JP4107773B2 - セメント混和材及びセメント組成物 - Google Patents

セメント混和材及びセメント組成物 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、主に、土木・建築業界において使用されるセメント混和材及びセメント組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
セメントは安価でしかも、大きなコンクリート構造物を任意の形に造れる優れた材料である。更に、セメント混和材を併用することによって、構造物の強度や耐久性を向上させることが可能である。此までにセメント混和材は数多く提案されているが、最も使用されているものとしては、コンクリートに膨張性を付与するセメント混和材がある。ここで、コンクリートとは、セメント、モルタル及びコンクリートを総称するものである。
【0003】
コンクリート構造物に膨張性を付与するセメント混和材としては、例えば、CaO-Al2-SO3系化合物を有効成分とするものが知られている(特公昭42-21840号公報、特公昭42-19473号公報、特公昭53-16007号公報等)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、これらのセメント混和材は、生コンプラントにおいて開袋投入されてコンクリートへ混和されているため、場合によってはセメント混和材が充分に混練されないままに出荷されてしまうことがある。このような場合には、セメント混和材がコンクリート中へ均一に分散せずにダマになり、硬化後のコンクリートが局所的に異常膨張を起こし、硬化体表面が巨視的に膨れ上がったり、剥離、落下したりする、いわゆるポップアウト現象を引き起こすことが問題視されている。
【0005】
ポップアウト現象を防止する方法としては、セメント混和材に予め不活性な無機粉末などを混和しておき、セメント混和材が充分に混練されなくても、膨張成分同志が凝集してダマにならず、ある程度の分散が期待できるようにしておく方法が考えられるが、不活性な無機粉末を混和することにより、膨張成分が希釈され、要求性能を付与するためのセメント混和材の配合量が増加してしまうという問題が生じる。
【0006】
最近では、膨張性を付与するセメント混和材に要求される性能は益々高まってきている。即ち、配合量が少なくても優れた膨張性能を付与できるセメント混和材の開発が待たれているのが実状である。従って、ポップアウト現象を防止するためとはいえ、セメント混和材の配合量が増加してしまう方法は有益ではなく、配合量を増加させずにポップアウト現象を防止できる方法を見出す必要がある。
【0007】
一方、コンクリートに防水性を与えるセメント混和材も求められている。そこで、本発明者らは、このような状況を鑑み、前記課題を解消すべく種々検討した結果、特定の膨張物質と、脂肪酸及び/又はそれらの塩類と、シリカ質微粉末及び/又は石灰石微粉末とを配合することによって前記課題を解消できるセメント混和材が得られることを知見し、本発明を完成するに至った。
【0008】
【課題を解決するための手段】
即ち、本発明は、遊離石灰、アウイン、及び無水セッコウを主要な構成化合物とし、CaO、Al2O3及びSO3の3成分からなる化学組成の百分率において、CaOが57重量%以上、Al2O3が5〜15重量%、SO3が28重量%以下であり、全成分の化学組成の百分率において、MgOが2重量%未満である膨張物質と、脂肪酸及び/又はそれらの塩と、シリカ質微粉末及び/又は石灰石微粉末とを含有してなるポップアウト抑制セメント混和材であり、膨張物質の遊離石灰含有量が30重量%以上である該ポップアウト抑制セメント混和材であり、膨張物質の無水セッコウ含有量が40重量%以下である該ポップアウト抑制セメント混和材であり、更に、セメントと、該ポップアウト抑制セメント混和材とを含有してなるセメント組成物である。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を更に詳細に説明する。
【0010】
本発明の膨張物質は、CaO、Al23及びSO3を主成分として遊離石灰、アウイン及び無水セッコウを主要な構成化合物とし、CaO、Al23及びSO3の3成分からなる百分率において、CaOが57重量%以上、Al23が5〜15重量%、SO3が28重量%以下であり、全成分の化学組成の百分率において、MgO含有量が2重量%未満であることを特徴としている。CaOは60〜80重量%が好ましく、65〜75重量%がより好ましい。また、SO3は10〜25重量%が好ましく、15〜20重量%がより好ましい。MgO量は2重量%未満であり、1.5重量%以下がより好ましい。MgO量が2重量%以上になると、長期耐久性が悪くなる恐れがある。
【0011】
本発明の膨張物質の構成化合物であるが、遊離石灰とアウインと無水セッコウを主要な構成化合物としている。アウインとは、3CaO・3Al23・CaSO4で表される化合物を意味するものである。本発明では、遊離石灰含有量は30重量%以上が好ましく、40重量%以上がより好ましい。遊離石灰含有量が30重量%未満では優れた膨張性能が得られない場合がある。又、無水セッコウ含有量は40重量%以下が好ましく、35重量%以下がより好ましい。無水セッコウ含有量が40重量%を超えると、製造時に発生するSOXが多くなるばかりでなく、優れた膨張性能が得られない場合がある。
【0012】
本発明の膨張物質は、CaO原料、Al2O3原料及びCaSO4原料を配合して熱処理することによって製造できる。CaO原料としては、石灰石や消石灰等が挙げられ、Al2O3原料としては、ボーキサイトやアルミ残灰等が挙げられ、CaSO4原料としては、二水セッコウ、半水セッコウ及び無水セッコウ等が挙げられる。熱処理方法としては、ロータリーキルンや電気炉等を使用することによって行うことができ、熱処理温度は1,100〜1,600℃程度の範囲が好ましく、1,200〜1,400℃程度がより好ましい。1,100℃未満では、得られた膨張物質の膨張性能が十分でない場合があり、1,600℃を超えると揮散するSOxが多くなるばかりでなく、優れた膨張性能が得られない場合がある。
【0013】
本発明において、膨張物質中に存在する不純物は、その総量が本発明の目的を実質的に阻害しない範囲、例えば、10重量%程度以下であることが好ましい。不純物の具体例としては、SiO2、フッ素化合物、塩素化合物、TiO2、Na2O、K2O、MgO、Fe23、B23、P25等が挙げられる。これらの中で特に、MgO量は前述の通り、2重量%未満であるが、SiO2量についても5重量%以下が好ましく、3重量%以下がより好ましい。SiO2量が5重量%を超えると、本発明の効果、即ち、優れた膨張性能が得られない場合がある。
【0014】
本発明の膨張物質の粒度は、特に限定されるものではないが、通常、ブレーン比表面積で1500〜6000cm2/gが好ましく、2500〜4000cm2/gがより好ましい。1500cm2/g未満では、強度発現性が悪くなる場合があり、6000cm2/gを超えると優れた膨張性能が得られない場合がある。
【0015】
本発明では脂肪酸及び/又はそれらの塩(以下、脂肪酸類という)を使用する。
ここで、本発明の脂肪酸とは、一般に、RCOOH(Rは飽和又は不飽和の炭化水素)で表される化合物を総称するものであり、特に限定されるものではないが、その具体例としては、例えば、ラウリン酸、ミリスチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、ベヘニン酸、パルミチン酸等が挙げられる。又、本発明では、これら脂肪酸の塩類も使用可能であり、その具体例としては、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、アルミニウム塩等が挙げられる。更に、脂肪酸は天然油脂として入手することもでき、その具体例としては、例えば、大豆油、ヤシ油、パーム油、オリーブ油、アマニ油、綿実油、ナタネ油、キリ油、ヒマシ油、牛脂、スクワラン、ラノリン、硬化油等が挙げられる。本発明ではこれらのうちの1種又は2種以上が使用可能である。
【0016】
脂肪酸類は、ポップアウトの抑制効果を助長するばかりでなく、貯蔵安定性を良好にする作用も有する。即ち、本発明のポップアウト抑制セメント混和材(以下、単にセメント混和材という)に含有される膨張物質の風化を抑制するものである。
【0017】
本発明のシリカ質微粉末とは、特に限定されるものではないが、シリカフューム、高炉スラグ、フライアッシュ、ケイソウ土、溶融シリカ等のシリカダスト等を総称するものである。シリカ質微粉末は、ポップアウト現象の抑制効果ばかりでなく、コンクリートの防水性を向上させる効果も有する。
【0018】
本発明の石灰石微粉末とは、特に限定されるものではないが、天然に産出する炭酸カルシウムを主成分とする鉱石を総称するものである。石灰石微粉末は、シリカ質微粉末のように、防水性を向上させる効果は有しないが、ポップアウト現象の抑制効果は十分に有し、更に、地域によっては安価に入手できるという利点がある。
【0019】
本発明のシリカ質微粉末及び/又は石灰石微粉末の粒度は、特に限定されるものではないが、通常、ブレーン比表面積で3000〜9000cm2/gが好ましく、3500〜6000cm2/gがより好ましい。3000cm2/g未満では、十分なポップアウト現象の抑制効果が得られない場合があり、9000cm2/gを超えても更なる効果の増進が期待できず、経済的負担も大きくなる。
【0020】
本発明のセメント混和材中の膨張物質と、脂肪酸類と、シリカ質微粉末及び/又は石灰石微粉末の配合割合は、特に限定されるものではないが、通常、セメント混和材100重量部中、膨張物質は50〜95重量部が好ましく、60〜90重量部がより好ましい。膨張物質が50重量部未満では、十分な膨張性能が得られない場合があり、95重量部を超えると、十分なポップアウト現象の抑制効果や、防水性の向上の効果が得られない場合がある。脂肪酸類の配合割合は、0.005〜5重量部が好ましく、0.05〜1重量部がより好ましい。0.005重量部未満では、十分なポップアウトの抑制効果や貯蔵安定性が得られない場合があり、5重量部を超えると強度発現性が悪くなる場合がある。又、シリカ質微粉末及び/又は石灰石微粉末は、5〜50重量部が好ましく、10〜40重量部がより好ましい。5重量部未満では、十分なポップアウト現象の抑制効果や、防水性の向上の効果が得られない場合があり、50重量部を超えると十分な膨張性能が得られない場合がある。但し、セメント混和材100重量部中の配合割合において、脂肪酸類の配合量は膨張物質の配合量から差し引いて調整することとする。
【0021】
本発明のセメント混和材の粒度は、特に限定されるものではないが、通常、ブレーン比表面積で2500〜6000cm2/gが好ましく、3000〜5000cm2/gがより好ましい。2500cm2/g未満では、十分なポップアウト現象の抑制効果が得られない場合があり、6000cm2/gを超えると優れた膨張性能が得られない場合がある。
【0022】
本発明のセメント混和材の配合量は、特に限定されるものではないが、通常、セメントとセメント混和材からなるセメント組成物100重量部中、3〜12重量部が好ましく、5〜9重量部がより好ましい。3重量部未満では本発明の効果が十分に得られない場合があり、12重量部を超えて使用すると、強度発現性が悪くなる場合がある。
【0023】
本発明に係るセメントとしては、普通、早強、超早強及び中庸熱等の各種ポルトランドセメント、これらポルトランドセメントに高炉スラグ、フライアッシュ、及びシリカを混合した各種混合セメント、低熱セメント、石灰石粉末等を混合したフィラーセメント、並びにアルミナセメント等が挙げられ、これらのうちの1種又は2種以上が使用可能である。
【0024】
本発明では、本発明のセメント混和材とセメントの他に、砂、砂利等の骨材、減水剤、AE減水剤、高性能減水剤、高性能AE減水剤、消泡剤、増粘剤、防錆剤、防凍剤、収縮低減剤、高分子エマルジョン、凝結調整剤、セメント急硬材、ベントナイトやゼオライト等の粘土鉱物、ハイドロタルサイト等のイオン交換体等のうちの1種又は2種以上を、本発明の目的を実質的に阻害しない範囲で使用することが可能である。
【0025】
本発明において、各材料の混合方法は特に限定されるものではなく、それぞれの材料を施工時に混合しても良いし、予め一部を、或いは全部を混合しておいても差し支えない。混合装置としては、既存の如何なる装置も使用可能であり、例えば、傾胴ミキサー、オムニミキサー、ヘンシェルミキサー、V型ミキサー及びナウターミキサー等の使用が可能である。
【0026】
【実施例】
以下、実施例により本発明を詳細に説明する。
【0027】
実施例1
試薬特級のCaO原料、Al23原料及びCaSO4原料を配合して、電気炉を用いて、1350℃で2時間熱処理することにより、表1に示す様々な組成の膨張物質を製造し、ブレーン比表面積3500±200cm2/gに粉砕した。これら膨張物質74.5重量部と、脂肪酸類A0.5重量部と、石灰石微粉末25重量部とを混合してセメント混和材とし、セメントとセメント混和材からなるセメント組成物100重量部中、セメント混和材を7重量部を配合し、単位セメント組成物量が300kg/m3、水/セメント組成物比=62%、s/aが45%のコンクリートを調製し、膨張率の測定及びポップアウト試験を行った。尚、膨張物質を粉末X線回折法(XRD)により同定し、遊離石灰、アウイン及び無水セッコウが主要な構成化合物であることを確認した。又、化学組成は化学分析により求め、化合物組成は化学分析の結果より、計算によって算出した。化学組成より算出した化合物組成を表2に、試験結果を表3に示した。
【0028】
<使用材料>
セメントα:市販普通ポルトランドセメント
脂肪酸類A:市販ステアリン酸
石灰石微粉末:新潟県青海鉱山産石灰石をブレーン比表面積5000cm2/gに粉砕したもの。
水:水道水
砂:新潟県姫川産、比重2.62
砂利:新潟県姫川産、比重2.64
CaO原料:試薬特級炭酸カルシウム
Al23原料:試薬特級酸化アルミニウム
CaSO4原料:試薬特級無水セッコウ
<測定方法>
化学分析:JIS R 5202に準じて測定。
化合物組成:遊離石灰含有量をJIS R 5202に準じて測定し、それ以外の化合物については計算によって求めた。即ち、Fe23量からC4AF量を算出し、全Al23量からC4AFに含有されるAl23量を差し引いて、残りのAl23量からアウイン量を算出した。次いで、全SO3量からアウインに含有されるSO3量を差し引いて、残りのSO3量から無水セッコウ量を算出した。
膨張率:JIS A 6202 Bに準じて測定。
ポップアウト試験:セメント混和材を添加しないで予めコンクリートを調製しておき、傾胴ミキサにこのコンクリートを入れ、12回転/分の速さでミキサーをアジテートしながらセメント混和材を後添加し、10分間後に排出して、縦1m、横50cm、高さ10cmの型枠内へ打設しポップアウト現象を観察した。
【0029】
【表1】
Figure 0004107773
【0030】
【表2】
Figure 0004107773
【0031】
【表3】
Figure 0004107773
【0032】
表3より、本発明のセメント混和材は、膨張性能に優れ、しかもポップアウト現象を防止していることが判る。
【0033】
実施例2
工業原料であるCaO原料、Al23原料及びCaSO4原料を配合して、ロータリーキルンを用いて、温度1400℃で熱処理することによって、表4に示す様々な組成のクリンカーを製造したこと以外は、実施例1と同様に行った。表5に化学組成から算出した化合物組成を示す。膨張率の測定結果を表6に示す。
【0034】
<使用材料>
CaO原料:新潟県青海鉱山産石灰石
Al23原料:中国産ボーキサイト
CaSO4原料:タイ産天然無水セッコウ
市販品:遊離石灰、アウイン及び無水セッコウを主要な構成化合物とするセメント混和材。
【0035】
【表4】
Figure 0004107773
【0036】
【表5】
Figure 0004107773
【0037】
【表6】
Figure 0004107773
【0038】
表6より、本発明のセメント混和材は、膨張性能に優れ、しかもポップアウト現象を防止していることが判る。
【0039】
実施例3
膨張物質cと石灰石微粉末を使用し、脂肪酸類の種類とセメント混和材100重量部中の配合割合を表7に示すように変えたこと以外は、実施例2と同様に行った。但し、石灰石微粉末の配合量を25重量部一定とし、脂肪酸類の量を変えた場合は、膨張物質cの量を調整した。セメント混和材の貯蔵安定性を確認するために、セメント混和材を紙袋に入れてミシン縫いで閉袋して温度20℃、相対湿度80%の試験室内で貯蔵した。表7に示す貯蔵期間において、コンクリートの膨張率測定を行い貯蔵安定性を確認した。その結果を表7に併記する。
【0040】
<使用材料>
脂肪酸類B:市販オレイン酸
脂肪酸類C:市販ラウリン酸
脂肪酸類D:市販ヤシ油
脂肪酸類E:市販パーム油
脂肪酸類F:市販牛脂
脂肪酸類G:市販ステアリン酸ナトリウム
脂肪酸類H:市販オレイン酸ナトリウム
脂肪酸類I:脂肪酸類Aと脂肪酸類Dの等重量混合物
脂肪酸類J:脂肪酸類Aと脂肪酸類Dと脂肪酸類Hの等重量混合物
【0041】
【表7】
Figure 0004107773
【0042】
表7より、本発明のセメント混和材は、脂肪酸類を使用しない比較例と比べ、貯蔵期間が長くても膨張率の低下が少なく、しかもポップアウト現象を防止していることが判る。
【0043】
実施例4
膨張物質cと脂肪酸類Aを使用し、表8に示すシリカ質微粉末及び/又は石灰石微粉末の種類と量を変えて、セメント混和材としたこと以外は、実施例2と同様に行った。但し、脂肪酸類Aの配合割合は0.5重量部として一定とした。尚、防水性試験も併せて実施した。その結果を表8に併記する。
【0044】
<使用材料>
シリカ質微粉末イ:市販高炉スラグをブレーン比表面積5000cm2/gに粉砕したもの。
シリカ質微粉末ロ:市販シリカフューム、ブレーン比表面積200000cm2/g。
シリカ質微粉末ハ:市販フライアッシュをブレーン比表面積5000cm2/gに粉砕したもの。
シリカ質微粉末ニ:市販のケイソウ土をブレーン比表面積5000cm2/gに粉砕したもの。
シリカ質微粉末ホ:シリカ質微粉末イとシリカ質微粉末ロの等重量混合物、ブレーン比表面積102500cm2/g。
シリカ質微粉末ヘ:シリカ質微粉末ロと石灰石微粉末の等重量混合物、ブレーン比表面積102500cm2/g。
<測定方法>
防水性試験:φ15×30cm、中心孔の直径2.0cmの円空供試体を作製し、材齢1日で脱型後、材齢7日までの6日間水中養生を施した後、透水性試験を実施した。試験はアウトプット方法とし、試験体外側から水圧10kg/cm2を48時間加え、中心孔からにじみ出る水量を測定し、セメント混和材を混和しないコンクリートの透水量を100とした時の相対値を透水比として表した。
【0045】
【表8】
Figure 0004107773
【0046】
表8より、本発明のセメント混和材は、膨張性能に優れ、しかもポップアウト現象を防止し、防水性が高いことが判る。
【0047】
実施例5
セメント混和材c74.5重量部と、脂肪酸類A0.5重量部と、シリカ質微粉末ロ25重量部からなるセメント混和材を使用し、セメント組成物100重量部に対するセメント混和材の配合量を表9に示すように変えたこと以外は、実施例2と同様に行った。その結果を表9に併記する。
【0048】
【表9】
Figure 0004107773
【0049】
表9より、本発明のセメント混和材を配合したコンクリートは、配合量が増加するに伴い膨張率は高まり、ポップアウト現象を防止すると共に、防水性が高くなることが判る。
【0050】
実施例6
工業原料であるCaO原料、Al23原料、CaSO4原料及びMgO原料を配合して、ロータリーキルンを用いて、温度1400℃で熱処理することによって、表10に示すMgO量の異なる膨張物質を製造し、ブレーン比表面積3500±200cm2/gに粉砕した。膨張物質74.5重量部と、脂肪酸類A0.5重量部と、シリカ質微粉末ロ25重量部とを混合してセメント混和材とし、セメントとセメント混和材からなるセメント組成物100重量部中、セメント混和材を10重量部配合し、水/セメント組成物比=25%、砂/セメント組成物比=1/2のモルタルを調製し、モルタルの長期安定性を観察した。但し、市販の高性能減水剤をセメント組成物に対して1.2%使用した。又、モルタルの養生は、材齢1日で脱型後、6ヶ月間20℃の水中養生とした。その結果を表11に示す。
【0051】
<使用材料>
MgO原料:中国産ドロマイト
高性能減水剤:市販ポリカルボン酸系
【0052】
【表10】
Figure 0004107773
【0053】
【表11】
Figure 0004107773
【0054】
表11より、本発明のセメント混和材を配合した低水セメント組成物比のモルタルは、優れた膨張性能を示しているが、MgO量の多いセメント混和材を配合した比較例のコンクリートは、クラックの発生や膨張破壊を生じていることが判る。
【0055】
【発明の効果】
本発明のセメント混和材は、モルタルやコンクリートへの配合量が少なくても、優れた膨張性能を付与し、ポップアウト現象の防止、防水性の向上が可能であるばかりでなく、貯蔵安定性が良好なため長期に亘って高品質を保つことが可能となる。又、低水セメント組成物比で使用しても未反応物の残存による膨張破壊を起こさない、長期安定性に優れたモルタルやコンクリートとすることができる。

Claims (4)

  1. 遊離石灰、アウイン及び無水セッコウを主要な構成化合物とし、CaO、Al2O3及びSO3の3成分からなる化学組成の百分率において、CaOが57重量%以上、Al2O3が5〜15重量%、SO3が28重量%以下であり、全成分の化学組成の百分率において、MgOが2重量%未満である膨張物質と、脂肪酸及び/又はそれらの塩と、シリカ質微粉末及び/又は石灰石微粉末とを含有してなるポップアウト抑制セメント混和材。
  2. 膨張物質の遊離石灰含有量が30重量%以上である請求項1記載のポップアウト抑制セメント混和材。
  3. 膨張物質の無水セッコウ含有量が40重量%以下である請求項1又は2記載のポップアウト抑制セメント混和材。
  4. セメントと、請求項1乃至3の何れかに記載のポップアウト抑制セメント混和材とを含有してなるセメント組成物。
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