JP4110715B2 - 画像処理装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は画像処理装置に関し、より詳しくは、ピークホールド方式のシェーディング補正を行う画像処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】
一般に、原稿画像を光学的に読み取る画像読み取り装置(IR)では、光源の発光特性、光学系の結像特性およびイメージセンサ(CCD形ラインセンサなど)の感度不均一性によって、イメージセンサの光電変換出力に光量ひずみ(シェーディング)が生ずる。このシェーディングを電子的に補正する手法として、主に、平均値方式と、ピークホールド方式とが行われている(例えば特開平10−271328号公報)。
【0003】
平均値方式のシェーディング補正は、予めシェーディング板(白色板)上の複数ライン分の画像データを読み取り、それらのライン上の対応する画素ごとに上記画像データの平均値を算出してシェーディング補正基準データとし、原稿読み取り時にその補正基準データを用いて原稿画像データを補正する手法である。平均値方式のシェーディング補正によれば、システムのS/N比(信号対ノイズ比)の影響を受けにくいが、シェーディング板上に「ごみ」が付着するとその「ごみ」の影響を受け易く、また、メモリを多く必要とする。
【0004】
これに対して、ピークホールド方式のシェーディング補正は、予めシェーディング板上の複数ライン分の画像データを読み取り、それらのライン上の対応する画素ごとに上記画像データのピーク値をホールドしてシェーディング補正基準データとし、原稿読み取り時にその補正基準データを用いて原稿画像データを補正する手法である。ピークホールド方式のシェーディング補正によれば、シェーディング板上に「ごみ」が存在していてもその「ごみ」の影響を受けにくく、またメモリも少なくて済むが、S/N比の影響を受け易い。
【0005】
一般的に言って、かつては、露光量を十分に確保できたので、図12(a)に示すようにシステムのS/N比が良く、読み取りのピーク値pと平均値aとの差dが小さい状態にあり、したがってピークホールド方式を採用しても問題はなかった。
【0006】
しかしながら、近年、デジタル複写機などでは高CPM(1分間当たりのコピー枚数)化、省電力化などの理由により、画像読み取り装置の露光量を十分に確保できない状況となっている。また高解像度化、高CPM化によりクロック周波数が上昇することによって、接地(GND)ラインなどに発生するノイズが大きくなり、CCDセンサの出力するアナログ画像信号の電圧が不十分になっている。これらの理由より、図12(b)に示すように、システムのS/N比が悪く、読み取りのピーク値p′と平均値a′との差d′が大きくなってきている。このため、ピークホールド値(シェーディング補正基準データ)p′が高くなり、それに応じてシェーディング補正の増幅率が下がる(例えばシェーディング板と同じレベルの白を階調値255に補正する場合、増幅率がAからA′に下がる)。その結果、画像全体の濃度レベルが低下して、いわゆる「かぶり」傾向が生ずるという問題がある。また、カラー複写機の場合、色味が変わるという問題もある。すなわち、通常RGBごとに感度が異なることから、RGBごとにS/N比とS/N比の変動量が異なる。S/N比の標準状態でグレーパッチを読み取った場合、RGB読み取り値が等しくなるようにチューニングされる。しかし、RGBごとにS/N比がばらつくため、或る波長成分については「かぶり」方向に、或る波長成分については逆に「飛ばし」方向にずれてしまうという事象が発生する。この結果、RGB間で読み取り値に差が発生して、色味が変わる(グレーパッチであるにも関わらず色味を帯びる)という問題が生ずる。
【0007】
S/N比の悪いシステムでは、個々のマシン間のS/N比ばらつきも大きい。この結果、S/N比の影響でシェーディング補正後の原稿画像読み取り値のばらつきが大きくなり、上述のような問題が深刻になる。
【0008】
そこで、この発明の目的は、ピークホールド方式のシェーディング補正を行う画像処理装置であって、シェーディング補正後の原稿画像読み取り値の、S/N比の影響によるばらつきを低減できるものを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の画像処理装置は、
白基準を与える基準濃度板を主走査方向に複数ライン分読み取り、その主走査方向における同一画素位置における基準濃度板読み取り値のピーク値を求めるピーク値算出手段と、
上記主走査方向における各画素毎に上記ピーク値を記憶する記憶手段と、
上記主走査方向に沿った複数画素にわたって上記ピーク値の平均値を計算する第1の平均値算出手段と、
上記基準濃度板を主走査方向に1ライン分読み取り、その主走査方向に沿った複数画素にわたって基準濃度板読み取り値の平均値を求める第2の平均値算出手段と、
基準濃度板読み取り値に関するノイズ量を表すように、上記第1の平均値算出手段によって得られた上記ピーク値の平均値と上記第2の平均値算出手段によって得られた上記基準濃度板読み取り値の平均値との差分データを計算する差分データ算出手段と、
上記記憶手段に格納されたピーク値をシェーディング補正基準データとし、白レベルを表す最大階調値を上記シェーディング補正基準データで除算して第1因子を得るとともに、上記差分データの大きさに応じて上記差分データを複数の範囲に区分して、上記範囲毎に、かつ、上記差分データが大きな範囲ほど大きな値となる第2因子を作成し、上記第1因子と第2因子との積からなり、白レベルの狙い値を定める補正係数を設定する補正係数設定手段と、
上記補正係数を原稿画像読み取り値に乗算して補正する補正手段を備えたことを特徴とする。
【0010】
なお、「基準濃度板」とはシェーディング補正基準データを得るために設けられた基準濃度を持つ板を意味し、「基準濃度板読み取り値」とはそのような基準濃度板を光学的に読み取って得られたデータ値を意味する。また、「原稿画像読み取り値」とは、基準濃度板を読み取ったのと同じシステム(光学的読み取り系)を用いて、原稿画像を光学的に読み取って得られたデータ値を意味する。
【0011】
この請求項1の画像処理装置では、原稿画像の読み取りに先立って予め、ピーク値算出手段が、白基準を与える基準濃度板を主走査方向に複数ライン分読み取り、その主走査方向における同一画素位置における基準濃度板読み取り値のピーク値を求める。記憶手段が、上記主走査方向における各画素毎に上記ピーク値を記憶する。第1の平均値算出手段が、上記主走査方向に沿った複数画素にわたって上記ピーク値の平均値を計算する。第2の平均値算出手段が、上記基準濃度板を主走査方向に1ライン分読み取り、その主走査方向に沿った複数画素にわたって基準濃度板読み取り値の平均値を求める。また、差分データ算出手段が、読み取り値に関するノイズ量を表すように、上記第1の平均値算出手段によって得られた上記ピーク値の平均値と上記第2の平均値算出手段によって得られた上記基準濃度板読み取り値の平均値との差分データを計算する。補正係数設定手段が、上記記憶手段に格納されたピーク値をシェーディング補正基準データとし、白レベルを表す最大階調値を上記シェーディング補正基準データで除算して第1因子を得るとともに、上記差分データの大きさに応じて上記差分データを複数の範囲に区分して、上記範囲毎に、かつ、上記差分データが大きな範囲ほど大きな値となる第2因子を作成し、上記第1因子と第2因子との積からなり、白レベルの狙い値を定める補正係数を設定する。そして、補正手段が、上記補正係数を原稿画像読み取り値に乗算して補正する。このようにして、ごみの影響を受けないピークホールド方式のシェーディング補正を行う。
【0012】
これにより、システムに読み取り値に関するノイズが存在する場合であっても、上記補正係数はシェーディングを適切に解消するものとなる。したがって、シェーディング補正後の原稿画像読み取り値の、S/N比の影響によるばらつきを低減できる。
【0013】
請求項2に記載の画像処理装置は、
白基準を与える基準濃度板を主走査方向に複数ライン分読み取り、その主走査方向における同一画素位置における基準濃度板読み取り値のピーク値を求めるピーク値算出手段と、
上記主走査方向における各画素毎に上記ピーク値を記憶する記憶手段と、
上記主走査方向に沿った複数画素にわたって上記ピーク値の平均値を計算する第1の平均値算出手段と、
上記基準濃度板を主走査方向に1ライン分読み取り、その主走査方向に沿った複数画素にわたって基準濃度板読み取り値の平均値を求める第2の平均値算出手段と、
基準濃度板読み取り値に関するノイズ量を表すように、上記第1の平均値算出手段によって得られた上記ピーク値の平均値と上記第2の平均値算出手段によって得られた上記基準濃度板読み取り値の平均値との差分データを計算する差分データ算出手段と、
上記記憶手段に格納されたピーク値をシェーディング補正基準データとするとともに、上記差分データの大きさに応じて上記差分データを複数の範囲に区分して、上記範囲毎に、かつ、上記差分データが大きな範囲ほど大きな値となる所定値を設定し、白レベルを表す最大階調値を、上記シェーディング補正基準データから上記所定値を差し引いて得られた値で除算した、白レベルの狙い値を定める補正係数を設定する補正係数設定手段と、
上記補正係数を原稿画像読み取り値に乗算して補正する補正手段を備えたことを特徴とする。
【0014】
この請求項2の画像処理装置では、原稿画像の読み取りに先立って予め、ピーク値算出手段が、白基準を与える基準濃度板を主走査方向に複数ライン分読み取り、その主走査方向における同一画素位置における基準濃度板読み取り値のピーク値を求める。記憶手段が、上記主走査方向における各画素毎に上記ピーク値を記憶する。第1の平均値算出手段が、上記主走査方向に沿った複数画素にわたって上記ピーク値の平均値を計算する。第2の平均値算出手段が、上記基準濃度板を主走査方向に1ライン分読み取り、その主走査方向に沿った複数画素にわたって基準濃度板読み取り値の平均値を求める。また、差分データ算出手段が、基準濃度板読み取り値に関するノイズ量を表すように、上記第1の平均値算出手段によって得られた上記ピーク値の平均値と上記第2の平均値算出手段によって得られた上記基準濃度板読み取り値の平均値との差分データを計算する。補正係数設定手段が、上記記憶手段に格納されたピーク値をシェーディング補正基準データとするとともに、上記差分データの大きさに応じて上記差分データを複数の範囲に区分して、上記範囲毎に、かつ、上記差分データが大きな範囲ほど大きな値となる所定値を設定し、白レベルを表す最大階調値を、上記シェーディング補正基準データから上記所定値を差し引いて得られた値で除算した、白レベルの狙い値を定める補正係数を設定する。そして、補正手段が、上記補正係数を原稿画像読み取り値に乗算して補正する。このようにして、ごみの影響を受けないピークホールド方式のシェーディング補正を行う。
【0015】
これにより、システムに読み取り値に関するノイズが存在する場合であっても、上記補正係数はシェーディングを適切に解消するものとなる。したがって、シェーディング補正後の原稿画像読み取り値の、S/N比の影響によるばらつきを低減できる。
【0016】
請求項3に記載の画像処理装置は、
基準濃度板または原稿の画像を表す信号を所定の増幅率で増幅して、基準濃度板読み取り値または原稿画像読み取り値を得る増幅手段と、
白基準を与える基準濃度板を主走査方向に複数ライン分読み取り、その主走査方向における同一画素位置における基準濃度板読み取り値のピーク値を求めるピーク値算出手段と、
上記主走査方向における各画素毎に上記ピーク値を記憶する記憶手段と、
上記主走査方向に沿った複数画素にわたって上記ピーク値の平均値を計算する第1の平均値算出手段と、
上記基準濃度板を主走査方向に1ライン分読み取り、その主走査方向に沿った複数画素にわたって基準濃度板読み取り値の平均値を求める第2の平均値算出手段と、
基準濃度板読み取り値に関するノイズ量を表すように、上記第1の平均値算出手段によって得られた上記ピーク値の平均値と上記第2の平均値算出手段によって得られた上記基準濃度板読み取り値の平均値との差分データを計算する差分データ算出手段と、
上記記憶手段に格納されたピーク値をシェーディング補正基準データとし、白レベルを表す最大階調値を上記シェーディング補正基準データの値で除算して、白レベルの狙い値を定める補正係数を設定する補正係数設定手段と、
原稿画像の読み取り時に、上記差分データの大きさに応じて上記差分データを複数の範囲に区分して、上記増幅手段のために、上記範囲毎に、かつ、上記差分データが大きな範囲ほど大きな値となる増幅率を設定するゲイン調整手段と、
上記ゲイン調整手段によって設定された上記増幅率で上記増幅手段によって増幅された原稿画像読み取り値に、上記補正係数を乗算して補正する補正手段を備えたことを特徴とする。
【0017】
この請求項3の画像処理装置では、原稿画像の読み取りに先立って予め、基準濃度板の画像が入力され、増幅手段が、基準濃度板の画像を表す信号を所定の増幅率で増幅して、基準濃度板読み取り値を得る。ピーク値算出手段が、白基準を与える基準濃度板を主走査方向に複数ライン分読み取り、その主走査方向における同一画素位置における基準濃度板読み取り値のピーク値を求める。記憶手段が、上記主走査方向における各画素毎に上記ピーク値を記憶する。第1の平均値算出手段が、上記主走査方向に沿った複数画素にわたって上記ピーク値の平均値を計算する。第2の平均値算出手段が、上記基準濃度板を主走査方向に1ライン分読み取り、その主走査方向に沿った複数画素にわたって基準濃度板読み取り値の平均値を求める。また、差分データ算出手段が、基準濃度板読み取り値に関するノイズ量を表すように、上記第1の平均値算出手段によって得られた上記ピーク値の平均値と上記第2の平均値算出手段によって得られた上記基準濃度板読み取り値の平均値との差分データを計算する。補正係数設定手段が、上記記憶手段に格納されたピーク値をシェーディング補正基準データとし、白レベルを表す最大階調値を上記シェーディング補正基準データの値で除算して、白レベルの狙い値を定める補正係数を設定する。原稿画像の読み取り時に、ゲイン調整手段が、上記差分データの大きさに応じて上記差分データを複数の範囲に区分して、上記増幅手段のために、上記範囲毎に、かつ、上記差分データが大きな範囲ほど大きな値となる増幅率を設定する。増幅手段は、上記ゲイン調整手段によって設定された上記増幅率で、原稿の画像を表す信号を増幅して、原稿画像読み取り値を得る。そして、補正手段が、上記増幅手段によって増幅された原稿画像読み取り値に、上記補正係数を乗算して補正する。このようにして、ごみの影響を受けないピークホールド方式のシェーディング補正を行う。
【0018】
これにより、システムに読み取り値に関するノイズが存在する場合であっても、上記増幅手段が出力する原稿画像読み取り値はノイズの影響を受けないものとなる。したがって、シェーディング補正後の原稿画像読み取り値の、S/N比の影響によるばらつきを低減できる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の画像処理装置を図示の実施の形態により詳細に説明する。
【0020】
図11は、電子写真式デジタルカラー複写機の画像読み取り装置(IR)に適用された一実施形態の画像処理装置の概略ブロック構成を示している。この画像処理装置は、CCD形ラインセンサ(以下「CCDセンサ」という。)1と、サンプルホールド部(S/H)2と、クランプ回路(CLP)3と、増幅手段としてのゲイン回路(AMP)4と、A/D変換部5と、シェーディング補正部(SH)6と、この画像処理装置全体を制御するCPU(中央演算処理装置)10を備えている。原稿8または白レベルの基準濃度を持つシェーディング板9が、光源としての蛍光灯(図示せず)によって照射され、その反射光が光学系(図示せず)を通してCCDセンサ1上に入射するようになっている。実際のシェーディング補正板9は、CCDセンサ1と同様に、主走査方向に細長く延びた形状を有している。
【0021】
CCDセンサ1は、原稿8またはシェーディング板9からの光を光電変換して、R(レッド),G(グリーン),B(ブルー)の各色分解情報であるアナログ信号を出力する。サンプルホールド部2は、そのアナログ信号の有効信号部分をホールドして、クランプ回路3へ送る。クランプ回路3は、そのアナログ信号に対して黒レベルのオフセット量調整を行って、ゲイン回路4へ送る。ゲイン回路4は、そのアナログ信号を所定の増幅率で増幅して、A/D変換部5へ送る。A/D変換部5は、CPU10から転送されるタイミング信号に基づいてそのアナログ信号をR,G,Bの色情報毎に8ビット(256階調)のデジタルデータに変換して、シェーディング補正部6へ送る。シェーディング補正部6は、そのデジタルデータに対してピークホールド方式のシェーディング補正を行って、後に続く図示しない画像処理回路(色収差補正部など)へ送る。
【0022】
概略、ピークホールド方式のシェーディング補正は、次のようにして行われる。すなわち、白基準を与える基準濃度板としてのシェーディング板9上の複数ライン分の画像データを予め読み取り、それらのライン上の対応する画素ごとに上記画像データのピークをホールドしてシェーディング補正基準データとする。そして、原稿読み取り時に、シェーディング補正部6がその補正基準データを用いてシェーディングを解消するように原稿画像読み取り値を補正する。
【0023】
さて、図1は、本システム(光学的読み取り系)が或る程度ノイズ成分を含んでおりS/N比が良くない場合の、シェーディング板9の読み取り波形を例示している。ここで横軸は主走査方向位置、縦軸は読み取り値(0が黒レベル)をそれぞれ示す。読み取り値は、本システムのノイズを反映して、平均値aveの上下に点線波形のように最小値minからピーク値peakまでばらついている。なお、PO、AOは、それぞれ主走査方向の有効領域の中央部(図中に矢印で示す範囲)の画素についてピーク値peak、平均値aveを主走査方向に関して平均して得られた平均値を表している。値P0からA0を引くことで得られる差分データdelt(=P0−A0)は、ノイズ量(S/N比)に相当すると考えられる。
【0024】
図2は、或る濃度を持つ原稿を読みとったときの原稿画像読み取り値がノイズ量に応じてどのように変化するかを示している。ここで横軸のdeltは、図1中に示した値P0からA0を引くことで得られる差分データ(delt=P0−A0)であり、ノイズ量に相当する。縦軸は読み取り値(0が黒レベル)である。従来技術によるピークホールド方式でシェーディング補正を行った場合は、破線の直線DATAOUTBで示すように、この差分データdeltが0から10aまで増加すると、そのシェーディング補正後の原稿画像読み取り値はそれに比例してXからYまで低下する。
【0025】
詳しくは、本システムにノイズがない場合(delt=0)の、或る濃度パッチのシェーディング補正後の原稿画像読み取り値をXとする。白レベル(シェーディング板)の狙い値を255、シェーディング板のピークホールド値をA0(ノイズがない場合のもので平均値でもある)、シェーディング補正前の濃度パッチの読み取り平均値をX0とすると、その濃度パッチのシェーディング補正後の原稿画像読み取り値Xは、
X=X0×(255/A0) …(1)
と表すことができる。次に、或るノイズ量が存在する場合、例えばノイズ量deltが最大値10aである場合のシェーディング補正後の原稿画像読み取り値Yは、
Y=X0×(255/(A0+10a))
=X×A0/(A0+10a) …(2)
と表すことができる。上記計算式(1),(2)から分かるように、差分データdeltが0から10aまで増加すると、シェーディング補正後の原稿画像読み取り値はそれに比例してXからYまで低下する。この差(X−Y)は読み取り対象の濃度が白レベルに近づくほど大きな値となる。
【0026】
そこで本システムでは、シェーディング補正後の原稿画像読み取り値の、S/N比の影響によるばらつきを低減するために、次のようなシェーディング補正の仕方をとる。
【0027】
(第1のシェーディング補正)
図3はシェーディング補正部6の一つの回路構成例を示している。この例では、シェーディング補正部6は、シェーディング補正基準データを格納する記憶手段としてのFIFO(先入れ先出し)メモリ11と、比較器(COMP)12と、補正係数テーブル(SHTABLE)を格納するためのRAM13と、乗算器14を備えている。
【0028】
比較器12は、シェーディング補正基準データの読み取り期間中、補正されていない読み取り値DATAINとFIFOメモリ11の出力データとを比較して、両者のうちの大きい方を選択してFIFOメモリ11の入力端子へ出力する。これにより、シェーディング板を読み取ったときの、補正されていない読み取り値のピーク値がシェーディング補正基準データとしてFIFOメモリ11に格納される。FIFOメモリ11の出力データ(ピークホールド値)FIFOoutはRAM13のアドレスに接続される。このRAM13には、次に述べる補正係数テーブル(SHTABLE)が格納される。
【0029】
図5はRAM13に格納される補正係数テーブル(SHTABLE)の内容を示している。この補正係数テーブルは、ノイズ量に相当する差分データdelt(=P0−A0)を0〜2a、2a〜4a、4a〜6a、6a〜8a、8a〜10aという5つの範囲(バンク)に区分して、シェーディング板を読み取ったときの差分データdeltのバンクに応じた補正係数を格納する。その補正係数の第1因子は(255/FIFOout)であり、この分母のFIFOoutはFIFOメモリ11が出力するピークホールド値を表している。したがって、補正係数の第1因子(255/FIFOout)は、白レベルの狙い値、つまりシェーディング板の白レベルを最大階調値255に設定すべきことを表している。ノイズが少なく、バンク0すなわち差分データdeltが0(ノイズなし)〜2aの場合は、第2因子((A0)/A0)=1であるから、補正係数は(255/FIFOout)となる。ノイズが少し増えて、バンク1すなわち差分データdeltが2a〜4aの場合は、第2因子が((A0+2a)/A0)となって、補正係数が(255/FIFOout)に対してその分だけ増加する。同様に、バンク2すなわち差分データdeltが4a〜6aの場合は、第2因子が((A0+4a)/A0)となって、補正係数が(255/FIFOout)に対してその分だけ増加する。バンク3すなわち差分データdeltが6a〜8aの場合は、第2因子が((A0+6a)/A0)となって、補正係数が(255/FIFOout)に対してその分だけ増加する。また、バンク4すなわち差分データdeltが8a〜10aの場合は、第2因子が((A0+8a)/A0)となって、補正係数が(255/FIFOout)に対してその分だけ増加する。
【0030】
図8は、第1のシェーディング補正における補正係数テーブルを設定するための、CPU10によるシーケンスを示している。
【0031】
まず、シェーディング補正部6の各部を初期化する(S0)。続いて、シェーディング板1ライン分のデータを読み込む(S1)。ピークホールド値格納用のFIFOメモリ11に1ラインデータが書き込まれるので、主走査方向中央部に含まれる画素のデータを読み出し、それらのデータを主走査方向に関して平均して平均値A0を得る(S2)。次に、シェーディング板をN回読み取り、FIFOメモリ11にピークホールド値を書き込ませる(S3)。書きこませた後で、主走査方向中央部に含まれる画素のデータを読み出し、それらのデータを主走査方向に関して平均して平均値P0を得る(S4)。それから差分データdelt=P0−A0を算出する(S5)。
【0032】
次に、バンクを選択するためのパラメータnを0に設定して(S6)、差分データdeltの値が2anよりも小さいか否かを判断する(S7)。差分データdeltの値が2anよりも小さくなければ、このnの値を順次インクリメントして、最終的に差分データdeltが属するバンクnを選択する(S8)。そして、この選択したバンクnに対応する補正係数テーブル(SHTABLE)をRAM13にロードする(S9)。
【0033】
原稿読み取り時は、図3中に示す乗算器14が、補正されていない原稿画像読み取り値DATAINと、RAM13の補正係数テーブル(SHTABLE)から読み出された補正係数とを乗算して、その乗算結果DATAOUTを出力する。乗算結果DATAOUTは、バンクnつまり差分データdeltの範囲に応じて、次の5組の式(3)で表される。
【0034】
delt=0〜2aのとき
(255/FIFOout)*((A0)/A0)*DATAIN
delt=2a〜4aのとき
(255/FIFOout)*((A0+2a)/A0)*DATAIN
delt=4a〜6aのとき
(255/FIFOout)*((A0+4a)/A0)*DATAIN
delt=6a〜8aのとき
(255/FIFOout)*((A0+6a)/A0)*DATAIN
delt=8a〜10aのとき
(255/FIFOout)*((A0+8a)/A0)*DATAIN
…(3)
この式(3)によれば、この第1のシェーディング補正を行った場合の読み取り結果は、図2中に実線で示すような鋸歯状波形DATAOUTAとなる。したがって、従来技術によるピークホールド方式でシェーディング補正を行った場合(破線の直線DATAOUTB)に比して、シェーディング補正後の原稿画像読み取り値の、S/N比の影響によるばらつきを低減できる。
【0035】
詳しくは、従来技術によるばらつき量(X−Y)は、
X−Y=X−X×A0/(A0+10a)
=X×(10a/(A0+10a)
となる。次に、第1のシェーディング補正を行った場合のばらつき量(X−Z)であるが、まずばらつきの下限値Zは、
Z=X×(A0/(A0+2a) (ただしA0≫10aと仮定する)
となる。したがって、第1のシェーディング補正を行った場合のばらつき量(X−Z)は、
X−Z=X−X×(A0/(A0+2a)
=X×(2a/(A0+2a)
となる。よって、従来技術によるシェーディング補正と第1のシェーディング補正との間で原稿画像読み取り値のばらつき量を比較すると、
(X−Z)/(X−Y)
=(X×(2a/(A0+2a))/(X×(10a/(A0+10a))
=(2a/(A0+2a))/(10a/(A0+10a))
=(1/(A0+2a))/(5/(A0+10a))
≒1/5 (A0≫10aより)
となる。つまり、この第1のシェーディング補正によれば、従来技術によるシェーディング補正に比して、原稿画像読み取り値のばらつきを約1/5に抑えることができる。
【0036】
(第2のシェーディング補正)
図4はシェーディング補正部6の別の回路構成例を示している。この例では、シェーディング補正部6は、シェーディング補正基準データを格納する記憶手段としてのFIFOメモリ21と、比較器(COMP)22と、減算器25と、補正係数テーブル(SHTABLE)を格納するためのRAM23と、乗算器24を備えている。
【0037】
比較器22は、先の例と同様に、シェーディング補正基準データの読み取り期間中、補正されていない読み取り値DATAINとFIFOメモリ21の出力データとを比較して、両者のうちの大きい方を選択してFIFOメモリ21の入力端子へ出力する。これにより、シェーディング板を読み取ったときの、補正されていない読み取り値のピーク値がシェーディング補正基準データとしてFIFOメモリ21に格納される。FIFOメモリ21の出力データ(ピークホールド値)FIFOoutは、次に述べる所定の値diffを引かれ、しかる後RAM23のアドレスに接続される。このRAM13には、この例では補正係数テーブル(SHTABLE)の内容として
255/(FIFOout−diff) …(4)
が格納される。
【0038】
図6は、シェーディング板を読み取ったときのFIFOメモリ21の出力データ値から、減算器25によって差し引くべき値diffの内容を示している。この値diffは、ノイズ量に相当する差分データdelt(=P0−A0)を0〜2a、2a〜4a、4a〜6a、6a〜8a、8a〜10aという5つの範囲(バンク)に区分して、シェーディング板を読み取ったときの差分データdeltのバンクに応じて設定される。ノイズが少なく、バンク0すなわち差分データdeltが0〜2aの場合は、diff=0に設定される。ノイズが少し増えて、バンク1すなわち差分データdeltが2a〜4aの場合は、diff=2aに設定される。バンク2すなわち差分データdeltが4a〜6aの場合は、diff=4aに設定される。バンク3すなわち差分データdeltが6a〜8aの場合は、diff=6aに設定される。また、バンク4すなわち差分データdeltが8a〜10aの場合は、diff=8aに設定される。
【0039】
図9は、第2のシェーディング補正における補正係数テーブルを設定するための、CPU10によるシーケンスを示している。
【0040】
まず、シェーディング補正部6の各部を初期化する(S10)。この例では特に、diff=0にセットする。続いて、第1のシェーディング補正と同様に、シェーディング板1ライン分のデータを読み込む(S11)。ピークホールド値格納用のFIFOメモリ11に1ラインデータが書き込まれるので、主走査方向中央部に含まれる画素のデータを読み出し、それらのデータを主走査方向に関して平均して平均値A0を得る(S12)。次に、シェーディング板をN回読み取り、FIFOメモリ11にピークホールド値を書き込ませる(S13)。書きこませた後で、主走査方向中央部に含まれる画素のデータを読み出し、それらのデータを主走査方向に関して平均して平均値P0を得る(S14)。それから差分データdelt=P0−A0を算出する(S15)。
【0041】
次に、バンクを選択するためのパラメータnを0に設定して(S16)、差分データdeltの値が2anよりも小さいか否かを判断する(S17)。差分データdeltの値が2anよりも小さくなければ、このnの値を順次インクリメントして、最終的に差分データdeltが属するバンクnを選択する(S18)。そして、この選択したバンクnに対応するdiffの値を選択し、上述の式(4)で表される補正係数テーブル(SHTABLE)をRAM13にロードする(S19)。
【0042】
原稿読み取り時は、図4中に示す乗算器24が、補正されていない原稿画像読み取り値DATAINと、RAM13の補正係数テーブル(SHTABLE)から読み出された補正係数とを乗算して、その乗算結果DATAOUTを出力する。この乗算結果DATAOUTは、バンクnつまり差分データdeltの範囲に応じて、次の5組の式(5)で表される。
【0043】
delt=0〜2aのとき
(255/FIFOout)*DATAIN
delt=2a〜4aのとき
(255/(FIFOout−2a))*DATAIN
delt=4a〜6aのとき
(255/(FIFOout−4a))*DATAIN
delt=6a〜8aのとき
(255/(FIFOout−6a))*DATAIN
delt=8a〜10aのとき
(255/(FIFOout−8a))*DATAIN
…(5)
この式(5)によれば、この第2のシェーディング補正を行った場合の読み取り結果は、第1のシェーディング補正を行った場合と同様に、図2中に実線で示すような鋸歯状波形DATAOUTAとなる。したがって、従来技術によるピークホールド方式でシェーディング補正を行った場合(破線の直線DATAOUTB)に比して、シェーディング補正後の原稿画像読み取り値の、S/N比の影響によるばらつきを低減できる。
【0044】
(第3のシェーディング補正)
この第3のシェーディング補正では、シェーディング補正部6は図3に示したものと同一ブロック構成のものを用いる。しかも、この例では、RAM13には、従来技術と同様に、補正係数テーブル(SHTABLE)の内容として、
255/(FIFOout) …(6)
が格納される。しかし、この第3のシェーディング補正では、図11中に示したゲイン回路(AMP)4の増幅率を、原稿画像読み取り値に対するS/N比の影響を解消するように変更する。なお、第1および第2のシェーディング補正の場合は、簡単のため特に述べなかったが、シェーディング板読み取り時、原稿画像読み取り時のいずれも、ゲイン回路(AMP)4の増幅率を一定の増幅率G0に設定していた。
【0045】
図7は、ゲイン回路4の可変される増幅率G1の内容を示している。この増幅率G1は、ノイズ量に相当する差分データdelt(=P0−A0)を0〜2a、2a〜4a、4a〜6a、6a〜8a、8a〜10aという5つの範囲(バンク)に区分して、シェーディング板を読み取ったときの差分データdeltのバンクに応じて設定される。この区分の仕方は第1および第2のシェーディング補正の場合と同様である。ノイズが少なく、バンク0すなわち差分データdeltが0〜2aの場合は、G1=G0*((A0)/A0)=G0に設定される。ノイズが少し増えて、バンク1すなわち差分データdeltが2a〜4aの場合は、G1=G0*((A0+2a)/A0)に設定される。バンク2すなわち差分データdeltが4a〜6aの場合は、G1=G0*((A0+4a)/A0)に設定される。バンク3すなわち差分データdeltが6a〜8aの場合は、G1=G0*((A0+6a)/A0)に設定される。また、バンク4すなわち差分データdeltが8a〜10aの場合は、G1=G0*((A0+8a)/A0)に設定される。
【0046】
図10は、第3のシェーディング補正におけるゲイン回路4の増幅率G1を設定するための、CPU10によるシーケンスを示している。
【0047】
まず、シェーディング補正部6の各部を初期化する(S20)。この例では特に、G1=G0にセットする。続いて、第1および第2のシェーディング補正と同様に、シェーディング板1ライン分のデータを読み込む(S21)。すなわち、図11中に示したCCDセンサ1がシェーディング板9からの光を光電変換して、R,G,Bアナログ信号を出力する。サンプルホールド部2は、そのアナログ信号の有効信号部分をホールドして、クランプ回路3へ送る。クランプ回路3は、そのアナログ信号に対して黒レベルのオフセット量調整を行って、ゲイン回路4へ送る。ゲイン回路4は、そのアナログ信号を増幅率G0で増幅して、A/D変換部5へ送る。A/D変換部5は、CPU10から転送されるタイミング信号に基づいてそのアナログ信号をR,G,Bの色情報毎に8ビット(256階調)のデジタルデータに変換して、シェーディング補正部6へ送る。シェーディング補正部6では、図3中に示すFIFOメモリ11に1ラインデータが書き込まれるので、主走査方向中央部に含まれる画素のデータを読み出し、それらのデータを主走査方向に関して平均して平均値A0を得る(S22)。次に、シェーディング板をN回読み取り、FIFOメモリ11にピークホールド値を書き込ませる(S23)。書きこませた後で、主走査方向中央部に含まれる画素のデータを読み出し、それらのデータを主走査方向に関して平均して平均値P0を得る(S24)。それから差分データdelt=P0−A0を算出する(S25)。
【0048】
次に、バンクを選択するためのパラメータnを0に設定して(S26)、差分データdeltの値が2anよりも小さいか否かを判断する(S27)。差分データdeltの値が2anよりも小さくなければ、このnの値を順次インクリメントして、最終的に差分データdeltが属するバンクnを選択する(S28)。そして、ゲイン回路4の増幅率をこの選択したバンクnに対応する値G1にセットする(S29)。
【0049】
原稿読み取り時は、図11中に示したCCDセンサ1が原稿8からの光を光電変換して、R,G,Bアナログ信号を出力する。サンプルホールド部2は、そのアナログ信号の有効信号部分をホールドして、クランプ回路3へ送る。クランプ回路3は、そのアナログ信号に対して黒レベルのオフセット量調整を行って、ゲイン回路4へ送る。ゲイン回路4は、そのアナログ信号を増幅率G1で増幅して、A/D変換部5へ送る。A/D変換部5は、CPU10から転送されるタイミング信号に基づいてそのアナログ信号をR,G,Bの色情報毎に8ビット(256階調)のデジタルデータに変換して、シェーディング補正部6へ送る。シェーディング補正部6では、図3中に示す乗算器14が、補正されていない原稿画像読み取り値DATAINと、RAM13の補正係数テーブル(SHTABLE)から読み出された補正係数とを乗算して、その乗算結果DATAOUTを出力する。乗算結果DATAOUTは、バンクnつまり差分データdeltの範囲に応じて、次の5組の式(7)で表される(ただし、簡単のため因子G0を省略する。)。
【0050】
delt=0〜2aのとき
(255/FIFOout)*((A0)/A0)*DATAIN
delt=2a〜4aのとき
(255/FIFOout)*(A0+2a)/A0)*DATAIN
delt=4a〜6aのとき
(255/FIFOout)*((A0+4a)/A0)*DATAIN
delt=6a〜8aのとき
(255/FIFOout)*((A0+6a)/A0)*DATAIN
delt=8a〜10aのとき
(255/FIFOout)*((A0+8a)/A0)*DATAIN
…(7)
この式(7)によれば、この第3のシェーディング補正を行った場合の読み取り結果は、第1および第2のシェーディング補正を行った場合と同様に、図2中に実線で示すような鋸歯状波形DATAOUTAとなる。したがって、従来技術によるピークホールド方式でシェーディング補正を行った場合(破線の直線DATAOUTB)に比して、シェーディング補正後の原稿画像読み取り値の、S/N比の影響によるばらつきを低減できる。
【0051】
なお、この実施形態では、シェーディング板読み取り時のノイズ量に相当する差分データdelt(=P0−A0)を0〜2a、2a〜4a、4a〜6a、6a〜8a、8a〜10aという5つの範囲(バンク)に区分して、バンクに応じてシェーディング補正部6の補正係数やゲイン回路4の増幅率を調整した。しかしながら、バンクの数は5つに限られるものではない。バンクの数は、S/N比の変動に起因する読み取りばらつきを製品仕様値などによる許容範囲内に抑えることができるだけ用意すればよい。例えば、バンクの数は2つでも良い。また、多いものでは無限大とし、シェーディング補正部6の補正係数やゲイン回路4の増幅率を差分データdeltに応じて連続的に調整するようにしても良い。その場合、例えば第2のシェーディング補正では、diff=deltに設定する。
【0052】
また、シェーディング板読み取り時にピーク値P0と平均値A0を算出するために、それぞれ主走査方向中央部の複数画素のデータを主走査方向に関して平均した。これは、S/N比の悪いシステムで問題になりやすい測定ばらつきなどの影響を回避するために複数画素を演算対象にしたものである。よって、測定ばらつきなどの影響が問題にならなければ、例えば主走査方向中央部の1画素を対象にしても良い。そのとき、主走査方向の各画素ごとに1画素単位で差分データdeltを算出し、また、補正係数も主走査方向に1画素単位で異なる値をとり得る構成としても良い。
【0053】
一般に、ランプの配光特性により主走査方向位置によりシェーディング板読み取り値が異なるが、差分データdeltについては主走査方向の位置によらず略一定であることが分かっている。したがって、この実施形態で主走査方向中央部の複数画素のデータを主走査方向に関して平均してピーク値P0、平均値A0を求めていることに問題はない。また、シェーディング板に「ごみ」が付着していても、広い範囲の画素を対象にして計算しているので、その影響を無視することができる。
【0054】
【発明の効果】
以上より明らかなように、請求項1および2の画像処理装置では、システムに読み取り値に関するノイズが存在する場合であっても、上記補正係数はシェーディングを適切に解消するものとなる。したがって、シェーディング補正後の原稿画像読み取り値の、S/N比の影響によるばらつきを低減できる。
【0055】
請求項3の画像処理装置では、システムに読み取り値に関するノイズが存在する場合であっても、上記増幅手段が出力する原稿画像読み取り値はノイズの影響を受けないものとなる。したがって、シェーディング補正後の原稿画像読み取り値の、S/N比の影響によるばらつきを低減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 システム(光学的読み取り系)が或る程度ノイズ成分を含んでおりS/N比が良くない場合の、シェーディング板の読み取り波形を例示する図である。
【図2】 一実施形態のシェーディング補正後の原稿画像読み取り値を、従来技術によるシェーディング補正の場合と比較して示す図である。
【図3】 第1のシェーディング補正を行うためのシェーディング補正部の回路構成を示す図である。
【図4】 第2のシェーディング補正を行うためのシェーディング補正部の回路構成を示す図である。
【図5】 第1のシェーディング補正を行う場合の補正係数テーブルの内容を示す図である。
【図6】 第2のシェーディング補正を行う場合に、シェーディング板を読み取ったときのFIFOメモリの出力データ値から、減算器によって差し引くべき値の内容を示す図である。
【図7】 第3のシェーディング補正を行う場合に、ゲイン回路の可変される増幅率の内容を示す図である。
【図8】 第1のシェーディング補正を行う場合のシーケンスを示す図である。
【図9】 第2のシェーディング補正を行う場合のシーケンスを示す図である。
【図10】 第3のシェーディング補正を行う場合のシーケンスを示す図である。
図である。
【図11】 カラーデジタル複写機の画像読み取り装置(IR)に適用した、この発明の一実施形態の画像処理装置のブロック構成を示す図である。
【図12】 システムにノイズが存在する場合の、シェーディング補正の問題点を説明する図である。
【符号の説明】
4 ゲイン回路
6 シェーディング補正部
11,21 FIFOメモリ
13,23 RAM
14,24 乗算器
25 減算器
Claims (3)
- 白基準を与える基準濃度板を主走査方向に複数ライン分読み取り、その主走査方向における同一画素位置における基準濃度板読み取り値のピーク値を求めるピーク値算出手段と、
上記主走査方向における各画素毎に上記ピーク値を記憶する記憶手段と、
上記主走査方向に沿った複数画素にわたって上記ピーク値の平均値を計算する第1の平均値算出手段と、
上記基準濃度板を主走査方向に1ライン分読み取り、その主走査方向に沿った複数画素にわたって基準濃度板読み取り値の平均値を求める第2の平均値算出手段と、
基準濃度板読み取り値に関するノイズ量を表すように、上記第1の平均値算出手段によって得られた上記ピーク値の平均値と上記第2の平均値算出手段によって得られた上記基準濃度板読み取り値の平均値との差分データを計算する差分データ算出手段と、
上記記憶手段に格納されたピーク値をシェーディング補正基準データとし、白レベルを表す最大階調値を上記シェーディング補正基準データで除算して第1因子を得るとともに、上記差分データの大きさに応じて上記差分データを複数の範囲に区分して、上記範囲毎に、かつ、上記差分データが大きな範囲ほど大きな値となる第2因子を作成し、上記第1因子と第2因子との積からなり、白レベルの狙い値を定める補正係数を設定する補正係数設定手段と、
上記補正係数を原稿画像読み取り値に乗算して補正する補正手段を備えたことを特徴とする画像処理装置。 - 白基準を与える基準濃度板を主走査方向に複数ライン分読み取り、その主走査方向における同一画素位置における基準濃度板読み取り値のピーク値を求めるピーク値算出手段と、
上記主走査方向における各画素毎に上記ピーク値を記憶する記憶手段と、
上記主走査方向に沿った複数画素にわたって上記ピーク値の平均値を計算する第1の平均値算出手段と、
上記基準濃度板を主走査方向に1ライン分読み取り、その主走査方向に沿った複数画素にわたって基準濃度板読み取り値の平均値を求める第2の平均値算出手段と、
基準濃度板読み取り値に関するノイズ量を表すように、上記第1の平均値算出手段によって得られた上記ピーク値の平均値と上記第2の平均値算出手段によって得られた上記基準濃度板読み取り値の平均値との差分データを計算する差分データ算出手段と、
上記記憶手段に格納されたピーク値をシェーディング補正基準データとするとともに、上記差分データの大きさに応じて上記差分データを複数の範囲に区分して、上記範囲毎に、かつ、上記差分データが大きな範囲ほど大きな値となる所定値を設定し、白レベルを表す最大階調値を、上記シェーディング補正基準データから上記所定値を差し引いて得られた値で除算した、白レベルの狙い値を定める補正係数を設定する補正係数設定手段と、
上記補正係数を原稿画像読み取り値に乗算して補正する補正手段を備えたことを特徴とする画像処理装置。 - 基準濃度板または原稿の画像を表す信号を所定の増幅率で増幅して、基準濃度板読み取り値または原稿画像読み取り値を得る増幅手段と、
白基準を与える基準濃度板を主走査方向に複数ライン分読み取り、その主走査方向における同一画素位置における基準濃度板読み取り値のピーク値を求めるピーク値算出手段と、
上記主走査方向における各画素毎に上記ピーク値を記憶する記憶手段と、
上記主走査方向に沿った複数画素にわたって上記ピーク値の平均値を計算する第1の平均値算出手段と、
上記基準濃度板を主走査方向に1ライン分読み取り、その主走査方向に沿った複数画素にわたって基準濃度板読み取り値の平均値を求める第2の平均値算出手段と、
基準濃度板読み取り値に関するノイズ量を表すように、上記第1の平均値算出手段によって得られた上記ピーク値の平均値と上記第2の平均値算出手段によって得られた上記基準濃度板読み取り値の平均値との差分データを計算する差分データ算出手段と、
上記記憶手段に格納されたピーク値をシェーディング補正基準データとし、白レベルを表す最大階調値を上記シェーディング補正基準データの値で除算して、白レベルの狙い値を定める補正係数を設定する補正係数設定手段と、
原稿画像の読み取り時に、上記差分データの大きさに応じて上記差分データを複数の範囲に区分して、上記増幅手段のために、上記範囲毎に、かつ、上記差分データが大きな範囲ほど大きな値となる増幅率を設定するゲイン調整手段と、
上記ゲイン調整手段によって設定された上記増幅率で上記増幅手段によって増幅された原稿画像読み取り値に、上記補正係数を乗算して補正する補正手段を備えたことを特徴とする画像処理装置。
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