JP4109150B2 - 融雪装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば屋根の積雪を確実かつ効率よく溶かすための融雪装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、家屋の屋根に積った雪は、その量が多い場合には、家屋の損傷を防ぐため人手により雪降ろしを行う。この雪降ろし作業は非常に重労働となるために、屋根の表面に予め融雪装置を装着する場合もある。この融雪装置は、高温の湯をジグザグ状に配設された融雪パイプ内に流して、そのパイプの外部放散熱により雪を溶かすようになっていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記従来の融雪装置は、融雪パイプにより直接雪を溶かすようにしていたので、雪との接触面積が少なく、雪に十分な熱量を与えることができず、融雪の効率が低いという問題があった。このため、積雪状態で起動すると、蛇行する融雪パイプの周りの雪を部分的に溶かすことはできるが、融雪パイプと融雪パイプの間の雪は溶け難く、ブリッジ現象(空洞化)が生じて溶かすことができない恐れがある。従って、雪の降り始めに融雪装置を作動する必要があり、降雪時間が長い場合には、ボイラー用の灯油等の燃料の使用量が多くなって、融雪経費が高くなるという問題があった。
【0004】
又、従来の融雪装置は、一層式のため融雪パイプ内を流れる湯の温度が数メートル先で低下し、末端の融雪パイプによる融雪効率が悪化し、全体として均一な融雪ができないという問題もあった。
【0005】
前記融雪パイプの上面に平板状のプレートを載せて融雪することも考えられるが、この場合には、湯の温度が80℃とすると、例えば20センチメートルの積雪を融雪するのに約一日を要していた。
【0006】
さらに、夜間に融雪装置を作動させると、溶けた雪水が低い外気温度の影響で屋根の樋内に進入して凍るため樋を破損する恐れもあった。
本発明は、従来の技術に存する問題点を解消して、屋根等に積もった雪を確実かつ効率的に溶かすことができる融雪装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、加熱流体を流す扁平状の下部通路を有する下部融雪パネルの上面に同じく加熱流体を流す扁平状の上部通路を有する上部融雪パネルを積層し、前記下部融雪パネルの下部通路に通した加熱流体を前記上部融雪パネルの上部通路に対し前記下部通路の加熱流体の流通方向と逆方向に通すようにしたことを要旨とする。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1において、前記下部通路及び上部通路は、それぞれ蛇行するように構成されていることを要旨とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1において、前記下部通路及び上部通路は、それぞれ複数の平行通路により構成されていることを要旨とする。
【0009】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか一項において、前記下部融雪パネル及び上部融雪パネルは、下部通路形成プレートと、上部通路形成プレートと、下部及び上部通路形成プレートの間に介在された区画プレートとによって構成されていることを要旨とする。
【0010】
請求項5に記載の発明は、請求項4において、前記下部融雪パネルには、前記区画プレートとの間で蛇行する下部通路を形成する蛇行溝がプレス成形され、上部融雪パネルには、前記区画プレートとの間で蛇行する上部通路を形成する蛇行溝がプレス成形されていることを要旨とする。
【0011】
請求項6に記載の発明は、請求項1〜5のいずれか一項において、融雪パネルは家屋の屋根に装設され、家屋の床面の下側には暖房パネルが配設され、該暖房パネルは融雪パネルの基本構成と同様に構成され、前記融雪パネル及び/又は暖房パネルに加熱流体を供給するように構成されていることを要旨とする。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を具体化した融雪装置の一実施形態を図1〜図4に従って説明する。
【0013】
この融雪装置11は、下部融雪パネル12と上部融雪パネル13を積層して構成されている。この下部及び上部融雪パネル12,13の構成はほぼ同一であるため、下部融雪パネル12の構成について説明し、上部融雪パネル13の構成は簡略する。
【0014】
図2に示すように、前記下部融雪パネル12を構成する平面長四角形状の底板14と上板15(図3参照)は、左右の平行な側板16a,16b及び前後一対の平行な端板17,18によって連結されている。前記端板17,18の間には第1〜第4の仕切り板19a〜19dが側板16a,16bと平行に配設されている。前記各仕切り板19a〜19dの端部は交互に切り欠かれ、加熱流体としての湯の折り返し通路20a〜20dが形成されている。そして、前記側板16a,16b、端板17,18及び仕切り板19a〜19dによって、全体として矢印で示すように蛇行する下部通路21Aが構成されている。
【0015】
前記下部融雪パネル12の長さ寸法Lは、例えば2メートルに設定され、その幅寸法Wは例えば1メートルに設定されている。図3に示す底板14と上板15の間隔Tは例えば2〜5ミリメートル程度に設定されている。又、前記下部通路21Aの幅寸法は例えば8〜10センチメートルに設定されている。なお、下部通路21Aの通路断面を2〜5ミリメートル×8〜10センチメートルとしたのは、後述するボイラー(湯発生装置44)から供給される湯の供給量に適合させるためである。
【0016】
図2に示すように、一方の端板17の右端部には湯の入口22が形成され、他方の端板18の左端部には湯の出口23が形成されている。前記入口22と出口23には、隣接する融雪装置11の下部融雪パネル12と接続するための機能を備えた口金24及び口金25が取り付けられている。
【0017】
図1に示すように、前記上部融雪パネル13は、湯の流れる方向が前記下部融雪パネル12の下部通路21Aと逆になるように、入口22と出口23が下部融雪パネル12と逆になっている。その他の構成は前記下部融雪パネル12の構成と同様である。
【0018】
図4は前記融雪装置11を屋根41の表面に複数箇所に直列に配設した平面図である。この図4においては、説明の都合により下段に下部融雪パネル12を、上段に上部融雪パネル13を分離して示す。又、最左端の下部融雪パネル12の口金25と、同じく最左端の上部融雪パネル13の口金24は折り返し用のホース38によって接続されている。最右側に位置する前記下部融雪パネル12の口金24には湯発生装置44からポンプ45及び給湯管46を通して湯が供給されるようになっている。又、図4の上段に示すように、最右側に位置する上部融雪パネル13の口金25には排湯管47が接続され、融雪に供して温度の低下した排湯を湯発生装置44に戻すようになっている。下部融雪パネル12の下部通路21A及び上部融雪パネル13の上部通路21Bの湯の流れる方向は図4に矢印で示すようになっている。
【0019】
次に、前記のように構成した融雪装置の動作について説明する。
前記湯発生装置44を作動してポンプ45から高温の湯を給湯管46を通して下部融雪パネル12の下部通路21Aに供給する。この湯は各下部融雪パネル12の下部通路21A内をそれぞれ矢印方向に蛇行して流れ、ホース38から上部融雪パネル13の上部通路21Bに供給される。その後、各上部融雪パネル13の上部通路21B内をそれぞれ矢印方向に蛇行して流れ、排湯管47から湯発生装置44に戻される。
【0020】
上記実施形態の融雪装置によれば、以下のような特徴を得ることができる。
(1)上記実施形態では、前記融雪装置11を下部融雪パネル12と上部融雪パネル13により構成し、下部融雪パネル12の下部通路21Aに高温の湯を通し上部融雪パネル13の上部通路21Bに折り返された湯を蛇行して逆方向に通すようにした。このため、上部通路21Bを流れる融雪用の湯が下部通路21Aを流れる湯によって暖められ、冷え難くなる。従って、融雪装置11の表面の温度が上板15の上面全体に亘ってほぼ均一となる。又、上部融雪パネル13の上板15(融雪面)も平面であるため熱伝導率がよく、かつ平らな部分全体に温水が均等に流れるので、十分な熱量を発散して積雪を均等に溶かすことができる。この結果、雪の降り始めに融雪装置を作動しなくてもよく、屋根の積雪が所定高さとなってから作動して融雪を効率的に行うことができ、融雪経費を低減することができる。例えば、融雪装置11の上面の積雪の深さが20センチメートルの場合には、使用する湯の温度が80℃の場合には、7〜8分で融雪することがわかった。
【0021】
(2)上記実施形態では、積雪の融雪時にブリッジ現象が生じることはないので、融雪装置11を屋根の庇側に所定の幅で配設することにより、屋根全体の融雪を行うことができる。すなわち、上部融雪パネル13の積雪が全部なくなると、上部融雪パネル13の斜め上側にある屋根の積雪が屋根の表面を滑って上部融雪パネル13の上面に移動して順次溶解される。この雪の移動は融雪装置11の厚さが例えば4〜10ミリメートルというように低いので可能である。従って、融雪経費(燃料代)を従来の約1/20に低減することができる。
【0022】
(3)上記実施形態では、前記融雪装置11を昼間に必要な時間だけ作動させることができる。このため、溶けた雪水が凍ることはなく、樋等を破損することはない。
【0023】
(4)上記実施形態では、底板14と上板15の間に側板16a,16b、第1〜第4の仕切り板19a〜19dを平行に介在して下部通路21A及び上部通路21Bを形成した。このため、板材によって蛇行する扁平状の下部通路21A及び上部通路21Bを容易に形成することができる。
【0024】
(5)上記実施形態では、端板17に形成された入口22に口金24を取付け、端板18に形成された出口23に口金25を取り付け、互いに隣接される融雪装置11の口金24と口金25を連結することができるように構成した。このため異なる融雪装置11を所望する個数だけ簡単に接続して装着作業を容易に行うことができる。
【0025】
(6)上記実施形態では、湯発生装置44から融雪装置11へ供給される湯量を屋根の広さや積雪あるいは使用状況に応じて調整し、効率よくどのような積雪であっても確実に雪を溶かすことができる。
【0026】
(別の実施形態)
次に、図5〜図10に基づいてこの発明の別の実施形態について説明する。
図5はこの実施形態の融雪装置11全体を示す平面図である。又、図6は融雪装置11全体を示す一部省略正面図、図7は同じく融雪装置11全体を示す一部省略側面図である。図8は融雪装置11の横断面図である。
【0027】
図8に示すように融雪装置11の本体は、例えばステンレススチール、銅、真鍮、あるいはアルミニウム等の金属板をプレス成形して図5に示すようにほぼ平面横長四角形状に形成した下部通路形成プレート51と、同じく金属板をプレス成形してほぼ平面横長四角形状に形成した上部通路形成プレート52と、両プレート51,52の間にサンドイッチ状に介在された区画プレート53とによって構成されている。
【0028】
前記下部及び上部通路形成プレート51,52は、図8に示すように区画プレート53に関して上下対称状に形成され、下部通路形成プレート51には蛇行する蛇行溝51aが下方に膨らむようにプレス成形されている。そして、この蛇行溝51aと前記区画プレート53の下面との間に蛇行する下部通路21Aが形成されるようになっている。(図5参照)同様に、上部通路形成プレート52には蛇行する蛇行溝52aが上方に膨らむようにプレス成形されている。そして、この蛇行溝52aと前記区画プレート53との間に蛇行する上部通路21Bが形成されるようになっている。(図5参照)
前記区画プレート53の外周縁は前記下部及び上部通路形成プレート51,52の外周縁よりも内側になるように包蔵され、下部及び上部通路形成プレート51,52の外周縁の接合部512の全域を互いに溶接して形成されたシーム溶接部Mによって接合されている。
【0029】
次に、前記下部融雪パネル12の下部通路21A及び上部融雪パネル13の上部通路21Bのそれぞれの端部に連通するように設けられた口金24,25の構成を図9及び図10に基づいて説明する。
【0030】
図9に示すように前記口金24は上部通路21Bの左端部に連通するように取り付けられている。上部通路形成プレート52には蛇行溝52aの左端部と対応して開口部52bが形成され、この開口部52bには通路54aを有する口金本体54の下端部に一体に形成したボス部54bが係合され、上部通路形成プレート52と口金本体54は溶接部(図示略)によって連結されている。又、前記口金本体54の側面には嵌合穴54cが形成され、該嵌合穴54cには前記通路54aと連通するように横円筒状をなすパイプ55の一端部が嵌入され、口金本体54とパイプ55は溶接部(図示略)によって連結されている。
【0031】
前記下部通路形成プレート51と上部通路形成プレート52の外周縁の接合部512の上面には、前記口金24のパイプ55と対応するように支持金具56が載置されている。そして、前記接合部512を下方から上方に貫通するボルト57を前記支持金具56に形成されたねじ孔に螺合することによって接合部512に支持金具56を締め付け固定している。前記支持金具56の上面は、前記パイプ55の外周面と同心円弧状になるように円弧状に形成され、前記パイプ55に嵌合接続されるホース58を安定して支持するようになっている。
【0032】
図10に示す口金25は、下部融雪パネル12の下部通路21Aの左端部に連通するように取り付けられている。前記上部通路形成プレート52と区画プレート53には下部通路形成プレート51側に設けた蛇行溝51aの左端部と対応するように取付穴59が形成され、この取付穴59には口金25を構成する口金本体54のボス部54bが嵌合され、溶接部(図示略)によって上部通路形成プレート52に連結されている。その他の構成は前記口金24の構成と同様である。又、図5に示すように前記下部通路21Aの右端部には口金25が設けられ、前記上部通路21Bの右端部には口金24が設けられている。
【0033】
上記のように構成した融雪装置11についてその動作を説明する。
前記下部融雪パネル12の下部通路21Aの右端部に連結した口金25から高温の湯が下部通路21A内に供給されると、湯は下部通路21A内を蛇行して左端部に設けた口金25から外部に流出される。
【0034】
一方、前記上部融雪パネル13の上部通路21Bの右端部に設けた口金24から湯が上部通路21B内に供給されると、この湯は上部通路21B内部を蛇行して口金24から外部に流出される。
【0035】
以上のようにして下部及び上部通路21A,21Bの湯の流動によって前記融雪装置11の上面に積もった雪が溶かされる。
上記の別の実施形態においては、前述した本実施形態の融雪装置の効果に加えて、以下の効果を期待することができる。
【0036】
(1)この別の実施形態においては、前記融雪装置11の本体を下部通路形成プレート51、上部通路形成プレート52、及び区画プレート53によって構成したので、融雪装置11を構成する部品点数を低減して、製造を容易に行いコストの低減を図ることができる。
【0037】
(2)この別の実施形態においては、口金本体54とパイプ55により口金24,25を構成し、口金24,25を上部通路形成プレート52の上面側から下部及び上部通路21A,21Bの端部開口に連通するようにしたので、パイプ55に対しパイプを接続して、複数の融雪装置11を容易に連通することができる。
【0038】
(3)この別の実施形態においては、下部及び上部通路形成プレート51,52の外周側の接合部に支持金具56をボルト57によって取り付け、パイプ55に嵌合接続されるホース58の外周面を位置規制するようにしたので、ホース58の接続状態を安定化することはできる。
【0039】
なお、本実施形態は以下のように変更してもよい。
○ 前記下部通路21Aと上部通路21Bを平面から見て同一の蛇行形状にしてもよい。この場合には、前記口金24,25は図11に示すように連結筒60,61を介して上部通路21B及び下部通路21Aの端部に取り付けられる。連結筒60は上部通路形成プレート52に溶接され、連結筒61は上部通路形成プレート52及び区画プレート53にそれぞれ溶接されている。
【0040】
この別例では下部通路形成プレート51と上部通路形成プレート52を同一の金型により成形することができる。
○ 図12に示すように、家屋の床面42に対し前記融雪装置11と同様に構成した上下二層の暖房パネルの暖房装置11Aを取り付ける。そして、湯発生装置44の湯をポンプ45、給湯管46、排湯管47、給湯管48及び切換弁49を介して屋根41に装着した融雪装置11と、前記暖房装置11Aとに湯を選択的に又は両方同時に供給可能に構成してもよい。
【0041】
上記の暖房装置11Aによって床暖房を効率よく行うことができる。従来の床暖房は、湯を通す暖房用パイプを10センチメートル間隔で蛇行するよう配設していたので、熱効率が悪い。しかし、上記の暖房装置11Aでは、熱効率を従来の約10〜50倍に向上することができる。
【0042】
○ 図12において、融雪装置11を夏季に冷房装置としても機能するようにしてもよい。すなわち、冷房装置の下部冷房パネル及び上部冷房パネルに切換弁を用いて冷房用の水や空調装置の冷風を通して、屋根を冷やし、屋内の温度を調整する。
【0043】
○ 図12に示す暖房装置11Aに代えて、前記融雪装置11と同様に構成した冷房装置を用いてもよい。この冷房装置の下部冷房パネル及び上部冷房パネルの下部通路及び上部通路には井戸や水道の水、或いは空調装置の冷風が供給され、室内の冷房が行われる。上記別例及びこの別例では空調装置の冷風が直接人体に当たらないので、健康によい。
【0044】
○ 図12に示す暖房装置11Aは二層パネル式のため、冬季は上部暖房パネルのみに不凍液を含んだ湯を循環させて暖房として使用するように構成してもよい。夏季においては、暖房装置11Aを利用して床冷房として使用するときに不凍液の含んだ水を循環させる上部暖房パネルでは、冷えない。このため、下部冷房パネルのみに冷媒ガス等の冷却媒体を循環させるようにしてもよい。この別例では使用目的に応じて下部冷房パネルと上部暖房パネルを使い分けることができる。
【0045】
○ 夏季において、空調装置から床側の冷房装置の下部冷房パネルに冷気を通し、上部冷房パネルには冷気を通さないようにしてもよい。冬季において、暖房装置11Aの上部暖房パネルに湯を通し、下部暖房パネルには湯を通さないようにしてもよい。
【0046】
○ 図5に示す別の実施形態において、前記下部及び上部通路形成プレート51,52の蛇行溝51a,52aの横断面形状を、図8に示す形状以外の例えば台形状にしたり、波形状にしたり、その他形状にしたりしてもよい。
【0047】
○ 図5〜10に示す別例において、下部通路形成プレート51、上部通路形成プレート52及び区画プレート53の材料を、耐候性を有する合成樹脂により形成してもよい。
【0048】
○ 床側に配設される二層パネル式の暖房装置11Aと二層パネル式の冷房装置を上下に積層して、切換弁により選択的に使用するようにしてもよい。
○ 前記融雪装置11に用いる湯に不凍液を混入してもよい。
【0049】
○ 屋根に装着した融雪装置11を夏季において切換弁を用いて太陽熱ヒータに切り換えるようにしてもよい。
○ 前記融雪装置11を屋根の融雪以外に道路の融雪に用いたり、駐車場あるいはベランダの融雪に用いたりしてもよい。
【0050】
○ 融雪パネルの下部通路21Aを平行な複数の通路により構成してもよい。又、一つの下部融雪パネル12及び上部融雪パネル13に対しそれぞれ一つの扁平な下部通路21Aのみを形成した構成としてもよい。
【0051】
○ 加熱流体として湯以外にオイル、蒸気、その他の流動材を用いてもよい。
○ 上部暖房パネルと下部暖房パネルよりなる二層構造の暖房装置11Aを一層構造の暖房パネルにしてもよい。
【0052】
○ 屋根に対し融雪装置11を下側、中間部或いは上側の一部に設けてもよい。又、屋根全体に融雪装置11を配設してもよい。全体に設けた場合には切換弁により複数の融雪装置11に選択的に湯を切り換え供給可能に構成するのが望ましい。
【0053】
○ 融雪装置11に積雪量を提出するための積雪センサーを配置し、この積雪センサーにより検出された積雪量が零になると、温水の融雪装置11への供給が停止されるようにしてもよい。
【0054】
○ 屋根等の融雪装置11を配設した場所に温度センサを設け、この温度センサにより検出された温度が設定温度(例えば零℃)以下になった場合に、融雪装置11の作動を停止するようにしてもよい。この場合には、融雪によって溶けた水が雨樋に進入して凍結し、雨樋が破損するのを防止することができる。
【0055】
○ 配管工事をするときに、複数の融雪装置11に対し選択的に湯を切り換え供給する切換弁を設置するようにしてもよい。この別例では溶かしたい場所の融雪装置11に集中的に湯を供給することができる。
【0056】
【発明の効果】
以上詳述したように、この発明は屋根等の積雪を確実かつ効率的に溶かすことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明を具体化した融雪装置の斜視図。
【図2】 同じく融雪装置の下部融雪パネルを示す斜視図。
【図3】 融雪装置の横断面図。
【図4】 屋根に装設した下部融雪パネル及び上部融雪パネルの展開平面図。
【図5】 この発明の融雪装置の別の実施形態を示す平面図。
【図6】 図5に示す融雪装置の一部省略正面図。
【図7】 図5に示す融雪装置の一部省略側面図。
【図8】 図5に示す融雪装置の横断面図。
【図9】 図5のA−Aの拡大断面図。
【図10】 図5のB−Bの拡大断面図。
【図11】 この発明の別の実施形態を示す部分断面図。
【図12】 この発明の別の実施形態を示す略体正面図。
【符号の説明】
12…下部融雪パネル、13…上部融雪パネル、21A…下部通路、21B…上部通路、41…屋根、42…床面、51…下部通路形成プレート、51a,52a…蛇行溝、52…上部通路形成プレート、53…区画プレート。
Claims (6)
- 加熱流体を流す扁平状の下部通路を有する下部融雪パネルの上面に同じく加熱流体を流す扁平状の上部通路を有する上部融雪パネルを積層し、前記下部融雪パネルの下部通路に通した加熱流体を前記上部融雪パネルの上部通路に対し前記下部通路の加熱流体の流通方向と逆方向に通すようにした融雪装置。
- 請求項1において、前記下部通路及び上部通路は、それぞれ蛇行するように構成されている融雪装置。
- 請求項1において、前記下部通路及び上部通路は、それぞれ複数の平行通路により構成されている融雪装置。
- 請求項1〜3のいずれか一項において、前記下部融雪パネル及び上部融雪パネルは、下部通路形成プレートと、上部通路形成プレートと、下部及び上部通路形成プレートの間に介在された区画プレートとによって構成されている融雪装置。
- 請求項4において、前記下部融雪パネルには、前記区画プレートとの間で蛇行する下部通路を形成する蛇行溝がプレス成形され、上部融雪パネルには、前記区画プレートとの間で蛇行する上部通路を形成する蛇行溝がプレス成形されている融雪装置。
- 請求項1〜5のいずれか一項において、融雪パネルは家屋の屋根に装設され、家屋の床面の下側には暖房パネルが配設され、該暖房パネルは融雪パネルの基本構成と同様に構成され、前記融雪パネル及び/又は暖房パネルに加熱流体を供給するように構成されている融雪装置。
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