JP4110019B2 - ラジエータ用リザーブタンクの取付構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ラジエータ用リザーブタンクの取付構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、エンジンで温められた冷却液をラジエータにて冷却し、再びエンジン内のウォータージャケットに戻している。このラジエータは、上部と下部に各々設けられたアッパータンク及びロアタンクと、これらのタンクの間に設けられたラジエータコアとから構成されている。
【0003】
また、前記冷却液の温度が上昇すると冷却液が膨張して圧力が上昇するため、この膨張した冷却液をラジエータから排出して収容するリザーブタンクが設けられている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開2001−213355公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記リザーブタンクは、ラジエータを支持するラジエータコアサポートに固定されるが、この取付作業が面倒であった。一方、リザーブタンクをラジエータコアサポートに一体に形成すると、ラジエータコアサポートの成形用金型の構造が複雑になった。さらに、冷却液の水位調整時にラジエータ側に空気を吸い込むおそれがあった。
【0006】
そこで、本発明は、リザーブタンクをラジエータコアサポートに簡単に取り付けることができ、冷却液の水位調整時にラジエータ側に空気を吸い込むおそれのないリザーブタンクの取付構造を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記請求項1に記載のラジエータ用リザーブタンクの取付構造は、ラジエータに連通されるリザーブタンクをラジエータコアサポートに取り付けるラジエータ用リザーブタンクの取付構造において、前記リザーブタンクの先端に取付用突起部を設け、該取付用突起部に係合する係合孔を前記ラジエータコアサポートに設ける一方、リザーブタンク内部に連通する接続孔をリザーブタンクの端部に設け、この接続孔に係合する接続口をラジエータ側に設け、リザーブタンクの取付用突起部をラジエータコアサポートの係合孔に係合させると同時に、前記接続孔をラジエータ側の接続口に係合させることにより、リザーブタンクをラジエータコアサポートに取り付けている。
【0008】
前記請求項2に記載のラジエータ用リザーブタンクの取付構造は、前記リザーブタンクの内部に、前記接続孔に連通するインナーホースを設けることを特徴としている。
【0009】
前記請求項3に記載のラジエータ用リザーブタンクの取付構造は、前記リザーブタンクを光透過率の高い合成樹脂から形成したことを特徴としている。
【0010】
【発明の効果】
前記請求項1に記載のラジエータ用リザーブタンクの取付構造によれば、リザーブタンクの取付作業と接続孔の接続作業とを同時に行うことができるため、非常に作業効率が高くなる。
【0011】
前記請求項2に記載のラジエータ用リザーブタンクの取付構造によれば、リザーブタンクの内部にはインナーホースが設けられているため、水位調整時にラジエータ側にエアーを吸い込むことがなくなる。
【0012】
前記請求項3に記載のラジエータ用リザーブタンクの取付構造によれば、リザーブタンクの材質は、光透過性の高い合成樹脂であるため、リザーブタンク内部の水位確認を目視で確実かつ簡単に行うことができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
【0014】
[第1の実施形態]
図1は、本発明の第1実施形態によるリザーブタンクの取付構造を示す分解斜視図であり、図2は、図1のA−A線による断面図、及び図3は、図1のB−B線による断面図である。
【0015】
図外のエンジンルームの車両前端部には、ラジエータ10がラジエータコアサポート11に支持されており、これらのラジエータ10及びラジエータコアサポート11の後方側には、リザーブタンク12がラジエータ用ジョイント部材13を介して配設されている。
【0016】
前記ラジエータ10は、上部側に設けられたアッパータンク14及び該アッパータンク14の下部に設けられたラジエータコア15を備えている。このアッパータンク14には、エンジンから高温の冷却液が送給され、ラジエータコア15を介して下方に流れながら冷却されるように構成されている。また、アッパータンク14の後面には車両後方に向けて筒状の連通口16が形成されている。
【0017】
さらに、前記ラジエータコアサポート11は、上端部に矩形状の係合孔17が設けられており、前面には前記ラジエータ10が図示しない適宜手段により支持されている。また、ラジエータコアサポート11の前記連通口16に対向する部位には、連通口16が挿通する挿通孔18が形成されている。
【0018】
一方、リザーブタンク12は光透過率の高い合成樹脂から形成されており、図4に示すように、取付用突起部19が突出して形成されている。この取付用突起部19は、リザーブタンク本体20に一体に形成されており、該リザーブタンク本体20の車両前面の上部から前方に向けて延設されている。また、取付用突起部19の前端部の両側には、車幅方向に突出する断面略三角形状の爪部21が形成されている。そして、リザーブタンク本体20の前面における取付用突起部19よりも車幅方向内側には、接続孔22が穿設されており、この接続孔22はリザーブタンク本体20の内部に配設されたインナーホース23に連通して形成されており、インナーホース23はリザーブタンク本体20の底面24近傍に至るまで延びている。なお、リザーブタンク本体20の上面25には、注水口25aが突出され、この注水口25aの側面にはリザーブタンク本体20の内部圧力を調整するエアホース26が接続されている。接続孔22は、図6に示すように、リザーブタンク本体20の前面から筒部22aが奥まって形成されており、その底部22bに開口が設けられている。インナーホース23には、この底部22bに前面から係合するツバ部23aが設けられている。
【0019】
そして、ラジエータ10とリザーブタンク12とはラジエータ用ジョイント部材13を介して接続されている。このラジエータ用ジョイント部材13には、図5に示すように、三股状に円筒部が三方に突出したもので、上方へ突出した円筒部の側面に接続口であるオーバーフローパイプ27が車両後方に向けて延びている。オーバーフローパイプ27は、円筒状に形成され、図6に示すように、その先端部の外周側に2つの溝部28,28が形成されており、該溝部28,28にはリング状のゴム製Oリング29,29が嵌められている。また、図2に示すように、ラジエータ用ジョイント部材13の上方へ突出した円筒部の上部には、スプリング30によって下方に付勢されたプレッシャーバルブ31が配設されており、この上部はラジエータキャップ32によって塞がれている。さらに、ラジエータジョイント部材13のジョイント部材本体33には、連通孔34が挿通して形成されており、車両前方側へ突出した円筒部の端部には、ラジエータの連通口16に係合する接続口35が形成されている。この接続口35の外周側にもO−リング36が取り付けられている。
【0020】
そして、前記ラジエータ10の連通口16とラジエータ用ジョイント部材13との接続部は、クリップ部材37によって把持されている。このクリップ部材37は、図1及び図2に示すように、側面視略C字状に形成されて矩形状のスリット38が穿設されており、このスリット38には前記連通口16のツバ部39及び接続口35のツバ部40が挿入されて把持されている。ラジエータジョイント部材13の車幅方向内側へ突出した円筒部の先端には、図示しないラジエータホースが接続される。
【0021】
前述した第1実施形態によるリザーブタンク12をラジエータコアサポート11に取り付ける手順を説明する。
【0022】
まず、図1に示すように、前記連通口16をラジエータコアサポート11の挿通孔18内に挿入しながらラジエータ10をラジエータコアサポート11に図示せぬ手段により支持する。そして、ラジエータ用ジョイント部材13の接続口35を連通口16に接続させてクリップ部材37によって係止する。
【0023】
次いで、リザーブタンク12の取付用突起部19をラジエータコアサポート11の係合孔17に挿入して爪部21を係合孔17の端部に係止させ、これと同時に、リザーブタンク12の接続孔22をラジエータ用ジョイント部材13のオーバーフローパイプ27に係合させる。これによって、リザーブタンク12をラジエータコアサポート11に支持する際に、インナーホース23の先端部の接続孔22の結合も同時に行うことができる。
【0024】
また、リザーブタンク12の内部には、リザーブタンク12の底面24近傍まで延びるインナーホース23が設けられているため、水位調整時にラジエータ10側にエアーを吸い込むことがなくなる。
【0025】
さらに、リザーブタンク12の材質は、光透過性の高い合成樹脂であるため、リザーブタンク12内部の水位確認を目視で確実かつ簡単に行うことができる。
【0026】
[第2の実施形態]
次いで、第2の実施形態について説明するが、第1の実施形態と同一部位は同一符号を付すると共にその説明を省略する。なお、第1の実施形態では、ラジエータ10の後側にラジエータコアサポート11を配置し、該ラジエータコアサポート11の後側にリザーブタンク12を固定した。これに対して、図7に示すように、第2の実施形態では、ラジエータコアサポート51の後側にラジエータ50を配置し、リザーブタンク12をラジエータコアサポート51及びラジエータ50の後側に配設している。
【0027】
図7は、第2の実施形態によるリザーブタンク12の取付構造を示す分解斜視図である。
【0028】
ラジエータコアサポート51の上部には、矩形状の係合孔17が設けられ、この係合孔17の下部側に形成された凹部52内にラジエータ50が収容及び支持されている。また、図8に示すように、ラジエータ50の上部に設けられたアッパータンク54には連通部材43が一体に形成されている。この連通部材43は、前記ラジエータ用ジョイント部材13と基本的に同一構造に構成されており、その上部にプレッシャーバルブ31とスプリング30を介してラジエータキャップ32が取り付けられている。
【0029】
本実施形態によるリザーブタンク12を取り付ける手順を説明する。
【0030】
まず、図7に示すように、予め連通部材43をラジエータ50のアッパータンク54に一体に形成しておく。このラジエータ50をラジエータコアサポート51の後側に取り付けたのち、図9に示すようにリザーブタンク12の取付用突起部19をラジエータコアサポート51の係合孔17に挿入して係合させると同時に、リザーブタンク12の接続孔22を連通部材43のオーバーフローパイプ27に係合させる。これによって、リザーブタンク12の取り付けと同時に、接続孔22の結合も同時に行うことができる。
【0031】
なお、本発明は前述した実施形態に限定されることなく、本発明の技術思想に基づいて種々の変更及び変形が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態によるリザーブタンクの取付構造を示す分解斜視図である。
【図2】図1のA−A線による断面図である。
【図3】図1のB−B線による断面図である。
【図4】第1の実施形態によるリザーブタンクを示す斜視図である。
【図5】第1の実施形態によるラジエータ用ジョイント部材を示す斜視図である。
【図6】第1の実施形態におけるリザーブタンクとラジエータ用ジョイント部材との結合状態を示す断面図である。
【図7】第2の実施形態によるリザーブタンクの取付構造を示す斜視図である。
【図8】図7のC−C線による断面図である。
【図9】図7のD−D線による断面図である。
【符号の説明】
10,50…ラジエータ
11,51…ラジエータコアサポート
12…リザーブタンク
17…係合孔
19…取付用突起部
22…接続孔
23…インナーホース
27…オーバーフローパイプ(接続口)
Claims (3)
- リザーブタンク(12)をラジエータコアサポート(11,51)に取り付けるラジエータ用リザーブタンクの取付構造において、
前記リザーブタンク(12)のラジエータコア側の前面に取付用突起部(19)を設け、該取付用突起部(19)に係合する係合孔(17)を前記ラジエータコアサポート(11、51)に設ける一方、リザーブタンク(12)内部に連通する接続孔(22)をリザーブタンク(12)の前面に設け、この接続孔(22)に係合する接続口(27)を、前記ラジエータコアサポート(11,51)に支持されたラジエータ(10,50)側に設け、
リザーブタンク(12)の取付用突起部(19)をラジエータコアサポート(11、51)の係合孔(17)に係合させると同時に、前記接続孔(22)をラジエータ(10,50)側の接続口(27)に係合させることにより、リザーブタンク(12)をラジエータコアサポート(11,51)に取り付けたことを特徴とするラジエータ用リザーブタンクの取付構造。 - 前記リザーブタンク(12)の内部に、前記接続孔(22)に連通するインナーホース(23)を設けたことを特徴とする請求項1に記載のラジエータ用リザーブタンクの取付構造。
- 前記リザーブタンク(12)を光透過率の高い合成樹脂から形成したことを特徴とする請求項1又は2に記載のラジエータ用リザーブタンクの取付構造。
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