JP4108709B2 - 人工植物 - Google Patents
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Description
【技術分野】
【0001】
本発明は、芳香を放つ造花等の人工植物に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、造花等の人工植物は、人の心に安らぎを与える装飾品として生花とともに広く用いられている。造花等の人工植物は、枯れたり萎れたりすることはないが、生花のような特有の芳香を放つことがなく嗅覚に訴えないため、これを改良して芳香を放つようにした造花等の人工植物もいくつか開発されている。
従来の技術としては、例えば(特許文献1)に「液状の芳香剤が入った容器に、上端に花状飾り部材が取り付けられた茎状毛細管部材が挿通された芳香付き造花」が開示されている。
(特許文献2)には、「合成樹脂成形品等によって形成した造花の少なくとも表面に、揮発性芳香剤をマイクロカプセルに封入した破壊芳香性超微粒子を練り込み或いはコーティング等により配置した芳香性造花」が開示されている。
【特許文献1】
特開2001−140120号公報
【特許文献2】
実開平7−12430号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら上記従来の技術においては、以下のような課題を有していた。
(1)(特許文献1)に開示の技術は、茎状毛細管部材が芳香剤を毛細管現象によって常時吸い上げるため、常に芳香剤の香りが周囲に漂い、デパート等の造花売り場等で複数の芳香付き造花が陳列されている場合には、芳香剤の香りが混ざり合って不快感を引き起こすという課題を有していた。
(2)液状の芳香剤が入った容器に、上端に花状飾り部材が取り付けられた茎状毛細管部材が挿通されているので、いかにも作り物の造花という印象が強く華やかさがないため、生花の代用品として用いることができないという課題を有していた。
(3)保存中に芳香剤が揮発してしまうことがあり、この場合は、使用時にほとんど香りが得られず保存性に欠けるという課題を有していた。
(4)(特許文献2)に開示の技術は、揮発性芳香剤をマイクロカプセルに封入した破壊芳香性超微粒子を練り込み或いはコーティング等により配置する必要があるため、製造が困難で生産性が低いという課題を有していた。
(5)造花が風によって揺れたり造花を手で触ったりしたとき等の軽い刺激により破壊芳香性超微粒子が破壊され芳香を放つので、輸送時や保存時等にも芳香剤の香りが周囲に漂い、芳香剤の香りが混ざり合って不快感を引き起こすという課題を有していた。また、輸送時や保存時等でも破壊芳香性超微粒子が破壊されてしまうので、使用時にほとんど香りが得られないという課題を有していた。
(6)練り込んだりコーティング等によって配置できる破壊芳香性超微粒子の量は少ないので、芳香の量が少ないため、バラやユリ等のように強い芳香を放つ人工植物を製造することが困離であるとともに、風や手で触る等の刺激がない場所では芳香が生じず、生花のような自然な芳香を得ることができないという課題を有していた。
[0004]
本発明は上記従来の課題を解決するもので、長期間保存しても芳香液が揮発したり劣化したりすることがなく保存性に優れ、使用時には簡単な操作を行うだけで芳香液の揮発成分を発散させることができ使用性に優れ、また芳香液が入った容器等を人目のつくところに露出させることなく簡単に内蔵できるので、造花という印象がなく華やかさも醸し出すことができ生花の代用品として用いることができる人工植物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
[0005]
上記従来の課題を解決するために本発明の人工植物は、以下の構成を有している。
本発明の請求項1に記載の人工植物は、人工植物本体と、前記人工植物本体の枝の先端部に中空状に形成された可撓性を有する中空容器装着部と、少なくとも一箇所に容器開口部が形成され前記中空容器装着部に装着される可撓性を有する中空容器と、内部に芳香液が封入され前記中空容器に収納された破割性の薄肉密封容器と、前記中空容器装着部の開口部に装着された着色通気体と、
を備え、前記着色通気体が、着色された合成樹脂製のフィルムや紙を細く切った薄片を巻いて筒状に形成された構成を有している。
この構成により、以下のような作用が得られる。
(1)茶色等に着色された合成樹脂製のフィルムや紙を細く切った薄片等を着色通気体として、中空容器装着部の先端の開口部に装着しているので、切断されて端面が乾燥し枯れ色に変色した枝に模すことができ、造花という印象がなく違和感を与えず実物に近似させることができる。また、着色通気体として開口部に装着された薄片と薄片の間に形成された隙間から芳香が発せられるので、薄肉密封容器を割って芳香液を漏れ出させた直後から、芳香液の強い芳香を周囲に放つことができる。
(2)芳香液は薄肉密封容器に封入されており、薄肉密封容器を破割しない限り揮発しないので、長期間保存しても芳香液が揮発したり劣化したりすることなく保存性に優れる。
(3)着色通気体が中空容器装着部の先端の開口部に装着されているので、割れた薄肉密封容器の破片が開口部から飛び出すのを防止することができ安全性に優れる。
(4)使用して中空容器に収納された薄肉密封容器内の芳香液が全て揮発して香りを放たなくなったり、別の香りのする芳香液に変えたい場合は、中空容器装着部に装着された中空容器を別の中空容器に交換することで新しい香りを発生させることができ、人工植物本体を繰り返し使用することができる。
[0006]
ここで、人工植物本体としては、バラ,カーネーション,ユリ等の花、ハーブ類等の草、キンモクセイ等の樹木、果樹,リンゴ,パイナップル,ミカン,パパイヤ,ブドウ,キウイフルーツ等の果実、バナナ,メロン等の果物等に模して天然繊維や合成繊維等で形成された布製や紙製,合成樹脂製,ゴム製等で形成された花,草等の花冠,蕾,茎、樹木,果樹等の幹や枝、花のめしべやおしべ、葉や葉脈、果実や果物等の蔕,果肉,果皮等が用いられる。また、生の草花や樹木等の水分を乾燥させたり薬剤等を用いて水分を抜いて製造されたドライフラワーの茎、幹、枝、葉、果実、果物等も用いることができる。
[0007]
中空容器装着部としては、人工植物本体内の所定部に中空状に形成され中空容器を挿着可能な孔部、中空容器を係着可能な係止部等が用いられる。また、花冠の中に花弁で取り囲まれるようにして形成された隙間等も用いられる。
中空容器装着部が形成された人工植物本体は、ポリプロピレン,ポリエチレン,ポリイミド,塩化ビニル等の合成樹脂製やゴム製等の可撓性を有する材質で形成することができる。この場合は、中空容器装着部に中空容器を装着した後、中空容器とともに人工植物本体を撓ませることにより、中空容器に収納された薄肉密封容器を割って内部の芳香液を中空容器内に漏れ出させることができる。
[0008]
中空容器としては、有底で中空の管状、板状等の形状に可撓性を有する材質で形成されているものであれば特に限定されるものではなく、例えば、ポリプロピレン,ポリエチレン,ポリイミド,塩化ビニル等の合成樹脂製やゴム製等の材質で形成されたものが用いられる。
[0009]
中空容器に収納された薄肉密封容器としては、中空容器を撓ませたりすることで容易に破割できるガラス製や合成樹脂製等で形成された密封容器が用いられる。合成樹脂製の薄肉密封容器は、フィルム等で袋状に形成し注入口から芳香液を入れた後,容器内の気泡を追い出しながらヒートシール等で注入口を封着し、内部に芳香液をほぼ隙間無く封入するものが好適に用いられる。使用時に中空容器を撓ませたりして薄肉密封容器を圧迫すれば、芳香液の圧力で薄肉密封容器を破割できるからである。破割性を高めるため、容器の1箇所以上に周辺よりも薄肉にした薄肉部を形成してもよい。
[0010]
薄肉密封容器に密封された芳香液としては、天然香料や合成香料の1種又は複数種をアルコール等の溶剤に溶解した揮発性を有するものが用いられる。持続性等を調整する保留剤を加えることもできる。
溶剤としては、エタノール等の一価アルコール,メチルメトキシブタノール,ジプロピレングリコール,ヘキシルグリニール,1,3−ブタンジオール等の多価アルコール等を用いることができる。これらは、香料の揮発性を調整するために適宜選択して用いることができ、必要に応じて蒸留水等も加えることができる。
[0011]
中空容器に形成された容器開口部としては、中空容器の端部や端部の近傍等の所定部の少なくとも一箇所に形成された孔部,スリット状の切れ目部等が用いられる。孔部の開口径や切れ目部の長さ、開口部や切れ目部の数は、芳香液の揮発性、中空容器の形状、中空容器装着部の形状等によって適宜選択することができる。
容器開口部は、中空容器装着部に中空容器を装着した際、中空容器装着部で容器開口部が閉塞されないような位置に形成するのが好ましい。容器開口部からの芳香液の揮発を妨げないようにするためである。
[0012]
容器開口部又は中空容器装着部の開口部に装着される通気体としては、脱脂綿等の天然繊維や合成樹脂製繊維等の集合体、天然繊維や合成樹脂製繊維等で形成された織布,編布,不織布、紙、連続気泡を有する発泡ウレタン樹脂等の多孔質体等が用いられ、通気性を有し容器開口部又は中空容器装着部の開口部から芳香液を揮発させるものが用いられる。また、合成樹脂製等のフィルムや紙等を細く切った薄片を巻いて筒状等に形成されたものも用いることができる。
通気体は、容器開口部又は開口部に隙間なく装填若しくは嵌着されるのが好ましい。周囲を接着することもできる。これにより、割れた薄肉密封容器の破片が開口部から飛び出すのを防止するとともに、芳香液を容器開口部から揮発させることができる。
[0013]
本発明の請求項2に記載の発明は、人工植物本体と、前記人工植物本体の枝の先端部に配設され先端部に開口部が形成された可撓性を有する有底の中空部と、内部に芳香液が封入され前記中空部に収納された破割性の薄肉密封容器と、前記中空部の前記開口部に装着された着色通気体と、を備え、前記着色通気体が、着色された合成樹脂製のフィルムや紙を細く切った薄片を巻いて筒状に形成された構成を有している。
この構成により、以下のような作用が得られる。
(1)茶色等に着色された合成樹脂製のフィルムや紙を細く切った薄片等を着色通気体として、先端の開口部に装着しているので、切断されて端面が乾燥し枯れ色に変色した枝に模すことができ、造花という印象がなく違和感を与えず実物に近似させることができる。また、着色通気体として開口部に装着された薄片と薄片の間に形成された隙間から芳香が発せられるので、薄肉密封容器を割って芳香液を漏れ出させた直後から、芳香液の強い芳香を周囲に放つことができる。
(2)芳香液は薄肉密封容器に封入されており、薄肉密封容器を破割しない限り揮発しないので、長期間保存しても芳香液が揮発したり劣化したりすることなく保存性に優れる。
(3)通気体が中空部に形成された開口部に装着されているので、割れた薄肉密封容器の破片が開口部から飛び出すのを防止することができ安全性に優れる。
(4)芳香剤が入った薄肉密封容器が人工植物本体の所定部に形成された中空部に収納され内蔵されているので、生花の代用品として用いても造花という印象がなく、違和感がなく華やかさも醸し出すことができる。
[0014]
ここで、人工植物本体、芳香液、薄肉密封容器、通気体としては、請求項1で説明したものと同様なので、説明を省略する。
また、中空部の材質としては請求項1で説明した中空容器の材質、開口部としては請求項1で説明した容器開口部と同様のものなので、説明を省略する。
[0015]
中空部としては、人工植物本体とは別個に管状等の中空状に形成されて人工植物本体の所定部に接着,溶着,挿着,嵌着,係着等されて配設されたものが用いられる。
[0016]
本発明の請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の人工植物であって、前記中空部が、前記人工植物本体の所定部に配設されているのに代えて、前記人工植物本体と一体に形成された構成を有している。
この構成により、請求項2で得られる作用に加え、以下のような作用が得られる。
(1)中空部が人工植物本体と一体に形成されているので、人工植物本体の所定部に接着,溶着,挿着,嵌着,係着等されて配設された場合のような継ぎ目等がみられないので、造花という印象がなく違和感がなく、生花と同様に用いることができ華やかさも醸し出すことができる。
[0017]
本発明の請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3の内いずれか1に記載の人工植物であって、脱脂綿等の天然繊維や合成繊維製繊維の集合体、天然繊維や合成樹脂製繊維で形成された織布,編布,不織布、紙、連続気泡を有する多孔質体で形成された通気体が、前記中空容器の前記容器開口部に装着されている、又は、前記薄肉密封容器を被覆している構成を有している。
この構成により、請求項1乃至3の内いずれか1で得られる作用に加え、以下のような作用が得られる。
(1)通気体が薄肉密封容器を被覆していると、薄肉密封容器が割れて漏れ出した芳香液が、中空容器等を振らなくても通気体に直ちに吸収され、芳香液の揮発成分が開口部等から発散されるので使用性に優れる。
(2)内部に芳香液を封入した破割性を有する薄肉密封容器が収納された可撓性を有する中空容器を曲げたり折ったり潰したり等の簡単な操作を使用時に行うことで、収納された薄肉密封容器を割って内部の芳香液を中空容器内に漏れ出させることができる。中空容器に形成された容器開口部に通気体が装着されているので、必要に応じて左右等に軽く振ることで、薄肉密封容器から漏れ出た芳香液が通気体に接触して吸収された後、芳香液の揮発成分が容器開口部から発散される。
[0018]
ここで、通気体の材質としては、請求項1で説明したものと同様なので、説明を省略する。
[0019]
請求項1乃至3の内いずれか1に記載の人工植物は、前記中空容器装着部又は前記中空部の前記開口部に装着されるキャップ部を備えた構成にすることができる。
この構成により、請求項1乃至3の内いずれか1で得られる作用に加え、以下のような作用が得られる。
(1)中空容器装着部又は中空部の開口部に装着されるキャップ部を備えているので、草等の茎、樹木,果樹等の幹や枝、めしべの花柱やおしべの花糸等に模した人工植物本体を形成し、花冠,蕾,おしべの葯,めしべの柱頭、切断されて変色した茎の先端等に模したキャップ部を形成し、人工植物本体にキャップ部を装着することで、芳香液は容器開口部又は開口部とキャップ部との隙間から揮発して周囲に芳香を放ち、また容器開口部や中空部の開口部を人目につかないようにするだけでなく生花等と同様の外観にすることができ、生花の代用品として用いても造花という印象がなく、違和感がなく華やかさも醸し出すことができる。
[0020]
ここで、キャップ部としては、中空容器装着部又は中空部の開口部に装着可能なように花冠,蕾,おしべの葯,めしべの柱頭,茎の先端等に模して形成されたものが好適に用いられる。キャップ部の基部には、中空容器装着部又は中空部の開口部に接着,溶着,挿着,嵌着,係着等されて装着できるように形成されたキャップ装着部が形成される。また、茎の先端に模したキャップ部としては、茶色等に着色された合成樹脂製等のフィルムや紙等を細く切った薄片を中空容器装着部や中空部の開口部に装填したものも用いることができる。切断されて表面が枯れ色に変色した茎の先端に模すことができるからである。
[0021]
また、前記キャップ部が、少なくとも前記キャップ部の基部を貫通する貫通孔部を備えた構成にすることができる。
この構成により、以下のような作用が得られる。
(1)少なくともキャップ部の基部が貫通孔部を有しているので、容器開口部又は開口部とキャップ部との隙間から芳香液が揮発するだけでなく、花冠,蕾等に模して形成されたキャップ部の貫通孔部を通じて多くの芳香を周囲に揮発させることができ、あたかも生花等のように芳香を放つことができる。
[0022]
ここで、貫通孔部としては、少なくともキャップ部の基部であるキャップ装着部等を貫通して形成されたものが用いられる。また、合成樹脂製等のフィルムや紙等の薄片を中空容器装着部や中空部の開口部に装填したキャップ部の場合は、装填された薄片と薄片の間に形成された隙間で貫通孔部を形成することができる。
[0023]
また、前記キャップ部に形成された挿通孔部と、前記挿通孔部に挿通され一端が前記キャップ部を前記中空容器装着部又は前記中空部に装着した際に前記中空容器装着部又は前記中空部に配設された前記通気体と接触するキャップ部通気体と、を備えた構成にすることができる。
この構成により、以下のような作用が得られる。
(1)キャップ部を中空容器装着部又は中空部に装着した際に、中空容器装着部又は中空部に配設された通気体と接触するキャップ部通気体を備えているので、通気体が吸収した芳香液をキャップ部通気体にも毛細管現象によって吸収させることができるため、芳香液が外気と接触する表面積を広くして芳香液の揮発量を増やすことができるので、バラやユリ等のように強い芳香を放つ草花にも似せることができ自在性を高めることができる。
[0024]
ここで、キャップ部通気体の材質としては、請求項1で説明した通気体と同様のものが用いられるので、説明を省略する。
[0025]
本発明の請求項5に記載の発明は、請求項1乃至4の内いずれか1に記載の人工植物であって、前記人工植物本体の前記中空容器装着部又は前記中空部を着脱自在に被覆する保護部材を備えた構成を有している。
この構成により、請求項1乃至4の内いずれか1で得られる作用に加え、以下のような作用が得られる。
(1)人工植物本体の中空容器装着部又は中空部を着脱自在に被覆する保護部材を備えているので、輸送時や保存時に保護部材を被覆しておくことにより、薄肉密封容器が中空容器装着部又は中空部に収納されている場合でも、中空容器装着部又は中空部が折れ曲がったり潰れたりし難く、輸送時や保存時に薄肉密封容器が割れて芳香液が漏れ出し揮発するのを防止することができる。使用時には保護部材を取り去った後、中空容器装着部や中空部を変形させて薄肉密封容器を割って芳香液を外部に揮発させることができるので、使用時のみに芳香を得ることができる。
【発明の効果】
[0026]
以上のように、本発明の人工植物によれば、以下のような有利な効果が得られる。
請求項1に記載の発明によれば、
(1)茶色等に着色された合成樹脂製のフィルムや紙を細く切った薄片等を着色通気体として、中空容器装着部の先端の開口部に装着しているので、切断されて端面が乾燥し枯れ色に変色した枝に模すことができ、造花という印象がなく違和感を与えず実物に近似させることができる。また、着色通気体として開口部に装着された薄片と薄片の間に形成された隙間から芳香が発せられるので、薄肉密封容器を割って芳香液を漏れ出させた直後から、芳香液の強い芳香を周囲に放つことができ使用性に優れた人工植物を提供することができる。
(2)芳香液は薄肉密封容器に封入されており、薄肉密封容器を破割しない限り揮発しないので、長期間保存しても芳香液が揮発したり劣化したりすることなく保存性に優れた人工植物を提供することができる。
(3)割れた薄肉密封容器の破片が容器開口部から飛び出すのを防止することができ安全性に優れた人工植物を提供することができる。
(4)芳香液が全て揮発して香りを放たなくなったり、別の香りのする芳香液に変えたい場合は、中空容器装着部に装着された中空容器を別の中空容器に交換することで新しい香りを発生させることができ、人工植物本体を繰り返し使用することができ使い捨てにされないため省資源性に優れた人工植物を提供することができる。
[0027]
請求項2に記載の発明によれば、
(1)茶色等に着色された合成樹脂製のフィルムや紙を細く切った薄片等を着色通気体として、先端の開口部に装着しているので、切断されて端面が乾燥し枯れ色に変色した枝に模すことができ、造花という印象がなく違和感を与えず実物に近似させることができる。また、着色通気体として開口部に装着された薄片と薄片の間に形成された隙間から芳香が発せられるので、薄肉密封容器を割って芳香液を漏れ出させた直後から、芳香液の強い芳香を周囲に放つことができ使用性に優れた人工植物を提供することができる。
(2)芳香液は薄肉密封容器に封入されており、薄肉密封容器を破割しない限り揮発しないので、長期間保存しても芳香液が揮発したり劣化したりすることなく保存性に優れた人工植物を提供することができる。
(3)割れた薄肉密封容器の破片が開口部から飛び出すのを防止することができ安全性に優れた人工植物を提供することができる。
(4)芳香剤が入った薄肉密封容器が人工植物本体の所定部に形成された中空部に収納され内蔵されているので、生花の代用品として用いても造花という印象がなく、違和感がなく華やかさも醸し出すことができる人工植物を提供することができる。
[0028]
請求項3に記載の発明によれば、請求項2の効果に加え、
(1)人工植物本体の所定部に接着,溶着,挿着,嵌着,係着等されて配設された場合のような継ぎ目等がみられないので、造花という印象がなく違和感がなく、生花と同様に用いることができ華やかさも醸し出すことができる人工植物を提供することができる。
[0029]
請求項4に記載の発明によれば、請求項1乃至3の内いずれか1の効果に加え、
(1)薄肉密封容器が割れて漏れ出した芳香液が、中空容器等を振らなくても通気体に直ちに吸収され、芳香液の揮発成分が開口部等から発散されるので使用性に優れた人工植物を提供することができる。
(2)薄肉密封容器を割って芳香液を漏れ出させた中空容器を中空容器装着部に装着することで、芳香液の芳香を周囲に放つことができ使用性に優れた人工植物を提供することができる。
[0030]
[0031]
[0032]
[0033]
請求項5に記載の発明によれば、請求項1乃至4の内いずれか1に記載の効果に加え、
(1)輸送時や保存時に保護部材を被覆しておくことにより、薄肉密封容器が中空容器装着部又は中空部に収納されている場合でも、中空容器装着部又は中空部が折れ曲がったり潰れたりし難く、輸送時や保存時に薄肉密封容器が割れて芳香液が漏れ出し揮発するのを防止することができ、使用時にのみ芳香が得られる人工植物を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
[0034]
[図1]実施の形態1における人工植物の要部分解斜視図
[図2]実施の形態2における人工植物の要部を分解し人工植物本体の一部を切断して示した部分断面斜視図
[図3]実施の形態3における人工植物の要部を分解し人工植物本体の一部を切断して示した部分断面斜視図
[図4]実施の形態4における人工植物の要部を分解し人工植物本体の一部を切断して示した部分断面斜視図
[図5](a)実施の形態5における人工植物の斜視図 (b)図5(a)の蕾の部分を分解し人工植物本体の一部を切断して示した部分断面斜視図 (c)図5(a)のおしべの部分を分解し人工植物本体の一部を切断して示した部分断面斜視図
【図6】(a)実施の形態6における人工植物の斜視図 (b)図6(a)の要部断面図
【図7】実施の形態6における人工植物の変形例を示す斜視図
【図8】実施の形態7における人工植物の斜視図
【図9】(a)実施の形態8における人工植物の要部斜視図 (b)図9(a)のA部を切断して示した部分断面斜視図
【符号の説明】
【0035】
1 人工植物
2 人工植物本体
3 中空容器装着部
4 外周壁
5 装着孔部
6 キャップ部
6a キャップ基部
6b 萼片部
6c 花冠部
7 キャップ装着部
8 貫通孔部
9 中空容器
9a 底部
10 容器開口部
11 薄肉密封容器
12 通気体
13 線条体
20 人工植物
21 通気体延設部
22 中空容器装着部
23 キャップ部通気体
30 人工植物
31 通気体
32 装着孔部
33 キャップ装着部
34 キャップ部通気体
40 人工植物
41 中空部
41a 底部
42 開口部
43 薄肉密封容器
44 通気体
45 ウィック
50 人工植物
51,53 人工植物本体
52,54 キャップ部
52a,54a キャップ装着部
52b,54b 挿通孔部
52c,54c キャップ部通気体
52d,54d 発散孔部
60 人工植物
61 人工植物本体
62 中空容器装着部
70 人工植物
71 人工植物本体
72 中空容器装着部
80 保護部材
81 保護部材外周部
82 切れ目部
83 緩衝部材
90 人工植物
91 人工植物本体
92 中空容器装着部
93 人工植物本体
94 中空容器装着部
95 人工植物本体
96 中空容器装着部
97,97a 着色通気体
【発明を実施するための最良の形態】
[0036]
以下、本発明を実施するための最良の形態を、図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
図1は実施の形態1における人工植物の要部分解斜視図である。
図1において、1は実施の形態1におけるバラ等の草花を模した人工植物、2は可撓性を有する合成樹脂製等で横断面が略円形の中実状の棒状に形成された人工植物1の茎からなる人工植物本体、3は人工植物本体2の上端部に形成された有底の孔部からなる中空容器装着部、4は中空容器装着部3の外周壁、5は外周壁4に人工植物本体3の上端部から中空容器装着部3に沿って複数形成された装着孔部、6はバラ等の花を模して合成樹脂製等で形成されたキャップ部、6aはキャップ部6の基部に形成されたキャップ基部である。なお、本実施の形態においては、キャップ基部6aは花柄部を模して形成されている。6bはキャップ基部6aの上面に基部が接着された萼片部、6cは萼片部6bの基部に基部が接着された花弁を集めた花冠部、7はキャップ基部6の端部に形成されたキャップ装着部であり、装着孔部5に挿通可能な細い棒状に金属製等で形成されている。8はキャップ基部6aに形成された貫通孔部である。なお、本実施の形態においては、貫通孔部8が形成されたキャップ基部6aに萼片部6b及び花冠部6cの基部を接着する際には、萼片部6b内、花冠部6c内に隙間を形成し、これらの隙間と貫通孔部8とが連通するようにしている。
【0037】
9はポリプロピレン,ポリエチレン,ポリイミド,塩化ビニル等の合成樹脂製やゴム製等の可撓性を有する材質で中空の有底の円筒状に形成された中空容器、9aは中空容器9の底部、10は中空容器9の一端に形成された容器開口部、11は薄肉のガラス製等で形成され中空容器9に収納され内部に芳香液が密封された薄肉密封容器、12は容器開口部10に装着された織布,不織布,連続気泡を有する発泡体等の通気体、13は容器開口部10の外周の中空容器9に一端が接着された線条体である。
ここで、本実施の形態においては、有底の中空容器装着部3は、中空容器9の容器開口部10から底部9aまでの長さと略同一かそれよりも深く形成されている。
【0038】
以上のように構成された本発明の実施の形態1における人工植物で用いる中空容器について、以下その製造方法の一例を説明する。
芳香液をガラス製等の薄肉容器に端部の注入口から注入した後、端部の注入口を溶融等して封入し芳香液が密封された薄肉密封容器11を製造する。次いで、中空容器9内に容器開口部10から薄肉密封容器11を落とし込んだ後、中空容器9の容器開口部10に通気体12を装着する。容器開口部10に装着した通気体12を外れ難くするために、中空容器9の容器開口部10側の全体を加熱して軟化させるとともにわずかに押圧して容器開口部10の内側に突出片を形成することもできる。
また、キャップ部6は、貫通孔部8及び萼片部6bを形成したキャップ基部6aの上面に、貫通孔部8を取り囲むように複数の花弁を植設することで花冠部6cを形成し、製造することができる。
【0039】
以上のように、本発明の実施の形態1における人工植物は構成されているので、以下のような作用が得られる。
(1)内部に芳香液を封入した破割性を有する薄肉密封容器11が可撓性を有する中空容器9に収納されているので、中空容器9を曲げたり折ったり潰したり等の簡単な操作を使用時に行うことで収納された薄肉密封容器11を割って内部の芳香液を中空容器9内に漏れ出させることができる。中空容器9に形成された容器開口部10に通気体12が装着されているので、必要に応じて中空容器9を左右等に軽く振ることで、薄肉密封容器11から漏れ出た芳香液が通気体12に接触して吸収された後、芳香液の揮発成分が容器開口部10から発散される。中空容器9が装着される中空容器装着部3が人工植物本体2の端部に形成されているので、中空容器9を中空容器装着部3に装着することで、芳香液の芳香を人工植物1の周囲に放つことができ使用性に優れる。また、人工植物本体2が可撓性を有する材質で形成されているので、中空容器9を中空容器装着部3に装着した後、使用時に人工植物本体2の中空容器装着部3を中空容器9とともに曲げたり折ったり潰したり等の操作を行うことで、同様の作用を得ることができる。
(2)芳香液は薄肉密封容器11に封入されており、薄肉密封容器11を破割しない限り揮発しないので、長期間保存しても芳香液が揮発したり劣化したりすることなく保存性に優れる。
(3)通気体12が中空容器9に形成された容器開口部10に装着されているので、割れた薄肉密封容器11の破片が容器開口部10から飛び出すのを防止することができ安全性に優れる。
(4)使用して中空容器9に収納された薄肉密封容器11内の芳香液が全て揮発して香りを放たなくなったり、別の香りのする芳香液に変えたい場合は、中空容器装着部3に装着された中空容器9を別の中空容器に交換することで新しい香りを発生させることができ、人工植物本体2を繰り返し使用することができる。
(5)中空容器装着部3に装着されるキャップ部6を備えているので、茎等に模した人工植物本体2を形成し、花冠等に模したキャップ部6を形成し、人工植物本体2にキャップ部6を装着することで、芳香液は人工植物本体2とキャップ基部6aとの隙間から揮発して周囲に芳香を放ち、また中空容器9の容器開口部10を人目につかないようにするだけでなく生花等と同様の外観にすることができ、生花の代用品として用いても造花という印象がなく、違和感がなく華やかさも醸し出すことができる。
(6)キャップ部6のキャップ基部6aに貫通孔部8が形成されており、萼片部6b内、花冠部6c内に隙間を形成し、これらの隙間と貫通孔部8とが連通するようキャップ基部6aに萼片部6b及び花冠部6cの基部が接着されているので、容器開口部10とキャップ基部6aとの隙間から芳香液が揮発するだけでなく、キャップ部6の貫通孔部8を通じて多くの芳香を周囲に揮発させることができ、あたかも生花等のように花から強い芳香を周囲に放つことができる。
(7)線条体13が、容器開口部10の外周の中空容器9に一端が接着されているので、使用して中空容器9に収納された薄肉密封容器11内の芳香液が全て揮発して香りを放たなくなったり、別の香りのする芳香液に変えたい場合は、キャップ部6を人工植物本体2から取り外した後、線条体13の他端側を引張ることにより、中空容器9を中空容器装着部3から抜いて別の中空容器に容易に交換することができるとともに、中空容器9がどの人工植物本体2に収納されているかの目印になり、使用性に優れる。
【0040】
なお、本実施の形態において、中空容器装着部3をより深く形成して、中空容器9の下側に化学発光体(蛍光液と活性化剤とを混合すると発光する発光体)を挿入することもできる。これにより芳香を放つとともに人工植物本体2が発光するので、イベント等に用いると人目を引き付けることができ、宣伝効果等を高めることができる。
【0041】
(実施の形態2)
図2は実施の形態2における人工植物の要部を分解し人工植物本体の一部を切断して示した部分断面斜視図である。なお、実施の形態1で説明したものと同様のものは、同じ符号を付して説明を省略する。
図2において、20は実施の形態2におけるバラ等の草花を模した人工植物、21は通気体12に延設された通気体延設部、22は中空容器9の容器開口部10から底部9aまでの長さと通気体延設部21の長さとを加えたのと略同一の深さで人工植物本体2の一端に形成された中空容器装着部、23はキャップ部6のキャップ基部6aに形成された貫通孔部8(挿通孔部)に挿通された織布,不織布,連続発泡体等で棒状に形成されたキャップ部通気体であり、一端がキャップ部6を中空容器装着部22に装着した際に、中空容器装着部22に配設された通気体12に延設された通気体延設部21と接触するように形成され、他端が貫通孔部8(挿通孔部)から突出して花冠部6c等の内側に配設されている。
【0042】
以上のように、本発明の実施の形態2における人工植物は構成されているので、実施の形態1に記載の作用に加え、以下のような作用が得られる。
(1)キャップ部6を中空容器装着部22に装着した際に、中空容器装着部22に配設された通気体12に延設された通気体延設部21と接触するキャップ部通気体23を備えているので、通気体12及び通気体延設部21が吸収した芳香液をキャップ部通気体23にも毛細管現象によって吸収させることができるため、芳香液が外気と接触する表面積を広くして芳香液の揮発量を増やすことができるので、バラやユリ等のように強い芳香を放つ草花にも似せることができ自在性を高めることができる。また、キャップ部通気体23の他端が花冠部6c等の内部に配設されているので、生花のように花の内側から芳香を放たせることができる。
【0043】
なお、本実施の形態においては、中空容器装着部22が茎状の人工植物本体2と一体に形成された場合について説明したが、人工植物本体2とは別個に管状等の中空状の中空容器装着部を形成して人工植物本体2の上端に接着,溶着,挿着,嵌着,係着等によって配設することもできる。
また、本実施の形態においては、実施の形態1で説明した貫通孔部8を挿通孔部として用いたが、貫通孔部8とは別にキャップ部通気体23を挿通可能な挿通孔部を形成することもできる。これにより、挿通孔部に挿通されたキャップ部通気体23と貫通孔部8の両方から芳香を発するようにできる。
【0044】
(実施の形態3)
図3は実施の形態3における人工植物の要部を分解し人工植物本体の一部を切断して示した部分断面斜視図である。なお、実施の形態1又は実施の形態2で説明したものと同様のものは、同じ符号を付して説明を省略する。
図3において、30は実施の形態3におけるバラ等の草花を模した人工植物、31は織布,不織布,紙等で形成され薄肉密封容器11を被覆し中空容器9内に収納された通気体、32は中空容器装着部22の端部に形成された装着孔部、33はキャップ部6のキャップ基部6aの端部に延設され装着孔部32に嵌挿可能に形成されたキャップ装着部、34はキャップ基部6aに形成された貫通孔部8に挿通され一端が貫通孔部8から突出し他端が萼片部6b及び花冠部6cの内側に配設された織布,不織布,連続発泡体等のキャップ部通気体であり、キャップ部6のキャップ装着部33を中空容器装着部22の装着孔部32に嵌挿して装着した際に、中空容器装着部22に配設された通気体31と端部が接触するように形成されている。
【0045】
以上のように、本発明の実施の形態3における人工植物は構成されているので、実施の形態1に記載の作用に加え、以下のような作用が得られる。
(1)通気体31が薄肉密封容器11を被覆しているので、薄肉密封容器11が割れて漏れ出した芳香液が、中空容器9等を振らなくても通気体31に直ちに吸収され、芳香液の揮発成分が容器開口部10から発散されるので使用性に優れる。
(2)キャップ部通気体34が、キャップ基部6aに形成された貫通孔部8から端部が突出して一端側が貫通孔部8に充填され他端が萼片部6b及び花冠部6cの内側に配設されており、キャップ部6のキャップ装着部33を中空容器装着部22の装着孔部32に嵌挿して装着した際に、中空容器装着部22に配設された通気体31と端部が接触するように形成されているので、キャップ部通気体34の端部を中空容器9の容器開口部10内に侵入させて通気体31とキャップ部通気体34との接触を確実にすることができ、通気体31が吸収した芳香液をキャップ部通気体34にも毛細管現象によって確実に吸収させ、強い芳香を確実に発生させることができ製品得率を高めることができる。
【0046】
なお、本実施の形態においては、通気体31が薄肉密封容器11を被覆している場合について説明したが、薄肉密封容器11を被覆するのに代えて、容器開口部10又は中空容器装着部22の開口部(装着孔部32)に装着する場合もある。この場合もキャップ部通気体34については、同様の作用が得られる。
【0047】
(実施の形態4)
図4は実施の形態4における人工植物の要部を分解し人工植物本体の一部を切断して示した部分断面斜視図である。なお、実施の形態1又は実施の形態3で説明したものと同様のものは、同じ符号を付して説明を省略する。
図4において、40は実施の形態4におけるバラ等の草花を模した人工植物、41は人工植物本体2の上端部に形成された有底の孔部からなる可撓性を有する材質で形成された中空部、41aは中空部41の底部、42は人工植物本体2の一端に形成された中空部41の開口部である。なお、本実施の形態においては、キャップ装着部33の外径が開口部42の内径と略同一に形成されており、開口部42にキャップ装着部33が嵌挿されて装着される。
43は薄肉のガラス製等で形成され中空部41に収納され内部に芳香液が密封された薄肉密封容器、44は開口部42に装着された織布,不織布,連続発泡体等の通気体、45は中空部41の内部側の側面に底部41aから通気体44に渡って配設された天然繊維,合成樹脂製繊維,ガラス繊維等からなるウィックである。
ここで、本実施の形態においては、通気体44は、開口部42にキャップ装着部33が嵌挿された際に、キャップ部通気体34の端部が通気体44と接触するような位置に充填されている。
【0048】
以上のように、本発明の実施の形態4における人工植物は構成されているので、実施の形態1又は実施の形態3に記載の作用に加え、以下のような作用が得られる。
(1)内部に芳香液を封入した破割性を有する薄肉密封容器43が可撓性を有する中空部41に収納されているので、中空部41を曲げたり折ったり潰したり等の簡単な操作を使用時に行うことで収納された薄肉密封容器43を割って内部の芳香液を中空部41内に漏れ出させることができる。中空部41の開口部42に通気体44が装着されているので、必要に応じて中空部41を左右等に軽く振ることで、薄肉密封容器43から漏れ出た芳香液が通気体44に接触して吸収された後、芳香液の揮発成分が開口部42から発散される。
(2)中空部41内にウィック45が配設されているので、薄肉密封容器43が割れて漏れ出した芳香液を、人工植物本体2を左右等に振らなくてもウィック45に吸収させ毛細管現象を利用して通気体44まで浸透させることができ香りの持続性に優れる。
【0049】
なお、本実施の形態においては、草花を模した場合について説明したが、中空容器を有さずに中空部41に薄肉密封容器43が直接収納できるので、人工植物本体2の外径を細くすることができ、人工植物本体として、おしべやめしべ、樹木の小枝、観葉植物の葉脈等を模したものを形成し、これらに薄肉密封容器43を内蔵することも可能なので自在性に優れる。
また、本実施の形態においては、1個の薄肉密封容器43が中空部41に装着された場合について説明したが、中空部41をより深く形成して複数個の薄肉密封容器43を深さ方向に重ねて装着するとともに、ウィック45も中空部41の底部41aから通気体44に渡るように長く形成することもできる。これにより、1個の薄肉密封容器の芳香液が揮発して香りが薄れてきた場合に、他の薄肉密封容器を割って芳香液を中空部41内に漏れ出させウィック45で吸い上げて芳香を放つことができ、香りの持続性に優れる。また、複数の薄肉密封容器に密封された芳香液の種類を変えることで、薄肉密封容器を割るたびに異なる芳香を放つことができ変化を楽しむことができ自在性に優れる。また、一つの薄肉密封容器に密封された芳香液は少量なので、薄肉密封容器を割って中空部41内に漏れ出させた芳香液が変質する前に全て揮発させることができ、常に新鮮な香りを楽しむことができる。
また、本実施の形態においては、中空部41が茎状の人工植物本体2と継ぎ目等なく一体に形成された場合について説明したが、人工植物本体2とは別個に管状等の中空状の中空部を形成して人工植物本体2の上端に接着,溶着,挿着,嵌着,係着等によって配設することもできる。
【0050】
(実施の形態5)
図5(a)は実施の形態5における人工植物の斜視図であり、図5(b)は図5(a)の蕾の部分を分解し人工植物本体の一部を切断して示した部分断面斜視図であり、図5(c)は図5(a)のおしべの部分を分解し人工植物本体の一部を切断して示した部分断面斜視図である。なお、実施の形態1又は実施の形態4で説明したものと同様のものは、同じ符号を付して説明を省略する。
図中、50は実施の形態5におけるユリ等の草花を模した人工植物、51は可撓性を有する材質で茎を模して形成された人工植物本体、52は蕾を模して合成樹脂製等で中空状に形成されたキャップ部、52aはキャップ部52の基部に延設され外径が開口部42の内径と略同一の円筒状に形成されたキャップ装着部、52bはキャップ装着部52aを貫通して形成された挿通孔部、52cは挿通孔部52bから端部が突出して一端側が挿通孔部52bに挿通され他端が中空状のキャップ部52の内側に配設された織布,不織布,連続発泡体等のキャップ部通気体であり、キャップ装着部52aを中空部41の開口部42に嵌挿して装着した際に、中空部41に配設された通気体44の一端と端部が接触するように形成されている。52dはキャップ部52aに複数形成された細孔からなり挿通孔部52bと連通する発散孔部である。
53は可撓性を有する材質でおしべの花糸を模して形成された人工植物本体、54はおしべの先端の葯を模して合成樹脂製等で中空状に形成されたキャップ部、54aはキャップ部54の基部に延設され外径が開口部42の内径と略同一の円筒状に形成されたキャップ装着部、54bはキャップ装着部54aを貫通して形成された挿通孔部、54cは挿通孔部54bから端部が突出して一端側が挿通孔部54bに充填され他端が中空状のキャップ部54の内側に配設された織布,不織布,連続発泡体等のキャップ部通気体であり、キャップ装着部54aを中空部41の開口部42に嵌挿して装着した際に、中空部41に配設された通気体44の一端と端部が接触するように形成されている。54dはキャップ部54aに複数形成された細孔からなり挿通孔部54bと連通する発散孔部である。
【0051】
以上のように、本発明の実施の形態5における人工植物は構成されているので、実施の形態1、3、4のいずれかに記載の作用に加え、以下のような作用が得られる。
(1)キャップ部52,54が中空状に形成されキャップ部52,54に挿通孔部52b,54bと連通する発散孔部52d,54dが形成されているので、芳香液を周囲に発散させ濃厚な芳香を得ることができる。
【0052】
(実施の形態6)
図6(a)は実施の形態6における人工植物の斜視図であり、図6(b)は図6(a)の要部断面図であり、図7は実施の形態6における人工植物の変形例を示す斜視図である。なお、実施の形態1で説明したものと同様のものは、同じ符号を付して説明を省略する。
図6(a)、図6(b)において、60は実施の形態6におけるキウイフルーツを模して硬質の合成樹脂製等で形成した人工植物、61は1/2に切断したキウイフルーツを模して形成した人工植物本体、62は人工植物本体61の種に相当する箇所に形成され中空容器9が嵌挿される中空容器装着部である。
図7において、70は実施の形態6の変形例におけるバナナを模して硬質の合成樹脂製等で形成した人工植物、71はバナナを模して形成した人工植物本体、72は人工植物本体71の蔕に相当する箇所に形成され中空容器9が嵌挿される中空容器装着部である。
【0053】
以上のように、本発明の実施の形態6における人工植物は構成されているので、実施の形態1に記載の作用に加え、以下のような作用が得られる。
(1)内部に芳香液を封入した破割性を有する薄肉密封容器11が可撓性を有する中空容器9に収納されているので、中空容器9を曲げたり折ったり潰したり等の簡単な操作を使用時に行うことで収納された薄肉密封容器11を割って内部の芳香液を中空容器9内に漏れ出させ芳香を発生させ、これを硬質の人工植物本体61,71に形成された中空容器装着部62,72に装着することで芳香を放つ人工植物60,70を形成することができる。人工植物本体61,71は可撓性を有する材質、可撓性を有さない硬質の材質のいずれも用いることができるので汎用性に優れる。
【0054】
なお、本実施の形態においては、キウイフルーツやバナナに模した人工植物本体の場合について説明したが、これらに限定されるものではなく、パイナップル、パパイヤ、スイカ、メロン、カキ、リンゴ、ブドウ、レモン等の果実や果物等に模した人工植物本体を形成することもできる。
【0055】
(実施の形態7)
図8は実施の形態7における人工植物の斜視図である。なお、実施の形態1で説明したものと同様のものは、同じ符号を付して説明を省略する。
図中、80は人工植物本体2の中空容器装着部を着脱自在に被覆する保護部材、81はポリプロピレン,ポリイミド,塩化ビニル等の合成樹脂製やゴム製等の可撓性を有する材質で筒状に形成された保護部材外周部、82は保護部材外周部81の切れ目部、83は保護部材外周部81の内側に配設され人工植物本体2の外周に当接する発泡ウレタン樹脂等で形成された緩衝部材である。
【0056】
以上のように、本発明の実施の形態7における人工植物は構成されているので、実施の形態1に記載の作用に加え、以下のような作用が得られる。
(1)保護部材80に形成された切れ目部82を開閉することで、人工植物本体2の中空容器装着部を保護部材80で着脱自在に被覆することができるので、輸送時や保存時に保護部材80を被覆しておくことにより、薄肉密封容器が中空容器装着部に収納されている場合でも、中空容器装着部が折れ曲がったり潰れたりし難く、輸送時や保存時に薄肉密封容器が割れて芳香液が漏れ出し揮発するのを防止することができる。使用時には保護部材82が目印になり、保護部材82を取り去った後、中空容器装着部を変形させて薄肉密封容器を割って芳香液を外部に揮発させることができるので、使用時のみに芳香を得ることができる。
[0057]
なお、本実施の形態においては、保護部材外周部81と緩衝部材83とを複合した保護部材80について説明したが、これに限定されるものではなく、人工植物本体2の中空容器装着部の目印になり、かつ中空容器装着部が折れたり潰れたりしないように補強できるものであればよい。
[0058]
(実施の形態8)
図9(a)は実施の形態8における人工植物の要部斜視図であり、図9(b)は図9(a)のA部を切断して示した部分断面斜視図であり、図9(c)はA部の変形例を示す部分断面斜視図である。なお、実施の形態1で説明したものと同様のものは、同じ符号を付して説明を省略する。
図9において、90は実施の形態8におけるバラ等の草花を模した人工植物、91は合成樹脂製のフィルムや布,紙等で形成された複数枚の花弁を集めた花冠からなる人工植物本体、92は花冠からなる人工植物本体91の内側の先端側の花弁と花弁の隙間に形成された中空状の中空容器装着部である。
93は合成樹脂製のフィルムや布,紙等で形成された複数枚の花弁を集めた蕾からなる人工植物本体、94は蕾からなる人工植物本体93の内側の先端側の花弁と花弁の隙間に形成された中空状の中空容器装着部である。
中空容器装着部92,94には、芳香液が封入された薄肉密封容器11と容器開口部10に充填された通気体12とを備えた中空容器9が装着されている。花冠や蕾からなる人工植物本体91,93を製造する際に、中空容器9を芯にして、その周囲に花弁を複数枚配置することで、人工植物本体91,93の内側に中空容器装着部92,94が自然に形成され中空容器9を装着させることができる。また、人工植物本体91,93を製造した後、花冠や蕾の先端から花弁と花弁の間に中空容器9を差し込んで装着させることもできる。
[0059]
95は可撓性を有する合成樹脂製等で横断面が略円形の中実状の棒状に形成された人工植物90の枝からなる人工植物本体であり、切断されて端部が枯れ色に変色した枝を模している。96は人工植物本体95の端部に形成された有底の孔部からなる中空容器装着部であり、芳香液が封入された薄肉密封容器11を備えた中空容器9が装着されている。97は茶色等に着色された織布,編布,不織布、紙、連続気泡を有する発泡ウレタン樹脂等の多孔質体等で形成され中空容器装着部96の開口部に装着された着色通気体である。
97aは茶色等に着色された合成樹脂製等のフィル厶や紙等を細く切った薄片を巻いて筒状に形成され中空容器装着部96の開口部に装着された着色通気体である。着色通気体97,97aの周囲は中空容器装着部96に接着されている。
[0060]
以上のように、本発明の実施の形態8における人工植物は構成されているので、実施の形態1に記載の作用に加え、以下のような作用が得られる。
(1)中空容器9が装着される中空容器装着92,94が花冠や蕾を模した人工植物本体91,93の先端側の花弁と花弁の隙間に形成され、中空容器装着部92,94に中空容器9が装着されているので、薄肉密封容器11を割って芳香液を漏れ出させた直後から、芳香液の強い芳香を花冠や蕾から周囲に放つことができ、生花と同様の外観や雰囲気にすることができ、生花の代用品として用いても造花という印象がなく違和感がなく華やかさも醸し出すことができる。
(2)中空容器9を芯にして、その周囲に花弁を配置したり、中空容器9を花弁の間に差し込んだりすることで、人工植物本体91,93の内側に中空容器装着部92,94を自然に形成し中空容器9を装着させることができるので、中空容器装着部を別途形成する等の工数を要さず生産性に優れる。
(3)人工植物は、複数本を一つの箱に詰めて生産された工場から販売店等へ輸送される。その際、花冠の根元の茎を箱の上方へ撓曲させて圧迫されないようにして、花冠が押し潰されないようにすることがある。花冠の根元の茎に中空容器装着部が形成され中空容器が装着されている場合は、茎を撓曲したときに芳香液が封入された薄肉密封容器が割れてしまうことがあるが、中空容器9が花冠や蕾を模した人工植物本体91,93に装着されているので、輸送時等に薄肉密封容器が割れるおそれがない。
(4)茶色等に着色された合成樹脂製等のフィルムや紙等を細く切った薄片等を着色通気体97,97aとして、中空容器装着部96の先端の開口部に装着しているので、切断されて端面が乾燥し枯れ色に変色した茎に人工植物本体95を模すことができ、造花という印象がなく違和感を与えず実物に近似させることができる。また、着色通気体97,97aとして開口部に装着された薄片と薄片の間に形成された隙間や細孔から芳香が発せられるので、薄肉密封容器11を割って芳香液を漏れ出させた直後から、芳香液の強い芳香を周囲に放つことができる。
【産業上の利用可能性】
【0061】
本発明は、芳香を放つ造花等の人工植物に関し、長期間保存しても芳香液が揮発したり劣化したりすることがなく保存性に優れ、使用時には簡単な操作を行うだけで芳香液の揮発成分を発散させることができ使用性に優れ、また芳香液が入った容器等を人目のつくところに露出させることなく簡単に内蔵できるので、造花という印象がなく華やかさも醸し出すことができ生花の代用品として用いることができる人工植物を提供できる。
【0001】
本発明は、芳香を放つ造花等の人工植物に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、造花等の人工植物は、人の心に安らぎを与える装飾品として生花とともに広く用いられている。造花等の人工植物は、枯れたり萎れたりすることはないが、生花のような特有の芳香を放つことがなく嗅覚に訴えないため、これを改良して芳香を放つようにした造花等の人工植物もいくつか開発されている。
従来の技術としては、例えば(特許文献1)に「液状の芳香剤が入った容器に、上端に花状飾り部材が取り付けられた茎状毛細管部材が挿通された芳香付き造花」が開示されている。
(特許文献2)には、「合成樹脂成形品等によって形成した造花の少なくとも表面に、揮発性芳香剤をマイクロカプセルに封入した破壊芳香性超微粒子を練り込み或いはコーティング等により配置した芳香性造花」が開示されている。
【特許文献1】
特開2001−140120号公報
【特許文献2】
実開平7−12430号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら上記従来の技術においては、以下のような課題を有していた。
(1)(特許文献1)に開示の技術は、茎状毛細管部材が芳香剤を毛細管現象によって常時吸い上げるため、常に芳香剤の香りが周囲に漂い、デパート等の造花売り場等で複数の芳香付き造花が陳列されている場合には、芳香剤の香りが混ざり合って不快感を引き起こすという課題を有していた。
(2)液状の芳香剤が入った容器に、上端に花状飾り部材が取り付けられた茎状毛細管部材が挿通されているので、いかにも作り物の造花という印象が強く華やかさがないため、生花の代用品として用いることができないという課題を有していた。
(3)保存中に芳香剤が揮発してしまうことがあり、この場合は、使用時にほとんど香りが得られず保存性に欠けるという課題を有していた。
(4)(特許文献2)に開示の技術は、揮発性芳香剤をマイクロカプセルに封入した破壊芳香性超微粒子を練り込み或いはコーティング等により配置する必要があるため、製造が困難で生産性が低いという課題を有していた。
(5)造花が風によって揺れたり造花を手で触ったりしたとき等の軽い刺激により破壊芳香性超微粒子が破壊され芳香を放つので、輸送時や保存時等にも芳香剤の香りが周囲に漂い、芳香剤の香りが混ざり合って不快感を引き起こすという課題を有していた。また、輸送時や保存時等でも破壊芳香性超微粒子が破壊されてしまうので、使用時にほとんど香りが得られないという課題を有していた。
(6)練り込んだりコーティング等によって配置できる破壊芳香性超微粒子の量は少ないので、芳香の量が少ないため、バラやユリ等のように強い芳香を放つ人工植物を製造することが困離であるとともに、風や手で触る等の刺激がない場所では芳香が生じず、生花のような自然な芳香を得ることができないという課題を有していた。
[0004]
本発明は上記従来の課題を解決するもので、長期間保存しても芳香液が揮発したり劣化したりすることがなく保存性に優れ、使用時には簡単な操作を行うだけで芳香液の揮発成分を発散させることができ使用性に優れ、また芳香液が入った容器等を人目のつくところに露出させることなく簡単に内蔵できるので、造花という印象がなく華やかさも醸し出すことができ生花の代用品として用いることができる人工植物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
[0005]
上記従来の課題を解決するために本発明の人工植物は、以下の構成を有している。
本発明の請求項1に記載の人工植物は、人工植物本体と、前記人工植物本体の枝の先端部に中空状に形成された可撓性を有する中空容器装着部と、少なくとも一箇所に容器開口部が形成され前記中空容器装着部に装着される可撓性を有する中空容器と、内部に芳香液が封入され前記中空容器に収納された破割性の薄肉密封容器と、前記中空容器装着部の開口部に装着された着色通気体と、
を備え、前記着色通気体が、着色された合成樹脂製のフィルムや紙を細く切った薄片を巻いて筒状に形成された構成を有している。
この構成により、以下のような作用が得られる。
(1)茶色等に着色された合成樹脂製のフィルムや紙を細く切った薄片等を着色通気体として、中空容器装着部の先端の開口部に装着しているので、切断されて端面が乾燥し枯れ色に変色した枝に模すことができ、造花という印象がなく違和感を与えず実物に近似させることができる。また、着色通気体として開口部に装着された薄片と薄片の間に形成された隙間から芳香が発せられるので、薄肉密封容器を割って芳香液を漏れ出させた直後から、芳香液の強い芳香を周囲に放つことができる。
(2)芳香液は薄肉密封容器に封入されており、薄肉密封容器を破割しない限り揮発しないので、長期間保存しても芳香液が揮発したり劣化したりすることなく保存性に優れる。
(3)着色通気体が中空容器装着部の先端の開口部に装着されているので、割れた薄肉密封容器の破片が開口部から飛び出すのを防止することができ安全性に優れる。
(4)使用して中空容器に収納された薄肉密封容器内の芳香液が全て揮発して香りを放たなくなったり、別の香りのする芳香液に変えたい場合は、中空容器装着部に装着された中空容器を別の中空容器に交換することで新しい香りを発生させることができ、人工植物本体を繰り返し使用することができる。
[0006]
ここで、人工植物本体としては、バラ,カーネーション,ユリ等の花、ハーブ類等の草、キンモクセイ等の樹木、果樹,リンゴ,パイナップル,ミカン,パパイヤ,ブドウ,キウイフルーツ等の果実、バナナ,メロン等の果物等に模して天然繊維や合成繊維等で形成された布製や紙製,合成樹脂製,ゴム製等で形成された花,草等の花冠,蕾,茎、樹木,果樹等の幹や枝、花のめしべやおしべ、葉や葉脈、果実や果物等の蔕,果肉,果皮等が用いられる。また、生の草花や樹木等の水分を乾燥させたり薬剤等を用いて水分を抜いて製造されたドライフラワーの茎、幹、枝、葉、果実、果物等も用いることができる。
[0007]
中空容器装着部としては、人工植物本体内の所定部に中空状に形成され中空容器を挿着可能な孔部、中空容器を係着可能な係止部等が用いられる。また、花冠の中に花弁で取り囲まれるようにして形成された隙間等も用いられる。
中空容器装着部が形成された人工植物本体は、ポリプロピレン,ポリエチレン,ポリイミド,塩化ビニル等の合成樹脂製やゴム製等の可撓性を有する材質で形成することができる。この場合は、中空容器装着部に中空容器を装着した後、中空容器とともに人工植物本体を撓ませることにより、中空容器に収納された薄肉密封容器を割って内部の芳香液を中空容器内に漏れ出させることができる。
[0008]
中空容器としては、有底で中空の管状、板状等の形状に可撓性を有する材質で形成されているものであれば特に限定されるものではなく、例えば、ポリプロピレン,ポリエチレン,ポリイミド,塩化ビニル等の合成樹脂製やゴム製等の材質で形成されたものが用いられる。
[0009]
中空容器に収納された薄肉密封容器としては、中空容器を撓ませたりすることで容易に破割できるガラス製や合成樹脂製等で形成された密封容器が用いられる。合成樹脂製の薄肉密封容器は、フィルム等で袋状に形成し注入口から芳香液を入れた後,容器内の気泡を追い出しながらヒートシール等で注入口を封着し、内部に芳香液をほぼ隙間無く封入するものが好適に用いられる。使用時に中空容器を撓ませたりして薄肉密封容器を圧迫すれば、芳香液の圧力で薄肉密封容器を破割できるからである。破割性を高めるため、容器の1箇所以上に周辺よりも薄肉にした薄肉部を形成してもよい。
[0010]
薄肉密封容器に密封された芳香液としては、天然香料や合成香料の1種又は複数種をアルコール等の溶剤に溶解した揮発性を有するものが用いられる。持続性等を調整する保留剤を加えることもできる。
溶剤としては、エタノール等の一価アルコール,メチルメトキシブタノール,ジプロピレングリコール,ヘキシルグリニール,1,3−ブタンジオール等の多価アルコール等を用いることができる。これらは、香料の揮発性を調整するために適宜選択して用いることができ、必要に応じて蒸留水等も加えることができる。
[0011]
中空容器に形成された容器開口部としては、中空容器の端部や端部の近傍等の所定部の少なくとも一箇所に形成された孔部,スリット状の切れ目部等が用いられる。孔部の開口径や切れ目部の長さ、開口部や切れ目部の数は、芳香液の揮発性、中空容器の形状、中空容器装着部の形状等によって適宜選択することができる。
容器開口部は、中空容器装着部に中空容器を装着した際、中空容器装着部で容器開口部が閉塞されないような位置に形成するのが好ましい。容器開口部からの芳香液の揮発を妨げないようにするためである。
[0012]
容器開口部又は中空容器装着部の開口部に装着される通気体としては、脱脂綿等の天然繊維や合成樹脂製繊維等の集合体、天然繊維や合成樹脂製繊維等で形成された織布,編布,不織布、紙、連続気泡を有する発泡ウレタン樹脂等の多孔質体等が用いられ、通気性を有し容器開口部又は中空容器装着部の開口部から芳香液を揮発させるものが用いられる。また、合成樹脂製等のフィルムや紙等を細く切った薄片を巻いて筒状等に形成されたものも用いることができる。
通気体は、容器開口部又は開口部に隙間なく装填若しくは嵌着されるのが好ましい。周囲を接着することもできる。これにより、割れた薄肉密封容器の破片が開口部から飛び出すのを防止するとともに、芳香液を容器開口部から揮発させることができる。
[0013]
本発明の請求項2に記載の発明は、人工植物本体と、前記人工植物本体の枝の先端部に配設され先端部に開口部が形成された可撓性を有する有底の中空部と、内部に芳香液が封入され前記中空部に収納された破割性の薄肉密封容器と、前記中空部の前記開口部に装着された着色通気体と、を備え、前記着色通気体が、着色された合成樹脂製のフィルムや紙を細く切った薄片を巻いて筒状に形成された構成を有している。
この構成により、以下のような作用が得られる。
(1)茶色等に着色された合成樹脂製のフィルムや紙を細く切った薄片等を着色通気体として、先端の開口部に装着しているので、切断されて端面が乾燥し枯れ色に変色した枝に模すことができ、造花という印象がなく違和感を与えず実物に近似させることができる。また、着色通気体として開口部に装着された薄片と薄片の間に形成された隙間から芳香が発せられるので、薄肉密封容器を割って芳香液を漏れ出させた直後から、芳香液の強い芳香を周囲に放つことができる。
(2)芳香液は薄肉密封容器に封入されており、薄肉密封容器を破割しない限り揮発しないので、長期間保存しても芳香液が揮発したり劣化したりすることなく保存性に優れる。
(3)通気体が中空部に形成された開口部に装着されているので、割れた薄肉密封容器の破片が開口部から飛び出すのを防止することができ安全性に優れる。
(4)芳香剤が入った薄肉密封容器が人工植物本体の所定部に形成された中空部に収納され内蔵されているので、生花の代用品として用いても造花という印象がなく、違和感がなく華やかさも醸し出すことができる。
[0014]
ここで、人工植物本体、芳香液、薄肉密封容器、通気体としては、請求項1で説明したものと同様なので、説明を省略する。
また、中空部の材質としては請求項1で説明した中空容器の材質、開口部としては請求項1で説明した容器開口部と同様のものなので、説明を省略する。
[0015]
中空部としては、人工植物本体とは別個に管状等の中空状に形成されて人工植物本体の所定部に接着,溶着,挿着,嵌着,係着等されて配設されたものが用いられる。
[0016]
本発明の請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の人工植物であって、前記中空部が、前記人工植物本体の所定部に配設されているのに代えて、前記人工植物本体と一体に形成された構成を有している。
この構成により、請求項2で得られる作用に加え、以下のような作用が得られる。
(1)中空部が人工植物本体と一体に形成されているので、人工植物本体の所定部に接着,溶着,挿着,嵌着,係着等されて配設された場合のような継ぎ目等がみられないので、造花という印象がなく違和感がなく、生花と同様に用いることができ華やかさも醸し出すことができる。
[0017]
本発明の請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3の内いずれか1に記載の人工植物であって、脱脂綿等の天然繊維や合成繊維製繊維の集合体、天然繊維や合成樹脂製繊維で形成された織布,編布,不織布、紙、連続気泡を有する多孔質体で形成された通気体が、前記中空容器の前記容器開口部に装着されている、又は、前記薄肉密封容器を被覆している構成を有している。
この構成により、請求項1乃至3の内いずれか1で得られる作用に加え、以下のような作用が得られる。
(1)通気体が薄肉密封容器を被覆していると、薄肉密封容器が割れて漏れ出した芳香液が、中空容器等を振らなくても通気体に直ちに吸収され、芳香液の揮発成分が開口部等から発散されるので使用性に優れる。
(2)内部に芳香液を封入した破割性を有する薄肉密封容器が収納された可撓性を有する中空容器を曲げたり折ったり潰したり等の簡単な操作を使用時に行うことで、収納された薄肉密封容器を割って内部の芳香液を中空容器内に漏れ出させることができる。中空容器に形成された容器開口部に通気体が装着されているので、必要に応じて左右等に軽く振ることで、薄肉密封容器から漏れ出た芳香液が通気体に接触して吸収された後、芳香液の揮発成分が容器開口部から発散される。
[0018]
ここで、通気体の材質としては、請求項1で説明したものと同様なので、説明を省略する。
[0019]
請求項1乃至3の内いずれか1に記載の人工植物は、前記中空容器装着部又は前記中空部の前記開口部に装着されるキャップ部を備えた構成にすることができる。
この構成により、請求項1乃至3の内いずれか1で得られる作用に加え、以下のような作用が得られる。
(1)中空容器装着部又は中空部の開口部に装着されるキャップ部を備えているので、草等の茎、樹木,果樹等の幹や枝、めしべの花柱やおしべの花糸等に模した人工植物本体を形成し、花冠,蕾,おしべの葯,めしべの柱頭、切断されて変色した茎の先端等に模したキャップ部を形成し、人工植物本体にキャップ部を装着することで、芳香液は容器開口部又は開口部とキャップ部との隙間から揮発して周囲に芳香を放ち、また容器開口部や中空部の開口部を人目につかないようにするだけでなく生花等と同様の外観にすることができ、生花の代用品として用いても造花という印象がなく、違和感がなく華やかさも醸し出すことができる。
[0020]
ここで、キャップ部としては、中空容器装着部又は中空部の開口部に装着可能なように花冠,蕾,おしべの葯,めしべの柱頭,茎の先端等に模して形成されたものが好適に用いられる。キャップ部の基部には、中空容器装着部又は中空部の開口部に接着,溶着,挿着,嵌着,係着等されて装着できるように形成されたキャップ装着部が形成される。また、茎の先端に模したキャップ部としては、茶色等に着色された合成樹脂製等のフィルムや紙等を細く切った薄片を中空容器装着部や中空部の開口部に装填したものも用いることができる。切断されて表面が枯れ色に変色した茎の先端に模すことができるからである。
[0021]
また、前記キャップ部が、少なくとも前記キャップ部の基部を貫通する貫通孔部を備えた構成にすることができる。
この構成により、以下のような作用が得られる。
(1)少なくともキャップ部の基部が貫通孔部を有しているので、容器開口部又は開口部とキャップ部との隙間から芳香液が揮発するだけでなく、花冠,蕾等に模して形成されたキャップ部の貫通孔部を通じて多くの芳香を周囲に揮発させることができ、あたかも生花等のように芳香を放つことができる。
[0022]
ここで、貫通孔部としては、少なくともキャップ部の基部であるキャップ装着部等を貫通して形成されたものが用いられる。また、合成樹脂製等のフィルムや紙等の薄片を中空容器装着部や中空部の開口部に装填したキャップ部の場合は、装填された薄片と薄片の間に形成された隙間で貫通孔部を形成することができる。
[0023]
また、前記キャップ部に形成された挿通孔部と、前記挿通孔部に挿通され一端が前記キャップ部を前記中空容器装着部又は前記中空部に装着した際に前記中空容器装着部又は前記中空部に配設された前記通気体と接触するキャップ部通気体と、を備えた構成にすることができる。
この構成により、以下のような作用が得られる。
(1)キャップ部を中空容器装着部又は中空部に装着した際に、中空容器装着部又は中空部に配設された通気体と接触するキャップ部通気体を備えているので、通気体が吸収した芳香液をキャップ部通気体にも毛細管現象によって吸収させることができるため、芳香液が外気と接触する表面積を広くして芳香液の揮発量を増やすことができるので、バラやユリ等のように強い芳香を放つ草花にも似せることができ自在性を高めることができる。
[0024]
ここで、キャップ部通気体の材質としては、請求項1で説明した通気体と同様のものが用いられるので、説明を省略する。
[0025]
本発明の請求項5に記載の発明は、請求項1乃至4の内いずれか1に記載の人工植物であって、前記人工植物本体の前記中空容器装着部又は前記中空部を着脱自在に被覆する保護部材を備えた構成を有している。
この構成により、請求項1乃至4の内いずれか1で得られる作用に加え、以下のような作用が得られる。
(1)人工植物本体の中空容器装着部又は中空部を着脱自在に被覆する保護部材を備えているので、輸送時や保存時に保護部材を被覆しておくことにより、薄肉密封容器が中空容器装着部又は中空部に収納されている場合でも、中空容器装着部又は中空部が折れ曲がったり潰れたりし難く、輸送時や保存時に薄肉密封容器が割れて芳香液が漏れ出し揮発するのを防止することができる。使用時には保護部材を取り去った後、中空容器装着部や中空部を変形させて薄肉密封容器を割って芳香液を外部に揮発させることができるので、使用時のみに芳香を得ることができる。
【発明の効果】
[0026]
以上のように、本発明の人工植物によれば、以下のような有利な効果が得られる。
請求項1に記載の発明によれば、
(1)茶色等に着色された合成樹脂製のフィルムや紙を細く切った薄片等を着色通気体として、中空容器装着部の先端の開口部に装着しているので、切断されて端面が乾燥し枯れ色に変色した枝に模すことができ、造花という印象がなく違和感を与えず実物に近似させることができる。また、着色通気体として開口部に装着された薄片と薄片の間に形成された隙間から芳香が発せられるので、薄肉密封容器を割って芳香液を漏れ出させた直後から、芳香液の強い芳香を周囲に放つことができ使用性に優れた人工植物を提供することができる。
(2)芳香液は薄肉密封容器に封入されており、薄肉密封容器を破割しない限り揮発しないので、長期間保存しても芳香液が揮発したり劣化したりすることなく保存性に優れた人工植物を提供することができる。
(3)割れた薄肉密封容器の破片が容器開口部から飛び出すのを防止することができ安全性に優れた人工植物を提供することができる。
(4)芳香液が全て揮発して香りを放たなくなったり、別の香りのする芳香液に変えたい場合は、中空容器装着部に装着された中空容器を別の中空容器に交換することで新しい香りを発生させることができ、人工植物本体を繰り返し使用することができ使い捨てにされないため省資源性に優れた人工植物を提供することができる。
[0027]
請求項2に記載の発明によれば、
(1)茶色等に着色された合成樹脂製のフィルムや紙を細く切った薄片等を着色通気体として、先端の開口部に装着しているので、切断されて端面が乾燥し枯れ色に変色した枝に模すことができ、造花という印象がなく違和感を与えず実物に近似させることができる。また、着色通気体として開口部に装着された薄片と薄片の間に形成された隙間から芳香が発せられるので、薄肉密封容器を割って芳香液を漏れ出させた直後から、芳香液の強い芳香を周囲に放つことができ使用性に優れた人工植物を提供することができる。
(2)芳香液は薄肉密封容器に封入されており、薄肉密封容器を破割しない限り揮発しないので、長期間保存しても芳香液が揮発したり劣化したりすることなく保存性に優れた人工植物を提供することができる。
(3)割れた薄肉密封容器の破片が開口部から飛び出すのを防止することができ安全性に優れた人工植物を提供することができる。
(4)芳香剤が入った薄肉密封容器が人工植物本体の所定部に形成された中空部に収納され内蔵されているので、生花の代用品として用いても造花という印象がなく、違和感がなく華やかさも醸し出すことができる人工植物を提供することができる。
[0028]
請求項3に記載の発明によれば、請求項2の効果に加え、
(1)人工植物本体の所定部に接着,溶着,挿着,嵌着,係着等されて配設された場合のような継ぎ目等がみられないので、造花という印象がなく違和感がなく、生花と同様に用いることができ華やかさも醸し出すことができる人工植物を提供することができる。
[0029]
請求項4に記載の発明によれば、請求項1乃至3の内いずれか1の効果に加え、
(1)薄肉密封容器が割れて漏れ出した芳香液が、中空容器等を振らなくても通気体に直ちに吸収され、芳香液の揮発成分が開口部等から発散されるので使用性に優れた人工植物を提供することができる。
(2)薄肉密封容器を割って芳香液を漏れ出させた中空容器を中空容器装着部に装着することで、芳香液の芳香を周囲に放つことができ使用性に優れた人工植物を提供することができる。
[0030]
[0031]
[0032]
[0033]
請求項5に記載の発明によれば、請求項1乃至4の内いずれか1に記載の効果に加え、
(1)輸送時や保存時に保護部材を被覆しておくことにより、薄肉密封容器が中空容器装着部又は中空部に収納されている場合でも、中空容器装着部又は中空部が折れ曲がったり潰れたりし難く、輸送時や保存時に薄肉密封容器が割れて芳香液が漏れ出し揮発するのを防止することができ、使用時にのみ芳香が得られる人工植物を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
[0034]
[図1]実施の形態1における人工植物の要部分解斜視図
[図2]実施の形態2における人工植物の要部を分解し人工植物本体の一部を切断して示した部分断面斜視図
[図3]実施の形態3における人工植物の要部を分解し人工植物本体の一部を切断して示した部分断面斜視図
[図4]実施の形態4における人工植物の要部を分解し人工植物本体の一部を切断して示した部分断面斜視図
[図5](a)実施の形態5における人工植物の斜視図 (b)図5(a)の蕾の部分を分解し人工植物本体の一部を切断して示した部分断面斜視図 (c)図5(a)のおしべの部分を分解し人工植物本体の一部を切断して示した部分断面斜視図
【図6】(a)実施の形態6における人工植物の斜視図 (b)図6(a)の要部断面図
【図7】実施の形態6における人工植物の変形例を示す斜視図
【図8】実施の形態7における人工植物の斜視図
【図9】(a)実施の形態8における人工植物の要部斜視図 (b)図9(a)のA部を切断して示した部分断面斜視図
【符号の説明】
【0035】
1 人工植物
2 人工植物本体
3 中空容器装着部
4 外周壁
5 装着孔部
6 キャップ部
6a キャップ基部
6b 萼片部
6c 花冠部
7 キャップ装着部
8 貫通孔部
9 中空容器
9a 底部
10 容器開口部
11 薄肉密封容器
12 通気体
13 線条体
20 人工植物
21 通気体延設部
22 中空容器装着部
23 キャップ部通気体
30 人工植物
31 通気体
32 装着孔部
33 キャップ装着部
34 キャップ部通気体
40 人工植物
41 中空部
41a 底部
42 開口部
43 薄肉密封容器
44 通気体
45 ウィック
50 人工植物
51,53 人工植物本体
52,54 キャップ部
52a,54a キャップ装着部
52b,54b 挿通孔部
52c,54c キャップ部通気体
52d,54d 発散孔部
60 人工植物
61 人工植物本体
62 中空容器装着部
70 人工植物
71 人工植物本体
72 中空容器装着部
80 保護部材
81 保護部材外周部
82 切れ目部
83 緩衝部材
90 人工植物
91 人工植物本体
92 中空容器装着部
93 人工植物本体
94 中空容器装着部
95 人工植物本体
96 中空容器装着部
97,97a 着色通気体
【発明を実施するための最良の形態】
[0036]
以下、本発明を実施するための最良の形態を、図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
図1は実施の形態1における人工植物の要部分解斜視図である。
図1において、1は実施の形態1におけるバラ等の草花を模した人工植物、2は可撓性を有する合成樹脂製等で横断面が略円形の中実状の棒状に形成された人工植物1の茎からなる人工植物本体、3は人工植物本体2の上端部に形成された有底の孔部からなる中空容器装着部、4は中空容器装着部3の外周壁、5は外周壁4に人工植物本体3の上端部から中空容器装着部3に沿って複数形成された装着孔部、6はバラ等の花を模して合成樹脂製等で形成されたキャップ部、6aはキャップ部6の基部に形成されたキャップ基部である。なお、本実施の形態においては、キャップ基部6aは花柄部を模して形成されている。6bはキャップ基部6aの上面に基部が接着された萼片部、6cは萼片部6bの基部に基部が接着された花弁を集めた花冠部、7はキャップ基部6の端部に形成されたキャップ装着部であり、装着孔部5に挿通可能な細い棒状に金属製等で形成されている。8はキャップ基部6aに形成された貫通孔部である。なお、本実施の形態においては、貫通孔部8が形成されたキャップ基部6aに萼片部6b及び花冠部6cの基部を接着する際には、萼片部6b内、花冠部6c内に隙間を形成し、これらの隙間と貫通孔部8とが連通するようにしている。
【0037】
9はポリプロピレン,ポリエチレン,ポリイミド,塩化ビニル等の合成樹脂製やゴム製等の可撓性を有する材質で中空の有底の円筒状に形成された中空容器、9aは中空容器9の底部、10は中空容器9の一端に形成された容器開口部、11は薄肉のガラス製等で形成され中空容器9に収納され内部に芳香液が密封された薄肉密封容器、12は容器開口部10に装着された織布,不織布,連続気泡を有する発泡体等の通気体、13は容器開口部10の外周の中空容器9に一端が接着された線条体である。
ここで、本実施の形態においては、有底の中空容器装着部3は、中空容器9の容器開口部10から底部9aまでの長さと略同一かそれよりも深く形成されている。
【0038】
以上のように構成された本発明の実施の形態1における人工植物で用いる中空容器について、以下その製造方法の一例を説明する。
芳香液をガラス製等の薄肉容器に端部の注入口から注入した後、端部の注入口を溶融等して封入し芳香液が密封された薄肉密封容器11を製造する。次いで、中空容器9内に容器開口部10から薄肉密封容器11を落とし込んだ後、中空容器9の容器開口部10に通気体12を装着する。容器開口部10に装着した通気体12を外れ難くするために、中空容器9の容器開口部10側の全体を加熱して軟化させるとともにわずかに押圧して容器開口部10の内側に突出片を形成することもできる。
また、キャップ部6は、貫通孔部8及び萼片部6bを形成したキャップ基部6aの上面に、貫通孔部8を取り囲むように複数の花弁を植設することで花冠部6cを形成し、製造することができる。
【0039】
以上のように、本発明の実施の形態1における人工植物は構成されているので、以下のような作用が得られる。
(1)内部に芳香液を封入した破割性を有する薄肉密封容器11が可撓性を有する中空容器9に収納されているので、中空容器9を曲げたり折ったり潰したり等の簡単な操作を使用時に行うことで収納された薄肉密封容器11を割って内部の芳香液を中空容器9内に漏れ出させることができる。中空容器9に形成された容器開口部10に通気体12が装着されているので、必要に応じて中空容器9を左右等に軽く振ることで、薄肉密封容器11から漏れ出た芳香液が通気体12に接触して吸収された後、芳香液の揮発成分が容器開口部10から発散される。中空容器9が装着される中空容器装着部3が人工植物本体2の端部に形成されているので、中空容器9を中空容器装着部3に装着することで、芳香液の芳香を人工植物1の周囲に放つことができ使用性に優れる。また、人工植物本体2が可撓性を有する材質で形成されているので、中空容器9を中空容器装着部3に装着した後、使用時に人工植物本体2の中空容器装着部3を中空容器9とともに曲げたり折ったり潰したり等の操作を行うことで、同様の作用を得ることができる。
(2)芳香液は薄肉密封容器11に封入されており、薄肉密封容器11を破割しない限り揮発しないので、長期間保存しても芳香液が揮発したり劣化したりすることなく保存性に優れる。
(3)通気体12が中空容器9に形成された容器開口部10に装着されているので、割れた薄肉密封容器11の破片が容器開口部10から飛び出すのを防止することができ安全性に優れる。
(4)使用して中空容器9に収納された薄肉密封容器11内の芳香液が全て揮発して香りを放たなくなったり、別の香りのする芳香液に変えたい場合は、中空容器装着部3に装着された中空容器9を別の中空容器に交換することで新しい香りを発生させることができ、人工植物本体2を繰り返し使用することができる。
(5)中空容器装着部3に装着されるキャップ部6を備えているので、茎等に模した人工植物本体2を形成し、花冠等に模したキャップ部6を形成し、人工植物本体2にキャップ部6を装着することで、芳香液は人工植物本体2とキャップ基部6aとの隙間から揮発して周囲に芳香を放ち、また中空容器9の容器開口部10を人目につかないようにするだけでなく生花等と同様の外観にすることができ、生花の代用品として用いても造花という印象がなく、違和感がなく華やかさも醸し出すことができる。
(6)キャップ部6のキャップ基部6aに貫通孔部8が形成されており、萼片部6b内、花冠部6c内に隙間を形成し、これらの隙間と貫通孔部8とが連通するようキャップ基部6aに萼片部6b及び花冠部6cの基部が接着されているので、容器開口部10とキャップ基部6aとの隙間から芳香液が揮発するだけでなく、キャップ部6の貫通孔部8を通じて多くの芳香を周囲に揮発させることができ、あたかも生花等のように花から強い芳香を周囲に放つことができる。
(7)線条体13が、容器開口部10の外周の中空容器9に一端が接着されているので、使用して中空容器9に収納された薄肉密封容器11内の芳香液が全て揮発して香りを放たなくなったり、別の香りのする芳香液に変えたい場合は、キャップ部6を人工植物本体2から取り外した後、線条体13の他端側を引張ることにより、中空容器9を中空容器装着部3から抜いて別の中空容器に容易に交換することができるとともに、中空容器9がどの人工植物本体2に収納されているかの目印になり、使用性に優れる。
【0040】
なお、本実施の形態において、中空容器装着部3をより深く形成して、中空容器9の下側に化学発光体(蛍光液と活性化剤とを混合すると発光する発光体)を挿入することもできる。これにより芳香を放つとともに人工植物本体2が発光するので、イベント等に用いると人目を引き付けることができ、宣伝効果等を高めることができる。
【0041】
(実施の形態2)
図2は実施の形態2における人工植物の要部を分解し人工植物本体の一部を切断して示した部分断面斜視図である。なお、実施の形態1で説明したものと同様のものは、同じ符号を付して説明を省略する。
図2において、20は実施の形態2におけるバラ等の草花を模した人工植物、21は通気体12に延設された通気体延設部、22は中空容器9の容器開口部10から底部9aまでの長さと通気体延設部21の長さとを加えたのと略同一の深さで人工植物本体2の一端に形成された中空容器装着部、23はキャップ部6のキャップ基部6aに形成された貫通孔部8(挿通孔部)に挿通された織布,不織布,連続発泡体等で棒状に形成されたキャップ部通気体であり、一端がキャップ部6を中空容器装着部22に装着した際に、中空容器装着部22に配設された通気体12に延設された通気体延設部21と接触するように形成され、他端が貫通孔部8(挿通孔部)から突出して花冠部6c等の内側に配設されている。
【0042】
以上のように、本発明の実施の形態2における人工植物は構成されているので、実施の形態1に記載の作用に加え、以下のような作用が得られる。
(1)キャップ部6を中空容器装着部22に装着した際に、中空容器装着部22に配設された通気体12に延設された通気体延設部21と接触するキャップ部通気体23を備えているので、通気体12及び通気体延設部21が吸収した芳香液をキャップ部通気体23にも毛細管現象によって吸収させることができるため、芳香液が外気と接触する表面積を広くして芳香液の揮発量を増やすことができるので、バラやユリ等のように強い芳香を放つ草花にも似せることができ自在性を高めることができる。また、キャップ部通気体23の他端が花冠部6c等の内部に配設されているので、生花のように花の内側から芳香を放たせることができる。
【0043】
なお、本実施の形態においては、中空容器装着部22が茎状の人工植物本体2と一体に形成された場合について説明したが、人工植物本体2とは別個に管状等の中空状の中空容器装着部を形成して人工植物本体2の上端に接着,溶着,挿着,嵌着,係着等によって配設することもできる。
また、本実施の形態においては、実施の形態1で説明した貫通孔部8を挿通孔部として用いたが、貫通孔部8とは別にキャップ部通気体23を挿通可能な挿通孔部を形成することもできる。これにより、挿通孔部に挿通されたキャップ部通気体23と貫通孔部8の両方から芳香を発するようにできる。
【0044】
(実施の形態3)
図3は実施の形態3における人工植物の要部を分解し人工植物本体の一部を切断して示した部分断面斜視図である。なお、実施の形態1又は実施の形態2で説明したものと同様のものは、同じ符号を付して説明を省略する。
図3において、30は実施の形態3におけるバラ等の草花を模した人工植物、31は織布,不織布,紙等で形成され薄肉密封容器11を被覆し中空容器9内に収納された通気体、32は中空容器装着部22の端部に形成された装着孔部、33はキャップ部6のキャップ基部6aの端部に延設され装着孔部32に嵌挿可能に形成されたキャップ装着部、34はキャップ基部6aに形成された貫通孔部8に挿通され一端が貫通孔部8から突出し他端が萼片部6b及び花冠部6cの内側に配設された織布,不織布,連続発泡体等のキャップ部通気体であり、キャップ部6のキャップ装着部33を中空容器装着部22の装着孔部32に嵌挿して装着した際に、中空容器装着部22に配設された通気体31と端部が接触するように形成されている。
【0045】
以上のように、本発明の実施の形態3における人工植物は構成されているので、実施の形態1に記載の作用に加え、以下のような作用が得られる。
(1)通気体31が薄肉密封容器11を被覆しているので、薄肉密封容器11が割れて漏れ出した芳香液が、中空容器9等を振らなくても通気体31に直ちに吸収され、芳香液の揮発成分が容器開口部10から発散されるので使用性に優れる。
(2)キャップ部通気体34が、キャップ基部6aに形成された貫通孔部8から端部が突出して一端側が貫通孔部8に充填され他端が萼片部6b及び花冠部6cの内側に配設されており、キャップ部6のキャップ装着部33を中空容器装着部22の装着孔部32に嵌挿して装着した際に、中空容器装着部22に配設された通気体31と端部が接触するように形成されているので、キャップ部通気体34の端部を中空容器9の容器開口部10内に侵入させて通気体31とキャップ部通気体34との接触を確実にすることができ、通気体31が吸収した芳香液をキャップ部通気体34にも毛細管現象によって確実に吸収させ、強い芳香を確実に発生させることができ製品得率を高めることができる。
【0046】
なお、本実施の形態においては、通気体31が薄肉密封容器11を被覆している場合について説明したが、薄肉密封容器11を被覆するのに代えて、容器開口部10又は中空容器装着部22の開口部(装着孔部32)に装着する場合もある。この場合もキャップ部通気体34については、同様の作用が得られる。
【0047】
(実施の形態4)
図4は実施の形態4における人工植物の要部を分解し人工植物本体の一部を切断して示した部分断面斜視図である。なお、実施の形態1又は実施の形態3で説明したものと同様のものは、同じ符号を付して説明を省略する。
図4において、40は実施の形態4におけるバラ等の草花を模した人工植物、41は人工植物本体2の上端部に形成された有底の孔部からなる可撓性を有する材質で形成された中空部、41aは中空部41の底部、42は人工植物本体2の一端に形成された中空部41の開口部である。なお、本実施の形態においては、キャップ装着部33の外径が開口部42の内径と略同一に形成されており、開口部42にキャップ装着部33が嵌挿されて装着される。
43は薄肉のガラス製等で形成され中空部41に収納され内部に芳香液が密封された薄肉密封容器、44は開口部42に装着された織布,不織布,連続発泡体等の通気体、45は中空部41の内部側の側面に底部41aから通気体44に渡って配設された天然繊維,合成樹脂製繊維,ガラス繊維等からなるウィックである。
ここで、本実施の形態においては、通気体44は、開口部42にキャップ装着部33が嵌挿された際に、キャップ部通気体34の端部が通気体44と接触するような位置に充填されている。
【0048】
以上のように、本発明の実施の形態4における人工植物は構成されているので、実施の形態1又は実施の形態3に記載の作用に加え、以下のような作用が得られる。
(1)内部に芳香液を封入した破割性を有する薄肉密封容器43が可撓性を有する中空部41に収納されているので、中空部41を曲げたり折ったり潰したり等の簡単な操作を使用時に行うことで収納された薄肉密封容器43を割って内部の芳香液を中空部41内に漏れ出させることができる。中空部41の開口部42に通気体44が装着されているので、必要に応じて中空部41を左右等に軽く振ることで、薄肉密封容器43から漏れ出た芳香液が通気体44に接触して吸収された後、芳香液の揮発成分が開口部42から発散される。
(2)中空部41内にウィック45が配設されているので、薄肉密封容器43が割れて漏れ出した芳香液を、人工植物本体2を左右等に振らなくてもウィック45に吸収させ毛細管現象を利用して通気体44まで浸透させることができ香りの持続性に優れる。
【0049】
なお、本実施の形態においては、草花を模した場合について説明したが、中空容器を有さずに中空部41に薄肉密封容器43が直接収納できるので、人工植物本体2の外径を細くすることができ、人工植物本体として、おしべやめしべ、樹木の小枝、観葉植物の葉脈等を模したものを形成し、これらに薄肉密封容器43を内蔵することも可能なので自在性に優れる。
また、本実施の形態においては、1個の薄肉密封容器43が中空部41に装着された場合について説明したが、中空部41をより深く形成して複数個の薄肉密封容器43を深さ方向に重ねて装着するとともに、ウィック45も中空部41の底部41aから通気体44に渡るように長く形成することもできる。これにより、1個の薄肉密封容器の芳香液が揮発して香りが薄れてきた場合に、他の薄肉密封容器を割って芳香液を中空部41内に漏れ出させウィック45で吸い上げて芳香を放つことができ、香りの持続性に優れる。また、複数の薄肉密封容器に密封された芳香液の種類を変えることで、薄肉密封容器を割るたびに異なる芳香を放つことができ変化を楽しむことができ自在性に優れる。また、一つの薄肉密封容器に密封された芳香液は少量なので、薄肉密封容器を割って中空部41内に漏れ出させた芳香液が変質する前に全て揮発させることができ、常に新鮮な香りを楽しむことができる。
また、本実施の形態においては、中空部41が茎状の人工植物本体2と継ぎ目等なく一体に形成された場合について説明したが、人工植物本体2とは別個に管状等の中空状の中空部を形成して人工植物本体2の上端に接着,溶着,挿着,嵌着,係着等によって配設することもできる。
【0050】
(実施の形態5)
図5(a)は実施の形態5における人工植物の斜視図であり、図5(b)は図5(a)の蕾の部分を分解し人工植物本体の一部を切断して示した部分断面斜視図であり、図5(c)は図5(a)のおしべの部分を分解し人工植物本体の一部を切断して示した部分断面斜視図である。なお、実施の形態1又は実施の形態4で説明したものと同様のものは、同じ符号を付して説明を省略する。
図中、50は実施の形態5におけるユリ等の草花を模した人工植物、51は可撓性を有する材質で茎を模して形成された人工植物本体、52は蕾を模して合成樹脂製等で中空状に形成されたキャップ部、52aはキャップ部52の基部に延設され外径が開口部42の内径と略同一の円筒状に形成されたキャップ装着部、52bはキャップ装着部52aを貫通して形成された挿通孔部、52cは挿通孔部52bから端部が突出して一端側が挿通孔部52bに挿通され他端が中空状のキャップ部52の内側に配設された織布,不織布,連続発泡体等のキャップ部通気体であり、キャップ装着部52aを中空部41の開口部42に嵌挿して装着した際に、中空部41に配設された通気体44の一端と端部が接触するように形成されている。52dはキャップ部52aに複数形成された細孔からなり挿通孔部52bと連通する発散孔部である。
53は可撓性を有する材質でおしべの花糸を模して形成された人工植物本体、54はおしべの先端の葯を模して合成樹脂製等で中空状に形成されたキャップ部、54aはキャップ部54の基部に延設され外径が開口部42の内径と略同一の円筒状に形成されたキャップ装着部、54bはキャップ装着部54aを貫通して形成された挿通孔部、54cは挿通孔部54bから端部が突出して一端側が挿通孔部54bに充填され他端が中空状のキャップ部54の内側に配設された織布,不織布,連続発泡体等のキャップ部通気体であり、キャップ装着部54aを中空部41の開口部42に嵌挿して装着した際に、中空部41に配設された通気体44の一端と端部が接触するように形成されている。54dはキャップ部54aに複数形成された細孔からなり挿通孔部54bと連通する発散孔部である。
【0051】
以上のように、本発明の実施の形態5における人工植物は構成されているので、実施の形態1、3、4のいずれかに記載の作用に加え、以下のような作用が得られる。
(1)キャップ部52,54が中空状に形成されキャップ部52,54に挿通孔部52b,54bと連通する発散孔部52d,54dが形成されているので、芳香液を周囲に発散させ濃厚な芳香を得ることができる。
【0052】
(実施の形態6)
図6(a)は実施の形態6における人工植物の斜視図であり、図6(b)は図6(a)の要部断面図であり、図7は実施の形態6における人工植物の変形例を示す斜視図である。なお、実施の形態1で説明したものと同様のものは、同じ符号を付して説明を省略する。
図6(a)、図6(b)において、60は実施の形態6におけるキウイフルーツを模して硬質の合成樹脂製等で形成した人工植物、61は1/2に切断したキウイフルーツを模して形成した人工植物本体、62は人工植物本体61の種に相当する箇所に形成され中空容器9が嵌挿される中空容器装着部である。
図7において、70は実施の形態6の変形例におけるバナナを模して硬質の合成樹脂製等で形成した人工植物、71はバナナを模して形成した人工植物本体、72は人工植物本体71の蔕に相当する箇所に形成され中空容器9が嵌挿される中空容器装着部である。
【0053】
以上のように、本発明の実施の形態6における人工植物は構成されているので、実施の形態1に記載の作用に加え、以下のような作用が得られる。
(1)内部に芳香液を封入した破割性を有する薄肉密封容器11が可撓性を有する中空容器9に収納されているので、中空容器9を曲げたり折ったり潰したり等の簡単な操作を使用時に行うことで収納された薄肉密封容器11を割って内部の芳香液を中空容器9内に漏れ出させ芳香を発生させ、これを硬質の人工植物本体61,71に形成された中空容器装着部62,72に装着することで芳香を放つ人工植物60,70を形成することができる。人工植物本体61,71は可撓性を有する材質、可撓性を有さない硬質の材質のいずれも用いることができるので汎用性に優れる。
【0054】
なお、本実施の形態においては、キウイフルーツやバナナに模した人工植物本体の場合について説明したが、これらに限定されるものではなく、パイナップル、パパイヤ、スイカ、メロン、カキ、リンゴ、ブドウ、レモン等の果実や果物等に模した人工植物本体を形成することもできる。
【0055】
(実施の形態7)
図8は実施の形態7における人工植物の斜視図である。なお、実施の形態1で説明したものと同様のものは、同じ符号を付して説明を省略する。
図中、80は人工植物本体2の中空容器装着部を着脱自在に被覆する保護部材、81はポリプロピレン,ポリイミド,塩化ビニル等の合成樹脂製やゴム製等の可撓性を有する材質で筒状に形成された保護部材外周部、82は保護部材外周部81の切れ目部、83は保護部材外周部81の内側に配設され人工植物本体2の外周に当接する発泡ウレタン樹脂等で形成された緩衝部材である。
【0056】
以上のように、本発明の実施の形態7における人工植物は構成されているので、実施の形態1に記載の作用に加え、以下のような作用が得られる。
(1)保護部材80に形成された切れ目部82を開閉することで、人工植物本体2の中空容器装着部を保護部材80で着脱自在に被覆することができるので、輸送時や保存時に保護部材80を被覆しておくことにより、薄肉密封容器が中空容器装着部に収納されている場合でも、中空容器装着部が折れ曲がったり潰れたりし難く、輸送時や保存時に薄肉密封容器が割れて芳香液が漏れ出し揮発するのを防止することができる。使用時には保護部材82が目印になり、保護部材82を取り去った後、中空容器装着部を変形させて薄肉密封容器を割って芳香液を外部に揮発させることができるので、使用時のみに芳香を得ることができる。
[0057]
なお、本実施の形態においては、保護部材外周部81と緩衝部材83とを複合した保護部材80について説明したが、これに限定されるものではなく、人工植物本体2の中空容器装着部の目印になり、かつ中空容器装着部が折れたり潰れたりしないように補強できるものであればよい。
[0058]
(実施の形態8)
図9(a)は実施の形態8における人工植物の要部斜視図であり、図9(b)は図9(a)のA部を切断して示した部分断面斜視図であり、図9(c)はA部の変形例を示す部分断面斜視図である。なお、実施の形態1で説明したものと同様のものは、同じ符号を付して説明を省略する。
図9において、90は実施の形態8におけるバラ等の草花を模した人工植物、91は合成樹脂製のフィルムや布,紙等で形成された複数枚の花弁を集めた花冠からなる人工植物本体、92は花冠からなる人工植物本体91の内側の先端側の花弁と花弁の隙間に形成された中空状の中空容器装着部である。
93は合成樹脂製のフィルムや布,紙等で形成された複数枚の花弁を集めた蕾からなる人工植物本体、94は蕾からなる人工植物本体93の内側の先端側の花弁と花弁の隙間に形成された中空状の中空容器装着部である。
中空容器装着部92,94には、芳香液が封入された薄肉密封容器11と容器開口部10に充填された通気体12とを備えた中空容器9が装着されている。花冠や蕾からなる人工植物本体91,93を製造する際に、中空容器9を芯にして、その周囲に花弁を複数枚配置することで、人工植物本体91,93の内側に中空容器装着部92,94が自然に形成され中空容器9を装着させることができる。また、人工植物本体91,93を製造した後、花冠や蕾の先端から花弁と花弁の間に中空容器9を差し込んで装着させることもできる。
[0059]
95は可撓性を有する合成樹脂製等で横断面が略円形の中実状の棒状に形成された人工植物90の枝からなる人工植物本体であり、切断されて端部が枯れ色に変色した枝を模している。96は人工植物本体95の端部に形成された有底の孔部からなる中空容器装着部であり、芳香液が封入された薄肉密封容器11を備えた中空容器9が装着されている。97は茶色等に着色された織布,編布,不織布、紙、連続気泡を有する発泡ウレタン樹脂等の多孔質体等で形成され中空容器装着部96の開口部に装着された着色通気体である。
97aは茶色等に着色された合成樹脂製等のフィル厶や紙等を細く切った薄片を巻いて筒状に形成され中空容器装着部96の開口部に装着された着色通気体である。着色通気体97,97aの周囲は中空容器装着部96に接着されている。
[0060]
以上のように、本発明の実施の形態8における人工植物は構成されているので、実施の形態1に記載の作用に加え、以下のような作用が得られる。
(1)中空容器9が装着される中空容器装着92,94が花冠や蕾を模した人工植物本体91,93の先端側の花弁と花弁の隙間に形成され、中空容器装着部92,94に中空容器9が装着されているので、薄肉密封容器11を割って芳香液を漏れ出させた直後から、芳香液の強い芳香を花冠や蕾から周囲に放つことができ、生花と同様の外観や雰囲気にすることができ、生花の代用品として用いても造花という印象がなく違和感がなく華やかさも醸し出すことができる。
(2)中空容器9を芯にして、その周囲に花弁を配置したり、中空容器9を花弁の間に差し込んだりすることで、人工植物本体91,93の内側に中空容器装着部92,94を自然に形成し中空容器9を装着させることができるので、中空容器装着部を別途形成する等の工数を要さず生産性に優れる。
(3)人工植物は、複数本を一つの箱に詰めて生産された工場から販売店等へ輸送される。その際、花冠の根元の茎を箱の上方へ撓曲させて圧迫されないようにして、花冠が押し潰されないようにすることがある。花冠の根元の茎に中空容器装着部が形成され中空容器が装着されている場合は、茎を撓曲したときに芳香液が封入された薄肉密封容器が割れてしまうことがあるが、中空容器9が花冠や蕾を模した人工植物本体91,93に装着されているので、輸送時等に薄肉密封容器が割れるおそれがない。
(4)茶色等に着色された合成樹脂製等のフィルムや紙等を細く切った薄片等を着色通気体97,97aとして、中空容器装着部96の先端の開口部に装着しているので、切断されて端面が乾燥し枯れ色に変色した茎に人工植物本体95を模すことができ、造花という印象がなく違和感を与えず実物に近似させることができる。また、着色通気体97,97aとして開口部に装着された薄片と薄片の間に形成された隙間や細孔から芳香が発せられるので、薄肉密封容器11を割って芳香液を漏れ出させた直後から、芳香液の強い芳香を周囲に放つことができる。
【産業上の利用可能性】
【0061】
本発明は、芳香を放つ造花等の人工植物に関し、長期間保存しても芳香液が揮発したり劣化したりすることがなく保存性に優れ、使用時には簡単な操作を行うだけで芳香液の揮発成分を発散させることができ使用性に優れ、また芳香液が入った容器等を人目のつくところに露出させることなく簡単に内蔵できるので、造花という印象がなく華やかさも醸し出すことができ生花の代用品として用いることができる人工植物を提供できる。
Claims (5)
- 人工植物本体と、前記人工植物本体の枝の先端部に中空状に形成された可撓性を有する中空容器装着部と、少なくとも一箇所に容器開口部が形成され前記中空容器装着部に装着される可撓性を有する中空容器と、内部に芳香液が封入され前記中空容器に収納された破割性の薄肉密封容器と、前記中空容器装着部の開口部に装着された着色通気体と、を備え、前記着色通気体が、着色された合成樹脂製のフィルムや紙を細く切った薄片を巻いて筒状に形成されていることを特徴とする人工植物。
- 人工植物本体と、前記人工植物本体の枝の先端部に配設され先端部に開口部が形成された可撓性を有する有底の中空部と、内部に芳香液が封入され前記中空部に収納された破割性の薄肉密封容器と、前記中空部の前記開口部に装着された着色通気体と、を備え、前記着色通気体が、着色された合成樹脂製のフィルムや紙を細く切った薄片を巻いて筒状に形成されていることを特徴とする人工植物。
- 前記中空部が、前記人工植物本体の所定部に配設されているのに代えて、前記人工植物本体と一体に形成されていることを特徴とする請求項2に記載の人工植物。
- 脱脂綿等の天然繊維や合成繊維製繊維の集合体、天然繊維や合成樹脂製繊維で形成された織布,編布,不織布、紙、連続気泡を有する多孔質体で形成された通気体が、前記中空容器の前記容器開口部に装着されている、又は、前記薄肉密封容器を被覆していることを特徴とする請求項1乃至3の内いずれか1に記載の人工植物。
- 前記人工植物本体の前記中空容器装着部又は前記中空部を着脱自在に被覆する保護部材を備えていることを特徴とする請求項1乃至4の内いずれか1に記載の人工植物。
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