JP4111646B2 - 物品の選別装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば蜜柑、林檎、柿、梨、桃、メロン等の果菜物や、農作物、魚介類等の物品を、周回経路で搬送される搬送体に載せて、物品の性状等に応じて選別する選別装置及びその選別方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、物品の選別装置として例えば、特公昭59−5029号公報に記載された選別装置が知られている。この選別装置は、選別する際に物品である果菜物が傷むのを防止するため、果菜物を載せるトレイ型の搬送体を搬送コンベアに対してフリーにして果菜物を搬送体ごと選別するもので、いわゆるフリートレイ式コンベアといわれる。
【0003】
この搬送装置は、果菜物の重量によって選別を行なうため、搬送体に付設した磁気記録媒体に果菜物の重量に関する信号を記録し、この記録内容に応じて果菜物を搬送体ごと選別するように構成されている。
【0004】
ところで、近年消費者の多様化するニーズにより物品の選別は、複数の項目でさらに細かく選別されるようになっている。このように選別項目が多くなると、選別情報、選別処理が増加するため、前記公報の選別装置のように、単に搬送体に物品の情報のみを記録していたのでは、どの搬送体にどのような物品が載っているのか明確にならず、適切な選別が行なえないといった問題があった。
【0005】
そこで、特許第2763177号公報では、各搬送体に搬送体の固有情報を電波で発信する手段を設けて、物品の選別情報を搬送体の固有情報に対応させて他の記憶手段に記憶し、選別作業の際に搬送体の固有情報を読み取って、物品の選別情報を記憶手段から読み出して選別する選別装置が提案されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
確かに、特許第2763177号公報の選別装置によると、搬送体自体は単に搬送体の固有情報を持つだけで、物品の選別情報が搬送体以外の記憶手段に記憶されるため、数多くの選別項目で物品を選別することが可能となる。
【0007】
しかし、この搬送体に付与される固有情報は常に一定であるため、例えば、前回搬送した物品の情報がそのまま外部の記憶手段に残存して、今回搬送する物品の情報が何らかの不具合で記憶手段に送信されなかった場合には、物品の選別情報が更新されず、前回の物品の選別情報で今回の物品が選別されることになってしまい選別が適切に行なえないという問題があった。
【0008】
本発明は、以上のような問題点に鑑み発明されたもので、搬送体によって物品の選別を行なう選別装置において、搬送体に個々の識別情報を与えつつ、前回の選別情報が今回の選別に悪影響を与える恐れがない選別装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1記載の発明は、周回経路が設定された搬送コンベアにより個々に搬送される複数の搬送体に、各々物品を載せて物品の選別を行なう物品の選別装置において、前記搬送体に付設した、所定情報が読み書き可能な情報記録媒体と、物品の選別工程前に、前記情報記録媒体に対して搬送体の個別情報を書き込む個別情報書込み手段と、物品の選別工程時に、前記個別情報に対応させた物品の選別情報に基づき搬送体を振り分ける振分け手段と、前記情報記録媒体が不良であるか適正であるかを判定する情報記録媒体判定手段と、前記情報記録媒体判定手段により不良と判定された前記情報記録媒体付きの搬送体のみを前記周回経路から排出部へ排出する排出手段とを備えた物品の選別装置であることを特徴とする。
【0010】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の物品の選別装置において、物品の選別工程前に、物品の所定項目を計測し、前記情報記録媒体に物品の選別情報を書き込む選別情報書込み手段を備えたものである。
【0011】
請求項3記載の発明は、請求項2記載の物品の選別装置において、物品の計測工程時に、前記情報記録媒体から搬送体の個別情報を読み出し、該個別情報に基づき物品の所定項目を計測して物品の選別情報を算出する計測制御手段と、物品の選別工程時に、前記情報記録媒体から物品の選別情報を読み出し、該選別情報に基づき搬送体の選別処理を行なう選別制御手段とを備えたものである。
【0012】
請求項4記載の発明は、請求項1、2または3記載の物品の選別装置において、物品の計測工程前に、前記情報記録媒体に対して物品の特定情報を書き込む特定情報書込み手段を備えたものである。
【0013】
請求項5記載の発明は、請求項4記載の物品の選別装置において、前記特定情報が物品の生産者情報であるものである。
【0014】
請求項6記載の発明は、請求項4記載の物品の選別装置において、前記特定情報が物品の品種情報であるものである。
【0015】
【発明の作用及び効果】
請求項1記載の物品の搬送装置によると、周回経路が設定された搬送コンベアにより個々に搬送される複数の搬送体に所定情報が読み書き可能な情報記録媒体を付設し、物品の選別工程前に、前記情報記録媒体に対して搬送体の個別情報を書き込む個別情報書込み手段と、物品の選別工程時に、前記個別情報に対応させた物品の選別情報に基づき搬送体を振り分ける振分け手段とを備えたことにより、搬送体の識別情報である搬送体の個別情報が物品を一回搬送するごとに書き換えられるため、前回の物品の選別情報が今回の物品の選別に悪影響を及ぼすことなく、確実に物品の選別を行なうことができる。また、物品の選別工程後に、前記情報記録媒体に書き込まれた情報を消去する情報消去手段を備えたことにより、一回一回の選別で書込まれた情報が消され、確実に前回の情報が今回の選別に悪影響を及ぼす恐れをなくすことができる。また、情報記録媒体が不良であるか適正であるかを情報記録媒体判定手段で判定することにより、不良と判定された情報記録媒体付きの搬送体のみを、排出手段により周回経路から排出部へ排出することができる。
【0016】
請求項2記載の物品の搬送装置によると、物品の選別工程前に、物品の所定項目を計測し、前記情報記録媒体に物品の選別情報を書き込む選別情報書込み手段を備えたことにより、物品の選別情報が外部の記憶手段に記憶されることなく、搬送体の情報記録媒体自体に記録させることになる。よって、外部の記憶手段の記憶容量を大きくしなくても、選別項目を増やしたり、同時に搬送選別させる物品を増やしたりすることができる。
【0017】
請求項3記載の物品の搬送装置によると、物品の計測工程時に、前記情報記録媒体から搬送体の個別情報を読み出し、該個別情報に基づき物品の所定項目を計測して物品の選別情報を算出する計測制御手段と、物品の選別工程時に、前記情報記録媒体から物品の選別情報を読み出し、該選別情報に基づき搬送体の選別処理を行なう選別制御手段とを備えたことにより、計測工程と選別工程とでそれぞれ搬送体の個別情報と物品の選別情報といった異なる情報により処理がなされるため、計測時には搬送体ごとの確実な処理を行なえ、選別時には迅速な処理を行なうことができる。
【0018】
請求項4記載の物品の搬送装置によると、物品の計測工程前に、搬送体の情報記録媒体に対して物品の特定情報を書き込む特定情報書込み手段を備えたことにより、物品の計測前に搬送体の情報記録媒体に物品の特定情報が書込まれることになる。よって、予め搬送体に物品の特定情報が付与されているため、例えば計測後に得られる物品の選別情報を特定情報と一致させて記憶することができる。このため、物品の特定情報による選別情報等の集計処理を容易に行なうことができる。
【0019】
請求項5記載の物品の搬送装置によると、特定情報が物品の生産者情報であることにより、例えば物品の情報の集計処理を行なう場合に生産者ごとの選別情報の集計を容易に行なうことができる。
【0020】
請求項6記載の物品の搬送装置によると、前記特定情報が物品の品種情報であることにより、例えば物品の情報の集計処理を行なう場合に品種ごとの選別情報の集計を容易に行なうことができる。
【0021】
【実施例】
本発明の実施例を以下図面に基づいて詳述する。図1が選別装置の全体平面図、図2が選別装置で用いられる搬送体の斜視図、図3が選別装置のシステムブロック図である。
【0022】
図1に示すように選別装置は、ベルトコンベア、ローラコンベヤ等により複数の周回経路が設定された搬送コンベアTと、その搬送コンベアTで個々に搬送される複数の搬送体1とを備えている。
【0023】
このうち、搬送コンベアTは、搬送体1に果菜物Wを載せる供給搬送区間T1と、果菜物Wの等階級や糖酸度等の計測を行ない果菜物Wの選別情報を得る計測搬送区間T2と、果菜物Wの選別情報に基づき搬送体1を選別する選別搬送区間T3と、搬送体から果菜物を取り上げ果菜物を箱詰めする箱詰搬送区間T4と、果菜物が取り上げられ空となった搬送体1を供給搬送区間T1に送り返す回収搬送区間T5とにより周回経路を構成している。
【0024】
さらに、搬送コンベアTには、周回経路から不良な搬送体1aを外部に排出するため、供給搬送区間と計測搬送区間の間に第一排出部T6が設けられ、また、回収搬送区間T5の後端に第二排出部T7が設けられている。
【0025】
図2に果菜物Wを供給した状態の搬送体1を示す。略正方形のトレイ状の搬送体1には、上面に果菜物Wを載置する凹設された載置部2が形成され、その載置部2の周囲4箇所には、果菜物を把持する爪部3が設けられている。
【0026】
この搬送体1の側面には、後述するように様々な情報を記録する書き換え可能なデータキャリア(情報記録媒体)4が、2本のビス5で固定されている。
【0027】
このデータキャリア4に対向する搬送コンベアTの側方位置には、データキャリア4に対して情報を書込み、読取り、または初期化を行なうIDヘッド10が設けられている。このIDヘッド10の後面には他の装置と情報のやり取りを行なうケーブル11が設けられている。
【0028】
このIDヘッドは、図1に示すように、搬送コンベアTの周回経路に複数設置されている。
【0029】
まず、供給搬送区間T1と計測搬送区間T2との間の第一排出装置20の側方に第1IDヘッド10Aが設置され、計測搬送区間T2の第一画像認識装置21の側方に第2IDヘッド10B、第二画像認識装置22の側方に第3IDヘッド10C、糖酸度測定装置23の側方に第4IDヘッド10D、さらに選別情報書込み位置24の側方に第5IDヘッド10Eが、それぞれ設置されている。
【0030】
また、選別搬送区間T3の階級振分装置25の側方に第6IDヘッド10F、等級振分装置26の側方に第7IDヘッド10Gが設置され、回収搬送区間T5後端の第二排出装置27の側方に第8IDヘッド10Hが、それぞれ設置されている。
【0031】
そして、供給搬送区間T1の側方には、選別前から予め分かっている果菜物等の特定情報を入力するキーボード12、バーコードリーダー13が設けられている。
【0032】
なお、供給搬送区間T1の前段には、回収される搬送体1を供給搬送区間T1内に果菜物Wを載せやすいように均等に振り分ける搬送体振分装置28が設けられている。また、箱詰搬送区間T4の後段には、果菜物Wを搬送体1から取り上げて、箱に箱詰めをする箱詰め装置29と、果菜物Wが取り除かれて空となった搬送体1を1列に整列して回収搬送区間T5に送り出す搬送体整列装置30が設けられている。
【0033】
図3のシステムブロック図で搬送装置のシステム構成を説明すると、まずメインCPU31には、入力ポートにキーボード12、バーコードリーダー13、第一画像認識装置21、第二画像認識装置22、糖酸度測定装置23、第1〜第5IDヘッド(キャリアNo読取装置)10A〜10E、載置判定装置32が接続されて、出力ポートに第1IDヘッド(書込み装置)10A、第一排出装置20、第5IDヘッド(書込み装置)10E、表示装置32が接続されている。
【0034】
このようにしてメインCPU31では、搬送体の初期化されたデータキャリア4にキーボード12やバーコードリーダー13により、搬送体の個別情報であるキャリアNoや、選別前から予め分かっている特定情報である生産者No、品種No、及びその他データを予め書込み、その後第一画像認識装置21、第二画像認識装置22、糖酸度測定装置23等により測定されたデータから、判定される果菜物Wの選別情報である階級No、等級No、糖酸Noを搬送途中に書込むようにデータ処理がなされる。
【0035】
さらに、この果菜物の特定情報と選別情報は、集計されて表示装置33によって可視的に表示される。
【0036】
サブCPUである階級振分CPU34には、入力ポートに第6IDヘッド(階級No読取装置)10Fが接続され、出力ポートに階級振分装置25が接続されている。
【0037】
こうして、階級振分CPU34では、データキャリア4に書込まれた階級Noを読取ることにより、搬送体1を直接振り分けられるようにデータ処理がなされる。
【0038】
さらに、サブCPUである等級振分CPU35には、入力ポートに第7IDヘッド(等級No読取装置)10Gが接続され、出力ポートに等級振分装置26が接続されている。
【0039】
こうして、等級振分CPU35でも、データキャリア4に書込まれた等級Noを読取ることにより、搬送体1を直接振り分けられるようにデータ処理がなされる。
【0040】
また、サブCPUである初期化CPU36には、入力ポートに第8IDヘッド(ID情報読取装置)10Hが接続され、出力ポートに第二排出装置27と第8IDヘッド(消去装置)10Hが接続されている。
【0041】
この初期化CPU36では、データキャリア4の故障など不良の生じた搬送体1aを判定して、不良と判定した搬送体1aを第二排出部T7から外部に排出する。そして、適正と判断された搬送体1では、データキャリア4に書込まれた情報を消去して初期値となるようにデータ処理がなされる。
【0042】
こうしてデータ処理がなされるメインCPU31とその他のサブCPU34,35,36は、それぞれ関連する情報のやり取りを行なえるようにケーブルによって接続され、ネットワークを構成している。
【0043】
以上のように構成された搬送装置の制御方法について、図4の搬送体の搬送経路に基づく制御フローにより説明する。
【0044】
まずF1で、果菜物Wの選別前から予め分かっている特定情報である、生産者No、品種データ、及び目視によって認識できるその他のデータ等を、果菜物Wを搬送体1に供給する供給搬送区間T1で、作業者がキーボード12、バーコードリーダー13により入力し、メインCPU31内に果菜物Wの評価入力のデータを取り込む。この作業は果菜物を搬送体に載せるとほぼ同時に行なわれる。
【0045】
次にF2で、搬送体1のデータキャリア4を第1IDヘッド10Aで読取り、不良か適正かを判定し、データキャリア4の不良が判定されるとその搬送体1aを第1排出装置20により第一排出部T6に排出する。また載置判定装置32で果菜物Wの有無を判定し、果菜物Wの無しが判定されても、その搬送体1aを第1排出装置20により第一排出部T6に排出する。
【0046】
以上の作業と同時にF3では、適正なデータキャリア4に対して、第1IDヘッド10AによりキャリアNo、生産者No、品種Noが書込まれる。
【0047】
次に、計測搬送区間T2に搬送体1を搬送すると、F4で第2IDヘッド10Bによりデータキャリア4に書込まれたキャリアNo、生産者No、品種Noを読取り、第一画像認識装置21により果菜物Wの上面の画像をメインCPU31内に取込む。
【0048】
次に、F5で第3IDヘッド10Cによりデータキャリア4のキャリアNoを読取り、第二画像認識装置22により果菜物Wの下面の画像をメインCPU31内に取込む。
【0049】
さらに、F6で第4IDヘッド10Eによりデータキャリア4のキャリアNoを読取り、糖酸度測定装置23により果菜物Wの糖酸度データをメインCPU31内に取込む。
【0050】
こうしてF4〜F6で取込んだデータから、搬送体のキャリアNoが一致したデータを集め、同一の搬送体に載った果菜物の情報を集める。そして、F7で搬送体1に供給された果菜物Wの階級(例えば3L、2L、L、M、S、2S、3S等)、等級(例えば秀、優、良、並、不可等)、糖酸度(例えば甘み、酸味等)を、規定値と比較演算することにより、果菜物Wの選別情報として判定する。
【0051】
この判定された果菜物Wの選別情報は、メインCPU31内の記憶手段(図示せず)にF1で取込んだデータとキャリアNoを一致させた上で、共に集計処理され記憶される。この集計結果は表示手段33により表示される。
【0052】
搬送体1を選別情報書込み位置24に搬送すると、F8でデータキャリア4に果菜物Wの選別情報を書込む。この書込みは、第5IDヘッド10Eでデータキャリア4のキャリアNoを読取り、そのキャリアNoと一致したキャリアNoの選別情報(等級No、階級No、糖酸No)をデータキャリア4に書き込むことにより行なわれる。こうして、確実にデータを一致させた上で選別情報が書き込まれる。
【0053】
こうしてデータキャリア4に果菜物Wの選別情報の書込まれた搬送体1は、選別搬送区間T3に搬送され、F9で第6IDヘッド10Fにより選別情報である階級Noが直接読取られ、そのデータキャリア4の階級Noがその階級に該当していれば、F10で階級振分装置25によって振り分けられる。該当していなければ次の階級の振分け経路に搬送される。こうして果菜物Wの階級ごとに搬送体1の振分けが行われる。
【0054】
次に果菜物Wの階級ごとに振分けられた搬送体1は、F11で第7IDヘッド10Gにより選別情報である等級Noが直接読取られ、その等級NoによりF12で階級振分装置26によって左、右、中央と三方向に振分けられ、箱詰搬送区間T4内に整列させられる。
【0055】
こうして、等級、階級別に箱詰搬送区間T4内に選別された搬送体1は、F13で箱詰め装置29により果菜物Wが取出され箱詰めされる。この時、さらにデータキャリア4の糖酸Noを読取り、糖酸度ごとに果菜物Wを取出し箱詰めしてもよい。
【0056】
果菜物Wが取出された搬送体1は、F14で回収搬送区間T5に搬送され、供給搬送区間T1に回収される。この回収される空の搬送体1は、さらにF15で、第8IDヘッド10Hによりデータキャリア4が読込まれデータキャリア4の不良、適正が判定される。不良と判定されれば、搬送体1aは第二排出装置27により第二排出部T7に排出される。データキャリア4が適正と判断されれば、F16で第8IDヘッド10Hによりデータキャリア4のデータが消去され初期値に変更される。
【0057】
以上のようにして、本実施例の搬送装置は、搬送体1を果菜物Wの選別情報によって搬送コンベアTの各々異なる経路で搬送することで果菜物Wを選別する。
【0058】
そして、この搬送時、搬送体1のデータキャリア4に書込まれる情報は、周回経路を一回周回するごとに書き換えが行なわれる。
【0059】
こうしたデータキャリア4の書き換え状態を、図6の搬送時におけるデータキャリア4のメモリの変化を示す図により説明する。なお、図5に示すF2〜F16は、図4の制御フローに対応する工程であることを示す。
【0060】
メモリは、図に示すように16桁設けられ、右端の4桁がキャリアNo、次の4桁が生産者No、それから2桁ずつ品種No、糖酸No、等級No、階級Noのメモリとして設定されている。
【0061】
まず、F2の工程では、メモリは初期値(空欄)になっており、データキャリア4のメモリには何ら情報は記録されていない。この時メモリに初期値でないデータが書き込まれていれば、データキャリア4を不正と判断する。
【0062】
次に、F3でキャリアNo、生産者No、品種Noが書込まれ、この段階でデータキャリア4のメモリに個別情報であるキャリアNoが与えられ、各々搬送体1が識別される。
【0063】
次に、F4、F5、F6ではキャリアNoを読み出すだけで、データキャリア4のメモリには何ら情報は書込まれない。
【0064】
次に、F8で果菜物Wの選別情報である糖酸No、等級No、階級Noがメモリに書込まれ、16桁全てのメモリに情報が記録される。
【0065】
こうして、16桁全て記録されたデータキャリア4はF9、F11で等級No、階級Noが読み出されるだけで、そのほか何らメモリは書き換えられることなく搬送される。
【0066】
そして、F15でメモリの記録内容を読み出され、不正な記録内容が存在していればデータキャリア4の故障を判定して、F16で適正なデータキャリア4のメモリのデータが消去され、メモリは初期値とされる。
【0067】
こうして、メモリが初期値となった搬送体1は、次に果菜物Wが供給されてF3で書込みが行われるまで、何ら情報を持たず搬送される。
【0068】
このように、メモリに記憶される情報は搬送周回ごとに書き換えがなされ、搬送体は固定された固有の情報を持たない。
【0069】
以上のことから本実施例の搬送装置は以下の効果を奏する。
【0070】
まず、搬送体に情報の書き換えが可能なデータキャリアを設け、このデータキャリアに対して、搬送コンベアTの計測搬送区間T2の前に設置された第1IDヘッドによって、搬送体の個別情報であるキャリアNoが書込まれ、その後、この回収搬送区間T5の後端に設置された第8IDヘッドによって、キャリアNoが消去されることにより、搬送体の識別情報であるキャリアNoが果菜物を一回搬送するごとに書き換えられるため、前回の果菜物の選別情報が今回の果菜物の選別に悪影響を及ぼすことなく、確実に果菜物の選別を行なうことができる。
【0071】
なお、このキャリアNoの書き換えは、第8IDヘッドを設けず、第1IDヘッドで新たなキャリアNoを上書きしてもよい。
【0072】
また、果菜物の選別情報である等級No、階級No、糖酸Noが第4IDヘッドによってデータキャリアに書込まれるため、メインCPUの記憶容量をさほど大きくしなくても、選別項目をさらに増やしたり、同時に搬送選別される果菜物の量を増やしたりすることができる。
【0073】
さらに、計測搬送区間T2に設置された第2〜第5IDヘッドでは、搬送体の個別情報であるキャリアNoを読取り、計測処理を行ない、選別搬送区間T3に設置された第6〜第7IDヘッドでは、果菜物の選別情報である等級No、階級No、糖酸Noを読取り、選別処理を行なうことにより、計測工程と選別工程とで、それぞれ搬送体の個別情報と果菜物の選別情報といった異なる情報により処理がなされるため、計測工程では搬送体ごとの確実な処理を行なえ、選別工程では迅速な処理を行なうことができる。
【0074】
また、第1IDヘッドによって、データキャリアに物品の特定情報である生産者No、品種No等が書込まれることにより、予め搬送体に果菜物の特定情報が付与されてことになるため、計測後に得られる果菜物の選別情報を特定情報と一致させて記憶することができる。このため、物品の特定情報による選別情報等の集計処理を容易に行なうことができる。特に生産者Noでは、生産者ごとの選別情報の集計を容易に行なうことができ、品種Noでは、品種ごとの選別情報の集計を容易に行なうことができる。
【0075】
また、第8IDヘッドで全ての情報を消去するため、前回選別時の情報が確実になくなるため、選別作業をより確実に行なうことができる。
【0076】
以上、果菜物の選別装置についての実施例について説明したが、本発明は果菜物に限定されるものではなく、その他の農作物や魚介類の選別を行なう選別装置に適用してもよい。
【0077】
また、本実施例では、情報記録媒体としてデータキャリアを用いたが、その他、情報の書き換えが可能であるものならば何を用いてもよい。
【0078】
さらに、選別情報の項目や特定情報の項目についても、その他あらゆるものを設定してもよい。
【0079】
その他、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて、適宜詳細構造を変更してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】選別装置の全体平面図。
【図2】搬送体の斜視図。
【図3】選別装置のシステムブロック図。
【図4】搬送経路に基づく制御フローチャート。
【図5】データキャリアのメモリ状態図。
【符号の説明】
T…搬送コンベア
W…果菜物(物品)
1…搬送体
4…データキャリア(情報記録媒体)
10A…第1IDヘッド
10E…第5IDヘッド
10H…第8IDヘッド
25…階級振分装置
26…等級振分装置
Claims (6)
- 周回経路が設定された搬送コンベアにより個々に搬送される複数の搬送体に、各々物品を載せて物品の選別を行なう物品の選別装置において、
前記搬送体に付設した、所定情報が読み書き可能な情報記録媒体と、
物品の選別工程前に、前記情報記録媒体に対して搬送体の個別情報を書き込む個別情報書込み手段と、
物品の選別工程時に、前記個別情報に対応させた物品の選別情報に基づき搬送体を振り分ける振分け手段と、
物品の選別工程後に、前記情報記録媒体に書き込まれた前記情報を消去する情報消去手段と、
前記情報記録媒体が不良であるか適正であるかを判定する情報記録媒体判定手段と、
前記情報記録媒体判定手段により不良と判定された前記情報記録媒体付きの搬送体のみを前記周回経路から排出部へ排出する排出手段とを備えたことを特徴とする
物品の選別装置。 - 物品の選別工程前に、物品の所定項目を計測し、前記情報記録媒体に物品の選別情報を書き込む選別情報書込み手段を備えた、
請求項1記載の物品の選別装置。 - 物品の計測工程時に、前記情報記録媒体から搬送体の個別情報を読み出し、該個別情報に基づき物品の所定項目を計測して物品の選別情報を算出する計測制御手段と、
物品の選別工程時に、前記情報記録媒体から物品の選別情報を読み出し、該選別情報に基づき搬送体の選別処理を行なう選別制御手段とを備えた、
請求項2記載の物品の選別装置。 - 物品の計測工程前に、前記情報記録媒体に対して物品の特定情報を書き込む特定情報書込み手段を備えた、
請求項1、2または3記載の物品の選別装置。 - 前記特定情報が物品の生産者情報である、
請求項4記載の物品の選別装置。 - 前記特定情報が物品の品種情報である、
請求項4記載の物品の選別装置。
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