JP5061704B2 - コンクリート混和材、水硬性結合材料、コンクリートおよびコンクリート構造物の構築方法 - Google Patents

コンクリート混和材、水硬性結合材料、コンクリートおよびコンクリート構造物の構築方法 Download PDF

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Description

本発明は、コンクリート構造物などの建設工事に使用する収縮ひび割れ発生を低減するための早期脱型コンクリート用のコンクリート混和材、そのコンクリート混和材を含む水硬性結合材料、早期脱型コンクリートおよびそのコンクリートを用いたコンクリート構造物の構築方法に関する。
コンクリート構造物の建造においては、まず、セメント、骨材、および化学混和材料等ならびに水を所定量計量して練り混ぜたコンクリートを、予め組立てられた型枠内に打設し、所定期間養生後に型枠を外す(脱型)ことにより、硬化したコンクリートからなるコンクリート構造物を得るという工程を経る。近年の土木・建築構造物の建設工事においては、コンクリートのフレッシュ時の作業性やその硬化体の強度特性・耐久性とともに、建設期間の短縮が強く求められている。このため、コンクリート構造物に所定の強度を確保したうえで、できるだけ脱型の時期を早めることが望まれている。その脱型時期は、打設条件(気温、設計強度等)によっても異なるが、コンクリートの打設後2〜3日であることが求められている。このように、脱型の時期を早めることのできるコンクリートを早期脱型コンクリートという。
一方、脱型後、通常、コンクリート構造物は、その表面から乾燥が進むため、収縮し、その収縮応力がコンクリートの引張り強度を上回るとひび割れを生じることとなる。このひび割れを低減するためには、コンクリートに所定のコンクリート混和材を配合することにより、コンクリートの乾燥収縮量を補償するに足りる膨張量を与えることが必要である。そのためのコンクリート混和材として、膨張材や収縮低減剤が知られている。
このうち、コンクリート用膨張材は、水和反応に伴って膨張する材料を含み、水和膨張によりコンクリート構造物の乾燥収縮を補償する。このようなコンクリート用膨張材は、各種のコンクリート混和材として実用化されている。水和膨張性を有する材料としては、カルシウムサルフォアルミネート(3CaO・3Al23・CaSO4)、カルシウムアルミネート(CaO・Al23)、無水石膏(CaSO4)や酸化カルシウム(CaO)が知られている。これらの材料は、単独あるいは複数の成分原料を調合し、焼成して得られるクリンカーを粉砕して製造される。膨張材の膨張速度や膨張量の制御は、クリンカー中に生成する材料の組成およびクリンカー組織を制御することにより、ならびに無水石膏粉末および生石灰粉末等の材料のうち1種または2種以上を添加・混合することにより行われている(例えば特許文献1〜3)。膨張材の膨張速度や膨張量の制御には、高度な製造技術と品質管理が要求されるため、市販の膨張材はポルトランドセメントに比べて高価である。
コンクリート構造物の乾燥収縮量を補償するために、所定の膨張量を短期間(型枠存置期間、コンクリート養生期間)に実現させることが必要であるが、そのためには高度な技術が要求される。従来は、短期間に所定の膨張量を得るため、単に、上記膨張材配合量を増量することにより対応していた。しかしながら、このような膨張材は中長期的に水和するため、コンクリートが充分硬化したのちも水和膨張反応が進行することが多く、強固に形成されたコンクリート組織が壊されしまい、強度が低下する恐れがある。また、さらに極端な場合には、膨張材の単位配合量が過剰になり、過大な膨張やひび割れを生じ、構造物が崩壊することにもなりかねない。このような異常膨張現象を回避するために、充分な養生期間を取ることにより膨張材の水和反応を養生期間中に完結させることが求められ、結果として工期の短縮や建設コストの低減が困難となっていた。
一方、安価な膨張材として、生石灰粉末は古くから知られており、生石灰粉末と無水石膏粉末とを組み合わせることにより、その膨張量が増進することが知られている(例えば非特許文献1)。この安価な材料を活用した膨張材の改良検討が進められ、生石灰粉末の比表面積や水和発熱特性を所定の範囲とすることにより、より大きな膨張量を得る技術が開示されている(特許文献4、5)。
特開昭48−12325号公報 特許第3494238号公報 特公昭53−13650号公報 特開2004−299989号公報 特開2005−162565号公報 佐藤雅男他、「せっこう粉末が"死焼"石灰の膨張作用におよぼす増進効果について」、セメント技術年報、No.29、pp.118-121(1975)
本発明は、打設約2〜3日後の早期に脱型した場合でも、コンクリート構造物に充分な水和膨張を発現し、その後の乾燥収縮およびひび割れ発生を大幅に低減できる早期脱型コンクリート用のコンクリート混和材、その混和材を用いた水硬性結合材料、早期脱型コンクリートおよびそのコンクリートを用いたコンクリート構造物の構築方法を提供する。
本発明者等は、上記のような課題を解決するために鋭意研究を行った結果、コンクリート打設後、早期脱型(約2〜3日後)しても、その後のコンクリートの乾燥収縮を充分に補償し得る膨張量を発現でき、かつ強度発現性等のコンクリートの基本物性を損うことのないコンクリート混和材を見出した。また、このコンクリート混和材を対象に、基準モルタル供試体による打設直後からの封緘養生時の膨張量を測定・評価し、その適正条件を見出した。
すなわち、本発明は、生石灰粉末と無水石膏粉末とを含むコンクリート混和材であって、コンクリート混和材中、生石灰粉末が30〜70質量%、無水石膏粉末が70〜30質量%であり、生石灰粉末の強熱減量が6質量%以下であり、かつ生石灰粉末がCaOを90質量%以上含み、および生石灰粉末のブレーン比表面積が4000〜6000cm2/gであり、かつBET比表面積が1.5〜3.0m2/gである、早期脱型コンクリート用のコンクリート混和材である。好ましくは、コンクリート混和材が、温度20℃、封緘養生時の無拘束条件下において、基準モルタルに、セメントと、セメントおよびコンクリート混和材の合計量に対して3〜9質量%のコンクリート混和材とを含むとき、材齢24時間の長さ変化率(ε24)が800×10-6以上、材齢24時間から48時間までの長さ変化率の増分(ε48−ε24)が60×10-6以上、および材齢48時間から72時間までの長さ変化増加率((ε72−ε48)/ε48)の絶対値が0.01以下である、コンクリート混和材である。
また、本発明は、セメントと、そのコンクリート混和材と、を含み、コンクリート混和材の量が、セメントとコンクリート混和材との合計量に対して3〜9質量%である、早期脱型水硬性結合材料である。また、本発明は、その水硬性結合材料と、水と、を含み、水の量が、セメントとコンクリート混和材の合計量に対して45〜60質量%である、早期脱型コンクリートである。
また、本発明は、そのコンクリートを用いて打設および養生し、材齢2日〜3日で脱型することを特徴とする、コンクリート構造物の構築方法である。
本発明のコンクリート混和材を用いれば、打設約2〜3日後の早期に脱型した場合でも、コンクリートに充分な水和膨張を発現し、その後の乾燥収縮およびひび割れ発生を大幅に低減できる早期脱型コンクリートを得ることができる。このような早期脱型コンクリートによって、コンクリート構造物の建設期間が短縮できる。さらに、コンクリート構造物のひび割れ発生を抑制でき、コンクリート構造物の耐久性が向上する。
本発明のコンクリート混和材は、生石灰粉末および無水石膏粉末を含む。生石灰粉末の含有率は30〜70質量%であることが好ましい。生石灰粉末の含有率30質量%以上の場合には、このコンクリート混和材を含むコンクリートの打設後、初期の段階で十分な膨張を得ることができる。また、生石灰粉末の含有率を70質量%以下とすることにより、過剰な膨張を抑制することができる。生石灰粉末は硬焼き生石灰と称される1100〜1200℃を超える高い温度で焼成され、水和活性が抑制されるように調整されたものが好ましい。生石灰粉末の強熱減量は、6質量%以下である。また、生石灰粉末の純度は遊離酸化カルシウム(f.CaO)基準で90質量%以上である。酸化カルシウム以外の成分の多くは、少量の未分解炭酸カルシウム、焼成後の大気中の湿分や炭酸ガスによる水和反応または炭酸化に起因する水酸化カルシウムおよび炭酸カルシウムの生成による強熱減量の増加分等である。石灰石の原石中の不純物(粘土分およびマグネシウム化合物)に由来する成分は、生石灰粉末の純度が確保できる程度のレベルであれば問題がない。
生石灰粉末は、高温焼成された塊状物を粉砕することによって得ることができる。その適正な粉末比表面積は、JIS R 5201:1997で規定するブレーン比表面積(BL比表面積)が4000〜6000cm2/gの範囲である。また、生石灰粉末の焼成度の目安として、窒素ガス吸着による比表面積(BET比表面積)が1.5〜3.0m2/gの範囲である。ブレーン比表面積が6000cm2/gを超える粉末では、水和反応速度が早くなりすぎ、収縮を補償するための有効な膨張を得ることができない場合があるが、6000cm2/g以下であると水和反応速度が適切な値であり、収縮を補償するための有効な膨張を得ることができる。
また、生石灰粉末のブレーン比表面積が4000cm2/g未満の場合には粗粒子が生じやすくなり、水和生成物である水酸化カルシウムが生石灰粉末の粒子近傍に集中生成するため、コンクリート構造物の収縮を補償する膨張力の発現が局所的となり全体的に小さくなり、ひいてはコンクリート混和材の必要量が多くなり、一方では骨材のポップアウト現象を起こしたりする場合がある。しかし、ブレーン比表面積が4000cm2/g以上の場合には、これらの現象は問題とならない。また、BET比表面積が1.5m2/g未満では、生石灰粉末の反応活性は低くなりすぎ、24時間の膨張量が小さくなるという問題が生じる場合があるが、1.5m2/g以上では、これらは適切な値となる。また、BET比表面積が3.0m2/gを超える場合、生石灰粉末の反応活性は高くなりすぎ、水和反応速度が速くなり、収縮を補償する有効な膨張が得られなくなるという問題が生じる場合があるが、3.0m2/g以下では、これらは適切な値となる。
本発明のコンクリート混和材中の無水石膏粉末は、通常、セメント製造用に工業的に使用されている品質の天然無水石膏や化学工業プロセスで生じる副産無水石膏を使用することができる。また、無水石膏粉末の併用により生石灰粉末の水和膨張が適度に発現するようになる。無水石膏粉末中の硫酸カルシウムの純度は、SO3基準で約50〜57質量%であることが好ましく、少量、例えば5質量%程度の二水石膏の共存は問題ない。生石灰粉末の水和膨張をより効果的に生じさせるために、無水石膏粉末のブレーン比表面積は3000cm2/g以上、好ましくは3500〜7000cm2/gの範囲とする。ブレーン比表面積がこの範囲からはずれると生石灰粉末の水和速度の調節が適正に行われないため、好ましくない。
本発明のコンクリート混和材は生石灰粉末と、無水石膏粉末と、からなることが好ましい。アウインのようなアルミネート系の膨張成分は、長期的に膨張することから、含有しないことが好ましい。
また、本発明のコンクリート混和材の性能は、以下に示す基準モルタルによる打設から封緘養生時における長さ変化の測定によって評価することができる。すなわち、基準モルタルは、セメント、コンクリート混和材、細骨材および水を使用し、細骨材はJIS R 5201:1997「セメントの物理試験方法」に規定の標準砂を用い、その配合は、建築で汎用的に使用されるコンクリート質量比(水〔w〕/(セメント+本発明のコンクリート混和材〔p〕)(w/p)50%、単位セメント量330kg/m3、単位コンクリート混和材量20kg/m3、スランプ18cm)のウエットスクリーニングモルタルに相当するものである。セメントとしては普通ポルトランドセメントを使用し、質量比(w/p)50%、細骨材/セメント比(s/c)2.4とした。モルタル1バッチ当たりの使用材料の具体的な計量値は、水(水道水)281g、普通ポルトランドセメント530.4g+コンクリート混和材32.1g(普通ポルトランドセメントとコンクリート混和材との合計に対して5.7質量%)、砂(JISモルタル標準砂)1350gである。このとき、セメントおよびコンクリート混和材の合計量に対するコンクリート混和材の割合は、3〜9質量%の範囲であればよい。
上記配合の基準モルタルは、モルタルミキサー(ホバートミキサー)を使用し、標準砂とセメント(コンクリート混和材を含む)を空練り30秒間、水を投入して30秒間低速で練り混ぜ、1分間の休止の間に付着したモルタルを掻き落し、60秒間高速で練り混ぜて作製する。得られたモルタルは、図1に示す型枠に流し込み、ポリエチレンフィルムでその表面を被覆した封緘条件下、長さ変化を渦電流式非接触センサーにより20分間隔で測定する。なお、型枠による拘束を避けるため型枠の内側にテフロン(登録商標)シートを敷き、さらにその上にポリエチレンフィルムを敷いて型枠とモルタルとが直接接触しないようにした。モルタルの長さ変化は、一試験条件につき2本の供試体を20℃、72時間まで封緘養生して測定した。
上記のように、コンクリート混和材が、温度20℃、封緘養生時の無拘束条件下において、基準モルタルに、セメントと、セメントおよびコンクリート混和材の合計量に対して3〜9質量%のコンクリート混和材とを含むとき、モルタルの打設直後からの時間(材齢)に対して、上記の方法により測定された材齢24時間での長さ変化率(ε24)が、好ましくは、800×10-6以上、さらに好ましくは900×10-6以上である。それに加えて、材齢24時間から48時間の長さ変化率の増分(ε48−ε24)が60×10-6以上、および材齢48時間から72時間までの長さ変化増加率((ε72−ε48)/ε48)の絶対値が0.01以下(−0.01〜+0.01の範囲)であることが好ましい。材齢24時間から48時間までの長さ変化(膨張量)が上記の範囲の場合には、脱型後の収縮を十分補償することができる。また、材齢48時間以降に膨張が継続しないことは、コンクリート構造物の強度発現に好ましくない影響を及ぼすことがなく、膨張によるひび割れを避けることができるため、好ましい。
また、本発明は、上記のコンクリート混和材およびセメントを含む早期脱型水硬性結合材料である。セメントは、普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント、中庸ポルトランドセメントあるいは混合セメントを使用することができる。
本発明の早期脱型水硬性結合材料中の、コンクリート混和材とセメントとの合計量に対するコンクリート混和材の添加量は、コンクリート混和材を構成する成分、特に生石灰粉末と無水石膏粉末との割合によって異なるが、3〜9質量%、より好ましくは4〜8質量%である。3質量%未満では収縮を補償するに充分な膨張量を発現できず、9質量%を超えるとコンクリート構造物の強度低下を引き起こす可能性が高まるが、上記の範囲の場合にはこれらの問題は生じない。コンクリート混和材中の生石灰粉末の含有率は30〜70質量%、好ましくは35〜65質量%であることが実質上有効である。コンクリート中のコンクリート混和材の単位量は、単位セメント量によって異なるが、概ね10〜30kg/m3に相当する。
本発明のコンクリートは、上記の水硬性結合材料を、骨材、水およびAE減水剤と練り混ぜることにより得ることができる。コンクリート中の水/(セメント+コンクリート混和材)の質量比は、0.45〜0.60の範囲で好適に使用できる。
AE減水剤は、JIS A 6204:2006「コンクリート用化学混和剤」に規定される減水率が14〜20%の範囲にある市販の減水剤から選定することが好ましい。例えば主要成分として、ポリカルボン酸系化合物や、高純度のリグニン系化合物が挙げることができる。減水率が14%以上のAE減水剤を使用すると、初期に十分な膨張が得られやすい。また、減水率が20%以下のAE減水剤を使用する場合、標準的な添加量としてコンクリートにAE減水剤を配合した場合にも骨材等の材料分離を抑えることができる。コンクリート中のAE減水剤の配合量は、本発明のコンクリート混和材とセメントとの総量に対して0.2〜1.5質量%(水溶液基準)が好ましい。AE減水剤の配合量が0.2質量%以上であると充分な減水効果を得ることができ、計量誤差も小さくなる。また、AE減水剤の配合量が1.5質量%を超えると、一般にコンクリートの材料分離が起こりやすくなり、またコンクリート構造物の凝結・硬化に悪影響を及ぼす場合があるので、1.5質量%以下であることが好ましい。
さらに、本発明は、上記のコンクリートを用いて打設および養生し、材齢2日〜3日で脱型することを特徴とするコンクリート構造物の構築方法である。本発明のコンクリートは、打設後2日〜3日後のような早期の材齢で脱型しても問題がなく、収縮ひび割れが生じ難い優れたコンクリート構造物を構築することができる。
セメントは、普通ポルトランドセメント(宇部興産(株)製)を使用し、表1に示す特性の異なる生石灰粉末を使用した。ここでA3は特許文献4に記載の発明に係る生石灰粉末である。A2〜A4のブレーン比表面積(BL比表面積)とBET比表面積は、本発明の範囲外である。
無水石膏粉末は、表2に示すフッ酸無水石膏を使用した。
比較のために表3に示すアウインを含有するコンクリート用膨張材も評価した。
砂は、JIS R 5201:1997 「セメントの物理試験方法」に記載の試験用標準砂を使用した。
表4に示すように、生石灰粉末(A1(1)〜(3)、A2、A3)および無水石膏粉末(B1〜B4)を所定量混合して、基準モルタルを調製した。これらの基準モルタルを硬化した際に、材齢に対する長さ変化を測定した。その結果を表5に示す。なお、コンクリート混和材のセメントに対する添加率は、コンクリート混和材とセメントの合計量に対して5.7質量%(内割)一定とした。実施例1〜5に示すように、本発明のコンクリート混和材は、材齢24時間から48時間の封緘養生モルタルの膨張量が大きく、かつ材齢72時間以内で水和膨張がほぼ完了しており、早期脱型コンクリート用として好ましいことが理解できる。これに対して、生石灰粉末のBL比表面積およびBET比表面積が本発明の範囲外である比較例1〜4の場合や、アウインを含有するコンクリート用膨張材を用いた比較例5の場合には、長さ変化率が好ましい範囲の外だった。
表6に示すような生石灰粉末(A1(3))および無水石膏粉末(B4)を用い、これらの粉末の割合(質量基準)を変えて調製したコンクリート混和材を使用したモルタルの長さ変化を測定した。その結果を表7に示す。コンクリート混和材中の生石灰粉末の割合が30質量%未満(比較例7)では材齢24時間における基準モルタルの長さ変化率(ε24)が小さくなりすぎ、および材齢48時間から72時間までの長さ変化増加率((ε72−ε48)/ε48)の絶対値が大きくなりすぎため、好ましくない。コンクリート混和材中の生石灰粉末の割合が70質量%を超える場合(比較例6)では、長さ変化率の増分(ε48−ε24)が小さくなりすぎるため、好ましくない。これに対して、コンクリート混和材中の生石灰粉末の割合が30〜70質量%の場合には、モルタルの長さの変化は好ましい範囲となった。
本発明のコンクリート混和材を用いた場合のひび割れ抑制効果を、コンクリート構造物を作製することにより評価した。表8に使用した材料を、表9にコンクリートの配合を示す。また、表10には、実施例と比較例のコンクリート混和材の種類と配合を示す。
コンクリートの練混ぜは、セメント、コンクリート混和材、細骨材および粗骨材を二軸強制練りミキサ(容量:50L)に投入し、30秒間攪拌した後、練混ぜ水およびAE減水剤を投入し、4分間練り混ぜ、コンクリートを作製した。
JIS A 1151:2002「拘束されたコンクリートの乾燥収縮ひび割れ試験方法」に準じて乾燥ひび割れの発生を評価した。ただし、型枠脱型は材齢7日で行うところを材齢2日で行った。
図2に拘束されたコンクリート構造物の乾燥期間と乾燥収縮ひずみとの関係を示した。コンクリート混和材無添加の場合には乾燥開始後約10日で、無水石膏粉末が無添加の生石灰粉末単独のコンクリート混和材の場合には約28日でコンクリート構造物にひび割れが発生した。生石灰粉末単独のコンクリート混和材の場合には、養生期間中に早期に膨張するため、収縮を補償する有効な膨張が発現し難くなったと考えることができる。これに対して、ひび割れ抑制の効果を有する本発明の早期脱型コンクリート構造物用のコンクリート混和材を使用した場合、材齢2日で早期脱型された場合においても、主として乾燥収縮に伴うひび割れは生じず、充分な耐久性を示すことがわかる。
本発明のコンクリート混和材を使用することにより、例えば材齢2日〜3日のような極めて短い養生期間後に脱型しても、乾燥収縮に伴うひび割れが発生し難いコンクリート構造物あるいは部材を構築することができる。
基準モルタルの長さ変化測定用型枠の概略図である。 JIS A 1151:2002「拘束されたコンクリートの乾燥収縮ひび割れ試験方法」に準じて測定したコンクリートのひずみである。

Claims (1)

  1. 1100℃を超える温度で焼成された硬焼き生石灰粉末および無水石膏粉末を含むコンクリート混和材と、セメントと、水とを含む早期脱型コンクリートを用いるコンクリート構造物の構築方法であって、
    コンクリート混和材中、
    硬焼き生石灰粉末が30〜70質量%、無水石膏粉末が70〜30質量%であり、
    硬焼き生石灰粉末の強熱減量が6質量%以下であり、かつ硬焼き生石灰粉末がCaOを90質量%以上含み、および
    硬焼き生石灰粉末のブレーン比表面積が4000〜6000cm 2 /gであり、かつBET比表面積が1.5〜3.0m 2 /gであり、
    コンクリート混和材が、温度20℃、封緘養生時の無拘束条件下において、基準モルタルに、セメントと、セメントおよびコンクリート混和材の合計量に対して3〜9質量%のコンクリート混和材とを含むとき、
    材齢24時間の長さ変化率(ε 24 )が、800×10 -6 以上、
    材齢24時間から48時間までの長さ変化率の増分(ε 48 −ε 24 )が、60×10 -6 以上、および
    材齢48時間から72時間までの長さ変化増加率((ε 72 −ε 48 )/ε 48 )の絶対値が、0.01以下であり、
    早期脱型コンクリート中、
    コンクリート混和材の量が、セメントとコンクリート混和材との合計量に対して3〜9質量%であり、
    水の量が、セメントとコンクリート混和材の合計量に対して45〜60質量%であり、
    早期脱型コンクリートを用いて打設および養生し、材齢2日〜3日で脱型することを特徴とする、コンクリート構造物の構築方法。
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