JP2007269556A - 膨張性混和材及び当該混和材を用いた膨張性コンクリート - Google Patents
膨張性混和材及び当該混和材を用いた膨張性コンクリート Download PDFInfo
- Publication number
- JP2007269556A JP2007269556A JP2006097625A JP2006097625A JP2007269556A JP 2007269556 A JP2007269556 A JP 2007269556A JP 2006097625 A JP2006097625 A JP 2006097625A JP 2006097625 A JP2006097625 A JP 2006097625A JP 2007269556 A JP2007269556 A JP 2007269556A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- concrete
- admixture
- expanding
- expansion
- expandable
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Abstract
【解決手段】 膨張性混和材は、任意の膨張材100質量部に対し、無機質鉱物微粉末50〜300質量部含有することものであり、好適には、無機質鉱物微粉末は石灰石微粉末及び/又は珪石微粉末を使用する。かかる膨張性混和材を生コンプラント等で用いることで膨張性コンクリートを得る。
【選択図】 図1
Description
従って、これらのコンクリート構造物においては、初期の養生過程における乾燥収縮、自己収縮や温度応力に起因するひび割れを主として抑制もしくは防止する必要がある。
かかる膨張コンクリートは、従来、生コンクリートプラントにおいてセメント、骨材、混和材及び膨張材を練り混ぜて製造した後、アジテート車に積載されて打設現場へ出荷されている。
しかし、膨張セメントは一定の質量割合(膨張材の質量/(セメントの質量+膨張材の質量)が一定)で膨張材を含むので、単位膨張材量が使用される単位セメント量によって増減することになり、その単位膨張材量が変化すると、膨張コンクリートの膨張率も変化することとなる。
しかしながら、単位膨張材当たりの膨張エネルギーは従来の膨張材に比べて大きいので、高性能膨張材の計量誤差又は計量ミスによって過少又は過大な膨張率を生じる恐れがあり、特に、低温において過大な膨張率を生じると強度発現が著しく損なわれる。この傾向は、使用するセメントの種類によっては増幅されることとなる。
また、高性能膨張材はその単位膨張材量が少ないので、練混ぜ時に均一性を得るのに必要な練混ぜ時間を通常の膨張材に比べても長時間にする必要がある。
特開2003−292356号公報では、膨張材を含有させた平均粒径が2〜15mmに造粒された粒状膨張材が開示されているが、生コンプラント等で使用しようとすると、人力による投入にたよらざるを得ず、上記問題が解決されていない。
また、粒状膨張材とすると練混ぜ時間を通常の倍以上としないと生コンクリート中に均一に分散せず、硬化後のコンクリート表面にポップアウトなどの異常が発生する場合がある。
更に、生コンクリートの練混ぜ時間が長くなり、製造能力の著しい低下をもたらすという問題がある。
また、スラリーの供給用配管を使用の都度清掃しないと、供給用配管に付着したスラリーが固化し、それが生コンクリート中に分散されずに残ると、硬化後のコンクリート表面にポップアウトなどの異常が発生する場合がある。
請求項1記載の膨張性混和材は、従来の任意の膨張材100質量部に対し、無機質鉱物微粉末50〜300質量部含むことを特徴とする。
請求項2記載の膨張性混和材は、前記請求項1記載の膨張性混和材において、無機質鉱物微粉末が石灰石微粉末及び/又は珪石微粉末であることを特徴とする。
請求項3記載の膨張性コンクリートは、請求項1及び2記載の膨張性混和材を含有することを特徴とする。
また、本発明の膨張性コンクリートは、生コンプラントやコンクリート製品工場等で人力によらずに、前記本発明の膨張性混和材を既存の供給装置等を用いて製造することができ、膨張量にむらがなく、安定した膨張性コンクリートが得られる。
具体的には、生コンプラントで、例えば無機質鉱物微粉末の貯蔵容器から無機質粉末を抜き取り、当該容器を膨張性混和材の貯蔵容器として使用すれば、新たな貯蔵容器を必要とせず、膨張コンクリートを製造するができ、使用後は、膨張性混和材を抜き取り、無機質鉱物微粉末で洗浄し、その洗浄した無機質鉱物微粉末を膨張性混和材の製造時に使用して、無駄なく有効に利用することも可能となる。
本発明の膨張性混和材は、膨張材100質量部に対して、無機質微粉末を50〜300質量部含むものである。
このような構成とすることで、所定の膨張率に適切に制御できるので、膨張コンクリートを生コンプラント等で製造するのに容易に適用することができ、計量も容易であるのでコンクリート打設現場においてもコンクリートの膨張量を制御することが可能となる。
好ましくは、汎用性や造粒体の製造性の点から、カルシウムサルホアルミネート系の膨張材を用いることが望ましく、例えば、住友大阪セメント株式会社製の商品名SACSやスーパーサクス等が市場で入手することができる膨張材として例示することができ、下記表1に、代表的な石灰系膨張材とともにその組成を示す。
このように、セメントと結合性を有さない無機質粉末を用いることにより、セメントとの結合がなくなることで、コンクリート硬化体の緻密さが過度に増強することなく、所望するコンクリートの膨張量が得られることとなる。
これらの無機質粉末としては、不純物が少なく成分が安定しているものが好適であり、石灰石微粉末、珪石微粉末、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム等が挙げられる。
例えば、石灰石微粉末としては、下記表2に示すように、(社)日本コンクリート工学協会のコンクリート用石灰石微粉末品質規格に合致する石灰石微粉を使用することが可能であり、CaCO3が90質量%以上、より好ましくは95質量%以上であり、ブレーン比表面積は2500cm2/g以上、好ましくは4000〜9000cm2/gで、さらに好ましくは5000〜8000cm2/gのものが使用できる。
また、珪石微粉末としては、87質量%以上、より好ましくは92質量%以上であり、ブレーン比表面積は好ましくは3000〜5500cm2/gで、より好ましくは3750〜4750cm2/gのものが使用できる。かかる条件の石灰石微粉末を使用することにより、人力による材料投入がなく、生コンプラントの貯蔵容器・計量装置をそのまま使用できるとともに、膨張材の計量誤差又は計量ミスに対して膨張率の変化率が鈍感であり、製造コストの大幅な削減を可能という利点を有する膨張混和材が得られる。
かかる無機質粉末は、コンクリートを製造する際に配合される細骨材の代替品としても用いることができるので、配合設計時の計算も容易となる。
このような混合割合とすることにより人力による材料投入がなく、生コンプラントの貯蔵容器・計量装置をそのまま使用できるとともに、膨張材の計量誤差又は計量ミスに対して膨張率の変化率が鈍感であり、製造コストの大幅な削減を可能という利点が得られる。
特にJIS A 6202に規定される膨張材と、上記結合性を有さない無機質微粉末との混合割合は、膨張材の量が多いと計量誤差や計量ミスによる膨張制御が困難となり、結合性を有さない無機質微粉末が多いと膨張コンクリートを製造する際の細骨材に対する置換割合が多くなりすぎ、細骨材に比べて微粉であるため、製造したコンクリートの粘性が高くなりすぎるので、このような影響を及ぼさない範囲で決定される。
このようにして得られた本発明の膨張性混和材は、生コンプラント等の既存の計量・供給装置を用いて生コンプラント等で製造される膨張性コンクリートに有効に適用することができる。
本発明の膨張性混和材は、セメント、骨材及び水や、必要に応じて添加される混和材(例えば、ポリカルボン酸系やメラミン系、リグニンスルホン酸系、変性ポリオール複合体等)と共に配合される。
このように、膨張材の計量誤差又は計量ミスに対して膨張率の変化率が鈍感であり、万が一多少の膨張材の計量誤差又は計量ミスが生じても、膨張性コンクリートの過大な膨張率を生じせしめることなく、安定な膨張率が得られる膨張コンクリートが容易に得られる。
(使用材料)
膨張性混和材及び膨張コンクリートを調製するにあたり、以下の材料を使用した。
セメント(C):中庸熱ポルトランドセメント(住友大阪セメント社製)
市販膨張材:商品名スーパーサクス(住友大阪セメント社製)
石灰石微粉末:ブレーン比表面積5345cm2/g、CaCO3が98.7質量%(住友大阪セメント社製)
膨張性混和材:スーパーサクスと石灰石微粉末を1:1で混合
細骨材(S):粗粒率2.73の海砂
粗骨材(G):粗粒率6.75の砕石2005
AE減水剤:商品名ポゾリスNo.70(NMB社製)、水道水で4倍液としコンクリート1m3のセメント質量に対し1%添加
水:水道水
(膨張性混和材の調製)
上記市販膨張材と石灰石微粉末を表3に示す配合割合にてV型ミキサを用いて混合して、膨張性混和材を得た。
次いで、前記市販膨張材及び膨張性混和材を用いて、膨張性コンクリートを製造した。
ただし、既存の生コンプラントの混和材供給・計量装置によって膨張材を使用して計量誤差が若干生じた場合を想定して、各膨張材の標準的な単位膨張材使用量40kg/m3に対して5kg/m3それぞれ増減した膨張性コンクリートを製造した。
実施例としては、含有される膨張材スーパーサクスの標準使用量である単位膨張材量20kg/m3で混合(石灰石微粉末と1:1で混合したものを40kg/m3で混合)したコンクリートを実施例2とし、これに対して質量計量誤差5kg/m3増減した膨張性コンクリート、すなわち、単位膨張材量17.5kg/m3(石灰石微粉末と1:1で混合したものを35kg/m3)と、22.5kg/m3(石灰石微粉末と1:1で混合したものを45kg/m3)で配合したコンクリートをそれぞれ実施例1、実施例3とした。
上記実施例1〜3、比較例1〜3で得られたコンクリート、及び参照例として示す生コンクリートの膨張率と圧縮強度の測定結果を図1及び図2に示す。
但し、膨張率は、環境温度5℃の恒温室において、JIS A 6202「コンクリート用膨張材」の附属書2のA法により測定された値で表す。
また、圧縮強度はJIS A 1132「コンクリートの強度試験用供試体の作り方」によって作製されたφ10×20cmの円柱供試体を5℃で28日間水中養生した後、JIS A 1108「コンクリートの圧縮強度試験方法」によって測定された値で示す。
従って、生コンプラント等に設置されている通常の混和材の供給・計量装置をそのまま使用でき、多少の膨張材の計量誤差又は計量ミスが生じても、過大な膨張率を生じせしめることなく、安定な膨張率を得られることがわかる。
また、本発明の膨張性コンクリートは、鉄筋コンクリート構造物、鉄筋コンクリート建築物、鉄筋鉄骨コンクリート建築物及びプレストレストコンクリート構造物(以下、RC構造物等)のひび割れ抑制又は防止に適用することができる。
Claims (3)
- 膨張材100質量部に対し、無機質鉱物微粉末50〜300質量部含むことを特徴とする膨張性混和材。
- 請求項1記載の膨張性混和材において、無機質鉱物微粉末が石灰石微粉末及び/又は珪石微粉末であることを特徴とする、請求項1記載の膨張性混和材。
- 請求項1又は2記載の膨張性混和材を含有する膨張性コンクリート。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006097625A JP2007269556A (ja) | 2006-03-31 | 2006-03-31 | 膨張性混和材及び当該混和材を用いた膨張性コンクリート |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006097625A JP2007269556A (ja) | 2006-03-31 | 2006-03-31 | 膨張性混和材及び当該混和材を用いた膨張性コンクリート |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2007269556A true JP2007269556A (ja) | 2007-10-18 |
Family
ID=38672734
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2006097625A Pending JP2007269556A (ja) | 2006-03-31 | 2006-03-31 | 膨張性混和材及び当該混和材を用いた膨張性コンクリート |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2007269556A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2019003985A1 (ja) * | 2017-06-29 | 2019-01-03 | デンカ株式会社 | 膨張性セメント組成物、モルタル、及びコンクリート |
Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001114541A (ja) * | 1999-10-14 | 2001-04-24 | Denki Kagaku Kogyo Kk | セメント混和材及びセメント組成物 |
JP2001122650A (ja) * | 1999-10-22 | 2001-05-08 | Denki Kagaku Kogyo Kk | セメント混和材及びセメント組成物 |
JP2001151547A (ja) * | 1999-11-25 | 2001-06-05 | Denki Kagaku Kogyo Kk | セメント混和材及びセメント組成物 |
JP2002029796A (ja) * | 2000-07-18 | 2002-01-29 | Denki Kagaku Kogyo Kk | セメント混和材及びセメント組成物 |
-
2006
- 2006-03-31 JP JP2006097625A patent/JP2007269556A/ja active Pending
Patent Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001114541A (ja) * | 1999-10-14 | 2001-04-24 | Denki Kagaku Kogyo Kk | セメント混和材及びセメント組成物 |
JP2001122650A (ja) * | 1999-10-22 | 2001-05-08 | Denki Kagaku Kogyo Kk | セメント混和材及びセメント組成物 |
JP2001151547A (ja) * | 1999-11-25 | 2001-06-05 | Denki Kagaku Kogyo Kk | セメント混和材及びセメント組成物 |
JP2002029796A (ja) * | 2000-07-18 | 2002-01-29 | Denki Kagaku Kogyo Kk | セメント混和材及びセメント組成物 |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2019003985A1 (ja) * | 2017-06-29 | 2019-01-03 | デンカ株式会社 | 膨張性セメント組成物、モルタル、及びコンクリート |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5165873B2 (ja) | 鉄筋継手用充填材を用いた鉄筋継手充填施工方法 | |
EP3385241B1 (en) | Hydraulic binder composition with very low shrinkage | |
JP2004203733A (ja) | モルタル・コンクリートの製造方法、及びモルタル・コンクリートの製造に用いられるセメント | |
KR101052602B1 (ko) | 유동화 컴파운드를 이용한 고성능 바닥용 모르타르 조성물 및 이의 제조방법 | |
JP2008094679A (ja) | グラウト組成物およびそれを用いたグラウト材料 | |
JP2017081763A (ja) | シリカフューム含有セメント組成物 | |
AU739884B2 (en) | Cement composition, concrete using the same and method of manufacturing concrete product | |
JP6694313B2 (ja) | 速硬コンクリートの製造方法 | |
JP2011148647A (ja) | シリカフュームスラリーを用いた高強度コンクリート組成物及びその製造方法 | |
JP5227161B2 (ja) | セメント混和材及びセメント組成物 | |
JP2005047772A (ja) | モルタル組成物 | |
JP2007269556A (ja) | 膨張性混和材及び当該混和材を用いた膨張性コンクリート | |
JP2006282435A (ja) | 高強度コンクリート | |
JP5863296B2 (ja) | 超高強度セメント系硬化体の製造方法 | |
JP2008230890A (ja) | グラウト又はモルタル材 | |
JP2011184222A (ja) | コンクリートの乾燥収縮低減方法及びコンクリートの製造方法 | |
JP2007076944A (ja) | 自己充填コンクリートの製造方法 | |
JP4028966B2 (ja) | セメント系組成物の製造方法 | |
JPS63129052A (ja) | セメント系セルフレベリング材組成物 | |
JP6300734B2 (ja) | 高強度セメント混和材およびコンクリート製品の製造方法 | |
JP7350686B2 (ja) | セメント組成物、及びセメント質硬化体の製造方法 | |
JP5510882B2 (ja) | 水硬性組成物の作製方法 | |
JP2015189080A (ja) | 水硬性組成物の製造方法 | |
JPS632842A (ja) | 水硬性セメント | |
JP5160763B2 (ja) | セメントモルタル組成物 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20080729 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20101007 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Effective date: 20101012 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20101210 |
|
A02 | Decision of refusal |
Effective date: 20110315 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 |
|
A521 | Written amendment |
Effective date: 20110614 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 |
|
A911 | Transfer of reconsideration by examiner before appeal (zenchi) |
Effective date: 20110802 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911 |
|
A912 | Removal of reconsideration by examiner before appeal (zenchi) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A912 Effective date: 20110930 |