JP4776426B2 - セメント混和材および該セメント混和材を用いた低膨張セメント組成物 - Google Patents

セメント混和材および該セメント混和材を用いた低膨張セメント組成物 Download PDF

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Description

本発明は、主に、土木・建築の分野において利用される低膨張・発熱抑制型のセメント混和材および該混和材をセメントと混合した組成の低膨張セメント組成物に関するものである。
コンクリート構造物については、ひび割れ発生の抑制が要求されるが、ひび割れの原因としては、温度ひび割れ、乾燥収縮によるひび割れ、自己収縮によるひび割れ等がある。
従来、このようなコンクリート構造物における乾燥収縮によるひび割れの抑制対策の一つとしては、膨張材の添加が行われている。また、自己収縮の抑制対策としては石灰石微粉末等が用いられている。温度ひび割れの抑制対策としては、低発熱セメントの使用や脱リンスラグや高炉水砕スラグ粗粉等の特定の無機質粉末の混和やデキストリン等の発熱遅延剤の添加が行われている。
先行技術として、特許文献1には、FRP被覆コンクリート補修工法用の充填材として、ポルトランドセメント27〜47重量部、高炉水砕スラグ粉末20〜40重量部、炭酸カルシウム微粉末20〜30重量部、活性シリカ質微粉末:2〜8重量部、セメント系膨張材:1〜3重量部、無水石膏1〜3重量部、セメント分散剤0.3〜1重量部、硬化遅延剤0.05〜0.2重量部を配合した低発熱型無収縮充填材が記載されている。
特許文献2には、セメント系材料の自己収縮を初期から長期にかけて低減する添加剤およびセメント組成物として、粒径が0.02〜3.0μmの炭酸カルシウムとアルキレンオキサイド化合物からなるセメント用自己収縮低減剤および自己収縮が低減されたセメント組成物が記載されている。
特許文献3には、比較的低収縮性でありながら比較的高い強度となる水硬性組成物として、普通ポルトランドセメントまたは早強ポルトランドセメント100重量部に対して、石膏5〜20重量部を混合するとともに、高炉スラグ微粉末,石灰石微粉末,シリカ質微粉末およびシリカフュームのうち少なくとも1つを5〜20重量部混合したセメント・コンクリート製品用水硬性組成物が記載されている。
特許文献4には、配合量が少なくても、優れた膨張性能を付与し、ポップアウト現象の防止、防水性の向上が可能であるセメント混和材およびセメント組成物として、遊離石灰、カルシウムフェライトおよび無水セッコウを主要な構成化合物とする膨張物質と、シリカ質微粉末および/または石灰石微粉末とを含有してなるセメント混和材およびセメント組成物が記載されている。
また、特許文献5には、優れた強度発現性を有し、かつ自己収縮が小さいコンクリート組成物として、セメント、石灰石微粉末、細骨材、粗骨材、セメント分散剤および水よりなり、石灰石微粉末をセメントと石灰石微粉末との合計量の5〜25重量%含有することを特徴とするコンクリート組成物が記載されている。
特開平08−268744号公報 特開平10−139508号公報 特開平11−157889号公報 特開2001−151547号公報 特開2001−181008号公報
収縮ひび割れの抑制に用いられる従来の一般的な膨張材は、例えばマスコンクリートに用いた場合には、コンクリートの内部温度上昇が高くなり過ぎ、温度ひび割れが発生する場合がある。石灰系膨張材の場合には、ポップアウト現象が生ずる場合がある。施工が悪い場合には異常膨張による膨張ひび割れを起こす危険性もある。
また、膨張材はケミカルプレストレスの導入等にも用いられているが、ひび割れ抑制の目的には過剰な膨張量となる。そのため、低膨張にしようとして添加率を下げると、添加率の影響や温度の影響を大きく受け、性能が安定しなくなる。一方、石灰石微粉末の利用により自己収縮は低減するものの、乾燥収縮も含めた全収縮からすると、十分な低収縮が得られない。
特許文献1〜5記載の発明は、そのような問題の一部に対処するものであるが、例えば特許文献1記載の発明は、FRP被覆コンクリート補修工法用の充填材として開発されたものであり、一般の構造部材用としては使い難い、配合される材料が多いため製造コストがかかる、性能の安定が難しい等の問題がある。
特許文献2、3,5記載の発明は、収縮を低減するものではあるが十分ではなく、温度ひび割れの防止が難しく、また添加量が多いと強度発現が悪くなるものもある。
特許文献4記載の発明は、膨張物質の製造のためのコストが高くつき、十分な膨張性能は得られるが、逆に、低膨張にしようとして添加率を下げると、添加率の影響や温度の影響を受け、性能が安定しなくなる。
本発明者らは、前記課題を解消すべく種々検討した結果、生石灰、無水石膏、石灰石微粉末かフライアッシュのいずれかを含む無機質粉末を適量配合することによって前記ひび割れの抑制およびそれに絡む課題を解消できる知見を得て本発明を完成するに至ったものであり、膨張材として過剰な膨張を抑えた安定した低膨張性、発熱抑制、良好な強度発現性の性能を有するコンクリート等、セメント硬化物を安価に得ることができ、構造部材用のコンクリートにも適用可能なセメント混和材およびセメント組成物を提供することを発明の目的としている。
本願の低膨張・発熱抑制型のセメント混和材は、生石灰、無水石膏、および石灰石微粉末またはフライアッシュのいずれかを含む無機質粉末を含み、前記生石灰が、石灰石もしくは消石灰を焼成炉で熱処理後、粉砕して製造される消化上昇温度が10分間でΔT=30〜50℃の硬焼生石灰あるいは準硬焼生石灰であり、前記セメント混和材において、全体の重量に対する生石灰の重量割合が25〜50%であり、生石灰の重量1に対する無水石膏の重量比が0.25〜1、生石灰の重量1に対する無機質粉末の重量比が0.7〜2であることを特徴とするものである。
本発明の低膨張・発熱抑制型のセメント混和材においては、生石灰が主要な膨張成分となっているが、一般的に生石灰は水との反応(水和)速度が速く、水和熱による発熱が起こるため、この発熱に対し発熱抑制とするためにはその反応をある程度抑制する必要がある。従って、本発明では、消化上昇温度が10分間でΔT=30〜50℃と活性度がやや低い硬焼あるいは準硬焼程度の生石灰が用いるのが好ましい。
また、生石灰の粒度は、300μmフルイが全通で、150μmフルイ残分が5%以下が好ましい。
無水石膏は、本発明の混和材において、膨張成分としてだけでなく生石灰の反応を抑制する機能も有している。生石灰の水和抑制に寄与する他、セメント中のC3Aと反応してエトリンガイトを生成することで膨張量を確保できるので、コンクリート等での初期強度の改善、強度向上が図れ、自己収縮や乾燥収縮の低減も図れる。
無機質粉末としては、石灰石微粉末、フライアッシュ、高炉スラグ粗粉、シリカ質微粉末、メタカオリンが挙げられる。代表的には石灰石微粉末やフライアッシュを用いることができ、これらは自己収縮の抑制等に機能する。
石灰、無水石膏および無機質粉末の割合に関しては、生石灰の重量が全体の25%に満たないと必要な膨張が得られない場合があり、50%を超えると必要以上に膨張しコンクリート等のホップアウト現象や膨張ひび割れの原因となる場合がある。
また、重量比で、生石灰1に対して無水石膏が0.25に満たないと、コンクリート等での初期強度の改善や強度向上の効果が十分得られない場合や自己収縮や乾燥収縮を十分抑制できない場合がある。生石灰1に対して無水石膏が1を超えると、コンクリート等での遅れ膨張の原因となる場合がある。
無機質粉末は種類によっても異なるが、無機質粉末の主材料として石灰石微粉末あるいはフライアッシュを用いる場合、生石灰1に対して無機質粉末の重量比が0.7に満たないと乾燥収縮の抑制ができない場合があり、生石灰1に対して無機質粉末の重量が2を超えると強度発現が悪くなる場合や他の材料の割合が減少し必要な膨張が得られない場合、自己収縮が抑制できない場合等がある。
本発明はこのような構成において、従来のひび割れ防止やケミカルプレストレス導入を目的とした膨張材に比べると膨張量を小さく抑える一方、水和による発熱が少なく、自己収縮、乾燥収縮も低減され、結果的に比較的安価な材料で、安定して収縮量が小さく、コンクリート等での強度発現性に優れた低膨張・発熱抑制型のセメント混和材を実現したものである。
また、低膨張にするとともに最大膨張時以降の収縮速度が小さくなるようにしてあるので、収縮応力によるひび割れが起こり難く、添加率や温度の影響も従来の膨張材に比べ受け難い。
請求項に係るセメント混和材において、前記生石灰、無水石膏および無機質粉末の重量割合(%)が、生石灰:無水石膏:無機質粉末=25〜45:10〜50:25〜45であるのは、より好ましい。
これは、請求項の条件を満たす配合において、生石灰の割合をできるだけ少なくし、生石灰の減少による膨張量の減少を無水石膏と無機質粉末による自己収縮、乾燥収縮の抑制効果で補うものである。このような配合割合とすることによって、従来の膨張材と比較して好適に過剰な膨張を抑えた安定した低膨張性、混和材自体の発熱抑制性、良好な強度発現性の性能を発揮する混和材を実現したものである。
前述の通り、本発明のセメント混和材では生石灰は消化上昇温度が10分間でΔT=30〜50℃の硬焼生石灰あるいは準硬焼生石灰である。
消化上昇温度が高いと水和活性が高く水と接したときにすぐに水和して発熱し、逆に、消化上昇温度が低いと水和速度が遅く、コンクリート等でのポップアウト現象や遅れ膨張を引き起こす場合があるため、本発明においては消化上昇温度が10分間でΔT=30〜50℃の硬焼生石灰や準硬焼生石灰を用いることが望ましい。
また、本発明のセメント混和材において、前記無機質粉末が石灰石微粉末および/またはフライアッシュであるのは好ましい
これらは比較的安価に入手でき、かつ本発明において無機質粉末に期待されている自己収縮抑制機能のコントロールが容易である。
請求項は、請求項1〜に係るセメント混和材において、さらに、前記生石灰の消化抑制剤を外割で0.05〜0.30重量%含む場合を限定したものである。
消化抑制剤は前記生石灰の水和(消化)速度との関係で必要に応じて使用されるものである。消化抑制剤の種類はセメントの水和に著しい影響を与えるものでなければ特に限定されないが、代表的なものとしてはリグニンスルホン酸(塩)などが例示される。
本願の請求項に係る低膨張セメント組成物は、請求項1〜の何れかに記載のセメント混和材を、セメントの重量に対し内割で3〜15重量%混合してなる低膨張セメント組成物である。
セメント混和材が3重量%に満たないと必要な膨張が得られない場合があり、15重量%を超えると強度が低下し、過剰な膨張となる場合がある。
本発明におけるセメントは、一般的には普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント、中庸熱ポルトランドセメント、低熱ポルトランドセメント等のポルトランドセメントと、高炉セメントである。ただし、本発明の効果が得られるものであれば、他のセメントを使用しても差し支えない。
本発明の低膨張セメント組成物において、前記セメントが高炉セメントであるのは好ましい。
高炉セメントは、それ自体、比較的水和熱が低く、マスコンクリートに使用する場合において、本発明を適用することで、さらに高い温度ひび割れ抑制効果とともに、高炉セメントのひび割れ抵抗性改善効果が期待できる。
本発明の低膨張・発熱抑制型のセメント混和材によれば、膨張材として過剰な膨張を抑えた安定した低膨張性、膨張材(混和材)自体の発熱抑制性、良好な強度発現性の性能を有する構造部材としても適用可能なコンクリート等、セメント硬化物を安価に得ることができる。
また、本発明の低膨張・発熱抑制型のセメント混和材を用いた低膨張セメント組成物は、セメント混和材をプレミックスしたものあるいはこれと同一組成のものであり、セメント混和材と同様の効果を有する。低膨張セメント組成物にして使用すれば、セメント混和材を混和する手間が省けるとともに、貯蔵タンクも一つで済む。
本発明のセメント混和材は、生石灰、無水石膏、および石灰石微粉末またはフライアッシュのいずれかを含む無機質粉末を含み、全体の重量に対する生石灰の重量割合が25〜50%であり、生石灰の重量1に対する無水石膏の重量比が0.25〜1、生石灰の重量1に対する無機質粉末の重量比が0.7〜2となるように配合される。
前述したように、本発明で用いる生石灰は、硬焼生石灰あるいは準硬焼生石灰であり、消化上昇温度が10分間でΔT=30〜50℃のものが好ましい。その場合の消化上昇温度はEN459−2反応性試験(ヨーロッパ規格)に準拠した方法により測定することができる。消化上昇温度が高いと活性が高く水と接したときにすぐに水和して発熱してし、逆に、消化上昇温度が低いと水和(消化)が徐々に起こり、コンクリート等でのポップアウト現象や遅れ膨張を引き起こす恐れがある。
これを生石灰の粒度でみると、粒度が粗すぎるとコンクリートのポップアウト現象を引き起こし、細かすぎると水和を抑制することが難しくなる。このようなことから、本発明に使用する生石灰は、300μmフルイが全通で、150μmフルイ残分が5%以下であることが望ましい。
本発明に用いる上記のような生石灰は、石灰石もしくは消石灰を竪炉、シャフト炉、ロータリーキルン等の石灰焼成炉、電気炉等の焼成炉で熱処理後、粉砕して製造される。
必要に応じて、生石灰の消化抑制剤の使用が可能であるが、置換基としてスルホン酸のアルカリ金属塩を有するリグニンスルホン酸(塩)等の水溶性有機化合物を添加するのが好ましい。添加率は前述の通りである。少なすぎると添加効果が小さく、多すぎるとセメントの水和を阻害する場合がある。
無水石膏には、天然無水石膏、フッ酸無水石膏、天然2水石膏や副産2水石膏あるいは廃石膏ボードから回収した2水石膏を焼成して製造したII型無水石膏があるが、本発明では、II型無水石膏を90%以上含有しているII型無水石膏であれば、全て使用できる。
また、粉末度は特に限定しないが、ブレーン比表面積で3000〜8000cm2/gが望ましく、より好ましくは4000〜6000cm2/gである。
II型無水石膏は、生石灰の水和抑制(消化抑制)に寄与する他、セメント中のC3Aと反応してエトリンガイトを生成することで膨張量を確保できるので、コンクリート等での初期強度の改善や強度向上が図れるとともに自己収縮や乾燥収縮の低減も図れる。
無機質粉末としては石灰石微粉末あるいはフライアッシュを含むものが用いられる。石灰石微粉末は、炭酸カルシウムからなり純度は通常入手可能な石灰石であれば問題なく使用できる。石灰石微粉末は、石灰石を粉砕し、必要に応じて分級することによって製造される。
石灰石微粉末のブレーン比表面積は、2000〜10000cm2/gが好ましい。2000cmcm2/gを下回ると強度発現性や耐久性が低下する場合がある。10000cm2/gを超えるとコンクリート等での作業性および流動性が低下するおそれがある。
フライアッシュの種類は特に限定されないが、JIS A 6201「コンクリート用フライアッシュ」に規定されるフライアッシュII種相当品が好ましい。フライアッシュは自己収縮の抑制に効果がある他、流動性の改善も図れる。
本発明で用いる無機質粉末としては、例えば、石灰石微粉末100〜0重量%とフライアッシュ0〜100重量%からなるもの、石灰石微粉末90〜10重量%と高炉スラグ粗粉(ブレーン値1500〜3200cm2/g)10〜90重量%からなるもの、フライアッシュ90〜10重量%と高炉スラグ粗粉(ブレーン値1500〜3200cm2/g)10〜90重量%からなるものなどが挙げられる。
本発明のセメント混和材の製造方法は、従来の混合機等を用いて行えばよく、特に限定されない。
本発明の低膨張・発熱抑制型のセメント混和材をプレミックスした低膨張セメント組成物として用いる場合、セメント混和材はセメントに対して内割で3〜15重量%添加する。該セメント混和材が3重量%に満たないと十分な膨張が得られない場合があり、15重量%を超えると強度が低下し、過剰な膨張となる場合がある。
なお、本発明の低膨張セメント組成物は、一般的には本発明の低膨張・発熱抑制型のセメント混和材とセメントとをプレミックスしてなるものであるが、最終的に本発明の低膨張セメント組成物と同等の組成範囲になれば、他の方法により得られる低膨張セメント組成物も含まれる。例えば、セメントとしてフライアッシュセメントを用いる場合は、生石灰、無水石膏等は混和材としてではなく、個別に用意し配合して低膨張セメント組成物を得る。
以下、本発明の実施例について述べる。
1.使用材料
実施例で使用した材料を表1に示す(生石灰の消化上昇温度はEN459−2反応性試験に準拠した方法による)。
Figure 0004776426
2.セメント混和材の製造
表2はセメント混和材の配合を示したもので、表中のA、B、D、Eが本発明のセメント混和材であり、Cは比較膨張材である。A、BおよびCは表1の生石灰Iを、D、Gは表1の生石灰IIを、E、Fは表1の生石灰IIIを、それぞれ用いた。各セメント混和材の製造は、各使用材料をビニール袋の中で混合することにより行った。
Figure 0004776426
3.セメント組成物
性能試験で用いたセメント組成物の水準を表3に示す。表2に示す各セメント混和材を表3中の数値の割合で各セメントに内割で添加し、セメント組成物を得た。
Figure 0004776426
4.性能試験
表3のセメント組成物に対し、普通コンクリート(単位セメント量321kg/m3、単位粗骨材量964kg/m3、s/a=45.7%、単位水量167kg/m3)によるコンクリートの試験体を作製し、各々性能試験を行った。表3の10%の添加は通常のコンクリートの膨張材添加量である30kg/m3に相当する。
(1) 自己収縮試験
試験方法はJCI自己収縮研究委員会の「セメントペースト、モルタルおよびコンクリートの自己収縮および自己膨張試験方法(案)」(JCI−1996)により行った。結果を表4に示す。
Figure 0004776426
表4での、No.1とNo.2、No.3とNo.4、No.5とNo.9、No.6とNo.10、No.7とNo.11、No.10とNo.12、No.10とNo.13の比較より同一の添加量であれば本発明のセメント混和材を用いた場合は、比較膨張材Cを用いた場合より膨張量が小さいが、材齢91日まで、基準より収縮に至っておらず、低膨張になっている。
(2) 乾燥収縮試験
試験方法は、材令91日の自己収縮試験後のコンクリート試験体をJIS A 1129「モルタル及びコンクリートの長さ変化試験方法」により行った。結果を表5に示す。ここで示す材令は、乾燥収縮過程での材令であり、上記表4での材令92日が表5での材令1日に相当する。
Figure 0004776426
表5より、表4同様、同一の添加量であれば本発明のセメント混和材を用いた場合は、比較膨張材Cを用いた場合より材令91日までの乾燥収縮過程での乾燥収縮量は小さい結果となった。また、本発明のセメント混和材は、自己収縮〜乾燥収縮過程での収縮絶対量は比較例に比べ小さくなるとは言えないが、平均収縮度が小さいことから徐々に収縮するので収縮ひび割れは起こり難くなる。
(3) 強度試験
試験方法は、JIS A 1108「コンクリートの圧縮強度試験方法」により行った。結果を表6に示す。表6より、本発明のセメント混和材は強度発現を著しく阻害するものではなく、むしろ、若干、初期強度は改善される傾向にあることが分かる。
Figure 0004776426
(4) 断熱温度上昇試験
膨張材の添加によるコンクリートでの温度上昇の抑制効果をみるため、断熱温度上昇試験を行った。
試験方法は、下記の文献で示される方法を採用した。その結果をT=K(1−e−αt)の式に近似させたときのKとαを表7に示す。
ここに、T:断熱温度上昇量(℃)、K:終局断熱温度上昇量(℃)、t:材令(日)、α:温度上昇速度の定数
〔文献〕葛西康幸他、「簡易な断熱試験による高強度コンクリートの断熱温度上昇特性に関する検討」、土木学会第57回年次学術講演会、第5部門、pp.1167-1168、2002
本発明のセメント混和材を用いた場合、同一添加量での比較例に比べ、終局断熱温度上昇量が小さくなり、膨張材(セメント混和材)を添加してもこれ自体が発熱抑制型であるため、コンクリートのさらなる温度上昇は抑制される。
Figure 0004776426
上記性能試験結果から、本発明のセメント混和材によれば、安定した低膨張性、発熱抑制性、良好な強度発現性を有するコンクリートが得られることが分かる。使用材料も汎用品であり、安価である。
また、ひび割れ抑制に必要な最小限の膨張(低膨張)にしてあるので、膨張ひび割れやポップアウト現象の心配もない。

Claims (4)

  1. 生石灰、無水石膏、および石灰石微粉末またはフライアッシュのいずれかを含む無機質粉末を含む低膨張・発熱抑制型のセメント混和材であって、前記生石灰、石灰石もしくは消石灰を焼成炉で熱処理後、粉砕して製造される消化上昇温度が10分間でΔT=30〜50℃の硬焼生石灰あるいは準硬焼生石灰であり、前記セメント混和材において、全体の重量に対する前記生石灰の重量割合が20〜50%であり、生石灰の重量1に対する前記無水石膏の重量比が0.25〜1、生石灰の重量1に対する前記無機質粉末の重量比が0.7〜2であることを特徴とする低膨張・発熱抑制型のセメント混和材。
  2. 前記生石灰の粒度が、300μmフルイが全通で、150μmフルイ残分が5%以下であることを特徴とする請求項1に記載の低膨張・発熱抑制型のセメント混和材。
  3. 前記生石灰の消化抑制剤を外割りで0.05〜0.3重量%含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の低膨張・発熱抑制型のセメント混和材。
  4. 請求項1〜の何れかに記載の低膨張・発熱抑制型のセメント混和材を、セメントの重量に対し3〜15重量%混合してなることを特徴とする低膨張セメント組成物
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