JP4112637B2 - 粒子を感知して特性表示する方法及び装置 - Google Patents

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Description

発明の背景
発明の分野
本発明は、当該粒子の単位体積当り電気インピーダンスとは異なる単位体積当り電気インピーダンスを有する液状媒体中に懸濁された,赤血球もしくはセラミック粉末などの小寸粒子を感知して特性表示する方法及び装置の改良に関する。より詳細には本発明は、斯かる粒子をコールターの原理(Coulter principle)により感知して特性表示する方法及び装置の改良に関する。
先行技術の検討
Wallace H.Coulterに対する米国特許第2,656,508号は、液状媒体内に懸濁された粒子を感知する画期的な方法を開示している。斯かる方法を実施する典型的装置は、図1に概略的に示されている。斯かる装置は、誘電壁7により分割された第1及び第2区画室6A及び6Bを画成する二重区画室式誘電容器6を備えている。区画室6A及び6Bの各々は、液状媒体Mを収納し得ると共に該液状媒体Mにより充填されている。感知して特性表示されるべき粒子は液状媒体M内に適切な濃度で懸濁されると共に、区画室6A内に形成された適切な取入ポート8を介して区画室6A内に導入される。壁部7は、均質な誘電材料から作成されたウェハWによりシールされた比較的大寸の開口7Aを備えている。ウェハWに形成された小寸貫通孔は管路10を提供するが、該管路10は区画室6A及び6B間の唯一の作用接続を構成する。区画室6Bに適切に形成された吐出ポート11に適切な真空を付与すると、以下に詳述される如く粒子懸濁液は管路10を介して区画室6Aから区画室6Bへと通流せしめられる。上記懸濁液内の各粒子はそれ自体の体積に相当する粒子懸濁液体Mを排除すると共に、管路10は、排除された体積が比較され得る一定基準体積を提供する。もし管路10の寸法及び懸濁液中の粒子の濃度が適切に選択されれば、粒子は事実上個別に通過可能とされ得る。故に管路10は、個々の微細粒子により排除される液体を適切な条件の下で感知し得る小型容積計として機能する。
上記管路を通過する粒子により引き起こされる液体排除を好適に感知可能とすべく、粒子懸濁液体Mは粒子の単位体積当り電気インピーダンスと異なる単位体積当り電気インピーダンスを有するものとされる。故に、粒子と懸濁液体との間の電気インピーダンスの対比は、排除液体の体積を、管路10を充填する液柱の電気インピーダンスにおける比例変化へと変換する。励起電極15及び16は区画室6A及び6B内に夫々位置せしめられると共に電流源17に電気的接続されることにより、公称電流(nominal electorical current)は粒子懸濁液と共に管路10を介して通流せしめられる。故に、管路10を介した粒子の通過は該管路を通流する電流の脈動を生成するが、これは粒子により排除された液体の体積に比例する。同様に励起電極15及び16に電気接続されたAC連結感知回路19は、これらの電極間における電流の脈動を感知すべく作用する。故に、個々の粒子が管路10を通過するときに感知回路19は、粒子体積の特性を表す振幅を有する電気信号パルスを生成する。付加回路20は更に、粒子信号パルスを処理し、一定の体積スレッショルド値を超える粒子のカウントを提供し、又は、Wallace H.Coulter及びJoseph R.Coulter,Jr.に対する米国特許第2,869,078号に開示された容積式測定システムを介して粒子濃度を提供する。粒子の容積測定分布は、電流源17に一定電流を提供させると共に、Wallace H.Coulter et al.に対する米国特許第3,259,842号に記述された複数スレッショルド値式サイジング回路21により粒子パルスを分析することにより、好適に特性表示され得る。代替的にもし電流源17が、Wallace H.Coulter及びW.R.Hoggに対する米国特許第3,502,973号及び米国特許第3,502,974号にて論じられた如き少なくとも一個の高周波交流電源を含む複数の励起電流の組合せを提供するのであれば、一定の粒子の内部組成を反映する見掛け体積(apparent volume)も同様に特性表示され得る。斯かる特性表示結果は、適切な装置22により表示もしくは記録される。この様にして、粒子の単位体積当り電気インピーダンスとは異なる単位体積当り電気インピーダンスを有する液状媒体に粒子を懸濁させると共に、得られた粒子懸濁液を狭窄管路に通過させ乍ら該管路を通流する電流を監視することにより粒子を感知して特性表示する該方法は、コールターの原理として公知となっている。
コールターの原理の中心は、容器6内に確立された電界及び流体力学フィールドの両者を狭窄することにより、粒子特性の電気的感知を可能とする容積計管路(volumeter conduit)10である。上記’508特許においては一般的な長寸断面と、円形もしくは矩形の断面のいずれかとを有する管路が考察されているが、該特許の実施例における管路は第2容器内に配設された閉塞ガラス管の壁に形成された極小円形孔であり、粒子懸濁液及び励起電流は2つの容器の間において開孔の軸心方向に通流している。収納容器に直接的に形成された斯かる小寸開孔は、反復可能な幾何形状及び許容誤差で製造することは困難である。実施可能代替例は、細管から切断されると共に幾分か大きな開口上にシールされた別体のウェハ(wafer)を利用することから、2つの容器間の唯一の作用接続を管路が形成していた;しかし乍ら、信頼できるシールに対して必要とされるガラス溶融方法により斯かるシールを行うとしても斯かるウェハにおける管路幾何形状は不安定であった。精密な機械装置に対する転がり軸受として開発されたルビーもしくはサファイアは、ガラスへの融着の間に幾何形状を保持し、良好な誘電及び機械的特性を有し、一定の範囲の幾何形状及びサイズを入手するのが容易であり、Wallace H.Coulter et al.に対する米国特許第2,985,830号及び米国特許第第3,122,431号においては管路ウェハとして使用することが示されている。これらの特許に記述された開孔管は例えば図1における容器6などに広く採用されされると共に、各収納区画の間における開口(例えば、壁部7の7A)を狭窄する管路ウェハWとしてはルビーもしくはサファイア製の環状穴石(ring jewel)が使用されることが多い。故に、図2における管路ウェハWの拡大図に示された如く従来のコールター容積計管路は10は、円形断面の真円筒開口を定義する長さLと、厚みLの均質誘電材料を通る直径Dを有する連続表面もしくは壁30を備える。材料の均質性に依り、管路を通る懸濁液及び電流の流れを囲繞する管路壁30の電気抵抗は、任意の長寸管路断面において軸心対称であり且つ均一である。その歴史的開発の故に、管路ウェハWは“開孔ウェハ”と称されることが多く、管路ウェハWにおける伝統的なコールター管路10は一般的に“コールター開孔”と称される。
上記’508特許は、2つの重要な機能特性が図1における10の如きコールター容積計管路の各寸法に依存することを記述しており、すなわち、容積測定感度及び管路体積を通る同時通過の間における他の粒子によるひとつの粒子の遮蔽である。概略的には、容積計管路10の各寸法が関心懸濁液における最大粒子の直径を近似するときに最大の容積測定感度が得られる。特に、管路直径Dは目詰りのリスクを最小化するために最大粒子直径の2倍に近づかねばならず、且つ、管路長さLは通常は可能な限り短寸とし、管路を同時に通過する2個以上の粒子に依る同時計測アーチファクト(coincidence artifact)を最小化する。所定の管路形状に対して同時計測作用は粒子濃度にのみ依存すると共に、サンプル希釈を増加することにより制限され得る。工業用途では0.010mm乃至2.000mmに亙る種々の管路直径Dが必要とされるが、多くの医学及び科学用途は0.030mm乃至0.200mmの管路直径により満足され得る。長さ/直径比率L/D=1.2の管路は種々の用途において有用な特性の組合せを提供するが、医学用途は低希釈サンプルにより実現され得る高速のサンプル処理能力速度により恩恵を受ける。上述の米国特許第2,985,830号にて言及された如く、L/D=0.75の管路が実用的妥協策であることが立証されており;斯かる管路は、管路直径Dの約2%から約80%の直径を有する粒子の妥当な処理速度及び容積分粒を許容する。多くの用途において、同時計測体積の減少及び容積測定感度の改善は好適であるが、容積計管路の近傍における電界特性は短寸の管路長さの使用を無効にする。
上記’508特許は、図1の10の如き容積計管路の複雑な電界特性を予期していない。1953年における’508特許の発行以来、多くの医学、科学及び工業の分野における種々の粒子特性表示問題に対してコールターの原理は応用されて来ており、コールター容積計管路により多くの経験が得られた。それらの機能特性に関しては多くの研究が発表されたが、それは例えば、Volker Kachelの“電気抵抗パルス分粒:コールター分粒”であり、更なる情報に関してはこれを参照することを推奨する(流量血球計算及び分類、第2版、M.R.Melamed.Lindmo及びM.L.Mendelsohn,編Wiley-Liss,ニューヨーク、1990年、第45〜80頁)。斯かる管路を通過する粒子により生成される信号パルスの特性は、励起電極15及び16間における電流により液状媒体M内に確立される電界、及び、管路を通り粒子を担持する懸濁液体Mにより確立される流体力学フィールド、の両者に対する粒子の複雑な相互作用から帰着する。両フィールドに対するポテンシャル分布は管路の進入オリフィスにおいて軸心対称の半楕円形等電位を示すと共に、両フィールドに対して同心流はこのオリフィスへと集中する。図2に示された如く管路10を通る電流は管路中央点に関して対称的な電界を生成する一方、粒子懸濁液体の動粘性率により、区画室6B内には管路10を通り更に複雑な懸濁液が流れる。本発明に関する容積計管路の一定の電界特性は、次の様に要約される:
1. 図2の管路ウェハWの長手断面に示された如く粒子感知領域Zは壁30により画成された幾何的容積計管路10だけでなく、該幾何的管路と共軸的であると共に該幾何的管路の両端の外側にある2つの半楕円形の領域電界31及び32を機能的に含み、これらの領域電界の規模は夫々の進入及び退出オリフィス33及び34の直径Dにのみ依存する。粒子は上記幾何的管路を通過するときに電流脈動を生成することに加え、もし上記領域電界を含む懸濁液体Mの部分を通過するときにも電流脈動を生成し得る。故に、所望の検出能スレッショルド値に対応する半楕円形等電位が、領域電界31及び32の有効空間範囲を決定する。幾何的管路10により占有された粒子感知領域の部分は(L/D)/(L/D+16K/3)であると示すことができ、式中、Kは、粒子オリフィス中心に原点を有する座標系における選択スレッショルド等電位の3つの直径正規化切片(diameter-normalized intercept)の積である。もし周囲通路からのパルスの振幅が理論的最大信号パルス振幅の1%に制限されるのであれば、実効領域電界は側方切片を1.15Dとして容積計管路10の夫々の進入及び退出オリフィス33及び34から外方に直径Dの約1倍まで延在することが証明されている。これらの1%等電位35及び36に対し、感知領域Zの軸心長さは(L+2D)、K=1.3225、且つ、L/D=1.2であり、粒子感知領域の85%以上が幾何的コールター管路10の外部である。感知領域の空間範囲は粒子同時計測(particle coincidence)の可能性を増大することから、更なるサンプル希釈及び処理時間を必要とする。これに加え、感知領域Zの空間範囲はパルスのS/N比を制限することから、粒子検出能を2通りに制限する。第1に粒子コントラストが、故にパルス振幅が制限される、と言うのも、容積測定感度は各粒子により排除された液体体積と感知領域における液体体積との比率に依存するからであり;第2に、粒子コントラストを遮蔽し易いノイズが増大される、と言うのも、それはこの後者の体積の全体に亙り熱的に発生するからである。概略的には、より短寸の管路長さLは粒子同時計測を減少し、管路容積測定感度を増大し、且つ、熱的ノイズを減少し得るが;実際には減少した管路長さの利益は制限される、と言うのも、Lがゼロに近づくにつれて感知領域Zは管路直径とパルス検出能の所望スレッショルド値とにより決定される体積を備える領域楕円体へと縮小していくからである。
2. 幾何的容積計管路10内における粒子感知領域Zの部分を形成する電界は不均一であり、2.0以上のL/D比率に対する管路中央点にて均一に近付くのみである。中央点における電界の不均一性は粒子パルスに2つのタイプの誤差を導入し、即ち、軸心軌跡に沿って管路を通過する粒子は2.5未満のL/D比を有する管路に対して完全に進展されたパルス振幅を生成し得ず、且つ、同様のコントラストを有する粒子は管路のL/D比に関わらず粒子軌跡の径方向位置に依存したパルス振幅を生成する。更に、第4項にて論ぜられる如く、オリフィス33及び34における極度の勾配(intense gradient)を含む環状領域を通過する粒子は、変則的特性を有するパルスを生成する。典型的なコールター容積計管路に対する管路壁30から半径r=0.75(D/2)までの領域もまた、線形容積応答が得られる最大粒子直径を定義する。
3. 管路の流体力学条件は粒子感知領域Zに対する粒子呈示を決定することから、所定粒子が幾何的容積計管路を通過するときに該所定粒子により生成されるパルスの特性を決定する。駆動圧力勾配に応じて、サンプル区画室(図1における6)内の粒子懸濁液は容積計管路10へと加速する同心的層流を進展させる。図2の進入オリフィス33において、狭窄流の速度特性は準均一(quasi-uniform)であると共に、所望のサンプル体積と、それを処理する為に許容された時間と、管路の断面積とにより決定される大きざを有している。上記管路の直近内側の流れは管路壁30における剪断層を含むと共に、特に約3.0未満のL/D比に対しては、流れ特性は進入オリフィス33の縁部先鋭度と、懸濁液体の動粘性率が該懸濁液体に対してオリフィス幾何形状を如何に忠実に追随させ得るかに依存する。オリフィス33の縁部の曲率が十分に漸進的であるとき、準均一な速度特性から放物線状速度特性への遷移が粘度により引き起こされる(実用的な理由によりオリフィス縁部は通常は先鋭であり、進展途上層流(developing laminar flow)を囲繞する剪断層は厚寸化して見掛け流れ断面を相当に狭窄し得る)。流体業界で公知の如く所定L/D比を有する円形管路に対しては、xを進入オリフィスから管路内への距離とし且つR=D/2とすれば、進展特性における層流性ξの度合はレイノルズ数Reに反比例し、即ちξ∝x/(R Re)であり、式中、xは進入オリフィスから管路内への距離でありR=D/2である。標準的な流体工学方法は、任意の特定半径上に中心を置く所定の環状断面の管路10を通る差分容積流速(differential volumetric flowrate)の計算を許容する。図3では、L/D=0(a)、0.75(b)、1.20(c)、3.60(d)及び∞(e)を有する管路に対する典型的な懸濁液体Mに対する斯かる計算の結果が示されており、此処で(e)は無限長の管路において完全に進展した層流を示している。3.6のL/D比を有する管路は相当の層流性(d)を与えるが、10よりも相当に大きなL/D比に対してのみ管路を通る流れは(e)に近付く。最も頻度の高い即ちモード粒子軌跡は、これらの差分容積流速特性の最大値(ドットが付されている)に対応する半径rにて生ずる。進入オリフィス33においては(a)の如くL/D=0であることから、モード粒子軌跡はr=(D−p)/2にて生じ、即ち典型的には管路壁30の粒子直径p内にて生ずる。故に、小寸粒子に対しては、進入モード軌跡は準均一流れ特性の外側剪断層と一致する。進入オリフィス33の縁部の先鋭度に関わらず、退出オリフィス34における流れは(図1における受容区画室6B内への)ジェット流であり、環体状の低圧領域がジェット流を囲繞すると共に出口側領域電界32と重なり合う。図3に示された如く、図2のオリフィス34を退出する粒子に関してモード軌跡はL/D=0.75(b)もしくは1.20(c)を有する管路に対して半径R=0.82(D/2)もしくは0.76(D/2)に集中した環状部内で夫々生じ、相当の個数の粒子が感知領域のオリフィス勾配により管路外側r=0.75(D/2)を通過する。オリフィス33における先鋭縁部と典型的な容積計管路の低いL/D比との組合せもまた粘度の安定効果を最小化することから、通過流及びジェット流のパターンの両者は進入オリフィス33の縁部における不完全性に影響される。2.0以上の管路L/D比は、幾何的容積計管路を通る一層円滑な流れと、退出オリフィスの外側におけるジェット領域における少ない乱流に帰着し;斯かる管路に対する退出モード軌跡はr=0.725(D/2)の内側に集中される。
4. コールター容積計管路の容積測定用途において、最も重要な流体力学効果は、粒子感知領域を通過する間における粒子の軌跡、形状及び配向に対するものである。既述の如く、感知領域Zは図2において進入オリフィス33から外方に管路直径Dの約1倍だけ延在すると共に、管路10内への収束流と重なり合う。サンプル容器内の粒子Pは狭窄流内に捕捉されて進入オリフィス33へと加速される。それらが感知領域の領域電界31に進入すると、略軸心軌跡(例えば、軌跡AT)上の粒子は圧力場により変形されることもあり、且つ、非球状の粒子はそれらの長寸を流れに平行にして配向し;斯かる粒子は図4Aに類似したパルスを生成する。これに加え、半角で約50°の軸心円錐(axial cone)の外側で感知領域に進入する粒子はオリフィス33の縁部の回りで加速され、極度のオリフィス勾配を含む壁30の近傍における環状部分内の管路を通る。これらのオリフィス勾配により、図2におけるBTなどの軌跡上の粒子は、管路電界(conduit field)及び液体流の夫々における勾配に依り、変則的な振幅(例えば、振幅B)及び存続時間のM形状パルス(例えば、図4Bのパルス)を生成する。また、(例えば図2のCTなどの)中間軌跡上の粒子は、それらの立上がり区間においてのみ変則的な振幅(例えば振幅C)を示す図4Cにおけるパルスの如き非対称的なパルスを生成し得る。斯かるパルスの頻度はオリフィス勾配により占有される管路断面の部分とモード軌跡の平均半径位置とに依存し、それは管路の長さLにより決定される。更に、幾何的容積計管路10を退出した減速粒子は出口側領域電界32内に引き戻され得る(例えば図2の軌跡DT)、と言うのも、懸濁液体は退出ジェットを囲繞する環体状低圧領域内に再循環するからであり;もしそうであれば、それらは図4Dのパルスにより示された如く低い振幅と長い存続時間の無関係なパルスを生成する。図5に示された如く再循環及び壁軌跡は両者ともに、コールターの原理の多くの用途において重要な不都合な結果を招く。理想的な容積測定分布40と対照的に、再循環粒子(例えば図2の軌跡DT)は実際のサンプル分布43における2次的分布42に帰着し;この擬似分布は容積測定ダイナミック・レンジを減少すると共に、多分散系サンプルに対しては小寸粒子の分析を全て除外することもある。それらの変則的なパルス振幅の故に、壁軌跡(例えば図2におけるBT及びCT)を辿る粒子は実際のサンプル分布43に対して誤った高体積の歪み42を導入することから、殆ど同様の体積の粒子同士を区別するシステム機能を低下させる。L/D=3.3を有する管路は、歪みによる誤差を減少することが示されており;その場合に退出モード軌跡はr=0.66(D/2)の内側に集中されている。
最初の内は、コールターの原理に基づく装置は、これらの機能的管路特性に依るデータ誤差が許容され得る程に極めて有用であることが証明された。しかし乍ら次第に、特に高度に自動化された機器が望まれる用途において、データ・アーチファクトが容認し得ない障害となり、コールター装置の精度改良を企図した広範な先行技術を必要とした。この支援技術を以下で要約するが、それは第1に、容認可能にコールターの原理を自動化する上での真の困難性を示すと共に、第2に本発明の利点を強調するという2つの目的からである。斯かる支援技術としては、容積計管路のみを含むもの、管路をサブアセンブリに一体化したもの、又は、粒子データに対して収集後処理方法を適用したものが挙げられる。この支援技術の幾つかは、図1における次のものの一個以上を必要とするに至った:導流器9、第2取入ポート12、及び、付加的な信号処理回路23、24及び25であり、この回路の各々は関連技術に関して後で論ずる。
上記の1)項で既述の如く、図2の感知領域Zの空間範囲は、所定コールター容積計管路の同時計測、感度及びノイズの特性を定義する。管路10の直径Dは通常、目詰りの問題と、同時計測に依るアーチファクトとフィールド不均一性との間の折衷策としての最小長さLとにより決定されることから、機能特性を改良する手段として管路の幾何形状が研究されてきた。’508特許においては、真円形シリンダ以外の長寸管路断面が、幾何的管路に沿った電界を変化させることにより所望の粒子パルス形状を確立する手段として開示された。種々の長手ボア断面を備えた環状穴石が利用可能であることから管路ウェハとしての応用が見い出され、機械的目標を当然に促進した。早期における一例は、吐出口における単一の球形カップを備えた直線状環状穴石を使用し(米国特許第3,266,526号);他の例は同様の穴石であるが球形カップを管路進入口に使用した(米国特許第3,638,677号;米国特許第3,783,376号;米国特許第4,710,021号;米国特許第5,150,037号;米国特許第5,402,062号;及び、米国特許第5,432,992号)。斯かる穴石はそれらの球形カップの大径に依り先鋭なオリフィスを保持することから、米国特許第2,985,830号で最初に教示された技術から機能的に区別できない。機能的な改良は、同心的な進入流と進入オリフィスの内側における準均一的な流れとの間のより良い流体調和により獲得され得る。これを、一方もしくは両方のオリフィスにおける電界及び流体場の両者の軸外れ度合を物理的に制限することで達成する管路は、W.R.Hogg及びWallace H.Coulterに対する米国特許第3,628,140号に記述されている。此処では、約45°の半角を有する円錐カップを含むジェット・ノズルが、近傍の液体体積に対して管路オリフィスの一方もしくは両方を連結すべく使用される。該特許は結果的な容積測定改良を励起電流の収束に起因するものとしたが、上記の4)項で述べた考察においては更に可能性の高い説明が存在し、それは、50°未満の半角の軸心円錐内で管路に進入する粒子は、両方の管路電界の最も激しいアーチファクト影響を回避するということである。円錐断面の概念は光学的感知方式と共に使用される管路にも採用されており、例えば、R.C.Leifに対する米国特許第4,348,107号、又は、J.D.Hollinger及びR.I.Pedrosoに対する米国特許第4,515,274号には正方形もしくは円形の断面が記述されている。また、正方形及び三角形の断面の管路と、これらを複数の誘電性截頭角錐を組み立てることで構成する技術が記述されている(米国特許第4,673,288号及び米国特許第4,818,103号)。管路電界の物理的制限もまた管路領域により占有される体積を減少し、管路の同時計測、ノイズ及び再循環特性の改良を伴うがこの試みの究極の形態(M.T.Halloranに対する米国特許第4,484,134号)は以下で論じられる。米国特許第5,623,200号においては、オリフィス勾配の大きさを減少する方法として長手断面が記述されている。但し典型的には、パルスの立上がり時間に対しては断面における漸進的変化が問題であり、且つ、容認可能なパルス特性は通常は、管路オリフィス上に中心を置かれた球形カップ内に傾斜部分を調和することが必要であり、これは米国特許第3,628,140号にも教示されている。Wallace H.Coulter及びW.R.Hoggに対する米国特許第3,733,548号においては、元のコールター管路よりも良好な電界均一性を生成するものとして半円形の長寸断面が記述されると共に、概略的には相当の取入流調和を提供せねばならない。別の設計態様(米国特許第3,739,258号)は、主として流れ調和に取り組んでおり、進入剪断層の厚寸化を減少すべく漏斗形状の取入口を使用している。後者の管路はいずれも管路領域電界に依る制限をそれほど改良するものでなく、また、更に付け加えずとも、上述した断面のいずれによっても、広範に使用され得る程に十分にアーチファクトの無いデータは提供しない。典型的なウェハ誘電体において、斯かる形状は実行可能な精度で製造するのは全て困難であり、故に、製造するのは全てが高価なものとなる。一定の用途においてそれらは目詰りの問題を悪化させることもある。
粒子同時計測は無効粒子パルスにより直接的にカウント・データを劣化させる。それはまた、容積測定分布における歪曲パルスの不適切な包含により間接的に容積測定データ(volumetric data)を劣化させる。一定の用途においては、適合希釈は容認可能に同時計測アーチファクトを制限し(T.J.Godinに対する米国特許第3,979,669号)又はカウント期間の適合延長はそれを容認可能に補償し得る(Wallace H.Coulter et al.に対する米国特許第4,009,443号);しかし乍ら、結果的な変数処理時間は多くの用途において不都合である。概略的には、同時計測に依るパルス喪失は統計的に予測可能であり、例えば図1の同時計測修正回路23などの多くの収集後修正技術が科学及び特許文献に記述されている;例えば吟味及び例示の為に、H.Baderに対する米国特許第3,949,197号を参照されたい。他の取り組みはパルス生起率、カウント又は存続時間に基づいてパルス喪失を推定しており、例えば、P.Bergegereに対する米国特許第3,790,883号;W.R.Hoggに対する米国特許第3,936,739号及び米国特許第3,940,691号;Wallace H.Coulter及びW.R.Hoggに対する米国特許第3,949,198号;及び、W.R.Hoggに対する米国特許第3,987,391号である。幾つかの制限はR.Auerに対する米国特許第4,510,438号で論じられているが、該特許は、実際の同時計測速度に対し、別個の光学的感知方式により決定された修正を提案している。これらの方法は特定用途に対して自動化されたときには同時計測パルス喪失に対するカウント・データを容認可能に修正し得るが、歪曲パルスの取り入れを抑制するもののみがポピュレーション容積測定分布を改良し得る。また、全てのものは設計態様を複雑化し、或るものは相当のコンピュータ資源を必要とする。
コールター容積計管路の容積測定感度及びノイズ特性は、特に小寸粒子に対してダイナミック測定レンジを制限する。ノイズは2つのメカニズムにより発生するが、それは、粒子感知領域の抵抗における励起電流の散逸から帰着する加熱ノイズと、この抵抗において生成されるジョンソン雑音である。これらは、一方では最大実行可能励起電流を制限し、他方では基本的粒子検出能を制限する。先行技術においては、管路10から引き出された熱伝導経路を配備することにより加熱ノイズが減少されている。Wallace H.Coulter及びJoseph R.Coulter,Jr.に対する米国特許第3,361,965号は斯かる構造のひとつを記述しており、一方の電極が、開孔管の外側面上のメッキ金属化被覆として形成されている。また、Wallace H.Coulter及びW.R.Hoggに対する米国特許第3,714,565号においては、開孔管壁を構成するもしくはその内面に被覆された金属要素により第2電極を置換することにより、懸濁液体を通る電気経路長が、故に熱的ノイズが、減少されている。熱的効果はW.R.Hoggに対する米国特許第3,771,058号に更に十分に記述されており;ここでは容積計管路10が熱伝導性の誘電体製の薄寸片内に形成されると共に、管路薄寸片の両平坦表面上へと延在する電気的かつ熱的に伝導性を有する金属被覆を介して遠隔冷却領域まで熱的に接続されている。米国特許第4,760,328号においては同一の幾何形状が、サファイア薄寸片上に感知用電子機器を一体化した構造において記述されている。これらの4件の特許の全てにおいて、導電体は構造の相当の領域を覆うと共に容積計管路10に対して様々に接近しているが、その粒子感知領域Zの実効領域電界と相互作用する程度まで管路に近接して延在してはいない。但し米国特許第3,924,180号において、コールター管路構造は管路オリフィス33及び34に隣接して管路構造内に薄寸導電体を取り入れることにより、管路が貫通する誘電体挟持におけるポテンシャル感知電極を形成しており;その目的は、管路領域電界31及び32の外側の液体からの感知粒子信号に対するノイズ寄与を最小化することである。他の技術はノイズ作用を最小化することを試行しており、例えばW.A.Clapsに対する米国特許第3,781,674号に記述されたノイズ弁別器、又は、W.R.Hoggに対する米国特許第4,438,390号に記述された如く米国特許第3,924,180号と類似してタンデム型の管路/電極構造からの信号を平均することによりジョンソン雑音を減少する技術である。重要な用途においては、これらのものの幾つかは管路内に生成された加熱ノイズを減少することともあるが、容積測定感度を相当に改良するものは無い。米国特許第3,924,180号及び米国特許第4,438,390号は、以下で更に論ずる対象である。
ドイツ特許公開公報DE-A-33 29 160では、米国特許第3,924,180号における前述の変形構造に類似した管路構造が記載されており、ここでは出口とオプションとして管路の入口とを取り囲む薄い導電層が設けらている。導電層は、管路出口を支える不均質な電界分布中に再循環する粒子による無関係なパルスの数を減少させる。若し電極として使用されると、導電層は、通常の測定/励起電極間の所望の等電位に対応する基準電位に維持されることが望ましく、かつ感知電極として使用されないことが望ましい。薄い導電層に対して大きさは与えられずまた特定の管路直径に対して大きさに関して何らの関係を有さない。導電層(単数又は複数)は一実施例では貴金属の気相成長によって形成され、そのため厚さはμm(0.001mm)のオーダーである。第二の実施例では、液体水銀の一滴が導電層を形成するが、しかしこれがどの様にして実行されるのか又は受け入れ可能な機能のために、どの程度の流体力学的連続性及び平滑性が保持されるべきかについては、その詳細が何ら与えられていない。’180特許とDE-A-33 29 160の装置の間の重要な相違は、前者では導電層が感知電極として使用され、後者では薄い導電層が基準電位(Bezugapotential)に維持されていることである。周知の様に、使用状態ではDE-A-33 29 160号公報の装置は薄い導電層において電気分解によってバブル生成のリスクを受けるが、この生成は、出口においては攪流ノイズによって、かつ出口では管路を介したバブルの通過によって、粒子のカウントを直接悪化させる。
上記の4)項で言及した如く、コールター容積計管路10の実効感度は、感知領域Zの出口側領域電界32に粒子を戻し搬送する管路退出流、例えば図1の軌跡DT、の影響により更に制限され得る。これらの減速粒子は極度のオリフィス電界勾配を通過し、多くの多分散系サンプルにおいては小寸粒子により生成されるものに匹敵する振幅の長期パルスに帰着する。これらの再循環粒子の影響を減ずるべく事前対策を取らなければ、管路感度及び使用可能ダイナミック・レンジは劣化する。これに加え、容積測定分布を進展させるべくパルス波高技術が使用されたとき、再循環粒子からのパルスは無関係なピークを引き起こして実際の粒子分布を広げる。サンプルの処理能力比の減少を犠牲にすれば、標準的管路からのパルスの分析により、又は、管路幾何形状シリンダ内に配置された検出用薄寸補助電極(米国特許第4,161,690号)に応じて、パルス・ゲーティングにより、例えば図1の循環パルス修正回路24により、再循環パルスが除外され得る。上述したW.R.Hogg及びWallace H.Coulterに対する米国特許第3,628,140号で言及された如く、長手管路断面は斯かる粒子に利用可能な液体体積を物理的に減少し得ると共に、一定の用途においては有用である。他の用途は更に重要であり、管路領域電界内へ粒子が再循環するのを防止する試みでは容積計管路を取り入れる多くのサブアセンブリが記述されている。これらは、感知領域に対して粒子が再進入するのを物理的に防止する如く退出流路を構成し(W.R.Hoggに対する米国特許第3,299,354号及び米国特許第3,746,976号、又は、M.T.Halloranに対する米国特許第4,484,134号)、退出オリフィスから退出粒子を力学的に掃引する補助流体回路(R.O.Simpson及びT.J.Godinに対する米国特許第4,014,611号)、又は、これらの2つの試みを組合せる(W.R.Hogg et al.に対する米国特許第3,902,115号、及び、斯かる方法の吟味を含むT.J.Godinに対する米国特許第4,491,786号)ものである。他の実施方式も記述されている(米国特許第4,253,058号;第4,290,011号;第4,434,398号;第4,710,021号;第5,402,062号;第5,432,992号及び第5,623,200号)。力学的掃引流方法は広範に使用されると共に図1の第2取入ポート12を通る液状媒体Mの適切な体積を測定する段階を含むことにより、管路10を退出する粒子は出口側領域電界32から掃引される。これらの複雑なサブアセンブリは本質的に再循環粒子を排除し得ると共に、所定形状管路を含むこともあり、且つ、壁軌跡を辿る粒子の作用に取り組んだ付加的構造を含むものも多い。しかし乍ら、効果的な掃引流の為に必要とされる大きな流体体積は、容積式方法により粒子濃度を容積測定的に決定することを非実用的なものとしている。(上述の米国特許第4,484,134号において)M.T.Halloranにより取られた手法は補助的な流体回路及び構造に対する必要性を可能的に回避し、これを米国特許第3,924,180号の絶縁ディスクを長寸筒形状へと延伸することで行い;内径は容積計管路のそれと実質的に等しく、斯かる延伸は退出粒子が管路の出口側領域電界内に再循環するのを物理的に防止し、慎重に構成されたときには長寸管路の流体利点を提供し得る。しかし乍らコールターの原理の多くの用途に対し、斯かる構造は必要な精度を構成するのが困難となる複雑な物理的設計態様を必要とし、それらの流体長さの故に使用に際しては目詰りし易い。
コールター容積計管路10の実効分解能は、上記の4)項で論じられた流体力学作用、特にその壁30の近傍の幾何的管路を通して粒子を搬送する作用により決定される。結果的な特性M形状パルス(例えば図4B又は図4Cにおけるもの)は容積測定分布におけるアーチファクトを生成し、その重要性はそれらに取り組んだ多くの矯正的先行技術により立証される。この技術は2つの手法に分けられ、初期の収集後手法は処理データからM形状パルスを除外すると共に、後期の直接手法は管路の感知領域に対する粒子の呈示を流体力学的に制御するものである。粒子感知領域Zにおける電界、及び、それを通り問題のパルスを生成する粒子軌跡(例えばBT又はCT)は図2に示されている。容積測定分布データからの斯かるパルスの除去は、W.R.Hoggに対する米国特許第3,668,531号で示唆されており、この米国特許から図2が採用されている。他の手法が記述されており(W.R.Hoggに対する米国特許第3,700,867号及び第3,701,029号;E.N.Doty及びW.R.Hoggに対する米国特許第3,710,263号及び第3,710,264号;W.R.Hogg及びWallace H.Coulterに対する米国特許第3,783,391号;E.N.Dotyに対する米国特許第3,863,160号;Wallace H.Coulterに対する米国特許第3,961,249号)、それらの全ては歪曲パルスの種々の変則的パラメータに応答するゲーティング回路(図1の25)を取り入れており、それにより、ポピュレーション分布に対して処理されたパルス列からこれらのパルスをが除去され得る。これらの幾つかはWallace H.Coulter及びE.N.Dotyに対する米国特許第3,863,159号及びH.J.Dunstan et al.に対する米国特許第4,797,624号において論じられており、これらのいずれも斯かるゲーティング方法を良好に示している。ゲーティングはまた、補助電極からの検出信号に応じて行われ得る(米国特許第4,161,690号)。作動機器の複雑さにより他の手法が助長され、コールター管路の前面における簡素な流れ整列装置が容積測定精度を改良するものとして示された(米国特許第3,739,268号;第4,290,011号;及び第4,434,398号)。更なる改良は、補助的導流器を介して管路内に粒子流を直接的に射出することで得られ(R.Thom及びJ.Schulzに対する米国特許第3,793,587号及びR.Thomに対する米国特許第3,810,010号)、それは流体力学的収束流として公知の技術となった。図1において粒子懸濁液は導流器9を介して導入される一方、液状媒体Mはポート8を介して適切に測定され、区画室6Aに進入する粒子は液状媒体Mの鞘体内に捕捉されると共に複合流パターンのコア内で管路10を介して搬送され、2つの重要な結果となる。第1に、導かれた流れパターンは粒子が図2におけるBT及びCTなどの軌跡上を管路10に進入するのを防止することにより、図4B及び図4Cに示された如きパルスを排除する。第2に、全ての粒子は上記鞘体の内側で管路10を通過し、これは比較的に均一な電界を有する管路10の断面の内側に粒子軌跡を集中する役割を果たし、図4Bのパルスなどの変則的粒子パルスの発生を更に減少する。収束流を取り入れた多くの管路サブアセンブリが記述されており(例えば、R.O.Simpson及びT.J.Godinに対する米国特許第4,014,611号;J.D,Hollinger及びW.R.Hoggに対する米国特許第4,395,676号;M.T.Halloranに対する米国特許第4,484,134号;J.D.Hollinger及びR.I.Pedrosoに対する米国特許第4,515,274号;及び、M.R.Grovesに対する米国特許第4,525,666号、第3,817,770号;第4,165,484号;第4,253,058号;第4,760,328号;第5,150,037号;及び第5,623,200号)、それらの幾つかも再循環粒子に対処した設備を含み、その中で最適のものは殆ど理想的な容積測定分布をもたらしている。しかし全てのものは実際の装置に対して複雑さを加えると共に、有効なサンプル収束の為に必要な大容量流体により、容積式方法による粒子濃度の容積測定的な決定が非実用的なものとされている。捕捉鞘体流はサンプル流を幾何的容積計管路の小寸中央部分に限定することから、この体積内において粒子の機能的濃縮が生じると共に、同時計測作用を制限する為には非収束システムよりも低い粒子濃度の使用を必要とする。
先行技術の殆ど全てが、’508特許に記述されたコールターの原理を伝統的容積計管路及び2端子で実施しているが、この簡素な形態は例えばW.R.Hoggに対する米国特許第3,924,180号、米国特許第4,438,390号、及び、M.T.Halloranに対する米国特許第4,484,134号で考案されたものである。長寸管路(すなわちL/D≧2)の流体利点は長期に亙り公知であったが、斯かる管路に伴う大きな同時計測体積及びノイズレベルが実施有用性を制限していた。既に論じた如く、米国特許第3,924,180号においてはこれらの制限を最小化するひとつの手法として、容積計管路に沿って薄寸絶縁電極が配置されることにより実際の管路長の小寸部分からの粒子パルスの4端子ポテンシャル感知を可能としており、且つ、米国特許第4,438,390号においては米国特許第3,924,180号の構造が単一構造において複製され、複数のポテンシャル感知領域を同時に形成し、それにより感知されたポテンシャルはジョンソン雑音を減少する手段として平均されている。米国特許第4,484,134号においては、米国特許第3,924,180号における電極を覆う絶縁構造が既述の如く筒状形態に延長されている。これらの3件の特許の管路構造内に取り入れられた複数の電極は、励起電流から帰着する従来の電界に関する大きな影響を回避すべく実行可能な限り薄寸であることが必要とされ、且つ、外部の感知装置に電気的に接続される。故に、これらの構造における液柱は合計粒子パルス振幅が進展する抵抗分割器を形成するが、そのポテンシャル感知電極を分割する部分のみが進展した感知粒子信号である。故に、液柱の電圧分割作用に依る信号パルス振幅の損失がノイズの一切の減少を相殺することがある。これらの特許は長寸管路構造の流体利点を示唆しているが、これらの特許ならびに他の公知の先行技術のいずれもが斯かる利点の原因を詳述せず、また、斯かる利点を系統的に獲得し得る特定方法も示唆していない。
上記で引用された多くの特許の教示により、コールター装置の精度、分解能及び好適性が相当に有用であると共に、コールター容積計管路の機能特性が容認可能に補償された完全自動化装置が今や利用可能であることは疑いが無い。コールターの原理が世界中で認められ、多くの国家規格がそれに基づく方法を含んでいる。コールターの原理を取り入れた装置は今や多数の製造者から入手可能であり、その経済的重要性はそれに関して開発を行った多大な先行技術により証明されている。しかし乍らこれらの技術の多くのものは、装置の複雑さを増すことにより信頼性が低くなると共に設計、製造及びメンテナンスのサイクルを通じたコストが増大する、という方法に関している。また、殆どのものは製造して必要な精度で組み立てるのが困難な複数の精密要素を必要としている。補助的な流体サブシステムを必要とするものは、粒子濃度の容積式体積測定(positive-displacement volumetric determination)を排除する。また、収集後データ処理(post-collection data processing)に基づくものは粒子データを退けることから、大きなサンプル体積もしくは長期のサンプル処理時間を必要とする。各々は単に、電界及び流体力学フィールドの基礎特性を調節するのでは無く、コールター容積計管路の粒子感知領域における粒子/フィールド相互作用の不都合な結果を緩和するのみである。上記先行技術はそれらの原因ではなく結果に対処していることから、コールター容積計管路の機能特性は1953年における上記’508特許の発行以来、殆ど進化していない。
装置設計においては信頼性及びコストの競合力が次第に重要な検討事項となりつつあることから、上記に要約した先行技術により実施可能な性能を、これらの技術に依る複雑さ及びコストの増大を伴わずに達成すれば好適である。また、容積計管路の電界特性を直接的に調節することにより、斯かる支援方法及び装置を回避すれば好適であろう。更に、この長い間の要望に対する一切の解決策は、例えば米国特許第2,656,508号もしくは米国特許第3,259,842号などの既存の方法及び装置のコールター容積計管路に対して直接的に代用されれは好適である。同様に斯かる解決策は、例えば米国特許第2,869,078号に記述された如き容積式方法による粒子濃度の容量式測定(volumetric determination)を許容するのが好適である。
発明の要約
上述の検討に鑑み本発明の重要な目的は、粒子を感知して特性表示する上述のタイプの改良装置であって、簡素な構造に精度を組合せた装置を提供するにある。
本発明の別の目的は、その独特の構造に依り、コールター容積計管路に伴う電界及び流体力学フィールドの特性を調節することにより、コールターの原理により粒子を感知して特性表示するタイプの機器の作成を簡素化すべく作用する容積計アセンブリを提供するにある。
本発明の更なる目的は、コールターの原理により粒子を感知して特性表示する改良方法を提供するにある。
本発明に依れば、コールターの原理に依り粒子を感知して特性表示する新規な改良装置が提供される。先行技術と同様に、本発明の装置は:(a)感知して特性表示されるべき粒子の懸濁液体が通過せしめられ得る容積計管路と;(b)上記粒子懸濁液体に上記容積計管路を通過せしめる液体制御システムと;(c)上記容積計管路に亙る公称励起電流を生成する第1電気回路であって、上記励起電流は、上記公称電流と同時に上記容積計管路を通過する粒子により生成された上記公称励起電流の変化が測定可能である粒子感知領域を有する電界を上記容積計管路の近傍に確立し得るに有効な、第1電気回路と;(d)上記容積計管路を通る上記励起電流の振幅を監視して上記管路を通過する粒子の特性を感知する第2電気回路と;を備える。容積計管路が均質誘電材料により形成されることから管路を形成する壁部は均一に高電気抵抗であるという先行技術装置と対照的に上記新規装置における容積計アセンブリは広範囲な意味において、容積計管路を画成する壁部の電気抵抗は、管路長(すなわち管路を通る懸濁液の流れに平行な方向)に沿って軸心対称的に実効変化されることにより、実質的に低電気抵抗の非絶縁末端領域の各々に対して各境界にて円滑に連続する高電気抵抗の範囲限定中央領域を任意の長手管路断面にて有する管路を画成する。上記範囲限定中央領域の電気抵抗は相当に大きく、且つ、上記非絶縁末端領域の電気抵抗は特性表示されるべき粒子が懸濁される液体の電気抵抗よりも相当に小さい。改良容積計管路の範囲限定中央高抵抗領域は、伝統的なコールター容積計管路として機能する。上記新規容積計管路の上記非絶縁末端要素は粒子サイズにおける所望の検出能スレッショルド値に依存して管路壁に沿う最小寸法を有するものとされ、すなわち、この寸法は少なくとも、上記改良容積計管路における高抵抗の上記範囲限定中央領域の断面幾何形状と同一の断面幾何形状を有する伝統的なコールター容積計管路の実効領域電界の軸心方向範囲に等しいものとされる。上記新規容積計管路は上記懸濁液体中に浸漬されることにより、該新規容積計管路の上記非絶縁末端要素は、上記管路の上記高抵抗領域を通る励起電流により確立された電界と電気的に連結される。上記改良容積計管路の上記非絶縁末端領域は独立したポテンシャルを帯びると共に上記容積計管路の近傍における電界及び流体力学フィールドの両者を調節すべく独立的に機能するが、これは、(i)上記粒子感知領域を実質的に上記管路の物理的境界内に局限すべく、上記励起電流から帰着する上記電界を成形し;(ii)上記粒子感知領域の実質的に均一な領域を通過する粒子/秒の割合を相当に増大すべく、上記粒子感知領域を通る準層流(quasi-lamina flow)の進展を可能とし;且つ、(iii)上記管路を既に通過して上記再循環軌跡上に在る粒子が上記粒子感知領域に再進入するのを防止する;ことにより行われる。
粒子を感知して特性表示する先行技術の容積計管路と比較した場合、本発明の電界調節式容積計管路は次の利点を提供する:
1. 励起電流から帰着する粒子感知領域の上記領域電界は相当に小さくされることにより、容積測定感度を増大する一方で粒子同時計測の可能性を減少し;
2. 実質的に均質な電界領域を含む上記粒子感知領域の断面は相当に増大されることにより、変則的パルスの頻度を減少すると共に動的応答が線形となる粒子直径の範囲を増大し;
3. 上記粒子感知領域に亙る懸濁液流特性は準均一では無く準層流となることにより、上記粒子感知領域の上記実質的に均一な領域を通過する粒子/秒の割合は増大され、変則的パルスの頻度を更に減少し;且つ、
4. 粒子は、領域電界を通って湾曲する軌跡上にて上記粒子感知領域を通過するのを妨げられることにより、高角度軌跡で感知領域に進入する粒子に依る変則的パルス、及び、出口側領域電界内に再循環する退出粒子に依る無関係パルスを排除する。
上記電界調節式容積計管路のこれらの好適な機能特性の故に、それを取り入れたコールター装置に依れば、流体力学的収束流又は掃引流に関する支援方法により必要とされる複雑なアセンブリ及びサブシステムに対する必要性が回避される。故に、コールターの原理に依り粒子を感知して特性表示する本発明の装置と比較した場合、本発明の電界調節式容積計管路を取り入れた装置は、以下の更なる利点の幾つか又は全てを提供する:
A. 図1における特徴9、12、23、24及び25に関する支援サブシステムは排除され得ることから、製造コストを相当に削減すると共に大きなデータ誤差を伴わずにシステム信頼性を相当に改良し;
B. 補助的な流体サブシステムが必要とされないことから、容積式体積測定方法(positive-displacement volumetric method)により粒子濃度が容易に決定され得ることになり;
C. 鞘状流体に依る機能的サンプル希釈が排除されると共に収集後パルス除去に対する必要性が相当に減少されることから、サンプル体積及び処理時間は減少され得ることになり;且つ、
D. コールター容積計管路と比較して相当に減少された同時計測体積の故に、所定の検出能スレッショルド値及び同時計測アーチファクトのレベルに対してサンプル処理能力の速度が増大され得、又は、目詰り問題を減少すべく大寸の管路直径が使用され得る。
本発明の別の側面に依れば、電界調節式容積計管路を取り入れた容積計アセンブリは種々の非類似構成にて実施され得る。ひとつの好適実施例において、上記電界調節式容積計管路は電気的に不均質な材料のディスクに形成された貫通孔により画成される。該貫通孔を形成すべく選択された部位にて、上記ディスクの電気抵抗は例えば適切な添加によりその厚みに亙り実効的に変化せしめられて、上記ディスクの各面と交差する実質的に低電気抵抗の非絶縁末端要素の各々により連続的に境界付けられた高電気抵抗の中央範囲限定領域を画成する。次に上記ディスクを貫通して、所望の断面及び長手幾何形状の流体力学的に円滑な開口が形成される。その様に形成された上記容積計管路の上記範囲限定中央高抵抗領域は、伝統的なコールター容積計管路として機能する。故に、上記範囲限定中央高抵抗領域及び境界付けを行う非絶縁末端低抵抗要素は集合的に、流体力学的に円滑な容積計管路を形成するが、上記伝統的容積計管路の電界及び流体力学フィールドは上述の手法により好適に調節される。代替実施例に依れば、上記改良容積計管路の上記範囲限定中央領域は、伝統的な管路ウェハすなわち米国特許第2,985,830号又は第3,771,058号に記述された如き中央円形管路を含む誘電ウェハにより画成されると共に、低抵抗の各末端要素は、上記管路ウェハの各側に取付けられた非絶縁で導電性の円形カラーにより画成される。各カラーは管路ウェハの管路の直径と比較して、少なくとも4倍に等しい外径、及び、1倍乃至3倍の厚みを有するものとされる。各カラーは上記管路ウェハの上記管路に正確に合致すべき寸法及び形状とされた中央開口を有し、且つ、各カラーは、夫々のカラー開口が上記管路ウェハの進入及び退出オリフィスと重なり一致する如く上記管路ウェハの各側に配置される。故に、上記管路ウェハにおける管路と上記各導電性カラーにおける開口は集合的に、流体力学的に円滑な容積計管路を形成し、上記伝統的容積計管路の電界及び流体力学フィールドは上記手法により好適に調節される。電界調節概念のこれらのもしくは他の実施例に係る容積計アセンブリは先行技術方法により適合されることにより、分析されるべき粒子の適切な懸濁液と、励起電流とが上記電界調節管路を同時に通過するのを可能とする。
本発明の別の側面は、上記管路の上記非絶縁末端領域のいずれかもしくは両者を、上記管路を通る電流を制御する回路に対して電気的に連結することであり、この場合に上記非絶縁末端領域は更に電極の役割を果たす。
本発明の別の側面は、特性表示されるべき粒子が、該粒子と異なる単位体積当り電気インピーダンスを有する液状媒体中に懸濁されると共に、実質的に一度に一個ずつ本発明の電界調節式容積計管路を通過せしめられ、斯かる管路に亙り予確立された電流における変化が監視されるという、粒子を感知して特性表示する改良方法の提供である。
本発明及びその利点は、同一の参照記号が同様の部材を示す添付図面を参照して為される以下の好適実施例の詳細な説明からより良く理解されよう。
【図面の簡単な説明】
図1は、コールターの原理により粒子を感知して特性表示する先行技術装置を示している。
図2は、従来の容積計管路ウェハの管路及び粒子感知領域を通る長手断面を示している。
図3は、共通の粒子懸濁液体に対して円形管路のL/D比を増大したときの流体力学効果を示している。
図4A乃至図4Dは、図2に示された装置を同じく図2に示された種々の軌跡で通過する粒子により生成される一連の例示的電流パルスを示している。
図5は、図4B乃至図4Dの変則的で無関係なパルスの劣化作用を示すべく重畳されたヒストグラムである。
図6は、コールターの原理により粒子を感知して特性表示する新規な装置を示している。
図7は、本発明の容積計アセンブリの管路及び粒子感知領域を通る長手断面を示している。
図8A及び図8Bは、本発明の容積計アセンブリの代替実施例の前面図及び長手断面図を示している。
図9は、先行技術と比較した本発明の好適効果を示すべく重畳されたヒストグラムである。
図10乃至図13は、本発明の容積計アセンブリの代替実施例の長手断面を示している。
図14乃至図18は、容積計管路の比較的に導電性の末端領域が、容積計を通る公称電流(nominal current flow)を制御する電極の役割を果たすという代替実施例を示している。
好適実施例の詳細な説明
実施例1
図6には、装置構成の簡素さに特性表示結果の精度を好適に組合せた、本発明の好適実施例に係る改良装置が概略的に示されている。図1の先行技術装置と同様に、本発明の装置は好適に、区画室6A’及び6B’を分割する誘電材料製の壁部7を含む二重区画室式誘電容器6を備え、区画室6A’及び6B’の各々は、粒子懸濁液状媒体M(例えば、等張食塩水液)により充填されると共に夫々の励起電極15及び16を収納している。図1の装置は容積計管路10を取り入れた管路ウェハWを備えているが、図6の装置は改良された容積計管路Cを取り入れた容積計アセンブリ50を備えている。該容積計アセンブリ50は壁部7を構成し得るが、好適には、例えば適切な寸法のディスクなどの別個の構造として配備される。容積計アセンブリ50は壁部7における比較的に大径の開口7A上に取付けられると共に、容器6の各区画室を充填する粒子懸濁媒体Mにより実質的に囲繞されて該粒子懸濁媒体M内に浸漬されている。容積計アセンブリ50を貫通する小寸貫通孔は、区画室6A’及び6B’の間の唯一の有効な電気及び流体接続を構成する改良容積計管路Cを提供する。以下に詳述される如く、容積計アセンブリ50の新規な構造は管路Cに対し、実質的に小さな抵抗を有する各末端要素に対して当該中央要素の軸心方向の両境界が円滑に連続するという高電気抵抗の範囲限定中央要素を配備する。
作動時において、励起電極15及び16に電気接続された従来の電流源17は改良管路Cを通る適切な公称電流を確立すると同時に、ポート11に付与された適切な真空は区画室6A’から管路Cを介した区画室6B’内への粒子懸濁液(取入ポート8に導入されたもの)の流れを確立する。管路Cは容器6内においてその様に確立された電界及び流体力学フィールドの両者を狭窄することから、管路Cの壁部30’は、区画室6A’及び6B’の間における粒子懸濁液の流れ及び電流を囲繞して限定する。電流源17は、それが供給する電流が電極15及び16の間におけるインピーダンスの変化(例えば、異なる直径もしくは長さを有する管路Cの置換、粒子懸濁媒体Mの抵抗における温度誘導変化、又は、異なる抵抗を有する懸濁媒体Mの置換など)から実質的に独立する如き定電流源であるのが望ましいが、電流源17はそれほど好適では無くとも大きな内部インピーダンスを有する電圧源ともされ得る。同様に電極15及び16に電気接続されるのは従来の回路19、20’及び21であり、これらは、管路Cを通る粒子の実質的に独立した通過により引き起こされる管路電流における電流パルスを感知及び監視して処理すべく作用すると共に、従来装置22は粒子カウント及び特性データを表示もしくは記録すべく作用する。必須では無いが、AC連結感知回路19は管路インピーダンスと比較して低い入力インピーダンスを有するのが好適である。簡潔に述べると、容積計アセンブリ50及びその管路Cの機能特性から帰着する装置作成利点以外、図6の装置は実質的に、例えば米国特許第2,656,508号もしくは米国特許第3,259,842号に記述された図1の先行技術装置である。
しかし乍ら、管路Cの新規な特性により図6の装置は図1の先行技術装置と実質的に同一の粒子特性データ精度を提供し、但し、図1の特徴9及び12に伴う流体促進サブシステム又はパルス修正及び除去促進回路23、24及び25を必要としない。図1におけるこれらの商的に重要な省略は図6において重要特徴6A’、6B’及び20’により示されている。以下で論ずる如く、壁付近軌跡上の粒子からの変則的パルスに依るデータ誤差は幾つかの機構により相当に減少され、最も厳しい用途以外においては、複雑な流体力学的収束流サブシステムを駆動する図1の導流器9及び図1の変則的パルス修正回路25は図6の装置では両者ともに省略され得る。再循環粒子による多大な容積測定分布は実質的に排除されることから、図1における掃引流サブシステム駆動ポート12及び図1における循環パルス修正回路24もまた両者ともに図6の装置から省略され得る。図1の補助的流体サブシステムを省略したことにより機能的サンプル希釈は回避され得ることから、例えば米国特許第2,869,078号などに記述された容積式方法により図6の装置では粒子濃度が容易に決定され得る。図6の装置においては再循環もしくは変則的パルスに依るパルス除去が回避され得ることから、必要なサンプル体積及び処理時間は減少され得る。更に、図1における同時計測修正回路23も図6の装置の多くの用途において省略され得る一方、高い処理速度を必要とする他の用途は簡素化形態の該回路から利益を享受し得る;と言うのも、収集後パルス除去が最小化され得ると共に、必要なサンプル体積及び処理時間が更に減少され得るからである。これに加え、管路Cによれば同時計測体積が相当に減少されることから他の操作利点が得られ、すなわち、与えられた検出能スレッショルド値及び同時計測アーチファクトのレベルに対して一層大きなサンプル処理能力速度が使用可能であり、或いは、目詰りの問題を減少すべく与えられた容積測定感度に対して更に大径の管路が使用され得る。故に、改良容積計管路Cは複雑となりやすい先行技術を図1の装置から排除するのを許容し、これを相当のデータ誤差無しで行うことにより、図6の新規な装置は重要な機能利点、より良いコスト効率、大きな信頼性、及び、他の商的利点を提供する。これらの利点は管路Cの新規な特性に依るが、それは管路Cが形成された容積計アセンブリ50の新規な構造による軸心対称電気抵抗の独特の軸心方向変化に由来するものである。
本発明に依れば、図6の装置は、当該容積計アセンブリ50を構成する固体材料の電気的特性に由来する新規な機能特性を提供する容積計アセンブリ50により特徴付けられる。容積計アセンブリ50を構成する材料は適切な断面(必ずしも一定ではない)の小寸貫通孔により貫通され、その流体力学的に円滑な壁部30’が管路Cを画成する。管路Cの軸心は該管路Cを通る流れの所期方向と一致すると共に、好適に容積計アセンブリ50の軸心とも一致せしめられる。容積計アセンブリ50を形成する固体材料の電気抵抗は、広範囲な意味において、管路Cの軸心に沿い実質的に軸心対称的に変更される。特に、管路Cを囲繞する固体材料の電気抵抗は好適には、管路Cの軸心を含む容積計アセンブリ50の任意の長手断面が、当該中央領域の軸心方向両境界から相当に小さな電気抵抗の末端領域にかけて円滑に連続する高電気抵抗の軸心対称的な範囲限定中央領域を効果的に備える、如く選択される。故に、図1の装置の均一な管路ウェハWにおける管路10の壁30は流体力学的に円滑であることのみが必要であるが、上記管路Cの流体力学的に円滑な壁部30’は、該管路の軸心に沿って所望の手法で効果的に変更される軸心対称の電気抵抗を有する。斯かる軸心対称抵抗における軸心方向勾配は、例えば、実際に小さな抵抗の領域を形成すべく適切な高抵抗の固体部材を適切にドーピングし、又は、複合固体材料内に等しくは無いが実質的に均一である適切な独立抵抗を有する独立的な別体の層もしくは要素を機械的に組み立て接合することにより、生成され得る。
容積計アセンブリ50を構成する材料に亙る特徴的な抵抗特性は好適には、特性表示されるべき粒子が懸濁される懸濁媒体Mの抵抗よりも相当に大きな抵抗を有する固体材料から成る共通分割層又は要素51を、夫々の軸心末端層もしくは要素52及び53に関して円滑に連続かつ一体成形することで実現され、該末端層もしくは要素の各々は、懸濁媒体Mの抵抗よりも相当に小さな抵抗の非絶縁固体材料から構成される。(以下において“層”もしくは“要素”という語句は上記容積計アセンブリの斯かる別体構成要素を示すべく互換的に使用される。)管路Cは、容積計アセンブリ50の全体に亙り円形断面を有する真円筒管路を画成する連続壁部30’を備えるのが好適であり、すなわち、壁部30’は穿孔壁であり、管路断面は軸心に沿って一定である。それほど好適では無いが、斯かる容積計アセンブリの一定の用途においては、角柱又は非一定管路断面が好適なこともある。
故に、図7を参照すると管路Cは、要素52、51及び53に亙る連続的な壁部を集合的に備える連続で流体力学的に円滑な壁部30’により画成され、夫々の要素52、51及び53により境界付けられた管路Cの各部の間において、要素52及び51の隣接する相補面は流体力学的に円滑な範囲限定境界54を形成すると共に、51及び53の相補面は流体力学的に円滑な範囲限定境界55を形成する。故に、管路Cの各壁部は適合する近傍の壁部に対し、範囲限定境界54及び55の夫々において夫々の要素を構成すると共に円滑に連続する非絶縁固体材料により円周方向に境界付けられる。故に、壁部30’を形成する特徴的電気抵抗は実質的に軸心対称とされるが、管路Cの任意の長手断面の長さに沿い、範囲限定境界54及び55において相当の軸心方向勾配を有するものとされる。軸心対称抵抗における軸心方向特性変化(characteristic axial variation)は実質的に容積計アセンブリ50を作成すべく選択された固体材料に由来するが、個々の要素の幾何形状は管路Cの一定の特性を増大するものとされ得る。当業者であれば明らかな如く、壁部30’の軸心対称抵抗における軸心方向特性変化を取り入れた容積計アセンブリは広範囲な設計、幾何形状及び材料により種々の技術で具体化され得る。
図1の先行技術装置と同様に、図6の管路Cを通過する粒子により生成される信号パルスの特性は、電極15及び16の間の励起電流により懸濁媒体M内に確立される電界と、管路Cを通して粒子を搬送する粒子懸濁媒体Mにより確立される流体力学フィールドと、の両者に対する粒子の複雑な相互作用から帰着する。電極15及び16の間の電流により確立された電界の影響の下で(且つ、一切の外部電気回路無しで)、非絶縁末端要素52及び53は、管路Cの近傍に独立した等ポテンシャルを直接的に重畳する独立したポテンシャルをそれらの表面上に帯びる。以下に詳述される如く、図7において粒子感知領域Z’を構成する結果的電界の分布は管路部分10’の管路直径D’及び軸心長さL’に依存するが、結果的な流体力学通過フィールドの分布は管路CのD’及び累積長さ(L’+L1+L2)に依存し、式中、L1及びL2は夫々要素52及び53の壁部30’に沿った寸法である。管路部分10’の直径D’及び長さL’は管路Cの感知領域Z’における特定の電気的特性を提供すべく選択され得ると共に、(上記感知領域の電気的特性に悪影響を与えること無く)要素52及び53のL1及びL2の非最小長さ(nonminimal length)は、上記感知領域の実質的均一領域を通過する粒子/秒の割合を相当に増加する為に該感知領域を通る準層流を促進する如くされ得る、ということが見出された。故に、容積計管路Cの感知領域Z’を通過する粒子により生成されるパルスに対する電界及び流体力学フィールドの作用は独立的に最適化され得ることが見出された。これは図1の先行技術装置と明らかに異なるものであり、該装置においては、管路ウェハWが均一な誘電材料により構成されることから図2の管路10を画成する壁30は均一に高電気抵抗を有することにより、管路10内における電界及び流体力学フィールドは管路ウェハWの管路直径D及び長さLとにより共通決定されている。次に、図7における改良容積計管路Cの一定の関連フィールド特性は、上述した図2の管路10の特性と比較され得る:
1. 容積計アセンブリ50を囲繞すると共に管路Cを充填する粒子懸濁液状媒体内に浸漬されることに依り、図7の容積計アセンブリ50の非絶縁末端要素52及び53はそれらの表面上に独立したポテンシャルを帯び、これらは上記管路を通る電流により確立される軸心対称電界内に新規なフィールド分布を課する。略々管路直径D’よりも大きな要素52又は53の軸心長さL1又はL2に対しては、管路Cの外部(すなわち、図6において夫々電極15及び16と要素52及び53との間)の結果的電界は本質的に均一である。等ポテンシャル56及び57により夫々示される、領域電界31’及び32’と外部電界との間の軸心対称電界領域は、実質的に夫々の要素52又は53のポテンシャルであり、極めて低い電界強度及び勾配である。これらの等ポテンシャル領域は領域電界31’及び32’を外部電界から機能的に隔離することから、上記領域電界は全体的に容積計管路C内に局限される。結果的な粒子感知領域Z’は機能的に、範囲限定境界54及び55の間の管路部分10’と、該範囲限定境界と共軸的に該範囲限定境界の外側に延在すると共に要素52及び53により円周方向に境界付けられた管路Cの部分内に至る2個の半楕円形の領域電界31’及び32’と、を含んでいる。故に管路Cの部分10’は、粒子により排除された液体の体積が比較され得ることから図1及び図2の伝統的なコールター容積計管路10と機能的に同等である一貫した基準体積を提供する。伝統的なコールター管路と類似して、感知領域Z’を形成する結果的電界の分布は境界54及び55の管路直径D’及び管路部分10’の軸心長さL’に依存する一方、所望の検出能スレッショルド値に対応する半楕円形の等ポテンシャルは領域電界31’及び32’の実効空間範囲を決定する。要素52及び53の最小軸心長さL1及びL2は粒子サイズの所望の検出能スレッショルド値に依り選択され得ることが見出された。故に、長さL1及びL2は、少なくとも、機能的コールター管路10’の直径D’に等しい直径Dを有する伝統的なコールター容積計管路のスレッショルド領域電界の軸心範囲に等しくされ、又は、1%検出能スレッショルド値(one-percent detectability threshold)に対するL1=L2≒D’とされる。(但し、L1及びL2はこれらの最小長さ以上に増大されることにより感知領域Z’を通る管路流体力学条件を改良しても良い;以下を参照、項3)。L1=L2=D’では1%検出能スレッショルド値に対し実効領域電界は夫々の入口から外方に延在し、等しい側方切片にて約D’/2で機能的コールター管路10’の境界54及び55を退出することが見出された;従来のコールター管路ではこれらの寸法はD及び1.15Dに匹敵する。機能的コールター管路10’内における粒子感知領域Z’の部分は(L’/D’)/(L’/D’+16K’/3)であると示され得るものであり、式中K’は、特定の境界54又は55の中心に軸心原点を有する座標系上における選択スレッショルド等電位の3つの直径正規化切片の積である。1%等電位35’及び36’に対しては、感知領域Z’の軸心長さは(L’+D’)であり、式中K’=0.125であり、L’/D’=1.2に対しては感知領域の36%のみが機能的コールター管路10’の外部であり;これらの値は同一の直径及び長さを有する伝統的なコールター管路に対しては(L+2D)、K=1.325及び85%に匹敵する。故に、等しい機能寸法及び1%の検出能スレッショルド値に対しては、上記改良容積計管路Cの感知領域Z’の周囲部分は約0.095であり、且つ、匹敵するコールター管路に対するそれの同時計測体積は0.226であり;L’/D’=0.75=L/Dの管路に対して同時計測体積の比率は0.180である。容積計管路Cの同時計測体積が更に小さいと複数粒子の同時通過による歪曲パルスの発生が減少することから、粒子ヒストグラムから一定のアーチファクト歪み(図5の42)を除去する。容積測定感度は同時計測体積に反比例することから、管路Cにおいては5.51の係数で改良される。
2. 機能的コールター管路10’内の電界は伝統的なコールター管路内のものと同様である。しかし乍ら、粒子パルスの特性に基づく間接データは、粒子感知領域Z’のこの部分内の中央点均一性は、等しい断面幾何形状の伝統的なコールター管路に対するよりも約20%だけ小さいこの部分の軸心長さに対して達成されることを示唆した。より重要なことは、これらのデータが、感知領域Z’のオリフィス勾配が管路壁部30’の近傍の環状領域に対し且つ伝統的なコールター管路に対するr=0.75(D/2)に比較して半径r’=0.85(D’/2)の外側に局限されており、すなわち、変則的パルスを生成すること無く粒子が通過し得る機能的コールター管路10’の断面が同等の機能寸法を有する伝統的なコールター管路よりも大きい、ということを示していることである。変則的パルス振幅の所定度合又は容積測定応答における指定非線形性に対し、粒子が通過し得る改良容積計管路Cの粒子感知領域Z’の断面積は、同等の幾何形状の伝統的なコールター管路に対するものよりも約28%大きくなる。これらの好適で意外な電界変更は項3における流体力学的知見と好適に組合される。
3. 伝統的なコールター管路により利用し得ない流体力学的特性は、要素52及び53の軸心長さL1及びL2を、上記粒子感知領域に関する上記電気的効果を達成するに必要とされる最小のものより大きく、すなわちD’よりも大きくすることにより改良容積計管路Cにて提供され得る。前述の如く、変則的パルス(例えば図4B又は図4Cにおけるもの)の頻度は、感知領域のオリフィス勾配により占有された管路断面の部分と、それを通るモード粒子軌跡の径方向位置とに依存する。所定管路に対しては、モード軌跡の径方向位置の範囲は進入及び退出モード軌跡の径方向位置の間に存する一方、平均径方向位置はこれらの位置の合計の約1/2に存する。図2の伝統的なコールター管路10においては、直径pの粒子に対する進入モード軌跡は約r=(D-p)/2にて壁の近傍の剪断層と重なると共に、退出モード軌跡の位置は図3に示された如く管路10の長さLにより決定される。故に、モード粒子軌跡の平均半径位置は先行長寸管路技術における高勾配壁電界から内側に移動され得る一方、改良は準均一進入流におけるモード軌跡の壁近傍位置により制限される。図7の管路Cにおいては要素52の長さL1により、進入流体力学フィールドの準均一速度特性が、粒子感知領域Z’を通る準層流へと進展することが許容される。上述の如く、層流性ξの度合はレイノルズ数Reに反比例し、即ちξ∝x’/(R’ Re)であり、式中、x’は進入オリフィス33’から管路C内への距離でありR’=D’/2である。図7の管路Cの進入オリフィス33’においてx’=0であり且つ流速特性は準均一であり(図3のa);小寸粒子に対し、モード粒子軌跡を含む管路断面の環状部分は管路壁部30’の近傍に存する。しかし乍ら、管路Cの下流において、機能的コールター管路10’の境界54にては、x’は図7の要素52の軸心長さL1に等しく、2つの重要な流体力学的成果を有している。第1に、縁部の曲率及び不完全性に依る影響は伝統的なコールター管路によるよりも重要でない、と言うのも、これらは進展途上準層流(developing quasi-laminar flow)内で円滑化されるからである。最も重要なことは、先行管路技術と対比的に、管路Cの感知領域Z’を通るモード粒子軌跡の径方向位置の平均及び分散を制御すべく斯かる層流性の度合が選択され得るのが見出されたことである。図3には、L/D=0.75(b)、1.20(c)及び3.60(d)に対する容積式流速計算の結果が示されており、それらの曲線の各ピーク(ドットが付されている)はモード粒子軌跡を表している。今、L1=1.2D’=x’となる如く要素52の長さL1が選択されれば機能的コールター管路10’を通る進入モード軌跡はr’=0.76(D’/2)(図3のc)内で生じ;機能的コールター管路10’の軸心長さL’が0.75D’であれば、要素53内への退出モード軌跡は同様に蓄積管路長x’=(L’+L1)=1.95D’に対してr’=0.72(D’/2)にて示され得る。故に、進入及び退出モード軌跡の両者は、極度の電界勾配が始まる半径r’=0.85(D’/2)の十分に内側にあり、壁部30’の近傍における小寸の不均一電界と相互作用して容積測定分布における歪み(図5に42)を引き起こす粒子は相当に少ない。L’/D’>0.75である斯かる管路Cはr’=0.72(D’/2)の内側に存する退出モード軌跡を生成し、且つ、変則的パルスの頻度は更に減少される。更に、L1=3.6D’(図3のd)に対して相当の層流性が進展したことから、機能的コールター管路10’の長さL’に関わらず、モード軌跡は領域52の実際の長さL1に対する限界層流位置に所望な程度に近接して位置せしめられ得る。故に、図3に示された種々の容積流データを使用すれば、要素52に対する適切なL1が選択されることから粒子感知領域Z’は容積計管路Cの特定位置に配置されてモード粒子軌跡の所望の径方向位置を達成し;更に、管路Cにより提供された小寸の感知領域Z’の故にこの重要な利点は伝統的なコールター管路により実行可能なよりも短寸の機能的コールター管路10’の長さL’に対して達成され得る。代替的に、機能的コールター管路10’の長さL’に対する要素52の長さL1の適切な比率を選択することにより、平均モード軌跡位置の径方向位置の分散が最適化され得る。要素53の長さL2は完全に進展した層流への更なる遷移を許容することからジェット領域における乱流効果を減少し得る一方、その主要機能は粒子感知領域Z’の出口領域32’を隔離することから再循環粒子がその内部に循環して無関係パルスを生成することはできない。但し、容積計管路Cの要素53の長さL2は、管路Cに亙る圧力差と管路C内の感知領域Z’を通る平均流速との間の所望関係を提供すべく選択され得る。
4. 伝統的なコールター管路と同様に、図2のATなどの近軸心軌跡上で容積計管路Cに進入する粒子は、図4Aのパルスに類似したパルスを生成する。しかし乍ら、進展する収束流の外側範囲内で管路Cに進入する粒子は、図7の管路縁部33’の回りで、且つ、進展する層状管状流が斯かる粒子の軌跡を直線化する役割を果たすという要素52の環状近傍壁30’を通ることにより加速され、これにより、管路Cの粒子感知領域Z’を通り湾曲することにより図4B又は図4Cのものと類似した変則的パルスを引き起こす粒子軌跡(たとえば、図2のBT又はCT)を排除する。斯かる変則的粒子パルスを生じせしめ得る粒子の個数は要素52の長さL1を増大することにより更に減少され得る一方、Bに類似するパルスの個数は要素51の長さL’を増大することにより減少され得る。これらの手段を組合せることにより、図5の容積測定分布における歪み42は実質的に排除され得る。更に、図7の出口領域32’は要素53により境界付けられた管路Cの部分内に収納されることから、管路Cを退出した減速粒子は低強度電界範囲57により範囲32’から分離されて該範囲内に引き戻され得ない(例えば図2の軌跡DT)、と言うのも、粒子懸濁液体は退出ジェットを囲繞する環体状の低圧領域内に再循環するからである。故に、低振幅で長い存続時間の無関係パルス(例えば図4Dにおけるパルス)は生成され得ず、実際のサンプル分布(図5の40)の下方における2次的容積測定分布(図5における41)は排除される。
要約すると、軸心対称的な壁部抵抗における軸心方向特性変化により、管路Cは、該管路Cを囲繞すると共に容積計アセンブリ50を構成する材料の選択に由来する新規な電界及び機能特性を提供する。これらの利点は実質的に、要素幾何形状の何らかの特定組合せ又は特定材料の組合せでは無く、管路Cを形成する固体材料における電気抵抗の結果的軸心対称パターンに由来する。特に、図6及び図7における容積計アセンブリ50の中央高抵抗要素51は機能的コールター管路10’の管路Cを画成する。図6及び図7における容積計アセンブリ50の非絶縁末端要素52及び53の軸心寸法は、容積計管路Cの近傍における電界及び流体力学フィールドの両者をこれらの低抵抗要素が独立的に調節すべく選択され得るが、これは:(i)図7の粒子感知領域Z’を実質的に容積計管路Cの物理的境界内に局限して機能的コールター管路10’を形成すべく、励起電流から帰着する電界を形成し;且つ、(ii)上記感知領域の実質的に均一な領域を通過する粒子/秒の割合が相当に増大する如く、感知領域Z’を通る準層流の進展を可能にする;ことにより行われる。ひとつの有用な結果として、機能的コールター管路10’の隔離感知領域Z’は、高角度軌跡で管路Cに進入する粒子、及び、再循環軌跡で管路Cを退出する粒子に対して実質的に不感とされ得る。別の好適な結果としては、機能的コールター管路10’の感知領域Z’は、匹敵する寸法を有する伝統的なコールター管路に対するよりも相当に小寸であり;これに加え、機能的コールター管路10’の寸法は伝統的なコールター管路と実質的に同一に選択され得るが、許容可能な寸法の範囲は相当に増大される。更なる好適結果として機能的コールター管路10’は、流体力学的収束流の先行技術方法に通常的に伴う流体力学的特性を示すものとされ得る。この利点の中心となる知見は、先行技術と対比して、完全に進展した層流[図3における(e)に対応]はそれにより得られる特性が必ずしも所望の特性でないという知見、すなわち、もし感知領域Z’が管路の流体力学的長さから切り離され(decouple)得るのであれば、これらの特性を実用的度合まで提供すべく、長さ/直径比率が更に小さい[例えば図3における(d)もしくは(c)]管状流において生ずる如き準層流が静止手段(static means)により形成され得るという知見である。後者の特性は、管路Cの壁に沿った軸心対称抵抗における上述の軸心方向特性変化により可能とされる。これに加え、上記抵抗特性は感知領域Z’の高勾配部分の径方向範囲を直接的に減少し、壁付近軌跡上のパルスに依る所望の度合の容積測定誤差を達成するに必要な層流性の度合を減少する。これと同時に、低抵抗要素52及び53に依る上記2つの成果は、最適な図1の装置により提供されるものに匹敵する容積測定データの精度を許容する。
図7の容積計アセンブリ50は要素51、52及び53を備えるのが好適であり、もし管路Cの粒子感知領域Z’が実質的にその軸心中央点の回りにおいて対称的であればこれは必要である。また、両要素52及び53の軸心長さは少なくとも機能的コールター管路10’の直径D’と等しくすることにより感知領域Z’を管路Cの累積長さから実質的に独立させるのが好適であり、これは、粒子パルス特性に関する電界及び流体力学フィールドの影響が最高に最適化されるのであれば必須である。L’/D’は0.2乃至2.5の範囲が好適である。概略的に、要素52及び53の夫々の長さL1及びL2は機能的コールター管路10’の1倍乃至4倍であり;要素52の長さが長いほど機能的コールター管路を通るモード粒子軌跡の所望位置を確立する上で有用であり、要素53の長さが長いほど管路Cに対する所望の圧力/流速関係を確立する上で有用である。もし約1%より大きな検出能スレッショルド値が容認可能であり且つ変則的パルスの問題が小さければ、機能的コールター管路10’の直径D’よりも幾分か小さな要素52及び53の軸心長さが使用され得る。本発明の利点の幾つかは、図7の容積計管路Cにおける機能的コールター管路10’の進入口又は出口に単一の要素52又は53のみを使用することで獲得され得る。故に、もし管路壁の近傍の感知領域を通過する粒子に依るヒストグラムの歪み(図5の42)の減少が関心事であれば、要素53は省略され得るものであり、その場合に感知領域Z’の非対称的領域電界は進入側にては図7の31’を且つ出口側にては図2の32を擬態し;要素52は変則的パルスの発生を減少するが、二重要素容積計アセンブリの出口の近傍の再循環粒子は無関係パルス及び低容積分布(図5の41)を生成する。逆に、再循環粒子に依る容積測定分布(図5の41)の排除が関心事であれば、要素52が省略され得ると共に感知領域Z’の非対称的領域電界は進入側では図2の31を且つ出口側では図7の32’を擬態し;要素53は再循環パルスの発生を減少するが、二重要素容積計アセンブリの壁部の近傍において該アセンブリの管路を通過する粒子は変則的パルスに依るヒストグラム歪み(図5における42)を生成する。容積計アセンブリ50は、要素51、52及び53を備えるのが好適である。
図6における容積計管路Cにより提供される新規な機能特性は、容積計アセンブリ50を構成する軸心対称抵抗の上記軸心方向変化に由来する。電界調節特性(field-amending characteristics)を取り入れた容積計管路は幾多の異なる構成で実現され得る。要素52及び53の抵抗は粒子懸濁媒体Mの抵抗よりも低くすべきであり、管路Cの壁部30’は流体力学的な意味において実質的円滑とすべきであり、且つ、容積計アセンブリ50は図1の装置において管路ウェハWに対して実質的に置換可能な簡素な装置であることから、容積計アセンブリ50は固体材料から構成するのが好適である。容積計アセンブリ50の特徴的性質は、企図された貫通管路Cの軸心の回りにおける固体材料による軸心対称抵抗における軸心方向変化である。容積計アセンブリ50を構成する固体材料による実効抵抗の軸心方向変化及び壁部30’における流体力学的円滑性の組合せは、上記材料における適切な抵抗勾配を適切に生成し、適切な部位にて容積計アセンブリを穿孔して貫通孔を形成し、次に貫通孔を適切に仕上げることにより管路Cを画成する流体力学的に円滑な壁部30’を生成することにより、好適に達成される。当業者であれば明らかな如く、発明概念を取り入れた容積計アセンブリは広範囲な形態及び材料により種々の技術で具体化され得る。上述の抵抗変化は、例えば実施例3などの様に企図貫通管路Cの軸心の回りにおける固体材料に亙り生ずる如く、又は、例えば実施例2及び4乃至8などの様に容積計アセンブリ50へと固体要素51、52及び53を組み立てる前にそれらを適切に選択することで生ずる如く形成され得る。後者の場合、各要素は穿孔される前に上述の手法で連結されるのが概略的に好適であるが、大径管路の場合に各要素は別個に小寸直径へと穿孔されてから連結要素の管路を所望の管路直径へと仕上げるのが好適である。
実施方式に関わらず、管路Cはその長さの全体に亙り流体的に連続であると共に流体力学的に円滑とすることが最も重要である。流体力学的円滑性に対する必要性の故に、最終的な管路寸法へと予備仕上げされた別体要素の組立て、又は、各要素をそれらの作動位置に配置して維持する種々の機械的方法の、いずれかに頼る構成方法はそれほど好適でない。容積計アセンブリ50は図6の壁部7を構成し得るが構成上の理由から管路Cは好適には更に好都合な寸法及び形態の容積計アセンブリ50内に配備される。同様に、円盤状又は円筒状形態が好適であり、且つ、管路Cの軸心は容積計アセンブリ50の軸心と実質的に共軸的であるのも好適である。製造の容易性の為には要素51、52及び53の全ての横手表面は平坦であるのが好適であるが、個々の要素は他の設計考察に依れば、例えば図7に示された如く一切の隣接表面が相補的とされる他の実質的に軸心対称的な表面幾何形状を有することが必要となり得る。個々の要素51、52及び53は広範囲な幾何形状を与えられ得るものであり、その幾つかはそれらから組み立てられた管路の電界形成特性を二次的に増大する。広範囲な制限内において、要素52及び53の外部幾何形状はそれらの主要機能に対して重要でなく、新規な容積計アセンブリの特定の特性を提供すべく適合され得るが、それは例えば、実施例6における如き進入側要素52に対する漏斗形状に依る流れ調和であり、又は、要素52又は53に収納容器の一部を構成させることである。これに加え、要素52及び53の側方範囲は、実施例4及び5に関して論じられる更なる設計自由度を可能とする。
要素51、52及び53を形成する材料はそれらの主要機能に対して重要でないことから、特定用途により必要とされる容積測定特性を提供すべく選択され得る。故に新規な容積測定器の幾多の実施方式が可能であり、その幾つかは一定の分析における使用又は特定の粒子/液体系に依る使用に対して更に適している。要素51は粒子懸濁媒体Mよりも相当に大きな電気抵抗を有することが必要であり、且つ、好適にはルビー、サファイア、アルミナ、ベリリア、合成水晶、又は所定用途に適した他の材料などの誘電体から作成される。但し実施例7で論ずる如く要素51は、懸濁媒体Mよりも実際に抵抗が大きく但し上述の誘電体よりも小さい、導電ガラス、導電セラミック、所定種類の導電性ポリマもしくはプラスチックなどの損失性誘電体から作成され得る。要素52及び53は懸濁媒体Mの抵抗よりも相当に小さな抵抗を有することが必要であると共に、好適には、白金族からの金属もしくは合金、又は、特定のチタン、タングステン又は炭化ケイ素などの導電性セラミックである。一定の用途は、金、銀、チタン、タンタル、タングステン、又はそれらの種々の合金などの金属を使用することで利益を得ることもある。更に別の用途は、ニッケル、銅又はそれらの合金を、金属として、又は、アルミナなどのセラミックの微細構造内に溶浸(infiltrate)したこれらの金属のひとつを含むサーメットとして使用することにより利益を得る。要素52及び53は同一材料である必要は無く、新規な容積計アセンブリの一定の用途はひとつ以上の材料特性における賢明なミスマッチにより利益を得ることもある。概略的に、上記材料は好適には均質であるが、特定用途においては不均質な材料が好適なこともある。実施例5で論じられる如く要素52又は53は、個々の材料に依っては実現し得ない材料特性の組合せを提供すべく、ひとつの材料から形成されると共に他の材料で被覆もしくはメッキされ得る。上記の利点の幾つかは、例えば、粒子が懸濁される懸濁媒体Mの抵抗と類似するがそれより小さい抵抗を有する更に抵抗性の材料を使用することにより達成される。
本発明の概念は以下における好適実施例に依り十分に記述されると確信され、当業者であればコールターの原理の多くの用途に適した電界調節容積計アセンブリを作製し得よう。電界調節概念を取り入れた容積計アセンブリは、先行技術方法により適合されることにより、特性表示されるべき粒子の適切な懸濁液と、電界調節管路を通る励起電流の同時通過を可能とする。上記改良管路は例えば米国特許第2,656,508号におけるのと同様に電圧源により励起され得るが、米国特許第3,259,842号で教示された如き一定励起電流源の使用が好適であり;電源は直流、交流又はその組合せとされ得る。実施例8に示された如く、本発明はコールターの原理を取り入れた他の形態の装置、例えば他の感知様式を取り入れた装置、又は、粒子を分類する装置に適合される。
実施例2
図7の容積計アセンブリ50は、別体の構成要素を機械的に組み立てて接合することにより、等しく無いが実質的に均一な個々の抵抗を有する個々の要素から構成された複合固体アセンブリとすることで実施され得る。大寸管路(例えば約D’≧0.400mm)を備える容積計アセンブリに対して特定の適用性を有する実施例において、要素51は、軸心方向厚みが企図製造技術に依る所望管路長に比例する高抵抗のセラミック粉末から成る好適なディスク状予備成形体とされ得る。要素51の軸心長さL’は最も好適にはD’の0.50乃至2.5倍である。要素52及び53は要素51内の相補凹所内に嵌合され、容認可能な機械強度の構造における所望の軸心管路長L’を好適に提供する。好適には、高抵抗要素51は、適切な粒子サイズ及び純度のアルミナから形成され、要素52及び53は適切なサーメット(例えば、ニッケル又は企図用途に適切な他の金属が溶浸したアルミナなど)又は導電セラミック(例えば、炭化チタン)のひとつから形成される。要素52及び53は図7に示された球形セグメントとして成形され得るか、又は、高抵抗の中央要素51の形態が適合される平坦ディスク又は他の軸心対称幾何形状とされ得る。要素52及び53の軸心長さL1及びL2は最も好適には最小で管路Cの企図直径D’の4倍であり、要素51の表面におけるこれらの要素の直径は好適には管路直径D’の約5倍である。セラミック処理技術又は管路ウェハ技術において公知である所望の管路直径D’及び長さL1及びL2へと容積計アセンブリ50を穿孔して仕上げる前に、相補要素51、52及び53は、(例えば射出プロセスにより)鋳造され、焼結され、必要なら成形仕上げをし、且つ、(例えば適切なろう付け方法又は適切な金属充填接着剤を使用することにより)接合され得る。好適には、電界調節管路Cは一定の円形断面を有すると共に容積計アセンブリ50と共軸的である。容積計アセンブリ50の外周面は適切に仕上げられる。一定の材料の組合せにより、未焼成の予備成形体が組み立てられて焼結されることにより容積計アセンブリ50を形成し得る。
図7の容積計アセンブリ50の要素52及び53は、金属導電体のひとつから予備成形されて要素51の凹所に適切に固定され得るか、又は、例えば適切な金属充填接着剤又は塗料を使用してその所定位置に形成され得る。例えばセラミック技術で公知の如く、1.0mm厚みのディスクが3〜5ミクロン範囲の粒子サイズを有する99.5%純度アルミナの好適ロッドから調製されると共に、ディスクの表面における部分的直径が1.0mmで約0.40mm深度の中央球形凹所がディスクの各側に調製される。各凹所内で僅かに突出する導電性析出を形成する適切な手順に依り、斯かる結果的要素51における各凹所は、金充填接着剤で充填されて硬化され、又は、ガラス上に電極を形成する上で使用される如きプラチナ充填塗料の所定反復被覆を行い且つ焼成され得る。各ディスクは次に要素52及び53を形成すべく各表面上で平坦にラップ研磨され、ディスクの中心を通して穿孔され、且つ、貫通孔が仕上げられて、例えばD’=0.200mm、L’≒L2≒0.200mmかつL1≒0.400mmの流体力学的に円滑な円形管路Cを形成する。導電性の析出物中に空隙を生成せずに又は処理の間に要素51から析出物が破断離間しない様に、要素52及び53の所望の厚みを達成する為には注意が必要である。
電界調節管路Cは、管路を画成する壁部30’が流体力学的に円滑となる如く、容積計アセンブリが形成された後に(もし成形されなければ)仕上げられるのが重要である。一定の用途においては、斯かる実施方式から帰着する容積計管路は、実施例7で論じられる如き損失性セラミックから要素51を作成することで、又は、実施例6で論じられる如く要素52に成形取入口を配備することで、又は、実施例5で論じらる如く要素52及び53に対する導電性予備成形体を被覆もしくはメッキして基礎材料によっては利用可能でない材料特性の組合せを提供することで、有用たり得ることもある。
実施例3
図7に係る別実施例においては、適切な抵抗特性を生成すべく適切な添加方法を使用することにより実質的に単一材料から、小寸管路(例えば、好適にはD’≦約0.010mmの円形)に対して特に適用される容積計アセンブリ50が構成され得る。電界調節管路Cを画成する貫通孔を形成するのが企図された部位にては、適切な固体基材の電気抵抗がその厚みに亙り実際に変化せしめられ、例えば、相当に低い電気抵抗の(厚みが企図管路直径の略々1倍乃至3倍に等しい)末端領域により連続して境界付けられた高電気抵抗の(厚みが企図管路直径に略々等しい)中央範囲限定領域を画成しても良い。例えば、半導体技術において公知の適切な不純物添加方法を使用して、本質的半導体(例えばシリコン)製の基材51の各側上の表面と交差する相当に低抵抗の領域52及び53を生成することにより、管路直径の約5倍の直径の露出領域を形成しても良い。個々の容積計アセンブリ50はそれから調製されると共に、関連技術で公知の如くの流体力学的に円滑な個々の管路Cを備えても良い。該実施例における範囲限定境界54及び55は仮想的であり図7に示された如く別体とするのでは無く拡散され得るが、集積回路技術で公知の如く実質的に別個のものとされ得る。領域52及び53の露出表面は電気的に非絶縁とされねばならず、且つ、容積計アセンブリ50の全ての露出表面は、粒子を懸濁すべく使用される液状媒体に適合するものとされる。該実施例は、例えば米国特許第4,760,328号で記述された如き他の電気的機能を取り入れる設計態様に対して利点を提供するものである。
実施例4
上記各実施例においては、容積計アセンブリ50の低抵抗の要素又は領域は高抵抗要素51の体積包体内に取り入れられている。中範囲の管路直径に対し、容積計アセンブリ50は一対の導電性カラーを含み得るものであり、その各々は、適切な寸法の中央貫通孔を有する好適直径の誘電ディスクに取付けられて中央開口を有する導電性材料製のディスクから成る。次に図8A及び図8Bを参照すると、容積計アセンブリ50の高抵抗領域は好適には伝統的なコールター管路ウェハWであり、すなわち、米国特許第2,985,830号又は第3,771,058号に記述された如き中央円形管路10’を含むルビーもしくはサファイアのウェハである。コールター管路ウェハW及び幾何管路10’の寸法は当業界で公知の企図用途に従い選択され得るものであり、例えば、白血球特性表示に対する適切な寸法としては、外径が4.0mmであり厚みがL’=0.075mmであるルビーウェハにおける管路直径D’=0.100mmが挙げられる。電界調節管路50の非絶縁低抵抗要素は好適には、プラチナ合金又は炭化チタンなどの導電セラミック製の円形カラー52及び53とされ得る。各カラー52又は53は夫々の中央開口58又は59を有するが、該中央開口は、選択されたコールター管路ウェハWの管路オリフィス33及び34に正確に合致する寸法かつ形状である。カラー開口58及び59はコールター管路のオリフィス33又は34に関して一致して配置されると共に、カラー52及び53は、カラー開口58及び59とコールター管路10’とにより形成される管路がひとつの円滑で連続した管路Cとして流体力学的に信頼性を以て機能する如く、管路ウェハWに接合される。要素52及び53は用途に従い、例えば真空ろう付け、市販エポキシ又は金属充填接着剤、適切なガラス・フリットなどを使用して管路ウェハWに接合され得る。好適には、電界調節管路Cはその場で形成されると共に、管路Cに沿う各カラー52又は53の夫々のL1又はL2は少なくとも伝統的なコールター管路の直径D’を近似せねばならず;最も好適には、これらの長さはコールター管路ウェハWにおける管路10’の直径の1倍乃至3倍とされ得ることにより、伝統的容積計管路の電界及び流体力学フィールドは上述の如く好適に調節される。
上記カラー・ディスクの外径は好適には伝統的なコールター管路10’の直径D’の少なくとも約5倍であり、その場合に電界調節管路Cの近傍における電界は図7に示された実施例2に対するものと略々同様である。但し、この寸法はカラーの主要機能に対して重要で無く、以下で論ずる如く補助的機能を満足すべく選択され得る。平坦として示されてはいるが、図8Bのカラー52又は53の外面の形状は、特定の容積計アセンブリの用途に適した任意の形状とされ得る。また、上記カラーは一定の断面として示されているが、各カラー52又は53の内部長手断面は実施例6で論じられる如き補助的機能を提供すべく選択され、又は、カラー52もしくは53のいずれかは取付装置もしくは液体収納容器の一部を形成しても良い。既に論じた如く本発明の利点の幾つかは、好適性は少ないが、管路ウェハWにおいて伝統的なコールター管路10’の進入オリフィス33もしくは退出オリフィス34のいずれかにて単一のカラーを配置して使用することで実現され得る。
図9は、図8A及び図8Bに示された如き容積計アセンブリにより実現され得る実際の利益を示している。図9の容積測定データはコールター・モデルZBコールター・カウンタ及びサンプル・スタンドにより得られたものであり、それは定電流源を含むが、粒子同時計測、再循環粒子又は壁の近傍の管路を通過する粒子に対する流体もしくは収集後補正のいずれかを提供するサブシステムを含んでいない。粒子の容積測定データを獲得すべく2個のコールター開孔管が使用されたが、ひとつは米国特許第2,985,830号に係るものであり、他方は、図8A及び図8Bに係る容積計アセンブリが伝統的コールターウェハに対して代用された同様の管である。標準的開孔管は、D=0.100mmかつL/D=0.75の管路を有するコールター管路ウェハから成っていた。容積計アセンブリは、2.5mm外径のプラチナの各ディスクから成り、ひとつは0.20mm厚み(図8A及び図8Bにおける52)であり且つひとつは0.10mm厚み(図8Bの53)であり、外径4.0mmで厚み0.122mmのルビー・ディスク(図8A及び図8BのW)の各側に夫々中心合わせされた。プラチナ・ディスクはルビー・ディスクに対し、製造者の指示に従い乍ら市販の二液性エポキシ接着剤により取付けられた。硬化したアセンブリは穿孔されて仕上げられることにより、コールターウェハを作製する技術で公知の如く、直径D’=0.100mmでL’/D’=1.22の機能的コールター管路を有する円形容積計管路を形成した。完成した容積計アセンブリは市販の二液性エポキシ接着剤により第2開孔管(標準的管路ウェハが除去されたもの)上に取付けられることにより、使用に際しては0.20mmのプラチナ・カラーが管路Cの進入側を形成した。同一の機器設定により両開孔管を使用し、等張食塩水中に高濃度で懸濁された約0.005mm直径のラテックス粒子に対する容積測定データが得られた。
モデルZBカウンタからのパルス・データは、粒子体積を測定すべくパルス高さ分析方法を使用するコールター・モデルC-1000チャネライザに連結され;モデルC-1000機器は、図9の全てのデータを収集すべく行われた様に無効化され得るパルス修正回路を含んでいる。この図において、ヒストグラム43’は標準的なコールター開孔管からの未修正データであり;再循環粒子(図2のDT)によるヒストグラム・アーチファクトは電気ノイズと共に領域41’に含まれる一方、過剰な粒子同時計測及び図2のBT又はCTなどの粒子軌跡によるヒストグラム・アーチファクトは歪み42’として現れる。ヒストグラム40’は、ヒストグラム43’と同一の機器設定であり乍らも上記容積計アセンブリを取り入れた開孔管により得られた同一密度の粒子懸濁液からのデータである。ヒストグラム40’においては、ヒストグラム43’における容積測定アーチファクト41’及び42’が実質的に排除されている。
ヒストグラム40’及び43’の間におけるモード粒子体積の差は、2つの構成要素を有している:第1に、43’におけるL/D=0.75であるのに対して40’ではL’/D’=1.22であり、且つ、容積計管路における液体の最大電気抵抗は同一の粒子サイズ及び励起電流に対する粒子コントラストを減少し;第2に、導電性カラーの電界成形効果に依り、電界調節管路に使用された所定コールター管路ウェハの見掛け抵抗は、従来的に使用された同一のコールター管路ウェハよりも大きい。コールター技術において公知の如く、これらの効果は2つのヒストグラムが一致する如く電気的に較正され得るものであるが;容積計管路以外は同一であるという全ての実験パラメータを保持すべく、較正は図9では行われていない。2つの容積測定管に対して独立的に容積測定較正が行われたとき、ヒストグラム43’の非アーチファクト部分はヒストグラム40’に重なる。
種々の実施例に係る他の容積計アセンブリを取り入れた開孔管が米国特許第2,656,508号又は第3,259,842号に記述された装置における標準的コールター開孔管に対して代用されたときにも、容積測定データの特性における同様の改良が達成された。この装置は、コールターモデルA コールター・カウンタ又はコールターモデルB コールター・カウンタとして夫々市販された。モデルA コールター・カウンタは励起電流を供給する電圧源と、粒子をサイジングする単一スレッショルド回路とを含んでおり;それはコールターの原理に基づく最初の市販機器であった。モデルB コールター・カウンタは励起電流を供給する電流源と粒子をサイジングする二重スレッショルド回路とを含んでいる。いずれの装置も、粒子同時計測、再循環粒子又は壁の近傍の管路を通過する粒子に対する流体もしくは収集後補正のいずれかを提供するサブシステムを含んでいない。実施例2又は4のいずれかに係るアセンブリを含む開孔管に依れば、同時計測パルス修正回路が無効化されたコールター・モデルC-1000チャネライザと共に使用されたときに、モデルA及びモデルB コールター・カウンタは両者ともに(図9の40’に類似した)略々理想的な容積測定ヒストグラムを提供する。斯かる電界調節容積計アセンブリが、支援技術が無効化された現代の装置と共に試験されたとき、同様の結果が得られた。
図10には図8A及び図8Bにおけるのと類似した容積計アセンブリ50が示されているが、導電性カラー52及び53は管路ウェハWにおける機能的管路10’の直径D’よりも僅かにのみ大きい(例えば≒1.5D’)外径を有する点が異なる。斯かる筒状カラーは内部粒子感知領域Z’と図7、図8A及び図8Bにおける大径要素52及び53の主要な流体力学的利点を提供するが、電界は異なる分布となり電界調節管路Cの外部では好適性の低い二次的流体特性となる。故に、外側カラー径は、伝統的なコールター管路では利用し得ない電気的特性を提供すべく選択され得る。例えば、カラー52及び53の外径は、管路Cの進入口の近傍における粒子懸濁液体中の電界均一性及び電流密度を制御すべく選択可能であり、その場合には、カラーの外径は図7、図8A及び図8Bの如く管路直径D’の少なくとも数倍とするのが好適である。代替的に、DC及びAC励起電流に対するインピーダンスは切り離され得る、と言うのも、前者は機能的管路10’の物理的寸法及び粒子懸濁媒体Mの特性にのみ依存するが、後者は管路Cを形成すべく使用されたカラー52及び53の横手寸法及び管路ウェハWの誘電特性にも依存するからである。故に、図8A及び図8Bにおける容積計アセンブリ50に対するDCインピーダンスは図9の容積計アセンブリ50とそれほど異なるものではないが、管路ウェハWと接触する夫々のカラー対52及び53の異なる断面積に依り2つの容積計アセンブリのACインピーダンスは相当に異なる。
一定の用途において、斯かるディスク又は筒状カラーを含む容積計管路は、実施例7で論じられる損失性セラミックから要素51を作製し、実施例6で論じられる成形取入口を要素52に配備し、又は、実施例5で論じられる如くカラー52及び53に対して導電性予備成形体を被覆もしくはメッキして基礎材料により得られない材料特性の組合せを提供することにより、利益を得ることができる。
実施例5
上記各実施例は均質な導電性材料から成る低抵抗要素を備えているが、概略的にこれらの要素(例えば図7、図8B及び図10の52又は53)は、個々の材料によっては得られない材料特性の組合せを提供すべく、ひとつの材料を別の材料で被覆もしくはメッキして形成され得る。図11には、流体力学的に円滑な管路Cを形成すべくコールター管路ウェハWに取付けられた斯かる2つのカラー52及び53を取り入れた容積計アセンブリ50が示されている。カラー52の外側面及び貫通開口58上の被覆もしくはメッキ60によれば、カラー52は、図7又は図8Bにおける均質な導電性要素52又は53により見られる電界分布を確立し得る。また、誘電カラー53の開口59に亙る導電性被覆又はメッキ61よれば誘電カラー53は、図10の筒状の均質な導電性カラー52又は53により見られる電界分布を確立し得るが、不都合な二次的流体力学的特性は伴わない。斯かる被覆又はメッキ61及び62は好適には、懸濁媒体Mの実効抵抗よりも小さい、要素52及び53により囲繞された壁部30’の部分における実効抵抗を生成する。一定の用途は要素52及び53の金属化(例えば白金メッキ)により利益を獲得し得る一方、他の用途は同様の導電性酸化物(例えばスズ又はインジウム)の類似使用により利益を獲得し得る。図11における懸濁液流の方向に関わらず、又は、図11において両カラーがカラー52又は53の形態と同一であるか否かに関わらず、電界調節管路C内の結果的な感知領域Z’は実質的に図7及び図10と同一である。但し、各カラー面と各励起電極との間における粒子懸濁媒体M内の外部電界分布は、懸濁媒体に露出された導電体の面積に依存する。
図11における管路CのACインピーダンスは、特にその側部表面上に被覆又はメッキが為されたカラー(例えばカラー52)を作成すべく使用された材料の電気的特性に依存する。概略的には、電界調節管路Cに必要とされる電界特性は、誘電体又は導電性材料のいずれか、すなわち、導電体、もしくは、導電性及び化学安定性の特定の組合せを提供する為に金属被覆60を形成すべくメッキされた絶縁セラミック、のいずれかから成る斯かるカラーにより提供され得る。但し、図11のカラー52の形態の一対のカラーを備える容積計アセンブリ50のACインピーダンスは、斯かるカラーが導電体又は絶縁材料から作成されるかに依存して大きく変化する。もしカラーが誘電材料から作成されるのであれば、該カラーを管路ウェハWに接合すなわちろう付けすべく導電性材料が使用されなければ管路CのACインピーダンスは材料の誘電特性にも依存し、或いは、金属充填接着剤を使用すれば、同様の寸法を有する均質導電性カラーにより与えられるのと同様のインピーダンスをもたらす。概略的に、斯かるカラーは、電気的特性及び物理的特性の所望の組合せを提供する任意の材料から作成され得る。もしカラー開口58及び59の少なくとも壁部が適切な被覆又はメッキにより導電性とされれば、斯かるカラーの他の表面は選択的に被覆又はメッキされて電気的特性の選択を提供する。カラー52及び53の両者がそれらの開口58及び59のみに亙り被覆又はメッキされるという後者の構造は、電界調節概念の最小限実施例であると共に、概略的には、管路ウェハWにおける管路10’のL’/D’≧3の部分を適切に被覆又はメッキすることにより実現され得る。
一定の用途においては、斯かる実施方式から帰着する容積計管路は、実施例7で論じられる損失性セラミックから要素51を作成し、又は、実施例6で論じられる如くカラー52を成形することにより、利益を獲得し得る。
実施例6
上記カラーの管路断面の軸心分布は、管路領域内に所望の電気的もしくは流体力学的分布を提供すべく設計され得る。例えば、所定のモード粒子軌跡を達成するに必要な図7、図8B又は図11のカラー52の合計長さL1は、その進入縁部上に丸みを付けられるか又は漏斗状とされた進入口領域が提供されれば、流体力学的利益を喪失すること無く短寸化され得る。斯かる成形進入口は管路に亙る改良流れ特性を提供すべく先行技術において公知である(米国特許第3,739,258号)が、先行技術の容積計管路においては成形進入口はパルス特性を劣化すると共に通常の誘電材料で反復的に製造するのが困難である。但し、本電界調節管路においてパルス特性は成形進入口と無関係とされ得る、と言うのも、上記粒子感知領域は管路Cの流体力学的長さから切り離されるからである。故に、図12の容積計アセンブリ50に示された如く導電性要素52内で最小L1=D’の直線状管路部分が管路ウェハWと成形進入口62との間に介在されたとすれば、成形進入口の流体力学的利益はパルス特性を劣化すること無く獲得され得る。好適には、成形進入口62はエクスポネンシャル形状の長手断面を有すべく作成されるが、約D’/2以上の半径を有する環体形状ともされ得る。斯かる成形進入口は要素52又は53を作成する上で有用な多くの導電性材料において形成するのが比較的に簡素であり、且つ、進展途上層流の平均化に依り、斯かる成形進入口62における不完全性は誘電材料内に形成された先行技術管路における成形進入口よりも重要とならない。一定の用途においては、斯かる実施方式から帰着する容積計管路は、実施例7で論じられる損失性セラミックから要素51を作成し、又は、実施例5で論じられる如くカラー52及び53に対して導電性予備成形体を被覆もしくはメッキして基礎材料により得られない材料特性の組合せを提供することにより、利益を得ることができる。
実施例7
上記各実施例は優れた誘電材料から作成された高抵抗要素(例えば図7の51、又は、図8B、図10、図11及び図12のW)を備えていたが、概略的に、上記実施例の任意のものにおいて高抵抗要素は導電ガラス、導電セラミック、所定種類の導電性ポリマ又はプラスチック、又は他の斯かる材料などの損失性誘電体から作成され得る。斯かる損失性誘電体の抵抗は好適には粒子懸濁媒体Mよりも相当に大きいが例えばルビー、アルミナ又は石英よりは小さい。例えば図7の容積計アセンブリ50における10’の様に機能的コールター管路内における電界を更に成形して電界均一性を改良する上では、斯かる材料の適切な選択が有用となり得る。L’≦D’である管路Cでは高抵抗要素において損失性誘電体を使用することにより斯かる管路の弱いパルス振幅進展が改良されることにより特に好適である。組み立て及び接合方法は、高抵抗要素に対して選択された特定の損失性誘電体と適合せねばならない。損失性誘電体の利益は、抵抗が制御された例えば金又はニッケルなどの薄寸金属層を伝統的なコールター管路ウェハの管路に亙り析出すると共に、該ウェハを例えば図8B、図11又は図12のウェハWとして取り入れることによっても提供され得る。
実施例8
図13に示された代替実施例に依れば、容積計アセンブリ50は米国特許第3,628,140号又は米国特許第4,515,274号に記述されたタイプのフローセルとして構成される。斯かるフローセルは通常は溶融石英、合成シリカ、サファイア又はベリリアなどの光学的透明材料から作成されると共に、光学的感知方式にコールターの原理を組合せた装置で使用されるのが典型的である。最も一般的には斯かる装置は流体力学的収束流を提供する流体サブシステムを含んでいる。典型的な容積計管路Cは一定円形断面であり、0.030mm乃至0.200mm範囲の直径D’を有している。他の設計検討事項と一致し得る如く、少なくとも管路直径D’を近似する最小厚みの適切なカラー52及び53は、誘電フローセル65内の円錐状カップ63及び64内に適合される。カラー52及び53の厚みは機能的管路10’の長さL’を組合せることにより流体力学的に円滑な管路Cを形成する。電界の分布は、粒子感知領域を電界調節管路Cの内部として、図7のものと実質的に類似している。カラー52及び53はプラチナ合金又は他の適切な材料から作成され得るものであり;所望であれば、カラー52及び53もまたフローセル65内に嵌合されることから外側カラー表面は円錐状カップ63又は64と円滑に連続する。フローセル65に対する要素52及び53の接合は、例えば、フローセル・アセンブリに電極を配備すべく通常的に使用される方法により行われる。
例えば米国特許第4,348,107号で論じられた如き角柱断面を有する管路を備えた容積計アセンブリも本発明の付加的利点を同様に提供するが、これは、特定の管路断面の対角線を少なくとも近似する最小厚みを有するカラーを適切に取り入れることで行われる。
流体力学的収束流は電界調節式容積計管路と共に使用されて、管路を通る懸濁液流を安定化し、又は、その感知領域の特性を達成し得る。もし流体力学的収束流が例えば図13の電界調節フローセルと共に使用されるのであれば要素もしくはカラー53は必要でない、と言うのも、鞘状流(sheath flow)は再循環軌跡上の粒子からの無関係パルスを実質的に防止し得るからである。但し、多くの用途において要素もしくはカラー52の長さL1及び進入口形状は(実施例6で論じられた如く)流体力学的収束流を使用すること無しに容認可能な性能が達成される如く選択され得ると共に、その場合には要素もしくはカラー53は容積計アセンブリ50内に含まれるのが好適である。
実施例9
図14の容積計アセンブリ50’は図6の電界調節容積計アセンブリ50と実質的に同一であるが、該アセンブリは、その電界調節要素52’又は53’の少なくとも一方に導電性経路72もしくは73を配備することで図6の容積計アセンブリ50から区別される。斯かる導電性経路が適切に配備されたとき、図6乃至図13の任意の電界調節容積計の誘導物は、図14の容積計アセンブリ50’として使用されるべく適合され得る。各図において、前述の実施例の対応構造には電界調節要素の少なくとも一方に対して導電性経路が適切に配備されて容積計アセンブリ50’を形成する。幾つかの結果的な容積計アセンブリ50’では構成、幾何形状又は材料が各々(又は全て)異なり得るが、全ての結果的な容積計アセンブリは管路Cの近傍の電界及び流体力学フィールドにおいて実質的に同一の新規特性を提供する。これらの実施例に依れば容積計アセンブリ50’の全ては、コールターの原理に従って作動すると共に実際の実施方式の為に少なくとも2本の機能的端子を要する装置に適合される。例としては、容積計管路Cを通過する粒子懸濁液のひとつ以上の部分におけるポテンシャル感知と電界強度の能動制御とを行う特性表示方法に適合した装置が挙げられる。斯かる容積計アセンブリを備えた装置例は、図15に示されると共に実施例10乃至実施例14で論じられる。幾つかの容積測定器実施例の機能の実質的な同等性を示すべく、図14の容積計アセンブリ50’は図15においては単一の感知領域を有する容積計アセンブリ80’で置き換えられている。
導電性経路72及び73の一例は、導電性塗料又は低温半田により要素52’又は53’に対し、且つ、適切な従来方法により上記感知回路の入力181及び182に対して接続された小寸ゲージの絶縁導線から成る。故に、図14の実施例の電界調節要素52’又は53’は、図7の電界調節構造の機能性を、先行技術の一体化感知電極に組合せている。
導電性経路72及び73は当業界公知の種々の方法により形成され得ると共に、絶縁されるのが好適である。本発明に係る容積計アセンブリ50’の所定実施例においては、電界調節要素52’又は53’の両者が夫々の導電性経路72及び73を備えることは必要でなく、また、上記電界調節要素の両者が存在することも必要でない。重要なことは、夫々の電界調節要素52’又は53’への導電性経路72又は73の連結部の回りの領域が、特に腐蝕などの懸濁媒体Mの一切の潜在的悪影響から完全に保護されることである。好適には、管路Cが影響を受けないように絶縁エポキシ内に浸けることにより容積計アセンブリ50’全体が保護外套を有することである。更に十分な保護外套は電子技術で公知の如く提供され得るが、これは例えば、非絶縁が所望される管路Cの各開口を囲繞する要素52’又は53’の領域をマスクし、二酸化ケイ素などの適切な厚みの誘電材料によりそのアセンブリをスパッタ被覆し、且つ、非絶縁のまま残されるべき電界調節要素の領域上の材料を除去することにより行われる。
同様に本発明に依れば、図14の装置の第2形式の実施は、複数の感知領域を有する容積計アセンブリにより特徴付けられる。例証すべく、図14の容積計アセンブリ50’には図14の要素52’及び51、又は、51及び53’の少なくとも一対が更に適切に追加され、追加された電界調節要素の各々は作用的電気接続を備えることにより電極として作用し得る。実施例15で論じられる如く、その様に一体化された容積計アセンブリ50’のタンデム管路形態は、各々が図7のZ’に好適に類似する少なくとも2個の感知領域を備えると共に、管路Cを通過する粒子に関して順次的特性表示又は操作を行う装置に対して適合される。斯かる容積計アセンブリを備える装置例は図17に示されると共に実施例17及び18で論じられる。種々の容積測定器実施例の機能的類似性を示すべく、図16においては図14の容積計アセンブリ50’が二重感知領域を有する容積計アセンブリ80”により置き換えられている。
上記説明においては、本発明に依れば2つのタイプの装置が在ることが示された。単一の感知領域を有する容積計アセンブリ50’は第1タイプの装置で使用されると共に、図8A、図8B、図11又は図12の構造が最も好適である。第1の実施形式(図15)の作用特性は、別体電極の使用、容積計アセンブリ50’の電界調節要素の各導電性経路へと接続される電気回路の形式、及び、電気回路が1本より多い斯かる導電性経路に接続されるか否か、に依存する。第2実施形式(図16)の作用特性は、上述の要因だけでなく、容積計アセンブリ50’に一体化された付加的感知領域の個数にも依存する。例えば図17の構造及びそれに関する次続説明を参照されたい。故に、当業者であれば、コールターの原理を取り入れる新規装置の幾多の配置構成が本発明により可能であることは明らかであろう。本発明の容積計アセンブリが適合され得る装置の範囲を示すべく、容積計アセンブリ80は電界調節要素を電極として使用した容積計アセンブリの一切を示している。図14乃至図16を参照した上記説明に鑑み且つ明瞭化を促進すべく、以下においては次の4つの規約を定める:
1. 容積計アセンブリ80において直近の機能的コールター管路から管路直径Dの1倍以上で配置された一切の電極は別体電極である。斯かる電極は、図14、図15又は図16の6A’及び6B’内において種々に配設され又はそれに対して液柱により接続され得るが、この位置は、容積計アセンブリ80の内部の直近の機能的コールター管路から管路直径Dより遠い、容積計アセンブリ80内もしくは容積計アセンブリ80上の箇所を含むものである。限定的なものとしてで無く、斯かる電極としては、管路Cから相当の距離に配置されるのが好適であると共に容積計管路Cに対して励起電流を供給すべく使用された一切のもの(例えば、図14乃至図16の15及び16)が挙げられる。斯かる電極は、コールターの原理により粒子を感知して特性表示する機能を補助する装置機能の側面に関して信号を獲得し又は電流を供給すべく使用される補助的なもの(すなわち、図15におけるA1及びA2)とされ得る(例えば、米国特許第3,944,917号)。
2. 本発明の新規性は、特定の容積計アセンブリ80に組合わされた任意の電界調節要素に作用的に接続され得る特定形式の電気回路に実際に由来するものでは無い。故に、図15及び図16において感知回路18は、入力181及び182を介した指定接続の目的を効果的に達成すべくコールター技術の熟練者が使用するであろう図14の先行技術回路19、20’及び21ならびに先行技術装置22の適切な形態及び組合せを備える。粒子カウント及び特性データを検出、感知、監視及び記録する従来回路19、20’及び21の集合18は特定電気接続において必要とされ得るが、他の電気接続においては表示/記録装置22又はサイジング回路21は不要なこともある。AC連結感知回路19は、励起電極15及び16に接続されたときには管路インピーダンスと比較して低い入力インピーダンスを有するが、他の任意の電極対の間に接続されたときには高い入力インピーダンスを有するのが好適であり;後者の場合、感知回路19は差動入力回路であれば好適であり得る。また一定の場合、処理回路20’は先行技術で公知の専用のパルス処理アルゴリズム又は技術を備えるのが好適であり得る。
3. コールター技術の熟練者であれば明らかな如く、図15における本発明の幾つかの形態は、上記感知回路18、及び/又は、エフェクタ電流の浮動電源(floating source)29を複数組だけ必要とする。図示明確化の為に、図15に示された単一要素の感知回路18又は電流源29は言及された接続もしくは接続の組合せの一切の目的を達成する為に必要とされる斯かる要素の複数組を表すものとする。適切な如くDC連結感知回路又はエフェクタ電流源は夫々、感知回路18’又は電流源29’として示されている。
4. 図15及び図16は次の2つの細部において図6と異なる:a)図15又は図16における夫々の容積計アセンブリ80’及び80”は図14の開口7Aに対応する開口をシールするものとして示されていることから、上記図面においては上記開口を詳細に示すことなく、管路Cは容器6の区画室6A’及び6B’の間の唯一の作用的な電気及び流体接続を形成し;且つ、b)図15及び図16における区画室6A’及び6B’中の液体Mのレベルの差により示される如く、図14におけるポート11に対する真空の付与では無く、夫々の容積計アセンブリ80’もしくは80”の管路Cを介して粒子懸濁液を移動せしめるべく、静水圧が使用される。例示明確化の為に導入された上記差異は図15及び図16に概略化された実施例の作用を減ずるものでないことを銘記されたい。
故に、上述の規約を念頭に置き乍ら図15を参照すると、本発明に係る第1タイプの装置を実施する上で、ひとつの感知回路18の少なくとも一方の入力181もしくは182、又は、ひとつのエフェクタ電流源29の少なくとも一方の出力291もしくは292のいずれかは、単一感知領域を有する容積計アセンブリ80’における上記電界調節要素に配備された導電性経路(例えば72又は73)を介し、電界調節要素52’又は53’の少なくとも一方に作用的に接続される。感知回路18の上記入力又はエフェクタ電流源29の出力の他方は、容積計アセンブリ80’の他方の電界調節要素53’もしくは52’に対する他方の導電性経路(例えば73又は72)を介して電界調節要素53’もしくは52’に対し、又は、別体電極(例えばA1もしくは15;又は、16もしくはA2)に対して作用的に接続される。ひとつの感知回路の上記入力、又は、ひとつのエフェクタ電流源の出力に対する可能接続法は、AC連結(18及び29)及びDC連結(18’及び29’)回路の両者に対する結果的作用特性と共に、表1に要約されている。表1の第1行乃至第6行に示された如く、感知回路18は概略的に任意の上記電極対の間に接続され得るが、それらの接続の内でモードA乃至Cは低好適性である。
第1タイプの一定の実施方式において、エフェクタ電流の少なくともひとつの電流源29は、種々の電極対への出力291及び292の作用的接続により、粒子懸濁液の少なくとも一部において、電流源17により別体電極15及び16の間に確立された公称電界の局部的強度を能動的に変更すべく機能する。影響を受けた粒子懸濁液の部分は、電流源29の接続に対して選択された電極対に依存する。表1の第7行乃至第12行に示された如く、電流源29は概略的に上述の任意の電極対の間に接続され得るが、これらの接続の内でモードD乃至Fは低好適性である。電流源29のいずれも図14の装置にノイズを導入しないことが重要である。電流源29はいずれも、管路C内における公称電界に対する外乱作用を最小化すべく高い不活性インピーダンスを有するのが好適である。概略的に、電界調節要素52’又は53’に対する(導電性経路72又は73を介した)電流源29の接続は電気化学的アーチファクト(例えば気泡発生)の可能性を生ずるものであり、斯かる接続に基づいて特性表示方法を計画するときにはその影響を考慮せねばならない。電流源29は感知回路18に対して作用的に接続されると共に容積計管路Cを通る特定粒子の通過に応じて発達する信号に応じて起動され得るものであり;斯かる実施方式において使用される感知回路18は、電流源29のその後の作用により導入される一切の大きなアーチファクトを無視し又はそれに対処すべく設計されねばならない。電流源29はまた、例えば手動清浄化用途において必要とされ得る如く、粒子の存在もしくは特性とは無関係にも起動され得る。
概略的に、別体電極と、電界調節要素52’又は53’のいずれかと、の間の感知(又は、電流源29からの電流の通過)を必要とする接続モードは最も好適性が少ない(例えば、表1におけるモードB及びC、又は、E及びF)。
所望の作用特性に従い、別体電極(例えば15、16、A1又はA2)の種々の組合せに対して複数の同時接続を提供し、且つ、容積計アセンブリ80’の電界調節要素に対して導電性経路(例えば72及び/又は73)を提供すべく、複数の感知回路18又は18’(又はエフェクタ電流源29又は29’)も使用され得る。
図15においては、本発明に従う代表的装置において表1で“6”と番号が付された接続モードを提供すべく、6位置/4極セレクタ・スイッチS1が使用される。実際の装置においては斯かる接続を2つ以上提供するのが好適であり得るが、図15の目的は、発明性のある新規性を例証する上で斯かる組合せが必要なことを示唆することではない。寧ろ、図15の目的は、本発明に係る装置により可能となる配置構成の融通性及び用途の多様性を示すことである。実施例10乃至14においては幾つかの好適な接続モードを論ずるが、最初の2つはエフェクタ電流源29を必要としない。
実施例10
もし、第1感知回路18の一方の入力181もしくは182、又は、エフェクタ電流源29の一方の出力291もしくは292が、容積計アセンブリ80’の電界調節要素52’もしくは53’の少なくとも一方に作用的に接続されのであれば、第2感知回路18の入力181及び182は本発明に従い別体電極15及び16に作用的に接続され得る。故に、表1のモード21に対応する別の好適感知実施例において、第1感知回路18の入力181及び182は、導電性経路72及び73を介して容積計アセンブリ80’の電界調節要素52’又は53’へと接続されると共に、第2感知回路18の入力181及び182は15及び16、A1及びA2、15及びA2、又は、A1及び16などの別体電極対に接続される。2個の感知回路は同時に作用すると共に、管路Cを通過する粒子は各感知回路18を介してパルス流を生成する。2つの粒子パルス流の各々は上記の形態の改良コールター装置のひとつを示すことから、同一粒子に関する比較測定が2つの方法により為され得る。各感知回路18が所定周波数帯で応答するという要件は無く、すなわち、電流源17により提供された励起電流に対して感知回路の一方はDC成分に応答すると共に他方はRF成分に応答しても良い。
先行技術においては類似の装置構成が記述されているが、斯かる装置は本発明の電界調節容積計アセンブリ80’を備えるものでない。故に、それは該アセンブリから導かれる上記機能又は商的利点を提供し得ない。
実施例11
検出実施例において、図15の感知回路18の入力181及び182は容積計アセンブリ80’の電界調節要素52’及び別体電極15に対して(導電性経路72を介して)作用的に接続される。この実施例は表1におけるモード3及び図15におけるスイッチS1の位置3に対応する。上記接続に対し、管路Cに接近する粒子は管路Cへの粒子進入の検出を許容する信号を生成し;一方、斯かる信号は粒子の特性表示を許容せず、それは例えば先行タイミング信号(anticipatory timing signal)を提供することにより、パルス流に適用された分析処理を促進する。故に表1のモード23においては、上述の如く接続された第1感知回路18は、入力181及び182が容積計アセンブリ80’の電界調節要素52’及び53’に(導電性経路72及び73を介して)作用的に接続された第2感知回路18により感知されたパルスを最適にサンプリングすべく、サンプリング回路をトリガし得る。
斯かる先行信号は当業界公知であり、該実施例の新規装置はFeier(上記米国特許第4,161,690号)により記述されたものと配置構成が類似している。しかし乍らFeierの装置が備える管路構造は、二重化するのが困難であると共に電界調節特性を提供するものでない。故に、典型的な管路寸法に対し、先行技術構造における機能的管路の同時計測体積は図2のコールター管路10に対するものと実質的に同一であり、すなわち、本発明の管路Cの同時計測体積の約3倍である。更に、先行技術構造においては電界調節要素が無いことから、その管路を通る流体力学的流れは管路Cにおける準層流と比較して準均一であり、容積測定分布において歪みを伴う。最後に、再循環粒子が容積測定精度を更に劣化し得る、と言うのも、それらは出口側領域電界に接近するからである。故に、先行技術装置は本発明により導かれる上記機能又は商的利点を提供しない。
表1のモードAである類似の逆接続は、粒子の退出速度、又は、別体電極に対する電界調節要素53’のポテンシャル(例えば16又はA2、に対する72のそれ)を示す上では有用であり得るが、モード1乃至3より低好適性である。接続モードB及びCにより与えられる信号の合成的性質の故に、これらは感知回路18の可能な6通りの接続の内で最も低好適性である。
本発明の一定の形態においては、電流源29は図14の容器6の区画室6A’及び6B’内に配設された種々の電極対のひとつに作用的に接続されるのが好適であるが、これは別体電極15及び16、補助的別体電極A1及びA2、及び、電界調節要素52’及び53’により形成されるものなどである。第2電流源29は、粒子特性の特定側面又は装置作用に応ずるべく感知回路18の一部と作用的に接続されるのが好適である。
実施例12
好適有効実施例において、図15で一体化容積計アセンブリ80’の管路Cを通過する粒子は上述の如く接続された感知回路18により感知されると共に、それにより提供された信号の特性は、エフェクタ電流源29に対する作用接続を介して該エフェクタ電流源29を起動すべく使用される。電流源29の出力291及び292は媒体M内に浸漬された補助的別体電極A1及びA2に作用的に接続されることにより、機能的管路10’内における公称電界は所望手法で変更もしくは制御される。結果的な実施例は、表1のモード6及び図15におけるスイッチS1の位置6に対応する。容積計アセンブリ50’の管路Cを通過する粒子は、上記の利益及び利点により感知され得る。
実施例のAC連結形態において、電流源29及び補助的別体備極A1及びA2は特定の用途に対して最適化され得る。別体電極A1及びA2に対するパルス電流源29の接続は、励起電流源17及び励起電極15及び16の特性から独立して、電界変更ループにおける優れた動的応答を許容する。更なる改良は容積計アセンブリ80’の2つの機能側面により促進され、操作手順における更なる融通性を許容する。第1に、電界調節要素52’及び53’の小寸サイズは感知回路18により認識される入力容量を減少することにより、感知された粒子特性における動的応答を改良する。第2に、上記電界調節要素の機能により提供される粒子特性表示の改良された分解能及び精度は、電流源29が起動される基準の更に正確な定義を許容する。他の用途の中でも該実施例は、2端子技術(例えば米国特許第4,220,916号)で公知の但し該先行技術装置で例証された動的制限無しで、生体細胞の孔成(porate)、細胞膜破損の決定、又は、細胞脆性の評価に適合され得る。
実施例の代替的形態においては、図15の破線接続により示された如く、DC連結感知回路18’は上述の手法で接続され得ることにより、管路Cの電気抵抗が監視され得ると共に電流源17は感知回路18’からの制御信号に作用応答することになる。故に、表1におけるモード4に依れば、励起電極15及び16間の公称励起電流は所望の手法で制御され得る。もし作用接続が線形フィードバック回路を構成するのであれば、新規な装置の斯かる形態は懸濁媒体Mの抵抗の変化、又は、別の幾何形状(例えば上記米国特許第4,484,134号及び第4,224,567号)の管路Cの代用に対応できる。先行技術による斯かる補償方法の実施方式と対照的に、容積計アセンブリ80’の電界調節要素及び管路Cにより、改良された精度による粒子の容積特性表示が提供され得る。
実施例13
細胞の孔成及び破壊(breakdown)技術の一定の用途は、選択された細胞が受ける電界に対する更に正確な制御を提供し得る上記容積計アセンブリ80’の電界調節要素同士の間の固定関係により利益を獲得し得る。該実施例においては、図15の感知回路18の入力181及び182は別体電極15及び16の間に作用的に接続されると共に、パルス電流源29の出力291及び292は導電性経路72及び73を介して容積計アセンブリ80’の電界調節要素52’及び53’に作用的に接続される。この実施例は図15におけるスイッチS1の位置4により示される表1のモード4のひとつの用法を例証する。
管路Cを通過する粒子の特性は感知回路18により感知されて処理されると共に、電流源29は感知回路18と作用的に接続される。電流源29は例えば弁別機能又はアルゴリズムなどの処理機能の一部に応答すると共に、感知回路18の処理要素により決定されたひとつ以上の細胞特性に従って起動される。一例における粒子は、蛍光染料を含む媒体M中に懸濁された生体細胞であり;感知回路18により決定された選択特性を有すると共に電流源29の応答により孔成された細胞には、それらに対して引き続き行われる公知方法による光学的検出を可能とするに十分な染料が付与される。当業界で公知の如く、適切なパルス電圧は細胞を生存したままとし得る。特性データにおいて提供される改良された容積測定精度に加え、(先行技術における集積管路構造と比較して)大寸である電界調節要素52’及び53’の表面は、電気化学的アーチファクトが立上る以前に大きな孔成電流を可能とし得る。但し、各電界調節要素の表面積は、エフェクタ電流波形の過渡応答が相当に高速であり得る如く、励起電極15及び16よりも十分に小寸である。孔成又は破壊条件の反復性が重要であれば、流体力学的収束流は管路Cを通る懸濁液流を更に局限し得る。
もしパルス電圧が適切に増大されるのであれば、該実施例は比較的に穏やかな孔成では無く電気絶縁破壊(dielectric breakdown)により細胞破壊(cell disruption)を起こすべく使用され得る。
実施例14
上記表1のモード5及び図15のスイッチS1の位置5に対応する好適な清浄化実施例においては、電流源29の出力291及び292は容積計アセンブリ80’における例えば別体電極15などの別体電極、及び、(導電性経路72を介して)電界調節要素52’へと作用的に接続される。電流源29の起動は、該電流源29と感知回路18との間の作用接続を介して提供される、又は、手動手段により提供される、感知回路18からの欠陥パルスデータに応答し得る。例えばF.D.Maynrezに対する米国特許第4,412,175号;B.D.Jamesに対する米国特許第4,450,435号;及び、E.Roos及びWallace H.Coulterに対する米国特許第4,775,833号においては、汚染されたもしくは目詰りした管路に応答した警告信号を導くことによりパルス発生器成形電源29が起動され得る方法が示されている(すなわち、Wallace H.Coulterに対する米国特許第3,983,984号)。該実施例においては、異物が最も蓄積し易い表面に対して清浄化電流が導かれることから、管路Cを清浄化電流が通過すること無く異物蓄積が最大に生じ得る部位にて清浄化作用が生ずる。これは、高密度の電流が管路を通過することから管路を完全に清浄化すること無く管路構造を損傷する可能性が大きい、という先行技術の清浄化方法と対照的である。
上記容積計アセンブリ80’から電界調節要素53’及び導電性経路73が省略されるのであれば、本発明の一定の利益が獲得され得る。
実施例15
図17には2つのコールターウェハW1及びW2を備えた容積計アセンブリ80”が示されており、該ウェハの各々に対しては電界調節カラー52’もしくは53’が固定されると共に、両ウェハは適切な導電性材料の電界調節要素86により分離されている。個々の要素の材料は、当該用途に適切な任意のものとされ得る。概略的に、数個の電界調節カラー52’、86及び53’は同一の導電性材料であるのが好適である。2つのコールターウェハW1及びW2の夫々の軸心方向範囲Lw1及びLw2は等しいことは必要でないが、好適には管路Cの直径Dの0.3倍乃至2.5倍である。夫々のカラー52’及び53’の軸心方向範囲L1及びL2は前述の各実施例と同様に選択されると共に、管路Cの直径Dの1倍乃至4倍であれば好適である。カラー86の軸心方向範囲L3は管路Cの直径Dの1倍乃至2倍であれば好適であるが、タイミング及び他の検討事項はL3が管路直径Dの数倍であることを必要とし得る。
成形進入口62は過酷な用途において有用であり得ると共に、実施例6で論じられた任意の変更を行うことができ;概略的にはLT≧Dである。但し、多くの用途の要求は平坦カラーにより満足され得る(すなわち、53’又は86の形態のカラーが成形進入口カラー52’に対して代用され得る)と共に、この形態は製造の容易性に対して好適である。
上記容積計アセンブリ80”は、実施例4に従って作成された一方のサブアセンブリ(例えば、電界調節カラー52’;コールターウェハW1及びカラー86)と、同様であるがひとつの電界調節カラーが少ない他方のサブアセンブリ(例えば、コールターウェハW2及び電界調節カラー53’)と、の2個のサブアセンブリを接合することにより組み立てられ得る。2個のサブアセンブリにおいてはアンダーサイズの各管路と、組み立ての間においてこれら2つの管路を整列する適切なワイヤとを使用し、完成した容積計アセンブリにおける管路Cを実施例4で記述された如き最終直径Dへと仕上げることにより、実際の作製における多くの困難性は回避され得る。夫々の電界調節カラー52’、86又は53’への導電性経路72、87及び73は、図17に示された如く上記各カラーの外径に対して(例えば導電性塗料又はエポキシにより)接続された小寸の絶縁導線により提供され得るものであり;電気的接続部は、各コールターウェハW1又はW2と各カラーとの間の隅部を適切な(不図示の)絶縁エポキシにより球状溶着することにより絶縁かつ保護され得る。
上述の如き手法にて、実施例4に従い作製された、但し電界調節カラーがひとつだけ少ない(例えば、コールターウェハW1及びカラー86;コールターウェハW2及び及び電界調節カラー53’)という2個のサブアセンブリを組み立ることも可能であることから、低好適性の容積計アセンブリ80”は後者の実施例に関して論じられた制限を以て、同数の電界調節要素及びコールターウェハを備える。
実施例16
別実施例に依れば、実施例8に記述された形式のフローセルには実施例15で記述された付加的感知領域が備えられる。故に、図18においては、実施例8に係る適切なサブアセンブリ(コールターウェハW1及び電界調節カラー52’、又は、同様のW2及び53’対)が、整列ワイヤの助けを借りて管路Cの両開口(すなわち、フローセル65のカラー52’の進入開口及びカラー53’の退出開口)上に位置せしめられ、夫々のサブアセンブリのコールターウェハW1又はW2は容積計アセンブリ50’の電界調節カラー52’もしくは53’に対するものとされる。
故に、図13の構造の外部電界調節カラーは結果的な図18の構造においては内部のものへ変換され、(夫々の導電性経路871及び872を備えた)電界調節カラー861及び862は、(夫々の導電性経路72及び73を備えた)図18の電界調節カラー52’及び53’に対応する。電界調節カラー861及び862の軸心方向範囲は用途の要件に従って選択され得るが、管路Cの直径Dの1倍乃至4倍の範囲が好適である。
上記サブアセンブリ(W1及び52’、又は、W2及び53’)は、夫々の電界調節要素52’もしくは53’に対する導電性経路72及び73を備えるのが好適である。導電性経路72及び73は図14に示された如く小寸絶縁導線から成り得るが、図中に示された誘電要素の表面上に析出された金属領域、すなわち、導電性経路871及び872と類似したものであれば更に好適である。夫々の導電性経路72もしくは73及び電界調節カラー52’及び53’の適切な部分は絶縁すると共に、淀み流の領域を引き起こし易いサブアセンブリの回りの領域を充填することに注意すべきである。導電性経路72及び73及びその絶縁は、一切の流体干渉もしくは光学的干渉を考慮して配置されねばならない。エポキシが硬化したなら、整列ワイヤは除去されると共に複合管路Cは研磨され、管路内の流体力学的円滑性と懸濁媒体Mに対する電界調節カラーの適切な電気接触とが確かなものとされる。この形態において容積計アセンブリ80”’は、電界調節カラー861及び862の間における元のひとつの各側となる、2個の付加的感知領域を備える。上記フローセル65に亙り、コールターウェハWが管路10’と同一の軸心方向範囲Lを有することは必要でない。
他の形態において上記容積計アセンブリは、図14の電界調節カラー861もしくは862のいずれかと、付加されたサブアセンブリの電界調節カラー52’もしくは53’との間に形成された第2感知領域のみを備える。
上述の規約を念頭に置き乍ら図16、図13及び図14を参照すると、本発明に係る装置の第2形式の実施方式においては、電界調節要素(52’;861...もしくは86(n-1);53’)に対して配備された夫々の導電性経路(72;871...もしくは87(n-1);73)を介し、ひとつの感知回路18の少なくとも一方の入力181もしくは182、又は、ひとつのエフェクタ電流源29の少なくとも一方の出力291もしくは292、のいずれかが、ひとつ以上の感知領域を有する容積計アセンブリ80における少なくともひとつの電界調節要素へと作用的に接続される。上記感知回路18の入力又はエフェクタ電流源29の出力の他方のものは、対応した手法により、容積計アセンブリ80の斯かる電界調節要素の任意の他のものに対し、又は、別体電極(例えば、15もしくは16;図15のA1もしくはA2などの補助的別体電極も使用され得るが図16では不図示である)に対し、作用的に接続され得る。これらの概略的説明は、本発明に依り可能となる装置の更なる変形例を示すものである。ひとつの感知回路18の上記入力又はひとつのエフェクタ電流源29の出力に対して可能である接続モードは、本発明に係る単一感知領域に関して表1に要約されており;上記第2形式の実施方式においては、感知回路(18又は18’)又は電流源(29もしくは29’)に対する6通りの可能な接続の任意のものが、容積計アセンブリ80における複数の感知領域の任意のもの対して、上述の如く独立的に為され得る。単一の感知領域を備えた容積計アセンブリと同様に、複数の感知領域を備える容積計アセンブリ80に対する斯かる接続の幾つかは他のものに対して好適である。概略的に、ひとつより多い感知領域を含む任意の電極対の間におけるエフェクタ電流の感知もしくは通過を要する接続モードは低好適性である。また、所望の作用特性に従い各電極を種々に組合せる複数の同時的接続を提供すべく、複数の感知回路18もしくは18’(又は、エフェクタ電流源29もしくは29’)も使用され得る。
図16に示された第2の代表的装置において、容積計アセンブリ80”は実施例15もしくは実施例16において二重の感知領域を有する容積計アセンブリのひとつであり、且つ、第1感知回路18Aの入力181及び182は(導電性経路72及び87を介して)その電界調節要素52’及び86に作用的に接続される。2位置/2極スィッチS2により、容積計アセンブリ80”の電界調節要素86及び53’は、第2感知回路18Bの入力181及び182、又は、エフェクタ電流源29の出力291及び292のいずれかに対して(導電性経路87もしくは73を介して)作用的に接続され得る。
表1.容積計アセンブリ80に対する電気的接続72及び73と、入力181及び182を有する感知回路、又は、出力291及び292を有する電流源との間の接続の例。
第1列は接続のモードを示し;番号が付されたモードは図15のS1の位置に対応する一方、文字が付されたモードは低好適性である。第2及び第3の列は感知回路の入力への接続を示し、第4及び第5の列はエフェクタ電流源の出力への接続を示している。第6及び第7の列は装置の作用特性を示しており、感知回路及びエフェクタ電流源は夫々AC又はDCに連結される。
第1乃至第6行は、エフェクタ電流源の存在無しで、電気的接続72及び73に接続された単一感知回路の可能的接続を示している。第7乃至第12行は、単一エフェクタ電流源に対する可能的接続を示し;単一感知回路に対する代表的接続は好適接続に対して示されている。最後の2行は、ひとつはモード2に従い接続されると共に他方はモード1もしくはモード3に従い接続された2個の感知回路に対する接続を示している。コールター技術の熟練者であれば、他の有用な接続を想起し得よう。
Figure 0004112637
図16の装置において、第2感知領域を囲繞するコールターウェハW2はW1より薄寸であり、例えばL1/D=1.2かつL2/D=0.3である。斯かる短寸管路における不十分な電界進展から予期される如く、パルス振幅は減少される。しかし乍ら、感知回路18A及び18Bにより同等のパルス振幅が提供される如く、減少した信号振幅を補償すべく第2感知回路18Bのゲインが適切に調節されるのであれば、管路Cの第2感知領域は粒子質量の空間的分布に対して幾分か大きく応答し、即ち、パルス特性は粒子の長さもしくは断面積のいずれかに対して更に応答的となる。故に、同一の粒子から2度に亙る順次的なパルス信号を共に獲得すれば純粋な容積測定情報以上のものを提供し、それにより粒子形状に関する有用な識見が獲得され得る。
斯かる手法は、科学的及び商的な意味のいずれにおいても有益である新規な粒子特性表示方法を提供し得る。斯かる手法の一定の形態は上記米国特許第3,793,587号において順次的な別体管路に対して教示されるが、斯かる装置を実施する為に必要な流体的及び相関的な複雑性により実際の開発は妨げられて来た。更に、上記先行技術手法は第2別体管路の直径を第1の管路のものと異なる様に、好適にはそれより小寸とすることを基礎としており、2つの管路を通る異なる流れ体積、及び、流れサブシステムにおける相当の複雑さによる不都合な影響を有していた。本発明の一体化タンデム管路は、所望の装置及び方法の開発及び応用をこれまで妨げていた実施上の上記問題の多くを解決する。実施例15に従って作成された容積計アセンブリ80”は、管路Cにおける各機能的コールター管路に対する広範囲な実用的長さ/直径比率L/Dで設計され得ると共に、コールターウェハを作成する技術の熟練者に公知の改良技術により作成され得る。
実施例18
第2作用モードにおいて、容積計アセンブリ80”は同一の幾何形状を有するコールターウェハW1及びW2を備えると共に、図16におけるスィッチS2は位置2に在ることにより、エフェクタ電流源29は、電界調節要素86及び53’に対する作用接続における感知回路18Bに置き換わる。エフェクタ電流源29は図16に示された如く感知回路18Aの適切な部分に対し、例えば相関もしくはタイミング回路により作用的に接続されている。故に、W1において幾何的管路により画成される感知領域を通過する間にパルスを生成する粒子は、W2において幾何的管路により画成される感知領域にて特定の電界強度に露出され得る。当業界で公知の如く、感知回路18Aからの起動信号は例えば体積もしくは不透明度(opacity)などの所望の粒子特性に依存するものとされ得る。エフェクタ電流源29からの電流波形は、管路CのW2部分を通る粒子の通過時間と比較して時間的に短いパルスであり得る。図16の装置のこの配置構成においては、直接的接続、仮想的接続又は他の作用的接続のいずれによるかに関わらず、導電性経路87をアース準位とするのが有用であり得る。後者の例は、導電性経路87とアース準位との間に接続された大容量の高品位コンデンサである。
本発明の代替的形態において、エフェクタ電流源29は斯かる起動信号に応答するものとされ、電界調節要素86及び53’の間で管路Cを通る電流は、例えば段階モードもしくは連続傾斜モードのいずれかで、所望の手法により公称励起電流以上に増大される。図16の装置のこの配置構成においては、電界調節要素86及びW2のいずれか又は両者を好適最小値よりも軸心方向に長くして時間遅延を提供することにより、例えば過渡現象が衰退するのを許容し、又は、第2感知領域内における電界を修正するに十分な時間をエフェクタ電流源29に許容するのが有用であり得る。
斯かる新規装置の形態は、生体細胞技術で公知の細胞膜衰弱(membrane breakdown)又は細胞脆性を決定すべく使用され得る。これらの手法は臨床的な生物学的問題に関する多くの科学分野において重要であると共に、幾つかは上記米国特許第4,525,666号にて論じられている。しかし乍ら、先行技術装置における順次的別体管路を実施する為に必要とされる上記の流体的及び相関的な複雑性が実用的発展を妨げて来た。本発明の一体化タンデム管路は、所望の装置及び方法の開発及び応用をこれまで妨げて来た実施上の問題の多くを解決する。
先行技術の容積計管路を備えた装置の他の多くの形態が知られている。粒子を感知して特性表示するコールター技術の熟練者であれば、関連出願において記述されたものから適合された、感知回路18、電流源29、及び、容積計アセンブリ80内の電界調節要素に対する電気接続、の多数の別組み合わせを想起し得よう。但し、本発明の概念は十分に限定されると共に、それらの応用性は十分に示され、実際の装置に対するそれらの可能性、融通性及び利点は理解され得るものと確信される。更に、本明細書中に記述された各実施例によればコールター技術における熟練者は本発明の概念を取り入れた実用装置を設計し得ると確信される。
上述した先行技術装置のいずれも、電界調節容積計アセンブリ50’及びその内部の管路Cを備えてない。故に、先行技術装置に対する形状類似性に関わり無く、関連出願に記述された如く本発明の装置は幾多の重要な機能的及び商的利点を提供する。上記容積計アセンブリ50’は米国特許第3,924,180号及び第4,438,390号に記述されたものと類似するかも知れないが、管路Cにより提供される独特の機能特性の故に斯かる先行技術から識別される。同様に、図14、図15及び図16の装置は形状において一定の先行技術に記述された装置と種々に類似するかも知れないが、容積計アセンブリ50’を備える点において斯かる先行技術から区別される。任意の所定先行技術装置の特定の配置構成にも関わらず、関連出願において教示された詳細で重要かつ広範囲な利点を提供するものは無い。
幾多の実施例、及び、それを作製し得る方法の用法を概略的形態でのみ示したが、これには2つの理由がある。第1に、本発明のコールター装置を使用する当業者であれば、本発明の装置を最小限の実験作業により応用し得るはずだからである。第2に、本発明の装置が適合され得る用途及び方法の一定のものは、ひとつもしくは別の理由により本発明の装置の性能を超えるべく、今後において実現されるべきと確信されるからである。
本発明の利点は上記説明により当業者に対して明らかとなるが、説明を補助すべく示された理論はその正確さの度合に関わらず限定的であることを企図していない。
上記説明及び幾つかの実施例から明らかな如く、本発明の電界調節式容積計管路は幾つかの重要な相違点において先行技術の容積計管路と異なる。第1に、上記の新規な容積計管路は、その機能的コールター管路の近傍において該管路と流体的に連続する粒子懸濁液体よりも好適に低い抵抗性の固体電界調節要素を取り入れており;故に、何らか類似して配設された絶縁構造、絶縁構造における液体電極に対する間隙、又は、液体含浸された多孔性媒体を有する先行技術の管路構造は全て、抵抗及び結果的機能に基づいて区別される。第2に、図6乃至図13に関して開示された電界調節要素は懸濁液体との電気的接触を介して励起電極15、16に間接的に電気接続されることから、それらの主要機能を達成する上で外部装置に対する作用的接続を必要とせず;故に、同様に配置された金属製の薄寸電極を取り入れた先行技術の管路構造は、所期機能及び補助装置からの独立性に基づいて区別される。第3に、電界調節要素の軸心方向範囲は、懸濁液体中の外部電界と管路感知領域の内部領域電界との間に所望レベルの分離を最小限に確立し;これらの要素は好適には最小限において機能的コールター管路の実効領域電界と等しい軸心方向範囲を有し、電界に対する作用を最小化すべく意図的に薄寸とされて同様に配置された導電性電極もしくは要素を取り入れた先行技術の管路構造から更に区別される。第4に、上記電界調節管路においては、進入口の電界調節要素の軸心方向範囲は最小値以上に選択的に増大されて準層流の進展を可能とすることにより、粒子パルスと変則的粒子パルスの個数に関する予期可能な制限に関する電界及び流体力学フィールドの作用の独立的な最適化を許容するが;斯かる構造は先行管路技術においては認識されていない。故に、低抵抗であるこれらの電界調節要素は、如何なる形態であれ同様に配置された先行技術の絶縁構造及び電極のいずれからも明確に区別される。粒子分析の技術における熟練者であれば、本発明は伝統的なコールター容積計管路によっては入手され得ない多くの利点を提供し且つ多くの設計選択肢を提供することは明らかであろう。結果的な融通性は、コールター管路によっては実施され得ない粒子特性表示に対するコスト効率的な取り組みを可能とすることにより、粒子特性表示技術の発展を約束する。
本発明の利点は上記説明により当業者に対して明らかとなるが、説明を補助すべく示された理論はその正確さの度合に関わらず限定的であることを企図していない。

Claims (31)

  1. (a)感知して特性表示されるべき粒子の懸濁液体が通過せしめられ得る容積計管路と;(b)上記粒子懸濁液体に上記容積計管路を通過せしめる液体制御システムと;(c)上記容積計管路に亙る励起電流を生成する第1電気回路であって、上記励起電流は、上記励起電流と同時に上記容積計管路を通過する粒子により生成された上記励起電流の変化が測定可能である粒子感知領域を有する電界を上記容積計管路の近傍に確立し得るに有効な、第1電気回路と;(d)上記容積計管路を通る上記励起電流の特性を監視して上記管路を通過する粒子の特性を感知する少なくとも1個の第2電気回路と;を備え、コールターの原理により粒子を感知して特性表示する装置において、
    (i)上記容積計管路は、流体力学的に円滑であり、且つ、実質的に低電気抵抗の非絶縁末端領域の各々への境界にて円滑に連続された高電気抵抗の範囲限定中央領域を有する管路を画成すべく管路長に沿って実効的に変化する電気抵抗を有する固体部材内に形成され、前記非絶縁末端領域の各々は、前記管路部分の前記範囲限定中央領域における直径の0.75倍よりも大きい、管路の長手軸心に沿って測定した長さを有しており、且つ、
    (ii)上記非絶縁末端領域の各々は、(1)上記粒子感知領域を実質的に上記容積計管路の物理的境界内に局限すべく上記電界を成形し、(2)上記感知領域の実質的均一領域を通過する粒子/秒の割合を増大すべく上記感知領域を通る準層流の進展を可能とし、且つ、(3)上記管路を既に通過して再循環軌跡上に在る粒子が上記粒子感知領域に再進入するのを防止すべく独立的に機能する、
    ことを特徴とする、コールターの原理により粒子を感知して特性表示する装置。
  2. 前記固体部材は、一対の低抵抗材料層の間において該低抵抗材料層と連続して配設されたひとつの高電気抵抗材料層を備える三要素構造であり、且つ、
    前記管路は、上記三要素構造を貫通する流体力学的に連続で円滑な管路を形成すべく同一サイズ及び形状とされ且つ流体的に整列されて上記各層内に夫々形成された貫通孔、により形成される、
    ことを特徴とする請求項1記載の装置。
  3. 前記固体部材は、実質的に低電気抵抗の非絶縁末端領域の各々に対して当該範囲限定中央領域の各境界が円滑に連続する高電気抵抗の前記範囲限定中央領域を提供すべく電気的活性不純物が適切に添加された本質的半導体の薄寸片、から成ることを特徴とする、請求項1記載の装置。
  4. 前記固体部材は、中央セラミック要素が実質的に純粋であると共に外側の各セラミック要素は導電セラミックであるかもしくは導電性を高めるべく金属材料により溶浸されたセラミックである3個の相補的で連続的なセラミック要素から成る一体成形アセンブリから成り、且つ、
    前記管路は、流体力学的に円滑な管路を形成すべく同一サイズ及び形状とされ且つ流体的に整列されて上記各セラミック要素内に夫々形成された貫通孔、により形成される、
    ことを特徴とする請求項1記載の装置。
  5. 前記固体部材は、中央要素が実質的に純粋なセラミックから作成されると共に各外側要素は金属材料で作成された3個の相補的で連続的な要素から成る一体成形アセンブリから成り、且つ、
    前記管路は、前記流体力学的に円滑な管路を形成すべく同一サイズ及び形状とされ且つ流体的に整列されて上記各要素内に夫々形成された貫通孔、により形成される、
    ことを特徴とする請求項1記載の装置。
  6. 前記固体部材はフローセルの一体的部分であることを特徴とする、請求項1記載の装置。
  7. 前記管路はその一端において直径が漸進的に変化することにより、粒子懸濁液が該管路に容易に進入し得る漏斗形状の又は丸みを付けられた開口を提供することを特徴とする、請求項1記載の装置。
  8. 前記容積計管路は円形断面を有することを特徴とする、請求項1記載の装置。
  9. 前記容積計管路は矩形断面を有することを特徴とする、請求項1記載の装置。
  10. 前記容積計管路は、(a)誘電材料の薄寸片に形成された貫通孔と、(b)一対の導電カラーに夫々形成された各中央開口とにより画成され、上記中央開口及び上記貫通孔は同一のサイズ及び形状とされ、上記各カラーは上記薄寸片の各側に配設されることによりそれらの夫々の開口及び上記貫通孔は集合的に流体力学的円滑管路を形成する、ことを特徴とする、請求項1記載の装置。
  11. 前記容積計管路は円形断面を有し、且つ、
    前記カラーの各々は円形状であると共に上記容積計管路の直径の約1.5倍乃至10倍の直径を有することを特徴とする、請求項10記載の装置。
  12. 前記カラーの各々は前記薄寸片の厚みの約1倍乃至10倍の厚みを有することを特徴とする、請求項10記載の装置。
  13. 前記カラーの各々は、白金族、金、ニッケル、タングステン、チタン、上記金属の合金、炭化ケイ素、炭化チタン、及び、炭化タングステン、から成る群から選択された材料から成ることを特徴とする、請求項10記載の装置。
  14. 前記各カラーの少なくとも中央開口は、白金族、金、ニッケル、タングステン、チタン、上記金属の合金、炭化ケイ素、炭化チタン、及び、炭化タングステン、から成る群から選択された金属材料でメッキされることを特徴とする、請求項10記載の装置。
  15. 前記カラーの各々は、サファイア、ルビー、アルミナ、石英、ガラス、ベリリア、炭化ケイ素、炭化チタン及び炭化タングステンから成る群から選択された材料から成り、且つ、
    上記各カラーの少なくとも中央開口は、白金族、金、ニッケル、タングステン、チタン、上記金属の合金、炭化ケイ素、炭化チタン、及び、炭化タングステン、から成る群から選択された金属材料でメッキされることを特徴とする、請求項10記載の装置。
  16. ひとつのカラーの材料は他のカラーの材料と異なることを特徴とする、請求項10記載の装置。
  17. 前記カラーの少なくともひとつは前記液体制御システムの構造要素を構成することを特徴とする、請求項10記載の装置。
  18. 前記各カラーは実質的に同一の厚みを有することを特徴とする、請求項10記載の装置。
  19. ひとつのカラーの厚みは他のカラーの材料と異なることを特徴とする、請求項10記載の装置。
  20. 前記薄寸片は、サファイア、ルビー、アルミナ、石英、ガラス、ベリリア及び損失性誘電体から成る群から選択された材料から成ることを特徴とする、請求項10記載の装置。
  21. 前記第2電気回路は、(a)前記管路の前記非絶縁末端領域同士の間、又は、(b)上記非絶縁末端領域のひとつと前記懸濁液体と電気接触する電極との間、のいずれかに作用的に接続されることを特徴とする、請求項1記載の装置。
  22. 前記第1電気回路により前記粒子感知領域内に確立された電界強度とは異なる電界強度を有する電界を前記管路の近傍に確立すべく作用するエフェクタ電流を上記管路に亙り生成すべく機能する第3電気回路により更に特徴付けられる、請求項1記載の装置。
  23. 前記第3電気回路は、(a)前記非絶縁末端領域同士の間、又は、(b)上記非絶縁末端領域のひとつと前記懸濁液体と電気接触する電極との間、のいずれかに接続されることを特徴とする、請求項22記載の装置。
  24. 前記固体部材の電気抵抗は前記管路長に沿って実際に変化して複数の範囲限定された高電気抵抗領域を有する管路を画定し、前記範囲限定領域の各々は粒子感知領域を画定しかつその対向する境界上で実質的に小さな電気抵抗の非絶縁領域に円滑に連続している、請求項1記載の装置。
  25. 前記第2電気回路は、低抵抗の前記非絶縁領域の少なくとも一方と作用的に接続されて、前記少なくともひとつの粒子−感知領域に亙る前記励起電流の特性を監視することにより上記粒子感知−領域を通過する粒子の存在もしくは特性を感知すべく機能することを特徴とする、請求項24記載の装置。
  26. 前記少なくとも2個の第2電気回路は、低抵抗の前記非絶縁領域の順次的対に各々作用的に接続されて、2個の前記粒子感知領域に亙る前記励起電流の特性を監視することにより前記粒子感知領域を通過する粒子の存在もしくは特性を感知すべく機能することを特徴とする、請求項24記載の装置。
  27. 前記第1電気回路により前記粒子感知領域の少なくともひとつの内部に確立された電界強度と異なる電界強度を有する電界を上記粒子感知領域の近傍に確立すべく作用するエフェクタ電流を上記粒子感知領域に亙り生成すべく第3電気回路が機能することを更に特徴とする、請求項24記載の装置。
  28. 前記第3電気回路は前記非絶縁領域の少なくともひとつと作用的に接続されることを特徴とする、請求項27記載の装置。
  29. コールターの原理により粒子を特性表示する装置に使用されるに適した粒子感知用容積計アセンブリであって、
    上記容積計アセンブリは、特性表示されるべき粒子が電流の通過と同時に当該管路を通過可能とし得る流体力学的円滑管路を画成する壁部を有する固体部材を具備し、
    上記電流は、上記粒子の通過を検出可能な粒子感知領域を有する電界を上記管路の近傍に生成すべく作用するものにおいて、
    上記壁部は、実質的に低電気抵抗の非絶縁末端領域に対して当該範囲限定第1領域の各境界の一方にて連続する高電気抵抗の範囲限定第1領域を画成すべく管路長に沿って軸心対称的に変化する電気抵抗を有し、
    上記非絶縁末端領域は、上記管路の長手軸心に沿って測定された長さであって、前記管路部分の前記範囲限定中央領域における直径の0.75倍よりも大きな長さを有し、かつ独立的に(i)上記粒子感知領域の少なくとも一部を上記管路の物理的境界内に実質的に局限すべく上記電界を成形し、且つ、(ii)上記粒子感知領域の実質的に均一な領域を通過する粒子/秒の割合を増大すべく上記粒子感知領域に亙る準層流の進展を可能とし、及び/又は、上記管路を既に通過して再循環軌跡上に在る粒子が上記粒子感知領域に再進入するのを防止する、に十分な長さを有することを特徴とする、粒子感知用容積計アセンブリ。
  30. 前記管路は、(a)誘電材料製の薄寸片内に形成された貫通孔と(b)導電カラー内に形成された中央開口とにより特徴付けられ、
    上記中央開口及び上記貫通孔は同一サイズ及び形状であり、
    上記カラーは上記薄寸片上に配設されて夫々の開口及び上記貫通孔は集合的に流体力学的円滑管路を形成することを特徴とする、請求項29記載の装置。
  31. コールターの原理により粒子を感知して特性表示する方法であって、
    (a)固体材料内に形成された容積計管路を通して、感知して特性表示されるべき粒子の懸濁液体を通過させる段階と、及び
    (b)上記容積計管路に亙る励起電流及び上記管路の近傍における電界を生成する段階であって、
    上記電界は、上記励起電流と同時に上記容積計管路を通過する粒子により生成される上記励起電流の変化が測定される粒子感知領域を有するものにおいて、
    前記固体材料は、実質的に低電気抵抗の非絶縁末端領域に対して当該範囲限定第1領域の各境界の少なくとも一方にて円滑に連続する高電気抵抗の範囲限定中央領域を有する管路を画成すべく管路長に沿って実際に変化する電気抵抗を有し、
    上記末端領域は、上記管路の長手軸心に沿って測定された長さであって、前記管路部分の前記範囲限定中央領域における直径の0.75倍よりも大きな長さを有し、かつ(i)上記粒子感知領域の少なくとも一部を上記管路の物理的境界内に実質的に局限すべく上記電界を成形し、且つ、(ii)上記粒子感知領域の実質的に均一な領域を通過する粒子/秒の割合を増大すべく上記粒子感知領域に亙り準層流を進展するのを可能とし且つ/又は上記管路を既に通過して再循環軌跡上に在る粒子が上記粒子感知領域に再進入するのを防止すべく独立的に機能する、段階と、
    により特徴付けられる、粒子を感知して特性表示する方法。
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