロック部材3が配置される配置側の反対側)に突出する貫入部5aと、区画部材5が基板2に配設された状態で表側(基板2のブロック部材3の配置側)に突出し貫通孔4の長手方向において貫入部5aより両側に延びた仕切部5bとを備えている。仕切部5bの矢印X方向(図1参照)の高さは、台部3aの高さと略同等に形成されている。
なお、基板2に配設される区画部材5は、全て略同形状に構成されているため、部品を共通化して製作コストを低減することができる。さらに、貫入部5aと仕切部5bとの長手方向の長さの違いにより、区画部材5を基板2へ配設する場合の基板2の垂直方向の位置が定まるので、高さを略一定にすることができる。
区画部材5の表面には、ブロック部材3が基板2に配置された場合に、導電部材11と接触して電気的に導通する接触部5c1が矢印X方向と略平行に延設されて複数形成されている。さらに、区画部材5の表面の長手方向両側には、導電部材10と接触して電気的に導通する接触部5c2が接触部5c1と略平行に形成されている。なお、接触部5c2は、仕切部5bの略上端から貫入部5aの略下端まで延びて形成されている。
区画部材5の両側面に対応して形成された接触部5c1,5c2の電気的な導通は、両側面の対応する接触部5c1,5c2を含んで区画部材5を貫通するホール5dの内壁に付着する導電性を有するメッキによって行われる。これは、所謂スルーホール技術によって行われている。
よって、ブロック部材3が基板2に配置され、区画部材5が2つのブロック部材3の間に介在した状態となると、導電部材11が区画部材5の接触部5c1と接触して押圧されることにより対応する導電部材11が互いに導通する。同様に、導電部材10は、区画部材5の接触部5c2と接触して押圧されることにより対応する導電部材10が互いに導通する。
次に、図3を参照して、電気的な動作を行う回路の一例について説明する。図3は、電子装置1において構成される電気回路の一例を示した図である。なお、ブロック部材3内に記載される記号および線は、付設される回路を模式的に表した記号である。また、ブロック部材3に付設される回路は、各種の回路素子を集めて基板に集積し各種の機能を持たせたICチップ(集積回路)であるため、電圧供給が必要となる場合もあるがその電圧への接続線は省略してある。
ブロック部材3には、各種の電気的な回路が付設されており、本第1実施例では、スイッチ回路20,21、プルアップ回路22,23、ゲート回路24,25,26、7セグメント表示回路27が、ブロック部材3の筐体内部に設けられている。
スイッチ回路20,21は、回路のオン/オフを切り替えるためのものであり、2つの接点を機械的に開いたり(開放)閉じたり(短絡)するものである。スイッチ回路20は、ブロック部材3の表面に4つのスイッチ20a,20b,20c,20dが露出して配設されており、そのスイッチ20a〜20dの一端側は、グランド電圧(「0V」)に共通に接続され、スイッチ20a〜20dの他端は、それぞれ独立してプルアップ回路22側に配線されている。同様に、スイッチ回路21は、ブロック部材3の表面に4つのスイッチ21a,21b,21c,21dが配設され、一端がグランド電圧に共通に接続されると共に他端がそれぞれ独立してプルアップ回路23側に配線されている。
プルアップ回路22,23は、スイッチ20a〜20d,21a〜21dが開放された状態のときに、電位を固定するためのものである。これは、一般的な入出力回路が、電位が「HIGHレベル(以下「Hレベル」と略す)」の場合では殆ど電流が流れないため回路が動作状態とならず、電位が「LOWレベル(以下「Lレベル」と略す)」の場合に外部に電流が流れ回路が動作状態となるためであり、スイッチ20a〜20d,21a〜21dが開放されたときに、動作状態となることを防止するために「Hレベル」を維持する必要がある。そのため、スイッチ20a〜20d,21a〜21dと繋がる各配線ラインに抵抗器22a〜22d,23a〜23dを接続し、その抵抗器22a〜22b,23a〜23dの他端は正の電圧(「5V」)に接続することで、電位を「Hレベル」に安定に保っている。スイッチ20a〜20d,21a〜21dの内いずれかのスイッチが短絡状態となると、その短絡したラインはグランド電圧側に電流が流れ「Lレベル」となる。
ゲート回路24は、2つのNAND回路24a,24bを備えている。NAND回路24a,24bは、2つの入力が「Hレベル」となった場合に、「Lレベル」の出力をするものであり、その他の入力の組合せは全て「Hレベル」を出力する。よって、NAND回路24aは、スイッチ20a,20bが開放された場合のみゲート回路26側に「Lレベル」を出力し、NAND回路24bは、スイッチ20c,20dが開放された場合のみゲート回路26側に「Lレベル」を出力する。
ゲート回路25は、2つのNOR回路25a,25bを備えている。NOR回路25a,25bは、2つの入力が「Lレベル」となった場合に、「Hレベル」を出力するものであり、その他の入力の組合せは全て「Lレベル」を出力する。よって、NOR回路25aは、スイッチ21a,21bが短絡した場合のみゲート回路26側に「Hレベル」を出力し、NOR回路25bは、スイッチ21c,21dが短絡した場合のみゲート回路26側に「Hレベル」を出力する。
ゲート回路26は、NOT回路26a,26b,26c,26dを備えている。NOT回路26a〜26dは、入力側のレベルと出力側のレベルとを反転するものであり、NOT回路26aの入力側はNAND回路24aと接続され、同様に、NOT回路26bの入力側はNAND回路24b、NOT回路26cの入力側はNOR回路25a、NOT回路26dの入力側はNOR回路25bと接続されて、出力側は7セグメント表示回路27に接続されている。
7セグメント表示回路27は、4つの入力を7セグメント表示パターンに変換して表示するものであり、表示パターンの表示を行う表示部27aと変換の制御を行う制御部27bとを備えている。なお、上述したように、ブロック部材3の筐体は透明又は半透明に形成されているので、表示部27aはブロック部材3内部に付設されていても確認することができる。
本第1実施例では、7セグメント表示回路27は、「4ビット」の入力に基づいて制御部27bが数字表示パターンに変換を行い、表示部27aで「0〜F」の表示を行うものである。例えば、全てのスイッチ20a〜20d,21a〜21dが開放された状態では、7セグメント表示回路27への入力が「Hレベル」(「1,1,1,1」)となるので7セグメント表示回路27の表示は「F」となる。また、スイッチ20a,20cを短絡状態とすると、7セグメント表示回路27の入力は「0,0,1,1」となり表示部に「3」が表示される。
なお、上述した回路のブロック部材3の間の電気的な導通は、ブロック部材3に突設された対応する導電部材11が区画部材5の接触部5c1を介して互いに接続されて行われる。導電部材11は、ブロック部材3に複数突設されているが、区画部材5の接触部5c1も略平行に複数形成されているため、ICチップが付設されたブロック部材3にも容易に対応することができる。
よって、本第1実施例で構成した回路をユーザーが操作することによって、ユーザーは論理回路の動作や7セグメント表示回路27の動作などを確認することができる。なお、この回路は一例であり、各種のブロック部材3を組み合わせることによって、各種の回路を構成することができる。
次に、図4を参照して、基板2の裏側(基板2の反対側)に形成される共通配線パターン30,31について説明する。図4は、基板2の下面図である。なお、図4は、区画部材5が基板2に配設されていない状態を示している。
基板2の裏側(基板2の反対側)には、「5V」の電圧が接続される正側共通配線パターン30と、「0V」の電圧が接続される負側共通配線パターン31とが、それぞれの貫通孔4の外縁まで延びて形成されている。なお、図示しないが、基板2の裏側には、共通配線パターン30,31が外部に露出しないように、絶縁材料で構成されたシート部材が貼着されている。また、本第1実施例では、共通配線パターン30,31を基板2の裏側に形成するものとしたが、基板2の表側(基板2の配置側)に形成するものとしても良い。かかる場合、絶縁材料で構成されたシート部材は表側に貼着されるものとする。
正側共通配線パターン30は、区画部材5が基板2に配設された場合に、接触部5c2の一方と電気的に接続されるものである。よって、正側共通配線パターン30は、格子状に形成された貫通孔4の内、紙面左右方向(図1における矢印Y方向)と平行に形成された貫通孔4の左側の接触部5c2に対応する位置(第1所定位置)に延びて形成されている。さらに、紙面上下方向(図1における矢印Z方向)と平行に形成された貫通孔4の上側の接触部5c2と対応する位置(第2所定位置)に延びて形成されている。
負側共通配線パターン31は、区画部材5が基板2に配設された場合に、正側共通配線パターン30と接続される一方の接触部5c2に対して他方となる接触部5c2と電気的に接続されるものである。よって、負側共通配線パターン31は、紙面左右方向(図1における矢印Y方向)と平行に形成された貫通孔4の右側(第1所定位置)に延びて形成されると共に、紙面上下方向(図1における矢印Z方向)と平行に形成された貫通孔4の下側(第2所定位置)に延びて形成されている。
よって、ブロック部材3に付設される回路には、正側共通配線パターン30及び負側共通配線パターン31と、接触部5c2、導電部材10とを介して電圧が供給されるので、基板2の任意の位置にブロック部材3を配置するだけで電圧を供給することができる。従って、ブロック部材3に共通に電圧を供給するための配線用の部材を必要としないので、電気的な動作を行う回路の構成を簡略化することができる。
図示したように、正側共通配線パターン30と負側共通配線パターン31とは、上下方向に交互に接続されると共に左右方向に交互に接続され、規則性を持っている。なお、図4は、基板2を裏側(基板2の反対側)から示した図であるため、基板2の表側(基板2の配置側)から見た場合は「5V」又は「0V」の電圧が接続される位置が反対となり、図1においては、上下方向の区画部材5は下側に「0V」が接続され上側に「5V」が接続されると共に、左右方向の区画部材5は左側に「0V」が接続され右側に「5V」が接続される。
図5は、図4の破線A部分を拡大した図であり、基板2に区画部材5が配設された状態を示している。
図示するように、区画部材5の貫入部5aに形成された接触部5c2には、熱を加えることにより溶融して両者を接続可能なハンダバンプ35(溶融材)が形成されている。正側共通配線パターン30及び負側共通配線パターン31に対応する接触部5c2とその各共通配線パターン30,31とは、それぞれハンダバンプ35が熱溶融して接着されている。なお、正側共通配線パターン30及び負側共通配線パターン31と接触部5c2との接続は、ハンダバンプ35によるものだけに限らず導電性を有する接着剤(溶融材)などを用いるものとしても良い。
本第1実施例では、ハンダバンプ35によって、正側共通配線パターン30および負側共通配線パターン31と接触部5c2とを接続しているため、ブロック部材3に電圧を確実に供給することができる。また、区画部材5が基板2に強固に固着されるため、基板2を持ち運んだり落として衝撃を与えた場合にも区画部材5が外れたりすることを防止できる。
ここで、図6を参照して、ブロック部材3の内部配線について説明する。図6は、ブロック部材3の内部配線を模式的に示した図であり、図6(a)は、ブロック部材3が基板2に正常に配置された状態を示しており、図6(b)は、ブロック部材3が基板2に間違って配置された状態を示している。なお、図中の「+」の表示は「5V」の電圧が供給されていることを示し、「−」の表示は「0V」の電圧が供給されていることを示している。また、ブロック部材3に付設されるICチップ40(集積回路)は、各種の汎用されているICチップであり、そのICチップの各端子の配列及び数はICチップ毎に異なるので、付設されるICチップに応じて対応する導電部材10,11へ内部配線が行われるものとする。
図6(a)に示すように、ICチップ40には、5つの入力端子40aと5つの出力端子40bと、「5V」の電圧が供給される正側電源端子40cと、「0V」の電圧が供給される負側電源端子40dとが備えられている。入力端子40a及び出力端子40bは、それぞれ対応する導電部材11と配線されており、区画部材5の接触部5c1を介して信号のやりとりが可能に構成されている。
正側電源供給端子40cと導電部材10との間には、電流を一方向にのみ流すことができる半導体素子で構成されたダイオード41(制限部材)が、「5V」の電圧が接続された場合に電流が流れる向きに嵌装されている。そのため、図6(a)に示すように、ブロック部材3が基板2に正常に配置された場合には、電流が矢印B方向に流れICチップ40に電源が供給される。
図6(b)は、基板2に間違ってブロック部材3が配置された場合を示しており、かかる場合には、正側電源端子40c及び負側電源端子40dに反対の電圧が接続されるため、ダイオード41によりICチップ40への電圧供給が制限される。よって、ICチップ40に逆電流が流れないので、破損を防止できると共に誤動作などの発生を防止することができる。
以上、説明したように、本発明の電子装置1によれば、板状の区画部材5が基板2に略正方形の格子状に配設されており、ブロック部材3は格子状に配設された区画部材5の間に配置される。ブロック部材3が基板2に配置された状態では、ブロック部材3の導電部材10,11が区画部材5の接触部5c1,5c2と接触して電気的に導通すると共に、導電部材10,11が区画部材5によってその導電部材10,11が突設された側壁側に押圧される。よって、ブロック部材3の導電部材10,11と区画部材5の接触部5c1,5c2との接触面が安定して接触するので、接触面にズレが生じたり傾きが発生することを防止でき、隣り合うブロック部材3の対応する導電部材10,11の間を確実に導通させることができる。
また、ブロック部材3は区画部材5によって4方向から押圧され、且つブロック部材3の導電部材10,11と区画部材5の接触部5c1,5c2とが安定して接触しているので、ブロック部材3が傾いて浮き上がることを防止でき、ブロック部材3を確実に配置し基板2から簡単に脱離することを防止できる。
次に、図7を参照して、第2実施例の基板102及び区画部材105について説明する。図7は、第2実施例の電子装置1の基板102及び区画部材105の一部分を拡大して示した斜視図である。
第2実施例の電子装置1は、基板102と略正方形の格子状に配設される区画部材105とが一体に形成されている。区画部材105は、ブロック部材3が基板102に配置された場合に導電部材10,11に対応する位置で、且つ基板102に対して垂直となる方向と略平行に複数の溝106が形成されている。この溝106は、区画部材105の上端面に形成される凹状の溝106aと、区画部材105の両側面に形成される凹状の溝106bと、区画部材105の両側面の基板102との接合部より区画部材105の内側に凹状に形成される溝106cとに亘って形成されている。
溝106には、導電性材料で構成された側面視略コの字状の接触部107が、基板2の上方より図中矢印W方向に押し込まれて装着される。接触部107は、溝106の形状と略同形状に形成されており、天井部となる天部107aと、その天部107aの両端より下方に延びる一対の側部107bと、その一対の側部107bの下端から内側に向かって天部107aと略平行に延びる一対の底部107cとで構成されている。
接触部107が区画部材105に装着される場合には、接触部107の底部107c間の空間が、溝106b間となる区画部材105の厚みより狭くなるため、側部107b及び底部107cは外方に押し広げられながら装着が行われる。接触部107が装着位置まで達すると、底部107cが凹状の溝106cに入り込み装着が完了する。よって、接触部107は、ブロック部材3の抜き差しが行われても、底部107cが溝106c内に入り込んで固着されているので、接触部107が簡単に抜けてしまうことを防止できる。
以上、説明したように、第2実施例の電子装置1は、基板102と区画部材105とが一体に形成され、且つ接触部107を溝106に装着することで区画部材105を製作できるので、区画部材105が配設された基板2を簡単な作業で製作でき、作業効率を向上することができる。
また、基板102と区画部材105とを金型成型で製作した場合には、区画部材105の配設位置の誤差を少なくすることができるので、ブロック部材3を基板2に配置した場合に、ブロック部材3の種類や配置場所によって接触不良が発生することを防止できる。
さらに、格子状に配設された区画部材105と第1実施例と同形状のブロック部材3を備えるので、第1実施例と同様に、ブロック部材3を基板2に確実に配置し簡単に脱離することを防止できる効果、及びブロック部材3の対応する導電部材10,11の間を確実に導通させることができる効果を奏する。
なお、第2実施例の電子装置1は、第1実施例同様に、共通配線パターンを形成するものとしても良い。この場合、基板102の表側(基板102の配置側)に共通配線パターンを形成しても良いし、上述したスルーホール技術により表側と裏側(基板102の反対側)とを結ぶ配線パターンを形成し裏側に共通配線パターンを形成するものとしても良い。
次に、図8を参照して、第3実施例の基板2及び連結区画部材210,220について説明する。図8は、第3実施例の電子装置1の基板2及び連結区画部材210,220の一部分を拡大して示した斜視図である。なお、第1実施例と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
第3実施例の基板2に配設される区画部材は、図中矢印Y方向に複数連結された連結区画部材210と、図中矢印Z方向に複数連結された連結区画部材220とで構成されている。なお、図中奥側の3つの連結区画部材210は基板2に配設された状態を示しており、図中手前側の連結区画部材210と連結区画部材220は基板2に配設される前の状態を示している。
連結区画部材210は、第1実施例と略同形状に構成された区画部210aが連結部210bによって複数連結されており、その連結部210bには基板2の略垂直方向(図中矢印X方向)において上端が開放された側面視凹状の第1嵌装溝210cが形成されている。第1嵌装溝210cは、連結部210bの矢印X方向の高さの略半分となる高さに形成されると共に矢印Y方向の幅が連結区画部材220の板厚と略同等に形成されている。
連結区画部材220は、第1実施例と略同形状に構成された区画部220aが連結部220bによって複数連結されており、その連結部220bには基板2の略垂直方向において下端が開放された側面視凹状の第2嵌装溝220cが形成されている。第2嵌装溝220cは、連結部220bの矢印X方向の高さの略半分となる高さに形成されると共に矢印Z方向の幅が連結区画部材210の板厚と略同等に形成されている。
基板2に連結区画部材210,220を配設する場合には、先ず、基板2の矢印Y,Z方向の大きさに応じて連結区画部材210,220の長さを決定し、その長さに応じて連結区画部材210,220を形成する。連結区画部材210,220は、各種の基板2に対応させるために任意の長さに形成されており、配設する基板2に応じて連結部210b,220bを切断して用いられる。
その後、連結区画部材210を反矢印X方向から矢印X方向に向かって基板2の貫通孔4に貫入する。先に連結区画部材210を配設するのは、第1嵌装溝210cが上端が開放されているためのである。全ての連結区画部材210の配設が終了したら、連結区画部材220を貫通孔孔4に貫入して配設する。この際、連結区画部材210の第1嵌装溝210cと連結区画部材220の第2嵌装溝220cとが互いに嵌装する状態となって配設される。
よって、第3実施例の電子装置1によれば、連結区画部材210,220は連結部210b,220bによって複数の区画部210a,220aを連結しているので、一度に多くの区画部材を配設でき、区画部材の基板2への配設の作業効率を向上することができる。また、連結区画部材210,220を基板2に配設した状態では、第1嵌装溝210cと第2嵌装溝220cとが互いに嵌装した状態となるので、区画部材は互いに強固に連接される。よって、区画部材の剛性が高くなりブロック部材3をより確実に固定することができる。
さらに、連結区画部材210,220は基板2に格子状に配設され、第1実施例と同形状のブロック部材3を備えるので、第1実施例と同様に、ブロック部材3を基板2に確実に配置し簡単に脱離することを防止できる効果、及びブロック部材3の対応する導電部材10,11の間を確実に導通させることができる効果を奏する。
以上、実施例に基づいて本発明を説明したが、本発明は、上記実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変形が可能であることは容易に推察できるものである。
例えば、上記第1実施例では、正側共通配線パターン30および負側共通配線パターン31は、上下方向および左右方向に交互に接続されるよう規則性を持って形成されるものとしたが、規則性を持って形成するものであれば、どのような配線パターンとするものとしても良い。かかる場合には、共通配線パターン30,31と接続される接触部5c2の区画部材5における形成位置および接触部5c2と接触する導電部材10のブロック部材3における突設位置は、共通配線パターン30,31に対応するものとする。
また、上記第1実施例では、正側共通配線パターン30および負側共通配線パターン31と接触部5c2とを互いにハンダバンプ35によって接着するものとしたが、2つの共通配線パターン30,31は、貫通孔4の外縁まで延びて形成されているため、区画部材5の外形を貫入孔4の内形より若干大きく形成し貫入することにより、接触部5c2と各共通配線パターン30,31とが電気的に導通するものであれば、ハンダによる接着を行わないものとしても良い。また、各共通配線パターン30,31を貫通孔4の内壁面まで延びて形成し確実に電気的な導通を行うものとしても良い。
また、上記各実施例では、制限部材としてダイオード41を用いるものとしたが、逆接続された場合に、導電部材10と回路との間の電気的な導通を制限するものであれば、例えば、正常に接続された場合にのみ配線を短絡するスイッチ回路を設けたり、逆接続された場合に接続を遮断する遮断回路を設けるものとしても良い。
さらに、基板に突起部を設けると共にその突起部と嵌合する嵌合部をブロック部材3に形成し、ブロック部材3の装着に方向性をもたせて、ダイオード(制限部材)41を備えないものとしても良い。
また、上記各実施例では、ブロック部材3の筐体を透明又は半透明の樹脂材料で形成するものとしたが、不透明な筐体で形成するものとして良い。かかる場合、付設される電気的な回路に対応する模式図を表面に表示したり、付設される電気的な回路が表示回路であれば表示部を筐体外部に配設するものとしても良い。
また、上記各実施例では、基板の矢印Y方向(図1参照)に5つのブロック部材3、基板の矢印Z方向(図1参照)に4つのブロック部材3が配置可能となる大きさに基板を構成するものとしたが、基板の矢印Y,Z方向の大きさは基板に構成される電気的な動作を行う回路に応じて大きさを変更して製作するものとしても良い。
さらに、基板を互いに連結可能な連結部材を設け基板同士を連結して拡張性を持たせるものとしても良い。かかる場合には、基板に形成される共通配線パターン30,31は、基板が互いに連結されることに伴い電気的に導通するよう構成するものとしても良い。
本発明の実施例における電子装置の構成を概略的に示した構成図である。 ブロック部材と区画部材とを拡大して示した斜視図である。 電子装置において構成される電気回路の一例を示した図である。 基板の下面図である。 図4の破線A部分を拡大した図である。 ブロック部材の内部配線を模式的に示した図であり、図6(a)は、ブロック部材が基板に正常に配置された状態を示した図であり、図6(b)は、ブロック部材が基板に間違って配置された状態を示した図である。 第2実施例の電子装置の基板及び区画部材の一部分を拡大して示した斜視図である。 第3実施例の電子装置の基板及び区画部材の一部分を拡大して示した斜視図である。
符号の説明
1 電子装置
2,102 基板
3 ブロック部材
3a 台部
3b 突出部
4 貫通孔
5,105 区画部材
5a 貫入部
5b 仕切部
5c1,5c2,107 接触部
10,11 導電部材
20,21 スイッチ回路(電気的な回路)
22,23 ピックアップ回路(電気的な回路)
24,25,26 ゲート回路(電気的な回路)
27 7セグメント表示回路(電気的な回路)
30 正側共通配線パターン(共通配線パターン)
31 負側共通配線パターン(共通配線パターン)
35 ハンダバンプ(溶融材)
40 ICチップ(電気的な回路)
41 ダイオード(制限部材)
106 溝
210,220 連結区画部材
210b,210c 連結部
210c 第1嵌装溝
220c 第2嵌装溝

Claims (10)

  1. 電気的な回路が付設された筐体とその筐体の側壁に突設されると共に前記回路と電気的に導通する弾性力を備えた少なくとも1以上の導電部材とを有する複数のブロック部材と、その複数のブロック部材が着脱自在に配置される基板とを備え、前記複数のブロック部材を前記基板上に配置し、前記筐体に付設された回路が前記導電部材を介して互いに電気的に接続されて電気的な動作を行う電子装置において、
    前記基板から略垂直方向に立設され、少なくとも2つの前記ブロック部材間に配設されると共に、前記導電部材をその導電部材が突設された側壁側に押圧することによりその少なくとも2つのブロック部材の対応する導電部材を電気的に導通させる板状の区画部材を備えていることを特徴とする電子装置。
  2. 前記基板と対向する前記筐体の底面は略正方形に形成されており、
    前記1の区画部材は他の区画部材と略同形状に形成されると共に、前記基板に格子状に配設されることを特徴とする請求項1に記載の電子装置。
  3. 前記ブロック部材の側壁と対向する前記区画部材の両側面には、前記ブロック部材の導電部材と接触して導通する接触部が設けられ、その区画部材の両側面に対応して設けられた接触部は、互いに導通されると共に前記基板の垂直方向に延設されて複数形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の電子装置。
  4. 前記基板は、前記1の区画部材に設けられた複数の接触部のうち第1所定位置に設けられた接触部と、他の区画部材に設けられた複数の接触部のうち第2所定位置に設けられた接触部とを電気的に接続する共通配線パターンを備えていることを特徴とする請求項3に記載の電子装置。
  5. 前記基板は、前記ブロック部材の配置側とその反対側とを貫通する長孔状の貫通孔を有すると共に、前記共通配線パターンを前記反対側に備え、
    前記区画部材は、前記貫通孔に貫入して前記基板の反対側に突出する貫入部と、前記基板の配置側に突出し前記貫通孔の長手方向において前記貫入部より両側に延びた仕切部とを有し、
    前記第1及び第2所定位置に形成された接触部は前記仕切部から貫入部まで延びて形成され、
    その貫入部まで延びた接触部と共通配線パターンとの接続は、熱溶融して両者を接続する溶融材によって行われるものであることを特徴とする請求項4に記載の電子装置。
  6. 前記区画部材の仕切部を略直線状に互いに連結する連結部を備え、
    その連結部によって複数連結された連結区画部材の内、1の連結区画部材の連結部は前記基板の略垂直方向において上端が開放した凹状の第1嵌装溝が形成され、他の連結区画部材の連結部は前記基板の略垂直方向において下端が開放した凹状の第2嵌装溝が形成され、
    前記1の連結区画部材と他の連結区画部材とを基板に配設した状態で、前記第1嵌装溝と第2嵌装溝とが互いに嵌装されることを特徴とする請求項5に記載の電子装置。
  7. 前記基板と区画部材とは一体に形成され、
    前記区画部材には、前記ブロック部材の導電部材に対応する位置に前記基板に対して略垂直方向の溝が形成されており、
    前記接触部は、その溝に装着される略コの字状の導電性材料で構成されていることを特徴とする請求項3又は4に記載の電子装置。
  8. 前記ブロック部材の導電部材は、前記筐体に付設される回路に正の電圧を供給するための正側導電部材と、前記筐体に付設される回路にグランド電圧又は負の電圧を供給するための負側導電部材とを備え、
    その正側導電部材および負側導電部材と前記回路との間の少なくとも一方に接続され、正側導電部材にグランド電圧又は負の電圧が接続された場合又は負側導電部材に正の電圧が接続された場合に、前記回路への正の電圧又はグランド電圧若しくは負の電圧の供給を制限する制限部材を備えていることを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の電子装置。
  9. 前記制限部材は、半導体素子であるダイオードで構成されていることを特徴とする請求項8に記載の電子装置。
  10. 前記筐体は、前記基板の垂直方向における前記区画部材の高さと略同等の高さで形成されると共に前記ブロック部材の導電部材がその垂直方向に亘って突設される台部と、その台部の略中心位置から前記垂直方向に突出し、前記台部の外形より小さな外形で且つ少なくとも前記台部の高さと略同等以上の高さを有する突出部とで構成されていることを特徴とする請求項1から9のいずれかに記載の電子装置。
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