JP4110826B2 - 印字装置および印字装置の制御方法 - Google Patents

印字装置および印字装置の制御方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像情報を印字手段により印字する印字装置に関し、特に、印字手段を搭載して作動するキャリッジ手段を簡単な回路構成で高速で正確に、しかも安全に駆動制御するようにした印字装置および印字装置の制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、インクジェットプリンタ装置においては、複数のノズルからインク滴を吐出させるヘッドを搭載したキャリッジと呼ばれる搬送体を紙等の被記録部材に対して直線的に往復作動させて印字している。
【0003】
キャリッジは、通常、キャリッジの作動範囲内の経路中に予め設定された原点位置を基点として印字作動を開始し、印字範囲を繰り返し往復作動して印字を行い、予め定められた時期に、ヘッドのノズル部等をクリーニングするためにクリーニング手段が設けられたクリーニング位置に一時的に移動したり、印字作動が終了すると、例えば、ヘッドのノズル部が乾燥しないようにキャップをするキャッピング手段が設けられたキャッピング位置に移動し、次回の印字作動を待機するように作動する。
【0004】
そして、キャリッジの駆動制御は、原点位置を基点として、印字範囲やキャッピング位置、およびクリーニング位置等の移動距離が予めパルス数で設定されており、このパルス数に基づき駆動制御回路がパルス制御を行うことにより高速で正確な移動や停止が行われるようになっているものが多い。
【0005】
パルス制御によりキャリッジの作動を行うような場合は、一般に、設定された位置に確実に停止したか否かを監視するために、各停止位置等に位置検出センサを設け、これらの位置検出センサが検出した停止情報を得て駆動制御回路が停止したことを確認することにより正確な駆動制御を行っている。
【0006】
ところが、時として、何らかの不都合が生じ、キャリッジが停止すべき原点位置、キャッピング位置、またはクリーニング位置等に停止せず、停止位置を越えて暴走(オーバーラン)する事故が生じることがあった。
【0007】
特に、原点位置やキャッピング位置、あるいはクリーニング位置等は、印字範囲外の左右いずれかの領域に設けられることが多いため、これらの位置で高速で作動するキャリッジが正確に停止せずオーバーランすると、印字装置の何らかの部材に追突し、印字装置やキャリッジおよびキャリッジに搭載されているヘッド等の部材を大きく破壊したり損傷させていた。
【0008】
これを防止するために、従来では、原点位置やキャッピング位置、あるいはクリーニング位置のいずれかがキャリッジの作動範囲の端部に設置されたときは、停止位置に設けた位置検出センサの更にその外側の位置に、オーバーラン検出センサを設け、このオーバーラン検出センサがキャリッジのオーバーランを検出したときに、例えば、キャリッジを作動するモータ等を電気的に急制動したり、キャリッジの走行経路内に何らかの部材を侵入させる等によりキャリッジを強制的に制動して追突を防止するようにしていた。
【0009】
つまり、キャリッジの作動範囲は、一般には、キャリッジが正常に作動することを前提に設定されているため、キャリッジの作動範囲の外側にはキャリッジの作動誤差等を考慮して多少のスペースを設けたものはあるが、通常は、オーバーランしても追突しないような広いスペースを設けることは、ほとんど無いといっても過言ではない。
【0010】
そこで、オーバーラン検出センサを特別に設ける場合は、位置検出センサの外側にオーバーランセンサを設置するための更なるスペースを必要とし、しかも、この場合、オーバーランセンサが位置検出センサの外側にあり位置検出センサから離れているため、オーバーランセンサがオーバーランを検出した後に、追突防止のためにキャリッジに急制動をかけたとしても、キャリッジが正確に停止すべき位置検出センサの位置からキャリッジの走行が停止するまでの走行距離が長くなるのでオーバーラン時の走行距離範囲を拡げておく必要があり、小型化の妨げになっていた。
【0011】
また、オーバーランセンサは万一の場合にのみ必要なもので点検作業を煩雑にし、しかも、センサの増加は、センサの取付け部材、配線部材や回路部材等のコストアップになるばかりでなく印字装置の制御を複雑にしていた。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記問題に鑑み、画像情報を印字手段により印字する印字装置に関し、特に、印字手段を搭載して作動するキャリッジ手段を高速で正確に駆動制御すると共に、何らかの不都合でキャリッジが暴走した場合でも印字装置を損傷しないように、簡単な回路構成でキャリッジ手段の速度を安全な速度に低下または停止できるようにした印字装置および印字装置の制御方法を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、画像情報出力手段から出力された画像情報を印字する印字手段と、前記印字手段を搭載し往復作動するキャリッジ手段とを備えた印字装置において、前記キャリッジ手段の作動基点である原点位置、前記印字手段にキャップを着脱するキャッピング手段に対応するキャッピング位置、前記印字手段のクリーニングを行うクリーニング手段に対応するクリーニング位置の少なくとも1つの位置に設置され、少なくとも前記キャリッジ手段の停止および通過を検出可能な位置検出手段と、前記位置検出手段の検出結果に基づき、少なくとも前記キャリッジ手段の駆動制御を行う駆動制御手段を備え、前記位置検出手段が設置された位置に前記キャリッジ手段を停止させる際に、前記位置検出手段が前記キャリッジ手段の通過を検出したときは、前記駆動制御手段は前記キャリッジ手段の作動を停止させるために急制動を行うように制御することを特徴とする。
【0014】
これにより、センサを増加させず簡単な回路構成で、万一のオーバーランに対して迅速な急制動を行うことができ、安全で安価な印字装置を提供することができる。
【0015】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記位置検出手段が前記原点位置に設置された原点位置検出手段であるときは、前記原点位置検出手段が、電源投入後の最初に、前記キャリッジ手段が前記原点位置を通過したことを検出したときは原点位置信号を出力し、前記駆動制御手段は、前記原点位置信号に基づき前記キャリッジ手段を駆動制御するための制御プログラムに原点位置を設定すると共に前記キャリッジ手段を前記原点位置に停止させ、前記原点位置が設定された後に、前記キャリッジ手段が前記原点位置を通過したことを前記原点位置検出手段が検出したときはオーバーラン信号を出力し、前記駆動制御手段は、前記オーバーラン信号に基づき前記キャリッジ手段の作動を停止させるために急制動を行うように制御することを特徴とする。
【0016】
これにより、キャリッジの原点位置を正確に設定および確認することにより、キャリッジの迅速で正確な駆動制御を可能にすると共に、万一のオーバーランに対して迅速な急制動を行うことができ、安全で安価な印字装置を提供することができる。
【0017】
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記位置検出手段が前記キャッピング位置に設置されたキャッピング位置検出手段であるときは、前記キャッピング位置検出手段が、前記キャリッジ手段が前記キャッピング位置にあることを検出したときには停止信号を出力し、前記駆動制御手段は前記停止信号に基づき前記キャッピング手段を作動させ、前記印字手段に対して前記キャップの着脱を行い、前記キャリッジ手段が前記キャッピング位置を通過したことを前記キャッピング位置検出手段が検出したときはオーバーラン信号を出力し、前記駆動制御手段は、前記オーバーラン信号に基づき前記キャリッジ手段の作動を停止させるために急制動を行うように制御することを特徴とする。
【0018】
これにより、キャップの着脱が正確に行え、しかも、キャリッジの万一のオーバーランに対して迅速な急制動を行うことができ、安全で安価な印字装置を提供することができる。
【0019】
請求項4に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記位置検出手段が前記クリーニング位置に設置されたクリーニング位置検出手段であるときは、前記クリーニング位置検出手段が、前記キャリッジ手段が前記クリーニング位置にあることを検出したときには停止信号を出力し、前記駆動制御手段は前記停止信号に基づき前記クリーニング手段を作動させ、前記印字手段に対してクリーニング作動を行い、前記キャリッジ手段が前記クリーニング位置を通過したことを前記クリーニング位置検出手段が検出したときはオーバーラン信号を出力し、前記駆動制御手段は、前記オーバーラン信号に基づき前記キャリッジ手段の作動を停止させるために急制動を行うように制御することを特徴とする。
【0020】
これにより、クリーニング作動が正常に行え、しかも、キャリッジの万一のオーバーランに対して迅速な急制動を行うことができ、安全で安価な印字装置を提供することができる。
【0021】
請求項5に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記駆動制御手段は、前記位置検出手段が前記キャリッジ手段を検出している時間が所定時間以下のときに前記キャリッジ手段が通過したものと判断することを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の発明において、前記駆動制御手段は、前記所定時間以下の範囲内において、前記位置検出手段が前記キャリッジ手段を検出している時間が相対的に短い場合に、相対的に長い場合に比べて相対的に強い急制動を行うように制御することを特徴とする。
請求項7に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記キャリッジ手段のセンシング部材を前記印字手段に設け、前記位置検出手段が前記キャッピング位置に設置されたキャッピング位置検出手段であるときは、前記キャッピング位置検出手段が、前記センシング部材を検出することにより前記キャリッジ手段が前記キャッピング位置にあることを検出したときには停止信号を出力し、前記駆動制御手段は前記停止信号に基づき前記キャッピング手段を作動させ、前記印字手段に対して前記キャップの着脱を行うように制御するとともに、キャリッジ手段が停止したことをキャッピング位置検出手段が検出した後に、キャッピング手段によりキャップが装着されるとセンシング部材が覆われ、キャッピング位置検出手段による検出が不能となることにより、印字手段にキャップが装着されたものと判断し、次に、キャリッジ手段の作動前に、キャップが外されるとセンシング部材が検出可能となることによりキャップが外されたものと判断することを特徴とする。
請求項に記載の発明は、画像情報出力手段から出力された画像情報を印字する印字手段と、前記印字手段を搭載し往復作動するキャリッジ手段とを備えた印字装置の制御方法において、前記キャリッジ手段の作動基点である原点位置、前記印字手段にキャップを着脱するキャッピング位置、前記印字手段のクリーニングを行うクリーニング位置の少なくとも1つの位置に前記キャリッジ手段を停止させる際に、前記キャリッジ手段が停止または通過したことを検出する位置検出工程と、前記位置検出工程の検出結果に基づき、少なくとも前記キャリッジ手段の駆動制御を行う駆動制御工程とを有し、前記位置検出工程で前記キャリッジ手段が前記少なくとも1つの位置の通過を検出したときは、前記駆動制御工程で前記キャリッジ手段の作動を停止させるために急制動を行うように制御することを特徴とする。
【0022】
これにより、センサを増加させず簡単な回路構成で、万一のオーバーランに対して迅速な急制動を行うことができ、点検作業も不要で、安全で安価な印字装置の制御方法を提供することができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明するが、本発明は、これに限定されるものではない。
【0024】
図1は、本発明の印字装置の全体概略図である。図2は、本発明の回路構成を示すブロック図である。図3は、本発明の印字装置の駆動制御を示す模式図である。
【0025】
図1により、本発明の印字装置の構成を説明する。
図中、参照符号の1はインク滴を飛翔させるためのノズルを有するヘッド、2はヘッド1を搭載するキャリッジ、3はキャッピング手段、4はクリーニング手段、5は被記録部材、11は印字装置の筐体、12はキャリッジ2が往復作動するためのスライドガイド、S2はキャリッジ2に設けられたセンシング部材、SA〜SEはキャリッジ2の移動位置に設けられた位置検出手段としての複数のセンサである。
【0026】
ヘッド1は、極小の穴からなる複数のノズルからインク滴を飛翔させて文字や画像等の情報(以下、画像情報等という。)を印字するためのインクジェット方式の印字装置(以下、インクジェットプリンタという。)の印字手段であり、ヘッド駆動回路(図示せず)により機械的な歪みを圧電素子で発生させたり熱源により泡を発生させたりしてノズルからインク滴を飛翔させるように構成されている。
【0027】
ヘッド1が、例えば、カラー画像を印字するヘッドの場合は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、クロ(K)の4色のインクをそれぞれ濃度の濃いインクと淡いインクに分けてノズル(図示せず)から吐出して、より高精細なカラー画像を形成するために合計8個のヘッドブロック(図示せず)で構成されているものがある。
【0028】
勿論、このヘッドブロックの構成は8個に限定されるものではなく、インクジェットプリンタの仕様や使用するインクの種類等により設定されるもので、更に特別な色のインクを加えたものや、Y、M、C、Kの4色のみのもの、用途によっては単色のもの等がある。
【0029】
キャリッジ2は、紙や樹脂製のフィルムまたは布帛等の被記録部材5に画像情報等を印字するためにヘッド1を搭載してスライドガイド12に沿って、往復移動させるためのもので、モータを駆動源とする歯車やベルト等で構成されたキャリッジ駆動機構(図示せず)を介して駆動制御されている。
【0030】
なお、キャリッジ2には、位置検出用のセンシング部材S2が設けられており、また、ヘッド1の他にヘッド駆動回路や中間タンク(図示せず)と呼ばれる吐出用のインクタンク等を搭載しているものがある。
【0031】
キャッピング手段3は、ヘッド1が印字作動をしないときに、ヘッド1のノズル周辺部が乾燥しすぎてインクが凝固してノズルからインク滴が飛翔できなくならないようにするためのものであり、適当に保湿しておく必要があるため、詳細は図示しないが、ヘッド1のノズル面側に蓋(キャップ)をするための機構や装置のことをいい、一般に、キャップの中には保湿液やインク等で湿された海綿状のものが設けられている。
【0032】
なお、本発明の実施の形態においては、ヘッド1が印字作動をしないときにキャップができる位置(以下、キャッピング位置という。)にキャリッジ2により移動すると、モータを駆動源とするキャッピング機構(図示せず)がヘッド1のノズル面側にキャップをするようになっており、キャップされたときにノズルから少量のインクを吐出して海綿状のものが乾燥しないようにしている。
【0033】
クリーニング手段4は、ヘッド1のノズル周辺部(以下、ノズル面という。)が吐出したインク滴の飛沫や被記録部材5の紙粉や糸クズあるいは大気中のホコリやゴミ等による汚れにより、ノズルが塞がれてインク滴が飛翔しなくなったり、インク滴の飛翔方向が歪められたりしないようにするためのもので、詳細は図示しないが、一般には、ゴムのヘラ状のものでノズル面を擦ったり、海綿状のもので拭いたりして清掃し、吸引装置と連動したキャップをノズル面側に押し付けて強引に吸引することでノズルの詰まりを解消させたりする吸引機構を備えたものもあり、クリーニング手段4でヘッド1のノズル面を清掃したりノズルを吸引したりする作動をクリーニング作動という。
【0034】
そして、ヘッド1のノズル面(図示せず)のクリーニングを行う場合は、クリーニング手段4でクリーニング作動ができる位置(以下、クリーニング位置という。)にヘッド1がキャリッジ2により移動し停止すると、所定のクリーニング作動を行うようになっている。
【0035】
被記録部材5は、画像情報等を印字するための紙や樹脂製のフィルムまたは布帛等であり、大型の印字装置においては、心棒が挿入できる程度の中空のロール状に巻いたものを使用することが多く、印字時には、給送装置(図示せず)により印字能力に応じて所定長さ分が繰り返し給送され、印字後に、キャリッジ2に設けられたカッター等で切断して使用するようになっており、印字装置の仕様によっては、所定の寸法に切断されたシート状の被記録部材5が使用できるようになっているものもある。
【0036】
スライドガイド12は、キャリッジ2が直線的に正確に往復作動するためのガイド(案内)となるもので、キャリッジ2の正確な移動情報を得るためにリニアエンコーダー等が備えられているものが多い。
【0037】
また、本発明の実施の形態においては、キャリッジ2が所定の位置に正しく到達したか、あるいは停止したか等を確認するために設けられた複数のセンサSA〜SEがスライドガイド12の近傍に配置され、キャリッジ2のセンシング部材S2を検出することでキャリッジ2の移動や停止を検出するようになっている。
【0038】
筐体11は、印字装置を形成するもので、前述の各手段や部材等の他に、図示はしないが、インクタンクや制御回路および印字作動等に必要な様々なセンサや駆動装置等を取り付けたり覆ったりするためのものである。
【0039】
本発明の実施の形態における印字装置の印字作動について説明する。
印字装置に電源が投入されると、電源遮断時にキャリッジ2が不用意に動かされた可能性があるものと想定して、まず、キャリッジ2の原点位置を確認するために、制御回路(図示せず)はキャリッジ2を低速度で、例えば、図中左方向に移動させる。
【0040】
キャリッジ2の作動が、第1の待機位置(矢印C)の第1の待機位置検出センサSC、第2の待機位置(矢印D)の第2の待機位置検出センサSDまたはキャッピング位置(矢印E)のキャッピング位置検出センサSEの何れかで検出されると一旦停止し、今度は図中右方向に移動を開始する。
【0041】
このようにして、キャリッジ2の作動が、キャリッジ2の原点位置(矢印B)の原点位置検出センサSBに検知されると、原点位置検出センサからの原点位置信号により制御回路はキャリッジ2の原点位置を制御メモリ(図示せず)に設定すると共に、一度キャリッジ2を原点位置に停止させ、制御回路の制御プログラムの原点位置データと原点位置が一致していることを確認する。
【0042】
つまり、キャリッジ2の作動の基点である原点位置を、キャリッジ2を駆動制御する制御回路の制御プログラムにおける原点位置データと一致させて正確に駆動制御できるように設定するものである。
【0043】
これにより、パルス駆動制御におけるキャリッジ2の原点位置(矢印B)が制御回路の制御プログラムに設定されたので、予め原点位置(矢印B)からクリーニング位置(矢印A)および前記各位置(矢印C、D、E)までの移動距離をパルス数で記憶している制御回路によって、次回からのキャリッジ2の移動が正確に行えるようになる。
【0044】
次に、制御回路は、印字作動に備えてパルス駆動制御によりキャリッジ2を原点位置からキャッピング位置に移動させ、待機する。
【0045】
制御回路からの印字指令を受けると、キャッピング手段3はキャップ(図示せず)をヘッド1から外し、キャリッジ2を図中右方向に移動し、キャリッジ2が原点位置検出センサSBにより原点位置に達したことが確認されると一旦停止させた後、キャリッジ2を第1の待機位置方向に移動を開始させ印字作動を開始する。
【0046】
なお、本発明の実施の形態においては、キャリッジ2を一度キャッピング位置から原点位置に移動させ、キャリッジ2の作動状態を確認し円滑な印字作動が行えるように慣らし運転をするようにしているが、この作動は必須のものではなく、キャッピング位置から第2の待機位置方向に移動させ印字を開始するようにしても良い。
【0047】
また、印字作動を開始する前に、クリーニング位置検出センサSAで検出されるクリーニング位置まで移動し、クリーニング手段4によりヘッド1のクリーニング作動を行うようにしても良い。
【0048】
キャリッジ2に設けられた端面検出センサ(図示せず)が被記録部材5の側端面を検出すると、予め設定された被記録部材5の幅寸法から予め設定された両側の余白部または印字範囲を求め、設定された印字開始位置からヘッド1のノズルはインクを吐出し制御回路のメモリ(図示せず)に記憶された画像情報等のデータに基づき印字を開始し、設定された印字終了位置で印字を終了するが、更にキャリッジ2は第2の待機位置まで進み、第2の待機位置検出センサSDが、キャリッジ2が第2の待機位置に到達したことを検知すると制御回路はキャリッジ2の移動を停止する。
【0049】
その後、制御回路は、キャリッジ2を第1の待機位置方向に移動を開始させ、同様に、キャリッジ2に設けられた端面センサが被記録部材5の側端面を検出すると、設定された余白部を通過した位置から印字を開始し、設定された印字終了位置で印字を終了するが、更にキャリッジ2は第1の待機位置まで進み、第1の待機位置検出センサSCがキャリッジ2が第1の待機位置に到達したことを検知すると制御回路はキャリッジ2の移動を停止する。
【0050】
つまり、制御回路は、印字中は第1の待機位置(矢印C)と第2の待機位置(矢印D)の範囲をキャリッジ2を往復移動させながら印字を繰り返すように指令し、総ての画像情報等のデータの印字が終了すると、クリーニング位置でヘッド1のノズル面をクリーニングし、キャッピング位置でヘッド1のノズル面にキャップをして停止して、次回の画像情報等のデータの印字作動に備えるように指令する。
【0051】
なお、制御回路は、画像情報等のデータの印字途中であっても、予め設定されたクリーニング時期になった場合は、一旦クリーニング作動を実施した後、印字作動に復帰するようにしている。
【0052】
本発明の実施の形態では、印字作動中のキャリッジ2の移動を検知するために、第1の待機位置検出センサSCおよび第2の待機位置検出センサSDを設けているが、キャリッジ2に設けられた端面センサ(図示せず)により、機能を代替させるようにしても良い。
【0053】
また、本発明の実施の形態では、前述の慣らし運転を考慮してキャッピング位置を図中左端部に配置したが、例えば、図中右端より、クリーニング位置、キャッピング位置、原点位置を設定しても良く、この配置の順序やキャリッジ2の移動方向等は、印字装置の機能や性能あるいは仕様等を考慮して変更しても良いことは言うまでもない。
【0054】
本発明の実施の形態においては、キャリッジ2の移動位置等の検知に複数のセンサを用いてパルス駆動制御方式と併用し、加減速等の速度制御と移動位置制御等を行い、キャリッジ2を一定速度で移動させ正確な位置に停止させるようにしたが、これに限らず、例えば、複数のセンサのみにより駆動制御するようにしても良い。
【0055】
図2により、本発明の印字装置の回路構成について説明する。
図中、参照符号の100は印字装置の制御回路を示し、制御回路100はCPU110、情報制御回路120、インタフェース(I/F)130、画像処理回路140、駆動制御回路150、位置検出手段160、表示手段170、操作入力手段180および電源回路190等から構成され、駆動制御回路150はヘッド手段151、キャリッジ手段152、被記録部材を印字位置等に駆動する給送手段153、クリーニング手段154、キャッピング手段155等の各種手段を駆動制御し、情報制御回路120は画像情報出力手段から入力した画像情報等のデータを記憶する画像情報メモリ121、印字装置の維持管理のための管理情報等を記憶する管理情報メモリ122を備え、制御回路100はインタフェース(I/F)130を介して画像情報出力手段としての外部の情報機器の一つであるホストコンピュータ200と接続している。
【0056】
CPU110は、予め記憶した各種印字モードや各種制御モード等のプログラムに応じたシーケンス等の制御情報を記憶する制御情報記憶手段(図示せず)を備えており、この制御情報に基づき制御回路100全体を制御するようにしている。
【0057】
なお、各種印字モードとしては、白黒モードやカラー画像モード、画像の描写に関する高精細モードや標準モードあるいは中間調の色の印字を行わない簡略モード、また、印字の方向を選択できる一方向印字モードや往復印字モード等があり、更に、印字する画像等のレイアウトを変更したり、文字等を記入したりできる編集モードも備えている。
【0058】
情報制御回路120は、外部の情報機器との画像情報や印字装置の作動を制御する情報等の各種情報の入出力や印字装置の内部の各種情報の流れを迅速に、かつ円滑に制御するための回路で、CPU110の制御により画像情報出力手段としての外部の情報機器、例えば、ホストコンピュータ200から入力する画像情報等のデータをタイミング良く入力し記憶する画像情報メモリ121、印字装置がどのような情報量の印字作動を何時、どのようなタイミング等で実施したか等の作動に関する管理情報を記憶する管理情報メモリ122等を備えている。
【0059】
画像処理回路140は、情報制御回路120を介してホストコンピュータ200等から入力され画像情報メモリ121に記憶されている画像情報等のデータを印字装置に適応した印字データに変換し、駆動制御回路150と連動してヘッド手段151により印字するようにしている。
【0060】
本発明の実施の形態における印字装置は、基本的には、ホストコンピュータ200から読み込んだ画像情報等のデータを印字するものであるが、最適な印字を実現するために簡単な編集ができるようにしており、例えば、編集モードにおいては、操作入力手段180等で選択された各種印字モード等に適応するように画像情報等のデータを変換したり、印字のためのレイアウト調整のような画像の拡大縮小に伴う階調補正や画像データの補完または簡単な誤差拡散等の画像処理をしたりすると共に、文字等の簡単な追加または削除が有る場合には、画像情報メモリ121に記憶されている画像情報等のデータに文字等のデータを追加または削除して印字装置が印字できるようにしている。
【0061】
駆動制御回路150は、ヘッド手段151、キャリッジ手段152、給送手段153、クリーニング手段154、キャッピング手段155等の各種手段を駆動制御し、印字作動を正常に実施するためにクリーニングしたりキャッピングしたりするメンテナンス作動と画像処理回路140からの画像情報等のデータに基づき印字を行う印字作動をCPU110からの指令により予め設定されたプログラム等に応じたシーケンスに基づき作動させるようにしている。
【0062】
また、後述する位置検出手段160がオーバーランを検出した場合には、キャリッジ手段152に急制動を与え、キャリッジ手段152の速度を低下させ停止させるように作動する。
【0063】
なお、本発明の実施の形態においては、駆動制御回路は、位置検出手段160がキャリッジ手段152を所定時間以上検出したか否かで判断し、所定時間以上の場合には、停止したと判断し、所定時間以下のときは通過したものとみなし、オーバーランと判断するようにしている。
【0064】
位置検出手段160は、キャリッジ手段152が高速で正確に、かつ安全に所定位置に停止したか否かを検出するための複数のセンサ、例えば、クリーニング位置検出センサ、原点位置検出センサ、キャッピング位置検出センサ(図1におけるSA、SB、SE)を備え、キャリッジ手段152に設けられたセンシング部材(図1におけるS2)を検出するようにしたものである。
【0065】
特に、クリーニング位置検出センサ、原点位置検出センサ、キャッピング位置検出センサ等はキャリッジ手段152の移動範囲の端部に配置されることが多いので、位置検出機能の他にオーバーラン検出機能も備えている。
【0066】
つまり、何らかの電気回路的またはソフト的な不都合(例えば、電気的なノイズやソフトバグ等)により駆動制御回路150が正常に作動せず、キャリッジ手段152を所定位置に停止できなかった場合には、これらの位置検出センサがオーバーランを検出し、駆動制御回路150はキャリッジ手段152を駆動するモータ等の駆動源(図示せず)に逆電圧や電流を印加して強制的に急制動したり、急制動を行うための装置や機構(図示せず)を作動させて、キャリッジ手段152が印字装置の何らかの部材等に追突して損傷を与えないようにしている。
【0067】
表示手段170は、例えば、液晶表示装置として構成され、CPU110により、各種モードの選択時には各種モードの選択や実行状況等の確認ができるモード選択用の画面表示が、編集モードにおいては印字する画像情報の確認やレイアウト等の変更、あるいは文字等の追加や削除等が確認できる編集用の画面表示が、または、印字装置の作動中には時計表示をする時計用の画面表示等ができるようにしている。
【0068】
操作入力手段180は、例えば、キーボードやマウス等により構成され、各種モードを選択したり、編集モードにおいて画像等のレイアウトを変更したり、文字等の追加や削除等を行うことができるようにしており、操作入力手段180で入力された情報やデータは情報制御回路120で判別されてCPU110や画像処理回路140あるいは画像情報メモリ121等に伝達されるようになっている。
【0069】
電源回路190は電源スイッチ(図示せず)により電源が投入されると、電源回路190に設けられた電源起動回路(図示せず)により制御回路100等を起動して各種手段による印字作動を可能にし、電源スイッチまたはCPU110の指令により電源を遮断する場合は、CPU110は各種手段を予め設定された位置に作動し全ての作動を終了させた後に、電源回路190に設けられた電源遮断回路(図示せず)を作動させ、全ての電源が遮断されるようになっている。
【0070】
図3により、本発明の印字装置の駆動制御、特に、オーバーラン防止制御に関して説明する。
【0071】
図1および図2と同じ機能を有する部材やセンサおよび回路に関しては同じ符号を付与するものとする。
【0072】
図(A)は、キャリッジの作動を示す模式図であり、参照符号のBは原点位置、Eはキャッピング位置、2はキャリッジ、S2はキャリッジ2に設けられたセンシング部材、SBは原点位置検出センサ、SEはキャッピング位置検出センサ、3はキャッピング手段を示す。
【0073】
また、従来は、原点位置検出センサSBの図中右側にオーバーランセンサOR1が設けられ、キャッピング位置検出センサSEの図中左側にオーバーランセンサOR2が設けられ、キャリッジ2のセンシング部材S2を検知してオーバーランを検出していた。
【0074】
しかしながら、本発明の実施の形態においては、原点位置検出センサSBおよびキャッピング位置検出センサSEに位置検出機能の他にオーバーラン検出機能を付加することにより、簡単な回路構成でオーバーランを検出できるようにしたので、オーバーランセンサOR1およびOR2を廃止することができた。
【0075】
キャリッジ2は、矢印で示すように原点位置Bを基点とするパルス駆動制御等により、原点位置Bとキャッピング位置Eの範囲を作動範囲として予め設定されたプログラムで往復作動するものとし、キャッピング位置Eに停止した際は、ヘッドへのキャップの着脱を行うものである。
【0076】
図(B)は、横軸(X軸)に時間、縦軸(Y軸)に速度を示し、キャリッジの作動状態を示したタイムチャートであり、参照符号のL1、L2、L3はキャリッジ2がキャッピング位置E方向から移動し原点位置Bに停止する状態を示したものであり、L11、L12、L13は原点位置B方向から移動してキャッピング位置Eに停止する状態を示したものである。
【0077】
(1)L1〜L3について説明する。
L1は正常なキャリッジ2の移動を示し、駆動制御回路(図示せず)によりキャッピング位置E方向から一定の高速度L0で移動するキャリッジ2がPMのタイミングで減速され低速で一定期間移動した後、原点位置B近傍のタイミングで更に減速され、原点位置Bに停止する。
【0078】
この時、原点位置検出センサSBは予め設定された時間(所定時間)以上キャリッジ2のセンシング部材S2を検知するので、駆動制御回路はこの信号を受けてキャリッジ2が停止したと判断し、次のプログラムを実行するように作動する。
【0079】
L2は、L1と同様にPMのタイミングで減速され低速で一定期間移動するが、原点位置B近傍のタイミングで、何らかの不都合により減速されず、原点位置検出センサSBを通過してしまった場合である。
【0080】
この時、原点位置検出センサSBはキャリッジ2のセンシング部材S2を所定時間以下の短時間しか検知しないので、駆動制御回路はこの信号を受けてキャリッジ2がオーバーランしたと判断し、キャリッジ2を駆動するモータ等の駆動源(図示せず)に逆電圧や電流を印加して強制的に急制動したり、急制動を行うための装置や機構(図示せず)を作動させて、キャリッジ2が印字装置の何らかの部材等に追突して損傷を与えないようにする。
【0081】
L3は、一定の高速度L0で移動するキャリッジ2がPMのタイミングで、何らかの不都合により減速されず高速の状態で原点位置検出センサSBを通過してしまった場合である。
【0082】
この時、原点位置検出センサSBはキャリッジ2のセンシング部材S2をL2の場合より更に所定時間以下の短時間しか検知しないので、駆動制御回路はこの信号を受けてキャリッジ2がオーバーランしたと判断し、L2の場合と同様に追突防止の作動を行う。
【0083】
なお、L3の場合、キャリッジ2を駆動するモータ等の駆動源(図示せず)に、例えば、検知した時間に応じてL2の場合より更に高い逆電圧や電流を印加して強制的に急制動したり、更に強い急制動を行うための装置や機構(図示せず)を作動させて、キャリッジ2が印字装置の何らかの部材等に追突して損傷を与えないようにしてもよい。
【0084】
(2)L11〜L13の場合について説明する。
L11はL1と、L12はL2と、L13はL3の場合と同様の制御を行うものであり、キャリッジ2が原点位置B方向から移動して来ること、キャリッジを減速するタイミングがPMからPNに代わること、および原点位置検出センサSBがキャッピング位置検出センサSEに代わることが、L1〜L3の場合と相違するものである。
【0085】
なお、本発明の実施の形態においては、キャリッジ2の速度をPMおよびPNのタイミングで減速し低速で一定期間移動するように制御しているが、これに限らず、キャリッジ2の質量や速度等による慣性を考慮し、低速度での移動を更に段階的に増加したり、また無くしたりしても良いことはいうまでもない。
【0086】
なお、図(A)は、オーバーラン防止制御の説明を簡単にするために、原点位置検出センサSBとキャッピング位置検出センサSEのみを備えた印字装置としたが、印字装置の端部にクリーニング位置検出センサ(図1のSA)を有するものにおいても、同様の制御を行うものである。
【0087】
以上のように、常時使用されている原点位置検出センサSB、キャッピング位置検出センサSE、クリーニング位置検出センサSAのキャリッジ2の停止位置を検出する機能にオーバーランを検出する機能を付加したので、オーバーランを検出するタイミングが早くなり、万一に備えて特別にセンサを点検する必要もなく、早期に、安全にキャリッジ2のオーバーランを急制動でき、しかも、センサ数を減少させたので回路構成も簡単になり、コストも低減できることになった。
【0088】
また、原点位置検出センサSB、キャッピング位置検出センサSE、クリーニング位置検出センサSA等には、更に機能を付加しても良く、例えば、キャリッジ2のセンシング部材S2をヘッド部に設け、キャリッジ2が停止したことをキャッピング位置検出センサSEが検出した後に、キャッピング手段によりキャップを装着するとセンシング部材S2が覆われ、キャッピング位置検出センサSEによる検出が不能となることにより、ヘッドにキャップが装着されたと駆動制御回路が判断し、次に、キャリッジ2の作動前に、キャップが外されセンシング部材S2が検出可能になったことでキャップが外されたと駆動制御回路が判断するようにして、キャッピング位置検出センサSEにキャップを適切に着脱したか否かを検出する機能を付加することもできる。
【0089】
【発明の効果】
常時使用されている位置検出センサを用いてオーバーランを検出できるようにしたのでセンサが増加せず、印字装置の作動が正常に行われていればセンサの点検が行われたことになり安全が確保され、しかも、回路構成も印字装置の構造も簡単で、キャリッジ手段を高速で正確に駆動制御できると共に、何らかの不都合でキャリッジが暴走した場合でも印字装置を損傷しないように、キャリッジ手段の速度を安全な速度に低下または停止できるようにした印字装置および印字装置の制御方法を提供することができるようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の印字装置の全体概略図である。
【図2】本発明の回路構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の印字装置の駆動制御を示す模式図である。
【符号の説明】
1 ヘッド
2 キャリッジ
3 キャッピング手段
4 クリーニング手段
5 被記録部材
11 筐体
12 スライドガイド
100 制御回路
110 CPU
120 情報制御回路
130 インタフェース(I/F)
140 画像処理回路
150 駆動制御回路
160 位置検出手段
170 表示手段
180 操作入力手段
190 電源回路
200 ホストコンピュータ

Claims (8)

  1. 画像情報出力手段から出力された画像情報を印字する印字手段と、前記印字手段を搭載し往復作動するキャリッジ手段とを備えた印字装置において、前記キャリッジ手段の作動基点である原点位置、前記印字手段にキャップを着脱するキャッピング手段に対応するキャッピング位置、前記印字手段のクリーニングを行うクリーニング手段に対応するクリーニング位置の少なくとも1つの位置に設置され、少なくとも前記キャリッジ手段の停止および通過を検出可能な位置検出手段と、前記位置検出手段の検出結果に基づき、少なくとも前記キャリッジ手段の駆動制御を行う駆動制御手段を備え、前記位置検出手段が設置された位置に前記キャリッジ手段を停止させる際に、前記位置検出手段が前記キャリッジ手段の通過を検出したときは、前記駆動制御手段は前記キャリッジ手段の作動を停止させるために急制動を行うように制御することを特徴とする印字装置。
  2. 前記位置検出手段が前記原点位置に設置された原点位置検出手段であるときは、前記原点位置検出手段が、電源投入後の最初に、前記キャリッジ手段が前記原点位置を通過したことを検出したときは原点位置信号を出力し、前記駆動制御手段は、前記原点位置信号に基づき前記キャリッジ手段を駆動制御するための制御プログラムに原点位置を設定すると共に前記キャリッジ手段を前記原点位置に停止させ、前記原点位置が設定された後に、前記キャリッジ手段が前記原点位置を通過したことを前記原点位置検出手段が検出したときはオーバーラン信号を出力し、前記駆動制御手段は、前記オーバーラン信号に基づき前記キャリッジ手段の作動を停止させるために急制動を行うように制御することを特徴とする請求項1に記載の印字装置。
  3. 前記位置検出手段が前記キャッピング位置に設置されたキャッピング位置検出手段であるときは、前記キャッピング位置検出手段が、前記キャリッジ手段が前記キャッピング位置にあることを検出したときには停止信号を出力し、前記駆動制御手段は前記停止信号に基づき前記キャッピング手段を作動させ、前記印字手段に対して前記キャップの着脱を行い、前記キャリッジ手段が前記キャッピング位置を通過したことを前記キャッピング位置検出手段が検出したときはオーバーラン信号を出力し、前記駆動制御手段は、前記オーバーラン信号に基づき前記キャリッジ手段の作動を停止させるために急制動を行うように制御することを特徴とする請求項1に記載の印字装置。
  4. 前記位置検出手段が前記クリーニング位置に設置されたクリーニング位置検出手段であるときは、前記クリーニング位置検出手段が、前記キャリッジ手段が前記クリーニング位置にあることを検出したときには停止信号を出力し、前記駆動制御手段は前記停止信号に基づき前記クリーニング手段を作動させ、前記印字手段に対してクリーニング作動を行い、前記キャリッジ手段が前記クリーニング位置を通過したことを前記クリーニング位置検出手段が検出したときはオーバーラン信号を出力し、前記駆動制御手段は、前記オーバーラン信号に基づき前記キャリッジ手段の作動を停止させるために急制動を行うように制御することを特徴とする請求項1に記載の印字装置。
  5. 前記駆動制御手段は、前記位置検出手段が前記キャリッジ手段を検出している時間が所定時間以下のときに前記キャリッジ手段が通過したものと判断することを特徴とする請求項1に記載の印字装置
  6. 前記駆動制御手段は、前記所定時間以下の範囲内において、前記位置検出手段が前記キャリッジ手段を検出している時間が相対的に短い場合に、相対的に長い場合に比べて相対的に強い急制動を行うように制御することを特徴とする請求項5に記載の印字装置。
  7. 前記キャリッジ手段のセンシング部材を前記印字手段に設け、前記位置検出手段が前記キャッピング位置に設置されたキャッピング位置検出手段であるときは、前記キャッピング位置検出手段が、前記センシング部材を検出することにより前記キャリッジ手段が前記キャッピング位置にあることを検出したときには停止信号を出力し、前記駆動制御手段は前記停止信号に基づき前記キャッピング手段を作動させ、前記印字手段に対して前記キャップの着脱を行うように制御するとともに、キャリッジ手段が停止したことをキャッピング位置検出手段が検出した後に、キャッピング手段によりキャップが装 着されるとセンシング部材が覆われ、キャッピング位置検出手段による検出が不能となることにより、印字手段にキャップが装着されたものと判断し、次に、キャリッジ手段の作動前に、キャップが外されるとセンシング部材が検出可能となることにより、キャップが外されたものと判断することを特徴とする請求項1に記載の印字装置。
  8. 画像情報出力手段から出力された画像情報を印字する印字手段と、前記印字手段を搭載し往復作動するキャリッジ手段とを備えた印字装置の制御方法において、前記キャリッジ手段の作動基点である原点位置、前記印字手段にキャップを着脱するキャッピング位置、前記印字手段のクリーニングを行うクリーニング位置の少なくとも1つの位置に前記キャリッジ手段を停止させる際に、前記キャリッジ手段が停止または通過したことを検出する位置検出工程と、前記位置検出工程の検出結果に基づき、少なくとも前記キャリッジ手段の駆動制御を行う駆動制御工程とを有し、前記位置検出工程で前記キャリッジ手段が前記少なくとも1つの位置の通過を検出したときは、前記駆動制御工程で前記キャリッジ手段の作動を停止させるために急制動を行うように制御することを特徴とする印字装置の制御方法。
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