JP4110868B2 - 電動ステープラーの積算駆動表示機構 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は電動モータによって駆動されコピーされた用紙又はファクシミリ受信した用紙を自動的にとじ合わせするように、コピー機やファクシミリ機等の機器内に内蔵された電動ステープラーの積算駆動表示機構に関する。
【0002】
【従来の技術】
コピー機やファクシミリ等の機器内にコピーされた用紙やファクシミリ受信した用紙を用紙を自動的に綴じ合わせするための電動ステープラーが内蔵されたものが知られている。上記内蔵型の電動ステープラーは、カートリッジ内に収納したステープルをカートリッジから打出し部へ送り出す供給機構と、打出し部に供給されたステープルを打出し部から綴じ用紙に向けて打ち出す打出し機構と、打出し機構によって打ち出され綴じ用紙を貫通したステープルの脚部を綴じ用紙の裏面に沿って折り曲げるクリンチヤ機構とを備えている。更に上記電動ステープラーは、電動モータの回転力によって前記供給機構、打出し機構、およびクリンチヤ機構等を駆動させるための駆動機構が設けられており、これらの電動モータと駆動機構は電動ステープラーの所定の耐久寿命の限界値を満足するように設計されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記電動ステープラーを内蔵しているコピー機等には、累計のコピー枚数が積算カウントされるようにされており、この累計コピー枚数によってコピー機の主要部品の耐久寿命を判断してこれらの部品交換を行うようにコピー機の保守の目安として使用されている。しかしながら、コピー機等に内蔵された電動ステープラーにおいては、とじ合わせするコピー用紙の枚数が一定でなく、また、自動綴じあわせを行う場合と、綴じあわせを行わない場合があるため、上記コピー枚数と電動ステープラーの作動回数とが必ずしも比例せず、累計のコピー枚数によっては電動ステープラーの耐久寿命を判断することができない。
【0004】
従来の機器に内蔵された電動ステープラーの通算の作動状態を把握するためには、保守点検時にコピー機から電動ステープラーを取りし分解した上で、回転軸や電動モータその他の部分の摩耗程度を目視して判断しなければならず、ユーザーが使用しているコピー機によりサービスマンが電動ステープラーの耐久寿命を検知することが極めて困難であった。このため、通常では電動ステープラーの耐久寿命の限界値よりかなり前に交換してしまうことが多く、省資源の観点からも好ましくないものであった。
【0005】
本発明は、コピー機等に内蔵された電動ステープラーの積算駆動時間を、コピー機から電動ステープラーを取り外すことなく、電動ステープラーの外側から耐久寿命を検知することが可能な電動ステープラーを提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明の電動ステープラーの積算駆動表示機構は、多数のステープルが装填されたマガジン部からステープルを打出し部へ順次供給する供給機構、打出し部に供給されたステープルをドライバプレートにより綴じ用紙に向けて打ち出す打出し機構、ドライバプレートにより打ち出されて綴じ用紙を貫通したステープル脚を綴じ用紙の裏面に沿って折り曲げるクリンチャ機構及び、前記供給機構、打出し機構、及びクリンチャ機構を電動モータによって駆動する駆動機構とを備えた電動ステープラーにおいて、前記電動モータのブラシの摩耗に伴って変位される指示端が形成されたアクチュエータを電動モータ内に設け、該アクチュエータの指示端を電動モータの外側面から視認可能に配置するとともに、該指示端の変位方向に沿ってブラシが耐久限界まで変位したときの前記指示端の位置に対応させて限界マークを電動モータの外側面に表示したことを特徴とする。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、図に示す実施例に基づいて本発明の実施の形態を説明する。図1は本発明の積算駆動表示機構を実施した電動ステープラーを示すもので、この電動ステープラー1ではフレーム2により後部で回動可能に支持されているマガジン部3が設けられており、該マガジン部3の内側には多数のシートステープルが装填されたステープルカートリッジ4が装着されている。前記マガジン部3の下部にはステープルカートリッジ4内に積層して収容されているの真直状のステープルを打出し部へ順次供給する供給機構が形成されている。打出し部には真直状のステープルをコ字形に成形するフォーミングプレート5とコ字形に成形されたステープルを綴り用紙に向けて打ち出すドライバプレート6、及びフォーミングプレート5とドライバプレート6とを重合した状態で保持している作動部材7により構成されている打出し機構が配置されている。前記フレーム2の下部には綴じ用紙を載置するテーブル8が形成されており、該テーブル8の前方には、前記ドライバプレート6によって打ち出されて綴じ用紙を貫通したステープルの脚を綴じ用紙の裏面に沿って折り曲げ成型するクリンチャ機構9が形成されている。
【0008】
前記フォーミングプレート5とドライバプレート6とを保持している作動部材7は、中央部が前記フレーム2の側壁に回動自在に支持された作動アーム10の一端に連結片11を介して連結されており、作動アーム10の他端側に形成されたカム機構により作動アーム10が回動作動されることにより作動部材7を介してドライバプレート6とフォーミングプレート5を作動させるようにしている。前記作動アーム10を作動させるカム機構は前記フレーム2の側壁2aに支持されている駆動軸13に装着されており、この駆動軸13により前記カム機構が回転駆動されて前記作動部材7を介してドライバプレート6とフォーミングプレート5が作動される。
【0009】
前記駆動軸13を支持しているフレーム2の側壁2aには駆動軸13を回転駆動させる電動モータ14が取り付けられており、側壁2aを貫通している駆動軸13と電動モータ14の出力軸の端部にはそれぞれ作動ギヤ15と駆動ギヤ16が取り付けられている。前記作動ギヤ15と駆動ギヤ16との間には電動モータ14の回転を減速して駆動軸13に伝達させるための減速ギヤ17が配置されている。減速ギヤ17は電動モータ14の出力軸に取り付けた駆動ギヤ16と噛み合わせられた第一減速ギヤ17aと、駆動軸13に取り付けた作動ギヤ15と噛み合わせられた第二減速ギヤ17bとの2つのギヤで構成されている。
【0010】
図2乃至図5に示すように、前記電動モータ14内には駆動軸20と一体に形成されている整流子21の外周面に弾力的に接触するように一対のブラシ23が設けられている。該ブラシ23は導電性の弾力片24に保持されており、導電性の弾力片24の端部がモータケース25の側面側の外部に配置されている端子26と接合されている。上記電動モータ14内には電動モータ14の通算の駆動状態を前記ブラシ23の摩耗量によって表示する積算駆動表示機構27が形成されている。
【0011】
積算駆動表示機構27は、電動モータ14のブラシ23の摩耗量に応じて変位されるアクチュエータ28と該アクチュエータ28の一端に形成された指示端29を電動モータ14の外側に臨ませるためモータケース25に形成された開口30、及び開口30の周囲に表示されたブラシ23の摩耗限界を示す限界マーク31によって構成されている。アクチュエータ28はプラスチック材等の絶縁体により成型されており、中央部がモータケース25に一体に形成された支軸32に回転自在に支持されている。アクチュエータ28の一端側に形成された指示端29が前記モータケース25の円筒状部の周面に形成されている開口30内に配置されている。アクチュエータ28の他端に形成された接触片33が前記ブラシ23を保持している弾力片24の背面と当接可能に形成されており、バネ34によって前記接触片33がブラシ23の弾力片24の背面と当接する方向に回転付勢されている。
【0012】
図2に示すように開口30内に配置されているアクチュエータ28の指示端29の端面には、矢印等のマーク35が形成されており、開口30の周縁部には前記マーク35と対応するように目盛り線36と耐久限界を示す限界マーク31が表示形成されている。電動モータ14の整流子21に圧接されているブラシ23の摩耗に伴って、弾力片24が整流子21の外周面に接近する方向に変位し、この弾力片24の背面に当接されているアクチュエータ28の接触片33が前記弾力片24の変位に追従して変位することによりアクチュエータ28が支軸32を中心として回転しアクチュエータ28の指示端29が開口30内を変位して、この変位位置を開口30の周囲に表示されている目盛り線36及び限界マーク31によってブラシ23の摩耗量が把握できる。ブラシ23の摩耗量が限界に達したときに前記指示端29のマーク35が限界マーク31の位置まで変位するように設定されている。目盛り線36と限界マーク31は、例えば耐久限界が近いことを示す警告表示を黄色で、既に耐久寿命に達していることを示す限界マーク31を赤色で表示する等、色分けにより表示すれば明確に表示を認識することができる。
【0013】
図5及び図6は本発明の別の実施例を示すもので、この実施例における積算駆動表示機構27では、アクチュエータ38の一端がブラシ23を保持している弾力片24に固定されて取り付けられており、アクチュエータ38の他端に形成された指示端39がモータケース25の側方の端面から電動モータ14の外側に臨まされている。モータケース25の側端面には前記指示端39の変位方向に沿って開口40が形成されており、開口40の周縁には上記指示端39の変位方向に沿って目盛り線42と限界マーク41が表示されている。ブラシ23の摩耗に追従してブラシ23を保持している弾力片24が変位し、この弾力片24に取り付けられたアクチュエータ38の指示端39が開口40内を変位し、この指示端39の変位位置を開口40の周囲に表示されている目盛り線42及び限界マーク41と対応させることによってブラシ23の摩耗量により電動モータの積算駆動状態を把握することができる。
【0014】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、電動モータのブラシの摩耗量に伴って変位されるアクチュエータを備え、このアクチュエータの指示端を電動モータの外側から視認可能に臨ませるとともに、この指示端の変位方向に沿って限界マークを表示させた積算駆動表示機構を電動ステープラーを駆動する電動モータに形成しているので、電動ステープラーを内蔵した機器における電動ステープラーの駆動状態を電動ステープラーを機器から取り外すこと無く正確に検知することが可能となる。従って電動ステープラーの耐久寿命が把握でき適切な時期に交換が行えるようになり、機器の使用中に電動ステープラーの耐久寿命により故障が発生したり、又はまだ耐久寿命に達していない電動ステープラーを廃棄してしまうことが防止でき省資源化に貢献することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の積算駆動表示機構を実施した電動ステープラーの斜視図
【図2】図1の電動モータに形成された積算駆動表示機構を示す側面図
【図3】積算駆動表示機構を示す図2におけるA−A線上の縦断側面図
【図4】図3におけるB−B線上の断面図
【図5】図3におけるC−C線上の断面図
【図6】本発明の別の積算駆動表示機構の実施例を示す側面図
【図7】図6と同じ積算駆動表示機構の図6におけるD−D線上の断面図
【符号の説明】
1 電動ステープラー
14 電動モータ
20 出力軸
21 整流子
23 ブラシ
24 弾力片
25 モータケース
26 端子
27、37 積算駆動表示機構
28、38 アクチュエータ
29、39 指示端
30、40 開口
31、41 限界マーク
36、42 目盛り線
Claims (1)
- 多数のステープルが装填されたマガジン部からステープルを打出し部へ順次供給する供給機構、打出し部に供給されたステープルをドライバプレートにより綴じ用紙に向けて打ち出す打出し機構、ドライバプレートにより打ち出されて綴じ用紙を貫通したステープル脚を綴じ用紙の裏面に沿って折り曲げるクリンチャ機構及び、前記供給機構、打出し機構、及びクリンチャ機構を電動モータによって駆動する駆動機構とを備えた電動ステープラーにおいて、前記電動モータのブラシの摩耗に伴って変位される指示端が形成されたアクチュエータを電動モータ内に設け、該アクチュエータの指示端を電動モータの外側面から視認可能に配置するとともに、該指示端の変位方向に沿ってブラシが耐久限界まで変位したときの前記指示端の位置に対応させて限界マークを電動モータの外側面に表示したことを特徴とする電動ステープラーの積算駆動表示機構。
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