JP4111287B2 - 塗装方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は塗装方法に関し、より詳しくは、成膜時に塗膜に割れが発生せず、塗膜性能も良好であり、且つ、平滑性のある均一な塗膜の形成が可能である塗装方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、水性分散塗料として、相転換法で作成されるスラリー塗料が知られている。相転換法によるスラリー塗料の調製は、水可溶性有機溶剤を使用した溶剤型塗料から有機溶剤分を除去して塗料樹脂粒子を作成させ、その後、その塗料樹脂粒子を水中に分散させてスラリ−塗料化する技術である。この技術では、溶剤型塗料を調製し、有機溶剤分を除去するために溶液型塗料を水中に強制乳化させ、有機溶剤分を除去して固形の塗料樹脂粒子を作成し、この塗料樹脂粒子を水中に分散させる必要があり、即ち、多数の工程が必要であり、更に、水中から有機溶剤を回収する必要があった。
【0003】
また、溶液型塗料から直接有機溶剤分を除去する方法では、加温と減圧によって除去する場合には、除去の終点近くでは不揮発分濃度、樹脂成分濃度が高くなり、その高濃度の樹脂成分により粘度が大きくなり、そのため、有機溶剤分を完全に除去するために多大のエネルギーを必要とした。その上の問題は、有機溶剤分を除去して得られる塗料樹脂は塊状となるため、水に安定に分散させるためには、微粉砕することが不可欠であった。
この微粉砕に付随して生じる問題点は、目的とする樹脂微粉の粒子径が小さくなればなるほど、微粉砕に要するエネルギーの効率が悪くなると共に、微粉の捕集にも特別の技術を要するようになることである。
【0004】
更に、上記技術の水性分散塗料は、一般的には、ポリカルボン酸をアンモニアやアミン類で中和して得られる増粘剤を使用して安定化させた塗料である。このような塗料においては、被塗装物に塗布して乾燥させる際に、塗料中のそれらの中和剤は塗料樹脂粒子表面付近で蒸発、飛散し易く、その結果として、ポリカルボン酸はそのカルボキシル基による水素結合によって塗料樹脂粒子表面を覆う強固な膜となる。この被膜は熱による溶融軟化性が乏しく、また粘着性も無いため、塗料樹脂粒子を溶融、融着させることにより塗膜を形成する際に塗膜形成を阻害することになる。このため、成膜時に塗膜に割れが生じたり、平滑性が不足したりした。この対策として、中和剤の飛散を防止するため、非飛散性の中和剤である苛性ソーダで中和する方法などが提案されてきた。しかし、この中和剤は、飛散防止や塗膜の形成性の点では優れているが、塗膜中に強塩基が残留することとなるため、塗膜性能の点で劣り、塗膜の耐水性試験、耐湿性試験、塩水噴霧試験などで悪い結果となり、即ち低い性能しか発揮できなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記のような諸問題の生じることのない塗膜の形成方法、塗装方法を提供すること、即ち、有機溶剤を使用する必要がなく、微粉の捕集の手間も必要とせず、比較的簡単な操作で、低コストで製造される安定な水性分散塗料を用いて、成膜時に塗膜に割れが生じたり、平滑性が不足したりすることなしに塗膜性能に優れた塗膜を形成する塗装方法を提供することを課題としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を達成するために鋭意研究を行った結果、特定の塗膜構成成分原料を用い、混合、溶融練合、冷却固化、粗粉砕、湿式粉砕からなる特定の処理工程によって製造された水性分散塗料を被塗装体表面に塗布し、水分の蒸発工程、塗料樹脂粒子層の形成工程、塗料樹脂粒子を溶融、融着させる工程を連続的又は段階的に実施して塗膜を形成することにより、上記のような諸問題の生じることのない塗装方法が得られることを見出し、本発明を完成した。
【0007】
即ち、本発明の塗装方法は、
(a)軟化温度が10〜250℃である樹脂成分及びその他の塗膜構成成分、並びにノニオン系界面活性剤及びノニオン系増粘安定剤を混合して配合物を得る工程、
(b)該配合物を該樹脂成分の軟化温度以上の温度で溶融練合して均質化物を得る工程、
(c)該均質化物を冷却固化後に粗砕して粗粒子を得る工程、及び
(d)該粗粒子を水性分散媒体中で湿式粉砕して平均粒子径が10μm以下の塗料樹脂粒子を含む水性分散塗料を得る工程
の各工程を含む製造方法によって得られる水性分散塗料を被塗装体表面に塗布し、次いで (A)水分の蒸発工程、
(B)塗料樹脂粒子層の形成工程、及び
(C)塗料樹脂粒子を溶融、融着させる工程、
の各工程を連続的又は段階的に実施することによって塗膜を形成することを特徴とする。
【0008】
また、本発明の塗装方法は、好ましくは、上記の塗装方法で用いる樹脂成分がアルキド樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ブロックイソシアネート樹脂、フッ素樹脂、シリコン樹脂、アミド樹脂及びABS樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明で用いる水性分散塗料は、塗膜を形成し得るためには、塗布された後の加熱によって塗料樹脂粒子の樹脂成分が熱軟化または溶融し、均質な塗膜となることが必要である。
このため、塗膜構成成分となる樹脂成分の軟化温度は10〜250℃であることが必要である。更に好ましい軟化温度は30〜200℃である。
【0010】
樹脂成分の軟化温度が10℃よりも低い場合には、水性分散塗料の通常の保管温度においても、水性分散塗料中の塗料樹脂粒子がその水性媒体中で凝集し易くなる傾向がある。その理由は、エマルション塗料等の塗料樹脂粒子の径と比較して、水性分散塗料中の塗料樹脂粒子の径が100倍から1000倍大きいため、電気2重層等の粒子間の電気的反発力等が重力に比べて著しく小さくなるからである。水性分散塗料中の塗料樹脂粒子の平均粒子径を小さくすればする程、軟化温度が低い樹脂成分の塗料樹脂粒子であっても、水性分散塗料を安定に保つことができる。しかしながら、この場合には水性分散塗料中の塗料樹脂粒子の合計表面積が大きくなるので、塗料樹脂粒子を水性媒体中に安定に分散させるために界面活性剤等の湿潤剤を多く存在させることが必要となる。従って、このような場合には、得られる塗膜の耐水性、光沢等の性能が低下することになる。
【0011】
また、樹脂成分の軟化温度が250℃を超える場合には、塗膜を形成させるための加熱硬化に250℃を超える温度が必要であり、そのような高温では塗膜が黄色に変色したり、塗膜が空気で酸化されて可撓性を失ったりする傾向がある。そのような現象の防止方法として、特殊な例としては、炭酸ガス等の不活性ガス雰囲気中で成膜させる方法があり、このような不活性ガス雰囲気中での成膜は、樹脂成分としてオレフィン樹脂や、高分子のフッ素樹脂を使用した塗料を成膜させる場合には有効である。しかし、この場合にはそのような不活性ガス雰囲気を形成するための装置が余分に必要になる。
【0012】
軟化温度が10〜250℃である樹脂成分として、アルキド樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ブロックイソシアネート樹脂、フッ素樹脂、シリコン樹脂、アミド樹脂、ABS樹脂等を挙げることができ、それらの樹脂成分は単独で、又は、必要に応じて、任意の配合比率で組み合わせて使用することができる。
更に、必要に応じて、通常の塗料に使用されている二塩基酸や多塩基酸、ポリアミド樹脂等の硬化剤や、表面調整剤、硬化促進剤等の添加剤を添加することもできる。
【0013】
塗料樹脂粒子を調製する際に、これらの樹脂成分、硬化剤等の外に、塗膜構成成分として、着色顔料や防錆顔料、その他の機能を与えるための添加剤等を加えることが有効である。これらの顔料としては、黄色酸化鉄、チタン黄、ベンガラ、酸化チタン、亜鉛華、リトポン、鉛白、硫化亜鉛、酸化アンチモン等の無機系顔料や、ハンザイエロー5G、パーマネントエローFGL、フタロシアニンブルー、インダンスレンブルーRS、パーマネントレッドF5RK、ブリリアントファーストスカーレットG、パリオゲンレッド3910等の有機顔料等がある。
【0014】
本発明の塗装方法においては、塗料中に光輝性薄片状顔料を含有させてメタリック塗料とし、この塗料を用いてデザイン的に有効な塗膜を形成させることからなるメタリック塗装を実施することができる。このような光輝性薄片状顔料として、通常のアルミニウム顔料、マイカ顔料、ブロンズ粉、銅粉、ステンレス粉や、金属コーティングした硝子粉、金属コーティングしたマイカ粉、金属コーティングしたプラスチック粉等が使用できる。
【0015】
水性分散塗料への光輝性薄片状顔料の添加方法として、水性分散塗料の塗料樹脂粒子内に含有させる方法があるが、水性分散塗料の水性媒体中に塗料樹脂粒子とは別に含有させる方法のほうが好ましい。この添加方法については、特に制約されるものではないが、予め水可溶性溶媒や界面活性剤で処理して光輝性薄片状顔料表面を親水性にしてから添加し、更に必要ならば水溶性樹脂や添加剤等を併用して加えることが好ましい。
これらの光輝性薄片状顔料は、各々単独で含有させることも、2種以上を同時に使用することも可能である。光輝性薄片状顔料の塗料中への添加量は、全固形分(全塗膜構成成分)の0.05〜30重量%程度であることが好ましい。
【0016】
本発明の塗装方法においては、塗膜のツヤを調整するために、水性分散塗料にツヤ消し用顔料を加えることが可能である。また、水性分散塗料中の塗料樹脂粒子を2種類以上にし、それらの塗料樹脂粒子間の相溶性や反応速度の差でツヤを調整することもできる。水性分散塗料のツヤ調整剤としては、塗料に通常使用されてるコロイダルシリカ、アルミナ、タルク等が使用できる。
【0017】
その他に、塗膜の光沢値を調節したり、塗膜の堅さを調節したりする目的で、体質顔料として、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、クレー、シリカ粉、微粉珪酸、珪藻土、タルク、塩基性炭酸マグネシウム、アルミナホワイト等を添加することもできる。
【0018】
塗料樹脂粒子中への上記の種々の顔料の添加量は、通常PWCで0.5〜60%程度であるが、クリヤー塗料のように全く添加しない場合もある。逆に、これらの顔料の添加量が多い場合には、特に吸油量の高い顔料の場合には、そのような塗料を用いて塗膜を形成すると、塗膜の平滑性が損なわれることになる。
【0019】
これらの塗膜構成成分を含む塗料樹脂粒子を水性媒体中に分散させ、安定化させるためには、水性分散塗料中に界面活性剤や水系増粘安定剤を含有させることが望ましい。
従来は、これら添加剤を水性媒体中に均一に溶解させ、その中に塗料樹脂粒子の微粉を投入し、混合し、さらには分散させてスラリー塗料化していた。しかしながら、水性媒体中に界面活性剤や水系増粘安定剤を溶解させ、その中に粗粒子を投入し、湿式粉砕してスラリー塗料化する方法では、湿式粉砕の初期と終わりで、塗料樹脂粒子表面に吸着する界面活性剤や水系増粘安定剤の濃度が異なってくる。特に、各々の塗料樹脂粒子の表面積の総合計が多くなる湿式粉砕の終点においては、塗料樹脂粒子表面に吸着された界面活性剤や水系増粘安定剤が希薄になるためか、塗料樹脂粒子が凝集する傾向が著しくなる。
【0020】
本発明で用いる水性分散塗料を製造する際に、これらの所望の界面活性剤、水系増粘安定剤の一部または全量を塗膜構成成分と一緒に混合し、溶融練合することによって塗料樹脂中に均一に分散させる。この塗料樹脂を冷却固化後に粗砕し、その粗粒子を水性分散媒体中で湿式粉砕すると、この粉砕によって新しく生成する塗料樹脂粒子の表面には常に均一に界面活性剤や水系増粘安定剤が現れるのでその塗料樹脂粒子は親水性になる。その結果、塗料樹脂粒子が微細に湿式粉砕されて表面積が増加しても、塗料樹脂粒子の湿潤性や増粘安定性は一定に保たれる。更に、塗料樹脂粒子が微細になるほど、通常は凝集し易くなるが、界面活性剤や水系増粘安定剤を含有する塗料樹脂粒子の場合には、塗料樹脂粒子の表面特性が上記のように常に一定で均一なため、塗料樹脂粒子は水性分散塗料中において安定に分散する。
【0021】
本発明の実施態様においては、界面活性剤の一部又は全量を塗料樹脂粒子中に含有させて使用するので、塗膜構成樹脂成分や硬化剤と反応せず、それらの樹脂の架橋反応を阻害しないもの、即ち、ノニオン系界面活性剤を使用する。
【0022】
また、水性分散塗料がグリシジル基含有アクリル樹脂と二塩基酸との反応系よりなるアクリル樹脂を主成分とする水性分散塗料である場合、水系増粘安定剤としてポリカルボン酸を使用すると、中和剤のアミンがアクリル樹脂中のグリシジル基と反応して消費される。その結果、水性分散塗料の粘度が低下したり、水系増粘安定剤の効果が低下して塗料の安定性がなくなる傾向がある。更に悪いことには、アクリル樹脂中の官能基であるグリシジル基が開環してしまい、塗膜を形成する時に架橋反応に寄与しなくなる傾向がある。その結果、塗膜性能として強度が不足したり、塗膜光沢、耐食性が不足したりすることがある。
【0023】
本発明においては、上記のような問題が生じないようにするため、塗料樹脂粒子中に含有させる水系添加剤としてノニオン系添加剤を使用する。本発明で用いることのできるノニオン系界面活性剤としてはポリエチレングリコル型ノニオン界面活性剤、多価アルコール型ノニオン界面活性剤等があり、ポリエチレングリコール型ノニオン界面活性剤としては、ポリエチレングリコール型ノニオン界面活性剤、高級アルコールエチレンオキサイド付加物、アルキルフェノールエチレンオキサイド付加物、脂肪酸エチレンオキサイド付加物、高級脂肪族アミンエチレンオキサイド付加物、脂肪族アミドエチレンオキサイド付加物、ポリプロピレングリコールエチレンオキサイド付加物等がある。また、多価アルコール型ノニオン界面活性剤としては、グリセリンの脂肪酸エステル、ペンタエリスリットの脂肪酸エステル、ソルビットの脂肪酸エステル、ソルビタンの脂肪酸エステル、脂肪酸アルカノールアミド等がある。
【0024】
塗料樹脂粒子を均一に湿潤させて安定な水性分散塗料とするためには、HLBが7以上のノニオン系界面活性剤を添加することが好ましい。しかし、HLBが22以上の高いノニオン系界面活性剤を添加すると、勿論添加量にもよるが、塗膜の耐水性等の性能が低下する傾向がある。さらに好ましくは、HLBが8〜18程度のノニオン系界面活性剤を添加する。
【0025】
本発明で用いる水性分散塗料においては、塗料樹脂粒子中及び水性媒体中に含有させるノニオン系界面活性剤の総量は樹脂成分の重量を基準にして0.1〜5重量%程度であることが好ましい。塗料樹脂粒子中に含有させるノニオン系界面活性剤の量(割合)を多くすると、水性分散塗料全体(塗料樹脂粒子中及び水性媒体中)に必要なノニオン系界面活性剤の総量は、ノニオン系界面活性剤の全量を水性媒体中に加える場合に比べ、約2分の1の量ですむ。このことにより、塗膜性能、特に耐水性、光沢等の良好な塗膜を形成することができる。
【0026】
本発明で用いることのできるノニオン系増粘安定剤としては、特に、分子量の大きいポリエチレングリコール型増粘安定剤が挙げられる。しかし、分子量が100万以上のものを用いると、水性分散塗料の貯蔵安定性は良好であるが、エアースプレー塗装等のように微粒子化して塗装する方法では、塗装時に糸引き現象が発生する。一方で、プレコートメタルでの塗装のように、ロール塗装やフローコート塗装では、塗料の追随性や、膜形成性が良い。慣例的には、エアースプレー塗装、静電塗装、エアレス塗装、回転霧化型静電塗装に使用する水性分散塗料においては、分子量が数10万程度のノニオン系増粘安定剤を樹脂成分の重量を基準にして0.3〜5重量%程度添加することが好ましい。一方、ロール塗装やフローコート塗装に使用する水性分散塗料においては、分子量が数10万〜200万程度のノニオン系増粘安定剤を樹脂成分の重量を基準にして0.1〜5重量%程度添加することが好ましい。
【0027】
前記したように、従来の技術のスラリー塗料は、その製造において多数の工程が必要であり、また操作が面倒であり且つ費用のかかるものであった。
これに対して、本発明で用いる水性分散塗料の製造方法においては、湿式粉砕を採用することにより、エネルギー効率が良く、目的とする塗料樹脂粒子を水中に直接分散させることで安定性の良い水性分散塗料を製造することができる。
【0028】
次に、本発明で用いる水性分散塗料の製造方法について具体的に述べる。本発明においては、
(a)軟化温度が10〜250℃である樹脂成分及びその他の塗膜構成成分を混合して配合物を得る工程、
(b)該配合物を該樹脂成分の軟化温度以上の温度で溶融練合して均質化物を得る工程、
(c)該均質化物を冷却固化後に粗砕して粗粒子を得る工程、及び
(d)該粗粒子を、例えば分散用水溶液の循環している湿式摩砕機に投入して、水性分散媒体中で湿式粉砕して平均粒子径が10μm以下の塗料樹脂粒子を含む水性分散塗料を得る工程
を順次実施し、塗料樹脂粒子の捕集と微粒子化、分散安定化を同時に実施することで、良好なエネルギー効率、資源効率で、且つ産業廃棄物を出さないで水性分散塗料を製造することができる。
【0029】
上記(a)の工程、即ち、塗膜構成成分となる諸原料を混合して配合物を得る工程においては、固形の樹脂原料を中心に着色顔料、硬化剤、添加剤、更には必要に応じて一部液状原料を、できるだけ均質に混合する。
このための装置としては、粉体原料を混合する通常の装置であるフラッシュミキサー、スクリューミキサー、コニカルブレンダ、Vミキサー、タンブリングミキサー、ジェットミキサー、ニーダー、リボンミキサー等が使用できる。
【0030】
これらの混合装置を用いて諸原料を混合配合し、できるだけ均質にすることが好ましいが、諸原料の合計量が少量である場合には、諸原料を袋の中で簡単に混合し、次の溶融練合工程で均質にすることもできる。特に、塗料樹脂粒子を水性媒体中に容易に分散させる働きをする界面活性剤や増粘安定剤、特にノニオン系界面活性剤やノニオン系増粘安定剤の一部又は全量をこの混合配合工程において添加しておくと、後の湿式粉砕工程において塗料樹脂粒子の新しく生成する粉砕表面も均しく親水性になるので水性分散塗料の作成が容易である。
【0031】
次に、上記(b)の工程、即ち、上記配合物を上記樹脂成分の軟化温度以上の温度で溶融練合して均質化物を得る工程を実施する。この工程は、塗料樹脂粒子の原料である固形の樹脂原料、着色顔料、硬化剤、添加剤などを数μm以下の程度まで均質に混合することを目的としている。本発明に用いられる水性分散塗料の製造方法に使用される樹脂原料や硬化剤は、輸送や配合時の取り扱いを容易にし且つ粉塵の舞い上がりが生じることのないようにする目的で、数mm程度のペレットに加工されている。このペレットを破砕して数百μm程度の粒子からなる配合物にし、これを樹脂成分の軟化温度以上に加温して機械的に練合する。
【0032】
この溶融練合のために用いる装置としてロールミル、スクリューニーダー、マーラーニーダー等がある。特にロールミル、スクリューニーダーは、作業性、取り扱い易さの点で、また溶融練合後、練合物を速やかに装置より排出して冷却することができる点で特に好ましい。架橋型水性分散塗料の場合には、塗料樹脂粒子中に硬化剤が含まれるものであり、本溶融練合工程で均質に混合されるが、この時、樹脂成分の軟化温度以上に加熱されるので、溶融練合する時の滞留時間が長くなると樹脂成分の一部が硬化剤と反応してしまい、その結果として塗膜を形成する時に平滑にならなかったり、光沢不足の欠陥を生じたりする傾向がある。従って、一方から上記配合物を供給し、他方から均質化物を連続的に速やかに排出する装置が好適である。
【0033】
次に、上記(c)の工程、即ち、上記均質化物を冷却固化後に粗砕して粗粒子を得る工程に入る。この粗砕工程での処理は、前段の溶融練合工程でできる塗料樹脂均質化物はそのままで冷却固化されると塊状になるので、この塊状物を次段の湿式粉砕工程で処理し易い大きさの粗粒子に粗砕するための前処理である。従って、この塊状物が湿式粉砕機の受け入れ可能な最大の大きさ(粒径)よりも小さくなっていれば、この粗砕工程は必ずしも必要ではない。塊状物を粗砕するための装置の例としてはリングロールミル、エッジランナー、ロールクラッシャー、ディスインテグレータ、ハンマクラッシャ、インペラブレーカ、ジャイレトリークラッシャ、ジョウクラッシャ等がある。
【0034】
次に、上記(d)の工程、即ち、上記粗粒子を水性分散媒中で湿式粉砕し平均粒子径10μm以下の塗料樹脂粒子を含む水性分散液を得る工程について説明する。
まず第一に、水性分散塗料を受容するタンクに必要量の水を準備する。必要に応じて、この水に塗料樹脂粒子を湿潤させるため界面活性剤や増粘安定剤、好ましくはノニオン系界面活性剤やノニオン系増粘安定剤、等の水系添加剤を加え、混合して均質にする。この水性媒体を循環ポンプにより湿式粉砕機に循環させておく。
【0035】
この湿式粉砕を断続的に実施する場合には、前段で得た粗粒子を塗料受けタンクに一旦集め、次いで湿式粉砕の工程に送る。このように粗粒子を塗料受けタンクに一旦集める場合には、この粗粒子の粒子径が大きいので沈降し易い。このため、塗料受けタンク内を常に攪拌するか、湿式粉砕の工程に送る前に攪拌して流動性を与えることが必要になる。
【0036】
このため、次に記すように、できるだけ連続的に処理して湿式粉砕することが好ましいが、このことは本発明を何ら制約するものではない。
湿式粉砕を連続的に実施する場合には、循環経路の入り口側に前段で得た粗粒子の取り込み口を設ける。ここで取り込まれた粗粒子は自重で水性媒体中に混合された後に湿式粉砕機の中へ入っても、また、何らかの攪拌混合機で湿潤された後に湿式粉砕機の中へ取り込まれても良い。
【0037】
これらの場合に重要なことは、十分な量の水性媒体が湿式粉砕機中を循環して装置内の冷却と微粉砕粒子の搬送とを十分に実行できることである。粉砕開始後の初期段階においては循環水性媒体中の塗料樹脂粒子の濃度が低く、従ってその塗料樹脂粒子含有水性媒体の粘度も低いので、塗料樹脂粒子含有水性媒体は循環し易いが、順次添加される粗粒子の湿式粉砕がすすみ、水性媒体の循環が繰り返されると循環水性媒体中の塗料樹脂粒子の濃度が高くなり、循環と冷却とが次第に困難になってくる。万が一水性媒体の循環が停止すると、循環水性媒体中に供給された粗粒子及び循環していた塗料樹脂粒子が湿式粉砕機中で粉砕エネルギーによって溶融し、装置の内面に固着したりする危険がある。
【0038】
このような危険を未然に防止するためには、目的とする水性分散塗料中の塗料樹脂粒子の濃度、流動性の設定、水性分散塗料の循環量、温度の管理は重要である。通常、循環量は容易に管理できるが、温度は循環量が低下すると急激に上昇するため、粗粒子の供給量と水性媒体の循環量、最終水性分散塗料中の塗料樹脂粒子の濃度等は十分に管理する必要がある。
【0039】
次に、この湿式粉砕工程で使用しうる湿式粉砕機の例について述べる。使用可能な湿式粉砕機としてはディスクグラインダ、タワーミル、ボールミル、振動ミル、エッジランナ、ロールミルなどがある。タワーミル、ボールミル、振動ミルのように分散メジアを使用する湿式粉砕機では、供給する粗粒子の大きさがメジアの粒子径より大きいと湿式粉砕の効率が著しく低下する。従って、分散メジアを使用する湿式粉砕機の場合には、粗粒子をメジアの粒子径に比べて十分に小さくして供給することが望ましい。ディスクグラインダ、ロールミルのように粗粒子を回転体に鋏んで粉砕するタイプの湿式粉砕機では、かなり大きい粗粒子でも容易に粉砕することができるが、湿潤させる水性媒体の循環量が不足したり、部分的に偏ったりすると、発熱により塗料樹脂粒子が融着しやすい傾向がある。
【0040】
湿式粉砕機の運転態様としては、塗料樹脂粒子濃度を低濃度で維持して運転すると管理が容易であるので、必要に応じて、遠心濾過機、遠心分離機、デカンタ等を用いて塗料樹脂粒子の濃度を調整することが好ましい。湿式粉砕処理については、塗料樹脂粒子が一定の大きさの粒子径になるまで数回湿式粉砕機を通過させることも、また、一定の大きさ以上の塗料樹脂粒子をフィルターや遠心分級機などで分離、除去することもできる。塗料樹脂粒子の濃度を所定の濃度に調整した後、後調整として防黴剤や消泡剤、粘性付与剤等の添加剤等を加えて水性分散塗料とすることもできる。
【0041】
でき上がった水性分散塗料は、その中に分散している塗料樹脂粒子の平均径が10μm以下で、含有濃度としては20〜60重量%程度となる。
本発明で用いる水性分散塗料の製造方法の重要な特徴は、水性媒体中で直接湿式粉砕して塗料化するので、また、所望に応じて、塗膜構成成分となる諸原料中に予め水中分散用の界面活性剤や増粘安定剤、好ましくはノニオン系界面活性剤やノニオン系増粘安定剤等の水系添加剤の一部又は全量が添加されているので、塗料樹脂粒子が容易に水性媒体中に湿潤し、分散、安定化されることにある。その結果、従来の相転換法で作成されるスラリー塗料や、微粉に粉砕した粉体塗料を更に微粉砕して得られる塗料樹脂粒子を水性媒体中に湿潤させて得られる水性分散塗料に比べ、水性湿潤剤の必要量が少なく、且つ粒子径の小さい塗料樹脂粒子の水性分散塗料が容易に調製できる。
また、水性分散塗料の製造過程において塗膜構成成分が粉塵や微粉として製造装置外に持ち出されることことは全くなく、また過剰の水性媒体も次回の水性分散塗料の製造に再使用することで有効に使用できる。
【0042】
本発明の塗装方法においては、以上に説明した製造方法により水性分散塗料を製造し、この水性分散塗料を水系塗料による塗装に採用されている通常の塗装方法、例えばエアースプレー塗装、静電塗装、ディップ塗装、刷毛塗り塗装、ロール塗装やフローコート塗装によって被塗装体表面に塗布し、次いで、
(A)水分の蒸発工程、
(B)塗料樹脂粒子層の形成工程、及び
(C)塗料樹脂粒子を溶融、融着させる工程、
の各工程を連続的又は段階的に実施する。
ここでいう「連続的」とは、任意の2工程の間に時間を置くことなく、任意の2工程又は全工程を連続的に行うことを意味し、「段階的」とは、任意の2工程の間に適当な時間を設けて実施することを意味する。
【0043】
前記の水性分散塗料の塗布して未乾燥の状態では、未乾燥塗膜内部にある水分は塗料樹脂粒子の間を毛細管現象によって自由に移動できる。従って、乾燥過程において未乾燥塗膜内部に水分がある間、未乾燥塗膜表面から水が蒸発するにつれて、未乾燥塗膜内部の水が塗料樹脂粒子の間を毛細管現象によって自由に通過して未乾燥塗膜表面まで移動し、引き続いて水が蒸発する。水溶性樹脂塗料やエマルション塗料の場合には乾燥過程の終わり近くにおいては塗膜内部の水が拡散によって表面に供給されるので水の移動速度が極めて遅いが、上記の水性分散塗料の場合には上記のように水の移動速度は乾燥過程の終わり近くにおいても十分に早く、水は未乾燥塗膜表面から一定の速度で蒸発する。その結果として、その後の加熱工程において内部の水が沸騰してピンホールを形成するようなことも少ない。よって、沸点調整用の高沸点溶剤を併用する必要も無く、塗料中のVOCも極めて少なく、通常は1%以下で済む。
【0044】
本発明の塗装方法においては、エマルション塗料や水溶性塗料を用いる塗装の場合のように加熱工程、成膜工程を厳格に管理することは必要ではないが、膜厚が厚い場合には水の沸騰によるピンホールの発生を防止するように注意をすることが好ましい。前記の水性分散塗料を用いる場合には、塗布後、室温に放置し、任意の時間経過後に加温して成膜させても、従来のポリカルボン酸系増粘安定剤を使用した塗料の場合に発生したような割れが塗膜に発生することがない。
【0045】
工程(A)として、室温で長期間放置し、水分を蒸発させた未硬化塗膜は、原料である塗料樹脂粒子を粉体塗料として塗布した場合とほとんど同じ成膜過程を経て成膜することができる。ただ、異なる点は、粉体塗料の場合には、静電気で被塗装物に付着しているため、時間の経過と共に静電気による付着力が低下し、粉体塗料の塗料樹脂粒子が重力に負け、落下する場合がある。本発明の塗装方法場合には、水により吸着力等の強い力で塗料樹脂粒子が被塗装物に付着しているため、プラスチック等の付着力の弱い被塗装物の場合でも落下することはない。したがって、工程(A)において、水分を蒸発させるための放置時間は任意であるが、埃等の付着や、塗装ラインの長さ、保管場所等の有効利用を考慮すると、塗布後できるだけ短時間に水分を蒸発させることが好ましく、また、以降の工程もできるだけ短時間に完了させることが好ましい。
【0046】
工程(B)及び(C)において、塗料樹脂粒子層を形成させ、塗料樹脂粒子を溶融、融着させるために加熱する際の温度と時間については、水の沸点である100℃まで20秒以上かけて昇温させ、例えば毎秒4℃以下の昇温速度で加熱することが好ましい。通常は、100℃まで1〜3分かけて昇温させ、例えば毎秒0.4〜1.3℃の昇温速度で加熱する。100℃を越したあとは、所定の反応温度まで任意の加温速度で加熱し、その温度に保持して、塗膜内の樹脂成分を溶融、融着させ、塗膜を架橋成膜させる。従って、エマルション塗料や水溶性塗料を用いる塗装の場合の加熱、成膜時に要求されるような80〜100℃で5〜10分間加熱しその後所定の温度に昇温して硬化させる工程は不要である。
【0047】
本発明の塗装方法を採用して塗装することにより、成膜時に塗膜に割れが生じることがなく、塗膜性能も良好であり、塗料のpH依存性もなく、pHが中和点より低い5程度でも何等支障無く塗布でき、且つ、平滑性のある均一な塗膜を形成することができる。
【0048】
【実施例】
以下、本発明について実施例により詳細に説明する。尚、実施例中の「部」は重量部である。
<実施例>
軟化温度120℃、酸価45のポリエステル樹脂32部、エポキシ当量910のビスフェノールAタイプのエポキシ樹脂32部、チタン顔料25部、表面調整剤6部、紫外線吸収剤2.2部、酸化防止剤1部、硬化促進剤1部、HLB=12のノニオン系界面活性剤0.8部及び分子量30万のノニオン系増粘安定剤0.8部をスクリューミキサー中で配合し、更にフラッシュミキサーで均一に混合した。
【0049】
一方、溶融練合機として2軸スクリューニーダーを用い、それを115℃に加温し、溶融練合機の先端に、圧延冷却用の2本ロール冷却機を設け、その先にハンマクラッシャを設置して練合と粗砕の準備をした。
また、ステンレス製塗料タンクに水220部を入れ、更にHLB=12のノニオン系界面活性剤0.2部及び分子量80万のノニオン系増粘安定剤0.2部を配合し、溶解して水性媒体とした。この水性媒体を循環ポンプで、ディスクグラインダに循環するように設定して湿式粉砕の準備した。
【0050】
フラッシュミキサーで混合した配合物を2軸スクリューニーダーのフィーダーに供給した。その配合物は、フィーダーより供給された後約20秒間滞留して溶融練合処理された後、約120℃の粘性液体(均質化物)として2軸スクリューニーダーの先端から2本ロール冷却機の圧延ロールに落ち、圧延され、約10秒で常温近くまで冷却された。この板状の塗料樹脂粒子用原料をハンマクラッシャで約0.5mmの大きさの粗粒子に一次粉砕した。この一次粉砕した粗粒子を、ディスクグラインダに循環している水性媒体中に、ディスクグラインダの入り口直前で連続的に入れ、ディスクグラインダに導入した。ディスクグラインダは、グラインダの間隙250μm、回転数1200rpmで運転し、粗粒子を湿式粉砕処理をした。配合物の溶融練合が終了し、水性媒体中への粗粒子の供給が終了した後、それらの粗粒子及び一部分湿式粉砕された物の全体を更に同一条件でディスクグラインダを通過させて湿式粉砕した。
【0051】
できた水性分散液を400メッシュの振動篩を通過させた。篩のステンレス製金網の上には、ほとんど何も残留しなかった。この後、水を若干補充し、防黴剤、消泡剤、粘性付与剤を添加して、不揮発分45%、PH=5.8の水性分散塗料とした。この水性分散塗料中の塗料樹脂粒子径は、粒度分布測定の結果、平均粒子径6μmであった。
【0052】
この塗料を、アルミニウム板上に通常のエアースプレー塗装で膜厚5μm〜80μmの種々の段階的な厚さに塗布し、塗布後、室温で、相対湿度75%で10分間放置した。この段階で、塗布膜厚が5μm〜50μmの塗布膜厚の薄い各々の塗板では、水分は完全に蒸発し、外観上は粉体塗料を極めて緻密に塗布したような状態であった。又、塗布膜厚が70μm以上の塗布膜厚の厚い塗板では、塗板の外周部分は半乾燥状態で艶が引けつつある状態であり、塗膜の中心部分は水分があり艶のある状態であった。これらの塗板を乾燥炉で3分間で100℃まで昇温させ、その後2分間で160℃まで昇温させ、昇温後その温度に20分間保持して、各種膜厚の塗膜を得た。塗膜外観については、塗布膜厚5μmの塗板では、多少つながりの不良による凹凸が見られたが、塗布膜厚8μm以上80μmまでは全く異常は認められず、平滑性のある均一な塗膜であった。この塗膜の光沢値は90、鉛筆硬度はHで、デュポン衝撃試験(500g、30cm)も全ての膜厚の塗膜で合格であった。
【0053】
【発明の効果】
本発明の塗装方法においては、成膜時に塗膜に割れが生じず、塗膜性能も良好であり、塗料のpH依存性もなく、pHが中和点よりも低い5程度でも何等支障無く塗布でき、且つ、平滑性のある均一な塗膜の形成が可能である。

Claims (2)

  1. (a)軟化温度が10〜250℃である樹脂成分及びその他の塗膜構成成分、並びにノニオン系界面活性剤及びノニオン系増粘安定剤を混合して配合物を得る工程、
    (b)該配合物を該樹脂成分の軟化温度以上の温度で溶融練合して均質化物を得る工程、
    (c)該均質化物を冷却固化後に粗砕して粗粒子を得る工程、及び
    (d)該粗粒子を水性分散媒体中で湿式粉砕して平均粒子径が10μm以下の塗料樹脂粒子を含む水性分散塗料を得る工程
    の各工程を含む製造方法によって得られる水性分散塗料を被塗装体表面に塗布し、次いで (A)水分の蒸発工程、
    (B)塗料樹脂粒子層の形成工程、及び
    (C)塗料樹脂粒子を溶融、融着させる工程、
    の各工程を連続的又は段階的に実施することによって塗膜を形成することを特徴とする塗装方法。
  2. 樹脂成分がアルキド樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ブロックイソシアネート樹脂、フッ素樹脂、シリコン樹脂、アミド樹脂及びABS樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1記載の塗装方法。
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