JP4110574B2 - 自動車用オープニングトリムウエザストリップ - Google Patents

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Description

本発明は、自動車の車体の開口縁とドアとの間をシールする自動車用オープニングトリムウエザストリップに関するものである。
図1に示すように、自動車の車体1の開口縁1aとドア2との間には、そのシールのためオープニングトリムウエザストリップ110が取付けられている。このオープニングトリムウエザストリップ110は、図4に示すように、断面が略U字状のトリム部120と中空状の中空シール部130とを有している。そして、車体1の開口縁1aのフランジ5をこのトリム部120の略U字状の溝に挿入してオープニングトリムウエザストリップ110を車体1に取付け、中空シール部130をドア2の周縁部の膨出部2a等に当接させて車体1の開口縁1aとの間をシールしている。
このオープニングトリムウエザストリップ110は、そのトリム部120の溝内へ、車体1のインナーパネル3とアウターパネル4のそれぞれの先端を折り曲げて重ね合せてスポット溶接をしてフランジ5とした部分を挿入して取付けている。そして、見栄えを向上させるために、車室内に装着したガーニッシュ140によりトリム部120の外面がカバーされている。このガーニッシュ140の先端部142は、トリム部120の外面をカバーするようにトリム部120と中空シール部130の境目付近に達するように設けられている(例えば、特許文献1参照。)。
このガーニッシュ140の先端部142の端縁は、中空シール部130の根元から延設されたリップ部134bの先端が上記先端部142の側面に当接することによってカバーされている。しかし、この場合には、リップ部134bが直接トリム部120から延設されているためリップ部134bの変形の余地は少なく、オープニングトリムウエザストリップ110とガーニッシュ140の製品寸法のバラツキや取付け時のバラツキ等により必ずしもガーニッシュ140の先端部142がトリム部120と中空シール部130の境目付近に達することが困難な場合もあった。また、車室内からは、中空シール部130の側面のみならず、ガーニッシュ140の先端部142をカバーするリップ部134bと中空シール部130との間の凹部も見えるため見栄えが良くなかった。
さらに、このリップ部134bの先端は車室内側を向いており、ガーニッシュ140の先端部142の側面との当接の具合によっては、リップ部134bの先端とガーニッシュ140の先端部142の側面との間に隙間が生ずる場合があった。また、車体の開口縁1aのコーナー部に沿って、オープニングトリムウエザストリップ110を曲げて取付けると、リップ部134bにシワが生じたり、変形したりする場合もあった。このような隙間や変形が生ずると、リップ部134bの内面やガーニッシュ140の先端部が車室内側から見えてしまい、リップ部134bが口開きしたようになり見栄えが良くなかった。また、シワが生ずると車室内側からシワがみえて、見栄えが良くなかった。
また、このオープニングトリムウエザストリップ110は、押出成形により成形されるため、成形時は直線状である。しかしながら、車体の開口縁1aは、コーナー部を有しており、そこに取付けられるオープニングトリムウエザストリップ110は、車体の開口縁1aのコーナー部に対応して直線状に押出成形されたオープニングトリムウエザストリップ110が、コーナー部に沿って曲げられて取付けられる。そのため、コーナー部の曲がり部分の曲率が小さい場合には、オープニングトリムウエザストリップ110の中空シール部130がつぶれて変形して、見栄えが良くないとともに、シール性も低下する恐れがあった。
実用新案登録第2555436号公報(第2頁、第1図)
そこで、本発明は、製造が容易で、シール性及び見栄えの良好な、特にガーニッシュとドアフレームとの間において良好なオープニングトリムウエザストリップを提供することにある。
請求項の本発明は、車体の開口縁とドアとの間をシールする自動車用オープニングトリムウエザストリップであって、
オープニングトリムウエザストリップは、開口縁のフランジに装着されるトリム部と、開口縁とドアの間をシールする中空シール部とを有し、トリム部は、断面略U字状であり、車外側側壁と、底壁と、車内側側壁とからなり、中空シール部は、トリム部の車外側側壁外面の開口側先端から延出する第1根元部と、トリム部の車外側側壁外面の底壁との連結部から若干開口側先端寄りの位置から一体に延出する第2根元部と、円弧状をなし、その両端が第1根元部と第2根元部にそれぞれ連続して中空部を形成する円弧部とを有し、第1根元部及び第2根元部はソリッド材で形成され、第1根元部は第2根元部よりも厚肉に形成され、円弧部はスポンジ材から形成され、第2根元部は、断面略L字状をなし、トリム部の底壁との連結部から若干開口側先端寄りの位置から車外側側壁に対し略直角に若干延出した保持部と、保持部から上記車外側側壁と平行で外方に屈曲した屈曲部と、屈曲部から外方に延出した連結部とからなり、連結部と円弧部とが連結し、第2根元部と円弧部の連結部から円弧部の略延長方向に沿って延びるリップ部を形成し、リップ部の先端部は車外側側壁方向に湾曲し、リップの先端部はトリム部の底壁に埋設された芯材の略延長線上に位置し、リップ部は、円弧部から延設されるとすぐに断面略U字状に曲がりリップ先端部は第2根元部の第2根元部連結部と略平行にトリム部方向に延設され、トリム部に埋設した芯材は、略短冊状の小片と小片を底壁に埋設された部分において連結している連結部とからなることを特徴とする自動車用オープニングトリムウエザストリップである。
請求項2の本発明では、オープニングトリムウエザストリップが中空状の中空シール部と断面略U字状のトリム部とを有しており、車体の開口縁のフランジを断面略U字状のトリム部の溝内に挿入することによりオープニングトリムウエザストリップを確実に車体に取付けることができる。また、中空状の中空シール部がドアに弾力的に当接してドアの寸法や組付けのバラツキを吸収して両者の間をシールすることができる。さらに、中空シール部は、トリム部の車外側側壁外面に一体に設けられたため、トリム部の車外側側壁外面に対して中空シール部を強固に設けることができる。
中空シール部は、車外側側壁の幅方向のトリム部の開口側先端の位置から一体に延出する第1根元部と、車外側側壁の幅方向の上記トリム部の底壁との連結部から若干開口側先端寄りの位置から一体に延出する第2根元部と、円弧状をなしその両端が第1根元部と第2根元部とにそれぞれ連続して中空部を形成する円弧部とを有しているために、中空シール部をトリム部の側方に一体に形成することができ、また、トリム部の車外側側壁の略全体にわたり中空シール部を設けることができるため、中空シール部の円弧部を幅広く形成することができ、ドアの膨出部等との当接面積が広くなり、ドアの膨出部等が中空シール部の円弧部に確実に当接して、シール性が向上する。
中空シール部の2本の根元部のうち、トリム部の開口側の位置の第1根元部は、ソリッド材で形成し、上記トリム部の底壁側の位置の第2根元部よりも厚肉に形成したため、第1根元部の剛性が大きくなり、ドアの膨出部等が円弧部に当接して円弧部が変形しても、第1根元部が円弧部の変形に引きずられて変形することがない。また、オープニングトリムウエザストリップを開口縁のコーナー部に沿って曲げられて取付けられても、その曲げにより、中空シール部がつぶれることがない。特に、ドアが斜め方向から円弧部に当接したときに、円弧部が変形しても、第1根元部が中空内に引き込まれるような変形をすることがなく、車体の開口縁のパネルとの間に隙間が生ずることがない。従って、第1根元部の先端外面と車体の開口縁との当接が一直線状に維持されて見栄えがよい。
中空シール部の第2根元部がソリッド材からなるため、剛性が高く、変形しにくく、ガーニッシュの先端部の側面がリップ部の先端部に当接してリップ部を押しても第2根元部が異状変形しない。そのため、円弧部がずれるように変形することがなく、円弧部とドアの膨出部等との当接が確実に行われる。また、コーナー部でオープニングトリムウエザストリップが曲げられても第1根元部と第2根元部によって中空形状を保持することができるので、中空部分が異常変形してつぶれることがない。また、両方の根元部に連続して一体的にスポンジ材からなる円弧部を設けたため、ドアに当接する部分を弾力のある柔軟な部材とすることができ、円弧部の変形がドアの当接面に追従し、ドアの表面の凹凸やドアや車体の組み付け寸法のバラツキ等を吸収して安定したシール性を得ることができる。
第2根元部は、断面略L字状をなし、トリム部の底壁との連結部から若干開口側先端よりの位置から車外側側壁に対し略垂直に若干延出した保持部を有するため、中空シール部の円弧部から延設されたリップ部と車外側側壁の間に空間を設けることができ、ガーニッシュの先端部をその空間に収納することができるとともに、中空シール部の内部の空間を大きくすることができ、中空シール部のボリューム感を得ることができる。
保持部から車外側側壁と平行で外方に屈曲した屈曲部を有するため、中空シール部がドアの膨出部で押さえられたときに、屈曲部が撓んで中空シール部の押し圧力を吸収することができる。また、屈曲部から外方に延出した連結部とからなる断面略L字状をなしているため、中空シール部の断面横方向の長さを長くすることができ、円弧部の円弧半径を大きくすることができ、ドアの膨出部と中空シール部との間のシール幅を大きくすることができ、寸法のばらつきがあってもシール性を確保することができる。また、連結部を設けることにより、連結部の長さとガーニッシュの先端部の長さで、ガーニッシュの先端部と円弧部のリップとの当接のズレを吸収することができ、ガーニッシュとオープニングトリムウエザストリップとの間に隙間が生じることがなく、見栄えが良い。
第2根元部と円弧部との連続部分から円弧部の略延長方向に沿って延びるリップ部を延設させている。このリップ部は、円弧部の曲率に沿って円弧部の略延長方向に延出しており、さらにその先端部を第2根元部方向に湾曲させたため、ガーニッシュの先端を円弧部のリップ部の先端近傍まで延ばすことができる。このため、オープニングトリムウエザストリップのトリム部及び第2根元部を上記ガーニッシュでカバーすることができるとともに、ガーニッシュとオープニングトリムウエザストリップの組み付けバラツキがあってもリップ部の先端部の屈曲度合によりそのバラツキを吸収することができ、リップ部の先端の折り返し外面とガーニッシュの先端の側面とを確実に当接させることができる。
リップ部の先端は、トリム部の底壁に埋設された芯材の略延長線上に位置するため、車体の開口縁のコーナー部に沿ってオープニングトリムウエザストリップを取付けたときに、底壁に埋設された芯材を中心にオープニングトリムウエザストリップが屈曲し、リップ部の先端は、屈曲の中心に位置するため、シワが寄ったり、倒れたりしてガーニッシュの先端から離れることがない。
リップ部は、円弧部から延設されるとすぐに断面略U字状に曲がりリップ先端部は第2根元部の第2根元部連結部と略平行にトリム部方向に延設されている。従って、リップ部は付け根付近の第2根元部側の面で凹んだリップ凹部を有している。このため、リップ部はこの凹部部分で第2根元部連結部方向に屈曲しやすくなっている。
トリム部に埋設した芯材は、それぞれの略短冊状の小片が底壁部分において連結部によって連結されているため、オープニングトリムウエザストリップを開口縁のコーナー部に沿って曲げられて取付けられるときには、底壁が伸縮せずに底壁を中心にトリム部の開口側先端の上記小片間が開くように変形する。このため、中空シール部は、底壁方向に引っ張られる力が作用する。このとき、第1根元部が厚肉のソリッド材で形成されているため、この力に抵抗して中空シール部がつぶれないようにすることができる。
請求項の本発明は、トリム部は、車室内に装着されるガ−ニッシュによりカバーされ、ガーニッシュの先端にはトリム部側に屈曲して形成されるガ−ニッシュ先端部を設け、ガ−ニッシュ先端部は、湾曲したリップ部と当接させて、リップ部の先端部をさらに折り曲げて装着されるオープニングトリムウエザストリップある。
請求項の本発明では、リップ部は、第2根元部と円弧部との連続部分から、円弧部の曲率に沿って円弧部の略延長方向に湾曲状に延出形成され、その先端部はトリム部側に屈曲している。そして、オープニングトリムウエザストリップの車体への装着時に、リップ部は、屈曲したリップ先端部が車室内に装着されるガーニッシュの先端部の側面と当接して、さらに折り曲げられて装着される。すなわち、ガーニッシュの先端部とリップ先端部とが側面同士で当接するため、リップ部がその湾曲した内側の部分のリップ凹部で曲がり易くなるとともに、リップ先端部が確実に第2根元部方向に折り曲げられる。
そのため、ガーニッシュの寸法又は組付けのバラツキがあっても、リップ先端部とガーニッシュの先端部との間に隙間が生じることがない。トリム部は、車室内に装着されるガ−ニッシュによりカバーされるため、その外表面にシボやエンボス加工を施さなくてもよく、安価に製造でき、さらに、ガーニッシュとリップ先端部との当接によりトリム部を車室内から全く見えないようにすることができ、美観に優れている。
さらに、ガーニッシュの先端にはトリム部側に屈曲して形成されたガ−ニッシュ先端部を設け、このガ−ニッシュ先端部をリップ先端部に当接させ、リップ部の先端部をさらに折り曲げているため、ガ−ニッシュ先端部の側方の平面にリップ部先端部が当接し、当接面積が広く確実に当接してガーニッシュとリップ先端部の間が開くことがなく、また、リップ先端部がさらに折り曲げられてトリム部側を向き、車室側を向くようなことがないため見栄えが良い。
請求項の本発明は、スポンジ材からなる円弧部の表面をソリッド材からなる薄膜で被覆してなるものである。
請求項の本発明では、スポンジ材からなる円弧部の表面をソリッド材からなる薄膜で被覆しているため、ドアを開けたときに見える中空シール部の表面にスムースなソリッド材の表面を設けることができ見栄えが良い。特に、ソリッド材からなる根元部とスポンジ材からなる円弧部の境界部分は、材料の光沢の違いや、表面の細かい凹凸の違い等で境界線が生じるが、ソリッド材からなる薄膜を被覆することで、境界線をカバーすることができ、美観をより一層向上させることができる。
本発明は円弧部の略延長方向に沿って湾曲したリップ部を形成し、リップの先端はトリム部の底壁に埋設された芯材の略延長線上に位置したため、オープニングトリムウエザストリップをドアの開口縁のコーナー部にとりつけても、リップが倒れたりすることがなく、とガーニッシュとの当接を確実にすることができ、見栄えが良い。また、第2根元部は、車外側側壁に対し保持部と、屈曲部と、連結部とからなる断面略L字状をなして、そのリップ部の先端部とガーニッシュの先端部とを当接させたため、ガーニッシュ先端部とリップ先端部が確実に当接するとともに、リップ先端部が車室内側を向くことがなく、シール性が安定するとともに見栄えが良い。
本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。図1は自動車の側部の斜視図である。図2はオープニングトリムウエザストリップ10を車体のフランジ5に装着する前の状態を示す正面図である。図3は、ドアオープニングトリムウエザストリップ10をフランジ5に取付けた状態を示し、図2のA−A線に沿った断面図である。本実施の形態は、自動車の車体1の開口縁1aとドア2との間をシールするオープニングトリムウエザストリップ10に関するものである。
本実施の形態では、図1に示すように、自動車の車体1のドア2との開口縁1aには、全周にわたりオープニングトリムウエザストリップ10が取付けられている。図2に示すように、オープニングトリムウエザストリップ10は、開口縁1aの全周に取付けるために環状に形成されている。オープニングトリムウエザストリップ10の一般部分は、押出成形により直線状に形成され、直線状のものを各コーナー部で湾曲させるとともにその両方の端末を接続部11において型成形により接続形成して、環状としている。なお、オープニングトリムウエザストリップ10は必ずしも環状とする必要はなく、型成形部のない、例えば、接続部11の部分を隙間としたり、開口縁の上部半周に装着されるものでも良い。
図3に示すように、オープニングトリムウエザストリップ10は、車体1の開口縁1aのフランジ5に装着されるトリム部20と、ドア2のドアフレームの膨出部2a等と当接して車体の開口縁とドア2との間をシールする中空シール部30から構成される。開口縁1aのフランジ5は、車体1の内側を構成するインナーパネル3と車体1の外側を構成するアウターパネル4のそれぞれの端末部分を折り曲げて重ね合されて一緒にスポット溶接等をして、一体となった帯状に形成されている。なお、図中3aは補強パネルであり、この補強パネル3aを合わせて一体とし、フランジ5とする部分もある。
トリム部20は、車外側側壁21、底壁22と車内側側壁23からなり、上記車体のフランジ5へ装着できるように断面略U字状に形成されている。なお、トリム部20の車外側側壁21、底壁22と車内側側壁23の内部には、芯材24が埋設されフランジ5に対する保持強度を向上させている。芯材24は、鉄板等の金属製や硬質合成樹脂製のものを用いることができる。金属製の芯材24の場合は、オープニングトリムウエザストリップ10をコーナー部に沿って曲げて取付けるときの柔軟性を向上させるために、短冊状の小片の金属板を連結部で連結したものが用いられている。この芯材24の連結部は、底壁22に埋設される。
なお、トリム部20を形成した後に、連結部を破断させることにより、トリム部20の柔軟性をより向上させたものも用いることができる。トリム部20は、芯材24をソリッドゴム、熱可塑性エラストマーまたは軟質合成樹脂等のソリッド材で被覆して形成することができる。後述する中空シール部30のスポンジゴムと同一又は同系の材料で形成すると、中空シール部30とトリム部20が一体となり接合が強固になり好ましい。
トリム部20の車外側側壁21の外面、即ち断面略U字状をなすトリム部20のU字状の外側の面には、中空シール部30が一体的に設けられている。車外側側壁21の内側には3本の車外側保持リップ26が設けられている。車内側側壁23の内側には、1本の車内側保持リップ27が設けられている。トリム部20をフランジ5に装着した後には、図3に示すようにフランジ5を車外側保持リップ26と車内側保持リップ27が両側から挟み保持して、オープニングトリムウエザストリップ10を保持するとともに、トリム部20とフランジ5の間をシールする。そして、フランジ5の厚さの変化に応じて車外側保持リップ26と車内側保持リップ27が撓むことにより保持することができる。フランジ5の厚さの変化が大きいとき、例えば、フランジ5を構成するパネルが部分的に4〜6枚で構成される場合は、車内側保持リップ27の長さをフランジ5の厚さの変化に応じて可変押出成形により変化させて成形することができる。
中空シール部30は、第1根元部32と、第2根元部33と、円弧部34とからなる。 中空シール部30はトリム部20と強固に一体的に形成されている。第1根元部32、第2根元部33とトリム部20の車外側側壁21を形成する材料とは同一材料を使用することができ、この場合は同時押出成形のため一体となって形成される。車外側側壁21には、トリム部20の幅方向の両端である開口側先端と、車室内側の車外側側壁21と底壁22の連結部から若干開口側先端側に寄った2箇所から延設されたソリッド材からなる2本の根元部32、33が形成されている。トリム部20の開口側先端からは、第1根元部32がアウターパネルと略平行に延設されている。
第1根元部32と第2根元部33の先端には一体的にスポンジ材からなる円弧部34が形成されている。円弧部34は断面形状が円弧状をなしており、この実施の形態では、上記第1根元部32と、第2根元部33と、シール基部31とをあわせて断面が略卵型の中空形状を形成している。そして、ドア2閉時には、円弧部34の円弧状の頂点付近にドアフレームの膨出部2a等が当接して、車体の開口縁1aとドア2との間をシールする。このとき、円弧部34は、スポンジ材で形成されているため、容易に変形し、ドアフレームの膨出部2a等の当接面に追従してドアフレームの膨出部2aの凹凸や、ドアの組み付けのバラツキによる寸法の誤差をも吸収することができる。また、第1根元部32の外側の面には、円弧部35のスポンジ材が第1根元部32の車外側側壁21との連結部付近まで伸びてカバーしている。
トリム部20の底壁22側の車外側側壁21の外面からは、第2根元部33が設けられている。第2根元部33は、断面略L字状をなし、トリム部20の底壁22との連結部から若干先端寄りの位置から車外側側壁21に対し略直角に若干延出した保持部33aと、保持部33aから車外側側壁21と平行で外方に屈曲した屈曲部33bと、その屈曲部33bから外方に延出した連結部33cとからなる。連結部33cと円弧部34の先端とが連結するように延設されている。すなわち、中空シール部30の中空は、トリム部20の車外側側壁21と、第1根元部32と第2根元部33と円弧部34とによって囲まれて形成され、第1根元部32と第2根元部33が上記車外側側壁21の外面から直接突出している。このように、第2根元部33は車外側側壁21から順に,第2根元部保持部33a、第2根元部屈曲部33bと第2根元部先端部33cにより形成されており、その肉厚が略同じである。
なお、第1根元部32の肉厚は、第2根元部33の肉厚と比べて厚く形成されている。このため、第1根元部32は第2根元部33と比べて剛性が高く変形しにくくなっている。そして、第1根元部32は、開口縁1aに取付けられたときに、車体1のアウターパネル4に略平行になるように形成されている。この略平行は、アウターパネル4に取付けたときに第1根元部32とアウターパネル4との間隔が、円弧部34側に行くにつれて若干隙間ができるように僅かの角度が設けられている。第1根元部32の外面、即ち車体1の開口縁1aに面する面は平面に形成されている。
このため、オープニングトリムウエザストリップ10を開口縁1aに装着したときに、第1根元部32とアウターパネル4との間に先端(円弧部35方向)に行くにつれて、隙間ができる。この隙間のために、第1根元部32が車体1のアウターパネル4に当接するときに、アウターパネル4の根元に車外側側壁21の先端21aを当接させることができる。これによって、アウターパネル4と第1根元部32は断面的には1点で当接することができ、十分なシール圧を得ることができ、シール性がよい。また、アウターパネル4とオープニングトリムウエザストリップ10とは、僅かな隙間のためアウターパネル4と中空シール部30との接触点が外から見え難い状態にあり、見栄えが良い。
第1根元部32と第2根元部33の先端には一体的にスポンジ材からなる円弧部34が形成されている。円弧部34は断面形状が円弧状をなしており、この実施の形態では、上記第1根元部32と、第2根元部33と、車外側側壁21とをあわせて断面が略卵型の中空形状を形成している。そして、ドア閉時には、円弧部34の円弧状の頂点付近にドアフレームの膨出部2a等が当接して、車体開口縁1aとドア2との間をシールする。このとき、円弧部34は、スポンジ材で形成されているため、容易に変形し、ドアフレームの膨出部2a等の当接面に追従してドアフレームの膨出部2aの凹凸や、ドアの組み付けのバラツキによる寸法の誤差をも吸収することができる。
円弧部34の表面は、ソリッド材の薄膜35で被覆することができる。このソリッド材は、第1根元部32や第2根元部33に使用されているソリッド材と同じ材料を使用することができる。ソリッド材で円弧部34の表面を被覆すると、スポンジ材の耐候性や耐磨耗性を向上させるとともに、スポンジ材に比べてソリッド材の方が表面が滑らかであり、見栄えが良い。また、円弧部34と第1根元部32や第2根元部33との接続面を、ソリッド材の薄膜35で被覆することによって、この接続面に生じる接続線や表面光沢の違い等を無くすことができ、見栄えが良い。
円弧部34と第2根元部33との連続部分、即ち円弧部34の第2根元部33側の先端から円弧部34を略延長する方向に沿って湾曲状のリップ部34bが延設されている。このリップ部34bは、上記オープニングトリムウエザストリップ10の車体2への装着時に、車室内に装着されるガーニッシュ40の先端部と当接して折れ曲がるように、円弧部34から延設されるとすぐに断面略U字状に曲がりリップ先端部34cは第2根元部33の第2根元部連結部33cと略平行にトリム部20方向に延設されるようになっている。従って、リップ部34bは付け根付近の第2根元部33側の面で凹んだリップ凹部34dを有している。このため、リップ部34bはこの凹部34d部分で第2根元部連結部33c方向に屈曲しやすくなっている。リップ部34bの先端部34は、トリム部20に埋設された芯材24を横の第2根元部33方向に延長した延長線上に位置する。
第2根元部33は、保持部33aと連続する外方に屈曲した屈曲部33bを有するため、中空シール部30がドアの膨出部2aで押さえられたときに、屈曲部33bが撓んで中空シール部30の押し圧力を吸収することができる。また、屈曲部33bから外方に延出した連結部33cとからなる断面略L字状をなしているため、中空シール部30の断面横方向の長さを長くすることができ、円弧部34の円弧半径を大きくすることができ、ドアの膨出部2aと中空シール部30との間のシール幅を大きくすることができ、寸法のばらつきがあってもシール性を確保することができる。また、連結部33cを設けることにより、ガーニッシュ40の先端部42と円弧部34のリップ34bとの当接のズレを吸収することができ、ガーニッシュ40とオープニングトリムウエザストリップ10との間に隙間が生じることがなく、見栄えが良い。
トリム部20に埋設した芯材24は、前述のように、それぞれの略短冊状の小片が底壁22部分において連結されているため、オープニングトリムウエザストリップ10を開口縁1aのコーナー部に沿って曲げられて取付けられるときには、底壁22が伸縮せずに底壁22を中心にトリム部20の開口側先端の上記小片間が開くように変形する。このため、中空シール部30は、底壁22方向に引っ張られる力が作用する。このとき、第1根元部32が厚肉のソリッド材で形成されているため、この力に抵抗して中空シール部30が潰れないようにすることができる。さらに、底壁22が伸縮しないため、底壁22と同じ位置にある中空シール部30のリップ先端部34cにシワが寄ったり、倒れることがないため、ガーニッシュ40との間に隙間が生ずることがない。
車体1の車室内面にはガーニッシュ40が装飾のため取付けられている。ガーニッシュ40の表面には装飾効果をあげるために、ファブリックや模様シート等の表皮41が設けられている。ガーニッシュ40の先端部42は、オープニングトリムウエザストリップ10のトリム部20の底壁22をカバーして、トリム部20の底壁22の車外側の端部位置において、車外側側壁21と略平行に屈曲している。このため、ガーニッシュの先端部42の側面に対して、オープニングトリムウエザストリップ10の中空シール部30のリップ先端部34cを確実に当接させることができる。また、ガーニッシュ40をトリム部20を越えて中空シール部30の円弧部34の付近まで延ばすことができるため、ドア2の膨出部2aとガーニッシュ40との間を小さくすることができる。
次に、このオープニングトリムウエザストリップ10の製造方法を説明する。オープニングトリムウエザストリップ10は、押出成形機を使用してトリム部20と中空シール部30を同時に押出成形する。トリム部20の芯材24と、ソリッド材と、スポンジ材の3種類を同時に押出成形するいわゆる3重押出成形により製造する。これによって、芯材24をカバーしてソリッド材によりトリム部20を形成することと、ソリッド材及びスポンジ材により中空シール部30を形成することとを同時に行うことができる。
芯材24としては、鋼板や硬質合成樹脂であるポリプロピレン、ナイロン等が使用される。ソリッド材としては、EPDM等の合成ゴム、熱可塑性エラストマーや軟質合成樹脂等が使用される。スポンジ材としては、同様にEPDM等の合成ゴムや熱可塑性エラストマー等を発泡させた材料が使用される。熱可塑性エラストマーや軟質合成樹脂の場合は、押出成形すればその後の加硫工程は不要であるが、合成ゴムの場合は、押出成形後に加硫槽に移送して、熱風加硫あるいは高周波加硫を行う。このとき、加硫槽においてゴムの加硫と発泡が同時に行われる。
次に、本発明のオープニングトリムウエザストリップ10を自動車に装着した状態を説明する。オープニングトリムウエザストリップ10のトリム部20を車体1の開口縁1aのフランジ5に装着する。このとき、フランジ5をトリム部20の車外側保持リップ26と車内側保持リップ27とで挟持して、保持することができる。また、トリム部20の車外側側壁21の先端と中空シール部30の第1根元部32の接合する部分の外面が、トリム部20の車体への装着時に、アウターパネル4がフランジ部5を形成するために屈曲する付近に当接する。このため、中空シール部30がフランジ5に挿入される位置が定まり、ドア2の膨出部2aが的確に当接して、ドア2と車体1の開口縁1aとの間をシールすることができる。
なお、トリム部20の底壁22の内側にシーラー22aを封入した場合には、フランジ5の先端がシーラー22aの中に入り込むことができるため、フランジ5とトリム部20とのシール性を向上させることができる。また、トリム部20をフランジ5に装着するとき、トリム部20の車外側側壁21の先端を開口縁1aのアウターパネル4に当接させることによって装着が完了する。これによって、トリム部20の挿入を制御でき、不十分な装着を防止することができる。
トリム部20をフランジ5に装着した後に、車室内側にガーニッシュ40を取付ける。ガーニッシュ40の先端部42は、上述のようにオープニングトリムウエザストリップ10のトリム部20をカバーして、中空シール部30のリップ部34bと当接する。このためドア閉時に車室内からは円弧部34の一部とリップ部34bの付け根付近のみが見えることができ、トリム部20と第2根元部33は見えないため美観に優れている。
また、ガーニッシュ先端部42は、ガーニッシュ40本体から折れ曲がって、リップ部34bに対して平面状に対向しているので、リップ先端部34cがガーニッシュ先端部42に当接したときに、リップ先端部34cはトリム部20方向を向いて、車室側を向くことがないため、車室内からの見栄えが良い。さらに、リップ部34bは、湾曲しており、リップ凹部34dを有しているため、ガーニッシュ先端部42とリップ先端部34cとの間の寸法がバラついても、リップ先端部34cが撓みやすいので容易にそのバラツキを吸収して、ガーニッシュ先端部42とリップ先端部34cとが離れて隙間が生じるようなことはない。
また、ドア2閉時に、ドア2の膨出部2aが中空シール部30の円弧部34に当接する。そうすると円弧部34はトリム部20方向に押されて変形しようとするが、第1根元部32および第2根元部33はソリッド材で形成されているので剛性が高く変形し難いため、まず円弧部34のみが窪むように変形する。その後さらに、ドア2の膨出部2a等が円弧部34を押して、円弧部34が第2根元部33を押しても、第2根元部33が屈曲部33bにおいて柔軟に撓むため、ドア閉時にドア2の膨出部2aを柔軟に当接させることができ、いわゆるドア閉時の底着き感がなく、ドア2の閉時のフィーリングが悪くなることはない。
さらに、ドア2の膨出部2aの車外側のコーナー部が円弧部34の中央に当接すると、膨出部2aが円弧部34の車室側にズレて円弧部34を押すので、剛性の高い第1根元部32を押すことがなく、膨出部2aが第2根元部33を押すと、上述のとおり第2根元部33の屈曲部33bが変形するため、中空シール部30を押すことができる距離が長くなり、より一層ドア2の閉時のフィーリングやドア閉まり性を向上させることができる。
また、ドア2閉時、ドア2の膨出部2aが中空シール部30の円弧部34に当接すると、ドア2の開閉軌跡により円弧部34がトリム部20の底壁22方向に引っ張られるように変形しようとする場合があるが、上記厚肉の第1根元部32により、この中空シール部30の変形が防止されシール性を確保することができる。
自動車のドアを開けた状態の斜視図である。 本発明の実施の形態であるオープニングトリムウエザストリップの正面図である。 本発明の実施の形態であるオープニングトリムウエザストリップの図2におけるA−A線に沿った断面図である 従来のオープニングトリムウエザストリップの一部切欠き図である。
符号の説明
1 車体
1a 開口縁
2 ドア
4 アウターパネル
5 フランジ
10 オープニングトリムウエザストリップ
20 トリム部
21 車外側側壁
22 底壁
23 車内側側壁
30 中空シール部
32 第1根元部
33 第2根元部
34 円弧部
34b リップ部

Claims (3)

  1. 車体の開口縁とドアとの間をシールする自動車用オープニングトリムウエザストリップであって、
    該オープニングトリムウエザストリップは、上記開口縁のフランジに装着されるトリム部と、上記開口縁と上記ドアの間をシールする中空シール部とを有し、
    上記トリム部は、断面略U字状であり、車外側側壁と、底壁と、車内側側壁とからなり、
    上記中空シール部は、上記トリム部の車外側側壁外面の開口側先端から延出する第1根元部と、上記トリム部の車外側側壁外面の上記底壁との連結部から若干開口側先端寄りの位置から一体に延出する第2根元部と、円弧状をなし、その両端が上記第1根元部と第2根元部にそれぞれ連続して中空部を形成する円弧部とを有し、
    上記第1根元部及び上記第2根元部はソリッド材で形成され、上記第1根元部は上記第2根元部よりも厚肉に形成され、上記円弧部はスポンジ材から形成され
    上記第2根元部は、断面略L字状をなし、上記トリム部の上記底壁との連結部から若干開口側先端寄りの位置から上記車外側側壁に対し略直角に若干延出した保持部と、該保持部から上記車外側側壁と平行で外方に屈曲した屈曲部と、該屈曲部から外方に延出した連結部とからなり、該連結部と上記円弧部とが連結し、
    上記第2根元部と上記円弧部の連結部から上記円弧部の略延長方向に沿って延びるリップ部を形成し、該リップ部の先端部は上記車外側側壁方向に湾曲し、上記リップの先端部は上記トリム部の底壁に埋設された芯材の略延長線上に位置し、上記リップ部は、円弧部から延設されるとすぐに断面略U字状に曲がりリップ先端部は上記第2根元部の第2根元部連結部と略平行に上記トリム部方向に延設され、
    上記トリム部に埋設した芯材は、略短冊状の小片と該小片を上記底壁に埋設された部分において連結している連結部とからなることを特徴とする自動車用オープニングトリムウエザストリップ。
  2. 上記トリム部は、車室内に装着されるガ−ニッシュによりカバーされ、該ガーニッシュの先端には上記トリム部側に屈曲して形成されるガ−ニッシュ先端部を設け、該ガ−ニッシュ先端部は、上記円弧部から延設されたリップ部の先端と当接させて、上記リップ部の先端部をさらに折り曲げて装着される請求項1に記載のオープニングトリムウエザストリップ。
  3. スポンジ材からなる上記円弧部の表面を、ソリッド材からなる薄膜で被覆してなる請求項1又は請求項2に記載の自動車用オープニングトリムウエザストリップ。
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