JP4108480B2 - 新規なカロテノイドエステル - Google Patents

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Description

本発明は、新規なカロテノイドエステルに関する。
関連出願の相互参照
本出願は、米国仮特許出願、2001年2月23日出願の第60/270,817号と2002年1月11日出願の第60/347,443号の優先権を主張するものである。
発明の背景
カロテノイドは、植物の光合成に関わる重要な天然物である。カロテノイドは、動物および人間の栄養補給剤として、又、食品着色剤及び化粧品にも使用される。カロテノイドは、健康にとって重要ではあるが、動物や人間はそれらを作り出すことが出来ず、従って、これらの化合物は、食餌を通じて、果実と野菜から摂取されなければならない。
カロテノイドは、そのいくつかの特性によって、動物および人間双方の健康にとって重要である。たとえば、これらの化合物は、フリーラジカルに対する重要なクエンチング効果を有する抗酸化物質である。それらは、生組織を、直接的又は免疫増強物質として、様々な疾患から守る。更に、カロテノイドは、生細胞間の細隙結合連絡にも関与している。最近の疫学的証拠は、高カロテノイド含有率の果実と野菜の消費と、いくつかのタイプの癌の発生率との間に反比例関係があることを示唆している。具体的には、βカロテン、ルテイン及びリコピンは、ガン防止作用を示すことが証明されている(M.M. Mathews−Roth,Current Chemotherapy and Infectious Diseases (J.D. Nelson and C. Grassi,Eds, Am. Soc. Microbiol.,Washington DC:1503−1505 (1980)); B.P. Chew et al,Anticancer Research 16:3689−3694 (1996);P.H. Gann et al, Cancer Res. 59:1225−1230(1999))。
更に、ルテインやゼアキサンチン等のいくつかのカロテノイドは、ヒトを含むいくつかの動物種において健全な視覚を保証するために目の網膜において特定の機能を有している(J.D. Landrum et al.,Archives Biochem. Biophys. 385(1):28−40(2001))。最後に、カロテノイドには、プロビタミンA活性を有するものや、生殖と受精能をコントロールするもの、コネキシン43遺伝子をアップレギュレートするもの、変性疾患のリスクを低下させるもの、又、心冠疾患を予防するものがある(N. Krinsky,Pure and Appl. Chem. 66(5):1003−1010(1994))。
化学的には、カロテノイドは、それらの官能基によって、いくつかのカテゴリーに分類することができる(Key to Carotenoids, 第2増補改定版、H.Pfander et al,Birkhaeuser Verlag,Basel,1987を参照)。これらには、βカロテンやリコピン等の炭化水素カロテノイド、β−クリプトキサンチンなどのモノヒドロキシカロテノイド、ルテインやゼアキサンチンなどのジヒドロキシカロテノイド、β,β−カロテントリオール等のポリヒドロキシカロテノイド、ビオラキサンチンやアンテラキサンチン等のエポキシカロテノイド、エキネノン、カプサンチン、カンタキサンチン、およびアスタキサンチン等のカルボニルカロテノイド、ビキシンやクロセチン等のカロテン酸が含まれる。
アルコール誘導部位としてカロテノイドを有するエステルは周知である。たとえば、ルテインとゼアキサンチンの、パルミチン酸、ミリスチン酸、及びステアリン酸とのモノエステル及びジエステルは天然に実在する。それらは、大半の植物の花と葉の「キサントフィル」としても知られている(Alam. Lipids,3:183(1968)):これらのエステルは、たとえば、Levyの米国特許第6,191,293号に記載されているように、マリーゴールド植物(Tagetes erecta)の花からの抽出とその後の精製によって、商業的にも調製されている。
更に、アルコール誘導部位としてカロテノイドを含むいくつかのエステルが合成的に調製されている。たとえば、カロテノイド、ゼアキサンチン及びイソゼアキサンチンの吉草酸エステル、ラウリン酸エステル、オレイン酸エステル、リノール酸エステルおよびカプロン酸エステルがEugster,et al.の米国特許第5,536,504号に記載されている。ルテインとゼアキサンチンの短鎖有機酸ジエステルも、Torres−Cardona,et al.の米国特許第5,959,138号に記載されている。
酸誘導部位としてカロテノイドを含むエステルも周知である。それらの多くは天然に存在するものであるが(“Key to Carotenoids”)、このタイプの他のエステルは、合成によって調製されている。たとえば、Marbet,et al.の米国特許第2,768,198号は、ビキシンおよびノルビキシンと、アミルアルコール、オクチルアルコール及びビタミンAとのエステルの調製を記載している。
最後に、カロテン酸を有するグリセリドが、酵素触媒によって調製されている(Partali et al,Angew.Chem Int.Ed.Engl.35:329−330(1996))。Larsen et al(Chem.Eur.J.4:113−117(1998))に記載されているように、β−アポ−8’−カロテン酸のビタミンEとの反応によって、α−トコフェリル−β−8’−カロテン酸エステル(carotenoate)が作り出される。更に、アルコール部位として二つのアルコールOH基を含む、L−アスコルビン酸を使用したビキシンの酵素エステル化がHumeau et al(Biotechnol.Lett.22:155−168(2000))によって報告されている。
以上要するに、カロテノイド成分を含有する多くのエステルが知られているが、これら公知のカロテノイドエステルはすべて、アルコール誘導部位又は酸誘導部位として非カロテノイド成分を含むものである。
本発明は、従来技術の問題点を解決するものである。
発明の簡単な要旨
本発明は、少なくとも1つの酸誘導部位と少なくとも1つのアルコール誘導部位とを有するエステルに関し、前記少なくとも1つのアルコール誘導部位が、モノヒドロキシカロテノイド、ジヒドロキシカロテノイド、及びポリヒドロキシカロテノイドから成るグループから選択されるヒドロキシカロテノイドを含み、前記酸誘導部位が、モノカルボン酸カロテノイド、ジカルボン酸カロテノイド、及びポリカルボン酸カロテノイドから成るグループから選択されるカルボン酸カロテノイドを含む。好適なヒドロキシカロテノイドには、ルテイン、ゼアキサンチン、クリプトキサンチン、ビオラキサンチン、カロテンジオール、ヒドロキシカロテン、ヒドロキシリコピン(hydroxylycopene)、アロキサンチン、デヒドロクリプトキサンチン(dehydrocryptoxanthin)が含まれる。好適なカルボン酸カロテノイドには、ビキシン、ノルビキシン、β−アポ−8−カロテン酸、クロセチン、ジアポカロテン酸、カルボキシルカロテン、アザフリンが含まれる。
上記要約、及び本発明の好適実施例に関する下記の詳細説明は、添付の図面を参照して読むことによってより良く理解されるであろう。本発明を例示する目的で、これらは、現時点において好適な実施例が図面において図示されている。しかしながら、本発明は、図示されている厳密な構成及び装置構成に限定されるものではない。
発明の詳細な説明
本発明は、酸誘導部位とアルコール誘導部位との両方がカロテノイドである新規なクラスのエステルに関する。この開示の目的のために、ここで、「アルコール誘導部位」と「アルコール部位」という用語は、共に、エステル分子の、アルコールから誘導されるフラグメントを指すものと理解することができる。同様に、「酸誘導部位」と「酸部位」という用語は、共に、エステル分子の、カルボン酸から誘導されるフラグメントを指すものと理解することができる。
モノエステル、ジエステル及びポリエステルを含むこの新規なクラスのエステルは、そのアルコール部位と酸部位との両方がカロテノイド化合物である点において公知のエステルと大幅に異なる。従って、本発明によるこれらエステルは、「ハイブリッドカロテノイドエステル」又は「全カロテノイドエステル」と呼称することができる。これらの全カロテノイドエステルは、両部位の合わされた色特性および抗酸化特性を示し、それにより、それら個々のカロテノイド成分よりも優れたものとなっている。それらの極めて高い抗酸化力と際立った脂肪溶解性とにより、これらの全カロテノイドエステルは、着色剤、高効率な抗酸化剤、高生物活性の薬剤、更には、ユニークな導電特性を示すポリマー製品としても有望である。
本発明による前記全カロテノイドエステルは、少なくとも1つのヒドロキシカロテノイドと少なくとも1つのカルボン酸カロテノイドとの組み合わせから調製される。これらのエステルを形成するのに使用可能なヒドロキシカロテノイドは、モノヒドロキシカロテノイド、ジヒドロキシカロテノイド、又はポリヒドロキシカロテノイドとすることができる。限定的であることは意図されないが、ヒドロキシカロテノイドの具体例が表1に示されている。本発明による好適なヒドロキシカロテノイドは、ルテイン、ゼアキサンチン、クリプトキサンチン、ビオラキサンチン、カロテンジオール、ヒドロキシカロテン、ヒドロキシリコピン、アロキサンチン、デヒドロクリプトキサンチンが含まれる。更に好適なヒドロキシカロテノイドには、ルテイン、ゼアキサンチン、クリプトキサンチン、ビオラキサンチンが含まれる。最も好適なヒドロキシカロテノイドは、ルテイン、ゼアキサンチン及びデヒドロクリプトキサンチンである。
Figure 0004108480
本発明による前記カルボン酸カロテノイドは、モノカルボン酸カロテノイド、ジカルボン酸カロテノイド、又はポリカルボン酸カロテノイドとすることができる。限定的であることは意図されないが、カルボン酸カロテノイドの具体例が表2に示されている。好適なカルボン酸カロテノイドは、ビキシン、ノルビキシン、β−アポ−8’−カロテン酸、クロセチン、ジアポカロテン酸、カルボキシルカロテン、及びアザフリンが含まれる。より好適なカルボン酸カロテノイドには、ビキシン、ノルビキシン、クロセチン、及びβ−アポ−8’−カロテン酸が含まれ、ここで、ビキシン、ノルビキシン及びβ−アポ−8’−カロテン酸が最も好適なカルボン酸カロテノイドである。
Figure 0004108480
具体的なカロテノイド化合物と前記エステル化反応に使用される反応カロテノイドの化学量論割合とに依り、得られるカロテノイドエステルは、ジカロテノイドモノエステル、トリカロテノイドジエステル、またはポリカロテノイドポリエステルとすることができる。たとえば、ジカロテノイドモノエステルは、ルテインやゼアキサンチン等のジヒドロキシカロテノイドの1分子と、ビキシンなどのモノカルボン酸カロテノイドの一分子との反応から生成する。トリカロテノイドジエステルは、ジヒドロキシカロテノイドの1分子と、モノカルボン酸カロテノイドの二分子との反応の生成物である。最後に、ポリカロテノイドポリエステルは、ジヒドロキシカロテノイドの複数の分子と、ノルビキシン等のジカルボン酸カロテノイドの複数の分子との反応から生成される。ルテインと、ビキシン、ノルビキシン及びアポカロテン酸とのカロテノイドエステルの可能な組み合わせの具体例を表3に示す。
Figure 0004108480
ルテインおよびビキシン、ルテインモノビキシンエステルおよびルテインジビキシンエステルの反応から形成される二つのエステルの構造式を、それぞれ、図1と図2とに示す。興味深いことに、表3に示した第2のエステル生成物は、ルテインとビキシンとの反応の予想外の副生成物として得られた、無水ルテイン又は3’,4’−デヒドロクリプトキサンチンのビキシンエステルである。この化合物は、ルテインの未反応ヒドロキシル基の脱水反応によって形成された。
前記ジカルボン酸カロテノイドノルビキシンのジヒドロキシカロテノイドルテインによるエステル化は、両反応分子の両側から進行して、ダクロン(DacronTM)と呼ばれている繊維へと紡がれる、エチレングリコールのテレフタル酸によるエステル化によって得られる周知のポリエステル材料と比較可能なポリマーエステルを形成する。本発明の前記ポリカロテノイドポリエステルは、ユニークな抗酸化特性及び光吸収特性を有するのみならず、それらはその高度な不飽和ポリマー性によって、ユニークな導電特性を有するプラスチックでもある。それらは、たとえば、燃料電池、プラスチック回路、発光デバイスやトランジスタ等の新規な用途における電気伝達及び半導体ポリマー用の「分子ワイヤ」として使用可能である。
酸部位とアルコール部位との両方がカロテノイドである前記エステルは、一般的な化学実験室及びアルコールの酸によるエステル化の産業立地において知られているものを含めて、当該分野で公知のエステル化方法によって調製することができる。その第1の方法は、少なくとも1つのヒドロキシカロテノイドを少なくとも1つのカルボン酸カロテノイドと直接反応させる方法を含む。たとえば、ヒドロキシカロテノイドのカルボン酸カロテノイドによるエステル化は、たとえば、ジメチルアミノピリジンの存在下におけるカルボジイミドカップリングによるもの等の公知の触媒技術によって可能である。リパーゼによる酵素的エステル化は、これらのカロテノイドエステルを調製する更に別の方法である。
一好適実施例において、少なくとも1つのカルボン酸カロテノイドの酸塩化物がエステル化の中間物として使用される。この酸塩化物は、三塩化リン又は五塩化リン、塩化チオニル、又は、高反応性塩化ホルミルとの公知の反応等の当該分野で公知である任意の方法によって調製することができる(McGill U.,Tetrahedron Letters (1997)38(37):6489)。更に好適な実施例において、前記酸塩化物は、前記カルボン酸カロテノイドと塩化オキサリルとの反応から調製される。次に、この酸塩化物は、少なくとも1つのヒドロキシカロテノイドと反応されて所望のカロテノイドエステルを形成する。
次に、本発明を、以下の非限定的な例を参照して更に詳述する。
例1
図1に示すルテインモノビキシンエステルを、以下の手順によって合成した。ビキシン(500mg,1.27mmol)を、乾燥ジクロロメタン(50mL)中で、塩化オキサリル(500μL,5.25mmol)とN,N−ジメチルホルムアミド(1滴)との添加によって、ビキシノイル塩化物に変換した。前記混合物を、室温で1時間攪拌し、その後、減圧下で乾燥状態にまで蒸発させてビキシノイル塩化物を生成した。
このビキシノイル塩化物(4mg,25μmol)を、1mLの乾燥トルエン中でルテイン(1mg,1.76μmol)と混合した。ピリジン(1滴)を添加し、その混合物を、室温で6日間攪拌した。エステル化反応を、展開相としてのジクロロメタン中に20%の酢酸エチルを含む、シリカプレートの薄層クロマトグラフィ(TLC)によってモニタした。前記反応ルテインのスポット(Rf=0.2)が、ほぼ消滅し、ほぼ溶媒の前線において流れる新たな極性の低い、赤いスポット(Rf=0.95)が出現した時に、反応は完了したものと見なした。
この段階において、前記混合を停止し、その反応混合物を減圧下で蒸発させた。その乾燥した残渣を、ジエチルエーテル(2mL)中に溶解させ、ジエチルエーテルを溶離液としてシリカカラム上でクロマトグラフにかけた。前記前線に流れる物質を収集し、減圧下で蒸発させて、ルテインモノビキシンエステルを得て、これを、シリカ上でのカラムクロマトグラフィによって精製した。
前記生成物を、ジクロロメタン中に20%の酢酸エチルを含む、シリカ上でのTLCによって分析した結果、Rf=0.95の1つのスポットが得られた。Brucker製AC2SOにおけるCDCl中での250MHzのH核磁気共鳴(NMR)分析によって、3.75ppmでビキシンのメチルエステル共鳴と、7.4ppmと7.95ppmでのビキシンの二重結合のダブレットとが示された。ルテインシグナルは、3.9ppmおよび4.19ppmで見られ、さらに0.7〜1.9ppmで脂肪族プロトン吸収が見られた。3.9ppmから3.15ppmのルテインシグナルの高磁場シフトは、フリーヒドロキシルから結合エステルへの変化を示している。従って、前記精製物は、ビキシンとルテインの組み合わせから形成されたエステルを含有したものであった。APCI技術(大気圧化学イオン化)を使用した質量スペクトルは、ルテインモノビキシンエステル(C6584)と一致する944でのピークを示した。
例2
図2に示すルテインジビキシンエステルを、以下の手順によって合成した。ビキシン(500mg,1.39mmol)を、乾燥トルエン(10mL)中で、塩化オキサリル(1mL,10.5mmol)の添加によって、ビキシノイル塩化物に変換し、窒素雰囲気下で1時間還流し、血のように赤い溶液を得た。前記混合物を、僅かに冷却させ、その後、減圧下で乾燥状態にまで蒸発させてビキシノイル塩化物を生成した。
このビキシノイル塩化物(8mg,19.4μmol)を、1mLの乾燥トルエン中でルテイン(1mg,1.76μmol)と混合した。ピリジンと4−N,N−ジメチルアミノピリジンとの混合物(2滴)を添加し、その混合物を、8時間還流した。エステル化反応を、展開相としてジクロロメタン中に20%の酢酸エチルを含む、シリカプレート上での薄層クロマトグラフィ(TLC)によってモニタした。反応中、前記反応ルテインのスポット(Rf=0.2)が、ほぼ消滅し、ほぼ溶媒の前線において流れる二つの新たな極性の低い、赤いスポット(ルテインモノビキシンエステルRf=0.95とルテインジビキシンエステルRf=0.98)が出現した。反応が完了へと進行するにつれて、Rf=0.98の1つのスポットのみが残った。この段階において、前記混合物を減圧下で蒸発させた。その乾燥した残渣を、ジエチルエーテル(2mL)中に溶解させ、ジエチルエーテルを溶離液としてシリカカラム上でクロマトグラフにかけた。前記前線に流れる物質を収集し、減圧下で蒸発させて、ルテインモノビキシンエステルを得た。
前記エステルを、ジクロロメタン中の20%の酢酸エチルで展開させたシリカ上でのTLCによって分析した結果、Rf=0.99の1つのスポットが得られた。H核磁気共鳴(NMR)分析(Brucker製、250MHz、CDCl)によって、3.7ppmでの共鳴(二倍強度のビキシンメチルエステル共鳴)と、0.6〜1.6ppmでの共鳴(ルテイン共鳴)が示された。APCIで測定された質量スペクトルは、ルテインジビキシンエステル(C90112)と一致する質量1323でのピークを示した。
例3
ルテインモノ−β−アポ−8’−カロテンエステルを、以下のように調製した。β−アポ−8’−カロテン酸の酸塩化物は、例2のビキシノイル塩化物と同様に調製された。前記酸塩化物(1.03g,2.5mmol)をベンゼン(10mL)中で溶解させた。これに、ルテイン(3.7g,6.55mmol)とピリジン(1.2mL,12.8mmol)とのベンゼン(10mL)溶液をアルゴン雰囲気下で添加した。反応を、室温で3日間攪拌した。
前記反応混合物を、エーテル(80mL)で希釈し、希塩酸(0.5M,2×50ml)で洗浄し、乾燥させ(NaSO)、蒸発させた。乾燥フラッシュクロマトグラフィー(ジクロロメタンを添加し、石油エーテル中の20%,40%及び60%酢酸エチルで溶出)によって、生成物を得て、これを質量スペクトル分析したところ、前記エステルルテインモノ−β−アポ−8’−カロテンエステル(C5568)と一致する質量808でのピークが示された。
これらの新規な全カロテノイドエステルは、すべて、その高い油溶性により、油性着色剤として有用である。更に、これらのカロテノイドの分子組み合わせは、又、それらの個々のカロテノイド成分の化学的予防抗がん活性を高め、様々な病状に対して保護することができる。最後に、それらは、それらのカロテノイド成分の抗酸化作用の組み合わせ及び相乗強化作用によって、抗酸化剤としても有用である。たとえば、ルテインジビキシンエステルは、29の炭素−炭素二重結合と4つの炭素−酸素二重結合を有し、それらの内31が、共役タイプである。この全カロテノイドジエステルは、前例の無い光吸収性及び抗酸化特性を示す、知られている最も高度に不飽和化された化合物の1つである。
本発明による前記モノ、ジ、ポリ全カロテノイドエステルは、それらが少なくとも二つのカロテノイド部位を含む故に、新規な化合物である。合成エステル結合によって少なくとも二つのカロテノイドを組み合わせて1つの化合物にすることにより、個々のカロテノイド成分の類似及び相補的特性が最大化される。これらの全カロテノイドエステルは、その成分カロテノイドの個々の活性の合計よりも遥かに大きな抗酸化作用及び生理学的作用を示す。その結果、これらの新規な全カロテノイドエステルは、治療剤、養鶏飼料中の着色剤、油性着色剤として有用である。更に、全カロテノイドポリエステルは、ユニークな電導特性を示す分子ワイヤとして作用することが可能である。
当業者は、以上記載した実施例に対して、その広い発明概念から逸脱することなく、改変を行うことが可能であることを理解するであろう。従って、本発明は、記載した特定の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に規定された本発明の意図と範囲内に於ける変更を含むものであると理解される。
ルテインモノビキシンエステルの構造式。 ルテインジビキシンエステルの構成式。

Claims (3)

  1. 少なくとも1つの酸誘導部位と少なくとも1つのアルコール誘導部位とを有するエステルであって、前記少なくとも1つのアルコール誘導部位が、モノヒドロキシカロテノイド、ジヒドロキシカロテノイド、及びポリヒドロキシカロテノイドから成るグループから選択されるヒドロキシカロテノイドを含み、前記少なくとも1つの酸誘導部位が、モノカルボン酸カロテノイド、ジカルボン酸カロテノイド、及びポリカルボン酸カロテノイドから成るグループから選択されるカルボン酸カロテノイドを含むエステル。
  2. 請求項1のエステルであって、前記ヒドロキシカロテノイドは、ルテイン、ゼアキサンチン、クリプトキサンチン、ビオラキサンチン、カロテンジオール、ヒドロキシカロテン、ヒドロキシリコピン、アロキサンチン、デヒドロクリプトキサンチンから成るグループから選択されるエステル。
  3. 請求項1のエステルであって、前記カルボン酸カロテノイドは、ビキシン、ノルビキシン、β−アポ−8’−カロテン酸、クロセチン、ジアポカロテン酸、カルボキシルカロテン、およびアザフリンから成るグループから選択されるエステル。
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