JP4109726B2 - 画像処理装置及び方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は入力画像データに対して下色処理を行う画像処理装置及び方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、カラー画像の出力機器として、様々な記録方式のカラープリンタが開発されている。その中でもインクジェット記録装置は、安価で、多種の記録媒体に高品位の画像を印刷でき、更には容易に小型化できる等の利点があるために広く使用されている。
【0003】
このようなカラープリンタで出力する画像のデータはCRTモニター等の発光素子を用いた出力機器に対応しているものが多く、R(レッド)G(グリーン)B(ブルー)信号によりデータ化されている。
【0004】
カラープリンタは画像処理手段を用いて、この様なRGB信号をC(シアン)M(マゼンタ)Y(イエロー)信号もしくはC(シアン)M(マゼンタ)Y(イエロー)K(ブラック)信号に変換する。画像処理方法が本出願人より提案されている。
【0005】
図8は本出願人より提案されている画像処理方法の概念を説明する図である。
【0006】
画像データはR、G、B各々8ビットで構成されているものとする。また本文中の8ビットは0から255の整数を表現しているものとする。
【0007】
画像データは画像入力手段(20001)により取り込み、R、G、B各々8ビットを輝度濃度変換手段(20002)に転送する。輝度濃度変換手段では、R、G、Bに対し輝度濃度変換を行い、C、M、Y各々8ビットに変換する。
【0008】
次に、黒成分生成手段(20003)により、前記のC、M、Yの最小値より黒成分Kを生成する。最小値を演算する関数をmin( )とすると、黒生成手段(20003)により出力されるC1、M1、Y1、K1各々8ビットは、
C1=C
M1=M
Y1=Y
K1=min(C、M、Y)
となる。
【0009】
次に、マスキング手段(20004)により、C1、M1、Y1、K1に対してマスキング処理を行い、C2、M2、Y2を出力する。
【0010】
次に下色成分分離手段(20005)により、次式の処理を行いC3、M3、Y3、Uを出力する。
【0011】
U=min(C2、M2、Y2)
C3=C2−U
M3=M2−U
Y3=Y2−U
【0012】
次に下色処理手段(20100)において、下色成分UからC4、M4、Y4、K4の8ビットの値を生成する。下色処理手段はブラック成分生成手段(20006)、シアン成分生成手段(20007)、マゼンタ成分生成手段(20008)、イエロー成分生成手段(20009)から構成され、図9に示すKGR( )、CGR( )、MGR( )、YGR( )の関数を用いてC4、M4、Y4、K4の8ビットの値を生成する。即ち、
C4=CGR(U)
M4=MGR(U)
Y4=YGR(U)
K4=KGR(U)
の関係になる。次に下色成分分離手段(20005)により出力されたC3、M3、Y3と下色処理手段(20100)により出力されたC4、M4、Y4を、シアン成分出力手段(20011)、マゼンタ成分出力手段(20012)、イエロー成分出力手段(20013)で合成する。ここにおける処理は、
C6=C3+C4
M6=M3+M4
Y6=Y3+Y4
を行い、C6、M6、Y6が0以下の場合は0にして、256以上の場合は255にする。次に前記処理により出力されたC6、M6、Y6、K4を出力ガンマ補正手段(30101)によりC7、M7、Y7、K7の各々8ビットを出力する。出力ガンマ補正手段(30101)はブラック出力ガンマ補正手段(30014)、シアン出力ガンマ補正手段(30015)、マゼンタ出力ガンマ補正手段(30016)、イエロー出力ガンマ補正手段(30017)で構成され、関数KGAM( )、CGAM( )、MGAM( )、YGAM( )を用いて次式の計算を行う。
【0013】
C7=CGAM(C6)
M7=MGAM(M6)
Y7=YGAM(Y6)
K7=KGAM(K4)
【0014】
出力ガンマ補正手段は入力値C6、M6、Y6、K4の値と印刷結果の光学反射濃度の関係が線形になる為の変換であり、通常は図10に示すような関数KGAM( )、CGAM( )、MGAM( )、YGAM( )は各々256個の参照テーブルにより構成される。
【0015】
関数CGR( )、MGR( )、YGR( )、KGR( )は入力の画像データがR=G=Bの場合に印字される結果が無彩色になるように設定された関数となる。即ち、画像データがグレースケールの場合の印字結果が、グレースケールとなることを保証する構成をとる。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、下色以外の成分がある場合、階調性(入力値と出力結果の線形性)が保証されないという改善点があった。
【0017】
図11は、従来装置におけるブルー信号(B)と光学反射濃度の関係を示す図である。
【0018】
なお、ブルー信号(B)はC2=M2、かつmin(C2、M2、Y2)=Y2である入力信号C2、M2、Y2におけるブルー成分を示す値であり以下の式で求められる。
【0019】
B=C2−Y2
【0020】
図11によると、Cの光学反射濃度がブルー信号255に比べ、ブルー信号127の方が低くなっている。つまり、ブルーにおける階調性が保証されていない。特に、無彩色以外の成分が大きい程、即ち彩やかである程階調性が崩れる。
【0021】
これはインクジェット記録方式の場合、顕著にその傾向がみられる。グレースケールが紙面と無彩色成分(即ち、下色)を表現する記録ドット群で光学的にグレースケールを保証した条件で、無彩色成分を表現する記録ドット群に無彩色成分以外を表現する記録ドット群が接触もしくは重なって記録した場合に、記録媒体表面における染料もしくは顔料の構成に変化を加える為である。
【0023】
本発明は、青色領域における階調性を良好にすることを目的とする。
【0024】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は以下のような構成を有することを特徴とする。
【0025】
本発明は、画像データを入力し、前記画像データが属する色領域に応じた下色処理を前記画像データに対して行い、黒成分信号を含む複数の成分信号を生成することを特徴とする画像処理方法であり、前記下色処理は、前記画像データから下色成分が分離された画像データにおけるマゼンタ成分およびシアン成分の最小値が0より大きい青色領域に対しては、該下色成分が分離された画像データにおけるマゼンタ成分およびシアン成分における最小値が0である青色領域に属さない色領域に比べて、下色成分の値低いときから黒成分を生成することを特徴とする。
【0028】
【発明の実施の形態】
図1に本発明に係る画像処理装置のブロック図の構成の1例を示す。
【0029】
画像データはR、G、B各々8ビットで構成されているものとする。また本文中の8ビットは0から255の整数を表現しているものとする。
【0030】
画像データは画像入力手段(10)により取り込み、R、G、B各々8ビットを輝度濃度変換手段(20)に転送する。輝度濃度変換手段では、R、G、Bを次式のBTD( )関数によりC、M、Y各々8ビットに変換する。
【0031】
C=BTD(R)
M=BTD(G)
Y=BTD(B)
【0032】
つぎに黒成分生成手段(30)により、前記のC、M、Yの最小値より黒成分Kを生成する。最小値を演算する関数をmin( )とすると、黒生成手段30により出力されるC1、M1、Y1、K1各々8ビットは、
C1=C
M1=M
Y1=Y
K1=min(C、M、Y)
となる。次にマスキング手段(40)において、次式のマトリックス計算により色合いの調整を行う。
【0033】
C2=a11×C1+a12×M1+a13×Y1+a14×K1
M2=a21×C1+a22×M1+a23×Y1+a24×K1
Y2=a31×C1+a32×M1+a33×Y1+a34×K1
前記a11、a22、a33は、0.9から1.3の間を通常使用する。a12、a13、a21、a23、a31、a32は0から−0.6の間を通常しようとする。本処理系の場合、a14、a24、a34は次式の値が望ましい。
【0034】
a14=1−(a11+a12+a13)
a24=1−(a21+a22+a23)
a34=1−(a31+a32+a33)
【0035】
前記のマトリックス計算による結果C2、M2、Y2が0以下の場合は0にして、256以上の場合は255にする。
【0036】
次に、下色処理手段(50)によって以下の実施形態に示す下色処理を行う。
【0037】
ガンマ処理手段は、入力値と印刷結果の光学反射濃度の関係が線形になるように、図10に示すような関数KGAM( )、CGAM( )、MGAM( )、YGAM( )を用いて入力値に対してガンマ補正を行う。
【0038】
関数KGAM( )、CGAM( )、MGAM( )、YGAM( )は各々256個の参照テーブルにより構成される。
【0039】
次に、記録コード化手段70においてディザ処理や誤差拡散処理等の2値化処理を行う。
【0040】
インクジェット記録手段80はC、M、Y、K2値データに基づきC、M、Y、K着色剤を用いて面積階調により記録媒体上に画像を形成する。
【0041】
これらの各手段はCPU90により制御される。CPU90はROM91に格納されているプログラムに基づきRAMをワークメモリとして用いて、マスキング手段におけるマスキング係数の設定、ガンマ処理手段におけるテーブルの設定等を行う。
【0042】
(実施形態1)
実施形態1では、上述の改善点が顕著にあらわれる青から黒へのグラデーションにおける階調性を改善する。これは、色相環において、青の領域の明度が他の領域の明度よりも低く、青の領域のグラデーションの明度差が小さい為である。
【0043】
図2に実施形態1に係る下色処理手段のブロック図の1例を示し、図3に下色処理における処理の流れを示すフローチャートの1例を示す。
【0044】
まず、下色成分分離手段(30005)により、次式の処理を行いC3、M3、Y3、Uを出力する(S10)。
【0045】
U=min(C2、M2、Y2)
C3=C2−U
M3=M2−U
Y3=Y2−U
【0046】
2次色成分生成手段(30006)は、下色成分分離手段(30005)より出力されるY3、M3、C3から青成分(B1)を生成する。ここでは、M3とC3の下色成分をB1とする。最小値を求める処理関数をmin( )とすると、
B1=min(M3、C3)
となる。こ子れにより、入力画像データにおける青成分はB1の8ビットで示される(S20)。
【0047】
下色処理選択手段(30010)は、青成分B1が0であるか否かに基づき入力画像データが色相環において青色領域に属するか否かを判定し、該判定に応じた下色処理手段を選択する(S30)。
【0048】
B1が0の場合は、入力画像データは青色領域に属さないので、第1の下色処理手段(30100)が選択され、第2下色処理手段(30200)は使用されない。
【0049】
第1の下色処理手段は下色成分U1を用いて従来技術の下色処理手段(20100)と同じ処理を行いC4、M4、Y4、K4を出力する。
【0050】
U1=U
【0051】
第一の下色処理手段はブラック成分生成第1手段、シアン成分生成第1手段、マゼンタ成分生成第1手段、イエロー成分生成第1手段から構成され、図9に示すKGR( )、CGR( )、MGR( )、YGR( )の関数を用いてC4、M4、Y4、K4の8ビットの値を生成する(S40)。即ち、
C4=CGR(U)
M4=MGR(U)
Y4=YGR(U)
K4=KGR(U)
【0052】
なお、B1が0の場合は、第2下色処理手段は使用されないためC5、M5、Y5、K5の信号は出力されない。
【0053】
このように、入力画像データが青色領域に属されない場合は、入力画像データがR=G=Bの場合に印字される結果が無彩色になるように設定された関数CGR( )、MGR( )、YGR( )、KGR( )を用いて下色処理を行うことにより、入力画像データがグレースケールの場合の印字結果がグレースケールとなることを保証することができる。さらに、下色成分以外の成分が大きく鮮やかである部ではK成分K4が0になるように関数が設定されているので、鮮やかな部分の明度が比較的高い青色領以外の領域における鮮やかな部分の色味を高品質に再現することができる。
【0054】
B1が0より大きい場合は、入力画像データは青色領域に属するので、下色処理選択手段(30010)によって、第2下色処理手段(30200)に前記の下色成分UをU2として出力する。
【0055】
U2=U
【0056】
また第1下色処理手段(30100)を使用しないため、C4、M4、Y4、K4の信号は出力されない。
【0057】
この第2下色処理手段(30200)はブラック成分生成第2手段、シアン成分生成第2手段、マゼンタ成分生成第2手段、イエロー成分生成第2手段から構成され、前記第1下色処理手段(30100)で使用するKGR( )、CGR( )、MGR( )、YGR( )の関数と、KGR2( )、CGR2( )、MGR2( )、YGR2( )、SFT( )の関数を使用して以下に示す下色処理を行う(S50)。
【0058】
KGR2( )、CGR2( )、MGR2( )、YGR( )2の関数は入力が8ビット、出力が8ビットの関数である。またSFT( )関数は入力が8ビットに対して0から1までの何れかを出力する。
【0059】
前記関数を用いてブラック成分生成第2手段では、
K5=KGR(U2)×(1−SFT(U2+B1))+KGR2(U2)×SFT(U2+B1)
シアン成分生成第2手段では、
C5=CGR(U2)×(1−SFT(U2+B1))+CGR2(U2)×SFT(U2+B1)
マゼンタ成分生成第2手段では、
M5=MGR(U2)×(1−SFT(U2+B1))+MGR2(U2)×SFT(U2+B1)
イエロー成分生成第2手段では、
Y5=YGR(U2)×(1−SFT(U2+B1))+YGR2(U2)×SFT(U2+B1)
の演算を行う。
【0060】
このように、入力画像データが青色領域に属する場合は、入出力の関係が図5に示される関数KGR2( )、CGR2( )、MGR2( )、YGR2()を用いることにより、下色成分の値が低い時からK成分Kが生成される。したがって、明度が低い為に階調性を保証することができなかった下色成分以外の成分が大きい部分、即ち、鮮やかである部分における階調性を保証することができる。
【0061】
図6は本実施形態におけるブルー信号(B)と光学反射濃度の関係を示す図である。C成分のブルー信号の低下に対応し、光学反射濃度が低くなるという問題点が解消されている。
【0062】
更に、図4に示すようにSFT関数として連続的な関数を用いるので、色相関の連続性を保つことができる。
【0063】
上述の第1又は第2の下色処理手段によって生成されたC4、M4、Y4又はC5、M5、Y5と入力画像データの下色以外の成分、即ち、有彩色成分に基づき下色処理後のK成分に対応するC成分、M成分及びY成分を生成する(S60)。
【0064】
シアン成分合成手段(30011)は、
C6=C3+(C4+C5)
の演算を行いC6を出力する。
【0065】
マゼンタ成分合成手段(30012)は、
M6=M3+(M4+M5)
の演算を行いM6を出力する。
【0066】
イエロー成分合成手段(30013)は、
Y6=Y3+(Y4+Y5)
の演算を行いY6を出力する。
【0067】
以上の様に、本実施形態によれば、鮮やかな部分の明度が低い青色領域の青から黒へのグラデーションにおける階調性を、他の色領域には影響を与えず、かつ、色相間の連続性を保ちながら改善することができる。
【0068】
なお、第1及び第2下色処理手段で用いられる関数は、上述のものに限らず、他の関数を用いても構わない。
【0069】
(実施形態2)
実施形態2では、色空間を無彩色領域、1次色領域であるC領域、M領域、及びY領域と2次色領域である、R領域、G領域、及びB領域の7領域に分割し、各領域に適した下色処理を行う。
【0070】
図7に実施形態2に係る下色処理手段のブロック図の1例を示す。なお、図7において図1に示す実施形態1に係るブロック図と同一のものには同一の符号を付け説明を割愛する。
【0071】
2次色成分分離手段(40006)は、下色成分分離手段(30005)によって、下色成分が除かれた入力画像データの有彩色成分を示すC3、M3、Y3から1次色成分C8、M8、Y8を2次色成分R2、G2、B2を以下の式に基づき抽出する。
R2=min(M3、Y3)
G2=min(Y3、C3)
B2=min(C3、M3)
C8=C3−(B2+G2)
M8=M3−(R2+B2)
Y8=Y3−(R2+G2)
【0072】
次に、下色処理選択手段(40010)は、下色成分U及び2次色成分C3、M3、Y3、R2、B2、G2に基づき入力画像データが属する色領域を判定し、該判定結果に対応する下色処理手段を選択する。即ち、下色処理手段は、1次色成分及び2次色成分が0である場合は、入力画像データが無彩色領域に属すると判定し、1次色成分と2次色成分が0でない場合は、値が1番大きい色成分の領域に入力画像データは属すると判定する。そして、判定結果に基づき、無彩色領域、C領域、M領域、Y領域、R領域、G領域、B領域の各々に対応する第1手段(40100)、第5手段(40140)、第6手段(40150)、第7手段(40160)、第1手段(40100)、第2手段(40110)、第3手段(40120)のいずれかを選択する。
【0073】
各下色のCMYK成分生成手段における処理を説明する。
【0074】
〈下色のCMYK成分生成第1手段(40100)〉
第1手段は無彩色領域に適した下色処理を行う。
W2=255−(U+R2+G2+B2+C8+M8+Y8)
K10=(W2/(255−U))×KGR1(U)
C10=(W2/(255−U))×CGR1(U)
M10=(W2/(255−U))×MGR1(U)
Y10=(W2/(255−U))×YGR1(U)
【0075】
〈下色のCMYK成分生成第2手段(40110)〉
第2手段は、R領域に適した下色処理を行う。
K11=(R2/(255−U))×KGR2(U)
C11=(R2/(255−U))×CGR2(U)
M11=(R2/(255−U))×MGR2(U)
Y11=(R2/(255−U))×YGR2(U)
【0076】
〈下色のCMYK成分生成第3手段(40120)〉
第3手段は、G領域に適した下色処理を行う。
K12=(G2/(255−U))×KGR3(U)
C12=(G2/(255−U))×CGR3(U)
M12=(G2/(255−U))×MGR3(U)
Y12=(G2/(255−U))×YGR3(U)
【0077】
〈下色のCMYK成分生成第4手段(40130)〉
第4手段は、B領域に適した下色処理を行う。
K13=(B2/(255−U))×KGR4(U)
C13=(B2/(255−U))×CGR4(U)
M13=(B2/(255−U))×MGR4(U)
Y13=(B2/(255−U))×YGR4(U)
【0078】
〈下色のCMYK成分生成第5手段(40140)〉
第5手段は、C領域に適した下色処理を行う。
K14=(C8/(255−U))×KGR5(U)
C14=(C8/(255−U))×CGR5(U)
M14=(C8/(255−U))×MGR5(U)
Y14=(C8/(255−U))×YGR5(U)
【0079】
〈下色のCMYK成分生成第6手段(40150)〉
第6手段は、M領域に適した下色処理を行う。
K15=(M8/(255−U2))×KGR6(U)
C15=(M8/(255−U2))×CGR6(U)
M15=(M8/(255−U2))×MGR6(U)
Y15=(M8/(255−U2))×YGR6(U)
【0080】
〈下色のCMYK成分生成第7手段(40160)〉
第7手段は、Y領域に適した下色処理を行う。
K16=(Y8/(255−U2))×KGR7(U)
C16=(Y8/(255−U2))×CGR7(U)
M16=(Y8/(255−U2))×MGR7(U)
Y16=(Y8/(255−U2))×YGR7(U)
【0081】
このように、本実施形態では、各色領域ごとに関数KGR( )、CGR( )、MGR( )、YGR( )を用意しているので、各色領域に適した下色処理を行うことができる。
【0082】
更に、下色処理を下色成分以外のレンジに対する主色成分の割合に応じて行うので、色相間の連続性を保つことができる。
【0083】
なお、上述の実施形態2では、1次色成分及び2次色成分が0である場合に無彩色領域と判定したが、例えば、無彩色領域に幅を持たせ1次色成分及び2次色成分の合計値が所定値以下であるならば、入力画像データが無彩色領域に属すると判定しても構わない。上述の無彩色領域における下色処理によれば、下色処理以外のレンジに対するW2の割合に応じた下色処理を行うので、例えば無彩色領域に幅を持たせても高品質の下色処理を行うことができる。
【0084】
(実施形態3)
実施形態3は実施形態2の変形例であり、実施形態2における各色領域に対応した下色のCMYK成分生成手段で用いる下色処理を以下の様にする。
【0085】
〈無彩色領域における下色処理〉
SW=SET(U)+SFT(R2)+SFT(G2)+SFT(B2)+SFT(C8)+SFT(M8)+SFT(Y8)
K10=(1−SW)×KGR1(U)
C10=(1−SW)×CGR1(U)
M10=(1−SW)×MGR1(U)
Y10=(1−SW)×YGR1(U)
【0086】
〈有彩色の各色領域における下色処理〉
Kα=SFT(A)×KGRβ(U2)
Cα=SFT(A)×CGRβ(U2)
Mα=SFT(A)×MGRβ(U2)
Yα=SFT(A)×YGRβ(U2)
【0087】
なお、Aは主色成分の値であり、関数KGRβ( )、CGRβ( )、MGRβ( )及びYGRβ( )は、実施形態2と同様に各色領域ごとに用意されている。
【0088】
本実施形態によれば、関数SFT( )を用いて、下色処理を行うので、関数SFT( )の設定により色相間における下色処理の関係を任意に設定することができる。
【0089】
なお、実施形態3における関数SFT( )を各色領域ごとに設定しても構わない。
【0090】
(変形例)
上述の実施形態の下色処理手段は、画素ごとに演算をしているが、本発明はこれに限らず、該演算に基づく入出力の関係をテーブルとして予め格納しておき、該テーブルを用いて下色処理を行うようにしても構わない。
【0091】
また、上述の各実施形態では、インクジェット記録手段で用いる着色剤として、C、M、Y、K着色剤を用いているが、本発明はこれに限らず、例えばB(ブルー)、V(バイオレット)等の特色対応の着色剤を用いても構わない。この場合は、色領域を用いる着色剤に基づき分割するとともに、色領域対応の下処理で用いる関数を着色剤の特性に基づき設定すれば良い。
【0092】
また、本発明は複数の機器(例えばホストコンピュータ、インタフェース機器、リーダ、プリンタ等)から構成されるシステムに適用しても一つの機器(例えば複写機、ファクシミリ装置)からなる装置に適用してもよい。
【0093】
また前述した実施形態の機能を実現する様に各種のデバイスを動作させる様に該各種デバイスと接続された装置あるいはシステム内のコンピュータに、前記実施形態機能を実現するためのソフトウエアのプログラムコードを供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(CPUあるいはMPU)を格納されたプログラムに従って前記各種デバイスを動作させることによって実施したものも本願発明の範疇に含まれる。
【0094】
またこの場合、前記ソフトウエアのプログラムコード自体が前述した実施形態の機能を実現することになり、そのプログラムコード自体、及びそのプログラムコードをコンピュータに供給するための手段、例えばかかるプログラムコードを格納した記憶媒体は本発明を構成する。
【0095】
かかるプログラムコードを記憶する記憶媒体としては、例えばフロッピーディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM等を用いることができる。
【0096】
またコンピュータが供給されたプログラムコードを実行することにより、前述の実施形態の機能が実現されるだけではなく、そのプログラムコードがコンピュータにおいて稼働しているOS(オペレーティングシステム)、あるいは他のアプリケーションソフト等と共同して前述の実施形態の機能が実現される場合にもかかるプログラムコードは本願発明の実施形態に含まれることは言うまでもない。
【0097】
更に供給されたプログラムコードが、コンピュータの機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに格納された後そのプログラムコードの指示に基づいてその機能拡張ボードや機能格納ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も本発明に含まれることは言うまでもない。
【0099】
【発明の効果】
本発明によれば、下色以外の成分がある場合においても、青色領域の階調性を良好に再現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る画像処理装置の構成を示すブロック図の1例を示す図である。
【図2】本願実施形態1に係る下色処理手段の構成を示すブロック図の1例を示す図である。
【図3】本願実施形態1に係る下色処理における処理の流れの1例を示すフローチャートである。
【図4】本願実施形態1に係る下色処理における関数SFTの1例を示すフローチャートである。
【図5】本願実施形態1に係る下色処理における関数KGR2の1例を示すフローチャートである。
【図6】本願実施形態1に係る下色処理の結果を示す図である。
【図7】本願実施形態2の下色処理手段の構成を示すブロック図の1例を示す図である。
【図8】従来の画像処理装置の構成を示すブロック図を示す図である。
【図9】下色処理における関数の1例を示す図である。
【図10】ガンマ処理の関数の1例を示す図である。
【図11】従来の下色処理の結果を示す図である。

Claims (3)

  1. 画像データを入力し、
    前記画像データが属する色領域に応じた下色処理を前記画像データに対して行い、黒成分信号を含む複数の成分信号を生成することを特徴とする画像処理方法であり、
    前記下色処理は、前記画像データから下色成分が分離された画像データにおけるマゼンタ成分およびシアン成分の最小値が0より大きい青色領域に対しては、該下色成分が分離された画像データにおけるマゼンタ成分およびシアン成分における最小値が0である青色領域に属さない色領域に比べて、下色成分の値低いときから黒成分を生成することを特徴とする画像処理方法。
  2. 前記黒成分信号を含む複数の成分信号に基づき、インクジェット記録部を用いて画像形成を行うことを特徴とする請求項1記載の画像処理方法。
  3. 画像データを入力する入力手段と、
    前記画像データが属する色領域に応じた下色処理を前記画像データに対して行い、黒成分信号を含む複数の成分信号を生成する下色手段と
    インクジェット記録部を用いて、前記黒成分信号を含む複数の成分信号を用いて画像形成を行う画像形成手段とを有する画像処理装置であって、
    前記下色処理手段は、前記画像データから下色成分が分離された画像データにおけるマゼンタ成分およびシアン成分の最小値が0より大きい青色領域に対しては、該下色成分が分離された画像データにおけるマゼンタ成分およびシアン成分における最小値が0である青色領域に属さない色領域に比べて、下色成分の値が低い時から黒成分を生成することを特徴とする画像処理装置。
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