JP4112299B2 - 二重ダンパ装置 - Google Patents

二重ダンパ装置 Download PDF

Info

Publication number
JP4112299B2
JP4112299B2 JP2002216233A JP2002216233A JP4112299B2 JP 4112299 B2 JP4112299 B2 JP 4112299B2 JP 2002216233 A JP2002216233 A JP 2002216233A JP 2002216233 A JP2002216233 A JP 2002216233A JP 4112299 B2 JP4112299 B2 JP 4112299B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
damper member
shaft portion
damper
fluid chamber
casing
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2002216233A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2004060685A (ja
Inventor
信寿 織田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
TOK Bearing Co Ltd
Original Assignee
TOK Bearing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by TOK Bearing Co Ltd filed Critical TOK Bearing Co Ltd
Priority to JP2002216233A priority Critical patent/JP4112299B2/ja
Publication of JP2004060685A publication Critical patent/JP2004060685A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4112299B2 publication Critical patent/JP4112299B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Toilet Supplies (AREA)
  • Fluid-Damping Devices (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、例えばトイレの便座と便蓋との両方の回転トルクを調節するため、複数のダンパ部材を用いる二重ダンパ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
軸部の回転トルクを調節するダンパ装置としては、軸とケーシングの間に弁機構を設けて、その回転方向によってトルクを変化させたものがあった。しかし、ケーシング内に弁機構を設けたものは、その構造が複雑になるとともに、部品点数も加工工数も多く、生産性が悪かった。これに対して、弁機構を持たず、構造が簡単なダンパ装置として、特開2001―349364号に係る発明が知られている。
【0003】
上記構造が簡単な従来のダンパ装置を図11(a)、(b)、(c)に示している。
図に示すように、この従来のダンパ装置は、筒状のケーシング1内に軸部材2を回転自在に組み込んでいる。
軸部材2は、軸部3と、その外周方向に突出した一対の羽部4a、4bとからなる。上記羽部4a、4bは、軸部材2の回転にともなって、ケーシング1の内周面を摺動するようにしている。
また、軸部3には、上記羽部4a、4bのそれぞれの付け根近くで、羽部4a、4bの両側に渡る連通路5a、5bを形成している。
【0004】
一方、ケーシング1内には、内周方向に突出した一対の突起部8a、8bを形成している。この突起部8a、8bは、軸部材2の回転時に、軸部3の外周を摺動するようにしている。
また、上記突起部8a、8bの先端には、ノッチ9a、9bを形成している。
このようにしたダンパ装置では、軸部材2とケーシング1との間が、上記羽部4a、4bおよび上記突起部8a、8bとによって、流体室A〜流体室Dに区画される。これらの流体室A〜流体室Dには、粘性流体を満たしている。
【0005】
次に、軸部材2が、図中の矢印方向に回転する場合を説明する。
ここでは、羽部4aと4b、突起部8aと8bは、それぞれ、対称の位置に有るので、一方の羽部4aの移動について説明する。
【0006】
図11(a)の状態から、軸部材2を矢印方向へ回転させると、羽部4aの回転方向前方の流体室Bが縮小し、高圧になる。一方、羽部4aの後方の流体室Aは拡張する。このとき、流体室Bと流体室Aとは、連通路5aによって連通しているので、上記流体室Bの開口6aから開口7aを介して、上記流体室Aへオイルが流れる。
【0007】
このように、流体室Bから流体室A側へオイルがスムーズに流れれば、軸部材2の回転はスムーズに行われる。
すなわち、軸部材2が矢印方向に回転して、図11(a)→(b)の状態では、連通路5aが、流体室Bと流体室Aとを連通させている。このとき、同様に、流体室Dと流体室Cとを、連通路5bが連通させているので、回転トルクは小さくなる。つまり、軽く回転する。
【0008】
軸部材2の回転がさらに進むと、図11(c)のように、連通路5aの先端側開口6aが、突起部8bで閉鎖される。この状態で、さらに、軸部材2を矢印方向へ回転させると、流体室Bは高圧になり、流体室B内の粘性流体は、ケーシング1と羽部4aとの摺動面から低圧側の流体室Aへ流れるか、突起部8bと軸部3の摺動面から、低圧側の流体室Cへ流れる。このように、摺動面が粘性流体の流路となるので、その流路抵抗が大きくなり、回転トルクは大きくなる。
したがって、図11(c)の状態から、羽部4aが、突起部8bに突き当たるまで、重い状態で回転させることができる。
【0009】
反対に、羽部4aが突起部8bに突き当たった状態から、矢印と反対方向へ逆回転させると、突起部8bで閉鎖されていた開口6aが流体室Bに解放される図11(b)の状態になるまでの間は回転が重く、その後、羽部4aが突起部8aに突き当たるまで軽く回転する。
このようなダンパは、ケーシング内に弁機構を設けなくてもいいので、その構造が簡単になるとともに、部品点数も加工工数も少なくすることができる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
例えば、トイレの便座と便蓋との両方のトルクを調節しようとした場合、便座の回転軸に便座用ダンパ機構を備え、便蓋の回転軸に便蓋用ダンパ機構を備える。そして、上記便座用ダンパ機構を便器の一方の側面に備え、便蓋用ダンパ機構を便器の他方の側面に備えるようにしていた。便器の両側面に便座用ダンパ機構と便蓋用ダンパ機構とを別々に設けていたので、その分場所をとるとともに、これらの設置に手間がかかっていた。
【0011】
そこで、上記便座の回転軸を中空にして、この中空に便蓋の回転軸を挿入するようにして、2つの回転軸を二重にし、これら回転軸の一端側に便座用ダンパ機構と便蓋用ダンパ機構との両方を備えることによって、便器の一方の側面にのみダンパ機構を備えるようにすることが考えられる。
この一方の端部側に2つのダンパ機構を備えたものとして、実用新案登録第2512707号に係る考案がある。しかしこの従来の考案では、便座の回転軸に便座用ダンパ機構と接続する歯車を備え、便蓋の回転軸にも便蓋用ダンパ機構と接続する歯車とを備えている。したがって、これら歯車を備えるようにした分だけ、ダンパ全体が大型になる。
【0012】
また、上記従来の考案のほかにも、上記便座用ダンパ機構と便蓋用ダンパ機構とを軸の一方の端部側に備えたものとして、特開平10−184741号に係る発明が知られている。しかし、この従来の発明では、ケーシング内に弁機構を設けている。したがって、構造が複雑になってしまう。
【0013】
この発明の目的は、例えば便座と便蓋との両方のトルクを調節することができ、しかも、単純な構成で小型化を実現できる二重ダンパ装置を提供することである。
【0014】
【課題を解決するための手段】
第1の発明は、軸部とこの軸部の外周に形成した羽部とからなる第1ダンパ部材と、この第1ダンパ部材の軸部を摺動状態で回動可能に貫通させる中空の軸部とその外周に形成した羽部とからなる第2ダンパ部材とを備え、上記第1ダンパ部材の軸部を第2ダンパ部材の軸部内を貫通させるとともに、両ダンパ部材を同軸上に配置して円筒形のケーシングに相対回転可能に組み込み、上記ケーシングの内周には上記両軸部のそれぞれに摺動する突起部を形成し、上記第1、第2ダンパ部材における羽部とケーシング内周と突起部とが相まって流体室を形成する二重ダンパ装置において、第1ダンパ部材の軸部には、第1ダンパ部材側の隣り合う一方の流体室と他方の流体室とを直接連通可能にする連通路を備えるとともに、上記第1ダンパ部材の軸部の外周と第2ダンパ部材の軸部の内周との間であって、上記第2ダンパ部材の流体室に対応する部分には環状路を形成し、上記第2ダンパ部材の軸部には、第2ダンパ部材で構成される各流体室と上記環状路とを接続可能にした接続路を形成し、第2ダンパ部材の回転過程において上記接続路と環状路とを介して第2ダンパ部材側の隣り合う流体室間を連通可能にすることを特徴とする。
なお、上記ケーシングはひとつの場合であっても複数の場合であってもよい。ケーシングが複数の場合というのは、例えば第2ダンパ部材に対応する部分と、第1ダンパ部材に対応する部分とで分離可能としていることが考えられる。
【0015】
第2の発明は、第1ダンパ部材の軸部は、小径部と、この小径部よりも径の大きい大径部とを備え、この大径部に環状路を形成したことを特徴とする。
【0016】
【発明の実施の形態】
図1〜10は、この発明の実施形態を示したものである。図1に示したように、円筒形のケーシング10はその一端10aを閉塞部11で閉塞し、他端10bを開口している。そして、このケーシング10内に第1ダンパ部材d1と、第2ダンパ部材d2とを回転自在に組み込んで、上記開口した他端10bをキャップ12で閉塞している。
【0017】
上記第1ダンパ部材d1は、軸部13とその外周方向に突出した一対の羽部14a、14bとからなる。上記軸部13は、小径部13aと、この小径部13aよりも径を大きくした大径部13bと、この大径部13bの先端側に形成した先端部13cとからなる。そして、上記軸部13の先端部13cを閉塞部11に形成した凹部11aに挿入し、第1ダンパ部材d1を回転自在に支持している。
上記羽部14a、14bは、第1ダンパ部材d1の回転にともなって、ケーシング10の内周面を摺動するようにしている。
【0018】
図2〜図5は図1のA−A線の断面図で、第1ダンパ部材d1の軸13が回転した場合を示した図である。上記図2〜図5に示したように、ケーシング10内には、内周方向に突出した一対の突起部15a、15bを形成している。この突起部15a、15bは、軸部13の外周を摺動するようにしている。
このようにした第1ダンパ部材d1内では、軸部13とケーシング10との間が、上記羽部14a、14bおよび上記突起部15a、15bとによって、流体室E〜流体室Hに区画される。これらの流体室E〜流体室Hには、粘性流体を満たしている。
【0019】
また、軸部13には、上記羽部14a、14bのそれぞれの付け根近くで、流体室Eと流体室Fとを連通可能にする連通路16aを形成し、流体室Gと流体室Hとを連通可能にする連通路16bを形成している。
さらに、上記連通路16a、16bを形成することによって、軸部13にはそれぞれ一対の開口17a、17bおよび18a、18bが形成される。この一方の開口17aおよび18aの周囲には、羽部14a、14bの付け根まで連続する切り欠き19,20を形成して、その開口を大きくしている。
【0020】
上記のような第1ダンパ部材d1をケーシング10に挿入し、次に、図1に示すように、隔壁21と第2ダンパ部材d2とを挿入する。
上記隔壁21は、図6に示したように、環状である。そして、この環状の隔壁21の内周22が第1ダンパ部材d1の軸部13の外周に接触し、外周23がケーシング10の内周に接触するようにしている。
また、この隔壁21の外周には凹部24a、24bを形成し、この凹部24a、24bにケーシング10の突起部15a、15bがはまるようにしている。このように突起部15a、15bと凹部24a、24bとをはめることによって、この隔壁21の位置決めを簡単におこなうことができる。
【0021】
また、図1に示したように、この隔壁21の軸方向端部をケーシング10に形成された段部10cに当接させて、この隔壁21を支持するようにしている。
さらに、上記隔壁21の内周22に沿って環状の軸受段部22aを形成し、この軸受段部22aで第2ダンパ部材d2の先端部25を回転自在に支持している。
【0022】
上記第2ダンパ部材d2は、軸部26とその外周方向に突出した一対の羽部27a、27bとからなる。この羽部27a、27bは、第2ダンパ部材d2の回転にともなって、ケーシング10の内周面を摺動するようにしている。
また、上記軸部26を中空としていて、この中空の内周26aに第1ダンパ部材d1の軸部13が挿入されるようにしている。言い換えれば、上記第2ダンパ部材d2の内周26aと第1ダンパ部材d1の軸部13の外周とが接触するようにするとともに、これら第1ダンパ部材d1と第2ダンパ部材d2とは、これらの相対回転に伴って摺動するようにしている。
さらに、第1ダンパ部材d1と第2ダンパ部材d2との摺動面に開口する環状路28を、上記第1ダンパ部材d1の軸部13の大径部13bに形成している。
【0023】
図7〜図10は、図1のB−B線の断面図で、第2ダンパ部材d2の軸26が回転した場合を示した図であるが、図示したように、第2ダンパ部材d2内では、軸部26とケーシング10との間が、上記羽部27a、27bおよび突起部15a、15bとによって、流体室I〜流体室Lに区画される。これらの流体室I〜流体室Lには、粘性流体を満たしている。
【0024】
また、軸部26には、羽部27aの付け根近くで、流体室Iと環状路28とを接続する接続路29と、流体室Jと環状路28とを接続する接続路30とを形成している。一方、羽部27bの付け根近くでは、流体室Kと環状路28とを接続する接続路31と、流体室Lと環状路28とを接続する接続路32とを形成している。
また、上記接続路29の開口と、接続路31との開口は、接続路30および接続路32の開口に比べて、その開口面積を大きくしている。
上記接続路29、環状路28、接続路30を介して、隣り合う流体室Iと流体室Jとが連通可能となり、接続路31、環状路28、接続路32を介して、隣り合う流体室Kと流体室Lとが連通可能となる。
【0025】
上記のような構成において、第2ダンパ部材d2の軸部26に便蓋の回動基端部を固定し、第1ダンパ部材d1の軸部13に便座の回動基端部を固定する。
上記便蓋を回動させたとき、第2ダンパ部材d2がケーシング10の内周を回転するが、このとき、この第2ダンパ部材d2は第1ダンパ部材d1に対しても相対回転可能にしているので、第2ダンパ部材d2だけが回転し、第1ダンパ部材d1は回転しない。したがって、便蓋を便座とは別に回動させることができる。
【0026】
以下に、第1ダンパ部材d1と第2ダンパ部材d2との作用を説明する。
いま、上記第1ダンパ部材d1に固定した便座を上げている状態から倒すように回動させる。このとき、上記第1ダンパ部材d1は、図2→図3→図4→図5のように回転する。
この発明でいう回転範囲とは、羽部14aが突起部15aに接触した状態から、もう一方の突起部15bに突き当たるまでの範囲である。
【0027】
上記図2の状態は、羽部14aが突起部15aと接触した状態からわずかに矢印方向へ移動した状態である。上記羽部14aが突起部15aに接触した状態から、軸部13を矢印方向へ回転させると、羽部14aの回転方向前方の流体室Fが縮小し、この流体室Fは高圧になる。一方、羽部14aの後方の流体室Eは拡張し、低圧になる。このとき、流体室Fと流体室Eとは、連通路16aを介して連通している。
したがって、上記流体室Fから流体室Eへオイルが流れる。
【0028】
このように、流体室Fから流体室E側へオイルがスムーズに流れれば、軸部13がスムーズに回転する。
すなわち、軸部13が図2→図3の状態では、連通路16aが、流体室Fと流体室Eとを連通させている。このとき、同様に、流体室Hと流体室Gとが、連通路16bを介して連通する。したがって、第1ダンパ部材d1の回転トルクは小さくなる。つまり、軽く回転する。
【0029】
これに対し、軸部13の回転がさらに進むと、図4のように、連通路16aの開口17bが、突起部15bで閉鎖される。この状態で、さらに、軸部13を矢印方向へ回転させると、流体室F内の粘性流体は、ケーシング10と羽部14aとの摺動面から流体室Eへ流れるか、突起部15bと軸部13の摺動面から流体室Eへ流れる。このように、摺動面が粘性流体の流路となるので、その流路抵抗が大きくなり、回転トルクは大きくなる。
【0030】
したがって、図4の状態から、羽部14aが、突起部15bに突き当たる図5まで、重い状態で回転させることができる。
なお、上記連通路16aが上記突起部15bで閉鎖される過程で、その開口面積が徐々に減少するので、それにともなってトルクも徐々に大きくなる。
つまり、このダンパ装置は、図2の状態から矢印方向に軸部材2を回転させた場合には、初めは軽く、終点近くでは徐々にその回転が重くなるダンパである。
したがって、上記第1ダンパ部材d1に接続した便座は、始めは軽くすーっと降りるが、それが徐々にゆっくりになり最後にはそっと便器に接触する
【0031】
反対に、羽部14aが、突起部15bにつき当たった状態から、矢印と反対方向へ逆回転させると、図3のように、突起部15bで閉鎖されていた開口17bが流体室Fに解放される。この図3の状態になるまでの間は、回転が重く、その後、羽部14aが、突起部15aに突き当たるまで、軽く回転する。
なお、上記羽部14aが、突起部15aに突き当たった状態では、切り欠き19が流体室Hに開口しているので、連通路16aは、遮断されることはない。これにより、回転の始点か終点のどちらか一方に近づいた時にのみ、回転トルクを大きくするようにできる。
【0032】
次に、上記第2ダンパ部材d2に固定した便蓋が空いている状態から閉めるように回動させた場合について説明する。このとき、上記第2ダンパ部材d2は、図7→図8→図9→図10のように回転する。
【0033】
上記図7の状態は、羽部27aが突起部15aと接触した状態からわずかに矢印方向へ移動した状態である。上記羽部27aが突起部15aに接触した状態から、軸部26を矢印方向へ回転させると、羽部27aの回転方向前方の流体室Jが縮小し、この流体室Jは高圧になる。一方、羽部27aの後方の流体室Iは拡張し、低圧になる。このとき、流体室Jと流体室Iとは、接続路29、環状路28、接続路30によって連通している。
したがって、上記流体室Jから流体室Iへ粘性流体が流れる。
【0034】
このように、流体室Jから流体室I側へ粘性流体がスムーズに流れれば、軸部26がスムーズに回転する。
すなわち、軸部26が矢印方向に回転して、図7→図8の状態では、接続路29、環状路28、接続路30が、流体室Jと流体室Iとを連通させている。このとき、同様に、流体室Kと流体室Lとが、接続路31、環状路28、接続路32を介して連通する。したがって、第2ダンパ部材d2の回転トルクは小さくなる。つまり、軽く回転する。
【0035】
これに対し、軸部26の回転がさらに進むと、図9のように、接続路30が、突起部15bで閉鎖される。この状態で、さらに、軸部26を矢印方向へ回転させると、流体室J内の粘性流体は、ケーシング10と羽部27aとの摺動面から低圧側の流体室Iへ流れるか、突起部15bと軸部26の摺動面から流体室Iへ流れる。このように、摺動面が粘性流体の流路となるので、その流路抵抗が大きくなり、回転トルクは大きくなる。
【0036】
したがって、図9の状態から、羽部27aが、突起部15bに突き当たる図10まで、重い状態で回転させることができる。
したがって、便蓋を閉めたとき、始めは軽くすーっと閉まるが、それが徐々にゆっくりになり最後にはそっと上記便蓋が閉まるようになる。
【0037】
反対に、羽部27aが突起部15bにつき当たった状態から、矢印と反対方向へ逆回転させた場合には、上記第1ダンパ部材d1と同様に、図8の状態になるまでの間は回転が重く、その後、羽部27aが突起部15aに突き当たるまで軽く回転する。
また、上記羽部27aが突起部15aに突き当たった状態において、接続路29の開口面積を大きくしているので、この接続路29が流体室Lに開口し、これが遮断されることがない。これにより、上記第1ダンパ部材d1と同様に、回転の始点か終点のどちらか一方に近づいた時にのみ、回転トルクを大きくするようにできる。
【0038】
上記のような実施形態では、弁機構を備えていない簡単な構成の第1ダンパ部材d1と第2ダンパ部材d2とを、軸部を二重にして同一のケーシング10内に組み込むことができる。したがって、このケーシング10のみを便器に設置するだけで、便蓋と便座との両方のトルクを調節することができる。ケーシング10のみの設置でいいので、複数の設置をしていた従来に比べて、設置の手間を省くことができる。
また、第2ダンパ部材d2の内側に第1ダンパ部材d1を挿入しているので、ダンパ装置全体を小型化することができとともに、弁機構を備えていない第2ダンパ部材d2と第1ダンパ部材d1とを用いることができるので、その構造も複雑にならない。
【0039】
さらに、第1ダンパ部材d1の軸部13の外周第2ダンパ部材d2の軸部26の内周との間であって、第2ダンパ部材d2の流体室I,J,K,Lに対応する部分に環状路28を設けることとしたので、第2ダンパ部材d2の隣り合う流体室Iと流体室J、流体室Kと流体室Lを連通可能にすることができる。
また、この環状路28を設けることによって、軸部13を細くすることなく、上記流体室同士を連通することができる。もし、上記環状路28を設けることなく、第2ダンパ部材d2の流体室同士を連通させようとして、この第2ダンパ部材d2に第1ダンパ部材d1の軸部13に形成したような連通路を設けたとすれば、この連通路を確保するためにどうしても軸部13を細くしなければならない。軸部13を細くすれば、その分、軸部13の強度が低下するという不都合が生じる。
しかし、この実施形態では、環状路28を介して流体室同士を連通させるようにしたので、軸部13を細くしなくてもよい。
さらに、上記環状路28を軸部13の大径部13bに形成しているので、径の小さい小径部13aに形成するよりも、軸部13の強度を維持することができる。
【0040】
なお、上記環状路28を第1ダンパ部材d1の軸部13ではなく、第2ダンパ部材d2の軸部26の内周26aに設けてもよい。すなわち、上記第1ダンパ部材d1と第2ダンパ部材d2の間であれば、この第1ダンパ部材d1あるいは第2ダンパ部材d2のどちらに設けてもよい。
ただし、この実施形態のように第1ダンパ部材d1の軸部13に設けるようにした方が、その加工が容易である。
【0041】
また、隔壁21は、ケーシング10とは別部材としているが、この隔壁21とケーシング10とを同一部材としてもよい。ただし、上記隔壁21をケーシング10と同一部材とした場合には、第1ダンパ部材d1をケーシング10の一方から挿入し、第2ダンパ部材d2を他方から挿入しなければならない。したがって、組立に手間がかかる。これに比べて、隔壁21をケーシング10とは別部材とすることによって、上記第1ダンパ部材d1、隔壁21、第2ダンパ部材d2をケーシング10の一方の方向からすべて挿入し組み立てることができるので、この組立を簡便にすることができる。
【0042】
また、上記ケーシング10は、第1ダンパ部材d1に対応する第1ケーシングと第2ダンパ部材d2に対応する第2ケーシングとが別々になっていてもよい。ケーシング10が別々になっている場合として、例えば、上記隔壁21の接続部分を境に、ケーシング10が分離可能となっていることが考えられる。
さらに、上記実施形態では、第1ダンパ部材d1に対して第2ダンパ部材d2をひとつだけ設けるようにしているが、この第2ダンパ部材が2つ以上あってもよい。その場合には、上記第2ダンパ部材d2の外周側に設けることができる。
【0043】
【発明の効果】
第1の発明によれば、第2ダンパ部材の軸部の内側に第1ダンパ部材の軸部を挿入し、第1ダンパ部材の軸部の外周と第2ダンパ部材の軸部の内周間に環状路を形成し、第2ダンパ部材は、上記環状路を介して、隣り合う一方の流体室と他方の流体室とを接続可能にしたので、上記第1ダンパ部材の軸部を小さくすることなく、第1ダンパ部材の軸部第2ダンパ部材の軸部とを積層することができる。
このように第1ダンパ部材の軸部第2ダンパ部材の軸部とを同心円上に積層することができるので、装置全体を小型にすることができる。
さらに、ダンパ部材としては、弁機構を使用していないものを用いることができるので、その構造が複雑となることがない。
【0044】
第2の発明によれば、第1ダンパ部材の軸部の大径部に環状路を形成することとしたので、径の小さい軸部に環状路を形成する場合に比べて、この軸の強度を維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施形態の一部断面図である。
【図2】 図1のA−A線の断面図である。
【図3】 図1のA−A線の断面図である。
【図4】 図1のA−A線の断面図である。
【図5】 図1のA−A線の断面図である。
【図6】 隔壁の正面図である。
【図7】 図1のB−B線の断面図である。
【図8】 図1のB−B線の断面図である。
【図9】 図1のB−B線の断面図である。
【図10】 図1のB−B線の断面図である。
【図11】 (a)〜(c)は従来の断面図である。
【符号の説明】
d1 第1ダンパ部材
d2 第2ダンパ部材
10 ケーシング
13 軸部
13a 小径部
13b 大径部
14a 羽部
14b 羽部
15a 突起部
15b 突起部
16a 連通路
16b 連通路
26 軸部
27a 羽部
27b 羽部
28 環状路
29 接続路
30 接続路
31 接続路
32 接続路
E〜H 流体室
I〜L 流体室

Claims (2)

  1. 軸部とこの軸部の外周に形成した羽部とからなる第1ダンパ部材と、この第1ダンパ部材の軸部を摺動状態で回動可能に貫通させる中空の軸部とその外周に形成した羽部とからなる第2ダンパ部材とを備え、上記第1ダンパ部材の軸部を第2ダンパ部材の軸部内を貫通させるとともに、両ダンパ部材を同軸上に配置して円筒形のケーシングに相対回転可能に組み込み、上記ケーシングの内周には上記両軸部のそれぞれに摺動する突起部を形成し、上記第1、第2ダンパ部材における羽部とケーシング内周と突起部とが相まって流体室を形成する二重ダンパ装置において、第1ダンパ部材の軸部には、第1ダンパ部材側の隣り合う一方の流体室と他方の流体室とを直接連通可能にする連通路を備えるとともに、上記第1ダンパ部材の軸部の外周と第2ダンパ部材の軸部の内周との間であって、上記第2ダンパ部材の流体室に対応する部分には環状路を形成し、上記第2ダンパ部材の軸部には、第2ダンパ部材で構成される各流体室と上記環状路とを接続可能にした接続路を形成し、第2ダンパ部材の回転過程において上記接続路と環状路とを介して第2ダンパ部材側の隣り合う流体室間を連通可能にする二重ダンパ装置。
  2. 第1ダンパ部材の軸部は、小径部と、この小径部よりも径の大きい大径部とを備え、この大径部に環状路を形成した請求項1記載の二重ダンパ装置。
JP2002216233A 2002-07-25 2002-07-25 二重ダンパ装置 Expired - Fee Related JP4112299B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002216233A JP4112299B2 (ja) 2002-07-25 2002-07-25 二重ダンパ装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002216233A JP4112299B2 (ja) 2002-07-25 2002-07-25 二重ダンパ装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2004060685A JP2004060685A (ja) 2004-02-26
JP4112299B2 true JP4112299B2 (ja) 2008-07-02

Family

ID=31938043

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002216233A Expired - Fee Related JP4112299B2 (ja) 2002-07-25 2002-07-25 二重ダンパ装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4112299B2 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100604491B1 (ko) 2004-12-22 2006-07-25 최환희 볼트와 너트를 이용한 양변기 시트 결합부 제동구조
JP4982449B2 (ja) * 2008-08-25 2012-07-25 株式会社ソミック石川 ロータリーダンパ
CN102578952B (zh) * 2012-03-21 2014-04-23 厦门豪帝卫浴工业有限公司 一种阻尼可调的旋转缓冲器
JP6487707B2 (ja) * 2015-02-13 2019-03-20 日本電産サンキョー株式会社 流体ダンパ装置およびダンパ付き機器
TWI668126B (zh) * 2018-08-02 2019-08-11 三勝文具廠股份有限公司 印章的覆蓋組件

Also Published As

Publication number Publication date
JP2004060685A (ja) 2004-02-26

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4753465B2 (ja) ダンパとその製造方法
JP4112299B2 (ja) 二重ダンパ装置
JP2007519864A (ja) 移動自在なシフトフォーク部及びアクチュエータからなる変速装置
BR102013004978A2 (pt) Mecanismos de acionamento para um conjunto de vaso sanitário e de acionamento para um vaso sanitário
WO2004013514A1 (ja) ダンパー装置
JP4350720B2 (ja) ダンパ装置
JP4714083B2 (ja) 回転ダンパの弁機構
JP5046798B2 (ja) 回転リフト式電動弁
JP3053583B2 (ja) 二連式回転ダンパ
WO2011135951A1 (ja) 回転ダンパ
JP4750934B2 (ja) アクチュエータ
JP2005188636A (ja) ロータリーダンパ
JP2004190850A (ja) バルブ用アクチュエータ
JP3543940B2 (ja) 回転ダンパ
JP3083400B2 (ja) 油圧式回転減速装置
WO2011039922A1 (ja) 回転ダンパ
CN109720173B (zh) 具有球型出风口的汽车空调风门控制结构及控制方法
JP2015227719A (ja) 簡易自立機構
JP2647811B2 (ja) 回転減速装置
JP2016078667A (ja) 丸型空調用レジスタ
CN109955678B (zh) 空调出风口气流调节机构
RU2004134487A (ru) Запорно-регулирующий клапан
CN109955682B (zh) 空调出风口气路控制机构
JP2005098441A (ja) ダンピング装置
JP4487586B2 (ja) 車両用空気吹出口ユニット

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050725

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20071130

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20071211

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080130

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080130

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20080311

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20080409

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110418

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110418

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120418

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130418

Year of fee payment: 5

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees