JP4106404B2 - 保護層を有する熱溶融転写記録媒体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
熱溶融転写でフルカラー画像を形成し、その画像上に樹脂からなる保護層を熱溶融転写にて形成する技術分野であり、さらに詳しくは、電池駆動等の小電力プリンタ、特にモバイルプリンタにおけるフルカラー画像形成システムでワックスを主成分とするカラー熱溶融転写記録媒体をもちいフルカラー画像を形成し、その画像上に同じく電池駆動等の小電力プリンタ、特にモバイルプリンタで樹脂からなる保護層を熱溶融転写にて形成する技術分野である。
【0002】
【従来の技術】
従来、低エネルギー対応のワックスを主成分とするカラー熱溶融転写記録媒体を使って形成されたフルカラー画像上に樹脂からなる保護層を熱溶融転写にて形成すると、樹脂よりなる保護層の溶融転写に過度の熱量が必要とされ、保護層を熱溶融転写する際の熱エネルギーにより、ワックスより形成された画像の転写ドットが再溶融し、つぶれを生じ、結果として画像の乱れが生じていた。また、樹脂よりなる保護層とワックスよりなるカラーインク層の接着性が悪く良好なオーバープリント効果が発揮できず、光沢ムラ等の要因となっていた。また、保護層にワックスを主成分としたバインダーにした場合、低エネルギーでの転写は可能となるが、十分な耐擦過性が得られず、画像の扱いに注意を要するものとなった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
低エネルギー対応のワックスを主成分とするカラー熱溶融転写記録媒体を使って形成されたフルカラー画像上に、樹脂からなる保護層を熱溶融転写にて形成する方法において画像つぶれが生じず、かつ良好な光沢画像を得ることを可能とする樹脂からなる高耐擦過性の保護層を有する熱溶融転写記録媒体を提供するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、支持体上にワックスを主成分とするカラーインク層と熱転写性保護層が面順次で設けられた熱溶融転写記録媒体において、熱転写性保護層が以下の構成をとることにより、前記課題を解決したものである。
すなわち、本発明は、(1)支持体にワックスを主成分とするカラーインク層と、支持体上に保護層と接着層がこの順に積層された熱転写性保護層が、面順次に設けられた熱溶融転写記録媒体において、保護層の主成分樹脂が、アクリル樹脂、セルロース樹脂、ポリビニルブチラール樹脂から少なくとも1種選ばれた樹脂であり、接着層がエチレン酢酸ビニル共重合体及び、または、エチレンエチルアクリレート共重合体を主成分として、ワックスを含有することを特徴とする熱溶融転写記録媒体を提供する。
【0005】
さらに本発明は、(2)前記保護層中にシリコーン変性樹脂を含有することを特徴とする熱溶融転写記録媒体を提供する。
【発明の実施の形態】
以下に本発明を詳細に説明する。
【0006】
モバイルプリンタを使用して、カラー熱溶融転写記録媒体で画像を形成する場合、小電力で、カラーインクを熱転写する必要がある。このため、カラーインクは、各色とも必然的に融解熱容量の小さいワックスを主成分とするカラー熱溶融転写記録媒体の構成となる。ここで、モバイルプリンタとは、小型軽量で携帯可能な電池で駆動されるサーマルプリンタを指す。
【0007】
前記ワックスを主成分とするカラー熱溶融転写記録媒体は、通常の公知のワックス系カラー熱溶融転写記録媒体を用いることができる。構成は、支持体に熱溶融性カラーインク層を設け、反対面にシリコーン配合樹脂による耐熱処理層が施されたものを用いる。
【0008】
支持体としては、従来の熱溶融転写用支持体として公知の種々の支持体が使用されるが、耐久性、熱伝達性、コストの点から2〜6μmのポリエステルフィルムが特に好ましい。特にモバイルプリンタの小電力、小型対応には、厚みが2〜4.5μmのポリエステルフィルムがより好ましい。
【0009】
熱溶融性インク成分としては、ワックスおよび着色剤からなる。前記、ワックス類としては、たとえば木ろう、カルナバワックス、キャンデリラワックス、モンタンワックス、セレシンワックスなどの天然ワックス、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックスなどの石油系ワックス、酸化ワックス、エステルワックスなどの合成ワックス、高級脂肪酸などが使用できる。着色剤としては、種々の公知の顔料、および公知の染料が使用でき、たとえばアゾ系、フタロシアニン系、キナクリドン系、チオインジゴ系、アンスラキノン系、イソインドリン系、カーボンブラックなどの顔料があげられる。これらは、2種類以上組み合わせて使用することも可能である。また、必要に応じて熱可塑性樹脂を溶融粘度を調整する意味で添加してもよい。熱可塑性樹脂としては、エチレン酢酸ビニル共重合体などのオレフィン系共重合体、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、天然ゴム、石油樹脂、ロジン系樹脂、スチレン系樹脂が上げられる。この他、ブロッキング、汚れを防止する意味でシリカなどの充填材や、シリコーンオイル、フッ素系界面活性剤、その他の滑材を配合しても良い。
【0010】
カラーインク層の厚みとしては、0.3〜2.0μmが画像形成と、感度の面で好ましく、特にモバイルプリンタ用としては、0.3〜1.0μmがより好ましい。厚みが、0.3μm未満であると、画像濃度が不足する。厚みが2.0μmを超えると熱感度が低下し良好な画像形成が妨げられる傾向にある。
本発明の熱転写性保護層は、支持体上に保護層と接着層が順次積層されたものからなる。保護層の主成分の樹脂は、アクリル樹脂、セルロース樹脂、ポリビニルブチラール樹脂より少なくとも1種選ばれ、接着層はエチレン酢酸ビニル共重合体及びまたは、エチレンエチルアクリレート共重合体を主成分としてワックスを含有する。前記、ワックスとしては、カラーインクで挙げたワックス等を使用できる。ワックスの含有量は、樹脂成分100重量部に対して、30〜100重量部が好ましい。ワックスの含有量が前記範囲未満であるとワックスを主成分とするカラーインクへの重ね性が低下する傾向にあり、ワックスの含有量が前記範囲を超えると保護層との接着性が劣化し、良好な保護層が形成できない。接着層で使用するワックスの溶融温度は、通常45〜70℃が用いられる。さらに、接着層で使用するワックスの溶融温度を画像形成用カラーインク層の溶融温度より低くすることにより、保護層の転写感度をカラーインクより上げて、保護層転写時の熱量でカラー画像のつぶれを生じにくくすることが出来る。
この他接着層には、ブロッキング、等を防止する意味でシリカなどの充填材や、シリコーンオイル、フッ素系界面活性剤、その他の滑材を配合しても良い。
さらに、保護層にシリコーン変性樹脂を添加することにより、保護層の熱転写時の剥離性の向上や、保護層による耐擦過性の効果が向上される。シリコーン変性樹脂としては、アクリル系、ポリエステル系、ウレタン系、ポリビニルアルコール系等がある。その配合比率は、主成分の樹脂100重量部に対して5〜40重量部の範囲であることが好ましい。この範囲未満であると前記効果が生じにくく、この範囲を超えると接着層との接着性が低下して、熱転写時に保護層と接着層との接触面に層間剥離を発生させる。
【0011】
塗布厚みとしては、保護層が0.5〜3.0μmの範囲であることが適切で、0.5μm未満では、良好な膜形成が出来ず、耐擦過性に劣る。3.0μmを超えると、保護層の膜強度が強すぎて熱転写時のキレ性が劣化する。特に電池駆動のモバイルプリンタでは良好な転写が出来ない。
【0012】
接着層の厚みとしては、0.3〜2.0μmの範囲であることが適切で、0.3μm未満では良好な接着性が得られず、2.0μm超えると感度低下を招く。
【0013】
【実施例】
以下に実施例を挙げ、本発明をさらに詳細に説明する。なお、本発明は、実施例によりいかなる限定を受けるものではない。支持体として、インク塗布面の反対の面にシリコーン樹脂による厚み0.2μmの耐熱層を施した厚みが、3.5μmのポリエステルフィルムを用いた。同一支持体上に、面順次に、イエローインク層、マゼンタインク層、シアンインク層、熱転写性保護層を塗布して設けて熱溶融転写記録媒体を得た。1画面当たりの印画方向の塗布長さは、120mmとした。カラーインク層は、表1のインク処方のものを、ホットメルトコーティングにより、厚み1.0μmに塗布した。
【0014】
【表1】
表1 カラーインク処方 (重量部)
【0015】
VAは、酢酸ビニルを意味する。
保護層は、表2のインク処方のものをダイレクトグラビアコーティングにて、固形分厚みで、2.0μmに塗布した。
【0016】
【表2】
表2 保護層のインク処方 (重量部)
【0017】
接着層は、表3のインク処方のものをダイレクトグラビアコーティングにて、固形分厚みで、1.0μmに塗布した。
【0018】
【表3】
表3 接着層のインク処方 (重量部)
【0019】
実施例1〜3、比較例1〜3の熱溶融転写記録媒体の、保護層と接着層は、表4の構成とした。
【0020】
【表4】
表4 熱転写性保護層の構成
【0021】
〈評価方法〉
▲1▼画像品質
フルカラー写真画像を上記プリンタにて印画し、さらに熱転写性保護層をオーバープリントして、画像の乱れ具合を表5の基準にて目視で判定した。
【0022】
【表5】
表5
【0023】
▲2▼光沢度
オーバープリント後の光沢を光沢度計にて60°光沢を測定した。光沢度測定装置は、村上色彩社製のGM-260を使用した。
▲3▼耐擦過性
オーバープリント後のカラー画像上を加重49.000Paにて綿布を100往復させる耐擦過性試験(試験機:A.A.T.C.C.クロックメータ モデルCM−1、アトラス エレクトリック デバイス社製)を行い、カラー画像の損傷程度を目視観察し、各熱転写性保護層による画像保護効果を表6の基準にて比較評価した。
【0024】
【表6】
表6
【0025】
▲1▼〜▲3▼の評価結果を表7に示す。
【0026】
【表7】
表7 評価結果
【0027】
比較例3は、熱転写性保護層の転写不良となった。
【0028】
表7に示されるように、実施例では、画像品質、光沢度、耐擦過性とも実使用上、良好な品質であった。一方、比較例では、画像品質等、実使用上満足できるものではなかった。
【0029】
【発明の効果】
本発明の保護層を有する熱溶融転写記録媒体により、低エネルギーで熱転写するモバイルプリンタで画像を形成した後に、熱転写性保護層をオーバープリントすることにより、良好な画像品質、光沢度、耐擦過性を得ることが出来た。
Claims (2)
- 支持体にワックスを主成分とするカラーインク層と、支持体上に保護層と接着層がこの順に積層された熱転写性保護層が、面順次に設けられた熱溶融転写記録媒体において、保護層の主成分樹脂が、アクリル樹脂、セルロース樹脂、ポリビニルブチラール樹脂から少なくとも1種選ばれた樹脂であり、接着層がエチレン酢酸ビニル共重合体及び、または、エチレンエチルアクリレート共重合体を主成分として、ワックスを含有することを特徴とする熱溶融転写記録媒体。
- 請求項1において、保護層中にシリコーン変性樹脂を含有することを特徴とする熱溶融転写記録媒体。
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JP2002123954A JP4106404B2 (ja) | 2002-04-25 | 2002-04-25 | 保護層を有する熱溶融転写記録媒体 |
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